(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明者らは、リニアソレノイドなどの電磁制御用鉄心部材の磁気特性と電磁制御部品の吸引力や制御精度の関係について、材料組織や鉄心材形状の影響など、様々な角度から実験、検討してきた。その結果、軟磁性鋼材と非磁性鋼材の接合部(以下、単に「接合部」と呼ぶ場合がある)において、軟磁性鋼材側に微細結晶粒(具体的には、フェライト結晶粒径が18μm以下)の領域を50〜200μm生成させることで磁気特性を傾斜的に変化させることができ、接合部の磁気特性の低下及び磁気抵抗の増加を抑制し高効率化と精緻な制御が実現できるとともに、接合部の強度を確保できることを見出し、本発明を完成した。このような微細結晶粒の領域は、軟磁性鋼材と非磁性鋼材を摩擦接合することによって実現できる。
【0016】
本発明の電磁制御部品用鉄心部材は、軟磁性鋼材と非磁性鋼材が交互に繰り返して接合されており、繰返し方向の両端部はいずれも軟磁性鋼材である。繰返し数の合計は、3以上9以下が好ましく、3以上5以下がより好ましく、特に3が好ましい。繰返し数が3であるとはすなわち、軟磁性鋼材、非磁性鋼材、軟磁性鋼材の順で接合されていることを意味する。本発明の鉄心部材の形状は特に限定されないが、例えば円筒状、円柱状、リング状などが挙げられる。本発明の鉄心部材が円筒状である場合には、その外径は例えばφ15〜25mmであり、内径はφ10〜14mmである。
【0017】
接合部の軟磁性鋼材側に、微細結晶粒の領域を生成させるという本発明の最重要ポイントに加えて、磁気回路からの漏れ磁束を低減し、ソレノイドや電磁クラッチ部品の高性能化、小型・軽量化、省電力化を可能にするには、接合部の非磁性鋼材側に加工誘起マルテンサイト相の生成がないこと、鋼材の磁気特性及び軟磁性鋼材のミクロ組織を特定することも重要である。以下では、軟磁性鋼材の磁気特性及び組織、非磁性鋼材の磁気特性、接合部(軟磁性鋼材側及び非磁性鋼材側)の組織について順に説明する。
【0018】
<軟磁性鋼材の磁気特性>
ソレノイド等の電磁制御部品では、固定鉄心から可動鉄心に流れる磁束量が多い程、吸引力が大きくなる。よって、軟磁性鋼材には、高い磁束密度を有することが求められる。更に省電力化の観点から、低磁界(小電流)で大きな磁束密度を実現することが望ましく、磁束密度と磁界の比である最大比透磁率の大きい軟磁性鋼材が不可欠となる。励磁電流と可動鉄心の移動量が線形に対応するリニア制御動作を実現するには、最大比透磁率として8000以上が不可欠である。小型・軽量化や動作応答性の向上を追求する上では、軟磁性鋼材の最大比透磁率が9500以上であることが好ましい。また、ヒステリシス特性を低減し、動作精度を一層高める上では、軟磁性鋼材の最大比透磁率が15000以上であることが好ましく、より好ましくは17000以上である。軟磁性鋼材の最大比透磁率の上限は特に限定されないが、通常30000程度である。
【0019】
<軟磁性鋼材のミクロ組織>
軟磁性鋼材はフェライト単相組織であり、フェライト結晶粒が微細になると、磁壁の移動抵抗が増大し、磁気特性の低下をもたらす。特に、フェライト結晶粒度番号が6番以上では、保磁力の増大が顕著となり、電磁制御の応答性や制御精度に大幅に低下する。よって本発明では、軟磁性鋼材のフェライト結晶粒度番号を6番未満とする。フェライト結晶粒度番号は5.5番以下が好ましく、より好ましくは4.5番以下である。結晶粒度番号を安定して確保する観点から、軟磁性鋼材は磁気焼鈍を実施することが望ましい。またフェライト粒度番号の下限は1.0番以上であることが好ましい。フェライト結晶粒が粗大化しすぎると、部品成形時の冷間鍛造性が低下するためである。フェライト粒度番号は好ましくは2.0番以上である。
【0020】
<非磁性鋼材の磁気特性>
一方、非磁性鋼材側には、磁束を軟磁性鋼材に優先的に流すため、磁気抵抗の高い状態すなわち最大比透磁率が低いことが求められる。理想的には真空状態の値である最大比透磁率1が望ましいが、1.03以下では実部品での影響が殆ど認められないことから、本発明では1.03を上限とした。好ましくは1.02以下であり、より好ましくは1.018以下である。非磁性鋼材の最大比透磁率の下限は1に近いほど好ましいが、通常1.004程度である。
【0021】
<非磁性鋼材のミクロ組織>
本発明で用いる非磁性鋼材は上述した通り、最大比透磁率が1.03以下であり、このような非磁性鋼材は、通常、組織の99面積%以上がオーステナイト相である。オーステナイト相の割合は好ましくは99.5面積%以上であり、100面積%であることが最も好ましい。
【0022】
<接合部の軟磁性鋼材側>
上述した通り、本発明では軟磁性鋼材と非磁性鋼材の接合部の、軟磁性鋼材側に、微細結晶粒相が存在している点に特徴を有している。この微細結晶粒相は、軟磁性鋼材が接合の影響で変化して生成した領域であり、この微細結晶粒の領域もまたフェライト単相組織である。そして、フェライト結晶粒径が18μm以下になると、磁束との相互作用がより強くなり、上記の通り、素材の磁気特性は低下傾向となるが、非磁性鋼材との接合界面に限定的に存在させることで、磁束が非磁性鋼材に接する直前から固定鉄心と可動鉄心の間を円滑に流動できるため、磁気回路としての効率を向上させることができる。また、微細粒は靭性を高くできるため軟磁性鋼材と非磁性鋼材の接合面に設けることで、接合強度の向上にも寄与することができる。フェライト結晶粒が18μm以下の微細結晶粒の生成領域が50μmを下回ると接合強度が低下するため、本発明では50μmを下限とした。望ましくは80μm以上、より望ましくは100μm以上である。他方、微細粒の生成領域が大きすぎると、鉄心からの磁束漏れを助長する結果となり、電磁制御部品の吸引力や制御精度の低下を招くため、本願では200μmを上限とした。望ましくは180μm以下であり、より好ましくは160μm以下であり、更に好ましくは140μm以下である。微細結晶粒の領域のフェライト粒径の下限は特に限定されるものではないが、通常2〜5μm程度である。
【0023】
なお、本発明では、摩擦接合の影響を受けて、接合部から軟磁性鋼材側に所定の厚さの領域に前記した微細結晶粒が形成されているのであり、軟磁性鋼材における前記微細結晶粒の領域以外の領域は、最大比透磁率が8000以上で、かつ組織が結晶粒度番号6番未満のフェライト単相組織である。
【0024】
<接合部の非磁性鋼材側>
そして、接合部の非磁性鋼材側では、加工誘起マルテンサイトの生成がない。加工誘起マルテンサイトは強磁性であるため、加工誘起マルテンサイト相が生成すると精密な制御ができない。
【0025】
本発明の鉄心部材では、軟磁性鋼材と非磁性鋼材が接合している接合面が複数箇所(少なくとも2箇所)存在するが、いずれの接合部においても上記の要件を満たしている。
【0026】
上述した本発明の鉄心部材は、軟磁性鋼材と非磁性鋼材を摩擦接合することによって製造できる。従来、鉄心材料の接合に用いられていた溶接接合では、上述したとおり溶接熱影響部において軟磁性鋼材と非磁性鋼材が溶融することによる磁気特性の低下や、両材料の熱膨張係数が異なることに起因してエアギャップ部分が形成されるという不具合が生じていた。しかし、摩擦接合では、接合部分が溶接接合のように高温に長時間さらされることがないため、上記のような不具合を回避できるとともに、むしろ適切な条件で摩擦接合することによって、上記した微細結晶粒の領域を適切な厚みで形成することができる。この微細結晶粒相の存在によって、軟磁性鋼材と非磁性鋼材の間で磁気特性を傾斜的に変化させることができ、電磁制御部品の制御精度が向上できる。
【0027】
摩擦接合の手順の一例を以下に示す。例えば両材料を円柱状又は円筒状とし、(i)一方の材料(材料A)をつかんで回転させたまま、そこへ他方の材料(材料B)をP
0(kg/cm
2)の圧力でt
0(秒)接触させて両材料を予熱する予熱工程、更に(ii)前記材料Bを前記材料AにP
1(kg/cm
2)の圧力でt
1(秒)押しつけて両材料を加熱する加熱工程、その後、(iii)材料Aの回転を止めて、材料Aに材料BをP
2(kg/cm
2)の圧力でt
2(秒)押し付ける接合工程、を備えることによって両材料を接合できる。
【0028】
上記したP
0〜P
2の圧力、及びt
0〜t
2の時間、及び材料Aの回転数は、軟磁性鋼材と非磁性鋼材の組成、形状、大きさ等によって異なるので一概には決められないが、後記する実施例で示した通り、例えばP
0を10〜14kg/cm
2、t
0を0.3〜1秒、P
1を18〜23kg/cm
2、t
1を1〜15秒、P
2を15〜50kg/cm
2、t
2を1〜7秒、材料Aの回転数を2000〜3000rpmとすることができる。中でも、加熱工程における材料Aの回転数及びP
1(kg/cm
2)、t
1(秒)を材料の組成、形状、大きさ等に応じて適切に調整することが重要である。これら条件を決定するに際しては、例えば放射温度計にて接合部の温度を測定したときに、接合部の最高温度がおよそ900℃程度になっていることが一つの目安となる。
【0029】
本発明に用いられる軟磁性鋼材及び非磁性鋼材の化学成分組成は、磁気特性及び組織が上記要件を満足し、上記した接合部の条件を満足する限り特に限定されないが、例えば下記のような軟磁性鋼材及び非磁性鋼材を用いることができる。以下、化学成分組成はいずれも質量%で表す。
【0030】
<軟磁性鋼材の化学成分組成>
C:0.002〜0.02%
Cは、部品強度の確保に有用な元素であるが、鋼中に固溶したCは、Fe格子をひずませて磁気モーメントを低下させ、磁束密度を減少させる原因になる。高磁束密度を重視する電磁制御部品用鉄心部材としては、C量を少量にするのがよく、0.02%以下に抑えることが望ましい。より好ましくは、0.01%以下であり、より好ましくは0.008%以下である。一方、C量低減による磁気モーメントの増加は、0.002%程度で飽和するため、C量の下限は0.002%が好ましい。
【0031】
Si:0%超、3.0%以下
Siは溶製時に脱酸剤として作用し、また、磁気異方性を低減することで磁束密度を向上させる効果を有する。更に、フェライトの硬さを増加させることで、非磁性鋼との強度の差を低減して、接合加工性の向上をもたらす。このような効果を有効に発揮するため、Si量は0.003%以上が好ましく、より好ましくは0.005%以上であり、更に好ましくは0.1%以上である。但し、磁気特性への効果は3.0%で飽和し、一方で過多添加は、冷間鍛造性の大幅な低下を招くため、3.0%以下が好ましい。好ましくは2.5%以下、より好ましくは2%以下である。
【0032】
Mn:0.1〜0.5%
Mnは、溶製時に脱酸剤として用いられる元素であり、鋼中ではSと結合してSによる脆化を抑制する作用を有している。また、鋼中のSと結合してMnSを形成したり、鋼中の酸化物の周囲にMnSが複合析出して複合析出物を形成することで、部品の電気抵抗率を高める作用を有している。従ってMnは0.1%以上が好ましく、より好ましくは0.15%以上、更に好ましくは0.25%以上である。しかし、Mnが増加すると、磁気モーメントを担うフェライト相が不安定となり、磁束密度の低下をもたらすため、0.5%以下が好ましい。Mn量は、より好ましくは、0.45%以下、更に好ましくは0.40%以下である。
【0033】
P:0%超、0.03%以下
Pは結晶粒界に偏析しやすい元素であり、熱間加工性と冷間加工性に悪影響を及ぼす。極力低減することが望ましいが、経済性を考慮して0.03%以下とする。より好ましくは0.015%以下であり、更に好ましくは0.01%以下である。Pは少なければ少ない程好ましいが、通常0.002%程度含まれ得る。
【0034】
S:0%超、0.03%以下
Sは、上述の通り鋼中でMnSを形成する。電気抵抗率を向上させ渦電流を抑制する効果を有する。このような効果を有効に発揮するため、S量は0.003%以上が好ましく、より好ましくは0.010%以上である。しかし、Sを多量に添加すると、粒界に生成したFeSや多量生成したMnSによって、磁気特性と冷間鍛造性の双方を低下させるため、Pと同様、極力低減することが望ましい。本願では、経済性を考慮して0.03%を上限とした。好ましくは、0.015%以下である。
【0035】
Cu:0%超、0.1%以下
Cuは、フェライトに固溶することで、強度と電気抵抗率の向上をもたらす。このような効果を有効に発揮させるため、Cu量は0.01%以上が好ましく、より好ましくは0.02%以上である。一方、過多添加では、磁束密度の低下と冷間鍛造性の悪化を招き、経済性も損なう。従って、本発明では0.1%を上限とすることが好ましい。Cu量は、好ましくは0.08%以下であり、より好ましくは0.06%以下である。
【0036】
Ni:0%超、0.1%以下
Cuと同様に、強度と電気抵抗率の向上に有効である。このような効果を有効に発揮さえるため、Ni量は0.01%以上が好ましく、より好ましくは0.02%以上である。一方、過多添加では、磁束密度の低下と冷間鍛造性の低下をもたらし、経済性も損なう。本発明では0.1%を上限とすることが好ましい。Ni量は、好ましくは0.08%以下であり、より好ましくは0.06%以下である。
【0037】
Cr:0%超、2.0%以下
Crは、鋼部品の電気抵抗を大きくし、渦電流損を低減して電磁部品の応答性を向上させる作用を有する元素である。また、鋼部品の金属組織をフェライト化し、交流磁気特性を向上させる作用も有している。こうした作用を有効に発揮させるには、Crは0.005%以上含有させることが好ましく、より好ましくは0.01%以上である。但し、増量添加に伴い、鋼材の磁気モーメントが低下し、本発明の志向する高磁束密度が得られなくなるため、2.0%を上限とすることが好ましい。Cr量は、好ましくは1.8%以下であり、より好ましくは1.6%以下である。
【0038】
Al:0.002〜0.04%
Alは、鋼中のNと結合してAlNを形成し、固溶Nによる磁気特性の低下を抑制する作用を有する。したがって、Alは0.002%以上含有させることが好ましい。より好ましくは、0.004%以上である。しかし、過多に添加すると、増加したAlNが結晶粒の成長を阻害し、磁気特性に有害な結晶粒界が増加する。また、Nと結合しなかったAlはフェライト中に固溶して強度増加をもたらすため、変形抵抗が上昇し、冷間鍛造性の悪化を招く。よって、本発明では、0.04%を上限とするのが好ましい。好ましくは、0.020%以下であり、より好ましくは0.015%以下である。
【0039】
N:0%超、0.005%以下
Nは、上述のように、Alと結合してAlNを形成し、結晶粒成長を阻害する作用を有する。このような効果を有効に発揮させるため、N量は0.0015%以上が好ましく、より好ましくは0.0020%以上である。また、鋼中に固溶したNは、磁気特性低下に加え、時効硬化による冷間鍛造性の悪化の原因となるため、0.005%を上限とすることが好ましい。好ましくは、0.0040%以下であり、より好ましくは、0.0030%以下である。
【0040】
O:0%超、0.020%以下
Oは、鋼中に酸化物を形成し磁気特性の低下に加え、鋼材の変形能の低下や冷間鍛造時の割れを発生限界の低下を原因となる。従ってOは、できるだけ低減することが望ましく、本発明では上限を0.020%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.010%以下、より好ましくは0.005%以下である。Oは少なければ少ない程好ましいが、通常0.001%程度含み得る。
【0041】
本発明に好ましく用いられる軟磁性鋼材の基本成分は上記の通りであり、残部は実質的に鉄である。但し、原材料、資材、製造設備等の状況によって持ち込まれる不可避不純物が鋼中に含まれることは当然に許容される。
【0042】
<非磁性鋼材の化学成分組成>
C:0.7〜0.95%
Cは、非磁性相であるオーステナイト相の安定化に有効な元素である。その含有量が0.7%未満では、摩擦接合部の界面や仕上げ切削加工を施した際に加工誘起マルテンサイトが生成して非磁性特性が損なわれる傾向がある。一方、含有量が0.95%を超えるとオーステナイト地の加工硬化性を増大させ、鍛造性や被削性が大幅に低下するとともに、粗大な炭窒化が生成するため、非磁性特性の低下と靱性の劣化を招きやすい。従って、C含有量は0.7〜0.95%の範囲とするのが好ましい。C量の下限は、より好ましくは0.75%以上であり、更に好ましくは0.80%以上である。C量の上限は、より好ましくは0.90%以下であり、更に好ましくは0.87%以下である。
【0043】
Si:0.1〜0.5%
Siは溶製時に脱酸剤として作用し、また、Crを代替するオーステナイト化元素として有効である。しかし、0.5%を超えて添加すると熱間加工性を損ない鋼材製造性が大幅に低下するとともに、脱炭層の生成を招き、最大比透磁率が増加する傾向がある。従って、Si含有量は0.1〜0.5%とするのが好ましい。Si量の下限は、より好ましくは0.15%以上であり、更に好ましくは0.20%以上である。Si量の上限は、より好ましくは0.45%以下であり、更に好ましくは0.40%以下である。
【0044】
Mn:13%超、20%以下
Mnは重要なオーステナイト形成元素である。摩擦接合後に仕上げ切削を行っても加工誘起マルテンサイトの生成を抑制する為には、13%超の添加が好ましい。一方、Mnは加工硬化を促進する元素であり、過多添加すると延性低下や割れ感受性の増加をもたらすことから、本発明では20%を上限とすることが好ましい。Mn量の下限は、より好ましくは13.5%以上であり、更に好ましくは14.0%以上である。Mn量の上限は、より好ましくは18%以下であり、更に好ましくは17%以下である。
【0045】
P:0%超、0.07%以下
Pは熱間加工性および溶接性を損なう不純物元素であり、極力低減することが望ましい。また多量に添加するとMn
3Pの粒界析出により、熱間加工性が著しく低下するとともに、曲げ加工性も損なう可能性がある。従って、P含有量の上限を0.07%とするのが好ましい。より好ましくは0.050%以下、更に好ましくは0.030%以下、特に好ましくは0.015%以下にするのがよい。P量は少なければ少ない程良いが、通常0.010%程度含み得る。
【0046】
S:0%超、0.045%以下
Sは、過多添加すると熱間加工性を損なうとともに、圧延後にMnSとして析出すると、オーステナイトの安定化に有効な固溶Mnを減少させるため、極力低減することが望ましい。本発明では、経済性を考慮して0.045%以下とするのが好ましい。より好ましくは、0.030%以下であり、更に好ましくは0.015%以下にするのが良い。S量は少なければ少ない程良いが、通常0.002%程度含み得る。
【0047】
Cr:0%超、2.0%以下
オーステナイト相の安定化に有用な元素である。このような効果を有効に発揮されるため、Cr量は0.4%以上が好ましく、より好ましくは0.7%以上である。しかし、Crを多量添加すると、δフェライト相や粗大な炭化物が生成し易くなり、非磁性特性と靱性を損なうことになるため、上限を2.0%以下とするのが好ましい。Cr量はより好ましくは1.5%以下であり、更に好ましくは1.2%以下である。
【0048】
Al:0%超、0.02%以下
Alは、オーステナイト中のCの拡散速度を低減し、圧延時の表層脱炭による悪影響を軽減できる効果を有する。このような効果を有効に発揮するため、Al量は0.002%以上が好ましく、より好ましくは0.004%以上である。一方で、オーステナイト相の安定化に有効な固溶NをAlNとして析出させ、かつマルテンサイトに変態する温度(Ms点)を増加させるため、低温曲げの観点からは、Al量は低減することが望ましい。本発明では、0.02%以下に制限するのが好ましい。Al量は、より好ましくは0.017%以下であり、更に好ましくは0.013%以下である。
【0049】
N:0.025〜0.05%
Nは、Cと同様にオーステナイトの安定化、高強度化に有効な元素である。含有量が0.025%未満では、摩擦接合時の脱窒素に伴う加工誘起マルテンサイトを完全に抑制するには不十分であり、一方、その含有量が0.05%を超えると、鋼材中にブローホール等の欠陥部が生成し易くなり、鋼材製造性が著しく悪化すると共に、冷間加工性や切削加工性の低下をもたらす。従ってN量は0.025〜0.05%とするのが好ましい。N量の下限は、より好ましくは0.030%以上であり、更に好ましくは0.033%以上である。N量の上限は、より好ましくは0.045%以下であり、更に好ましくは0.040%以下である。
【0050】
本発明に好ましく用いられる非磁性鋼材の基本成分は上記の通りであり、残部は実質的に鉄である。但し、原材料、資材、製造設備等の状況によって持ち込まれる不可避不純物が鋼中に含まれることは当然に許容される。非磁性鋼材は、更に以下の任意元素を含有していても良い。
【0051】
Cu:0%超、0.1%以下およびNi:0%超、0.1%以下の少なくとも1種
Cuは、オーステナイトの安定化と靱性向上に有効である。従って、Cu量は0.01%以上が好ましい。しかし、Cuの過多添加では、熱間延性が低下し、鋼材製造性を損なう。従って、Cu量は0.1%以下が好ましい。Cu量は、より好ましくは0.08%以下であり、更に好ましくは0.06%以下である。
【0052】
Cuと同様に、Niはオーステナイトの安定化と靱性向上に有効である。従って、Ni量は0.01%以上が好ましく、より好ましくは0.03%以上である。しかし、Cuの過剰添加は経済性を大きく損なうため、0.1%を上限とすることが好ましい。Ni量は、より好ましくは0.08%以下であり、更に好ましくは0.06%以下である。
【0053】
B:0%超、0.006%以下
Bは、オーステナイト組織の粒界強度を向上させ、鋼材製造性を改善させる面で有用な元素である。このような効果を有効に発揮させるため、B量は0.0010%以上が好ましく、より好ましくは0.0020%以上である。しかし、多量添加するとFe
2Bが粒界に沿って析出し、粒界強度が低下して鋼材製造性の悪化と非磁性特性の悪化を招く。従ってB量は0.006%以下が好ましく、より好ましくは0.0050%以下であり、更に好ましくは0.0040%以下である。
【0054】
上記した化学成分組成を満たす軟磁性鋼材と非磁性鋼材の製造に際しては、上記組成を満足する鋼材を常法により、溶解、鋳造、熱間圧延して鋼材(例えば棒鋼)を得ればよいが、電磁制御部品用鉄心部材としての特性を最大限に発揮させるためには、下記の条件で鋼材を製造することが好ましい。
【0055】
<軟磁性鋼材の製造方法>
1.熱間圧延時の加熱温度
鋼中の合金成分を母相に完全に固溶させるため、できるだけ高温で加熱することが望ましいが、1200℃を超えるとフェライト結晶粒の粗大化が顕著となって部品成型時の冷間鍛造性低下をもたらすので、その上限温度を1200℃とすることが好ましい。一方、加熱温度が低すぎると局所的にフェライト相が生成し、熱間圧延時の母相(オーステナイト相)と変形抵抗が大きく異なるため圧延時の割れ発生を招く危険性がある。また、低温側では圧延時のロール負荷が上昇し生産性の低下するため、加熱温度は1000℃以上が好ましい。
【0056】
2.熱間圧延時の仕上げ圧延温度
仕上げ温度が低すぎるとミクロ組織が細粒傾向になり、その後の冷却過程や部品製造時の焼鈍過程において、部分的な異常粒成長(GG、Grain Growth)の発生を招く。GG発生部は、冷間鍛造時の肌荒れや割れ発生限界圧縮率の低下、最大比透磁率の減少やばらつき増加の原因となるため、均一な整粒生成を確保する観点から、仕上げ温度は850℃以上が好ましい。このようにすることによって母相の平均結晶粒度番号と比べて2.0番以上小さい粗大なフェライト結晶粒の混在を防止できる。
【0057】
3.磁気焼鈍条件
上記した圧延条件で得られた線材で作製した部品の磁気特性向上に際しては、下記の条件で磁気焼鈍を行うことが大変有効である。析出した窒化物が結晶粒の成長を阻害するため、850℃未満では実用的な熱処理時間で最適なフェライト結晶粒を得ることができない。一方、1000℃を超えて加熱しても効果に著しい差は認められない事から、焼鈍温度範囲を850〜1000℃とした。
【0058】
<非磁性鋼材の製造方法>
ブルームなどの中間製品の緩冷却時に生じた炭化物を再固溶させるため、熱間圧延時の加熱温度は1000〜1250℃とすることが好ましい。また仕上げ圧延後の冷却過程で粒界炭化物析出が生成すると、オーステナイト相の安定度が低下し、摩擦接合部の界面で強磁性である加工誘起マルテンサイト相が生成して電磁制御部品の吸引力や制御精度の低下をもたらす。上記悪影響を抑制する為、750〜500℃の温度域における平均冷却速度を100℃/分以上として冷却することが好ましい。
【実施例】
【0059】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、前記、後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0060】
軟磁性鋼材と非磁性鋼材について、表1、2に示す含有成分の供試材を転炉および150kg真空炉で溶製した。転炉材は熱間圧延で圧延材を試作し、真空炉溶製材については鋼塊を150mm×150mm断面で長さ800mmの直方体に鍛伸加工した後、ダミーのビレット材に溶接接合したもので熱間圧延し、圧延後に実験炉溶製材の領域を採取した、ソレノイド鉄心の試作に供した。なお、軟磁性鋼材は外径φ22の圧延材をφ20に引抜加工して直棒状とし、表4に示す条件にて磁気焼鈍し、炉冷したものを用いた。一方、非磁性鋼材は外径φ20の圧延材をロール矯正で直棒状としたものを用いた。
【0061】
なお、軟磁性鋼材の熱間圧延は、加熱温度1000〜1200℃とし、仕上げ圧延温度は平均で850℃となるよう825〜875℃で管理した。また、非磁性鋼材の熱間圧延は、加熱温度1000〜1250℃とし、仕上げ圧延後の750〜500℃の温度域での平均冷却速度は120℃/分となるよう100〜150℃/分で管理した。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
(1)磁気特性の測定
上記した直棒状材料から試験片を切出し、磁気特性測定に供した。軟磁性鋼材については、外径20mm×内径14mm×高さ3mmのリング状試験片を用い、JIS C2504に規定する方法で行い、自動磁化測定装置(理研電子社製:BHS−40)を用いて印加磁界400A/mまでのヒステリシス曲線を描き、得られたヒステリシス曲線における原点を通る接線の勾配が最大値を最大比透磁率と定義した。また、非磁性鋼材に関しては、棒状鋼材から5mm角の立方体を採取し、振動試料型磁化自動測定装置(理研電子株式会社製BHV−3.5)を用いて最大比透磁率を測定した。
【0065】
次に、以下の要領でソレノイド特性及び接合強度評価用の試料を作製した。
【0066】
軟磁性鋼材と非磁性鋼材の接合方法のうち、溶接接合は、両材料を突合せてTIG(Tungsten Inert Gas)溶接により外周面を溶接電流80Aで片面溶接することで実施した。ソレノイド特性評価用として、φ20mm×30mmLとφ20mm×15mmLの軟磁性鋼材の間にφ20mm×5mmLの非磁性鋼材を溶接したものを作製し、円柱の中心をφ12mmのドリル加工を行い円筒形上に仕上げた。また接合強度評価用として、φ20×150mmLの軟磁性鋼材とφ20×150mmLの非磁性鋼材を溶接したものを作製した。
【0067】
摩擦接合については、先ず、φ20×150mmLの円柱状の軟磁性鋼材と非磁性鋼材を接合した試料を作製した。接合強度評価用には、この試料をそのまま用い、ソレノイド特性評価用としては、前記試料の非磁性鋼材側を5.5mmの長さに切断し端面を平坦に加工して5mm長さとした後、更にφ20×150mmの軟磁性鋼材を摩擦接合して、軟磁性鋼材−非磁性鋼材−軟磁性鋼材の円柱を作製した。次いで、軟磁性鋼材側をそれぞれ30mmLおよび15mmLとなるように切断し、円柱の中心をφ12mmのドリル加工を行い円筒形上に仕上げた。摩擦接合時に生じる接合部表面のバリについては、旋削加工で除去した。
【0068】
本実施例での摩擦接合の詳細条件を表3に示す。先ず非磁性鋼材をチャッキングして回転させ、そこに軟磁性鋼材を圧力P
0(kg/cm
2)でt
0(sec)の時間接触させ両材料を予熱する(予熱工程)。次いで、圧力P
1(kg/cm
2)でt
1(sec)時間、軟磁性鋼材を非磁性鋼材に押し付けて両材料を加熱し(加熱工程)、その後、非磁性鋼材の回転にブレーキをかけ、接合工程として、圧力P
2(kg/cm
2)でt
2(sec)時間、軟磁性鋼材を非磁性鋼材に押し付けて接合を完了させる。ソレノイド特性評価用の試料では、更に非磁性鋼材を所定長さに切断・端面切削した後、この接合品をチャッキングして回転させ、上記工程と同様に軟磁性鋼材を押し付けて、二カ所の接合を完了させる。
【0069】
【表3】
【0070】
上記のようにして作製した試料について、以下の(2)〜(4)の測定を行った。
【0071】
(2)ソレノイド特性の測定
本評価に用いたソレノイドの概略構造を
図1に示す。中心部に可動鉄心(プランジャ)11があり、外周部に軟磁性鋼材12と非磁性鋼材13の接合部を有する円筒状の固定鉄心(コアステータ)14が配置される。また、固定鉄心の外側に磁界印加用の銅製の励磁コイル15が巻かれ、その巻線数は250ターンである。本実施例では、可動鉄心11と固定鉄心14に用いられる軟磁性鋼材はいずれも同一であり、固定鉄心14については後記する表4に示す通り軟磁性鋼材と非磁性鋼材を溶接接合または摩擦接合したものである。
【0072】
ソレノイド特性は、(a)励磁電流を1.0Aとした時の吸引力特性、及び(b)励磁電流を1.0A→2.0A→1.0Aと変化させた際の可動鉄心の位置の差異を指標としてヒステリシス特性で評価した。これら評価には、
図2に示す通り、可動鉄心22に連結されたおもり23による荷重と、可動鉄心の吸引力との釣り合いを、抵抗変化式圧力センサ(Interlink Electronics Inc.製 FSR400 SHORT)にて測定する装置を用いた。
図2において、21はソレノイド、22は可動鉄心、23はおもり、24は圧力センサ、25は滑車、26がガイド、27は定流電源、28が抵抗測定器である。
【0073】
本評価装置では、おもりによる荷重が可動鉄心の吸引力と釣り合った時に、圧力センサの検出圧力がゼロになるため、おもりの重量から吸引力(N)を求めることができる。
【0074】
また、この釣り合い状態から励磁電流を2.0Aに増加し、その後に励磁電流を1.0Aに戻した際、ヒステリシス効果によってセンサの検出圧力が僅かに増加する。ソレノイドに連動したマイクロメータでソレノイドの位置を微調整することで、再び、検出圧力がゼロとなる場所が得られ、ソレノイドの制御精度に相当するこの位置ずれを本評価ではヒステリシス値(mm)として定義・評価した。つまり、ヒステリシス値が小さい程、ヒステリシス特性が良好であると評価できる。
【0075】
(3)接合強度の測定
接合強度については、軟磁性鋼材と非磁性鋼材との接合界面を1ヵ所有するφ20×300mmL(JIS2号試験片)を用いてつかみ間隔200mmLでJIS Z2241に従って引張試験を行い、破断強度を接合強度と定義して評価した。
【0076】
(4)接合部の組織観察
接合部の組織形態については、ソレノイドの特性評価後に分解し、円筒状の鉄心を縦断面で切断し、接合面のミクロ組織を調査した。
【0077】
軟磁性鋼材側の組織評価は、埋め込み材を研磨後、5%のピクリン酸アルコール液に15〜30秒間浸漬して腐食させた後、光学顕微鏡によって、100倍および400倍で撮影するとともに、微細結晶粒の生成状況を1000倍および2000倍のSEM観察で確認した。いずれの倍率の観察においても、観察視野数は5である。各観察視野について、撮影した写真データから、粒子解析ソフト(日鉄住金テクノロジー社製、粒子解析III)を用いて、軟磁性鋼材の平均結晶粒度を求めるとともに、接合領域の結晶粒微細化領域においても、フェライト結晶粒径を円相当直径で求め、フェライト結晶粒径が18μm以下である微細粒領域の厚さをt/4部(2ヵ所)とt/2部(1ヵ所)の3カ所の平均から求めた。なお、前記tは鋼材の厚みである。表4に示す値は、観察した5視野の測定結果の算術平均値である。
【0078】
非磁性鋼材側の組織については、縦断面をナイタル液で腐食した後、光学顕微鏡でt/4部とt/2部の100倍および400倍の組織写真を撮影し、上記の画像解析ソフトを用いて、炭化物などのオーステナイト相以外の面積率を求め、その値を100%から減じたものをオーステナイト面積率とした。いずれの倍率の観察においても、観察視野数は5である。表4に示す値は、観察した5視野の測定結果の算術平均値である。
【0079】
上記(1)〜(4)の測定結果を表4に示す。
【0080】
【表4】
【0081】
表4から次のように考察することができる。実験No.4〜6、10、12、15、18は、本発明で規定する材料の要件を満たし、かつ本発明で規定する接合部の組織形態(なお、これらの例における微細結晶粒の領域では、フェライト粒径の下限は2〜5μm程度であったことを確認している。)を有する鉄心材であるので、目標とするソレノイドの吸引力(4.50N/A以上)とヒステリシス特性(ヒステリシス値が0.20mm以下)を何れも満足し、従来の溶接接合による鉄心と比べて高効率で制御精度に優れることが分かる。また接合強度も300MPa以上を実現していた。これに対し、No.1〜3、7〜9、11、13〜14、16〜17、19〜24は、鋼材特性が本発明の規定要件を外れるか本発明で規定する接合面の組織状態を満足しないものであり、ソレノイドの吸引力効率が目標に達しない等の好ましくない結果となった。
【0082】
No.1、13、21は、非磁性鋼材の比透磁率に増加が認められ、且つ、接合時の圧力により一部に加工誘起マルテンサイトが生じたことから非磁性特性が低下し、ソレノイド特性を低下させる結果となった。
【0083】
No.2とNo.20は、溶接接合を行った事例であり、溶融部位およびその近傍において、軟磁性特性および非磁性特性の双方に悪化をもたらすことから、ソレノイド特性の大幅な低下を招いた。
【0084】
No.3とNo.17は、本発明の特徴である微細粒生成領域が不十分だった例である。傾斜磁気特性の領域が減少し、理想状態と比べ磁抵抵抗が増加する傾向となるため、吸引力が低下し、また接合強度も大きく低下した。
【0085】
No.7〜9は、軟磁性鋼材のフェライト結晶粒度番号が本発明の要件を満たしておらず、最大比透磁率が本発明の目標値を下回った例である。本結果から、本願で定める高効率ソレノイドを実現するには、軟磁性材の最大比透磁率として8000以上が必要であることが分かる。
【0086】
No.11は、摩擦接合の加熱工程にて、温度が上がりすぎたため、微細結晶粒相の厚さが厚くなりすぎ、ソレノイド特性が低下した。
【0087】
No.14、19はそれぞれ、非磁性鋼材のCr量、C量が多めだった例であり、非磁性鋼材の最大比透磁率が高くなりすぎ、また接合部の非磁性鋼材側に加工誘起マルテンサイトが生成したため、接合強度及びソレノイド特性のいずれも低下した。
【0088】
No.16は、Si量が多めだったことにより鋼材の組織が高温においてもフェライト相で安定化し、オーステナイト相への組織変態を活用する微細粒生成が困難となる。よって接合部の強度が低下し、切削での中空加工時に加工不良を招き、部品評価を中止する結果となった。
【0089】
No.22、23は、軟磁性鋼材のC量が多めだった例であり、軟磁性鋼材の組織がフェライト・パーライト組織となり、また最大比透磁率が低くなりすぎたため、微細結晶粒相の厚みが十分でなくソレノイド特性が低下した。No.23については更に非磁性鋼材のC量が少なめだったことなどにより最大非透磁率のが高くなりすぎ、接合部に加工誘起マルテンサイトも生成し、接合強度も低下していた。
【0090】
No.24は、軟磁性鋼材のOが過多となった場合である。実験炉溶製後の鍛伸加工において、鍛造割れが発生した為、熱間圧延材を製造できず評価を中止する結果となった。