特許第6435141号(P6435141)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6435141画像形成装置および画像形成用の制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6435141
(24)【登録日】2018年11月16日
(45)【発行日】2018年12月5日
(54)【発明の名称】画像形成装置および画像形成用の制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20181126BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20181126BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20181126BHJP
【FI】
   B41J29/38 Z
   G06F3/12 304
   G06F3/12 337
   B41J29/42 F
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-181803(P2014-181803)
(22)【出願日】2014年9月6日
(65)【公開番号】特開2016-55465(P2016-55465A)
(43)【公開日】2016年4月21日
【審査請求日】2017年4月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 彰
【審査官】 三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−047676(JP,A)
【文献】 特開2012−039179(JP,A)
【文献】 特開2009−009554(JP,A)
【文献】 特開2010−218306(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0086042(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00 − 29/70
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により実行可能な複数の印刷ジョブを記憶するメモリと、
前記メモリが記憶する前記実行可能な複数の印刷ジョブのリストと印刷を指示するプリントボタンとを含む印刷ジョブの選択画面を表示する表示部と、
前記表示部が表示する複数の印刷ジョブから印刷を実行する印刷ジョブの選択と前記プリントボタンへの指示とを受付ける操作部と、
前記操作部で前記印刷ジョブの選択画面における印刷ジョブのリストから複数の印刷ジョブを選択した状態で前記プリントボタンが指示された場合、前記印刷ジョブの選択画面において選択された複数の印刷ジョブを一覧表示して前記一覧表示した各印刷ジョブに対して印刷順番を設定する前記印刷ジョブの選択画面とは別の印刷順番の設定画面を前記表示部に表示し、前記印刷順番の設定画面において設定された印刷順番で選択された各印刷ジョブに基づく印刷を前記画像形成部に実行させる制御部と、
を有する画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記印刷順番の設定画面において選択された複数の印刷ジョブを印刷順番に一覧表示するリストと、前記リストに表示した印刷順番のソート方法を示す表示欄とを表示する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記操作部で印刷順番のソート方法の選択が指示された場合に前記表示欄に表示するソート方法を選択する選択欄を表示し、前記選択欄でソート方法が選択された場合に選択されたソート方法で並べた複数の印刷ジョブを前記リストに表示する、
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記印刷順番の設定画面において前記リストに表示した複数の印刷ジョブのうち選択状態である1つの印刷ジョブの印刷順番を変更するための指示ボタンを表示する、
請求項2又は3の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記印刷順番の設定画面において選択された複数の印刷ジョブを指定された印刷順番で印刷する処理に対する設定を行うための設定ボタンを表示する、
請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、複数の印刷ジョブを記憶するメモリと、表示部と、操作部とを有する画像形成装置に用いられる画像形成用の制御プログラムであって、
プロセッサに、
前記メモリが記憶する実行可能な複数の印刷ジョブのリストと印刷を指示するプリントボタンとを含む印刷ジョブの選択画面を前記表示部に表示する機能と、
前記表示部が表示する複数の印刷ジョブから前記操作部で選択された複数の印刷ジョブの選択と前記プリントボタンへの指示とを受け付ける機能と、
前記操作部で前記印刷ジョブの選択画面における印刷ジョブのリストから複数の印刷ジョブを選択した状態で前記プリントボタンが指示された場合、前記印刷ジョブの選択画面において選択された複数の印刷ジョブを一覧表示して前記一覧表示した各印刷ジョブに対する印刷順番を設定する前記印刷ジョブの選択画面とは別の印刷順番の設定画面を前記表示部に表示する機能と、
前記印刷順番の設定画面において前記操作部で指示される各印刷ジョブに対する印刷順番の指示を受け付ける機能と、
前記印刷順番の設定画面において設定された印刷順番で、前記選択された複数の印刷ジョブに基づく印刷を前記画像形成部に実行させる機能と、
を実現させるための画像形成用の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、画像形成装置及び画像形成用の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、プライベート印刷及びホールド印刷と呼ばれる機能を有するものがある。プライベート印刷及びホールド印刷は、画像形成装置が外部装置からの印刷要求をジョブとして蓄積し、操作パネルからユーザ操作によって印刷を実行する機能である。従来の画像形成装置は、複数のジョブを一括して選択する場合、それらのジョブの印刷順序をユーザが自由に設定することができない。また、従来の画像形成装置は、異なる複数のジョブを任意に組み合わせ、部単位でソートして印刷することもできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−11834
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態によれば、メモリに記憶した複数の印刷ジョブをユーザが指定する印刷順番で実行できる画像形成装置、および、画像形成用の制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、画像形成装置は、画像形成部と、メモリと、表示部と、操作部と、制御部とを有する。画像形成部は、記録媒体に画像を形成する。メモリは、複数の印刷ジョブを記憶する。表示部は、メモリが記憶する実行可能な複数の印刷ジョブのリストと印刷を指示するプリントボタンとを表示する。操作部は、表示部が表示する複数の印刷ジョブから印刷を実行する印刷ジョブの選択とプリントボタンへの指示とを含む印刷ジョブの選択画面を受付ける。制御部は、操作部で前記印刷ジョブの選択画面における印刷ジョブのリストから複数の印刷ジョブを選択した状態でプリントボタンが指示された場合、前記印刷ジョブの選択画面において選択された複数の印刷ジョブを一覧表示して前記一覧表示した各印刷ジョブに対して印刷順番を設定する前記印刷ジョブの選択画面とは別の印刷順番の設定画面を表示部に表示し、印刷順番の設定画面において設定された印刷順番で選択された各印刷ジョブに基づく印刷を画像形成部に実行させる選択された複数の印刷ジョブに対して操作部で指示された印刷順番で、印刷を画像形成部に実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態に係るデジタル複合機の構成例を概略的に示すブロック図である。
図2図2は、デジタル複合機においてホールド印刷を実行する処理を概略的に説明するための図である。
図3図3は、本実施形態に係るデジタル複合機におけるホールド印刷ジョブの選択画面の表示例である。
図4図4は、本実施形態に係るデジタル複合機におけるホールド印刷ジョブの選択画面の表示例である。
図5図5は、本実施形態に係るデジタル複合機における印刷順番の設定画面の表示例である。
図6図6は、本実施形態に係るデジタル複合機における印刷順番の設定画面の表示例である。
図7図7は、本実施形態に係るデジタル複合機における印刷順番の設定画面の表示例である。
図8図8は、本実施形態に係るデジタル複合機における印刷順番の設定画面の表示例である。
図9図9は、本実施形態に係るデジタル複合機における3つのジョブを順に印刷したものを3部分印刷した結果を示す。
図10図10は、デジタル複合機におけるホールド印刷ジョブの印刷処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係るデジタル複合機の構成例を概略的に示すブロック図である。本実施形態に係るデジタル複合機(MFP,Multi-Functional Peripheral)は、画像形成装置を含む装置である。図1に示す例では、デジタル複合機は、システム制御部1、スキャナ2、プリンタ3、フィニッシャ4、および、操作パネル5を有する。
【0008】
システム制御部1は、デジタル複合機の各部を統括的に制御する。システム制御部1は、制御部11、HDD12などを有する。制御部11は、制御基板(システム制御基板)を有する。制御部11は、当該デジタル複合機(システム)全体を制御する制御部として機能する。制御部11は、プロセッサ13、メモリ14、外部メモリI/F15、通信I/F16、画像処理部17などを有する。制御部11は、CPU13、メモリ14、外部メモリI/F15、通信I/F16、画像処理部17などを搭載する制御基板で構成する。
【0009】
プロセッサ13は、システム全体の制御およびデータ処理などを行う。プロセッサ13は、例えば、CPUである。プロセッサ13は、メモリ14が記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を行う。メモリ14は、RAM、ROM、EEPROMなどを含む。外部メモリI/F15は、外部メモリを接続するインターフェースである。通信I/F16は、ネットワークなどを介して外部装置と通信するためのインターフェースである。画像処理部17は、データ変換(ファイル変換)処理などを行う処理部である。
【0010】
スキャナ2は、原稿の画像を読み取って画像データに変換する処理ユニットである。スキャナ2は、制御部(スキャナ制御部)21および画像読取部22を有する。制御部21は、画像読取部22の動作を制御する。制御部21は、プロセッサ23、メモリ24などを有する。制御部21は、プロセッサ23、メモリ24などを搭載した制御基板で構成する。
【0011】
プロセッサ23は、インターフェースを介してシステム制御部1の制御部11に接続する。プロセッサ23は、メモリ24が記憶するプログラムを実行することによりスキャナ2における種々の処理を行う。例えば、プロセッサ23は、システム制御部1からの指示に応じて画像読取部22により原稿の画像を読み取り、読み取った画像データをシステム制御部1へ出力する。
【0012】
画像読取部22は、原稿の読取面における画像を画像データに変換する。画像読取部22は、CCDラインセンサなどにより構成する。画像読取部22は、原稿台ガラスに載置された原稿をスキャンするものであっても良いし、ADF(Auto Document Feeder)が搬送する原稿の画像を読み取るものであっても良い。
【0013】
プリンタ3は、記録媒体としての用紙に画像を形成する処理ユニットである。プリンタ3は、制御部(プリンタ制御部)31および画像形成部32を有する。制御部31は、画像形成部32を制御する。制御部31は、プロセッサ33、メモリ34を有する。制御部31は、プロセッサ33、メモリ34などを搭載した制御基板により構成する。制御部31のプロセッサ33は、インターフェースを介してシステム制御部1の制御部11に接続する。プロセッサ33は、メモリ34が記憶するプログラムを実行することによりプリンタ3における種々の処理を行う。例えば、プロセッサ33は、システム制御部1からの指示に応じて画像形成部32を制御することにより記録媒体に画像を形成する。
【0014】
画像形成部32は、記録媒体に画像を形成する。画像形成部32は、モノクロプリンタであっても良いし、カラープリンタであっても良い。また、画像形成部32は、特定の画像形成方式に限定されるものではない。たとえば、画像形成部32は、電子写真方式であっても良いし、インクジェット方式の画像形成装置であっても良いし、熱転写方式の画像形成装置であっても良い。
【0015】
フィニッシャ4は、プリンタ3が印刷出力した用紙を後処理する処理ユニットである。フィニッシャ4は、制御部(フィニッシャ制御部)41および用紙処理部42を有する。制御部41は、プロセッサ43、メモリ44を有する。制御部41は、プロセッサ43、メモリ44などを搭載した制御基板により構成する。制御部41のプロセッサ43は、インターフェースを介してプリンタ3の制御部31に接続する。プロセッサ43は、メモリ44が記憶するプログラムを実行することによりフィニッシャ4における種々の処理を行う。用紙処理部42は、プリンタ3が印刷出力した用紙に対して、ステープル、電子ソートなどのフィニッシング処理を施す。
【0016】
操作パネル5は、ユーザインターフェースである。操作パネル5は、表示部51、操作部52を有する。表示部51及び操作部52は、システム制御部1の制御部11に接続する。表示部51は、バックライト付きの液晶表示装置(LCD)などで構成する。操作部52は、タッチパネル、ハードキーにより構成する。たとえば、表示部51及び操作部52は、タッチパネルを有する液晶表示装置により構成する。
【0017】
次に、実施形態に係るデジタル複合機におけるホールド又はプライベート印刷について説明する。
デジタル複合機は、ホールド印刷機能およびプライベート印刷機能を有する。ホールド及びプライベート印刷機能は、デジタル複合機が外部装置から受信した印刷ジョブを操作パネルでの実行指示に従って印刷実行(リリース)する機能である。デジタル複合機は、外部装置から受信したホールド印刷及びプライベート印刷の要求を印刷ジョブとして蓄積し、操作パネルで選択された印刷ジョブを実行する。なお、プライベート印刷は、印刷を実行するために、パスワード等の認証情報による認証が必要となる印刷機能である。
【0018】
例えば、システム制御部1の制御部11は、通信インターフェース16により、外部装置からホールド印刷の要求と印刷データとを受信する。ホールド印刷の要求と印刷データとを受信すると、制御部11は、受信した印刷データをジョブ(ホールド印刷ジョブ)としてHDD12に蓄積する。ホールド印刷ジョブをHDD12に蓄積した後、制御部11は、操作パネル5の操作部52で印刷の実行が指示されたホールド印刷ジョブを実行する。
【0019】
図2は、デジタル複合機においてホールド印刷を実行する処理を概略的に説明するための図である。
ここでは、図2に示すように、パネル制御部61、ジョブ制御部62および印刷実行制御部63による制御としてホールド印刷の流れを説明する。パネル制御部61、ジョブ制御部62および印刷実行制御部63は、制御部11のプロセッサ13により実現される処理機能である。つまり、制御部11のプロセッサ13は、メモリ14に記憶したプログラムを実行することによりパネル制御部61、ジョブ制御部62および印刷実行制御部63として機能する。
【0020】
まず、ユーザは、少なくとも1つのホールド印刷要求を外部装置からデジタル複合機に送信済みであるものとする。システム制御部1の制御部11は、ユーザ端末などの外部装置からのホールド印刷要求を印刷ジョブとしてHDD12に蓄積する。デジタル複合機に送信済みのホールド印刷を実行するユーザは、操作パネル5の操作部52を操作してホールド印刷機能を選択する。パネル制御部61は、表示部51にホールド印刷が選択可能な操作画面(メニュー画面)を表示する。例えば、パネル制御部61は、操作画面にホールド印刷機能の選択ボタンを表示する。パネル制御部61は、ユーザが選択ボタンを選択したことを検知する。操作部52によりホールド印刷機能が選択されると、システム制御部1の制御部11は、実行するホールド印刷ジョブの選択及び印刷設定などの処理を行う。
【0021】
パネル制御部61は、操作パネル5の操作部52による操作を介して印刷を実行するジョブの選択および選択したジョブの印刷順番などの印刷設定を受け付ける(ACT11)。すなわち、パネル制御部61は、ユーザが操作パネル5で選択するジョブの選択を受け付ける。また、ユーザは、操作パネル5で選択したジョブに対する印刷順番などの印刷設定を指示する。パネル制御部61は、操作パネル5の操作に応じて、選択したジョブに対する印刷設定を受け付ける。たとえば、複数のジョブが選択された場合、パネル制御部61は、操作パネル5での選択したジョブに対する印刷順番の指定を受け付ける。パネル制御部61は、操作パネル5の操作により選択されたジョブと印刷設定(例えば、印刷順番)とをジョブ制御部62へ通知する(ACT12)。
【0022】
ジョブ制御部62は、ジョブを指定された印刷設定での印刷実行要求を印刷実行制御部63へ指示する(ACT13)。たとえば、ジョブ制御部62は、印刷設定で指定された印刷順番の通りに、1部ずつジョブの実行要求を印刷実行制御部63へ出力しても良い。この場合、ジョブ制御部62は、全ての部数が印刷完了するまでジョブの実行要求を繰り返し出力する。
【0023】
印刷実行制御部63は、ジョブ制御部62からの印刷実行の指示に応じて、プリンタ3を制御することによりジョブに基づく印刷を実行する。印刷実行制御部63は、指定された印刷設定に従って、ジョブの印刷を実行する。指示されたジョブの印刷が完了すると、印刷実行制御部63は、印刷完了をジョブ制御部62へ通知する(ACT14)。ジョブ制御部62は、印刷実行制御部63から印刷完了の通知を受ける。ジョブ制御部62は、印刷完了を受信した場合、実行を指示したジョブの印刷完了を認識する。
【0024】
たとえば、ユーザがスタートボタンを指示した場合、パネル制御部61は、ジョブの印刷順番を決定する。パネル制御部61は、各ジョブのジョブIDを印刷順番に並べたジョブIDリストを作成する。また、パネル制御部61は、ジョブIDリスト及び印刷設定と共にジョブ実行要求をジョブ制御部62に通知する。印刷設定には、部単位でのソート設定、部数、フィニッシング設定等などを示す情報が含まれる。
【0025】
ジョブ制御部62は、パネル制御部61から通知されたジョブIDリストの順に従って、印刷実行制御部63に対して印刷要求を通知する。ジョブ制御部62は、設定された部数に達するまで、印刷順に従って印刷要求を繰り返す。印刷実行制御部63は、ジョブ制御部62からの印刷要求順に従って印刷を実行する。
【0026】
また、ジョブ制御部62は、複数のセットのジョブを実行要求できる。ジョブ制御部61は、各セットの最初のジョブの実行を印刷実行制御部63に要求する場合、最初のジョブの実行要求であることを示すパラメータを印刷実行制御部63に渡す。ジョブ制御部61は、各セットの最終のジョブの実行を印刷実行制御部63に要求する場合、最後のジョブであることを示すパラメータを印刷実行制御部63に渡す。印刷実行制御部63は、セットの最後のジョブの実行要求が通知されるまで、フィニッシング処理を保留する。セットの最終のジョブの実行要求が通知されると、印刷実行制御部63は、フィニッシング処理を含む印刷を実行する。
【0027】
次に、操作パネル5におけるジョブの選択および選択したジョブに対する印刷設定の例について説明する。
ユーザが操作パネル5でホールド印刷機能を指示すると、パネル制御部61は、ホールド印刷ジョブの選択画面を表示部51に表示する。ホールド印刷ジョブの選択画面は、印刷を実行するジョブをユーザに選択させる画面である。
【0028】
図3及び図4は、ホールド印刷ジョブの選択画面70の表示例である。
ホールド印刷ジョブの選択画面70は、ジョブタイプの表示欄71、ジョブのリスト72、プリントボタン73、全選択ボタン74、全選択解除ボタン75、削除ボタン76、リターンボタン77などを有する。
【0029】
図3に示す表示例において、パネル制御部61は、ジョブタイプの表示欄71にホールド印刷(HOLD)を表示するとともに、選択可能なホールド印刷ジョブのリスト72を表示する。パネル制御部61は、リストで表示した各ジョブの表示部位へのタッチをタッチパネルにより検知することによりジョブの選択を受け付ける。特定のジョブの表示部位がタッチされると、パネル制御部61は、タッチされたジョブの表示部位を反転表示させる。反転表示するジョブは、選択状態であることを示す。
【0030】
図3及び図4の表示例において、表示部51は、ホールド印刷ジョブとして5つのジョブ(jobA〜E)を表示する。各ジョブとしては、文書名(Document Name)、日時(Date, Time)、用紙サイズ(Paper)、頁数(Pages)、部数(Sets)が表示される。図3及び図4の表示例において、各ジョブは、日時の順に並べて表示される。図3は、どのジョブも選択されていない状態の表示例を示す。図4は、3つのジョブ(jobA、B、C)が選択された状態の表示例を示す。
【0031】
図4に示すように、複数のジョブを選択した状態でプリントボタン73を指示すると、パネル制御部61は、ジョブの印刷順番を設定する設定画面を表示部51に表示する。たとえば、パネル制御部61は、印刷順番(出力順)の設定画面をポップアップ表示として表示部51に表示する。
【0032】
なお、全選択ボタン74は、リスト72に表示された全てのジョブを一括して選択することを指示するボタンである。全選択解除ボタン75は、リスト72で選択された全ジョブの選択を一括して解除することを指示するボタンである。削除ボタン76は、リスト72における選択中のジョブを削除することを指示するボタンである。リターンボタン77は、1つ前の操作画面に戻ることを指示するボタンである。また、プリントボタン73とは別に、印刷順番の設定画面を表示させるためのボタン(アイコン)を表示するようにしても良い。
【0033】
図5乃至図8は、選択したジョブの印刷順番の設定画面80の表示例である。
図5乃至図8は、ホールド印刷ジョブとして3つのジョブ(jobA、B、C)が選択された状態における印刷順番の設定画面80の表示例である。図5乃至図8に示す表示例は、ジョブの表示順番が印刷順番(出力順)を示す。また、パネル制御部61は、ホールド印刷ジョブの選択画面70上にポップアップ画面として、図5乃至図8に示すような印刷順番の設定画面80を表示する。印刷順番の設定画面80は、ソートタイプの表示欄81、ジョブのリスト82、プリントボタン83、アップボタン84、ダウンボタン85、設定ボタン86、リターンボタン87などを有する。
【0034】
図5は、印刷対象の3つのジョブを登録日時の新しい順番(NEWEST)で表示した例である。図5に示す表示例では、ソートタイプの表示欄81に「NEWEST」と表示される。たとえば、印刷順番の設定画面80は、デフォルト設定のソートタイプを設定しておいても良い。ソートタイプのデフォルト設定が「NEWEST」であれば、パネル制御部61は、初期画面において、NEWESTでソートした順番でジョブを表示する。
【0035】
図6は、印刷順番の設定画面80におけるソートタイプの選択画面(リストボックス)81aの表示例である。
図5に示す印刷順番の設定画面においてソートタイプのブルダウンキー81bを指示すると、パネル制御部61は、図6に示すリストボックス81aを表示する。リストボックス81aは、ジョブのソート方法(ソートタイプ)を選択するための選択画面である。図6に示す例では、ソートタイプとして、「NEWEST」の他、「OLDEST」、「Document Name(A to Z)」、「Document Name(Z to A)」が選択可能である。
【0036】
例えば、「OLDEST」は、ジョブを登録日時の古い順番にソートする指示する。「Document Name(A to Z)」は、文書名(ジョブ名)の降順(アルファベットの降順)にジョブをソートすることを指示する。「Document Name(Z to A)」は、文書名(ジョブ名)の昇順(アルファベットの昇順)にジョブをソートすることを指示する。なお、ソート方法(ソートタイプ)は、図6に例示するものに限定されるものではない。
【0037】
パネル制御部61は、リストボックス81a内で表示した各ソートタイプの表示部位へのタッチをタッチパネルにより検知することによりソートタイプの選択を受け付ける。特定のソートタイプの表示部位がタッチされると、パネル制御部61は、タッチされたソートタイプの表示部位を反転表示させる。つまり、反転表示は、選択中のソートタイプを示す。
【0038】
図7は、ユーザが個々のジョブの印刷順番を指定する場合の表示例である。
リスト82中の選択状態のジョブは、アップボタン84及びダウンボタン85により、表示位置(印刷順番)を変更できる。アップボタン84は、リスト82における選択状態のジョブの表示位置(印刷順番)を1つ上に移動させることを指示するボタンである。ダウンボタン85は、リスト82における選択状態のジョブの表示位置(印刷順番)を1つ下に移動することを指示するボタンである。
【0039】
図7は、リスト82中のjobBを選択した場合の表示例を示す。図7に示す表示例では、jobBの表示位置は、リスト82の最上位である。つまり、jobBは、リスト82の下方のみ移動可能な状態である。このため、パネル制御部61は、ダウンボタン85を有効な状態にする。
【0040】
図8は、図7に示す表示画面においてダウンボタン85が指示された場合の表示例である。
図8に示す例では、jobBの表示位置が、上から2番目の位置である。すなわち、ダウンボタン85が指示されると、パネル制御部61は、選択中のジョブの表示位置を1つ下の表示位置に移動する。図8に示す表示例では、jobBがリスト82の上方にも下方にも移動可能な状態である。このため、パネル制御部61は、アップボタン84とダウンボタン85とを有効な状態にする。
【0041】
設定ボタン86が押された場合、パネル制御部61は、部単位でのソート印刷の設定、および、フィニッシング設定等の設定画面を表示する。たとえば、部単位のソート印刷の設定では、図9に示すような印刷順番となる印刷設定が可能である。図9は、3つのジョブを順に印刷したものを3セット分印刷した結果を示す。図9に示す印刷結果を得るために、制御部11は、jobA、B、Cを1部ずつ順に印刷する処理を3回繰り返し行う。つまり、本実施形態に係るデジタル複合機は、選択された複数のジョブをユーザが指示する順に印刷すると共に、ユーザが指定する回数分印刷を繰り返し実行する。
【0042】
また、プリントボタン83は、選択されたジョブを、指示された印刷順番で、指示された印刷設定で実行することを指示するボタンである。プリントボタン83が指示された場合、パネル制御部61は、選択中のジョブ、印刷順番、印刷設定等を含む現在の設定内容によるジョブの実行要求をジョブ制御部62へ指示する。また、リターンボタン87は、1つ前の操作画面に戻ることを指示するボタンである。
【0043】
次に、ホールド印刷ジョブの印刷の実行について説明する。
図10は、デジタル複合機におけるホールド印刷ジョブの印刷処理の流れを説明するためのフローチャートである。
ユーザは、操作パネル5により印刷を実行するジョブを選択し、印刷順番などの印刷設定を指示する。ジョブの選択及び印刷設定の入力が完了すると、ユーザは、印刷開始を指示する。たとえば、ユーザは、スタートボタンを押すことにより印刷開始を指示する。
【0044】
ユーザがスタートボタンを指示すると、システム制御部1のプロセッサ13は、パネル制御部61の機能により印刷要求を受け付ける(ACT21)。印刷要求を受け付けると、パネル制御部61(プロセッサ13)は、操作パネル5で選択されたジョブ数nを設定する(ACT22)。また、パネル制御部61は、操作パネル5で選択された部数sを設定する(ACT23)。さらに、パネル制御部61は、スタートボタンが入力された時に表示していた出力順を印刷順番として決定する(ACT24)。
【0045】
印刷順番を決定すると、パネル制御部61は、決定した印刷順番に従って各ジョブのジョブIDを並べたジョブIDリストを作成する。さらに、パネル制御部61は、印刷設定を示す情報を作成する。印刷設定は、部単位でのソート設定、部数、フィニッシング設定等である。パネル制御部61は、ジョブIDリストおよび印刷設定を示す情報とともにジョブ実行要求をジョブ制御部62へ通知する。ジョブ実行要求の通知を受けると、ジョブ制御部62(プロセッサ13)は、部単位でのソート設定があるか否かを判断する(ACT25)。
【0046】
部単位でのソート設定がないと判断した場合、ジョブ制御部62は、印刷実行制御部63にジョブ単位での印刷実行を通知する。印刷実行制御部63(プロセッサ13)は、ジョブ制御部62からの印刷実行の通知に応じて印刷を実行する(ACT26)。たとえば、ジョブ制御部62は、印刷順序に並べたジョブIDリストに従って、印刷実行制御部63に対してジョブ単位ごとに印刷実行を指示する。印刷実行制御部63は、ジョブ制御部62から順に通知される印刷要求に応じて印刷を実行する。
【0047】
また、部単位でのソート設定が有ると判断した場合(ACT25、YES)、ジョブ制御部62(プロセッサ13)は、部単位でのソートを含む印刷を実行するための各種の変数S、Nを設定する。すなわち、プロセッサ13は、変数Sを初期化する(ACT27)。たとえば、変数Sの初期化として、プロセッサ13は、S=0とする。変数Sを初期化した場合、さらに、プロセッサ13は、変数Sをインクリメント(S=S+1)する(ACT28)。また、プロセッサ13は、変数Nを初期化する(ACT29)。たとえば、変数Nの初期化として、プロセッサ13は、N=0とする。変数Nを初期化した後、さらに、プロセッサ13は、変数Nをインクリメント(N=N+1)する(ACT30)。
【0048】
変数Nをインクリメントした後、ジョブ制御部62は、印刷実行制御部63によりジョブIDリストにおけるNジョブ目の印刷を実行する(ACT31)。Nジョブ目の印刷が終了すると、ジョブ制御部62は、1セット分の全てのジョブを印刷したかを判断する(ACT32)。
【0049】
N=nでないと判断した場合(ACT32、NO)、ジョブ制御部62は、ACT30−32の処理を再び実行する。
【0050】
N=nであると判断した場合(ACT32、YES)、ジョブ制御部62は、印刷実行制御部63によりS部目の排紙処理(フィニッシング処理)を実行する(ACT33)。すなわち、プリンタ3が1セット分の複数のジョブの印刷が完了するごとに、プロセッサ13は、印刷結果に対してフィニッシャ4によるフィニッシング処理を実行する。フィニッシング処理が終了すると、ジョブ制御部62は、S=sであるか否かにより、全ての部数の印刷が完了したかを判断する(ACT34)。
【0051】
S=sでないと判断した場合(ACT34、NO)、ジョブ制御部62は、ACT28−34の処理を再び実行する。S=sであると判断した場合(ACT34、YES)、ジョブ制御部62は、全ての部数の印刷が完了したものとして一連の処理を終了する。
【0052】
上記のように、本実施の形態に係る画像形成装置としてのデジタル複合機は、操作部の操作で選択する複数の印刷ジョブを受け付ける。さらに、デジタル複合機は、選択した複数の印刷ジョブに対する印刷順番の指示を受け付ける。デジタル複合機は、指示された印刷順番で選択された複数の印刷ジョブに基づく印刷を画像形成部により実行させる。
【0053】
これにより、本実施形態に係る画像形成装置は、複数のホールド印刷ジョブ又はプライベート印刷ジョブを一括して実行する場合であっても、ユーザが選択した複数のジョブに対する印刷順番を指定できる。
【0054】
また、本実施形態に係る画像形成装置は、印刷順番のソート方法を選択することにより指示できる。また、本実施形態に係る画像形成装置は、各ジョブの印刷順番を操作パネルの操作部へのユーザ操作によって変更できる。さらに、本実施形態に係る画像形成装置は、複数の印刷ジョブの印刷順番を部数単位でソートする設定もできる。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載した内容を付記する。
[1]
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部により実行可能な複数の印刷ジョブを記憶するメモリと、
前記メモリが記憶する複数の印刷ジョブから印刷を実行する複数の印刷ジョブを選択し、前記選択された印刷ジョブに対する印刷順番の指示を受け付ける操作部と、
前記操作部で選択された複数の印刷ジョブに対して前記操作部で指示された印刷順番で、印刷を前記画像形成部に実行させる制御部と、
を有する画像形成装置。
[2]
印刷ジョブの選択画面と印刷ジョブに対する印刷順番の設定画面とを表示する表示部を有し、
前記操作部は、前記表示部が表示する選択画面において複数の印刷ジョブを選択させ、前記表示部が表示する印刷順番の設定画面において印刷順番を指示させる、
[1]に記載の画像形成装置。
[3]
前記操作部は、選択された複数の印刷ジョブを印刷順番に並べるソート方法を選択させる、
[1]又は[2]のいずれかに記載の画像形成装置。
[4]
前記操作部は、選択された複数の印刷ジョブのうち特定のジョブに対する印刷順番の変更を指示させる、
[1]乃至[3]の何れかに記載の画像形成装置。
[5]
前記操作部は、選択された複数の印刷ジョブからなる部単位でのソート設定を指示させ、
前記制御部は、選択された複数の印刷ジョブを指定された印刷順番で印刷する処理を指定された部数分だけ繰り返し前記画像形成部に実行させる、
[1]乃至[4]の何れかに記載の画像形成装置。
[6]
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、複数の印刷ジョブを記憶するメモリと、操作部とを有する画像形成装置に用いられる画像形成用の制御プログラムであって、
プロセッサに、
前記操作部で選択された複数の印刷ジョブの選択を受け付ける機能と、
前記操作部で指示された前記選択した印刷ジョブに対する印刷順番の指示を受け付ける機能と、
前記指示された印刷順番で、前記選択された複数の印刷ジョブに基づく印刷を前記画像形成部に実行させる機能と、
を実現させるための画像形成用の制御プログラム。
【符号の説明】
【0056】
1…システム制御部、2…スキャナ、3…プリンタ(画像形成部)、4…フィニッシャ、5…操作パネル、11…制御部、12…HDD(メモリ)、13…プロセッサ、14…メモリ、16…通信インターフェース、51…表示部、52…操作部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10