(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る実施形態の砕石運搬車の正面図である。
【
図2】本発明に係る実施形態の砕石運搬車の左側面図である。
【
図3】本発明に係る実施形態の砕石運搬車の左側面要部拡大図である。
【
図5】(a),(b)それぞれ本発明に係る実施形態の砕石運搬車を構成する台車の平面図、正面図である。
【
図6】(a),(b)それぞれ本発明に係る実施形態の砕石運搬車を構成する砕石運搬箱の下部枠の平面図、正面図である。
【
図7】(a),(b)それぞれ本発明に係る実施形態の砕石運搬車を構成する砕石運搬箱の開閉扉付き側板部の正面図、左側面図である。
【
図8】本発明に係る実施形態の砕石運搬車を構成する砕石運搬箱の開閉扉付き側板部の要部拡大正面図である。
【
図9】本発明に係る実施形態の砕石運搬車を構成する砕石運搬箱の開閉扉付き側板部の要部拡大左側面図である。
【
図10】(a),(b)それぞれ本発明に係る実施形態の砕石運搬車を構成する砕石運搬箱の開閉扉付き側板部の平面図、要部拡大平面図である。
【
図11】(a),(b)それぞれ本発明に係る実施形態の砕石運搬車を構成する砕石運搬箱の開閉扉付き側板部の正面図、左側面図である。
【
図12】本発明に係る実施形態の砕石運搬車を構成する砕石運搬箱の開閉扉付き側板部の要部拡大正面図である。
【
図13】本発明に係る実施形態の砕石運搬車を構成する砕石運搬箱の開閉扉付き側板部の要部拡大左側面図である。
【
図14】(a),(b)それぞれ本発明に係る実施形態の砕石運搬車を構成する砕石運搬箱の開閉扉付き側板部の平面図、要部拡大平面図である。
【
図15】本発明に係る実施形態の砕石運搬車を構成する砕石運搬箱の開閉扉付き側板部に設けられた開閉扉ロック機構部のレバーをフリー(開放)状態に移動させた状態を示す要部拡大左側面図である。
【
図16】(a),(b)それぞれ本発明に係る実施形態の砕石運搬車を構成する砕石運搬箱の上部枠の平面図、正面図である。
【
図17】(a),(b)それぞれ本発明に係る実施形態の砕石運搬車を構成する中子を構成する中子構成体の平面図、正面図である。
【
図18】(a),(b)それぞれ本発明に係る実施形態の砕石運搬車を構成する台車に、砕石運搬車を構成する下部枠を載せた状態を示す平面図、正面図である。
【
図19】本発明に係る実施形態の砕石運搬車を構成する台車に載せた下部枠の4辺に開閉扉付き側板部および開閉扉無し側板部を立設した状態を示す正面図である。
【
図20】下部枠の4辺に開閉扉付き側板部および開閉扉無し側板部を立設した本発明に係る実施形態の砕石運搬車の台車に中子構成体を入れる際の状態を示す正面図である。
【
図21】下部枠の4辺に開閉扉付き側板部および開閉扉無し側板部を立設した本発明に係る実施形態の砕石運搬車の中に中子構成体を入れた状態を示す正面図である。
【
図22】下部枠の4辺に開閉扉付き側板部および開閉扉無し側板部を立設した本発明に係る実施形態の砕石運搬車の中に中子構成体を入れた後、上部枠を入れる際の状態を示す正面図である。
【
図23】本発明に係る実施形態の砕石運搬車をレールの上に載せると共に、砕石運搬箱はその対向する2枚の開閉扉付き側板部が軌間内を向くように台車の上に設置した状態を示す平面図である。
【
図24】本発明に係る実施形態の砕石運搬車をレールの上に載せると共に、砕石運搬箱はその対向する2枚の開閉扉付き側板部が軌間内を向くように台車の上に設置し、軌間内に砕石を散布する状態を示す平面図である。
【
図25】本発明に係る実施形態の砕石運搬車をレールの上に載せると共に、砕石運搬箱はその対向する2枚の開閉扉付き側板部が軌間外を向くように台車の上に設置した状態を示す平面図である。
【
図26】本発明に係る実施形態の砕石運搬車をレールの上に載せると共に、砕石運搬箱はその対向する2枚の開閉扉付き側板部が軌間外を向くように台車の上に設置し、軌間外に砕石を散布する状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る砕石運搬車の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、下記に説明する実施形態はその寸法等も含めあくまで本発明の一例であり、本発明は下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で適宜変更可能である。
【0011】
≪実施形態の砕石運搬車1の構成≫
実施形態の砕石運搬車1は、砕石を運搬してレール上を走行するもので、
図1〜
図4に示すように、レール上を走行する台車11と、台車11の上に取り外し可能に設置されて砕石を積載する折畳み可能な砕石運搬箱12と、2つの中子構成体13aからなる中子13とを備える。
【0012】
<台車11>
台車11は、
図5等に示すように、砕石運搬箱12が載置される略長方形状の上面11eの周囲を囲むようにフレーム11aが設けられていると共に、フレーム11aの前後にはそれぞれ車軸11b,11bが回転可能に設けられており、車軸11b,11bの両側にはそれぞれ車輪11c,11cが取り付けられ、レールR上を走行可能に構成されている。尚、この台車11には、逸走防止機能等を有するブレーキ機構部11dも設けられている。
【0013】
<砕石運搬箱12>
砕石運搬箱12は、折畳み可能で、かつ、台車11の上に取り外し可能に設置、すなわち台車11の上に単に載置されるもので、
図6(a),(b)に示すようにほぼ四角形状の下部枠12aと、その下部枠12aの4辺から立設する4枚の側板部、すなわち
図7〜
図10に示す2枚ずつの開閉扉付き側板部12bと、
図11〜
図14に示す開閉扉無し側板部12cと、
図15(a),(b)に示す下部枠12aの4辺から立設した4枚の側板部12b,12cの上端部に嵌合してそれらの上端部が開放しないように留める上部枠12dとを有する。
【0014】
<下部枠12a>
下部枠12aは、
図6(a),(b)に示すように台車11の平面形状に合わせたアルミやステンレス等の鋼材12a2〜12a5から構成されており、下部枠12aの上に立設する4枚の側板部12b,12cの下端部に嵌合してそれらの下端部が開放しないように留めるものである。
【0015】
つまり、下部枠12aは、台車11の平面形状に合わせた短辺側となる短尺枠材12a2,12a2と、長辺側となる長尺枠材12a3,12a3とを有すると共に、短尺枠材12a2,12a2と長尺枠材12a3,12a3とにより組み上げた長方形状フレームの中に、長尺枠材12a3,12a3の平行に長尺中間材12a4を渡す一方、その長尺中間材12a4の上から短尺枠材12a2,12a2と平行に短尺中間材12a5を渡して構成されている。
【0016】
尚、
図6(a)に示すように、下部枠12aの短辺、すなわち短尺枠材12a2の長さをL1、下部枠12aの長辺、すなわち長尺枠材12a3の長さをL2(>L1)とする。
【0017】
<開閉扉付き側板部12b>
開閉扉付き側板部12bは、それぞれ下部枠12aの前後の短辺側、すなわち前後の短尺枠材12a2の上に立設されるもので、
図7〜
図10に示すように開閉扉付き側板部本体12b1に対しヒンジ部12b3を介して開閉扉12b2が開閉可能に取り付けられ構成されている。
【0018】
開閉扉付き側板部本体12b1は、
図7(a)等に示すように、合板12b11の4辺をアルミやステンレス等の鋼材からなる枠用縦材12b12,12b12および短尺枠材12b13,12b14により囲むと共に、それらの内側に中間縦材12b15を設けている。
【0019】
また、開閉扉付き側板部本体12b1は、
図7(a)等に示すように、枠用縦材12b16,12b16および枠用横材12b14,12b17により開口部を形成すると共に、その開口部を開閉扉12b2により開閉可能にするため、ヒンジ部12b3,12b3の一方(上側)を枠用横材12b14に固定する一方、ヒンジ部12b3,12b3の他方(下側)を開閉扉12b2の上部に固定している。
【0020】
左右両側の各縦材12b12には、それぞれ、
図7(a)や
図8等に示すように、この開閉扉付き側板部本体12b1に対し垂直に組付けられる、開閉扉無し側板部12cの後述する側板ロック機構部12c6の掛止リング部12c62が掛止される被掛止部12b18が設けられている。
【0021】
開閉扉12b2は、上述したように開閉扉付き側板部本体12b1の枠用横材12b14にヒンジ部12b3,12b3を介して開閉可能に取り付けられており、開口部を露出させたり、閉めるように構成されており、その下方にはハンドル部12b21が設けられている。
【0022】
また、開閉扉12b2の両側には、それぞれ、開閉扉無し側板部12c,12cの後述する開閉扉ロック機構部12c7が係止される凹部が形成された開閉扉ロック用被係止部12b22が設けられている。
【0023】
<開閉扉無し側板部12c>
開閉扉無し側板部12cは、
図11〜
図14に示すように、合板12c1の4辺をアルミやステンレス等の鋼材からなる枠用縦材12c2,12c2および枠用横材12c3,12c4により囲むと共に、それらの内側に中間横材12c5を設けて構成されている。
【0024】
左右両側の各枠用縦材12c2には、それぞれ、
図11(a)や
図12等に示すように、この開閉扉無し側板部12cに対し垂直に組付けられる開閉扉付き側板部本体12b1の被掛止部12b18に掛止するための側板ロック機構部12c6が設けられている。尚、側板ロック機構部12c6は、側板ロック用レバー12c61と、掛止リング部12c62とを備えるレバー式の公知の留め具で、側板ロック用レバー12c61の起伏動作によって掛止リング部12c62を開閉扉付き側板部本体12b1の被掛止部12b18にトグル的に掛止する。
【0025】
また、左右両側の各枠用縦材12c2には、それぞれ、
図11(a)や
図12等に示すように、開閉扉付き側板部12bの開閉扉12b2の両側に設けられた開閉扉ロック用被係止部12b22に係止する開閉扉ロック機構部12c7が設けられている。
【0026】
開閉扉ロック機構部12c7は、
図12や
図13等に示すように、フック部12c71aが設けられたフック取付け板12c71と、先端にはそのフック部12c71aに係止するフック係止孔12c72aが形成された係止棒体12c72bが設けられる一方、スプリング12c72cが内蔵された開閉扉ロック機構部本体12c72と、開閉扉ロック機構部本体12c72の上端部を回動可能に支持して開閉扉ロック機構部本体12c72を昇降させてフック係止孔12c72aをフック部12c71aに係止させたり離脱させる開閉扉ロック用レバー12c73等を備え、開閉扉無し側板部12bの両側に固定されたフック取付け板12c71と係止棒体12c72bとの間の隙間に開閉扉12b2の両側に設けられた開閉扉ロック用被係止部12b22を入れて開閉扉12b2が開かないようにロックする。
【0027】
つまり、開閉扉ロック機構部12c7では、
図15に示すようにレバー12c73を開くと、開閉扉ロック機構部本体12c72先端の係止棒体12c72bのフック係止孔12c72aがフック部12c71aから離れて否係止状態となる。
【0028】
これに対し、
図15に示す状態からレバー12c73を閉じると、
図12等に示すように開閉扉ロック機構部本体12c72先端の係止棒体12c72bのフック係止孔12c72aをフック部12c71aに係止させて固定することができる。この際、スプリング12c72cは収縮しており、係止棒体12c72bのフック係止孔12c72aを上方に引っ張って、フック部12c71aに強力に係止させている。
【0029】
そのため、開閉扉12b2の両側に設けられた開閉扉ロック用被係止部12b22の凹部がフック部12c71aに嵌るように開閉扉ロック用被係止部12b22を移動させた後、レバー12c73を
図15に示す開放状態から
図12等に示す閉止状態に閉じると、開閉扉12b2両側の開閉扉ロック用被係止部12b22が開閉扉無し側板部12bの両側に固定されたフック取付け板12c71と係止棒体12c72bとの間で挟まり、
図3等に示すように、開閉扉12b2を開かないようにロックできる。
【0030】
これにより、実施形態の砕石運搬車1によれば、開閉扉無し側板部12bの両側に固定されたフック取付け板12c71と係止棒体12c72bとの間で開閉扉12b2両側の開閉扉ロック用被係止部12b22を挟んで開閉扉12b2が開かないようにロックするので、砕石運搬箱12の中に重量のある砕石を多数積載し、その砕石によって開閉扉12b2に対し開こうとする大きな力が作用している場合でも、開閉扉ロック機構部12c7により開閉扉12b2を確実にロックすることができる。
【0031】
<上部枠12d>
上部枠12dは、アルミ等の軽量鋼材から構成された長尺枠材12d1,12d1および短尺枠材12d2,12d2から構成されており、下部枠12aの4辺から立設した上述の開閉扉付き側板部12b,12bおよび開閉扉無し側板部12cの上端部に嵌合してそれらの上端部が開放しないように留めるもので、
図16(a),(b)に示すように、下部枠12aの4辺に応じた形状の枠体で構成されている。
【0032】
<中子13>
中子13は、砕石運搬箱12の中に取り出し可能に収容されて、砕石運搬箱12の中に積載された砕石を、開閉扉付き側板部12b,12bの開放状態の開閉扉12b2,12b2から排出させるもので、
図17(a),(b)に示すように、2つの中子構成体13aから構成されている。尚、実施形態1では、中子13は、2つの中子構成体13aから構成しているが、一体的に構成しても良い。
【0033】
中子構成体13aは、それぞれ、4角形の傾斜面13a1、底面13a2および鉛直面13a3と、3角形の側面13a4,13a4とを有する三角柱であり、実施形態の中子13は、
図17(a),(b)に示すように2つの中子構成体13aの鉛直面13a3同士を付き合わせると、砕石運搬箱12の下部枠12aと略同じ形状になるように構成されている。
【0034】
そして、中子13を構成する2つの中子構成体13aの底面13a2,13a2を砕石運搬箱12の下部枠12a上に設置し、かつ、2つの傾斜面13a1,13a1を開閉扉12b2,12b2が設けられた2つの開閉扉付き側板部12b,12b側に置く一方、三角形の2つの側面13a4,13a4をそれぞれ開閉扉12b2,12b2が設けられていない2つの開閉扉無し側板部12c側に置くことにより、中子13の上に積載された砕石を傾斜した2つの傾斜面13a1,13a1によって、2つの開閉扉付き側板部12b,12bの下側に設けられた開閉扉12b2,12b2を開けることによって形成される開口部の方へ転がして排出することができる。
【0035】
これにより、実施形態の砕石運搬車1によれば、砕石運搬箱12の中に予め入れて置いた2つの中子構成体13aから構成される中子13の2つの傾斜面13a1,13a1によって、砕石運搬箱12に積載された砕石を2つの開閉扉付き側板部12b,12bの開放状態の開閉扉12b2,12b2から排出することができるので、砕石の散布作業の負担を軽減することができる。
【0036】
<実施形態の砕石運搬車1の組立て方法>
次に、実施形態の砕石運搬車1の組立て方法の一例について、
図18〜
図22を参照して説明する。
【0037】
まず、
図18(a),(b)に示すように台車11の上に、砕石運搬箱12の下部枠12aを設置する。
【0038】
続いて
図19に示すように下部枠12aに下端部が囲まれるように開閉扉付き側板部12b,12bはそれぞれ下部枠12aの短尺枠材12a2,12a2台車11の前後方向短尺枠材12a2,12a2側に、開閉扉無し側板部12cは長尺枠材12a3,12a3側に立設させる。その際、開閉扉付き側板部12bと開閉扉無し側板部12cとは、開閉扉無し側板部12c側の側板ロック機構部12c6の側板ロック用レバー12c61を閉めて、掛止リング部12c62を開閉扉付き側板部12b側の被掛止部12b18を掛止して固定する。
【0039】
ただし、この状態では、開閉扉付き側板部12bの開閉扉12b2は、開閉自在のフリー状態にあるため、開閉扉無し側板部12c側の開閉扉ロック機構部12c7の開閉扉ロック用レバー12c73を閉めて、
図3に示すように、開閉扉無し側板部12bの両側に固定されたフック取付け板12c71と係止棒体12c72bとの間の隙間に開閉扉12b2の両側に設けられた開閉扉ロック用被係止部12b22を挟み込み、開閉扉12b2が開かないようにロックする。
【0040】
その際、
図3に示すように、開閉扉ロック用被係止部12b22の凹部がフック取付け板12c71に嵌るようにした状態で、フック取付け板12c71と係止棒体12c72bとにより開閉扉ロック用被係止部12b22を挟み込む。
【0041】
次に、
図20に示すように中子13を構成する2つの中子構成体13a,13aを、台車11の上に組み立てられた砕石運搬箱12の中に入れて、
図21に示すように中子13を構成する2つの中子構成体13a,13aをそれらの鉛直面13a3,13a3同士を付き合わせて台車11上に設置する。
【0042】
最後に、下部枠12aに立設した開閉扉付き側板部12b,12bおよび開閉扉無し側板部12cの上端部に、
図22に示すように上部枠12dを嵌合し、それらの上端部が開放しないようにロックして、台車11上での砕石運搬箱12の組立てが完了する。尚、この状態では、砕石運搬箱12は、台車11上に単に設置しただけであり、台車11から離して回転させることも可能であり、後述する使用方法で説明するように、台車11に対する砕石運搬箱12の設置方向を変更することができる。
【0043】
<実施形態の砕石運搬車1の使用方法>
次に、以上のように組立てられた実施形態の砕石運搬車1の使用方法について説明する。
【0044】
(実施形態の砕石運搬車1により軌間内へ砕石2を散布する場合)
図23は、以上のように組立てた実施形態の砕石運搬車1を2本のレールR,Rの上に載せると共に、砕石運搬箱12はその対向する2枚の開閉扉付き側板部12b,12bが2本のレールR,R間である軌間内を向くように台車11の上に設置し、軌間内に砕石2を散布する状態を示す平面図である。
【0045】
つまり、2本のレールR,R間である軌間内に砕石2を散布する場合は、
図23に示すように、砕石運搬箱12の2枚の開閉扉付き側板部12b,12bが台車11の前後の走行方向を向き、かつ、開閉扉無し側板部12cがそれぞれレールR,Rの方へ向くように台車11の上に載せる。
【0046】
そして、砕石運搬箱12の中に砕石2を積載して、実施形態の砕石運搬車1を図示しない軌道自転車や軌道走行車等によって牽引して2本のレールR,R上を走行させ、砕石散布地点まで移動させる。
【0047】
そして、砕石2が積載した砕石運搬車1が砕石散布地点に到達すると、作業者は、台車11の走行方向側の前後の開閉扉付き側板部12b,12bそれぞれの両側の開閉扉ロック機構部12c7の開閉扉ロック用レバー12c73を下ろし、
図15に示すように、開閉扉ロック機構部12c7の係止棒体12c72bのフック係止孔12c72aを、フック取付け板12c71のフック部12c71aから離し、係止棒体12c72bとフック部12c71aとの係止状態を解除する。
【0048】
すると、
図24に示すように、係止棒体12c72bや、係止棒体12c72bとフック取付け板12c71との間の隙間に挟まれていた開閉扉12b2の開閉扉ロック用被係止部12b22がフリーとなるので、砕石運搬箱12の中に積載されていた砕石2の圧力によって開閉扉12b2がヒンジ部12b3を中心に回動して開き、軌間内、すなわち2本のレールR,R内に砕石2を排出することができる。
【0049】
特に、この実施形態の砕石運搬車1では、
図24に示すように、砕石運搬箱12の下部枠12a上に予め中子13を入れており、中子13の上から砕石2を積載するようにしているので、中子構成体13a,13aそれぞれの傾斜面13a1,13a1によって砕石2を開閉扉付き側板部本体12b1,12b1の開口部の方へ勢い付けて転がすことができる。
【0050】
その結果、砕石運搬箱12内に積載した砕石2を開口部からレールR,R間である軌間内へ容易に排出することができ、作業者の砕石散布の負担を軽減することができる。
【0051】
(実施形態の砕石運搬車1により軌間外へ砕石2を散布する場合)
図25は、以上のように組立てた実施形態の砕石運搬車1を2本のレールR,Rの上に載せると共に、砕石運搬箱12はその対向する2枚の開閉扉付き側板部12b,12bが2本のレールR,R側を向くように台車11の上に設置し、軌間外へ砕石2を散布する状態を示す平面図である。
【0052】
軌間外、すなわち2本のレールR,Rの外側に砕石2を散布する場合、実施形態の砕石運搬車1では、
図23および
図24に示す軌間内に砕石2を散布する場合とは異なり、台車11上の砕石運搬箱12を90度水平方向に回転させて設置する。
【0053】
つまり、
図25に示すように、2枚の開閉扉付き側板部12b,12bは2本のレールR,R側を向かせ、かつ、開閉扉無し側板部12cはそれぞれ軌間内、すなわち台車11の走行方向を向くように台車11の上に載せる。
【0054】
そのため、砕石運搬箱12の中に予め入れておいた中子13を構成する2つの中子構成体13a,13aの傾斜面13a1,13a1も、それぞれ、開閉扉付き側板部12b,12b側、すなわち2本のレールR,Rの方へ傾斜するように設置される。
【0055】
そして、砕石運搬箱12の中に砕石2を積載し、砕石運搬車1を図示しない軌道自転車や軌道走行車等によって牽引して2本のレールR,R上を走行させ、砕石散布地点まで移動させ、砕石散布地点で、台車11の左右両側であるレールR,R側の開閉扉付き側板部12b,12bそれぞれの両側の開閉扉ロック機構部12c7の開閉扉ロック用レバー12c73を開放すると、軌間内散布の場合と同様に、
図15に示すように、開閉扉ロック機構部12c7の係止棒体12c72bとフック部12c71aとの係止状態が解除される。
【0056】
すると、
図26に示すように、係止棒体12c72bや、係止棒体12c72bとフック取付け板12c71との間の隙間に挟まれていた開閉扉12b2の開閉扉ロック用被係止部12b22がフリーとなるので、砕石運搬箱12の中に積載されていた砕石2の圧力によって開閉扉12b2がヒンジ部12b3を中心に回動して開く。
【0057】
その際、
図26に示すように、開閉扉無し側板部12cの長さL2、すなわち砕石運搬箱12の長辺である長尺枠材12a3の長さL2(
図6参照。)は、軌間の長さL3、すなわち2本のレールR,Rの頭部の内側の間隔L3以上にしているので、砕石2を2本のレールR,Rの外へ確実に排出することができる。
【0058】
特に、この実施形態の砕石運搬車1では、
図26に示すように、砕石運搬箱12の下部枠12aの中に予め中子13を入れており、中子13の上から砕石2を積載するようにしているので、中子13を構成する中子構成体13a,13aそれぞれの傾斜面13a1,13a1によって砕石2を開閉扉付き側板部本体12b1,12b1の開口部の方へ勢い付けて転がすことができるので、砕石運搬箱12内に積載した砕石2を開口部から軌間外、すなわち2本のレールR,Rの外へ容易に排出することができ、作業者の砕石散布の負担を軽減することができる。
【0059】
<実施形態の砕石運搬車1の主な効果>
以上説明したように、実施形態の砕石運搬車1では、台車11と、台車11の上に取り外し可能に設置され、ほぼ四角形状の下部枠12aおよびその下部枠12aの4辺から立設する2枚ずつの開閉扉付き側板部12b、開閉扉無し側板部12cおよび上部枠12dを有し、その下部枠12aや、開閉扉付き側板部12b,12b、開閉扉無し側板部12cおよび上部枠12dは取外して積み重ねることによって折畳み可能であり、開閉扉付き側板部12b,12bの下側には、開閉可能な開閉扉12b2を設け、その開閉扉12b2を開けることによって形成される開口部から積載していた砕石2を排出する砕石運搬箱12とを備えるため、砕石運搬箱12は台車11の上から取り外し可能で、かつ、折畳み可能となり、装置が小型化するので、広い保管場所が不要となる。
【0060】
また、砕石運搬箱の2つの開閉扉付き側板部12b,12bの下側には、それぞれ、開閉扉12b2が設けられているため、砕石散布車等を連結せずに積載した砕石2を簡単に道床に排出することができる。
【0061】
特に、実施形態の砕石運搬車1では、さらに、2つの中子構成体13a,13aからなる三角柱形状の中子13を備え、三角柱形状の中子13の側面の内、傾斜面13a1,13a1は、砕石運搬箱12の開閉扉付き側板部12b,12b側に載置され、中子13の上に積載された砕石2は、傾斜面13a1,13a1によって、砕石運搬箱12の開閉扉付き側板部12b,12bの下側に設けられた開閉扉12b2,12b2を開けることによって形成される開口部を介し排出するように構成したため、砕石散布車等を連結せずに、かつ、作業者に砕石2の散布作業の負担を強いることなく、より簡単に積載した砕石2を道床に排出することができる。
【0062】
また、実施形態の砕石運搬車1では、砕石運搬箱12を構成する下部枠12aは、長方形状であって、その短辺の長さL2および開閉扉付き側板部12b,12bの幅L2は、2本のレールR,Rの頭部内側面間の間隔L3である軌間以下である一方、その長辺の長さ及び開閉扉無し側板部12cの幅L3は、台車11の前後車軸11b,11b間の間隔以上あって、かつ、2本のレールR,Rの頭部内側面間の間隔以上であり、砕石運搬箱12の開閉扉付き側板部12b,12bを台車11の前後に配置することにより、砕石運搬箱12に積載した砕石2を軌間内へ排出可能にする一方、砕石運搬箱12の開閉扉付き側板部12b,12bを台車11の左右両側に配置することにより、砕石運搬箱12に積載した砕石2を軌間外へ排出可能にすることができるように構成している。
【0063】
そのため、実施形態の砕石運搬車1によれば、台車11に対し砕石運搬箱12の開閉扉付き側板部12b,12bの設置方向を台車11の走行方向側か、2本のレールR,R側のいずれかに変えることにより、砕石運搬箱12に積載した砕石2を軌間内または軌間外へ簡単に切り替えて排出することができるので、この点でも砕石散布車等を連結せずにより簡単に積載した砕石2を軌間内外の道床へ排出することができる。
【0064】
また、実施形態の砕石運搬車1では、開閉扉付き側板部12bの開閉扉12b2の両側には、それぞれ、開閉扉ロック用被係止部12b22を設ける一方、開閉扉無し側板部12cの両側には、それぞれ、開閉扉付き側板部12bの開閉扉12b2の両側に設けられた開閉扉ロック用被係止部12b22に係止する開閉扉ロック機構部12c7を設けており、開閉扉ロック機構部12c7は、フック部12c71aを有し、開閉扉無し側板部12bの両側に固定されたフック取付け板12c71と、先端にはそのフック部12c71aに係止するフック係止孔12c72aが形成された係止棒体12c72bを有すると共に、スプリング12c72cが内蔵された開閉扉ロック機構部本体12c72と、開閉扉ロック機構部本体12c72の上端部を回動可能に支持して当該開閉扉ロック機構部本体12c72を昇降させることによりフック係止孔12c72aをフック部12c71aに係止させたり離脱させる開閉扉ロック用レバー12c73とを備え、開閉扉付き側板部12bの開閉扉12b2の両側に設けられた開閉扉ロック用被係止部12b22を、開閉扉無し側板部12bの両側に固定されたフック取付け板12c71と、そのフック取付け板12c71のフック部12c71aに係止された係止棒体12c72bとの間で挟むことにより開閉扉12b2が開かないようにロックするため、砕石運搬箱12内に重量のある砕石2を積載した場合でも、開閉扉12b2を確実にロックすることができる。
【0065】
尚、上記実施形態の説明では、砕石運搬箱12は、開閉扉付き側板部12bおよび開閉扉無し側板部12cをそれぞれ2枚ずつ下部枠12aの4辺に立設させて説明したが、本発明ではこれに限らず、開閉扉付き側板部12bを4辺に立設させて構成するようにしても勿論良い。
【0066】
また、上記実施形態の説明では、砕石運搬箱12には底板を設けずに、底板無しの下部枠12aにより説明したが、中子13を使用しない場合には、底板無しの下部枠12aの場合、砕石2を積載できなくなるので、砕石運搬箱12に底板を設けるようにしても勿論良い。
【0067】
また、上記実施形態の説明では、砕石運搬箱12の中に中子13を入れて説明したが、本発明では省略しても良いし、さらには中子13を中子構成体13a,13aに分割して構成するのではなく、一体的に構成しても勿論良い。