(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
被写体と対向する前面側に設けられた撮像光学系を介して視野領域から集光した光を受光して画像データを生成する撮像素子と、光ビームまたは照準マークを射出する光源部と、前記視野領域からの光を透過するとともに、前記光源部が出射した光束を前記前面側と相反する背面側に向けて反射する光学素子と、を有し、前記撮像光学系が集光する前記視野領域からの光を透過するとともに、前記視野領域からの光を透過する領域に前記光ビームまたは前記照準マークの虚像を生じさせる光学照準部と、前記光源部を前記撮像光学系の光軸と直交する垂直面において移動可能に保持する脚部と前記撮像素子および前記撮像光学系のいずれか一方を移動させて手ブレを抑制する手ブレ補正部と、を備えた撮像装置が実行する撮像方法であって、
当該撮像装置に生じる手ブレを検出する手ブレ検出ステップと、
前記光学照準部が駆動した場合、前記光学照準部の駆動に対応した撮影制御で撮影を行う撮像制御ステップと、
を含み、
前記撮像制御ステップは、前記手ブレ検出ステップが検出した前記手ブレの検出結果に基づいて、前記手ブレ補正部の駆動制御を行うとともに、前記光学照準部が駆動した場合、前記手ブレ補正部の駆動をホールドさせることを特徴とする撮像方法。
被写体と対向する前面側に設けられた撮像光学系を介して視野領域から集光した光を受光して画像データを生成する撮像素子と、光ビームまたは照準マークを射出する光源部と、前記視野領域からの光を透過するとともに、前記光源部が出射した光束を前記前面側と相反する背面側に向けて反射する光学素子と、を有し、前記撮像光学系が集光する前記視野領域からの光を透過するとともに、前記視野領域からの光を透過する領域に光ビームまたは照準マークの虚像を生じさせる光学照準部と、前記光源部を前記撮像光学系の光軸と直交する垂直面において移動可能に保持する脚部と、前記撮像素子および前記撮像光学系のいずれか一方を移動させて手ブレを抑制する手ブレ補正部と、を備えた撮像装置に、
当該撮像装置に生じる手ブレを検出する手ブレ検出ステップと、
前記光学照準部が駆動した場合、前記光学照準部の駆動に対応した撮影制御で撮影を行う撮像制御ステップと、
を実行させ、
前記撮像制御ステップは、前記手ブレ検出ステップが検出した前記手ブレの検出結果に基づいて、前記手ブレ補正部の駆動制御を行うとともに、前記光学照準部が駆動した場合、前記手ブレ補正部の駆動をホールドさせることを特徴とするプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)について説明する。また、以下の実施の形態により、本発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付して説明する。さらにまた、図面は、模式的なものであり、各部材の厚みと幅との関係、各部材の比率等は、現実と異なることに留意する必要がある。また、図面の相互間においても、互いの寸法や比率が異なる部分が含まれている。
【0033】
(実施の形態1)
〔撮像装置の構成〕
図1は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の機能構成を模式的に示すブロック図である。
図1に示す撮像装置1は、本体部2と、本体部2に着脱自在であり、所定の視野領域から光を集光するとともに、光学ズームが可能なレンズ部3と、レンズバリア機構4と、を備える。
【0034】
〔本体部の構成〕
まず、本体部2について説明する。本体部2は、シャッタ201と、シャッタ駆動部202と、撮像素子203と、撮像素子駆動部204と、手ブレ補正部205と、信号処理部206と、A/D変換部207と、画像処理部208と、AE処理部209と、AF処理部210と、画像圧縮展開部211と、脚部212と、ポップアップスイッチ部213と、接眼表示部214と、アイセンサ215と、背面表示部216と、入力部217と、手ブレ検出部218と、時計219と、記録媒体220と、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)221と、Flashメモリ222と、本体通信部223と、バス224と、本体制御部225と、光源調整部700と、を備える。
【0035】
シャッタ201は、撮像素子203の状態を露光状態または遮光状態に設定する。シャッタ201は、レンズシャッタまたはフォーカルプレーンシャッタを用いて構成される。
【0036】
シャッタ駆動部202は、本体制御部225から入力される指示信号に応じてシャッタ201を駆動する。シャッタ駆動部202は、ステッピングモータやDCモータ等を用いて構成される。
【0037】
撮像素子203は、レンズ部3が集光した光を受光して光電変換を行うことによって電子的な画像データを生成する。具体的には、撮像素子203は、レンズ部3が集光した光を受光して電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を用いて構成され、被写体の画像データを生成する。撮像素子203は、レンズ部3の光軸O1上に光軸O1と直交するように配置される。
【0038】
撮像素子駆動部204は、所定のタイミングで撮像素子203から画像データ(アナログ信号)を信号処理部206へ出力させる。具体的には、撮像素子駆動部204は、所定のタイミングで撮像素子203に対して、まず、各画素の露光(光電変換)を開始と終了とを制御する。そして、撮像素子駆動部204は、撮像素子203の露光(光電変換)終了後に、各画素で光電変換された信号出力(電荷両出力または電圧出力)から画像データ(アナログ信号)を信号処理部206へ出力させる。このように、撮像素子203は、各画素を撮像素子駆動部204からの制御信号に基づいて、露光制御を行う。撮像素子駆動部204は、電子シャッタとして機能する。
【0039】
また、撮像素子駆動部204は、本体制御部225の制御のもと、撮像素子203に対して、所定のフレームレート(例えば30fpsまたは60fps:(frame per second))で露光の開始と終了とを繰り返し実行させることによって、撮像素子203で撮像された画像データを出力させる。さらに、撮像素子駆動部204は、本体制御部225の制御のもと、撮像素子203に含まれる2次元上に配置される画素のうち、行方向の画素列である所定の画素ライン出力、例えば偶数の画素ライン出力や奇数の画素ライン出力を間引くことで、撮像素子203に高速フレームレート(例えば120fps)で画像データを信号処理部206に出力させる。
【0040】
手ブレ補正部205は、手ブレ検出部218の検出結果に基づいて、撮像素子203を保持するとともに、撮像素子203を移動させて撮像装置1の姿勢変化によって生じる像移動の手ブレを抑制する。具体的には、手ブレ補正部205は、撮影時における撮影者の手ブレを補正するため、撮像素子203をX軸方向、Y軸方向それぞれの方向へ並進移動と、Z軸周りの回転方向への回動させるように、撮像素子203を機械的に移動させる。例えば、手ブレ補正部205は、撮像素子203をレンズ部3の光軸O1に直交するXY平面、レンズ部3の光軸O1と平行をなすXZ平面およびレンズ部3の光軸O1と平行をなすYZ平面を回転または移動させることによって、撮像装置1に生じる手ブレを補正する。
【0041】
ここで、手ブレとは、撮影者が撮像装置1を用いて撮影する際に撮像装置1に生じる姿勢変化である。この姿勢変化によって、被写体からレンズ部3によって結像される位置が移動するため、撮影された画像データは、像ブレが生じて解像度が低下することが知られている。手ブレ補正部205は、撮像素子203を保持する可動枠の質量が大きい保持枠および並進方向へ移動、および回動させるための複数のアクチュエータ、例えば電磁型等のボイスコイルモータ、圧電素子および高分子材料のいずれかを用いて構成される。
【0042】
信号処理部206は、本体制御部225の制御のもと、撮像素子203から入力される画像データに対して、CDS回路(図示せず)によるリセットノイズ低減処理、被写体輝度に対して、階調補正するための波形整形処理およびゲインアップ処理等のアナログ信号処理を施してA/D変換部207へ出力する。
【0043】
A/D変換部207は、信号処理部206から入力されるアナログの画像データに対してA/D変換を行うことによってデジタルの画像データ(RAWデータ)を生成し、バス224を介してSDRAM221へ出力する。
【0044】
画像処理部208は、バス224を介してSDRAM221から画像データ(RAWデータ)を取得し、取得した画像データに対して各種の画像処理を施してSDRAM221へ出力する。ここで、画像処理としては、遮光時の画素出力のオフセット量を補正するオプティカルブラック低減処理、被写体像の白色画像出力を補正するホワイトバランス調整処理、画像データの色空間を変換するカラーマトリクス演算処理、ガンマ補正処理、色再現処理、エッジ強調処理、複数の画像データを合成する合成処理および撮像素子203がベイヤー配列の場合には画像データの同時化処理等である。
【0045】
AE処理部209は、バス224を介してSDRAM221に記録された画像データを取得し、取得した画像データに基づいて、撮像装置1が静止画撮影または動画撮影を行う際の露出条件を設定する。具体的には、AE処理部209は、画像データから輝度を算出し、算出した輝度に基づいて、例えば絞り値、シャッタ速度およびISO感度等を決定することで撮像装置1の自動露出を行う。
【0046】
AF処理部210は、バス224を介してSDRAM221に記録された画像データを取得し、取得した画像データに基づいて、撮像装置1の焦点の調整を行う。例えば、AF処理部210は、画像データから高周波成分の信号を取り出し、高周波成分の信号に対してAF(Auto Focus)演算処理を行うことによって、撮像装置1の合焦評価を決定することで撮像装置1の焦点の調整を自動で行う。なお、AF処理部210は、瞳分割位相差法または撮像素子203の所定の画素成分(AF画素)を用いて撮像装置1の焦点の調整を自動で行ってもよい。
【0047】
画像圧縮展開部211は、バス224を介してSDRAM221から画像データを取得し、取得した画像データに対して所定の形式に従って圧縮し、この圧縮した画像データをメモリI/F(図示せず)を介して記録媒体220へ出力する。ここで、所定の形式としては、JPEG(Joint Photographic Experts Group)方式、MotionJPEG方式およびMP4(H.264)方式等である。また、画像圧縮展開部211は、バス224を介して記録媒体220に記録された画像データ(圧縮画像データ)を取得し、取得した画像データを展開(伸長)してSDRAM221へ出力する。
【0048】
脚部212は、撮像装置1の視野領域に向けて照明光を照射するフラッシュ発光部400と、撮像装置1の視野領域内における所望の被写体に照準するための光ビームまたは照準マークを発光する光学照準部500と、脚部212を本体部2からポップアップさせるためのポップアップ部600と、光源調整部700と、を有する。
【0049】
ここで、脚部212の構成について詳細に説明する。
図2は、脚部212が本体部2からポップアップした状態の正面図である。
図3は、脚部212が本体部2からポップアップした際の部分断面図である。
図4は、脚部212が本体部2に収容された際の側面図である。
【0050】
図2〜
図4に示すように、脚部212は、本体部2に対して回動可能に本体部2に軸支される。具体的には、脚部212は、本体部2のレリーズスイッチ217b等が配置された本体部2の上面であって、本体部2の上面の左右方向を通過する第1軸R1に下端(基端部)が連結されることによって、本体部2に対して回動可動に本体部2に軸支される。
【0051】
脚部212は、トレイ状をなし、内部に光学照準部500を保持する脚下部212aと、脚下部212aの内面側と対向するように繋ぎ合わされて脚下部212aとともに略筐体をなす脚上部212bと、撮像装置1の視野領域に対して照明光を照射するフラッシュ発光部400と、光ビームまたは照準マークの虚像を撮像装置1の視野領域内または視野領域付近に生じさせる光学照準部500と、脚部212を本体部2に係止するとともに、外部からの力に応じて脚部212を本体部2から離間させるポップアップ部600と、を有する。
【0052】
フラッシュ発光部400は、脚部212の先端部に設けられ、撮像装置1の視野領域に向けて照明光(フラッシュ)を照射する。フラッシュ発光部400は、脚部212が本体部2からポップアップした状態(起立状態)において、本体部2から離間した位置に配置される。フラッシュ発光部400は、脚部212が本体部2からポップアップした状態で、本体制御部225の制御のもと、撮像装置1の視野領域に向けて照明光を照射する。フラッシュ発光部400は、LEDやLED駆動ドライバ等を用いて構成される。
【0053】
光学照準部500は、撮像装置1の視野領域に向けて光ビームまたは照準マークを出射して撮像装置1の前面側と相反する背面側に向けて反射することによって、撮像装置1の視野領域であって、光学照準部500を透過する光の視野領域に光ビームまたは照準マークの虚像を生じさせる。光学照準部500は、光ビームまたは照準マークを撮像装置1の視野領域に向けて発光する光源部501と、撮像装置1の視野領域からの光を透過するとともに、光源部501が発光した光ビームまたは照準マークを撮像装置1の背面側に向けて反射する光学素子502と、光学素子502を本体部2に対して回動可能に支持する支持部503と、光学素子502を通過する線と交差する位置に設けられ、光学素子502を保護するカバー部材504aが被写体側に向けて開閉可能に形成された開口部504と、を有する。
【0054】
光源部501は、赤色の光ビームまたは照準マークを発光するLEDおよびLEDドライバ等を用いて構成され、光学素子502に向けて光ビームまたは照準マークを発光する。光源部501は、光学素子502と所定の角度をなすように脚部212の下部に設けられ、光ビームまたは照準マークを被写体側の斜め上方に向けて発光する。なお、光源部501は、光学素子502と所定の角度をなすように本体部2に設けてもよい。さらに、光源部501は、複数のLEDが2次元的に設けられたLEDアレイで構成されてもよい。
【0055】
光学素子502は、ハーフミラーまたは特定の波長の光、例えば赤色光のみを反射する誘電多層膜が設けられたミラーによって構成される。また、光学素子502は、撮像装置1の視野領域からの光を透過するとともに、光源部501が発散した光束を背面側に向けて反射することによって、光源部501が発光した光ビームまたは照準マークの虚像を撮像装置1の視野領域であって、光学素子502を透過した光の領域に生じさせる。光学素子502は、脚部212が本体部2からポップアップした際に、背面側に設けて湾曲する放物面あるいはそれに近似した球面502aを有する。
【0056】
支持部503は、本体部2の上面の左右方向を通過する第2軸R2に下端が連結され、第2軸R2を回転軸として回動可能な1対の第1リンク503aと、第1リンク503aの上端部と連結され、第1リンク503aに対し、下端部の連結箇所を通過し、第2軸R2と平行な第3軸R3を回転軸として回動可能であるとともに、脚部212の左右方向を通過し、第2軸R2および第3軸R3に連結され、第4軸R4を回転軸として回動可能な1対の第2リンク503bと、を有する。第2リンク503bは、内部の両端で光学素子502を支持する。第1リンク503aは、内部の両端で第2リンク503bを支持する。
【0057】
開口部504は、被写体側に向けて開閉可能なカバー部材504aを有し、光学素子502を通過する線と交差する位置に設けられる。具体的には、開口部504は、フラッシュ発光部400と本体部2との間に設けられる。開口部504は、脚部212がポップアップした際に、カバー部材504aが開扉する。さらに、開口部504は、脚部212が本体部2に収容された際(ポップダウン状態)に、カバー部材504aが光学照準部500を外部からの外力から保護する。
【0058】
図5は、脚部212が本体部2に収容された際のカバー部材504aの状態を模式的に示す上面図である。
図6は、脚部212が本体部2からポップアップした際のカバー部材504aの状態を模式的に示す上面図である。
【0059】
図5および
図6に示すように、カバー部材504aは、開口部504に対して被写体側に向けて開閉可能に設けられ、脚部212が本体部2からポップアップした際に、被写体側に向けて開扉する。これにより、撮影者は、開口部504および光学素子502を介して撮像装置1の視野領域を視認することができるとともに、光学素子502を介して光学照準部500が照射する光ビームまたは照準マークの虚像を被写体に合わせることによって、被写体にフレーミングすることができる。
【0060】
ポップアップ部600は、電磁石等を用いて構成され、本体制御部225の制御のもと、脚部212を本体部2から遠ざかる方向であって、本体部2から離間する方向へポップアップ(離間)させる。
【0061】
光源調整部700は、撮像装置1と被写体との距離に応じて変化するレンズ部3の光軸O1と光学照準部500が発光する光ビームまたは照準マークとの間の視差(パララックス)の影響をなくすために、撮影者の操作に応じて光源部501の位置を調整することによって、光源部501が発光する光ビームまたは照準マークの位置を調整する。また、光源調整部700は、レンズ部3の光軸O2から離間し、かつ上方側に位置しているため光源部501を本体部2に対して上下方向に移動させることによって、撮像装置1と被写体との距離に応じて変化するレンズ部3の光軸O1と光学照準部500が発光する光ビームまたは照準マークとの間の視差を補正することができる。
【0062】
[光源調整部の構成]
ここで、光源調整部700の詳細な構成について説明する。
図22は、光源部501を含む光源調整部700の構成を示す斜視図である。
【0063】
図22に示すように、光源調整部700は、光源保持部701と、支持軸702と、圧縮コイルバネ703と、カム704と、ボール705aおよび押圧部材705b(例えば、圧縮コイルバネ)で構成されたクリック部705cを有するツマミ705と、光源部501の位置を検出する変位量検出部706と、を備える。
【0064】
光源保持部701は、基端部701aにおいてX軸と略平行な支持軸702の回りに回動可能に配置されている。光源保持部701は、支持軸702から後方に向かって延出しており、先端部701bにおいて光源部501を保持している。また、光源保持部701は、カムフォロア701cが設けられている。カムフォロア701cは、カム704と当接する部位である。さらに、光源保持部701は、カムフォロア701cが常にカム704に当接した状態になるように圧縮コイルバネ703によってカム704に近づくように付勢されている。
【0065】
カム704は、X軸と略平行な軸回りに回動し、カム704の回動に伴いカムフォロア701cと当接するカム面と回動軸707との距離が変化するように形成されている。また、カム704は、回動することによって、光源保持部701が支持軸702の回りに回動する。カム704は、ツマミ705の回動に従って回動する。
【0066】
ツマミ705は、本体部2の外面に配置され(
図3を参照)、撮影者が触れることができる位置に配置されたダイヤル状の回転する操作部材である。ツマミ705は、光源部501の左方において、X軸と略平行な軸回りに回転可能に配置されている。また、ツマミ705は、クリック部705cにより、回転範囲が規制されている。本実施の形態1では、ツマミ705の回動は、複数の平歯車(例えば、2段の第1平歯車705dおよび第2平歯車705e)からなる減速機構708を介してカム704に伝達される。さらに、ツマミ705には、光源部501の変位量を検出する変位量検出部706が設けられている。具体的には、第2平歯車705eの側壁面に変位量検出部706の一部が設けられている。
【0067】
変位量検出部706は、第2平歯車705eの側壁面に明暗パターン(または凹凸面形成)であって、ツマミ705の回転による所定のクリック数に併せて相互に配列した等ピッチ間隔を有する反射部材706aが所定の位置に形成または接着剤で貼付されたパターンシートが設けられている。また、変位量検出部706は、反射部材706aに対向する所定の本体部2の位置に位置検出部706bが配置されている。位置検出部706bは、発光素子および受光素子が一体的に形成されたフォトリフレクタを用いて構成される。即ち、変位量検出部706は、第2平歯車705eの回動による反射部材706aの移動を位置検出部706b(フォトリフレクタ)によってツマミ705の原点(初期)検出と第1平歯車705dの位置を検出することで、減速機構708およびカム704を介して光源部501の上下方向の変位量を検出する。なお、変位量検出部706は、明暗パターンに換えて、磁性部材を用いて構成した第1平歯車705dの凹凸面によって形成する場合、この磁性部材に対向して本体部2にホール素子と永久磁石が結合された位置検出器を用いて磁気的に位置を検出してもよい。なお、変位量検出部706が本実施の形態1にかかる位置検出部として機能する。この場合、ホール素子の位置検出で、ツマミ705の回転する位置を検出し、フォトリフレクタで原点(初期)位置を検出する位置検出の組み合わせが可能とすることは勿論である。
【0068】
このように光源調整部700は、ツマミ705を回動させることによって、光源保持部701が支持軸702周りに回動し、光源部501が本体部2に対して上下方向に移動する。さらに、光源調整部700は、撮影者による操作に応じてツマミ705の回動に応じて、光源部501が停止した位置を変位量検出部706によって検出し、この検出結果を本体制御部225へ出力する。
【0069】
図1に戻り、撮像装置1の構成の説明を続ける。
ポップアップスイッチ部213は、検出部213aと、スイッチ部213bと、を有する。
【0070】
検出部213aは、脚部212が本体部2からポップアップしているか否かを検出し、この検出結果を本体制御部225へ出力する。検出部213aは、接触センサ等を用いて構成される。
【0071】
スイッチ部213bは、光学照準部500を駆動する駆動信号または光学照準部500を停止する停止信号の入力を受け付け、この駆動信号または停止信号を本体制御部225へ出力する。
【0072】
接眼表示部214は、本体制御部225の制御のもと、バス224を介してSDRAM221に記録された画像データに対応する画像を表示するとともに、撮像装置1の操作に関する情報、例えば絞り値、シャッタスピードおよびフォーカスエリア等の画像に重畳して表示する。接眼表示部214は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)からなる表示パネルおよび駆動ドライバ等を用いて構成される。
【0073】
アイセンサ215は、接眼表示部214に対する物体、例えば撮影者の近接を検出し、この検出結果を本体制御部225へ出力する。アイセンサ215は、接触センサや赤外線センサ等を用いて構成される。なお、本実施の形態では、アイセンサ215が物体検出部として機能する。
【0074】
背面表示部216は、本体制御部225の制御のもと、画像データに対応する画像を表示する。背面表示部216は、液晶または有機EL等からなる表示パネルおよび表示駆動ドライバ等を用いて構成される。ここで、画像の表示には、撮影直後の画像データを所定時間(例えば3秒)だけ表示する確認表示(レックビュー表示)、記録媒体220に記録された画像データを再生する再生表示、および撮像素子203が時間的に連続して生成する画像データに対応するライブビュー画像を時系列に沿って順次表示するライブビュー表示等が含まれる。また、背面表示部216は、撮像装置1の操作情報および撮影に関する情報を適宜表示する。
【0075】
入力部217は、撮像装置1の電源状態をオン状態またはオフ状態に切り替える電源スイッチ217aと、静止画撮影の指示を与える静止画レリーズ信号の入力を受け付けるレリーズスイッチ217bと、撮像装置1の各種設定を切り替えるモードスイッチ217cと、撮像装置1の各種設定を背面表示部216に表示させるメニュースイッチ217dと、動画撮影の指示を与える動画レリーズ信号の入力を受け付ける動画スイッチ217eと、記録媒体220に記録された画像データを再生する指示信号の入力を受け付ける再生スイッチ217fと、背面表示部216の表示画面に重畳して設けられ、外部からの接触位置に応じた位置信号の入力を受け付けるタッチパネル217gと、を有する。レリーズスイッチ217bは、外部からの押圧により進退可能であり、半押しされた場合に撮影準備動作を指示する指示信号のファーストレリーズ信号(以下、「1st」という)の入力を受け付ける一方、全押しされた場合に静止画撮影を指示するセカンドレリーズ信号(以下、「2nd」という)の入力を受け付ける。
【0076】
手ブレ検出部218は、撮像装置1の姿勢変化によって生じる像移動の手ブレを検出する。具体的には、手ブレ検出部218は、撮像装置1に生じる姿勢変化に伴う加速度および角速度を検出することによって、撮像装置1に生じる姿勢変化量を検出し、この検出結果を本体制御部225へ出力する。
【0077】
ここで、撮像装置1の姿勢(例えば、標準姿勢(いわゆる横位置))において、撮像装置1の水平方向をX方向とする。この正のX方向は、被写体側から撮像装置1を見て右方向とする。さらに、撮像装置1の垂直方向をY方向とする。ここに、正のY方向は、撮像装置1の標準姿勢における上方向とする。このような座標系において、手ブレ検出部218は、Z軸(レンズ部3の光軸O1)周りの回転運動をロール(Roll)、X軸周りの回転運動をピッチ(Pitch)の正方向回転、原点からX軸正方向に見たときのZ軸周りの左回転をロールの正方向回転、原点からY軸正方向を見たときのY軸周りの右回転をヨー(Yaw)の正方向回転として検出する。後述するレンズ部3のレンズ手ブレ補正部310および手ブレ補正部205は、手ブレ検出部218による検出結果(検出信号)に基づいて、後述するレンズ部3の補正レンズ315および撮像素子203をそれぞれ光軸O1の直交方向に移動させ、手振れ補正の制御を行う。例えば、手ブレ検出部218は、撮影者が撮像装置1を用いて撮影する際の姿勢変化に伴うX、YおよびZ各軸の加速度X軸、Y軸およびZ軸を回転軸とする回転方向であるピッチ方向、ヨー方向およびロール方向の角速度を姿勢変化量として検出する。
【0078】
また、手ブレ検出部218は、各軸方向の加速度成分をそれぞれ検出する3軸の加速度センサおよび回転方向であるピッチ、ヨーおよびロール方向の角速度をそれぞれ検出するジャイロセンサ等を用いて構成される。さらに、手ブレ検出部218は、撮影者による撮像装置1の構え直しを検出する。具体的には、手ブレ検出部218は、X、YおよびZ各軸の加速度とX軸、Y軸、およびZ軸を回転軸とする回転方向であるピッチ、ヨー、ロール方向の角速度の検出出力が変化することによって、撮影者が撮像装置1の構え直しをした際に特有の姿勢変化量があるか無いかを検出する。例えば、構え直しでは、撮像装置1に対して、通常の手ブレによる姿勢変化よりも、大きな姿勢変化を生じる。このため手ブレ検出部218の加速度および角速度出力の各々は、通常の手ブレ補正でおこりうる加速度、および角速度出力よりも大きな出力が検出される。ここでは、所定の加速度、および角速度出力の閾値よりも、大きな加速度、および角速度出力が検出された場合に、撮影者が撮像装置1に対して構え直しがされたと推定することで、構え直しの有無を検出する。
【0079】
さらにまた、手ブレ検出部218の検出出力によっては、撮影者による撮像装置1の構え直しがあると判別され、その上でアイセンサ215が物体(撮影者)を検出した際に、撮影者によって撮像装置1の構え直しとして検出する。ここで、構え直しとは、撮影者が光学照準部500または背面表示部216で被写体に対する構図を決めた後に、接眼表示部214で被写体の構図を確認することである。もちろん、撮影者側をモニタ可能(例えば、2軸ヒンジなどを使用した回転移動する液晶表示および接眼表示部を有する撮像装置や画面反転切り換え用を検出する(ホール素子と磁石の組み合わせ)センサ等を設け、この撮像装置やセンサから出力される出力結果を用いてもよい。
【0080】
また、手ブレ検出部218は、撮影者による撮像装置1の構え直しを検出する。具体的には、手ブレ検出部218は、アイセンサ215が物体(撮影者)を検出した際に、撮影者によって撮像装置1の構え直しとして検出する。ここで、構え直しとは、撮影者が光学照準部500または背面表示部216で被写体に対する構図を決めた後に、接眼表示部214で被写体の構図を確認することである。もちろん、撮影者側をモニタする撮像装置やセンサ等を設け、この撮像装置やセンサから出力される出力結果を用いてもよい。
【0081】
時計219は、計時機能および撮影日時の判定機能を有する。時計219は、撮像素子203によって撮像された画像データに日時データを付加するため、日時データを本体制御部225へ出力する。
【0082】
記録媒体220は、撮像装置1の外部から装着されるメモリカード等を用いて構成される。記録媒体220は、メモリI/F(図示せず)を介して撮像装置1に着脱自在に装着される。記録媒体220には、RAWデータ、および画像処理部208または画像圧縮展開部211が処理を施した画像データが書き込まれる。また、記録媒体220は、本体制御部225によって記録された画像データが読み出される。
【0083】
SDRAM221は、バス224を介してA/D変換部207から入力される画像データ、画像処理部208から入力される画像データおよび撮像装置1の処理中の情報を一時的に記録する。例えば、SDRAM221は、信号処理部206、A/D変換部207およびバス224を介して撮像素子203が1フレーム毎に順次出力する画像データを一時的に記録する。
【0084】
Flashメモリ222は、プログラム記録部222aを有する。プログラム記録部222aは、撮像装置1を動作させるための各種プログラムおよびプログラムの実行中に使用される各種データおよび画像処理部208による画像処理の動作に必要な各画像処理のパラメータ等を記録する。
【0085】
本体通信部223は、本体部2に装着されるレンズ部3との通信を行うための通信インターフェースである。本体通信部223には、レンズ部3との電気的な接点も含まれる。
【0086】
バス224は、撮像装置1の各構成部位を接続する伝送路等を用いて構成される。バス224は、撮像装置1の内部で発生した各種データを撮像装置1の各構成部に転送する。
【0087】
本体制御部225は、入力部217からの指示信号に応じて撮像装置1を構成する各部に対する指示やデータの転送等を行って撮像装置1の動作を統括的に制御する。本体制御部225は、CPU(Central Processing Unit)等を用いて構成される。
【0088】
ここで、本体制御部225の詳細な構成について説明する。本体制御部225は、明るさ検出部225aと、距離検出部225bと、顔検出部225cと、被写体検出部225dと、モード切換部225eと、照準制御部225fと、撮像制御部225gと、表示制御部225hと、を有する。
【0089】
明るさ検出部225aは、撮像素子203が生成した画像データに基づいて、撮像装置1の視野領域の明るさを検出する。具体的には、明るさ検出部225aは、撮像素子203が生成した画像データに含まれる輝度成分に基づいて、撮像装置1の視野領域の明るさまたはレンズ部3のフォーカス領域の明るさを検出する。
【0090】
距離検出部225bは、撮像素子203が生成した画像データに基づいて、撮像装置1から被写体までの距離を検出する。
【0091】
顔検出部225cは、撮像素子203が生成した画像データに対応する画像内における被写体の顔を検出する。具体的には、顔検出部225cは、撮像素子203が生成した画像データに対応する画像内において、パターンマッチング等の周知技術を用いて被写体の顔を検出する。なお、顔検出部225cは、人物以外の顔、例えば犬や猫等の動物の顔を検出してもよい。
【0092】
被写体検出部225dは、撮像素子203が生成した画像データに対応する画像内の被写体を検出する。具体的には、被写体検出部225dは、撮像素子203が連続的に生成する画像間において同一の被写体を検出する。例えば、被写体検出部225dは、パターンマッチング等により被写体の特徴点を検出し、この特徴点を含む領域(輪郭)を主要な被写体として検出する。ここで、特徴点とは、輝度、コントラストおよびカラーヒストグラムである。なお、被写体検出部225dは、レンズ部3のフォーカス領域に基づいて、画像内における検出領域内の被写体を検出してもよい。さらに、被写体検出部225dは、明るさ検出部225aが検出した視野領域の明るさまたは距離検出部225bが検出した被写体までの距離に基づいて、被写体を検出してもよい。さらにまた、被写体検出部225dは、パターンマッチング等の周知技術を用いて、人(赤ちゃんを含む)または動物、例えば鳥、猫および犬を被写体として検出してもよい。なお、被写体検出部225dは、時間的に隣接する画像間において被写体を追尾してもよい。
【0093】
モード切換部225eは、光学照準部500が駆動した場合、撮像装置1の撮影モードを、撮像素子203が生成した画像データに基づいた撮影制御で撮影を行う第1撮影モードから光学照準部500の駆動に対応した撮影制御で撮影を行う第2撮影モードに切り換える。具体的には、モード切換部225eは、手ブレ補正部205の駆動をホールドさせる第2撮影モードに切り換える。さらに、モード切換部225eは、手ブレ検出部218が所定の閾値以上の加速度を検出した場合、撮像装置1の撮影モードを第3モードに切り換える。
【0094】
照準制御部225fは、光学照準部500の駆動を制御する。例えば、照準制御部225fは、検出部213aによって脚部212がポップアップしていると検出された場合、光源部501からの光ビームまたは照準マークを発光させる。さらに、照準制御部225fは、スイッチ部213bから光学照準部500を駆動する駆動信号が入力された場合、光源部501からの光ビームまたは照準マークを発光させる一方、スイッチ部213bから光学照準部500を停止する停止信号が入力された場合、光源部501からの光ビームまたは照準マークの発光を停止させる。
【0095】
撮像制御部225gは、レリーズスイッチ217bから2ndが入力された場合、撮像装置1における静止画撮影動作を開始する制御を行う。ここで、撮像装置1における撮影動作とは、シャッタ駆動部202および撮像素子駆動部204の駆動によって撮像素子203が出力した画像データに対し、信号処理部206、A/D変換部207および画像処理部208が所定の処理を施す動作をいう。このように処理が施された画像データは、撮像制御部225gの制御のもと、画像圧縮展開部211で所定の形式に従って圧縮され、バス224を介して記録媒体220に記録される。
【0096】
また、撮像制御部225gは、動画スイッチ217eから動画撮影レリーズ信号が入力された場合、撮像装置1における動画撮影動作を開始する制御を行う。さらに、撮像制御部225gは、手ブレ補正部205の駆動制御および/またはレンズ部3によるAF処理の制御を行う。具体的には、撮像制御部225gは、光学照準部500が駆動した場合、光学照準部500の駆動に対応した撮影制御で撮影を行う。具体的には、撮像制御部225gは、モード切換部225eによって撮像装置1の撮影モードが第1撮影モードから第2撮影モードに切り換えられた場合、手ブレ補正部205の駆動をホールドする、および/または撮像装置1のピント位置を撮像素子203が生成する画像データに対応する画像内における中央に設定するAF処理を実行させる。
【0097】
表示制御部225hは、接眼表示部214または背面表示部216の表示態様を制御する。具体的には、表示制御部225hは、アイセンサ215が撮影者を検出した場合、撮像素子203が生成した画像データに対応するライブビュー画像を接眼表示部214に表示させる一方、アイセンサ215が撮影者を検出していない場合、撮像素子203が生成した画像データに対応するライブビュー画像を背面表示部216に表示させる。
【0098】
以上の構成を有する本体部2に対して、音声入出力機能、フラッシュ機能および外部と双方向に通信可能な通信機能等を具備させてもよい。
【0099】
〔レンズ部の構成〕
つぎに、レンズ部3について説明する。レンズ部3は、ズーム光学系301と、ズーム駆動部302と、ズーム位置検出部303と、絞り304と、絞り駆動部305と、絞り値検出部306と、フォーカス光学系307と、フォーカス駆動部308と、フォーカス位置検出部309と、レンズ手ブレ補正部310と、レンズ操作部311と、レンズFlashメモリ312と、レンズ通信部313と、レンズ制御部314と、を備える。なお、本実施の形態では、レンズ部3が撮像光学系として機能する。
【0100】
ズーム光学系301は、一または複数のレンズを用いて構成され、レンズ部3の光軸O1上に沿って移動することにより、レンズ部3の光学ズームの倍率(画角)を変更する。例えば、ズーム光学系301は、焦点距離を12mm〜600mmの間で変更することができる。
【0101】
ズーム駆動部302は、レンズ制御部314の制御のもと、ズーム光学系301を光軸O1上に沿って移動させることにより、撮像装置1の光学ズームの変更を行う。ズーム駆動部302は、DCモータ、ステッピングモータおよび可動コイル型または可動磁石型リニアモータ等のボイスコイルモータ(VCM)等を用いて構成される。
【0102】
ズーム位置検出部303は、光軸O1上におけるズーム光学系301の位置を検出し、この検出結果をレンズ制御部314へ出力する。ズーム位置検出部303は、フォトインタラプタ等を用いて構成される。なお、本実施の形態1では、ズーム位置検出部303が焦点距離検出部として機能する。
【0103】
絞り304は、ズーム光学系301が集光した入射光量を制限することにより露出の調整を行う。
【0104】
絞り駆動部305は、レンズ制御部314の制御のもと、絞り304を駆動することにより、撮像装置1の絞り値を変更する。絞り駆動部305は、ステッピングモータ等を用いて構成される。
【0105】
絞り値検出部306は、絞り304の現在の状態から絞り値を検出し、この検出結果をレンズ制御部314へ出力する。絞り値検出部306は、フォトインタラプタやステッピングモータ等を用いて構成される。
【0106】
フォーカス光学系307は、一または複数のレンズを用いて構成され、レンズ部3の光軸O1上に沿って移動することにより、レンズ部3のピント位置を変更する。
【0107】
フォーカス駆動部308は、レンズ制御部314の制御のもと、フォーカス光学系307を光軸O1上に沿って移動させることにより、レンズ部3のピント位置を調整する。フォーカス駆動部308は、DCモータ、ステッピングモータまたは可動コイル型または可動磁石型リニアモータ等のボイスコイルモータ等を用いて構成される。
【0108】
フォーカス位置検出部309は、光軸O1上におけるフォーカス光学系307の位置を検出し、この検出結果をレンズ制御部314へ出力する。フォーカス位置検出部309は、フォトインタラプタ等を用いて構成される。
【0109】
レンズ手ブレ補正部310は、撮影時における撮影者の手ブレを補正するため、補正レンズ315を光軸O1に対してX軸方向およびY軸方向へ機械的に移動させる。具体的には、レンズ手ブレ補正部310は、補正レンズ315を保持する保持枠(図示せず)をレンズ部3の光軸O1に直交するXY平面、レンズ部3の光軸O1と平行をなすXZ平面およびレンズ部3の光軸O1と平行をなすYZ平面を回転または移動する。手ブレ補正部205は、複数のアクチュエータ、例えば可動コイル型または可動磁石型リニアモータ等のボイスコイルモータ、圧電素子および高分子アクチュエータ等を用いて構成される。レンズ手ブレ補正部310は、本体部2の手ブレ検出部218の検出結果に基づいて、補正レンズ315を移動させる。
【0110】
レンズ操作部311は、レンズ部3のレンズ鏡筒の周囲に設けられる操作リングであり、レンズ部3における光学ズームの変更を指示する指示信号の入力またはレンズ部3におけるピント位置の調整を指示する指示信号の入力を受け付ける。なお、レンズ操作部311は、プッシュ式のスイッチやレバー式のスイッチ等であってもよい。
【0111】
レンズFlashメモリ312は、ズーム光学系301、絞り304およびフォーカス光学系307の位置および動きをそれぞれ決定するための制御プログラム、レンズ部3のレンズ特性および各種パラメータを記録する。ここで、レンズ特性とは、レンズ部3の色収差、明るさ情報(f値)および焦点距離情報(例えば12mm〜600mm)である。
【0112】
レンズ通信部313は、レンズ部3が本体部2に装着された際に、本体部2の本体通信部223と通信を行うための通信インターフェースである。レンズ通信部313は、本体部2との電気的な接点も含まれる。
【0113】
レンズ制御部314は、CPU等を用いて構成され、レンズ操作部311からの指示信号または本体部2からの指示信号に応じてレンズ部3の動作を制御する。具体的には、レンズ制御部314は、レンズ操作部311からの指示信号に応じて、フォーカス駆動部308を駆動させてフォーカス光学系307によるピント調整、またはズーム駆動部302を駆動させてズーム光学系301の光学ズームのズーム倍率の変更を行う。また、レンズ制御部314は、レンズ部3が本体部2に装着された際に、レンズ部3のレンズ特性およびレンズ部3を識別する識別情報を周期的に本体部2に送信する。さらに、レンズ制御部314は、撮像素子203が画像データを生成する画像データのフレームに同期してレンズ情報を本体部2に送信する。
【0114】
〔レンズバリア機構の構成〕
次に、レンズバリア機構4の構成について説明する。
レンズバリア機構4は、レンズ部3のズーム光学系301における被写体側に配置され、ズーム光学系301の表面に付着する塵や結露を防止するレンズバリア41と、撮像装置1の起動に応じてレンズバリアを開閉するレンズバリア駆動部42と、レンズバリア41の開閉を検出するレンズバリア検出部43と、を備える。なお、レンズバリア機構4の詳細な構成は、本出願人による発明である日本国特開2009−169178号公報等を用いる。
【0115】
以上のように構成された撮像装置1は、撮影者が撮影の目的に応じて、接眼表示部214、背面表示部216および光学照準部500のいずれかが用いられる。具体的には、撮影者が没入感を持ってこだわり写真を撮影する場合、外光の影響を受けず、よい被写体の色再現性を得るため、
図7に示すように、接眼表示部214で表示されるライブビュー画像を確認しながら行う撮影を行う。
【0116】
また、撮影者は、大きな画面で被写体を確認しながら撮影する場合、
図8に示すように、背面表示部216が表示するライブビュー画像で確認しながら、タッチレリーズ操作等の直感的な操作で所望の位置に撮像装置1のピント位置を合わせながら撮影を行う。
【0117】
さらに、撮影者は、望遠または撮像装置1の視野領域内における被写体に対して照準しながら撮影する場合、
図9に示すように、光学照準部500が発光する光ビームまたは照準マークを所望の被写体に合わせながら撮影を行う。
【0118】
つぎに、撮像装置1が実行する処理について説明する。
図10は、撮像装置1が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【0119】
図10に示すように、撮像装置1が撮影モードに設定されている場合(ステップS101:Yes)、本体制御部225は、バス224を介してレンズ部3のレンズ情報を取得する(ステップS102)。具体的には、本体制御部225は、バス224を介してレンズ部3の現在のズーム光学系301の焦点距離、およびフォーカス光学系307のピント位置を取得する。この際、本体制御部225は、絞り304の絞り値を取得してもよい。
【0120】
続いて、撮像制御部225gは、撮像素子駆動部204を駆動することによって撮像素子203に撮像を実行する(ステップS103)。
【0121】
その後、撮像装置1は、撮像素子203が生成した画像データに対応する画像に基づいて、撮像装置1の視野領域の明るさ・撮像装置1から被写体までの距離を検出する(ステップS104)。具体的には、明るさ検出部225aは、撮像素子203が生成した画像データに対応する画像に基づいて、視野領域の明るさを検出する。また、距離検出部225bは、撮像素子203が生成した画像データに対応する画像に基づいて、被写体までの距離を検出する。
【0122】
続いて、本体制御部225は、光学照準部500を駆動するか否かを判断する(ステップS105)。具体的には、本体制御部225は、距離検出部225bが検出した撮像装置1から被写体までの距離または入力部217から入力される脚部212をポップアップさせる指示信号の入力に基づいて、光学照準部500を駆動するか否かを判断する。本体制御部225が光学照準部500を駆動すると判断した場合(ステップS105:Yes)、撮像装置1は、後述するステップS108へ移行する。これに対して、本体制御部225が光学照準部500を駆動しないと判断した場合(ステップS105:No)、撮像装置1は、後述するステップS106へ移行する。
【0123】
ステップS106において、撮像装置1は、撮像素子203が生成した画像データに基づいた撮影制御で撮影を行う第1撮影モード処理を実行する。なお、第1撮影モード処理の詳細については後述する。ステップS106の後、撮像装置1は、ステップS107へ移行する。
【0124】
続いて、電源スイッチ217aが操作され、撮像装置1の電源がオフになった場合(ステップS107:Yes)、撮像装置1は、本処理を終了する。これに対して、電源スイッチ217aが操作されず、撮像装置1の電源がオフになっていない場合(ステップS107:No)、撮像装置1は、ステップS101へ戻る。
【0125】
ステップS108において、撮像装置1は、光学照準部500の駆動に対応した撮像制御で撮影を行う第2撮影モード処理を実行する。なお、第2撮影モード処理の詳細については後述する。ステップS108の後、撮像装置1は、ステップS107へ移行する。
【0126】
ステップS101において、撮像装置1が撮影モードに設定されていない場合(ステップS101:NO)において、撮像装置1が再生モードに設定されているとき(ステップS109:Yes)、撮像装置1は、記録媒体220に記録された画像データに対応する画像を背面表示部216に表示させる再生表示処理を実行する(ステップS110)。ステップS110の後、撮像装置1は、ステップS107へ移行する。
【0127】
ステップS101において、撮像装置1が撮影モードに設定されていない場合(ステップS101:No)において、撮像装置1が再生モードに設定されていないとき(ステップS109:No)、撮像装置1は、ステップS107へ移行する。
【0128】
つぎに、
図10のステップS106の第1撮影モード処理について詳細に説明する。
図11は、第1撮影モード処理の概要を示すフローチャートである。
【0129】
図11に示すように、アイセンサ215が撮影者を検出した場合(ステップS201:Yes)、撮像装置1は、後述するステップS218へ移行する。これに対して、アイセンサ215が撮影者を検出していない場合(ステップS201:No)、撮像装置1は、後述するステップS202へ移行する。
【0130】
ステップS202において、手ブレ補正部205が駆動中である場合(ステップS202:Yes)、撮像装置1は、後述するステップS204へ移行する。これに対して、手ブレ補正部205が駆動中でない場合(ステップS202:No)、撮像制御部225gは、手ブレ補正部205を駆動する(ステップS203)。ステップS203の後、撮像装置1は、ステップS204へ移行する。
【0131】
続いて、接眼表示部214が駆動中である場合(ステップS204:Yes)、本体制御部225は、接眼表示部214を停止させる(ステップS205)。ステップS205の後、撮像装置1は、ステップS206へ移行する。これに対して、接眼表示部214が駆動中でない場合(ステップS204:No)、撮像装置1は、ステップS206へ移行する。
【0132】
その後、光学照準部500が駆動中である場合(ステップS206:Yes)、照準制御部225fは、光学照準部500を停止させる(ステップS207)。ステップS207の後、撮像装置1は、ステップS208へ移行する。これに対して、光学照準部500が駆動中でない場合(ステップS206:No)、撮像装置1は、ステップS208へ移行する。
【0133】
続いて、背面表示部216が駆動中である場合(ステップS208:Yes)、撮像装置1は、ステップS210へ移行する。これに対して、背面表示部216が駆動中でない場合(ステップS208:No)、本体制御部225は、背面表示部216を駆動する(ステップS209)。ステップS209の後、撮像装置1は、ステップS210へ移行する。
【0134】
その後、表示制御部225hは、背面表示部216に撮像素子203によって生成された画像データに対応するライブビュー画像を表示させる(ステップS210)。
【0135】
続いて、タッチパネル217gを介して背面表示部216の画面内がタッチされた場合(ステップS211:Yes)、撮像制御部225gは、タッチ位置を含む領域に対して、AF処理部210にAF処理を実行させる(ステップS212)。この際、AE処理部209は、AF処理部210のAF処理に併せて、AE処理を実行する。
【0136】
その後、撮像制御部225gは、撮像素子203に静止画撮影を実行させ(ステップS213)、撮像素子203が生成した画像データを記録媒体220に記録する(ステップS214)。ステップS214の後、撮像装置1は、
図10のメインルーチンへ戻る。
【0137】
ステップS211において、タッチパネル217gを介して背面表示部216の画面内がタッチされていない場合(ステップS211:No)、撮像装置1は、ステップS215へ移行する。
【0138】
続いて、レリーズスイッチ217bから1stが入力された場合(ステップS215:Yes)、AF処理部210は、AF処理を実行する(ステップS216)。
【0139】
その後、レリーズスイッチ217bから2ndが入力された場合(ステップS217:Yes)、撮像装置1は、ステップS213へ移行する。
【0140】
ステップS215において、レリーズスイッチ217bから1stが入力されていない場合(ステップS215:No)、撮像装置1は、
図10のメインルーチンへ戻る。
【0141】
ステップS217において、レリーズスイッチ217bから2sdが入力されていない場合(ステップS217:No)、撮像装置1は、
図10のメインルーチンへ戻る。
【0142】
ステップS218において、手ブレ補正部205が駆動中である場合(ステップS218:Yes)、撮像装置1は、ステップS220へ移行する。これに対して、手ブレ補正部205が駆動中でない場合、具体的には、ホールド状態の場合(ステップS218:No)、撮像制御部225gは、手ブレ補正部205を駆動する(ステップS219)。ステップS219の後、撮像装置1は、ステップS220へ移行する。
【0143】
続いて、接眼表示部214が駆動中である場合(ステップS220:Yes)、撮像装置1は、ステップS222へ移行する。これに対して、接眼表示部214が駆動中でない場合(ステップS220:No)、本体制御部225は、接眼表示部214を駆動する(ステップS221)。ステップS221の後、撮像装置1は、ステップS222へ移行する。
【0144】
その後、光学照準部500が駆動中である場合(ステップS222:Yes)、照準制御部225fは、光学照準部500を停止させる(ステップS223)。具体的には、照準制御部225fは、光源部501の光源駆動回路(図示せず)による光ビームまたは照準マークの発光を停止させる。ステップS223の後、撮像装置1は、ステップS224へ移行する。これに対して、光学照準部500が駆動中でない場合(例えばスイッチ部213bが指示信号の入力を受け付けた場合(オン状態)、または光源部501による光ビームまたは照準マークの発光が停止していない場合も含む)(ステップS222:No)、撮像装置1は、ステップS224へ移行する。
【0145】
続いて、背面表示部216が駆動中である場合(ステップS224:Yes)、本体制御部225は、背面表示部216を停止させる(ステップS225)。ステップS225の後、撮像装置1は、ステップS226へ移行する。これに対して、背面表示部216が駆動中でない場合(ステップS224:No)、撮像装置1は、ステップS226へ移行する。
【0146】
その後、表示制御部225hは、接眼表示部214に撮像素子203によって生成された画像データに対応するライブビュー画像を表示させる(ステップS226)。ステップS226の後、撮像装置1は、ステップS215へ移行する。
【0147】
つぎに、
図10のステップS108の第2撮影モード処理について詳細に説明する。
図12は、第2撮影モード処理の概要を示すフローチャートである。
【0148】
図12に示すように、脚部212がポップアップしている場合(ステップS301:Yes)、撮像装置1は、ステップS303へ移行する。これに対して、脚部212がポップアップしていない場合(ステップS301:No)、本体制御部225は、ポップアップ部600を駆動させて、脚部212を本体部2からポップアップさせる(ステップS302)。ステップS302の後、撮像装置1は、ステップS303へ移行する。
【0149】
続いて、光学照準部500が駆動中である場合(ステップS303:Yes)、撮像装置1は、ステップS305へ移行する。これに対して、光学照準部500が駆動中でない場合(ステップS303:No)、照準制御部225fは、光学照準部500を駆動する(ステップS304)。具体的には、照準制御部225fは、光源部501から光ビームまたは照準マークを発光させる。ステップS304の後、撮像装置1は、ステップS305へ移行する。
【0150】
その後、接眼表示部214が駆動中である場合(ステップS305:Yes)、本体制御部225は、接眼表示部214を停止させる(ステップS306)。ステップS306の後、撮像装置1は、ステップS307へ移行する。これに対して、接眼表示部214が駆動中でない場合(ステップS305:No)、撮像装置1は、ステップS307へ移行する。
【0151】
続いて、背面表示部216が駆動中である場合(ステップS307:Yes)、撮像装置1は、ステップS309へ移行する。これに対して、背面表示部216が駆動中でない場合(ステップS307:No)、本体制御部225は、背面表示部216を駆動する(ステップS308)。ステップS308の後、撮像装置1は、ステップS309へ移行する。
【0152】
その後、本体制御部225は、撮像素子203の移動がマニュアル調整であるか否かを判断する(ステップS309)。具体的には、本体制御部225は、タッチパネル217gから位置信号が入力されたか否かを判断する。本体制御部225が撮像素子203の移動がマニュアル調整であると判断した場合(ステップS309:Yes)、撮像装置1は、後述するステップS310へ移行する。これに対して、本体制御部225が撮像素子203の移動がマニュアル調整でないと判断した場合(ステップS309:No)、撮像装置1は、後述するステップS311へ移行する。
【0153】
ステップS310において、撮像制御部225gは、手ブレ補正部205を駆動することにより、タッチパネル217gを介して背面表示部216上におけるスライド操作に応じた位置に撮像素子203を移動させる。
【0154】
図13は、撮像装置1の光学照準部500および背面表示部216を用いて撮影者が被写体を撮影する際の状況を模式的に示す図である。
図14は、
図13に示す状況下において、被写体に対するズーム光学系301と光学照準部500との視差を模式的に示す図である。
図15は、スライド操作に応じて背面表示部216が表示する画像の一例を示す図である。
図16は、撮像素子203の移動を模式的に示す図である。なお、
図13において、レンズ部3の画角Z1を2点鎖線で示し、光学照準部500の視野領域Q1を点線で示す。
【0155】
図13に示すように、撮影者は、光学照準部500が射出する光束T1を撮像装置1の視野領域W1における被写体A1の顔付近に合わせることによって、被写体A1のフレーミングを行うことができる。しかしながら、撮影者は、撮像装置1を用いて、例えば、撮像装置1から被写体A1までの距離が中距離の場合、光学照準部500の光軸O2とレンズ部3の光軸O1とに視差が生じるため、撮像素子203で生成された画像データに対応する画像W2が光学照準部500で視認している視野領域W1と異なる。具体的には、
図14に示すように、光学照準部500の光軸O2とレンズ部3の光軸O1との間に視差が生じているため、撮像装置1から被写体A1までの距離が中距離の場合、光学照準部500の光軸O2とレンズ部3の光軸O1との視差が大きくなる。そこで、
図15および
図16に示すように、撮像制御部225gは、タッチパネル217gを介して背面表示部216上におけるスライド操作に応じて(
図16(a)→
図16(b))、手ブレ補正部205を駆動させて撮像素子203を移動させる。例えば、
図15に示す場合、撮像制御部225gは、手ブレ補正部205を駆動させて撮像素子203を鉛直方向下向き(矢印(a))に移動させる。これにより、
図16に示すように、背面表示部21が表示する画像は、ライブビュー画像W2からライブビュー画像W3になる(
図16(a)→
図16(b))。この結果、撮像装置1から被写体A1までの距離が中距離であっても、光学照準部500とレンズ部3との視差を小さくすることができる。
【0156】
図12に戻り、ステップS311以降の説明を続ける。ステップS311において、顔検出部225cが撮像素子203によって生成された画像データに対応する画像内において被写体の顔を検出した場合(ステップS311:Yes)、撮像制御部225gは、手ブレ補正部205を駆動することによって、顔検出部225cが検出した被写体の顔が画像内の中央に位置するように撮像素子203を移動させる(ステップS312)。これにより、撮像装置1から被写体までの距離が中距離または近距離であっても、光学照準部500とレンズ部3との視差を自動的に小さくすることができ、被写体が人物の際に顔が中央に位置する画像を撮影することができる。
【0157】
ステップS311において、顔検出部225cが撮像素子203によって生成された画像データに対応する画像内において被写体の顔を検出していない場合(ステップS311:No)、撮像装置1は、ステップS313へ移行する。
【0158】
続いて、距離検出部225bは、レンズ情報に含まれるレンズ部3のピント位置に基づいて、撮像装置1から被写体までの距離を検出する(ステップS313)。
【0159】
その後、撮像制御部225gは、手ブレ補正部205を駆動することによって、距離検出部225bが検出した撮像装置1から被写体までの距離に応じた位置に撮像素子203を移動させる(ステップS314)。
【0160】
ステップS310、ステップS312およびステップS314の後、手ブレ補正部205が駆動中である場合(ステップS315:Yes)、撮像制御部225gは、手ブレ補正部205をホールドさせる(ステップS316)。ステップS316の後、撮像装置1は、ステップS317へ移行する。これに対して、手ブレ補正部205が駆動中でない場合(ステップS315:No)、撮像装置1は、ステップS317へ移行する。
【0161】
ここで、手ブレ補正部205を停止させる理由について説明する。
図17は、光学照準部500で被写体A10を照準しながら撮影する際の状況を模式的に示す図である。
図18は、手ブレ補正部205が駆動している場合において、光学照準部500で被写体A10を照準しながら撮影するときの視野領域のズレを模式的に示す図である。なお、
図17および
図18において、視野領域Q11が光学照準部500の視野領域を示し、領域Z11がレンズ部3を介して撮像素子203が受光する視野領域(撮像領域)を示す。また、
図17および
図18において、画像W10が視野領域Q11に対応し、画像W11および画像W21が撮像素子203によって生成された画像に対応する。
【0162】
図17に示すように、撮影者が光学照準部500によって発光された光ビームまたは照準マーク(光束T1)を視野領域Q11内の被写体A10に合わせて画像W11のような構図で撮影しようとする場合において、手ブレ補正部205が駆動中で撮像装置1に手ブレが生じたとき、手ブレによる撮影画像のブレを防止するため、手ブレ補正部205が手ブレ検出部218によって検出された加速度に応じて撮像素子203を移動させる。このため、
図18に示すように、撮像素子203が受光する領域Z11の位置が移動することで、光学照準部500の光軸O2とレンズ部3の光軸O1との間で視差が生じる。そこで、本実施の形態では、撮像装置1が第2撮影モード処理(光学照準部500が駆動する場合)を行う場合において、静止画撮影を実行する直前まで手ブレ補正部205の駆動をホールド(待機)させることで、光学照準部500とレンズ部3との視差を小さくする。これにより、撮影者が光学照準部500で被写体A10に光束B1を合わせながら撮影した際に、撮影された画像と光学照準部500でフレーミングを行った際の構図との違和感を防止する。
【0163】
ステップS312、ステップS314およびステップS316の後、またはステップS315において手ブレ補正部205が駆動中である場合(ステップS315:Yes)において、手ブレ検出部218が閾値以上の加速度を検出した場合(ステップS317:Yes)、撮像装置1は、後述するステップS329へ移行する。これに対して、手ブレ検出部218が閾値以上の加速度を検出していない場合(ステップS317:No)、撮像装置1は、後述するステップS318へ移行する。
【0164】
ステップS318において、表示制御部225hは、背面表示部216に撮像素子203が生成した画像データに対応するライブビュー画像を表示させる。
【0165】
続いて、レンズ操作部311を介してレンズ部3のマニュアルピント操作が行われた場合(ステップS319:Yes)、レンズ制御部314は、フォーカス駆動部308を駆動することによってフォーカス光学系307を光軸O1に沿って移動させることにより、レンズ部3のピントを調整する(ステップS320)。
【0166】
ステップS319において、レンズ操作部311を介してレンズ部3のマニュアルピント操作が行われていない場合(ステップS319:No)およびステップS320の後、撮像装置1は、ステップS321へ移行する。
【0167】
続いて、タッチパネル217gを介して背面表示部216の画面内がタッチされた場合(ステップS321:Yes)、撮像制御部225gは、レンズ制御部314を介してフォーカス駆動部308を駆動し、フォーカス光学系307を光軸O1に沿って移動させることによって、タッチ位置を含む領域にレンズ部3のピント位置を合わせるAF処理を実行させる(ステップS322)。
【0168】
その後、撮像制御部225gは、手ブレ補正部205を駆動する(ステップS323)。具体的には、
図19に示すように、撮像制御部225gは、手ブレ検出部218が検出した加速度に基づいて、手ブレ補正部205を駆動させて撮像素子203を手ブレによる像ブレを抑制する方向(矢印(b))に移動させる。これにより、撮影者が撮像装置1を用いて静止画撮影を行う際に、撮像装置1に手ブレが生じた場合であっても、撮影される画像の像ブレの防止することができる。
【0169】
続いて、撮像制御部225gは、撮像素子203に静止画撮影を実行させ(ステップS324)、撮像素子203が生成した画像データを記録媒体220に記録する(ステップS325)。ステップS325の後、撮像装置1は、
図10のメインルーチンへ戻る。
【0170】
ステップS321において、タッチパネル217gを介して背面表示部216の画面内がタッチされていない場合(ステップS321:No)、撮像装置1は、ステップS326へ移行する。
【0171】
続いて、レリーズスイッチ217bから1stが入力された場合(ステップS326:Yes)、撮像制御部225gは、レンズ制御部314を介してフォーカス駆動部308を駆動し、フォーカス光学系307を光軸O1に沿って移動させることによって、撮像装置1の視野領域における中央領域でフォーカス光学系307のAF走査の距離を制限してレンズ部3のピント位置を合わせるAF処理を実行させる(ステップS327)。具体的には、撮像制御部225gは、レンズ部3のピント位置を中央に合わせるとともに(例えば、マルチスポットAF処理からスポットAF処理に変更)、無限側から所定の距離の範囲だけフォーカス光学系307を移動(走査)させてAF処理を実行させる。これにより、フォーカス光学系307を至近側から望遠側に向けて移動させる通常のAF処理に比して、フォーカス光学系307を移動させる時間を短くすることができるので、高速なAF処理を実行することができる。この結果、高速に移動する被写体に対しても確実にシャッタチャンスをとらえることができる。さらに、レンズ部3のピント位置を中央に合わせることで(スポットAF)、遠距離から木の中にいる鳥等の被写体を撮影する場合に、被写体より手前にいる枝等にレンズ部3のピントが合うことを防止することができる。さらにまた、光学照準部500で示された撮像範囲の略中央に被写体を合わせる使い方をした場合において、AF処理による合焦ポイントが撮像範囲の中央に設定されていないとき、撮影者の意図していないところにピントが合ってしまうことを防止することができる。
【0172】
その後、レリーズスイッチ217bから2ndが入力された場合(ステップS328:Yes)、撮像装置1は、ステップS323へ移行する。これに対して、レリーズスイッチ217bから2ndが入力されていない場合(ステップS328:No)、撮像装置1は、
図10のメインルーチンへ戻る。
【0173】
ステップS326において、レリーズスイッチ217bから1stが入力されていない場合(ステップS326:No)、撮像装置1は、
図10のメインルーチンへ戻る。
【0174】
ステップS329において、撮像装置1は、光学照準部500で被写体に対する大まかな構図を決めた後に、詳細な構図を決める際に行う第3撮影モード処理を実行する。
【0175】
図20は、
図12のステップS329の第3撮影モード処理の概要を示すフローチャートである。
【0176】
図20に示すように、本体制御部225は、撮像素子203が生成した画像データをSDRAM221に記録する(ステップS401)。
【0177】
続いて、アイセンサ215が撮影者を検出した場合(ステップS402:Yes)、撮像制御部225gは、撮像素子203に撮像を実行させる(ステップS403)。
【0178】
その後、被写体検出部225dは、撮像素子203が生成した画像データに対応する画像内において被写体を追尾する(ステップS404)。
【0179】
続いて、被写体検出部225dが被写体を追尾可能である場合(ステップS405:Yes)、撮像制御部225gは、被写体の移動距離に応じて撮像素子203を移動させる(ステップS406)。
【0180】
その後、接眼表示部214が駆動中である場合(ステップS407:Yes)、撮像装置1は、ステップS409へ移行する。これに対して、接眼表示部214が駆動中でない場合(ステップS407:No)、本体制御部225は、接眼表示部214を駆動する(ステップS408)。ステップS408の後、撮像装置1は、ステップS409へ移行する。
【0181】
続いて、本体制御部225は、光学照準部500を停止させ(ステップS409)、表示制御部225hは、接眼表示部214に撮像素子203が生成した画像データに対応するライブビュー画像を表示させる(ステップS410)。
【0182】
その後、撮像制御部225gは、レンズ制御部314を介してズーム駆動部302を駆動することによって、被写体検出部225dが検出した被写体の移動距離に応じてズーム光学系301を光軸O1に沿って広角側または望遠側に移動させる(ステップS411)。ステップS411の後、
図12のステップS321へ移行する。
【0183】
ステップS405において、被写体検出部225dが被写体を追尾可能でない場合(ステップS405:No)、撮像制御部225gは、レンズ制御部314を介してズーム駆動部302を駆動することによって、ズーム光学系301を広角側に移動させる(ステップS412)。この際、撮像制御部225gは、被写体検出部225dが被写体を検出するまで、ズーム光学系301を広角側に移動させる。ステップS412の後、撮像装置1は、ステップS407へ移行する。
【0184】
ステップS402において、アイセンサ215が撮影者を検出していない場合(ステップS402:No)、撮像制御部225gは、撮像素子203に画像データを撮像させる。
【0185】
続いて、被写体検出部225dは、撮像素子203が生成した画像データに対応する画像内において被写体を追尾する(ステップS414)。
【0186】
その後、被写体検出部225dが被写体を追尾可能である場合(ステップS415:Yes)、撮像制御部225gは、被写体の移動距離に応じて撮像素子203を移動させる(ステップS416)。
【0187】
続いて、背面表示部216が駆動中である場合(ステップS417:Yes)、撮像装置1は、ステップS419へ移行する。これに対して、背面表示部216が駆動中でない場合(ステップS417:No)、本体制御部225は、背面表示部216を駆動する(ステップS418)。
【0188】
その後、表示制御部225hは、背面表示部216に撮像素子203が生成した画像データに対応するライブビュー画像を表示させる(ステップS419)。ステップS419の後、撮像装置1は、
図12のステップS321へ移行する。
【0189】
ステップS415において、被写体検出部225dが被写体を追尾可能でない場合(ステップS415:No)、撮像装置1は、
図12のステップS321へ移行する。
【0190】
以上説明した本発明の実施の形態1によれば、光学照準部500が駆動する場合、モード切換部225eが撮像装置1の撮影モードを、撮像素子203が生成した画像データに基づいて撮影制御で撮影を行う第1撮影モードから光学照準部500の駆動に対応した撮影制御で撮影を行う第2撮影モードに切り換えるので、光学照準部500に適した撮影を行うことができる。
【0191】
また、本発明の実施の形態1によれば、モード切換部225eが撮像装置1の撮影モードを第1撮影モードから第2撮影モードに切り換えた場合、撮像制御部225gが手ブレ補正部205の駆動をホールドさせるので、手ブレ補正処理によって生じるレンズ部3の光軸O1と光学照準部500の光軸O2との視差を小さくすることができる。
【0192】
また、本発明の実施の形態1によれば、撮像制御部225gが距離検出部225bによって検出された撮像装置1から被写体までの距離に基づいて、手ブレ補正部205を駆動させて撮像素子203の位置を移動させるので、望遠撮影時または中距離撮影時に生じるレンズ部3の光軸O1と光学照準部500の光軸O2との視差を小さくすることができる。
【0193】
また、本発明の実施の形態1によれば、タッチパネル217gを介してスライド操作がされた場合、撮像制御部225gが手ブレ補正部205を駆動することによって、スライド操作に応じた位置に撮像素子203を移動させるので、レンズ部3と光学照準部500との視差を小さくすることができる。
【0194】
また、本発明の実施の形態1によれば、モード切換部225eが撮像装置1の撮影モードを第1撮影モードから第2撮影モードに切り換えた場合、撮像制御部225gがレンズ部3のピント位置を画像内における中央に設定するので、被写体にピントがあった画像を撮影することができる。
【0195】
また、本発明の実施の形態1によれば、多くの手ブレ補正機構を搭載したデジタルカメラにおいて、フレーミング中にも手ブレを補正するように作用するため、デジタルカメラの動きと撮像範囲との動きが一致しない場合があるため、光学照準部500が駆動中に、手ブレ補正部205またはレンズ手ブレ補正部310のいずれか一方を一時的に停止させる。これにより、光学照準部500が指示する光ビームまたは照準マークの位置と、実際に撮影される撮像範囲の中央がずれた状態で露光が開始されることを防止することができる。
【0196】
また、本発明の実施の形態1によれば、光学照準部500を駆動した際に、
図21に示すように、撮像制御部225gがレンズ制御部314を介してレンズ手ブレ補正部310を駆動させてズーム光学系301およびフォーカス光学系307の位置を移動させることによって(
図21の矢印(c)を参照)、光学照準部500とレンズ部3の視差を自動的に小さくなるように制御してもよい。
【0197】
また、本発明の実施の形態1によれば、表示制御部225hが視野領域の明るさに基づいて、光学照準部500の光源部501が射出する光ビームまたは照準マークの明るさや大きさを調整してもよい。これにより、撮像装置1の環境に最適な明るさで被写体を照準することができる。
【0198】
また、本発明の実施の形態1によれば、表示制御部225hが被写体の種別、例えば顔や動物毎に画角に対応する枠の色や形状等を変更して光学照準部500の光源部501から発光する光ビームまたは照準マークとすることは勿論可能である。
【0199】
また、本発明の実施の形態1によれば、光学素子502としてハーフミラーを用いていたが、例えば誘電多層膜を設けたホログラフィック素子で構成された導光板と、プリズム等を組み合わせて構成してもよい。
【0200】
また、本発明の実施の形態1によれば、撮像制御部225gが光学照準部500の駆動時に、撮像制御部225gが光学照準部500の駆動に対応した撮影制御として手ブレ補正部205の駆動制御および/またはレンズ部3のピント位置の駆動制御を変更した撮影制御を行っていたが、撮像装置1の撮影パラメータを変更してもよい。具体的には、撮像制御部225gは、光学照準部500が駆動した場合、撮影パラメータ、例えば絞り値、露出値、シャッタスピード、ISO感度、階調、ホワイトバランスおよび彩度を変更した撮影制御で撮影を行ってもよい。例えば、撮像制御部225gは、光学照準部500が駆動した場合、絞り値およびISO感度を大きくするとともに、シャッタスピードを速くする撮影パラメータに変更した撮影制御で撮影を行うようにしてもよい。これにより、望遠撮影で鳥等の被写体を撮影する場合、被写体にピントを合わせつつ、周りの風景にもピントを合わせた撮影を行うことができる。
【0201】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態2にかかる撮像装置は、上述した実施の形態1にかかる撮像装置と構成が異なるうえ、実行する処理が異なる。このため、以下においては、本実施の形態2にかかる撮像装置の構成を説明後、本実施の形態2にかかる撮像装置が実行する処理について説明する。なお、上述した実施の形態1にかかる撮像装置1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0202】
[撮像装置の構成]
図23は、本実施の形態2にかかる撮像装置の機能構成を示すブロック図である。
図23に示す撮像装置1aは、本体部2aと、レンズ部3と、レンズバリア機構4と、を備える。
【0203】
[本体部の構成]
本体部2aは、上述した実施の形態1に係る本体部2の構成に加えて、補助光発光部226を備える。さらに、上述した実施の形態1に係る本体部2の画像処理部208およびFlashメモリ222に換えて、Flashメモリ227および画像処理部228を備える。
【0204】
補助光発光部226は、撮像装置1aがピントを自動的に合わせるオートフォーカス処理時に撮像装置1aの視野領域に対して補助光を照射する。補助光発光部226は、赤外光を照射するランプおよび駆動回路等を用いて構成される。
【0205】
Flashメモリ227は、プログラム記録部222aと、カスタム情報記録部227aと、画像処理情報記録部227bと、を有する。
【0206】
カスタム情報記録部227aは、撮像装置1aに設定可能なカスタム情報を記録する。
図24は、カスタム情報記録部227aが記録するカスタム情報の一部を示す図である。
【0207】
図24に示すカスタム情報テーブルT10には、撮像装置1aで撮影者が設定可能な情報が記録されている。また、カスタム情報テーブルのT10a(第一列)には、設定変更が可能な項目(動作)が示されている。カスタム情報テーブルのT10b(第三列)には、T10a(第一列)で指定された項目の初期設定時の情報(メーカ出荷時に設定される)が示されている。カスタム情報テーブルのT10c(第三列)には、T10a(第一列)で指定される項目の具体的な設定可能な情報が示されている。具体的には、カスタム情報テーブルT10aには、焦点距離情報、AFの動作条件、特殊効果および手ブレ補正の動作条件がそれぞれ記録されている。例えば、焦点距離情報には、光学照準部500が駆動した場合にズーム光学系301の焦点距離のMax値(Tele)およびレンズ部3のMax値〜Min値(Tele〜Wide)が記録されている。
【0208】
また、AFの動作条件には、光学照準部500の駆動時におけるAFモード(Cモード)、AFエリア(全域)および補助光発光部の状態(発光禁止)が記録されている。さらに、AFの動作条件には、撮像装置1aで設定可能な複数のAFモード、例えばCモード(被写体を連続的にAFしながら追尾するモード)、Sモード(シングルモード)およびAF禁止が記録されている。
【0209】
さらにまた、特殊効果には、撮像装置1aで光学照準部500が駆動している場合に選択可能な画像処理の有無が記録されている。例えば、フィッシュアイ(禁止)、ピンホール(禁止)、ファンタジックフォーカス(禁止)、ジオラマ(禁止)、トイフォト(禁止)、ポップアート(許可)、ラフモノクローム(許可)およびドラマチックトーン(許可)がそれぞれ記載されている。
【0210】
また、手ブレ補正の動作条件には、光学照準部500の駆動時における手ブレ補正の設定が記載されている。具体的には、手ブレ補正の動作条件には、光学照準部500の駆動時における手ブレ補正の設定が記載されている。手ブレ補正の動作として電子手振れ補正動作と光学手振れ補正動作があり、それぞれの動作条件を設定できる。(
図24を参照)。より具体的には、電子手振れ補正動作の動作条件は、静止画撮影モードが選択されている場合の動作条件と動画撮影モードが選択されている場合の動作条件をそれぞれ設定できる。また、静止画撮影モードにおいては、1・ライブビュー動作中は動作許可を示すライブビュー中許可、2・ファーストレリーズ中のみ動作許可を示すファーストレリーズ中の許可(レリーズボタンの半押し動作中のみ動作許可)、および3・動作禁止の何れかを選択できる。動画撮影モードにおいては、1・動作許可および2・動作禁止の何れかを選択できる。さらに、光学手振れ補正の動作条件は、静止画撮影中の動作許可と動作禁止の何れかを選択できる。この静止画撮影中とは、静止画撮影モード中の撮影動作のみならず、動画撮影動作モード中における静止画撮影動作も含む。(動画撮影中に所定の操作で静止画の取得が可能な撮影装置が存在する)。さらにまた、電子手振れ補正動作の動作条件は、初期設定条件として以下のように設定される。具体的には、撮影装置のモードとして静止画撮影モードが選択されている場合には、ライブビュー中における電子手振れ補正動作が許可され、撮影装置のモードとして動画撮影モードが選択されている場合には、電子手振れ補正動作が許可される。光学手振れ補正動作の動作条件は、初期設定条件として、静止画撮影動作中の動作が許可される。これら初期設定条件は、ユーザの設定変更がなければ、光学照準部500の駆動時における手ブレ補正の設定となる。
【0211】
ここで、
図24の特殊効果の画像処理内容について説明する。
ファンタジックフォーカスは、画像全体にぼかし処理を施し、ぼかす前の画像と一定の割合で合成するソフトフォーカスの効果を与える処理である。ファンタジックフォーカスは、中間の輝度をより明るくするトーンカーブ処理を行うことにより、柔らかいトーンの中で、被写体のディテールを残しながら、幸福な光に包まれたように美しく幻想的な雰囲気の画像を結像または生成する。ファンタジックフォーカスは、例えばトーンカーブ処理、ぼかし処理、アルファブレンド処理および画像合成処理等の画像処理を組み合わせることによって実現される。
【0212】
ポップアートは、色をカラフルに強調し、明るく楽しい雰囲気を表現する処理である。ポップアートは、例えば彩度強調処理およびコントラスト強調処理を組み合わせることによって実現される。全体に高コントラストで高彩度の効果である。
ピンホールは、画像の周辺部をシェーディングによって暗くして穴から覗き込むような効果を与えるトイフォト(ピンホール)を施す処理である。トイフォトの詳細については、後述する。
【0213】
トイフォトは、画像の中心からの距離が大きいほど輝度が小さく(暗く)なるようにして、あたかも穴から覗き込んで異空間に迷い込んだような効果を生じさせる処理である。トイフォトは、例えばローパスフィルタ処理、ホワイトバランス処理、コントラスト処理、色相・彩度処理に加え、輝度信号に対して周辺ほど小さい係数を乗じるシェーディング処理等の画像処理を組み合わせることによって実現される(トイフォト、シェーディングの詳細な内容については、例えば特開2010−74244号公報を参照)。
【0214】
ラフモノクロームは、高コントラストとフィルムの粒状のノイズを付加してモノクロ画像の力強さや荒々しさを表現する処理である。ラフモノクロームは、例えばエッジ強調処理、レベル補正最適化処理、ノイズパターン重畳処理、合成処理およびコントラスト処理等を組み合わせることによって実現される(ラフモノクロームの詳細な内容については、例えば特開2010−62836号公報を参照)。このうち、ノイズパターン重畳処理(ノイズ付加処理)は、予め作成したノイズパターン画像をもとの画像に加算する処理である。ノイズパターン画像は、例えば乱数などを発生させ、この乱数に基づいて生成してもよい。
【0215】
ジオラマは、高コントラストで高彩度の画像に、画像の周縁部をぼかすことにより、ミニチュア模型やおもちゃを見ているかのような雰囲気を画面上に作り出す処理である。ジオラマは、例えば色相・彩度処理、コントラスト処理、周辺ぼかし処理および合成処理等を組み合わせることによって実現される。このうち、周辺ぼかし処理は、画像の中心からの距離に応じ、周辺部ほどぼける度合いが大きくなるように、画像の位置に応じてローパス係数を変更しながらローパスフィルタ処理を行うものである。なお、周辺ぼかし処理として、画像の上下のみ、または画像の左右のみをぼかすようにしてもよい。
【0216】
図23に戻り、撮像装置1aの説明を続ける。
画像処理情報記録部227bは、後述する特殊効果処理部228aが実行する画像処理のパラメータを記録する。具体的には、上述した特殊効果の種別に応じた画像処理のパラメータを記録する。
【0217】
画像処理部228は、バス224を介してSDRAM221から画像データを取得し、取得した画像データ(RAWデータ)に対して各種の画像処理を行って処理画像データを生成する。この処理画像データは、バス224を介してSDRAM221に出力される。画像処理部228は、特殊効果処理部228aを有する。
【0218】
特殊効果処理部228aは、画像処理情報記録部227bを参照して、入力部217を介して撮影者によって選択された特殊効果の画像処理を行う。具体的には、特殊効果処理部228aは、1つの画像データに対して複数の画像処理を組み合わせることにより、視覚的な効果を生じさせるアート効果処理を行って処理画像データ(以下、「特殊効果画像データ」という)を生成する。
【0219】
[撮像装置の処理]
以上の構成を有する撮像装置1aが実行する処理について説明する。
図25は、撮像装置1aが実行する処理の概要を示すフローチャートである。
【0220】
図25に示すように、まず、撮像装置1aは、電源を起動する電源起動処理を実行する(ステップS501)。
【0221】
続いて、撮像装置1aの起動要因が第一起動要因、具体的には電源スイッチ217aが操作された場合(ステップS502:第一起動要因)、撮像装置1aは、第一起動動作処理を実行する(ステップS503)。
【0222】
[第一起動動作処理]
図26は、
図25のステップS503の第一起動動作処理の概要を示すフローチャートである。
【0223】
図26に示すように、本体制御部225は、電源OFF時の動作状態に撮像装置1aを復帰させる(ステップS601)。
【0224】
続いて、本体制御部225は、ズーム駆動部302およびフォーカス駆動部308を駆動することによって、撮像光学系であるズーム光学系301、フォーカス光学系307および補正レンズ315を収納位置から撮影可能位置(Wide端)へ駆動する(ステップS602)。
【0225】
その後、本体制御部225は、レンズバリア駆動部42を駆動させてレンズバリア41を開く(ステップ603)。ステップS603の後、撮像装置1aは、
図25のメインルーチンへ戻り、後述するステップS505へ移行する。
【0226】
図25に戻り、説明を続ける。
ステップS502において、撮像装置1aの起動要因が第二起動要因、具体的には脚部212がポップアップすることにより撮像装置1aの電源がONした場合(ステップS502:第二起動要因)、撮像装置1aは、第二起動動作処理を実行する(ステップS504)。
【0227】
[第二起動動作処理]
図27は、
図25のステップS504の第二起動動作処理の概要を示すフローチャートである。
【0228】
図27に示すように、まず、本体制御部225は、Flashメモリ227のカスタム情報記録部227aからカスタム情報を取得する(ステップS701)。なお、カスタム情報の設定方法については後述する。
【0229】
続いて、本体制御部225は、ズーム駆動部302およびフォーカス駆動部308を駆動することによって、撮像光学系であるズーム光学系301、フォーカス光学系307および補正レンズ315を収納位置から撮影可能位置(Wide端)へ駆動する(ステップS702)。
【0230】
その後、本体制御部225は、レンズバリア駆動部42を駆動させてレンズバリア41を開く(ステップS703)。
【0231】
続いて、本体制御部225は、カスタム情報(焦点距離情報)に基づいて、撮影者によって予め設定された望遠位置に撮像光学系のズーム光学系301を移動させるズーム駆動をズーム駆動部302に実行させる(ステップS704)。
【0232】
その後、本体制御部225は、カスタム情報に基づいて、手ブレ補正動作の設定を撮像装置1aに行う(ステップS705)。なお、本体制御部225は、動画撮影やライブビュー撮影を行う場合、撮像素子203シフト手ブレ補正と、電子手ブレ補正とを設定する。ここで、撮像素子203シフト手ブレ補正とは、手ブレ検出部218の検出結果に基づいて、手ブレ補正部205を駆動させて撮像素子203を光軸O1と直交する面に対して移動させることによって手ブレによる像ブレを抑制する補正である。また、電子手ブレ補正とは、手ブレ検出部218の検出結果に基づいて、撮像素子203の撮像領域を移動させることによって手ブレによる像ブレを抑制する補正である。
【0233】
続いて、本体制御部225は、光源部501を駆動することによって、光学照準部500による照準マークの表示を開始する(ステップS706)。ステップS706の後、撮像装置1aは、
図25のメインルーチンへ戻り、後述するステップS505へ移行する。
【0234】
図25に戻り、ステップS505以降の説明を続ける。
ステップS505において、表示制御部225hは、撮像素子203が連続的に生成した画像データに対応するライブビュー画像を背面表示部216または接眼表示部214に順次表示させるライブビュー画像の表示を開始する。
【0235】
続いて、メニュースイッチ217dが操作され、カスタム情報の設定操作が行われた場合(ステップS506:Yes)、撮像装置1aは、カスタム情報を設定するカスタム情報設定処理を実行する(ステップS507)。
【0236】
[カスタム情報設定処理]
図28は、
図25のステップS507のカスタム情報設定処理の概要を示すフローチャートである。ここで開示される動作は、カスタム情報テーブルT10a(第一列)で指定された項目を、ユーザの操作に応じて、カスタム情報テーブルT10c(第三列)に開示された情報に基づき変更をすることを支援する。
【0237】
図28に示すように、表示制御部225hは、背面表示部216または接眼表示部214にカスタム情報の設定画面(メニュー画面)を表示させる(ステップS801)。
【0238】
続いて、入力部217を介してカスタム情報の初期化操作が行われた場合(ステップS802:Yes)、本体制御部225は、Flashメモリ227のカスタム情報記録部227aが記録するカスタム情報を初期化する(ステップS803)。具体的には、本体制御部225は、カスタム情報をメーカ出荷時の状態に初期化する。具体的には、カスタム情報テーブルT10a(第一列)で指定された項目は、カスタム情報テーブルT10b(第二列)に示された状態に設定される(
図24を参照)。
ステップS803の後、撮像装置1aは、後述するステップS804へ移行する。
【0239】
ステップS802において、入力部217を介してカスタム情報の初期化操作が行われていない場合(ステップS802:No)、撮像装置1aは、後述するステップS804へ移行する。
【0240】
続いて、入力部217を介してカスタム情報の設定動作の終了操作が行われた場合(ステップS804:Yes)、本体制御部225は、設定されたカスタム情報をFlashメモリ227の制御パラメータとして記録する(ステップS805)。
【0241】
その後、表示制御部225hは、撮像素子203が連続的に生成した画像データに対応するライブビュー画像を背面表示部216または接眼表示部214に順次表示させるライブビュー画像の表示を再開する(ステップS806)。ステップS806の後、撮像装置1aは、
図25のメインルーチンへ戻り、後述するステップS508へ移行する。
【0242】
ステップS804において、入力部217を介してカスタム情報の設定動作の終了操作が行われていない場合(ステップS804:No)、撮像装置1aは、ステップS807へ移行する。
【0243】
続いて、入力部217を介して焦点距離情報の変更操作が行われた場合(ステップS807:Yes)、本体制御部225は、入力部217の操作に応じて、カスタム情報の焦点距離情報を変更する(ステップS808)。ステップS808の後、撮像装置1aは、後述するステップS809へ移行する。
【0244】
ステップS807において、入力部217を介して焦点距離情報の変更操作が行われていない場合(ステップS807:No)、撮像装置1aは、ステップS809へ移行する。
【0245】
続いて、入力部217を介してAFの動作条件の変更操作が行われた場合(ステップS809:Yes)、本体制御部225は、入力部217の操作に応じて、AF操の動作条件を変更する(ステップS810)。ステップS810の後、撮像装置1aは、後述するステップS811へ移行する。
【0246】
ステップS809において、入力部217を介してAFの動作条件の変更操作が行われていない場合(ステップS809:No)、撮像装置1aは、ステップS811へ移行する。
【0247】
続いて、入力部217を介して使用可能な特殊効果の変更操作が行われた場合(ステップS811:Yes)、本体制御部225は、入力部217の操作に応じて、使用可能な特殊効果の候補を変更する(ステップS812)。ステップS812の後、撮像装置1aは、後述するステップS813へ移行する。
【0248】
ステップS811において、入力部217を介して使用可能な特殊効果の変更操作が行われていない場合(ステップS811:No)、撮像装置1aは、ステップS813へ移行する。
【0249】
続いて、入力部217を介して防振動作(手ブレ補正に関する動作)の動作条件の変更操作が行われた場合(ステップS813:Yes)、入力部217の操作に応じて、防振動作の動作条件を変更する(ステップS814)。ステップS814の後、撮像装置1aは、上述したステップS802へ戻る。
【0250】
ステップS813において、入力部217を介して防振動作の動作条件の変更操作が行われていない場合(ステップS813:No)、撮像装置1aは、上述したステップS802へ戻る。
【0251】
図25に戻り、説明を続ける。
ステップS506において、メニュースイッチ217dが操作されず、カスタム情報の設定操作が行われていない場合(ステップS506:No)、撮像装置1aは、後述するステップS508へ移行する。
【0252】
続いて、入力部217を介して特殊効果の設定動作が行われた場合(ステップS508:Yes)、撮像装置1aは、特殊効果設定処理を実行する(ステップS509)。
【0253】
[特殊効果設定処理]
図29は、
図25のステップS509の特殊効果設定処理の概要を示すフローチャートである。
【0254】
図29に示すように、表示制御部225hは、背面表示部216または接眼表示部214に特殊効果を選択する選択画面(メニュー画面)を表示させる(ステップS901)。
【0255】
続いて、光学照準部500が使用されている場合、具体的には、光源部501が駆動している場合(ステップS902:Yes)、本体制御部225は、Flashメモリ227のカスタム情報記録部227aに記録されたカスタム情報から選択可能な特殊効果に関する情報を取得する(ステップS903)。ステップS903の後、撮像装置1aは、後述するステップS905へ移行する。
【0256】
ステップS902において、光学照準部500が使用されていない場合(ステップS902:No)、本体制御部225は、全ての特殊効果を選択可能に設定する(ステップS904)。ステップS905の後、撮像装置1aは、後述するステップS905へ移行する。
【0257】
続いて、表示制御部225hは、選択可能な特殊効果を背面表示部216または接眼表示部214に表示させる(ステップS905)。
【0258】
その後、入力部217を介して特殊効果の選択操作が行われた場合(ステップS906:Yes)、撮像装置1aは、ステップS907へ移行する。これに対して、入力部217を介して特殊効果の選択操作が行われていない場合(ステップS906:No)、撮像装置1aは、この判断を続ける。
【0259】
ステップS907において、本体制御部225は、選択された特殊効果を撮像画像に適用する特殊効果として設定する。
【0260】
その後、表示制御部225hは、表示制御部225hは、撮像素子203が連続的に生成した画像データに対応するライブビュー画像を背面表示部216または接眼表示部214に順次表示させるライブビュー画像の表示を再開する(ステップS908)。ステップS908の後、撮像装置1aは、
図25のメインルーチンへ戻り、後述するステップS510へ移行する。
【0261】
図25に戻り、説明を続ける。
ステップS508において、入力部217を介して特殊効果の設定動作が行われていない場合(ステップS508:No)、撮像装置1aは、後述するステップS510へ移行する。
【0262】
続いて、脚部212がポップアップされている場合(ステップS510:Yes)、撮像装置1aは、上述した第二起動動作処理を実行する(ステップS511)。ステップS511の後、撮像装置1aは、後述するステップS512へ移行する。
【0263】
ステップS510において、脚部212がポップアップされていない場合(ステップS510:No)、撮像装置1aは、後述するステップS512へ移行する。
【0264】
続いて、脚部212がポップダウンされた場合(ステップS512:Yes)、照準制御部225fは、光源部501を停止させることによって、照準マークの表示を停止させる(ステップS513)。ステップS513の後、撮像装置1aは、後述するステップS514へ移行する。
【0265】
ステップS512において、脚部212がポップダウンされていない場合(ステップS512:No)、撮像装置1aは、後述するステップS514へ移行する。
【0266】
続いて、フラッシュ発光部400の駆動が許可されている場合(ステップS514:Yes)、本体制御部225は、ストロボ・モードの設定およびストロボ回路(図示せず)の動作を開始する(ステップS515)。ステップS515の後、撮像装置1aは、後述するステップS516へ移行する。
【0267】
ステップS514において、フラッシュ発光部400の駆動が許可されていない場合(ステップS514:No)、撮像装置1aは、後述するステップS516へ移行する。
【0268】
続いて、フラッシュ発光部400の駆動が禁止されている場合(ステップS516:Yes)、本体制御部225は、ストロボ・モードの解除およびストロボ回路(図示せず)の動作を停止する(ステップS517)。ステップS517の後、撮像装置1aは、後述するステップS518へ移行する。
【0269】
ステップS516において、フラッシュ発光部400の駆動が禁止されていない場合(ステップS516:No)、撮像装置1は、後述するステップS518へ移行する。
【0270】
続いて、レンズ操作部311を介してズーム操作が行われた場合(ステップS518:Yes)、本体制御部225は、ズーム駆動部302を駆動することによって、ズーム光学系301を光軸O1に沿って駆動させて焦点距離を変更する(ステップS519)。ステップS519の後、撮像装置1aは、後述するステップS520へ移行する。
【0271】
ステップS518において、レンズ操作部311を介してズーム操作が行われていない場合(ステップS518:No)、撮像装置1aは、後述するステップS520へ移行する。
【0272】
続いて、レリーズスイッチ217bが操作され1st信号が入力された場合(ステップS520:Yes)、撮像装置1aは、被写体に対してAF処理を実行し、かつ、露出値を決定する撮影準備動作を実行する(ステップS521)。
【0273】
続いて、レリーズスイッチ217bから2nd信号が入力された場合(ステップS522:Yes)、表示制御部225hは、背面表示部216または接眼表示部214が表示するライブビュー画像の表示を中断する(ステップS523)。
【0274】
続いて、撮像制御部225gは、撮像素子203に撮影動作を実行させる(ステップS524)。この場合、撮像制御部225gは、撮像素子203が生成した画像データを記録媒体220に記録する。なお、撮像制御部225gは、撮像装置1aが特殊効果が選択されている場合、特殊効果処理部228aが画像データに特殊効果を施した画像データを記録媒体220に記録する。
【0275】
その後、表示制御部225hは、撮像素子203が連続的に生成した画像データに対応するライブビュー画像を背面表示部216または接眼表示部214に順次表示させるライブビュー画像の表示を再開する(ステップS525)。ステップS525の後、撮像装置1aは、上述したステップS506へ戻る。
【0276】
ステップS520において、レリーズスイッチ217bが操作されず、1st信号が入力されていない場合(ステップS520:No)、撮像装置1aは、ステップS526へ移行する。
【0277】
続いて、電源スイッチ217aから撮像装置1aの電源をオフするオフ信号が入力された場合(ステップS526:Yes)、撮像装置1aは、システムを停止させるシステム停止動作を実行する(ステップS527)。ステップS527の後、撮像装置1aは、本処理を終了する。
【0278】
ステップS526において、電源スイッチ217aから撮像装置1aの電源をオフするオフ信号が入力されていない場合(ステップS526:No)、撮像装置1aは、上述したステップS506へ戻る。
【0279】
以上説明した本発明の実施の形態2によれば、撮像制御部225gがスイッチ部213bから光学照準部500を駆動する駆動信号が入力された場合、ズーム駆動部302を駆動してズーム光学系301を望遠位置に移動させて停止させるので、簡易な操作で望遠撮影を行うことができ、被写体を瞬時に撮影することができる。
【0280】
また、本発明の実施の形態2によれば、撮像制御部225gがスイッチ部213bから光学照準部500の駆動を停止する停止信号が入力された場合、ズーム駆動部302の駆動を停止させてズーム光学系301を望遠位置で停止させる。この結果、簡易な操作で背面表示部216または接眼表示部214が表示するライブビュー画像を見ながら望遠撮影を行うことができる。
【0281】
また、本発明の実施の形態2によれば、入力部217が望遠位置に対応する焦点距離の設置を指示する指示信号の入力を受け付けるので、撮影者が所望の望遠位置を簡易な操作で設定することができる。
【0282】
また、本発明の実施の形態2によれば、光学照準部500が駆動している場合、撮像制御部225gがフラッシュ発光部400の照明光および補助光発光部226の補助光それぞれの照射を禁止するので、望遠撮影時に不要な照明光やAF補助光が照射されることを防止することができる。
【0283】
また、本発明の実施の形態2によれば、表示制御部225hが変位量検出部706によって検出された光源部501の位置とズーム位置検出部303によって検出されたズームレンズの焦点距離とを対応付けた情報をライブビュー画像に重畳して背面表示部216に表示させる。この結果、撮影者は、光学照準部500の光ビームまたは照準マークが照準している位置とズーム光学系301との焦点距離との関係を直感的に把握することができる。
【0284】
また、本発明の実施の形態2では、表示制御部225hが変位量検出部706によって検出された光源部501の位置とズーム位置検出部303によって検出されたズーム光学系301の現在の焦点距離とを対応付けた情報をライブビュー画像に重畳して背面表示部216または接眼表示部214に表示させてもよい。具体的には、
図30に示すように、表示制御部225hは、背面表示部216が表示するライブビュー画像W111上に、レンズ部3の焦点距離を示すバーB11に、現在の焦点距離を示す情報ZB11を表示させるとともに、光学照準部500の照準位置を示す情報ZT11を表示させる。これにより、撮影者は、直感的に現在の焦点距離と光学照準部500の照準位置とを把握することができる。
【0285】
また、本発明の実施の形態2では、レンズバリア機構4に換えて、レンズ部3の沈胴位置とレンズ部3の撮影準備位置との間を光軸O2方向に進退し、レンズ部3の先端に設けられ、沈胴位置でレンズ部3の前面を保護する閉位置に駆動され撮影準備位置でレンズ部3の前面から退避した開位置に付勢駆動されるバリア部材と、バリア部材を閉位置に駆動するために光軸O2方向に延出させて形成された第1の腕部を有し光軸O2周りに回動するバリア駆動部材と、レンズ部3の沈胴位置とレンズ部3の撮影準備位置との間の進退に連動して光軸O2方向に移動し沈胴位置への移動時に第1の腕部に係合しバリア駆動部材を駆動しバリア部材を閉位置に位置させ、撮影準備位置への移動時に第1の腕部との係合を解除しバリア部材を開位置に位置させるべく光軸方向に延出させて形成された第2の腕部を有する移動枠とを用いたレンズバリア付レンズ鏡筒であってもよい(特開2009−169178号公報)。
【0286】
また、本発明の実施の形態2では、例えば、図に示す再生スイッチ217fを押すと、撮影状態から再生状態となる。このとき、レンズ部3のズーム光学系301は、沈動状態となる。このとき、照準制御部225fは、光学照準部500のポップアップ状態で、光学照準部500の光源部501が発光されている場合には、再生状態に切り替わると光源部501を消灯されるようにしてもよい。そして、表示制御部225hは、背面表示部216に最後に撮影された画像データが表示されるようにしてもよい。また、撮像装置1aは、レンズ操作部311の操作により、背面表示部216で表示された画像データが拡大、または縮小することができるし、必要に応じてトリミング処理や構図ガイドの重ね合わせなどの表示により再生された画像の編集を行うことができるようにしてもよい。さらに、再生スイッチ217fを押すと再生状態から撮影状態に戻る。背面表示部216で表示される画像が再生画像からライブビュー画像に切り替わる。さらに、光学照準部500のポップアップ状態下である場合には光学照準部500の光源部501から光ビームまたは照準マークを発光する。通常は、ポップアップ用のスイッチ部213bをオン状態やレリーズスイッチ217bを半押し状態が確認され、動作を開始したときに、光学照準部500の光源部501から光ビームまたは照準マークが発光する。なお、撮像装置1aは、レンズ操作部311が操作された場合、広角端から望遠端までの位置を段階的に位置決めして背面表示部216にライブビュー画像が表示される。また、撮像装置1aは、撮影モードにおいて、光学照準部500の光源部501から光ビームまたは照準マークの発光を停止してもよい。この場合、ポップアップ用スイッチの起動は無効処理が行われる。このように再生状態やパノラマ撮影モードにおいて光学照準部500の光源部501からの発光を停止することで、電池の消耗を低減できる。
【0287】
(その他の実施の形態)
なお、本発明では、光学照準部500を駆動した際に、
図21に示すように、撮像制御部225gがレンズ制御部314を介してレンズ手ブレ補正部310を駆動させてズーム光学系301およびフォーカス光学系307の位置を移動させることによって、光学照準部500とレンズ部3の視差を自動的に小さくなるように制御してもよい。
【0288】
また、本発明では、表示制御部225hが視野領域の明るさに基づいて、光学照準部500の光源部501が射出する光ビームや照準マークの明るさや大きさを調整してもよい。これにより、撮像装置1の環境に最適な明るさで被写体を照準することができる。
【0289】
また、本発明では、表示制御部225hが被写体の種別、例えば顔や動物毎に画角に対応する枠の色や形状等を変更して光学照準部500の光源部501から発光する光ビームまたは照準マークとしてもよい。
【0290】
また、本発明では、光学素子502としてハーフミラーを用いていたが、例えば誘電多層膜を設けたホログラフィック素子で構成された導光板と、プリズム等を組み合わせて構成してもよい。
【0291】
また、本発明では、撮像制御部225gが光学照準部500の駆動時に、撮像制御部225gが光学照準部500の駆動に対応した撮影制御として手ブレ補正部205の駆動制御および/またはレンズ部3のピント位置の駆動制御を変更した撮影制御を行っていたが、撮像装置1の撮影パラメータを変更してもよい。具体的には、撮像制御部225gは、光学照準部500が駆動した場合、撮影パラメータ、例えば絞り値、露出値、シャッタスピード、ISO感度、階調、ホワイトバランスおよび彩度を変更した撮影制御で撮影を行ってもよい。例えば、撮像制御部225gは、光学照準部500が駆動した場合、絞り値およびISO感度を大きくするとともに、シャッタスピードを速くする撮影パラメータに変更した撮影制御で撮影を行うようにしてもよい。これにより、望遠撮影で鳥等の被写体を撮影する場合、被写体にピントを合わせつつ、周りの風景にもピントを合わせた撮影を行うことができる。
【0292】
また、本発明にかかる撮像装置は、レンズを着脱自在なデジタル一眼レフカメラ以外にも、レンズ一体型のデジタルカメラ、デジタルビデオカメラおよび撮像機能を有する携帯電話やタブレット型携帯機器等の電子機器にも適用することができる。
【0293】
また、本発明かかる撮像装置は、光学照準部と本体部とが一体的に形成されたデジタルカメラ以外にも、光学照準部がホットシュー等を介して本体部に着脱自在なアクセサリであっても適用することができる。
【0294】
また、本発明にかかる撮像装置に実行させるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルデータでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB媒体、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0295】
また、本発明にかかる撮像装置に実行させるプログラムは、ネットワーク経由でダウンロードしてFlashメモリや記録媒体等に記録させてもよい。さらに、本発明にかかる撮像装置に実行させるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0296】
なお、本明細書におけるフローチャートの説明では、「まず」、「その後」、「続いて」等の表現を用いてステップ間の処理の前後関係を明示していたが、本発明を実施するために必要な処理の順序は、それらの表現によって一意的に定められるわけではない。すなわち、本明細書で記載したフローチャートにおける処理の順序は、矛盾のない範囲で変更することができる。
【0297】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態を含みうるものであり、特許請求の範囲によって特定される技術的思想の範囲内で種々の設計変更等を行うことが可能である。