特許第6435230号(P6435230)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6435230
(24)【登録日】2018年11月16日
(45)【発行日】2018年12月5日
(54)【発明の名称】グリップ練習器具
(51)【国際特許分類】
   A63B 69/00 20060101AFI20181126BHJP
   A63B 102/04 20150101ALN20181126BHJP
【FI】
   A63B69/00 504B
   A63B102:04
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-83526(P2015-83526)
(22)【出願日】2015年4月15日
(65)【公開番号】特開2016-202230(P2016-202230A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2017年10月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】315003985
【氏名又は名称】渡邉 美知成
(74)【代理人】
【識別番号】100098224
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 勘次
(74)【代理人】
【識別番号】100140671
【弁理士】
【氏名又は名称】大矢 正代
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 美知成
【審査官】 藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3176931(JP,U)
【文献】 実開昭49−052665(JP,U)
【文献】 特開2010−246884(JP,A)
【文献】 特開昭47−015228(JP,A)
【文献】 特開平09−038243(JP,A)
【文献】 実開平07−013365(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0032831(US,A1)
【文献】 米国特許第05924941(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 49/00−49/14
A63B 60/00−60/64
A63B 69/00
A63B 69/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性体で形成された帯状の本体と、
バドミントン用ラケットのハンドルが着脱可能に挿通されると共に、人差し指の指周りの長さ程度離れて前記本体に設けられた二個のハンドル挿通部と
を具備することを特徴とするグリップ練習器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バドミントンのイースタングリップを習得するためのグリップ練習器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
バドミントンのラケット100は、図8に示すように、略楕円環形状のフレーム101と、フレーム101の内周側に張設されたガットにより形成されたラケット面102と、フレーム101に一端が連結されたシャフト103と、シャフト103の他端に連結されたハンドル104とを備えている。
【0003】
このラケット100をバドミントン初心者に持たせると、多くの人はウエスタングリップでラケット100を持つ(図8(a)参照)。ウエスタングリップは、拳を握るようにハンドル104を握るグリップであり、ラケット100を立たせた状態でラケット100を持つ手を体の前方に伸ばすとラケット面102が体に対して略平行になる。そして、正面に向けたラケット面102でラケット100を持つ手側のシャトルを打つフォアハンドが打ちやすく、感覚的に持ちやすいグリップである。
【0004】
しかしながら、ウエスタングリップでは、ラケット面102の裏面でラケット100を持つ手と反対側のシャトルを打つバックハンドを強く打ちにくい。また、バドミントンではフォアハンドやバックハンド等のショットに応じてグリップを頻繁に変更するが、ウエスタングリップから他のグリップへの移行が難しい。更に、手首や肘に負担がかかり怪我をしやすいという欠点がある。
【0005】
このため、包丁を持つようにハンドル104を握るイースタングリップでラケット100を持つことが推奨されている(図8(b)参照)。イースタングリップは、親指と人差し指でハンドル104を摘まみ、中指、薬指、小指の三指は人差し指と中指の間に隙間ができるようにして軽くハンドル104を握るグリップである。また、イースタングリップでは、ラケット100を立たせた状態でラケット100を持つ手を体の前方に伸ばすとラケット面102が体に対して略直交した状態になる。
【0006】
イースタングリップは、全てのグリップの基本となるグリップであり、指の配置を僅かに変えるだけで他のグリップに移行することができる。また、手首の可動範囲を最大限利用して合理的なスイングができるため、手首や肘にかかる負担が少なく怪我をしにくいという利点がある。
【0007】
ところが、イースタングリップはウエスタングリップと比較して感覚的に持ちにくいため初心者には習得することが難しい場合があった。また、ウエスタングリップでラケットを持つことが身に付いている競技者にとってはグリップを矯正することが困難な場合があった。
【0008】
そこで、従来イースタングリップを習得するためのバドミントン練習補助用具が提案されている(特許文献1参照)。このバドミントン練習補助用具は、ハンドルを持った際に親指の付け根が位置する場所を示す棒状突起を備えたものである。
【0009】
しかしながら、上記の技術はハンドルを持った際の親指の付け根の位置を示すだけであり、人差し指やその他の指の持ち方を示すものではないため、イースタングリップを習得するためには不十分であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平7−328161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、バドミントンのイースタングリップを習得することができるグリップ練習器具の提供を、課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明にかかるグリップ練習器具は、
「弾性体で形成された帯状の本体と、
バドミントン用ラケットのハンドルが着脱可能に挿通されると共に、人差し指の指周りの長さ程度離れて前記本体に設けられた二個のハンドル挿通部とを具備する」ものである。
【0013】
「弾性体」は、天然ゴム、合成ゴムのスポンジ、またはシートとすることができる。
【0014】
「人差し指の指周りの長さ」は、一般的な人差し指の指周りの長さである4cm〜6cm程度を指している。
【0015】
「ハンドル挿通部」は、グリップ練習器具の本体の一部に入れた切込み、または長方形、楕円形、円形等の貫通孔とすることができる。
【0016】
本構成のグリップ練習器具は、本体に設けられた二個のハンドル挿通部にバドミントン用ラケット(以下、ラケットと称する)のハンドルが挿通されて使用されるものである。そして、本体とハンドルにより形成される貫通孔に人差し指を挿通した状態でハンドルを握る。この状態では、グリップ練習器具により人差し指の配置が規制されるため、イースタングリップでラケットを持つことができる。
【0017】
上記構成のグリップ練習器具は
「ラケット面と平行な方向に幅が広い平板状の平板ハンドルである」バドミントン用ラケットのハンドルに取付けて使用することができる
【0018】
「ラケット面」は、ラケットのフレームの内周側に張設されたガットにより形成されている面を指している。
【0019】
本構成のグリップ練習器具は、二個のハンドル挿通部に平板ハンドルが挿通されて使用されるものである。本構成のグリップ練習器具も上記と同様に、グリップ練習器具の本体とハンドルにより形成される貫通孔に人差し指を挿通することにより、人差し指の配置が規制されてイースタングリップでラケットを持つことができる。
【0020】
更に、平板ハンドルは、幅の広い面を掌と平行にして持ちやすい。つまり、ラケット面を体に対して略直交させた状態でハンドルを握るイースタングリップでラケットを持ちやすい。
【0021】
上記構成のグリップ練習器具は
前記平板ハンドルの幅が広い両面に着脱可能に取付けられる一対の着脱ハンドルを具備する」バドミントン用ラケットのハンドルに取付けて使用することができる
【0022】
「一対の着脱ハンドル」は、八角柱や円柱状のラケットのハンドルをラケット面と平行に三分割したうちの両側の部分とすることができる。この場合は、中心部分が平板ハンドルになる。そして、平板ハンドルの両面に着脱ハンドルを取付けることにより、元のハンドルの形状に戻すことができる。
【0023】
本構成のグリップ練習器具に使用されるラケットは、平板ハンドルの幅が広い両面に取付けられる一対の着脱ハンドルを備えている。そして、平板ハンドルのみの状態で使用することも、一対の着脱ハンドルを取付けた状態で使用することもできる。
【発明の効果】
【0024】
以上のように、本発明の効果として、バドミントンのイースタングリップを習得することができるグリップ練習器具を、提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第一実施形態であるグリップ練習器具の本体の正面図である。
図2図1のグリップ練習器具の(a)は背面図、(b)は側面図である。
図3図1のグリップ練習器具の使い方を説明する(a)は正面図、(b)は側面図である。
図4】本発明の第二実施形態であるグリップ練習器具の本体の正面図である。
図5】本発明の第三実施形態であるグリップ練習器具の本体の正面図である。
図6】本発明の第四実施形態であるグリップ練習器具に使用されるバドミントン用ラケットの(a)は側面図、(b)は着脱ハンドルを取外した際の側面図、(c)は第四実施形態であるグリップ練習器具の側面図である。
図7】(a)は図6(a)のA−A線拡大断面図、(b)は図6(b)のB−B線拡大断面図である。
図8】バドミントン用ラケットの(a)はウエスタングリップを説明する説明図、(b)はイースタングリップを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の第一実施形態乃至第四実施形態であるグリップ練習器具1〜4について図1〜7を用いて説明する。
【0027】
第一実施形態のグリップ練習器具1の本体11は、図1に示すように、弾性体を帯状に形成したものであり、バドミントン用ラケット(以下、ラケットと称する)のハンドルが挿通される二個のハンドル挿通部12が本体11の長さ方向に離れて設けられている。
【0028】
本体11は、ウレタンゴムスポンジで形成されている。本体11は後述するようにグリップ練習器具1を使用する際に湾曲させるため、柔らかい部材で形成するのが好ましい。なお、本体11は、ニトリルゴム、EPDMゴム、シリコーンゴム等の合成ゴム、或いは天然ゴムのスポンジ、またはシートで形成することもできる。また、厚さは2mm〜5mm、幅は1cm〜3cm、長さは10cm〜16cmとすることができる。
【0029】
二個のハンドル挿通部12はそれぞれ、本体11を長さ方向に切断した切込み13の両端に円形孔部14を貫設して形成されている。円形孔部14があることにより、ハンドル挿通部12を広げてラケットのハンドルを挿通する際に切込み13の部分から本体11が裂けにくい。
【0030】
二個のハンドル挿通部12は、ハンドルを挿通できると共に、保持できる大きさで設けられている。具体的には、ハンドル挿通部12の長さは、3cm〜5cmとすることができる。そして、二個のハンドル挿通部12の間の長さは、人差し指の指周りの長さ程度(4cm〜6cm)になっている。
【0031】
本実施形態のグリップ練習器具1に使用されるラケット50は、図2に示すように、略楕円環形状のフレーム51と、フレーム51の内周側に張設されたガットにより形成されたラケット面52と、フレーム51に一端が連結されたシャフト53と、シャフト53の他端に連結された略八角柱状のハンドル54とを備えている。なお、ハンドル54の形状は円柱状でもよい。ここで、バドミントンのラケットの全長は68cm以内、幅は23cm以内であることが日本バドミントン協会が採択した競技規則に規定されている。また、ハンドルの太さは、周長が7.8cm〜8.4cm(ハンドルの断面形状を円とみなすとその直径は2.5cm〜2.7cm)の範囲内で三種類のサイズが一般に市販されている。
【0032】
本実施形態のグリップ練習器具1は、図2に示すように、本体11の二個のハンドル挿通部12にラケット50のハンドル54が挿通されて使用される。そして、二個のハンドル挿通部12を接近させて本体11を湾曲させる。ここで、湾曲した本体11とハンドル54により形成された貫通孔を指挿通部15と称する。また、本体11の両端に挟まれたハンドル54の指挿通部15と反対側の部分を親指当接部16と称する。本体11は、指挿通部15を形成する本体11部分がラケット面52側に位置するようにハンドル54に取付ける。つまり、指挿通部15は、イースタングリップでハンドル54を握った際に、人差し指が位置する側に取付ける。
【0033】
本実施形態のグリップ練習器具1は、図3に示すように、指挿通部15に人差し指を挿通し、親指を親指当接部16に当接した状態でハンドル54を握る。指挿通部15に人差し指を挿通することにより、ハンドル54を握る手の掌がラケット面52と平行になる。つまり、ラケット面52を体に対して略直交させた状態でハンドル54を握るイースタングリップでラケット50を持つことができる。
【0034】
また、指挿通部15に人差し指を挿通すると共に親指当接部16に親指を当接することにより人差し指と親指の配置が規制される。これにより、イースタングリップの指の配置を把握することができる。
【0035】
従って、グリップ練習器具1を用いることにより、イースタングリップを習得することができる。
【0036】
また、グリップ練習器具1の本体11は弾性体で形成されており、容易に変形する。そのため、グリップを変更する際に人差し指を動かしても本体11が変形してグリップの変更を妨げない。
【0037】
更に、グリップ練習器具1の本体11は、ハンドル挿通部12を移動させてハンドル54の任意の位置に取付けることができる。これにより、使用する人の手の大きさに応じて取付け位置を変えることができる。
【0038】
加えて、グリップ練習器具1の本体11は着脱可能にラケット50に取付けられている。このため、複数のラケットを所有している場合に他のラケットに付け替えて使用することができる。
【0039】
第二実施形態のグリップ練習器具2は、図4に示すように、ハンドル挿通部22の形状が第一実施形態のグリップ練習器具1と異なる。
【0040】
具体的には、帯状の本体21に、長方形の短辺が円弧になった形状の貫通孔であるハンドル挿通部22が人差し指の指周りの長さ程度離れて設けられている。ハンドル挿通部22は、第一実施形態のグリップ練習器具1のハンドル挿通部12と同様に、ラケットのハンドルを挿通できると共に、保持できる大きさで設けられている。例えば、ハンドル挿通部22の幅は3mm〜5mmとすることができ、長さは3cm〜5cmとすることができる。
【0041】
本実施形態のグリップ練習器具2では、ハンドル挿通部22の開口が大きいためハンドルを挿通しやすい。また、ハンドル挿通部22の両端が円弧状であるため、ハンドル挿通部22を広げてハンドルを挿通する際に本体21が裂けにくい。
【0042】
本実施形態のグリップ練習器具2は、第一実施形態のグリップ練習器具1と同様に、本体21の二個のハンドル挿通部22にラケットのハンドルが挿通されて使用される。そして、二個のハンドル挿通部22を接近させて本体21を湾曲させると共に、指挿通部を形成する本体21部分をラケット面側に位置させる。
【0043】
上記のグリップ練習器具2の指挿通部に人差し指を挿通し、親指当接部に親指を当接した状態でハンドルを握ることにより、人差し指と親指の配置が規制されてイースタングリップでラケットを持つことができる。従って、本実施形態のグリップ練習器具2でも第一実施形態のグリップ練習器具1と同様にイースタングリップを習得することができる。
【0044】
第三実施形態のグリップ練習器具3は、図5に示すように、本体31の形状と、把持部33を備える点で第一実施形態及び第二実施形態のグリップ練習器具1,2と異なる。
【0045】
具体的には、グリップ練習器具3の本体31は、帯状部31aの両端に円形部31bが連結したダンベル状の形状をしている。そして、円形部31bに円形の貫通孔であるハンドル挿通部32が設けられている。ハンドル挿通部32を円形にすることにより、ラケットのハンドルを挿通しやすい。また、ハンドルを挿通する際に、ハンドル挿通部32から本体31が裂けにくい。ハンドル挿通部32は、ハンドルを挿通できると共に、保持できる大きさで設けられている。例えば、ハンドル挿通部32の直径は1.5cm〜2.5cmにすることができる。
【0046】
更に、本体31の円形部31bからは把持部33が延出している。これにより、ハンドル挿通部32にラケットのハンドルを挿通させる際に、把持部33を持って本体31を動かすことができ、取付け、取外しがしやすい。
【0047】
本実施形態のグリップ練習器具3は、第一実施形態及び第二実施形態のグリップ練習器具1,2と同様に、本体31の二個のハンドル挿通部32にラケットのハンドルが挿通されて使用される。そして、二個のハンドル挿通部32を接近させて本体31を湾曲させると共に、指挿通部を形成する本体31部分をラケット面側に位置させる。
【0048】
上記のグリップ練習器具3の指挿通部に人差し指を挿通し、親指当接部に親指を当接した状態でハンドルを握ることにより、人差し指と親指の配置が規制されてイースタングリップでラケットを持つことができる。従って、本実施形態のグリップ練習器具3も第一実施形態及び第二実施形態のグリップ練習器具1,2と同様にイースタングリップを習得することができる。
【0049】
第四実施形態のグリップ練習器具4は、図6及び図7に示すように、ハンドル挿通部に挿通されるラケット60のハンドルがラケット面62と平行な方向に幅が広い平板状の平板ハンドル65になっている。
【0050】
より詳細には、ラケット60は、略楕円環形状のフレーム61と、フレーム61の内周側に張設されたガットにより形成されたラケット面62と、フレーム61に一端が連結されたシャフト63と、シャフト63の他端に連結された平板状の平板ハンドル65と、平板ハンドル65の幅の広い両面に着脱可能に取付けられる一対の平板状の着脱ハンドル66,67とを備えている。
【0051】
平板ハンドル65は、図7に示すように、軸方向と直交する断面の形状がラケット面62と平行な方向に幅が広い長方形になっている。
【0052】
着脱ハンドル66,67は、長さが平板ハンドル65と等しく、軸方向と直交する断面が台形になった平板状の形状を有している。そして、断面形状の台形の下底側にあたる側面66a,67aの幅は、平板ハンドル65のラケット面62と平行で幅の広い側面65aの幅と等しく設定されている。
【0053】
平板ハンドル65と一対の着脱ハンドル66,67は、一般的な略八角柱のハンドル64をラケット面62と平行に軸方向へ切断して三分割することにより形成されている。つまり、着脱ハンドル66,67の側面66a,67aを平板ハンドル65の側面65aに当接させるとハンドル64に戻すことができる。そして、この状態でポリウレタン製のテープを巻回することにより着脱ハンドル66,67を平板ハンドル65に強固に固定することができる。
【0054】
本実施形態のグリップ練習器具4は、本体41の二個のハンドル挿通部に平板ハンドル65が挿通されて使用される。そして、図6(c)に示すように、二個のハンドル挿通部を接近させて本体を湾曲させると共に、指挿通部45を形成する本体41部分をラケット面62側に位置させる。なお、平板ハンドル65にポリウレタン製のテープが巻回されてもよい。この場合は、テープに柔軟性があるため、手に当たる平板ハンドル65の触感が柔らかくなり持ちやすくすることができる。
【0055】
上記のグリップ練習器具4の指挿通部45に人差し指を挿通し、親指当接部46に親指を当接した状態で平板ハンドル65を握ることにより、人差し指と親指の配置が規制されてイースタングリップでラケット60を持つことができる。
【0056】
また、平板ハンドル65は、ラケット面62と平行で幅の広い側面65aを掌と平行にした状態で握りやすい。つまり、ラケット面62を体に対して略直交させた状態で平板ハンドル65を握るイースタングリップでラケット60を持ちやすい。
【0057】
更に、平板ハンドル65は、ハンドル64よりも細いため、手の小さい児童でも容易に握ることができる。手の小さい児童は、一般的な太さのハンドル64をイースタングリップで持つことが困難な場合があるが、この様な場合でも平板ハンドル65を有するラケット60を使用することにより、イースタングリップを習得させることができる。
【0058】
加えて、着脱ハンドル66,67を平板ハンドル65に取付けることにより、略八角柱状のハンドル64に戻すことができる。これにより、イースタングリップを習得した児童や競技者がハンドル64の形状を戻してラケット60を継続して使用することができる。
【0059】
なお、着脱ハンドル66,67が平板ハンドル65と当接する側面66a,67aに軸方向に延びる帯状の突起を有し、平板ハンドル65が幅の広い側面65aに帯状の突起と嵌合する溝を有していてもよい。この場合は、着脱ハンドル66,67を平板ハンドル65に取付けた際に位置がズレにくくなる。
【0060】
また、本実施形態のグリップ練習器具4の本体41は、第一実施形態乃至第三実施形態のグリップ練習器具1〜3の本体11,21,31と同一の構成とすることができる。
【0061】
加えて、本実施形態のグリップ練習器具4は、平板ハンドル65を有するラケット60のみで使用することもできる。この場合は、八角柱状や円柱状のラケットのハンドルを切断、或いは切削加工して平板ハンドル65を形成することができる。または、予めラケットのハンドルを平板状に形成してもよい。
【0062】
上記のように、平板ハンドル65はラケット面62と平行で幅の広い側面65aを掌と平行にした状態で握りやすい。つまり、ラケット面62を体に対して略直交させた状態で平板ハンドル65を握りやすい。従って、平板ハンドル65を有するラケット60を使用することにより、イースタングリップを習得することができる。
【0063】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0064】
例えば、グリップ練習器具の本体をラケットに複数取付けることもできる。具体的には、ハンドルの中央部分と下端付近に本体を取付ける。そして、ハンドル中央部分に取付けた本体の指挿通部に人差し指を挿通し、ハンドル下端付近に取付けた本体の指挿通部に小指を挿通した状態でハンドルを握らせる。これにより、イースタングリップの指の配置をより把握することができる。
【符号の説明】
【0065】
1,2,3,4 グリップ練習器具
11,21,31 本体
12,22,32 ハンドル挿通部
50,60 ラケット
51,61 フレーム
52,62 ラケット面
53,63 シャフト
54,64 ハンドル
65 平板ハンドル
66,67 着脱ハンドル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8