(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6434961
(24)【登録日】2018年11月16日
(45)【発行日】2018年12月5日
(54)【発明の名称】喫煙者商品を生産するための装置
(51)【国際特許分類】
A24D 3/02 20060101AFI20181126BHJP
A24C 5/18 20060101ALI20181126BHJP
A24C 5/47 20060101ALI20181126BHJP
【FI】
A24D3/02
A24C5/18
A24C5/47
【請求項の数】6
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-514506(P2016-514506)
(86)(22)【出願日】2014年5月16日
(65)【公表番号】特表2016-518858(P2016-518858A)
(43)【公表日】2016年6月30日
(86)【国際出願番号】IB2014061489
(87)【国際公開番号】WO2014188318
(87)【国際公開日】20141127
【審査請求日】2017年3月7日
(31)【優先権主張番号】BO2013A000241
(32)【優先日】2013年5月22日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100179682
【弁理士】
【氏名又は名称】田嶋 亮介
(72)【発明者】
【氏名】エスポスティ,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】エウセピ,イヴァン
(72)【発明者】
【氏名】サルトーニ,マッシモ
【審査官】
豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2013/024263(WO,A1)
【文献】
特開平04−293478(JP,A)
【文献】
特開昭53−075396(JP,A)
【文献】
特表2008−534795(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 1/00 − 3/18
A24C 1/00 − 5/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙者商品(14)の一部を形成するための喫煙者製品の連続的な一連のフィルタエレメント(6)を送出方向(D1)に沿って延びている第一経路(P1)に沿って送出するための搬送手段を有するユニット(4)と、
シート材料のウェブ(10)をロール(11)から連続的に引き出し、第二経路(P2)に沿って長手方向に移動させる送出手段(11’)と、
前記送出方向D1に沿って移動する連続的な一連の前記フィルタエレメント6を、巻き付け手段(12)に向かって送出されるシート材料の前記ウェブ10内に巻き付け、シート材料の前記ウェブ(10)内に前記フィルタエレメント(6)を包んでいる少なくとも一つの連続的なロッド(8)を形成するためのガニチャトング(7)と、
前記ガニチャトング(7)の供給端部に配置され、連続的なロッド(8)を、複合フィルタピース(14)から構成される喫煙者商品(14)へと分割するための切断機構(13)と、
を備える、喫煙者商品を生産するための装置であって、
ウェブのストリップ(23,24)を貼り付けるための別々の貼り付け機構(21,22)をさらに備え、
前記貼り付け機構(21,22)は、前記第二経路(P2)に沿って配置されており、前記ストリップ(23,24)が前記第二経路(P2)に対して横方向を向くように、前記ストリップ(23,24)をシート材料の前記ウェブ(10)の一方の面に貼り付け、
前記貼り付け機構(21,22)は、所定の間隔で、それぞれのロール(23”,24”)から引き出されたそれぞれのウェブ(23’,24’)から前記ストリップ(23,24)を切断し、接着剤塗布機構によって、前記ストリップ(23,24)の表面上にスポット状の接着剤を塗布し、
前記貼り付け機構(21,22)は、互いから独立して調整可能に、前記ストリップ(23,24)の位置を変更するものであり、
前記貼り付け機構(21,22)の少なくとも一部と関連付けられる検出手段(25,26)をさらに備え、前記ストリップ(23,24)の位置をチェックし、前記ストリップ(23,24)のウェブ(10)への貼り付けを調整するためのフィードバックを前記貼り付け機構(21,22)に出力する、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、ストリップ(23,24)は、ピース(6)を囲んでいる連続的なロッド(8)の外側の、シート材料のウェブ(10)の表面に貼り付けられる装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の装置において、ウェブの横方向ストリップ(23,24)は、ピース(6)を囲んでいる連続的なロッド(8)の内側の、シート材料のウェブ(10)の表面に貼り付けられる装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置において、ストリップ(23,24)は紙で形成されている、または紙材料を備えている装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置において、ストリップ(23,24)は金属で形成されている、または金属材料を備えている装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置において、ストリップ(23,24)はプラスチックで形成されている、またはプラスチック材料を備えている装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は喫煙者商品を生産するための装置に関する。
【0002】
具体的には、本発明は、複数の円筒状の喫煙者商品を生産するための装置を対象とする。円筒状の喫煙者商品のそれぞれは、少なくとも二つの円筒状のピースを備えるグループから構成されるものである。二つの円筒状のピースは、グループの周囲の少なくとも一部に巻き付けられた粘着性シート材料(gummed sheet material)によって互いに連結されており、円筒状のピース上で、そのシート材料の表面が接続する。それぞれのグループの状態(context)においては、ひと続きの長い紙(ウェブ)材料の少なくとも一つのストリップがグループの周囲に配置されている。
【背景技術】
【0003】
ここで説明の便宜上、本発明の範囲を限定することなく、二つ以上のフィルタ材のピースからなる円筒状の喫煙者商品の生産について説明する。二つ以上のフィルタ材のピースは、端部と端部が近接配置されたものである。あるいは、隙間を空けて分離されたもの、または少なくともそれらの間に任意の種類の目の粗い材料が詰められた空間により分離されたものである。また、円筒状の喫煙者商品は、一例として、フィルタ材を有するとともに一ピースのタバコに接続される、一つ以上のピースを有するフィルタ付きタバコ(filter cigarettes)から構成されるさらなる喫煙者商品の一部と考えることもできる。
【0004】
より一般的には、本発明の喫煙者商品とは、複数の円筒状の喫煙者商品を作るのに用いられる、任意の種類の一連の円筒状のピースの喫煙者製品を含むものである。
【0005】
喫煙者商品の生産において、ウェブが円筒状のピースの周囲に巻き付けられて接着され、各ピースが互いに連結されることがある。このウェブには、その周面の片面あるいは両面に、ウェブ自体に接着される適当な材料の一つ以上のストリップが配置される。これにより、上述したピースの周囲にウェブ自体を巻き付けることによって得られる円筒状の喫煙者商品の表面に一つ以上の環状の挿入物が形成される。場合により、これらの環状の挿入物は、審美的な機能を有するものでもよく、箔紙(フォイルペーパー)またはプラスチック材料で形成することができる。あるいは、機能的な目的を有するものでもよく、当該ストリップを風味付けする目的で用いることもできる。
【0006】
上記タイプの喫煙者商品を製造する製造機械においては、ウェブ自体の製造の間、ストリップが既に配置されたウェブを用いることが一般的に行われる。しかしながら、これを行うには、比較的高いコストが必要となる。この種のウェブの特殊なロールは非常に高価であるのみならず、複雑で非経済的な手法を要する技術的問題を生じさせるからである。具体的には、ウェブ自体に巻き付けられる円筒物に対して環状の挿入物を適切に配置するよう設計された、多少複雑な同期システムを製造機械に配置する必要が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、従来技術に関する上述の欠点がない、喫煙者商品を生産するための装置を提供することにある。
【0008】
このために、本発明は、添付の特許請求の範囲に記載した喫煙者商品を生産するための装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明を、限定するものではない実施形態を示す以下の添付図面を参照しながら説明する。
【
図1】本発明にかかる喫煙者商品を生産するための装置の概略的正面図である。
【
図2】
図1の装置における喫煙者商品の製造の種々の段階における喫煙者商品の概略的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、喫煙者商品を生産するための装置1を示す。装置1は、フィルタを形成するための装置2の端部すなわち供給部を備える。フィルタは、複合タイプとできる、言い換えれば、軸方向に互いに近接配置された異なる種類の二つ以上のフィルタ材のピースから構成できる。
【0011】
装置2の形成部分は、フィルタエレメント6(
図2も参照)から構成される喫煙者製品のピースを送出方向D1に沿って延びている第一経路P1に沿って送出するための搬送手段5を備えるユニット4である。
【0012】
装置1は、(少なくとも一つの)連続的なフィルタロッド8を形成するためのガニチャトング(garniture tongue)7を備える。図示する実施形態において、フィルタロッド8は、隙間9と交互に配置されたフィルタエレメント6を備える。
【0013】
より詳細には、ガニチャトング7に沿って、方向D1に沿って移動する連続的な一連のフィルタエレメント6が紙(または他のシート材料)のウェブ10内に次第に巻き付けられていく。紙(または他のシート材料)のウェブ10は、全体を参照符号11’で示す基本的に既知のタイプの送出手段によってロール11から連続的に引き出され、ブロック12として概略的に表す巻き付け手段に向かって送出される。こうして形成された連続的なロッド8は、ガニチャトング7の供給端部にある回転式切断機構13によって、複合フィルタピース14から構成される複数の喫煙者商品へと分割される。それぞれの複合フィルタピース14は(例えば)、二つの軸方向端部が隙間9によって分離された中央のフィルタエレメント6と、他の二つのフィルタエレメント6の対応するそれぞれの半分と、から構成される。より具体的には、シート材料のウェブ10の送出手段11’は、ウェブ10を第二経路P2に沿って長手方向に流れさせる。
【0014】
装置2はまた、連続的なフィルタロッド8の送出方向における切断機構13の下流側に、基本的に既知のタイプの搬送装置15を備える。搬送装置15は、タバコにフィルタを取り付けるための既知のタイプのタバコ用フィルタ(フィルタチップ)取り付け機械16の入口側に向かって、フィルタピース14を連続的に送出する。また、タバコ用フィルタ取り付け機械16は、ブロック16’として概略的に表すタバコ製造機からタバコピース17を連続して受け取り、フィルタピース14を長さが半分となる二つのピースに分割し、そのピース18を軸方向に二つのタバコピース17の間に配置し、ピース17,18を既知の方法で互いに接続して二本分のタバコ19を形成し、二本分のタバコ19をピース18に沿った中間で二つに分割することによって、二つの最終的なフィルタ付きタバコ20を形成することができる。
【0015】
ユニット4の上流でウェブ10が流れる第二経路P2に沿って、ウェブ10自体の送出方向によって定義される順に、ウェブのストリップ23,24をウェブ10自体に貼り付けるための貼り付け機構21,22,27が配置される。貼り付け機構21,22,27は、所定の正しい間隔で、それぞれのロール23”,24”から引き出されたそれぞれのウェブ23’,24’からストリップ23,24を切断し、既知のタイプの接着剤塗布機構(gluing device)(図示せず)によってそれらの表面上にスポット状の接着剤(glue)を塗布する。言い換えれば、ストリップ23,24が第二経路P2に対して横方向に向く状態で、ストリップ23,24をシート材料のウェブ10の少なくとも一方の表面に貼り付けるよう、貼り付け機構21,22,27は第二経路P2に沿って配置されている。
【0016】
例えば、所定の長さの隙間によって互いから間隔をあけて配置されるストリップ23およびストリップ24がウェブ10に配置されるよう、貼り付け機構21,22は、それぞれの横方向ストリップ23,24をウェブ10の一方の面に貼り付けることができ、連続的なフィルタロッド8を形成するガニチャトング7に沿って通過する際に、ストリップ24がストリップ23より前方側となるようにそれぞれのペアのフィルタエレメント6間に中央に配置される。上記によって、ウェブ10に連結されたウェブのストリップ23,24は、最終的なフィルタ付きタバコ20のそれぞれに環状の挿入物23”’,24”’を形成する。環状の挿入物23”’,24”’は、それぞれが、中央にフィルタがある二本分のタバコ19を半分に切断することによって得られる二本のタバコ20のそれぞれのフィルタの一部を囲む。
【0017】
ストリップ23,24を任意の適当な材料で、例えば紙またはプラスチック材料で形成することができる。あるいは、ストリップ23,24は、金属材料を備える、または例えばフィルタピース14の特性に影響を与えることができるフレーバリング(風味付け)等のあらゆる物質を含有することができる。
【0018】
ストリップ23,24が貼り付けられた後にウェブ10が流れる第一経路P1に沿って、好ましくは二つの検出機構25,26が配置される(
図2)。二つの検出機構25,26は、ストリップ23,24が正確に配置されていることを既知の方法でチェック(確認)し、もし配置誤差が検出された場合には検出機構25,26に関連付けられた貼り付け機構21,22にフィードバックを出力し、その誤差を補正するようウェブ10へのストリップ23および/またはストリップ24の貼り付けを独立して遅らせるまたは進めさせる。
【0019】
図1に示す通り、ストリップ23,24と同様な一つ以上ストリップが、ストリップ23,24が貼り付けられる面とは反対側のウェブ10の面に貼り付けられる。この目的のために、貼り付け機構21,22と同様な一つ以上の貼り付け機構27を、反対側の面に作用するよう配置することができる(
図1においては一つの装置を破線で示している)。貼り付け機構27もまた好ましくは、検出機構25,26と同様な検出機構(図示せず)に関連付けられている。一般に、検出機構は、好ましくは貼り付け機構21,22,27の少なくとも一部と関連付けられている。
【0020】
なお、上記に関して、ストリップ23,24を、要求に応じて、フィルタエレメント6を囲んでいる連続的なロッド8の最終的に外側となるウェブ10の面に、またはロッド8の内側となるウェブ10の面に、または両面に貼り付けることができることを記載しておく。
【0021】
装置1において用いることができる貼り付け機構21,22,27の数を必要に応じて選択することができることは明らかであろう。
【0022】
最後に、要求に応じてストリップ23,24の位置を離間させるために、かつ/またはピース18を異なるサイズへと変換する場合に間隔を変更するために、ストリップ23,24の位置を変更することが、互いから独立して調整可能な別々の貼り付け機構21,22,27を用いることにより、可能になることを記載しておく。