(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6435223
(24)【登録日】2018年11月16日
(45)【発行日】2018年12月5日
(54)【発明の名称】貯湯タンクユニット
(51)【国際特許分類】
F24H 9/00 20060101AFI20181126BHJP
【FI】
F24H9/00 E
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-70628(P2015-70628)
(22)【出願日】2015年3月31日
(65)【公開番号】特開2016-191484(P2016-191484A)
(43)【公開日】2016年11月10日
【審査請求日】2017年2月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立アプライアンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098660
【弁理士】
【氏名又は名称】戸田 裕二
(72)【発明者】
【氏名】北村 哲也
(72)【発明者】
【氏名】有田 博
(72)【発明者】
【氏名】厚東 良和
【審査官】
青木 良憲
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−217564(JP,A)
【文献】
特開昭58−160758(JP,A)
【文献】
実開平06−069651(JP,U)
【文献】
特開2010−145066(JP,A)
【文献】
特開2015−034654(JP,A)
【文献】
特開昭59−026477(JP,A)
【文献】
特開昭58−020682(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/146286(WO,A1)
【文献】
特開2016−017649(JP,A)
【文献】
特開2016−044870(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴板と、この胴板の上部開口を覆う上部鏡板と、この胴板の下部開口を覆う下部鏡板とから構成される貯湯タンクと、
前板、側板、後板、上板および底板により構成され、前記貯湯タンクを収容する外箱と、
前記前板の上部及び下部に、対面する前記後板が見通せる位置に設けられた充填孔から注入され、前記貯湯タンクの前記胴板、前記上部鏡板及び前記下部鏡板と前記外箱との間に隙間なく充填された発泡断熱材と、
を有する貯湯タンクユニットにおいて、
前記貯湯タンクは、下部から水道水が導入されて水圧が加わるものであり、前記貯湯タンクを構成する板材の板厚を0.7mm未満とすることを特徴とした貯湯タンクユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の貯湯タンクユニットにおいて、前記貯湯タンクと前記外箱が形成する最小隙間を5mm以上とすることを特徴とした貯湯タンクユニット。
【請求項3】
請求項1または2に記載の貯湯タンクユニットを使用することを特徴としたヒートポンプ式給湯機。
【請求項4】
請求項1または2に記載の貯湯タンクユニットを使用することを特徴とした電気ヒータ式給湯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯湯タンクユニットに使用している貯湯タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、深夜電力等を利用してヒートポンプサイクルや電気ヒータを使用し、低温水を加熱して所望の温度の湯を貯湯タンクに貯える沸上げ機能を備えた貯湯式給湯機が知られている。ヒートポンプサイクルを使用した貯湯式給湯機では、貯湯タンクの下部に貯留される低温の湯水をヒートポンプサイクルを用いた熱源ユニットで加熱し、高温の湯水にして貯湯タンクの上部に戻すことで貯湯タンク内の湯水を沸き上げるようになっている。電気ヒータを使用した貯湯式給湯機では、貯湯タンク内に設けた電気ヒータにより貯湯タンク内の低温の湯水を加熱し、高温の湯水として貯湯タンクに蓄えるようになっている。この様に貯湯式給湯機は、ヒートポンプサイクルや電気ヒータで貯湯タンクの水を沸き上げ蓄えたお湯を家庭内等での給湯に用いるが、一般的な貯湯式給湯機では加熱能力が小さく沸き上げ運転終了までに時間を要するため、深夜時間内に沸き上げ運転を行い、貯湯したお湯を給湯に使用するシステムとなっている。このため、貯湯タンクを設けている貯湯ユニットの構造は、貯湯タンクの全周に発泡スチロール等で形成した断熱材を設け、貯湯ユニットと断熱材を覆うように外板を取り付ける構造が一般的である。
【0003】
また貯湯式給湯機では、ユーザーの給湯使用量に応じて沸き上げ運転時の温度を変更し(例えば65℃〜90℃)、貯湯タンク内の蓄熱量を調節する機能を設けている。また家庭内等へ給湯を行うときには、貯湯タンクに蓄えた温水と水道水をミキシングして、使用者の所望する任意の温度として給湯端末から供給するシステムとなっている。
【0004】
この様な貯湯式給湯機に用いられる貯湯タンクは、水道による水道圧が直接貯湯タンクに加わり、変形、破損することを防ぐために、水道の給水部と貯湯タンクの間に水圧を減圧するための減圧弁が設けられている。しかし、使用者が給湯するために給湯端末を開いた場合は、貯湯タンクに加わる圧力は大気圧に近い圧力となるが、給湯端末を閉じた場合には、貯湯タンクには、減圧弁にて設定した圧力が加わることになり、貯湯タンクは使用者の給湯利用に伴い、繰り返しの圧力変動を受ける事となる。また貯湯タンク内の水を沸き上げる場合、沸き上げに伴う水の膨張のため、貯湯タンクには圧力が加わり、この膨張に伴う圧力は、沸き上げ温度の変更により様々な値となる。このため、貯湯タンクに加わる繰り返しの圧力変動による貯湯タンクの破損を防ぐために、貯湯タンクへの給水口には水道水圧を減ずるための減圧弁を設け、また貯湯タンク内の圧力が上昇しすぎた場合に、タンク内の圧力を減ずるための圧力逃がし弁を設ける事で圧力の変動を抑えるとともに、貯湯タンクの材料であるステンレス板の板厚を厚くする構造としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−228981号公報
【特許文献2】特開2011−117694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、貯湯タンクのステンレス板の板厚を厚くすると、完成した貯湯ユニットの重量が重くなり、据付作業性が悪くなるうえ、板厚を厚くすることによる材料費のコストアップにつながってしまう問題があった。また、貯湯タンクの耐圧を低くするために、減圧弁にて設定する圧力を低くする方法もあるが、この場合、使用者が給湯端末で使用する際の水圧が減じてしまうため、シャワー圧などが低くなり、使用者の使い勝手が悪くなってしまう問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決する本発明は、胴板と、この胴板の上部開口を覆う上部鏡板と、この胴板の下部開口を覆う下部鏡板とから構成される貯湯タンクと、
前板、側板、後板、上板および底板により構成され、前記貯湯タンクを収容する外箱と、
前記前板の上部及び下部に、対面する前記後板が見通せる位置に設けられた充填孔から注入され、前記貯湯タンクの前記胴板、前記上部鏡板及び前記下部鏡板と前記外箱との間に
隙間なく充填され
た発泡断熱材と、を有する貯湯タンクユニットにおいて、前記貯湯タンクは、下部から水道水が導入されて水圧が加わるものであり、前記貯湯タンクを構成する板材の板厚を0.7mm未満とすることを特徴とする。
【0008】
また、前記課題を解決する本発明は、貯湯タンクと、前記貯湯タンクを収容する外箱と、前記貯湯タンクと前記外箱との間に充填される発泡断熱材を有する貯湯タンクユニットにおいて、前記貯湯タンクを構成する板材の板厚を0.7mm未満とする貯湯ユニットにおいて、前記貯湯タンクと前記外箱が形成する最小隙間を5mm以上とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、使用者が給湯端末で使用する際の水圧の減少を抑え、使い勝手の良い貯湯式給湯機を提供できるとともに、貯湯タンクのステンレス板の板厚を薄くすることによる材料費のコストダウンと貯湯ユニットの重量を低減した貯湯タンクユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態に係る貯湯タンクユニットを備えた貯湯式給湯機を示す全体構成図である。
【
図2】貯湯タンクユニットの内部を示す斜視図である。
【
図5】本実施例における貯湯タンク内の水圧による力に対する反力の模式図である。
【
図6】従来からある貯湯ユニットにおける貯湯タンク内の水圧による力に関する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を実施するための貯湯タンクユニットの形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
まず、貯湯タンクユニット1Aを備えた給湯機1について
図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る貯湯タンクユニットを備えた給湯機を示す全体構成図である。
図1に示すように、給湯機1は、貯湯タンクユニット1A、ヒートポンプユニット10
を含んで構成されている。貯湯タンクユニット1Aは、貯湯タンク2、外箱3A、真空断熱材4A(
図1では見えないため不図示)、発泡断熱材6(ドットで示す部分)を含んで構成されている。
【0013】
貯湯タンク2の下部には、水道水が導入される給水管11が接続されている。貯湯タンク2の下部の水は、ポンプ(不図示)によって入水管12を介してヒートポンプユニット10に導入される。ヒートポンプユニット10で加熱された温水は、出湯管13を介して貯湯タンク2の上部に導入される。このような貯湯タンク2内の温水の温度は、例えば、鉛直方向下方から上方にいくにしたがって高くなる。すなわち、貯湯タンク2内の下部から上部にかけて、相対的に低温、中温、高温の温度分布となっている。例えば、貯湯タンク2内の上部で約90℃、中間部で約50℃となっている。
【0014】
ヒートポンプユニット10は、貯湯タンク2から取り出した水を沸き上げるものであり、冷媒(例えば、二酸化炭素)を圧縮して高温・高圧にする圧縮機と、圧縮機から吐出された冷媒を放熱させるとともに貯湯タンク2からの水と熱交換することによって加熱する水−冷媒熱交換器と、水−冷媒熱交換器からの冷媒を減圧する減圧弁と、大気中の熱を吸熱して減圧した冷媒を蒸発させる蒸発器と、を配管で管状に接続したヒートポンプサイクルを備えて構成されている。
【0015】
貯湯タンク2の上部から取り出された湯は、給湯管14を通り、給水管11に分岐して接続された分岐給水管(不図示)からの水と、混合弁(不図示)を介して混合された後、給湯管17を介して給湯端末18から給湯される。
【0016】
外箱3Aは、貯湯タンク2を収容する空間を有し、前方(正面側)に配管カバー3sを備えている。配管カバー3sは、ヒートポンプユニット10から貯湯タンク2に向かう出湯管13、分岐給水管(不図示)、混合弁(不図示)、給湯管17などを収容する空間を有している。そして、底板3eにはタンク脚5と連結するように製品脚60が設置されている。
【0017】
図2は、本実施形態に係る貯湯タンクユニット1Aの内部を示す斜視図である。なお、
図2では、配管カバー3s(
図1参照)の側を切断したときの外箱3Aの内部の状態を示す。また、
図2では、発泡断熱材6(
図1参照)および各種配管の図示を省略している。
【0018】
図2に示すように、貯湯タンク2は、例えば、ステンレス鋼などの材料によって、円筒形状の胴板2a、胴板2aの上部開口を覆う略お椀状(半球状、器状)の上部鏡板2b、胴板2aの下部開口を覆う略お椀状(半球状、器状)の下部鏡板2c、の3部材を溶接することで構成されている。
【0019】
また、貯湯タンク2は、3本のタンク脚5を備え、各タンク脚5の下端がボルトなどで外箱3Aに固定されている。なお、タンク脚5の本数は、3本に限定されるものではなく、4本以上であってもよいが、貯湯タンク2の耐震性を考慮すると、3本の場合は全てのタンク脚5が接地するので浮きがなく安定して固定できる。また、この場合は4本以上設ける場合と比較してコストを低減することができるので、より好適であるといえる。
【0020】
また、貯湯タンク2の外面(前面)には、上下方向に間隔を置いて温度センサ80a,80b(サーミスタ)が設けられている。上側の温度センサ80aは、貯湯タンク2の上部の温度である沸き上げ温度を検出するものである。下側の温度センサ80bは、貯湯タンク2の中間部の中温水の温度を検出するものである。なお、温度センサ80a,80bの個数は、本実施形態に限定されるものではなく、貯湯タンク2の上部だけではなく、貯湯タンク2の上部から下部にかけて3個以上の温度センサが設けられる構成であってもよい。この温度センサからの情報により、貯湯タンク2内部に蓄えられている温水の量を把握し、この情報より、使用者の給湯利用量等を推測して、蓄熱する熱量を決定し、ヒートポンプユニット10による貯湯タンク2内部の温水の沸き上げ温度を決定する。
【0021】
外箱3Aは、貯湯タンク2を収容する鋼板製のものであり、貯湯タンク2の、前方に位置する前板3a(
図1参照)、側方に位置する側板3b,3b、後方に位置する後板(背板)3c、上方に位置する上板(天板)3dおよび下方に位置する底板3eによって縦長の四角箱状に構成されている。
【0022】
配管カバー3sは、外箱3Aの前方に設けられ、例えば、前側に位置する前板、左右に位置する側板、上側に位置する上板、底側に位置する底板によって、外箱3Aの前板3a(
図1参照)を覆うように構成されている。
【0023】
また、脚受部4は、タンク脚5を取り付けて外箱3Aを横に寝かせ、発泡断熱材6の原液を充填口3a1,3a2(詳細は後記
図3参照)から充填した際に、タンク脚5に直接かからないような位置に設置される。換言すると、発泡断熱材6の原液の充填口3a1,3a2からは、それぞれ対面する後板3cが直接見通せるようにして構成される。
【0024】
図2に示すように、タンク脚5は、貯湯タンク2を支持するものであり、鉛直方向(図示上下方向)に沿って配置されている。また、タンク脚5は、板金を略L字状に曲げ加工するなどして構成したものであり、貯湯タンク2に接触しない程度の隙間を空けて、貯湯タンク2よりも径方向外側近傍に位置している。このように、タンク脚5を貯湯タンク2よりも径方向外側に配置することにより、タンク脚を下部鏡板に設ける場合よりも、貯湯タンク2を安定して支持できる。
【0025】
製品脚60は、貯湯タンク2が収容される外箱3Aを支持するものであり、外箱3Aの底板3eの下面に固定されている。また、製品脚60は、上下方向から見たときにタンク脚5が製品脚60と重なる位置、換言するとタンク脚5の鉛直方向下方に製品脚60が位置するように構成されている。
【0026】
外箱3Aの底面を構成する底板3eは、略四角板状に形成され、貯湯タンク2の最下部よりも下方に位置している。なお、貯湯タンク2の下部(下部鏡板2c)には、水道水が導入される給水管(不図示)、貯湯タンク2内の水をヒートポンプユニット10(
図1参照)に導入する配管などが接続されている。
【0027】
また、底板3eは、例えば貯湯タンク2の輪切り断面よりも若干大きい面積を有する略四角板状に形成されている。底板3eの背面側(後面側)の角部には2本のタンク脚5,5が位置し、前側には1本のタンク脚5が位置している。
【0028】
図3は、発泡断熱材の充填方法を示している。なお、
図3に示す上下方向および前後方向の矢印は、貯湯タンク2の向きを示している。また、
図3では、真空断熱材4Aの図示を省略している。
【0029】
図3に示すように、外箱3Aの前板3aには、発泡断熱材6の原液を充填する際の入口となる充填口3a1,3a2が形成されている。充填口3a1は、外箱3Aの上部に形成され、充填口3a2は、外箱3Aの下部に形成されている。
【0030】
そして、配管カバー3s(
図1参照)を取り付ける前の状態において、貯湯タンク2を収容した外箱3Aを、外箱3Aの上下が水平方向、かつ、前板3aが上向きとなるように寝かせた状態にする。
【0031】
このように外箱3Aを寝かせた状態において、外箱3Aの周囲を発泡管理治具(やとい、ともいう)30で覆う(
図3の二点鎖線参照)。発泡管理治具30は、外箱3Aの周囲全体を取り囲み、前板3a、側板3b,3b、後板3c、上板3d、底板3eのすべてを押し付ける板状の治具を備えている。そして、発泡管理治具30の外側から、ノズル31を充填口3a1,3a2に挿入し、充填口3a1,3a2から発泡断熱材6の原液を注入する。
【0032】
これにより、発泡断熱材6の原液が外箱3A内において、まず貯湯タンク2の後側(図示下側)から溜まり始め、貯湯タンク2の前側(図示上側)に向けて上昇する。そして、発泡断熱材6の原液が外箱3A内に注入されると、発泡断熱材6の原液の発泡が開始される。このとき、発泡管理治具30によって外箱3Aの外面全体が抑えつけられているので、発泡断熱材6が発泡するときの発泡圧力によって外箱3Aが膨らむ(変形する)のを防止することができる。そして、発泡断熱材6は、発泡が完了した後に硬化する。貯湯ユニット1Aは、原液が発泡することで発泡断熱材6を形成するため、発泡断熱材6の未発泡部を設けないために、発泡断熱材6が充填される貯湯タンク2と外箱3A、真空断熱材4Aにより構成される空間の距離は5mm以上設け、貯湯タンク2全体が発泡断熱材6で被われるような構造となっている。この様な構造により、発泡断熱材6の原液が発泡すると、
図1に示すように、貯湯タンク2と外箱3Aの間の空間に隙間なく発泡断熱材6が充填される。このように、貯湯タンク2の周囲に隙間なく発泡断熱材6を充填することにより、貯湯タンク2の強度を向上することができる。
【0033】
また貯湯タンク2には、缶体が内部の水の圧力により破壊しない様に保護するため、給水管11に水の圧力を減ずる減圧弁(図示せず)と、減圧弁の後流側に、貯湯タンク2内の水の圧力が所定の値より高くならない様に圧力逃がし弁(図示せず)を設けている。
【0034】
この減圧弁による減圧後の水の圧力が170kPaとなる様に減圧弁を構成し、また圧力逃がし弁は水の圧力が190kPa以上となった場合に弁を開放する様に設定されているため、発泡断熱材6を充填しない従来型の貯湯タンクユニットでは、貯湯タンク2のステンレス板の板厚は最小でも0.7mm以上必要であり、これよりも薄い板厚とすると、水の圧力により、貯湯タンク2が変形・破損する恐れがある。
【0035】
具体的には、
図6に示すがごとく、従来型の貯湯タンク2の全周に設けられた断熱材90と外箱3Aの間には空間が存在しているため、貯湯タンク2に加わる水圧による力F1は、貯湯タンク2の構造のみで保持する必要があり、貯湯タンク2のステンレス板の板厚が必要となっていた。
【0036】
しかし、本実施例では、
図5に示すがごとく、貯湯タンク2と外箱3Aの間の空間に隙間なく発泡断熱材6が充填されているため、貯湯タンク2内の水圧による力F1に対して、貯湯タンク2の構造のみではなく、外箱3A、発泡断熱材6による力F2が加わるため、貯湯タンク2のステンレス板の板厚を薄く(例えば0.7mm未満)しても、水の圧力により貯湯タンク2が破壊されることを防ぐことができる。
【0037】
以上のような本実施例に係る貯湯式給湯機によれば、使用者が給湯端末で使用する際の水圧の減少を抑え、使い勝手の良い貯湯式給湯機を提供できるとともに、貯湯タンク2のステンレス板の板厚を薄くすることによる材料費のコストダウンと貯湯ユニットの重量を低減した貯湯タンクユニットを提供することができる。
【符号の説明】
【0038】
1A 貯湯タンクユニット
1 給湯機
2 貯湯タンク
2a 胴板
2b 上部鏡板
2c 下部鏡板
2c1 突起部
3A 外箱
3a 前板
3b 側板
3c 後板
3d 上板
3e 底板
3a1,3a2,3c1,3c2 充填口
3s 配管カバー
4 脚受部(脚受部材)
4A 真空断熱材
4a 縁部
4b,5s,6c3 ボルト挿通孔
5 タンク脚
5a,5b 脚体
5a2,5b2 内面
5c 支持板
5c1 曲げ部
6 発泡断熱材
10 ヒートポンプユニット
11 給水管
12 入水管
13 出湯管
14,17 給湯管
18 給湯端末
30 発泡管理治具
31 ノズル
60 製品脚
70,71,72 ガス抜き孔
80a,80b 温度センサ
90 断熱材