【文献】
Kuo-Hsiang Tang et al.,The study of intramolecular tandem radical cyclizations of acylsilanes with radicalphiles attached on silicon,Tetrahedron,2005年 2月21日,vol61,Issue8,p.2037-2045
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオード、導光路、光学的コンピューティングデバイス、光記憶媒体、光学レンズ、マイクロレンズ、塗料調合物、勾配屈折率光学部品、および動的勾配屈折率部品から選ばれる、請求項12に記載のデバイス。
【背景技術】
【0003】
高屈折率を有するシロキサンポリマーまたはコポリマーは、例えば、コンタクトレンズ、眼内レンズなどを含む様々な光学的用途にますます使用されている。そのようなポリマーは、また、半導体発光(発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオード)、導光路(平面および「ファイバー」両方の幾何学的形状)、光学的コンピューティング、光記憶媒体、反射防止膜、コンフォーマルコーティング、光学レンズ、マイクロレンズ、自動車用トップコート、塗料調合物、頭髪用化粧品、勾配屈折率光学部品および動的勾配屈折率部品などを含むがこれらに限定されない、高透過率と高屈折率を必要とする他の光学的用途を見いだしている。
【0004】
用途に応じて、ポリマーおよびそのようなポリマーから形成される製品は、十分な構造的完全性、強度、弾性および伸び、屈折率などを含む広範囲の特性を示す必要がある場合がある。幾つかの用途において、薄膜に形成されたとき、ポリマーはこれらの特性を示さなければならない。例えば、眼内レンズにおいて、レンズは、眼内レンズ用途の小さい切り口を通る挿入のためには、薄く柔軟であり、切り口を抜けた後、元の形状を回復することができ、通常の使用状況下でそのような形状を保持するために十分な構造的完全性および強度を有することが必要である。
【0005】
芳香族基の導入は、今のところ、シロキサンポリマーの屈折率を高める一般的な手法であり、高屈折率用途のための従来のコポリマーは、例えば、米国特許第3,996,189号;第5,147,396号;第5,444,106号;および第5,236,970号、JP10305092、欧州特許第0335312号、国際公開第93/21245号パンフレットおよび国際公開第95/17460号パンフレットに記載されているようなジメチルシロキサン−フェニルメチルシロキサンコポリマーまたはジメチルシロキサン−ジフェニルシロキサンコポリマーからなる。およそ15モル%のフェニル含有率で、ポリジメチルシロキサン/メチルフェニルシロキサンコポリマーは1.462の屈折率を有する(Eur.Polymer J.1998,34,1727−1733)。
【0006】
屈折率へのプラス効果にもかかわらず、ポリシロキサン中にフェニル基などの屈折率修飾基を導入すると、幾つかの不都合を引き起こすことが知られている。フェニル基を含有するシロキサンから形成された材料は、可撓性が低下し、機械的強度および弾性が不十分になることがあり、また、固く脆くなり得る。さらに、40mol%を超えるフェニル含有率の材料は、容易に加工されず、不十分な機械的強度を示す傾向がある。このため、達成することができる屈折率は約1.54に限定される。
【0007】
亀裂に対する脆弱性の問題の1つの矯正法は、光学的構造を強化し、ポリマーを固体充填剤材料と組み合わせることによりその機械的性質を改善することである。たいていは、細かく粉末化されたシリカがこの目的に合わせた充填剤材料として使用される。この充填剤材料は1.46の屈折率を有する。充填剤材料とポリマーの屈折率の差は、光学レンズでは許容されないので、そのような充填剤材料を含むレンズの最大屈折率は、究極的には1.46である。
【0008】
機械的性質にまつわる問題に加えて、シリコーンへのフェニルの組み込みによって、また、得られたポリマーが熱およびUV曝露条件下でより脆弱になる。その結果、光学材料の黄変および透過率水準が許される水準を下回るような透過率の損失をもたらし、光学部品においてデバイスの機械的な故障を引き起こす場合がある。シロキサンの屈折率を変える代替手段に対する必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、問題の高屈折率ポリマー組成物、それを作製する方法、および幾つかの用途におけるその有用性を提供する。一態様において、本発明は、高屈折率ポリマーであって、そのようなポリマー中のフェニル基の減少または除去すらを可能にするポリマーを提供するが、フェニル含有シロキサンに匹敵するか、またはより良好な屈折率を有する。一実施形態において、高屈折率材料は、約1.4以上、1.42以上、1.5以上、1.55以上、1.6以上もの、または1.65以上もの屈折率を有する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様において、高屈折率材料は、それに結合した複数の高屈折率基を含むポリマー骨格を含み、ここで、高屈折率基の少なくとも1つは、少なくとも1個の硫黄原子を含む複素環式構造を含む。
【0011】
別の態様において、本発明は、ポリシロキサンを含む高屈折率材料であって、それに結合した複数の高屈折率基を有し、高屈折率基の少なくとも1つは少なくとも1個の硫黄原子を含む複素環式構造を含む高屈折率材料を提供する。一実施形態において、複素環式構造は、少なくとも2個の硫黄原子を含む五または六員環である。一実施形態において、複素環式構造は飽和複素環式構造である。
【0012】
一実施形態において、高屈折率基は、ポリマー骨格中のシリコン原子に直接結合している。
【0013】
一実施形態において、高屈折率基は、ポリマー骨格のシリコン原子に結合した側鎖基を含む高屈折率モノマーの一部として提供される。
【0014】
一態様において、本発明は、担体原子および高屈折率官能基を含む分子であって、式:
【化1】
[式中、Wは担体原子であり、R
1は、水素、ヒドロキシル、または直鎖もしくは分岐アルキルラジカル、直鎖もしくは分岐アルコキシラジカル、アルキルビニルラジカル(アリルを含む)、シクロアルキルラジカル、分岐もしくは直鎖アルケニルラジカル、シクロアルケニルラジカル、直鎖もしくは分岐アルキニルラジカル、アリールラジカル、置換アリールラジカル、または多核芳香族基から選ばれるC1−C30炭素原子を含有する基から独立して選ばれ;Aは、硫黄含有複素環式構造を含む高屈折率基から選ばれ;Bは、ハライド、アルコキシ(OR)、ヒドロキシル、アルキルビニルラジカル(アリルを含む)、水素、−(CH
2)
nSH、−(CH
2)
nNH
2、グリシジルラジカル、またはその2種以上の組み合わせから選ばれ;nは1〜10であり、xは少なくとも1であり;yは担体原子の原子価より0から2少ない範囲であり:zは少なくとも1であり;1≦x+y≦担体原子の原子価より1少ない数であり;x+y+zは担体原子の原子価と等しい。]を有する分子を提供する。
【0015】
一実施形態において、担体原子は、シリコン、リン、窒素、ゲルマニウムまたは炭素から選ばれる。
【0016】
一実施形態において、本分子は、少なくとも1個の硫黄原子を含む飽和複素環式化合物、少なくとも1個の硫黄原子を含む不飽和複素環式化合物、またはその2種以上の組み合わせを含む。一実施形態において、複素環式化合物は2個の硫黄原子を含む。一実施形態において、複素環式化合物は3個の硫黄原子を含む。一実施形態において、複素環式化合物は、1個または複数の非硫黄ヘテロ原子をさらに含む。
【0017】
一実施形態において、複素環式の化合物は三〜十員環である。一実施形態において、複素環式化合物は五〜六員環である。
【0018】
一実施形態において、本分子は、式:
【化2】
[式中、シリコン(Si)は担体原子であり、R
1は、水素、ヒドロキシル、直鎖もしくは分岐アルキルラジカル、直鎖もしくは分岐アルコキシラジカル、アリールラジカル、アルキルビニルラジカル、またはその2種以上の組み合わせから独立して選ばれ;Aは、硫黄含有複素環式構造を含む高屈折率基から独立して選ばれ;Bは、ハライド、OH、OR、ビニルラジカル、水素、アリルラジカル、−(CH
2)
nSH、−(CH
2)
nNH
2、グリシジルラジカル、またはその2種以上の組み合わせから独立して選ばれ;nは1〜10であり、xは少なくとも1であり;yは0−2であり:zは少なくとも1であり;1≦x+y≦3であり;x+y+zは4である。]のものである。
【0019】
一実施形態において、本分子は式:
【化3】
のものである。
【0020】
一実施形態において、本分子は式:
【化4】
[式中、h+yは4であり、hは少なくとも2である。]のものである。
【0021】
一実施形態において、複素環式化合物は、チオフェン(テトラヒドロチオフェン)、1,3−ジチオラン、テトラヒドロ−2H−チオピラン、1,3−ジチアン、1,4−ジチアン、1,3,5−ジチアン、1,3,5−ジチアジナンまたはその2種以上の組み合わせから選ばれる。別の態様において、本発明は、本発明の態様による分子を含むシロキサン骨格を有するポリシロキサンポリマーまたはコポリマーを提供する。
【0022】
一実施形態において、本分子の担体原子はポリマーの骨格に組み込まれ、高屈折率官能基は担体原子の側鎖にある。
【0023】
一実施形態において、本分子はポリマーのシロキサン骨格の側鎖にある。
【0024】
一実施形態において、本ポリマーは、少なくとも1.42;少なくとも1.50;少なくとも1.55;少なくとも1.60の屈折率を有する。一実施形態において、本ポリマーは約1.42から約1.65の屈折率を有する。
【0025】
一実施形態において、本ポリマーは、式
【化5】
[式中、M
1およびM
2は、独立して、R
2R
3R
4SiO
1/2であり;D
1、D
2、D
3およびD
4は、独立してR
5R
6SiO
2/2であり;T
1およびT
2は、独立してR
7SiO
3/2であり;QはSiO
4/2であり;R
2−R
7基は、水素、ヒドロキシル、直鎖もしくは分岐アルキルラジカル、直鎖もしくは分岐アルコキシラジカル、アリールラジカル、アルキルビニルラジカル、アミド、アミノ基、プロピルメルカプト基、グリシジル含有基、高屈折率硫黄含有複素環式化合物、または高屈折率分子側鎖基から独立して選ばれ、ここで、R
2−R
7の少なくとも1つは、(1)式1の高屈折率分子または(2)硫黄含有複素環式化合物から選ばれ;aは1−1000であり、bは0−500であり、cは0−500であり、dは0−100であり、eは0−100であり、fは0−100であり、gは1−1000であり、hは0−1000であり、iは0から200である。]によって記載される。
【0026】
一実施形態において、本ポリマーは、式MD
aD
OLdD
HeT
cQ
fM、M
HD
aD
PhbD
OLdD
HeT
cQ
fM
H、M
HD
aD
PhbD
OLdT
cQ
fM
H、MD
aD
OLdD
vigT
cQ
fM、M
viD
aD
OLdD
vigT
cQ
fM
viまたはM
viD
aD
OLdT
cQ
fM
vi[式中、Mはトリアルキルシロキシラジカルまたはジアルキルビニルシロキシを表し、viはビニルラジカルを表し、OLは、硫黄含有飽和複素環式化合物を含む高屈折率モノマーを表し、D
OLは、高屈折率モノマーを含むアルキルシロキシを表し、D
Hはアルキルヒドロゲンシロキシを表し、D
viはアルキルビニルシロキシを表し、Dはジアルキルシロキシを表し、M
viはジアルキルビニルシロキシを表し、M
Hはジアルキルヒドロゲンラジカルを表し、a、b、c、d、e、fおよびgは正の整数である。]によって記載される。
【0027】
一実施形態において、少なくとも1個の硫黄原子を含む複素環式構造は、ポリマーの0.1から40mol%の量で存在する。
【0028】
別の態様において、本発明は、そのようなポリマーを含む組成物、およびそれから形成されたデバイスを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、担体原子およびそれに結合した高屈折率基を含む分子、そのような分子を含むモノマー、およびそのようなモノマーを含むポリマーを提供する。高屈折率基は、少なくとも1個の硫黄原子を含む複素環式化合物を含む。一実施形態において、高屈折率ポリマー材料は、ポリマー、およびポリマーに結合した高屈折率基を含む。一実施形態において、本発明は、ポリシロキサンポリマー骨格を含む高屈折率ポリシロキサンであって、それに結合した高屈折率基を有し、高屈折率基は少なくとも1個の硫黄原子を含む複素環式化合物を含む高屈折率ポリシロキサンを提供する。少なくとも1個の硫黄原子を含む複素環式化合物を含む高屈折率基は、また本明細書において、「硫黄含有複素環式化合物」または「硫黄含有高屈折率基」と称されてもよい。一実施形態において、硫黄含有高屈折率基は、シロキサン骨格に結合した高屈折率分子の一部として提供されてもよい。別の実施形態において、高屈折率基は、シロキサン骨格中の原子に直接結合していてもよい。
【0030】
高屈折率ポリマー材料には約1.4以上の屈折率があってもよい。一実施形態において、高屈折率ポリマーは約1.42以上の屈折率を有する。一実施形態において、高屈折率ポリマー材料は、約1.5以上、約1.55以上、約1.6以上、約1.62以上または約1.65以上もの屈折率を有する。一実施形態において、高屈折率ポリマー材料は約1.4から約1.7の屈折率を有する。別の実施形態において、高屈折率ポリマー材料は約1.42から約1.68の屈折率を有する。別の実施形態において、高屈折率ポリマー材料は約1.45から約1.65の屈折率を有する。別の実施形態において、高屈折率ポリマー材料は約1.5から約1.63の屈折率を有する。別の実施形態において、高屈折率材料は約1.55から約1.60の屈折率を有する。本明細書のどこか他のところおよび特許請求の範囲のように、ここでも、数値を組み合わせて非開示範囲の新しい組成を形成してもよい。
【0031】
硫黄含有高屈折率基
硫黄含有高屈折率基は、少なくとも1個の硫黄原子を含む複素環式化合物を含む。一実施形態において、複素環式化合物は、環中に少なくとも1個の硫黄原子を含む三〜十員環系である。少なくとも1個の硫黄原子を含む複素環式化合物は、飽和または不飽和の化合物であってもよい。この構造はまた、両環が脂肪族、1個の環が脂肪族で1個の環が芳香族であってよく、または両環とも芳香族であってもよい縮合環系であってよい。適切な高屈折率基の非限定的な例は、環中に1、2または3個の硫黄原子を含む五員環および六員環を含む。一実施形態において、高屈折率基は環中に2個の硫黄原子を含む。硫黄原子は、例えば、スルホキシド、スルホンなどの酸化状態を含む任意の適切な形態であってもよい。硫黄含有複素環式化合物は、環構造中にN、P、Oなどを含むがこれらに限定されない他のヘテロ原子をさらに含んでもよい。さらに、複素環式化合物中の炭素原子は、置換または非置換であってもよい。炭素原子は、アルキル、アリール、アルコキシ、アリル、ビニル、アセチル、アミドなどを含むがこれらに限定されない任意の適切な基で置換されていてもよい。
【0032】
適切な硫黄含有複素環式化合物の非限定的な例は、チオフェン、1,3−ジチオラン、テトラヒドロ−2H−チオピラン、1,3−ジチアン、1,4−ジチアン、1,3,5−トリチアンなどおよびその2種以上の組み合わせを含む。
【0033】
高屈折率分子
高屈折率基は高屈折率分子の一部として提供されてもよい。高屈折率ポリマーを得るために、高屈折率分子は、ポリマーの真の繰り返し単位としてポリマーに組み込むか、または、ポリマー鎖の側鎖基として組み込むことができる。高屈折率分子は、担体原子、および担体原子に結合した1個または複数の硫黄含有高屈折率基を含んでもよい。高屈折率分子は、担体原子に結合した他の基を含むことができる。
【0034】
一実施形態において、高屈折率分子は、当業者に公知の幾つかのプロセスによってポリマーに組み込むことができる反応基をさらに含む。非限定的な例は、シロキサンポリマーまたはシロキサン前駆体材料への高屈折率分子の組み込み、またはシロキサンポリマーの骨格への高屈折率分子の組み込みのための縮合およびヒドロシリル化の化学を含む。
【0035】
本発明の高屈折率分子は、担体原子および担体原子に結合した高屈折率官能基を含む。担体原子は、特定の目的または意図した使用に対する要望に応じて選択されてもよい。適切な担体原子は、炭素、シリコン、ゲルマニウム、スズおよび鉛などの四価(IV族)元素を含むがこれらに限定されない。さらに、担体原子は、リンおよび窒素などの三価または五価元素(V族)のものであってもよい。一実施形態において、担体原子は、炭素、シリコン、ゲルマニウム、リンおよび窒素から選ばれる。例示の担体原子は炭素またはシリコンである。
【0036】
高屈折率分子は、ポリマー材料を形成するために用いることができる高屈折率モノマーであってもよい。一実施形態において、高屈折率分子は、式1:
【化6】
[式中、「W」は上記のような担体原子であり、「R
1」は、水素、ヒドロキシル、または直鎖もしくは分岐アルキルラジカル、直鎖もしくは分岐アルコキシラジカル、アルキルビニルラジカル(アリルを含む)、シクロアルキルラジカル、分岐もしくは直鎖アルケニルラジカル、シクロアルケニルラジカル、直鎖もしくは分岐アルキニルラジカル、アリールラジカル、置換アリールラジカル、または多核芳香族基から選ばれるC1−C30炭素原子を含有する基から独立して選ばれ;「A」は先に記載したような高屈折率基から選ばれる。]の化合物である。ほとんどの場合、高屈折率基は、硫黄含有複素環式構造を含み;「B」は、ハライド(例えば、Cl、Br、F、I)、アルコキシ(OR)、ヒドロキシル、アルキルビニルラジカル(アリルを含む)、水素、−(CH
2)
nSH、−(CH
2)
nNH
2、グリシジルラジカル、またはその2種以上の組み合わせから選ばれ;nは1〜10であり、xは少なくとも1であり;yは担体原子の原子価より0から2少ない範囲であり;zは少なくとも1であり;1≦x+y≦担体原子の原子価より1少ない数であり;x+y+zは担体原子の原子価と等しい。
【0037】
一実施形態において、高屈折率分子は、式1A:
【化7】
[式中、シリコン(Si)は担体原子であり、R
1、B、A、x、yおよびzはすべて式1中の上記の通りである。]の化合物である。一実施形態において、高屈折率分子は、式1B:
【化8】
[式中、担体原子は炭素原子であり、R
1、B、A、x、yおよびzはすべて式1中の上記の通りである。]の化合物である。
【0038】
一実施形態において、高屈折率モノマーは、式2:
【化9】
[式中、A、BおよびR
1は、式1中の上記の通りである。]の化合物である。式2の別の実施形態において、BはORであり、x+y=2であり、Rは、H、直鎖または分岐アルキルラジカル、直鎖または分岐アルコキシラジカルから選ばれるC1−C30炭素原子であってもよい。
【0039】
複雑な分子構造を書くための基礎を得るために、一般的な分子構築ブロックおよびその式を記載することは有用である。各事例において、シリコン原子は4個の結合によって配位する。シロキサンの4つの一般的な構築ブロック成分は、単位当たりのSi−O結合の数の増加する順序で列挙した、M、D、TおよびQ単位として定義することができる。M単位は、1個のSi−O結合を有し、したがって式:R
2R
3R
4SiO
1/2[式中、R
2、R
3、R
4は独立して選択される有機基(炭素の数を含む)である。]によって記載することができる。D単位は、2個のSi−O結合を有し、したがって式:R
5R
6SiO
2/2[式中、R
5およびR
6は独立して選択された部分である。]によって、やはり記載することができる。T単位は、3個のSi−O結合を有し、したがって式:R
7SiO
3/2[式中、R
7は選択された部分である。]によって記載することができる。最後に、Q単位は、4個のSi−O結合を有し、式:SiO
4/2によって記載することができる。この事例において、シリコン(Si)は、酸素原子に対してのみ配位する。これらの4つの構築ブロックを使用して、記述的な高分子化学は、簡単な構築物の使用で容易に帰属させることができる。ポリマーは、単一分子中に多くの構築ブロック単位を組み込むことができ、官能基R
2−R
7の違いに応じて、シロキサンコポリマーの場合でのように、同一種類の複数の構築ブロックは、表記では異なる上付き文字によって示される。上記において、R
2−R
7基は、水素、ヒドロキシル、直鎖もしくは分岐アルキルラジカル、直鎖もしくは分岐アルコキシラジカル、アリールラジカル、アルキルビニルラジカル、アミド、アミノ基、プロピルメルカプト基、グリシジル含有基、高屈折率硫黄含有複素環式化合物、または高屈折率分子側鎖基から独立して選ばれる。より具体的には、アルキル基は、一価C1−C13の置換および非置換の炭化水素遊離ラジカルであってもよい。幾つかの非限定的な例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヘキシル、シクロヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチルなどを含む。アリールラジカルの非限定的な例は、フェニル、トルイル、ナフチルを含んでもよい。アリールラジカルはまた、窒素および硫黄を含むヘテロアリールを含んでもよい。
【0040】
一実施形態において、高屈折率分子は、式3:
【化10】
[式中、W、AおよびR
1は、上記の通りであってもよく、Xは、上記のような任意のハライドであり、hは、それらをA基で部分的に(h>x)または完全に(h=x)置換する前のX基の元の数であり、h+yは4であり、xは≧1およびh≧2である。]によって一般に記載することができる。これらの分子は、シロキサンM、DおよびT単位に相当するポリマー構築ブロックを形成するために使用することができる。
【0041】
別の実施形態において、高屈折率分子は硫黄含有高屈折率基を含むクロロシランである。クロロシランは、式3A:
【化11】
[式中、「Si」は担体原子であり、A、R
1およびClは式3中の上記の通りである。]であってもよい。x、yおよびhは正の整数であり、上記のような値を有する。これらの分子は、反応させて水の添加を含むHClの縮合によるシロキサンポリマーを形成することができるM、DおよびT単位を形成するために使用することができる。
【0042】
別の実施形態において、高屈折率分子は、式3B
【化12】
[式中、担体原子は炭素であり、A、R
1およびClは、式3中の上記の通りである。]のハロゲン化炭素である。x、yおよびhは、上記のような正の整数である。さらに、Cl原子は、この構造において任意のハロゲン原子に置換されてよい。
【0043】
高屈折率分子を調製する方法
高屈折率分子は任意の適切な方法によって調製されてよい。一実施形態において、n−ブチルリチウム化学が高屈折率分子を調製するために使用される。そのような反応を実行するための条件は、J.Org.Chem.1998,63,9924−9931に記載されており、これはその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。以下の反応スキームは、高屈折率分子の形成に適する方法の例を説明する。
【0044】
スキーム1は、硫黄含有複素環式構造を含む式1の高屈折率分子を形成する方法の実施形態を説明する。
【化13】
[式中、W、B、R
1、x、y、zおよびhは、式1(x=h)に記載された通りであり、Xは最も好ましくはCl、BrおよびIなどのハロゲンである。]。
【0045】
スキーム2において、硫黄含有複素環式構造を含むリチウム化高屈折率分子Aとクロロシランを反応させる。
【化14】
[式中、Siは担体原子であり、Cl、R
1およびB基はSi原子に結合しており、式1に記載された通りであり、x、y、zおよびhは式1に関して上記の通りであってもよい。]
【0046】
スキーム3において、炭素は担体原子であり、硫黄含有複素環式構造を含むリチウム化高屈折率分子Aとハロゲン化炭素を反応させる。
【化15】
[式中、X、R
1、B、x、y、z、およびhは式1に記載された通りである。]
【0047】
アルキルクロロシランは、硫黄含有複素環を含む高屈折率基を含むシロキサンポリマー繰り返し単位M、D、およびTを形成するのに有用である。スキーム4は、R
1基の数および選択に応じて様々なM、DおよびT単位を生成することができる高屈折率基を作るクロロシランの使用を説明する:
【化16】
【0048】
スキーム5〜7は、高屈折率分子を形成するのに適するスキーム1の態様による反応の例を説明する。スキーム5〜7に示されるように、高屈折率基(A)は1,2−ジチアンとして示される。しかし、高屈折率基が、チオフェン、1,3−ジチオラン、テトラヒドロ−2H−チオピラン、1,4−ジチアン、1,3,5−トリチアンなどを含むがこれらに限定されない任意の適切な高屈折率基であってもよいことは理解されよう。
【0049】
スキーム5は、ヒドリド官能基を含む高屈折率分子の形成を説明する。
【化17】
【0050】
スキーム6は、アリル基を含む高屈折率分子を合成するのに適する反応の例を説明する。
【化18】
【0051】
スキーム7は、ヒドロキシルを含む高屈折率モノマーを合成するのに適する反応の例を説明する。
【化19】
スキーム7に示されるように、本方法は、n−ブチルリチウム化学を使用して、ヒドリド含有配位子を最初に形成することを含む。次いで、ヒドリドはシラノール2bおよび2dに変換される。2a、2b(および類似構造)をそれぞれ2b、2dに変換するための、文献で公知の幾つかの触媒がある。1つのそのような触媒はルテニウム系である(J.A m.Chem.Soc.2000,122,12011−12012)。
【0052】
スキーム5〜7において説明した反応は、硫黄含有複素環式化合物として1,3−ジチアン、任意選択の置換基としてメチル、および担体原子としてシリコンの使用を用いる特定の例を説明するが、反応がこれらの材料に限定されず、任意の適切な担体または硫黄含有複素環式化合物は、特定の目的または意図した使用のために所望に応じて他の任意の適切な置換基と合わせて使用されてよいことが理解されよう。
【0053】
高屈折率ポリマー材料
上記のように、高屈折率ポリマー材料は、それに結合した高屈折率基を有するポリマーを含み、多くの場合、高屈折率基が硫黄含有複素環を含む。
【0054】
一般に、先に記載されたM、D、TおよびQ単位のいずれかを含有する高屈折率ポリマーを記載することができる。したがって、高屈折率分子含有ポリマーは、式4:
【化20】
[式中、各モノマー単位(M
1、M
2、D
1、D
2など)は独立して選択されるR
2−R
7基を有し、これは、水素、ヒドロキシル、直鎖もしくは分岐アルキルラジカル、直鎖もしくは分岐アルコキシラジカル、アリールラジカル、アルキルビニルラジカル、アミド、アミノ基、プロピルメルカプト基、グリシジル含有基、高屈折率硫黄含有複素環式化合物、または高屈折率分子側鎖基から選ばれ、ここで、モノマー単位の1つの少なくとも1個のR基は、式1に記載されるような高屈折率分子、または「硫黄含有高屈折率基」の項に記載されるような硫黄含有複素環式化合物のどちらかであり;aは1〜1000であり、bは0〜500であり、cは0〜500であり、dは0〜100であり、eは0〜100であり、fは0〜100であり、gは1〜1000であり、hは0〜1000であり、iは0から200である。]の一般構造である。
【0055】
一実施形態において、高屈折率シロキサンポリマーは、式4:
【化21】
[式中、M、D、T、およびQは上に記載されている。]の直鎖状または樹脂状の変形によって記載されてもよい。上記の実施形態において、「vi」はビニルラジカルを表し、「OL」(光学的配位子)は硫黄含有複素環式化合物または硫黄含有複素環式化合物を含む式1の高屈折率分子を表し、M
viはジアルキルビニルモノシロキシを表し、D
OLは、高屈折率分子を含むモノマー単位を表し、ここで、アルキルの1個または両方は、先に記載したような高屈折率分子または硫黄含有複素環式化合物のいずれかであり、D
Hはアルキルヒドロゲンシロキシを表し、D
viはアルキルビニルシロキシを表す。高屈折率シロキサンポリマーの重合度は、特に限定されず、特定の目的または意図した使用に対する要望に応じて選択することができる。一実施形態において、ポリマーは1から約10,000の反復単位を含むことができる。一実施形態において、aは約0から約2000であり、bは約0から約1000であり、cは約0から約1000であり、dは約1から約1000であり、fは約0から100であり、gは1から50であり、hは0から50である。
【0056】
一実施形態において、硫黄含有複素環式構造は、高屈折率ポリマー中に、約1から約40mol%;約2.5から約30mol%;約5から約25mol%、または約10から約20mol%の量で存在する。本明細書および特許請求の範囲中のどこか他のところのように、ここでも、数値を組み合わせて新規または未開示の範囲を形成してもよい。
【0057】
一実施形態において、式MD
aD
OLdD
HeMの変性シロキサンは、式1[式中、この事例においては、Bはビニル基(構造1g)である。]の分子を含む繰り返し単位を含む高屈折率モノマー(D
OL)を含む。1gの装填の程度はbが5〜30となりcが0〜10となるように選ばれる。1g中のR
2およびR
3は、メチル、1,3,5−トリチアン、1,3−ジチアンおよび1,3−ジチオランから選ばれる。表1は、様々なR
2およびR
3基を有する1gの非限定的な実施形態を示す。
【化22】
【表1】
【0058】
一実施形態において、高屈折率ポリマー材料は、硫黄含有複素環式基以外に屈折率修飾基をさらに含んでよい。例えば、フェニル含有複素環が、本発明に従って使用される硫黄含有複素環式構造、および高屈折率モノマーと組み合わせて用いられてもよい。そのような他の屈折率修飾基の濃度は、ポリマー材料の特性を制御または修飾する要望に応じて選ばれてもよい。高屈折率基として複数の硫黄含有複素環式構造を含む高屈折率ポリマー材料は、高い屈折率値を示し、フェニル含有高屈折率基の使用にまつわる関連問題を回避する。したがって、一実施形態において、本発明は、フェニル含有高屈折率基の濃度の著しい低下を可能にする。一実施形態において、本発明は、高屈折率ポリマーからのフェニル含有基の除去を可能にする。一実施形態において、高屈折率ポリマー材料はフェニル含有基を実質的に含まない。
【0059】
高屈折率ポリマーを形成する方法
ポリマー骨格は特に限定されず、ポリマー材料の所望の特性に基づいて選択されてもよい。一実施形態において、ポリマー骨格はシロキサンポリマーである。ポリマーを高屈折率化合物を用いて形成または官能化する方式は、屈折率化合物がポリマーに分布する所望の最終製品および方式に基づいて選ばれてもよい。
【0060】
一実施形態において、高屈折率ポリマーは、ポリマー骨格へ高屈折率モノマーをグラフトすることによって製造される。そのような方法で、ヒドリド基、アルケン基、または高屈折率モノマーと反応性である別の基を有するシロキサンポリマーが得られ、それにより、高屈折率モノマーはヒドロシリル化化学によってポリマー骨格にグラフトされる。
【0061】
一実施形態において、シロキサンは、式MD
aD
HeM[式中、M、DおよびD
Hは上記の通りであり、aおよびeは正の整数である。]を有するシロキサンを含む水素化ケイ素であってもよい。一実施形態において、ヒドリド含有シロキサンは、式5:
【化23】
[式中、R
2−R
6は上記の通りである。]によって表されてもよい。置換R
8は、R
2−R
7基について前に記載されたのと同様に記載することができる。実施例5において、aおよびeは、適切な粘度を有するポリマーを得るのに十分な値を有する整数である。一実施形態において、ポリマーは、25℃で約0.001から100PaS、または25℃で0.001から10
6PaSもの粘度を有する。
【0062】
シロキサンはまたビニル含有シロキサンであってもよい。一実施形態において、シロキサンは、25℃で約0.001から10
6PaSの粘度を有するビニル含有ポリシロキサンである。一実施形態において、シロキサンは、一般式MD
aD
vigM[式中、M、Dは前に記載されている]によって例示されてもよい。一実施形態において、ビニル含有シロキサンは式(6):
【化24】
[式中、R
2−R
6は上記の通りである。]のシロキサンであってもよい。置換R
9は、R
1−R
7基について前に記載したのと同様に記載することができる。実施例6において、aおよびgは、適切な粘度を有するポリマーを得るのに十分な値を有する整数である。
【0063】
ヒドロシリル化反応は、通常、触媒、例えば、白金またはロジウム系触媒を使用して実行される。ヒドロシリル化の技術分野は、文献(Angewandte Chemie,International Edition,2012,51,3225−3230およびその中の参考文献)に十分文書化されている。一実施形態において、ヒドリド含有またはビニル含有シロキサンは、硫黄含有飽和複素環を含む高屈折率モノマーと以下のように反応させることができる。
【化25】
[式中、MおよびD成分はそれぞれ上記の通りである。]
【0064】
スキーム8は、担体原子に結合したアルケン基を含む高屈折率モノマーを、ヒドリド官能基を含むポリマーにグラフトする反応スキームの例を説明する。
【化26】
スキーム8において、R
1−R
6およびR
8は上に説明したような基であり、x+y=3である。
【0065】
スキーム9は、ヒドリド含有高屈折率モノマーをアルケン基を含むポリマーにグラフトする反応スキームを説明する。
【化27】
スキーム9において、R
1−R
6およびR
9は、上に説明したような基であり、x+y=3である。スキーム8および9が、高屈折率を含むポリマー材料を形成する方法の単なる例証であり、その中に示された特定の材料を限定しないことは理解されよう。例えば、側鎖基中の任意の代替担体原子(示したシリコンの代わりに)が置き換えられてよく、任意の適切なヒドリドまたはビニルを含有するシロキサン、および任意の適切な硫黄含有高屈折率化合物(または高屈折率モノマー)が反応体として使用されてもよい。
【0066】
別の実施形態において、高屈折率モノマーは、ブロックコポリマー中の反復ブロックの一部としてポリマーに組み込むことができる。これは、高屈折率シリコーンポリマーを調製するために、好適な高屈折率モノマーとの環式シロキサンのヒドロシリル化、次いで、修飾されたその環式シロキサンを酸または塩基触媒の開環重合にかけることによって遂行されてもよい。
【0067】
一実施形態において、環式シロキサンを含むヒドリドは、光学的配位子を用いて官能化され、結果として得られたモノマーは、スキーム10の11および12の合成に向けてポリマー10で説明するような光学的配位子の反復ブロックを含むシロキサンを作製するために按分される。
【化28】
【0068】
一実施形態において、ビニル含有環式シロキサンは光学的配位子を用いて官能化され、結果として得られたモノマーは、スキーム11の14および15の合成に向けてポリマー13で説明するような光学的配位子の反復ブロックを含むシロキサンを作製するために按分される。
【化29】
【0069】
スキーム10および11に説明した反応は、その中に示した特定の反応体および成分に限定されないことは理解されよう。高屈折率モノマーは、他の硫黄含有飽和複素環式化合物または担体原子を使用してもよい。
【0070】
なお別の実施形態において、高屈折率ポリマーは、ポリマーの骨格中のシリコン原子に直接結合した高屈折率基を含む。これは、ポリマー骨格に高屈折率モノマーを直接組み込むことにより遂行されてもよい。高屈折率モノマーは、ヒドロシリル化化学または塩基触媒重合によって骨格に組み込まれてもよい。そのような方法はスキーム12および13に説明する。スキーム12は、ヒドロシリル化反応によって骨格に高屈折率モノマーを組み込む反応スキームを説明する。
【化30】
【0071】
スキーム13は、塩基触媒反応によって高屈折率モノマーを骨格に組み込む反応スキームを説明する。
【化31】
【0072】
一般構造M
kD
aT
cQ
fの高屈折率ポリマーはまた、実施例3(スキーム4)によって表されるようなM、DおよびT単位を含有する光学的配位子から直接調製することができる。3中に存在する塩素の数は、スキーム14に記載されているような様々なクロロシランの最終構造を決定する。
【化32】
【0073】
次いで、これらのモノマーを反応させて、水の添加を用いるHClの縮合によってシロキサンポリマーを形成し、直鎖ポリマー(両側を「M」で封鎖した「D」単位の重合)、分枝ポリマー(「D」および「T」単位)、または樹脂質系(「T」単位;または「M」および「Q」単位;「T」および「Q」単位など)を含むがこれらに限定されない様々なポリマーシロキサン構造を形成することができる。
【0074】
用途
硫黄含有高屈折率基を含む高屈折率ポリマーは、様々な用途の様々な材料を作製するために使用することができる。本発明の態様による高屈折率ポリマーは、他の材料の表面に適用することができる、または、所望の形状の製品を形成するのに使用することができる被膜またはフィルムを形成するために使用することができる。高屈折率モノマーおよびそれから形成されたポリマーは高屈折率および優れた機械的性質を示し、また高屈折率成分としてフェニル基を含むポリマーにまつわる他の関連問題を回避する。本ポリマーは、コンタクトレンズ、眼内レンズ、半導体発光素子カプセル化剤(発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオード)、導光路(平面および「ファイバー」両方の幾何学的形状)、光学的コンピューティング、光記憶媒体、反射防止膜、コンフォーマルコーティング、光学レンズ、マイクロレンズ、自動車用トップコート、塗料調合物およびトップコート、頭髪用化粧品、勾配屈折率光学部品、および動的勾配屈折率部品などを含むがこれらに限定されない様々な用途に使用することができる。
【0075】
本発明の態様は以下の実施例を参照してさらに理解することができる。実施例は、本発明の様々な態様および実施形態を説明するためであり、本発明の範囲を限定するようには意図されない。
【実施例】
【0076】
実施例1:高屈折率分子の合成
高屈折率分子(18)は反応スキーム15に従って形成する:
【化33】
【0077】
磁気撹拌機J−KEMおよび窒素導入口/排気口を装備した250mLの2首丸底フラスコに、1,3−ジチアン(4、3.58g、29.8mmol、2.10当量)、続いて無水テトラヒドロフラン(35mL)を装填する。溶液を−70℃未満(ドライアイスアセトン浴)に冷却する。n−ブチルリチウムの溶液(19.5mL、31.2mmol、2.2当量、ヘキサン中1.6Mの溶液)を浴温が−65℃未満にとどまるような速度で注射器によって添加する。ブチルリチウムの添加が完了したら、浴は−65℃未満に1時間保持し、ビニルメチルジクロロシラン(2.0g、14.2mmol、1当量)を、このバッチが<−65℃にとどまるように注射器によって滴下添加する。クロロシランの添加が完了したら、バッチを−65℃未満で1時間保持する。次いで、バッチを−65℃未満に維持しながら、飽和NaHCO
3水溶液(5mL)でバッチを失活させる。次いで、反応混合物を別の漏斗に移し、EtOAc(100mL)で希釈する。水層は取っておく。有機層を水(2×10mL)、塩水(1×10mL)で洗う。合わせた水性廃棄物は、廃棄物流行きを明示した。有機層を乾燥し(MgSO
4を使用して)、濾過し、回転蒸発器で濃縮して粗生成物が得られる。次いで、この材料をヘキサン(20mL)で研和し、固体はBuckner漏斗で濾過し、ヘキサン(2×5mL)で洗い、高真空下で乾燥して18(3.2g、66%の収率)が得られる。分析データ(
1H NMR,
13C NMR,
29Si,MS)は、化合物18を確証する。
【0078】
実施例2:高屈折率分子でグラフトしたポリマーの合成
高屈折率分子でグラフトしたポリマーは、スキーム16に従って調製する:
【化34】
【0079】
還流凝縮器および窒素導入口/排気口を装備した50mLの丸底フラスコに、ヒドリドシロキサン液(500mg、0.162mmol、1当量)、化合物18(752mg、2.44mmol、15当量)、およびトルエン(3.2mL)を装填する。ヒドリドシロキサン液は、式MD
15D
30HM[式中、Mはトリメチルシロキサンであり、Dはジメチルシロキサンであり、D
Hはメチルシロキサンである。]のものである。PtCl
2(Et
2S)
2触媒(0.4mL、0.0016mmol、0.01当量、トルエン中1.85mg/mLの触媒)のストック溶液をフラスコに添加し、結果として得られた透明な混合物を100℃の油浴温で4.5時間加熱する。次いで、反応混合物を0.45ミクロンの注射器フィルターに通す。濾液は回転蒸発器で濃縮し、残渣は乾燥して(5時間、55℃@8.4Hg)、ゴム(19、1.2171g、97%)が得られる。分析データ(
1H NMR,
13C NMR,
29Si)は所望の構造に対応する。材料をまずトルエン(2mL)に溶解し、次いで、ヘキサン(10mL)の添加によってポリマーを沈殿させることによりさらに精製する。次いで、沈殿させたポリマーをクロロホルム(5mL)に溶解し、溶液は回転蒸発器で濃縮する。次いで、油状生成物を真空オーブン(65℃、5時間@8.2Hg)で乾燥して透明なポリマー状のゴムが得られる(763mg、61%の収率)。ポリマーは1.5540の屈折率を有する。
【0080】
本発明の実施形態は上に記載されたが、本明細書を読み理解すれば変形および変更が他者に生じ得る。本発明およびいずれの請求項も、特許請求の範囲または均等物の範囲内に含まれる限り、変形および変更をすべて含むように意図される。