(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示制御部は、前記飛行用データ及び前記非飛行用データのそれぞれに対して、前記第2無線通信回線の通信品質の分布情報に基づいて、前記飛行装置との間での通信に使用する前記第1無線通信回線及び前記第2無線通信回線の少なくともいずれかの無線通信回線を前記表示部に表示させる、請求項1に記載の操縦装置。
前記表示制御部は、前記飛行用データ及び前記非飛行用データの前記飛行装置との間での通信のそれぞれに対して、前記第2無線通信回線を介した通信で利用可能な周波数における前記分布情報に基づいて、前記飛行装置との間での通信に使用する前記第1無線通信回線及び前記第2無線通信回線の少なくともいずれかの無線通信回線を前記表示部に表示させる、請求項2に記載の操縦装置。
前記第2無線通信回線の通信品質に含まれる電波強度が閾値より低く、かつ前記飛行装置との間での通信に用いる通信回線の選択をユーザから受け付ける前は、前記表示制御部は、前記飛行装置との前記飛行用データの通信に対して、前記飛行装置との間での通信に前記第1無線通信回線を用いることを表示部に表示させる、請求項2から4のいずれか1項に記載の操縦装置。
前記第2無線通信回線の通信品質に含まれる電波強度が閾値より高く、かつ前記飛行装置との間での通信に用いる通信回線の選択をユーザから受け付ける前は、前記表示制御部は、前記飛行用データの通信に対して、前記飛行装置との間での通信に前記第2無線通信回線を用いることを前記表示部に表示させる、請求項1から5のいずれか1項に記載の操縦装置。
前記飛行装置との間での前記飛行用データの通信に対して、前記第1無線通信回線及び前記第2無線通信回線のいずれの無線通信回線も選択されていない場合に、ユーザに報知する報知部を更に有する、請求項1から6のいずれか1項に記載の操縦装置。
前記第1無線通信回線が使用可能であり、かつ、前記第1無線通信回線が前記飛行用データの通信に使用されていない場合に、前記表示制御部は、前記飛行装置との前記飛行用データの通信に対して、前記第1無線通信回線を用いることを前記表示部に表示させる、請求項1に記載の操縦装置。
前記第1無線通信回線及び前記第2無線通信回線がいずれも使用可能である場合に、前記表示制御部は、ユーザの選択前の状態では、前記飛行用データの通信に前記第1無線通信回線を用い、かつ、前記非飛行用データの通信に前記第2無線通信回線を用いることを前記表示部に表示させる、請求項1に記載の操縦装置。
前記第1無線通信回線を用いて前記飛行用データ又は前記非飛行用データを送信してから所定の時間が経過する前に、前記表示制御部は、前記飛行用データ又は前記非飛行用データに対する応答を受信しない場合、前記飛行用データ及び前記非飛行用データの送信に前記第2無線通信回線を用いることを前記表示部に表示させる、請求項1から9のいずれか1項に記載の操縦装置。
前記飛行装置に対し、前記飛行用データ及び前記非飛行用データの通信における前記第1無線通信回線の使用の有無を指示する第1無線制御信号と、前記飛行装置に対し、前記飛行用データ及び前記非飛行用データの通信における前記第2無線通信回線の使用の有無を指示する第2無線制御信号とを、前記操作受付部が受け付けた選択に基づいて生成する無線制御信号生成部と、
前記第2無線通信回線を用いて前記第1無線制御信号を前記飛行装置へ出力する第1無線制御信号出力部と、
前記第1無線通信回線を用いて前記第2無線制御信号を前記飛行装置へ出力する第2無線制御信号出力部とを更に有する、請求項1から10のいずれか1項に記載の操縦装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
飛行装置の用途が広がってくるにつれて、飛行装置に対するユーザのニーズも多様化している。例えば、飛行装置の操作性を高くしたいというユーザのニーズにこたえるには、飛行装置の操縦のために応答時間の短い無線通信回線を利用する必要がある。一方、飛行装置に搭載されたカメラで撮影された画像を確実に受信したいというユーザのニーズにこたえるには、安定性の高い無線通信回線を利用する必要がある。また、飛行装置を遠方まで飛行させたいというユーザのニーズにこたえるには、多数の基地局に中継された広範な無線通信網を利用することが望ましい。しかしながら、従来の飛行装置では、飛行装置との通信に使用される無線通信回線は固定であったため、ユーザの様々なニーズにこたえることができないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザのニーズに応じて、飛行装置との間の無線通信を行うことができる操縦装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の操縦装置は、外部からの制御に基づいて飛行する飛行装置を操縦するための操縦装置であって、前記飛行装置との間での飛行用データの通信、及び前記飛行用データ以外の非飛行用データの通信のそれぞれに対して、携帯電話網の基地局を介さない第1無線通信回線及び携帯電話網の基地局を介する第2無線通信回線の少なくとも一方の無線通信回線の選択を受け付けるための選択画面を表示部に表示させる表示制御部と、前記選択画面において前記第1無線通信回線及び前記第2無線通信回線の少なくとも一方の無線通信回線の選択を受け付ける操作受付部と、前記飛行用データの通信用に選択された前記無線通信回線を用いて前記飛行用データを前記飛行装置との間で通信させるとともに、前記非飛行用データの通信用に選択された前記無線通信回線を用いて前記非飛行用データを前記飛行装置との間で通信させる通信制御部と、を有する。
【0007】
前記表示制御部は、前記飛行用データ及び前記非飛行用データのそれぞれに対して、前記第2無線通信回線の通信品質の分布情報に基づいて、前記飛行装置との間での通信に使用する前記第1無線通信回線及び前記第2無線通信回線の少なくともいずれかの無線通信回線を前記表示部に表示させてもよい。
【0008】
前記表示制御部は、前記飛行用データ及び前記非飛行用データの前記飛行装置との間での通信のそれぞれに対して、前記第2無線通信回線を介した通信で利用可能な周波数における前記分布情報に基づいて、前記飛行装置との間での通信に使用する前記第1無線通信回線及び前記第2無線通信回線の少なくともいずれかの無線通信回線を前記表示部に表示させてもよい。
【0009】
前記通信制御部は、予め定められた飛行ルートに基づいて、前記飛行装置を飛行させ、前記表示制御部は、前記飛行ルートと前記分布情報との比較結果に基づいて、前記飛行装置との間での通信に使用する前記第1無線通信回線及び前記第2無線通信回線の少なくともいずれかを前記表示部に表示させてもよい。
【0010】
前記第2無線通信回線の通信品質に含まれる電波強度が閾値より低く、かつ前記飛行装置との間での通信に用いる通信回線の選択をユーザから受け付ける前は、前記表示制御部は、前記飛行装置との前記飛行用データの通信に対して、前記飛行装置との間での通信に前記第1無線通信回線を用いることを表示部に表示させてもよい。
【0011】
前記第2無線通信回線の通信品質に含まれる電波強度が閾値より高く、かつ前記飛行装置との間での通信に用いる通信回線の選択をユーザから受け付ける前は、前記表示制御部は、前記飛行用データの通信に対して、前記飛行装置との間での通信に前記第2無線通信回線を用いることを前記表示部に表示させてもよい。
【0012】
前記飛行装置との間での前記飛行用データの通信に対して、前記第1無線通信回線及び前記第2無線通信回線のいずれの無線通信回線も選択されていない場合に、ユーザに報知する報知部を更に有してもよい。
【0013】
前記第1無線通信回線が使用可能であり、かつ、前記第1無線通信回線が前記飛行用データの通信に使用されていない場合に、前記表示制御部は、前記飛行装置との前記飛行用データの通信に対して、前記第1無線通信回線を用いることを前記表示部に表示させてもよい。
【0014】
前記第1無線通信回線及び前記第2無線通信回線がいずれも使用可能である場合に、前記表示制御部は、ユーザの選択前の状態では、前記飛行用データの通信に前記第1無線通信回線を用い、かつ、前記非飛行用データの通信に前記第2無線通信回線を用いることを前記表示部に表示させてもよい。
【0015】
前記第1無線通信回線を用いて前記飛行用データ又は前記非飛行用データを送信してから所定の時間が経過する前に、前記表示制御部は、前記飛行用データ又は前記非飛行用データに対する応答を受信しない場合、前記飛行用データ及び前記非飛行用データの送信に前記第2無線通信回線を用いることを前記表示部に表示させてもよい。
【0016】
前記飛行装置に対し、前記飛行用データ及び前記非飛行用データの通信における前記第1無線通信回線の使用の有無を指示する第1無線制御信号と、前記飛行装置に対し、前記飛行用データ及び前記非飛行用データの通信における前記第2無線通信回線の使用の有無を指示する第2無線制御信号とを、前記操作受付部が受け付けた選択に基づいて生成する無線制御信号生成部と、前記第2無線通信回線を用いて前記第1無線制御信号を前記飛行装置へ出力する第1無線制御信号出力部と、前記第1無線通信回線を用いて前記第2無線制御信号を前記飛行装置へ出力する第2無線制御信号出力部とを更に有してもよい。
【0017】
本発明の第2の態様のプログラムは、外部からの制御に基づいて飛行する飛行装置を操縦するためのコンピュータに、前記飛行装置との間での飛行用データの通信、及び前記飛行用データ以外の非飛行用データの通信のそれぞれに対して、携帯電話網の基地局を介さない第1無線通信回線及び携帯電話網の基地局を介する第2無線通信回線の少なくとも一方の無線通信回線の選択を受け付けるための選択画面を表示部に表示させる表示制御ステップと、前記選択画面において前記第1無線通信回線及び前記第2無線通信回線の少なくとも一方の無線通信回線の選択を受け付ける操作受付ステップと、前記飛行用データの通信用に選択された前記無線通信回線を用いて前記飛行用データを前記飛行装置との間で通信するとともに、前記非飛行用データの通信用に選択された前記無線通信回線を用いて前記非飛行用データを前記飛行装置との間で通信する通信制御ステップと、を実行させる。
【0018】
本発明の第3の態様の通信方法は、外部からの制御に基づいて飛行する飛行装置との間での通信方法であって、前記飛行装置との間での飛行用データの通信、及び前記飛行用データ以外の非飛行用データの通信のそれぞれに対して、携帯電話網の基地局を介さない第1無線通信回線及び携帯電話網の基地局を介する第2無線通信回線の少なくとも一方の無線通信回線の選択を受け付けるための選択画面を表示部に表示させる表示制御ステップと、前記選択画面において前記第1無線通信回線及び前記第2無線通信回線の少なくとも一方の無線通信回線の選択を受け付ける操作受付ステップと、前記飛行用データの通信用に選択された無線通信回線を用いて前記飛行用データを前記飛行装置との間で通信するとともに、前記非飛行用データの通信用に選択された無線通信回線を用いて前記非飛行用データを前記飛行装置との間で通信する通信制御ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ユーザのニーズに応じて、第1無線通信回線及び第2無線通信回線の少なくとも一方を選択し、飛行装置との間の無線通信を行うことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[本実施の形態の概要]
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態に係る飛行システムSの構成を示す図である。飛行システムSは、操縦装置1と、飛行装置2とを備える。飛行装置2は、外部からの制御に基づいて飛行する装置であり、ユーザが操縦装置1を用いて操縦可能な装置である。飛行装置2としては、例えばドローンが挙げられる。操縦装置1は、無線通信回線を介して飛行装置2を操縦するための端末である。操縦装置1は、例えば、操縦するためのプロポ等の専用装置や、スマートフォン及びタブレットに操縦用のアプリケーションをインストールした端末等である。
【0022】
操縦装置1は、飛行装置2と無線通信回線によりペアリングされており、飛行装置2との間で飛行装置2の飛行のために用いられる飛行用データの通信を行う。飛行用データは、例えば、飛行装置2のロータ及び動力部等を操縦するための制御情報、飛行装置2の状態を示す管理情報である機体の飛行位置、高さ、飛行速度、飛行の方向及びバッテリ残量等である。また、操縦装置1は、飛行装置2の飛行のためには用いられない非飛行用データの通信を行う。非飛行用データの通信は、例えば、飛行装置2に搭載されたカメラで撮影された画像データ及び飛行装置2で測定された気圧や温度等の周辺環境の測定データの受信、並びにカメラの撮影を開始させるための制御信号の送信等である。
【0023】
操縦装置1及び飛行装置2は、複数の無線通信回線を用いて、飛行用データ及び非飛行用データを送受信することができる。操縦装置1及び飛行装置2は、携帯電話網の基地局3を介することなく情報を送受信できる第1無線通信回線W1を用いて通信する。また、操縦装置1及び飛行装置2は、携帯電話網の基地局3を介して情報を送受信できる第2無線通信回線W2を用いて通信する。
【0024】
第1無線通信回線W1は、例えばWi−Fi(登録商標)回線である。第2無線通信回線W2は、例えばLTE(Long Term Evolution)回線である。第2無線通信回線W2には、第2無線通信回線W2a及び第2無線通信回線W2bが含まれる。第2無線通信回線W2aは、携帯電話網の移動端末としての操縦装置1と基地局3との間の無線通信回線であり、第2無線通信回線W2bは、携帯電話網の移動端末としての飛行装置2と基地局3との間の無線通信回線である。
【0025】
飛行システムSにおいては、操縦装置1及び飛行装置2が、第1無線通信回線W1及び第2無線通信回線W2のいずれか又は両方を用いて、通信することができる。飛行装置2は、第1無線通信回線W1及び第2無線通信回線W2のそれぞれを介して同一の制御情報を受信した場合、先に受信した制御情報を用いて飛行制御を行う。なお、飛行装置2の操縦には、操縦装置1の飛行方向及び飛行速度の制御が含まれる。
【0026】
[操縦装置1の構成]
図2は、操縦装置1の構成を示す図である。操縦装置1は、表示部11と、スピーカ12と、通信部13と、記憶部14と、操作部15と、制御部16とを有する。制御部16は、表示制御部161と、操作受付部162と、制御情報生成部163と、通信制御部164とを有する。
【0027】
表示部11は、表示制御部161から入力される表示用データを表示するディスプレイであり、例えば、飛行装置2の飛行時に、ユーザが飛行装置2を操縦するために必要な情報を表示する。スピーカ12は、音声を出力するための音声出力部である。表示部11及びスピーカ12は、ユーザにエラー等を報知するための報知部20を構成する。
【0028】
操作部15は、ユーザが飛行装置2を操縦するための操作を行うためのデバイスであり、例えば、飛行方向及び飛行速度を制御するためのジョイスティック又はボリュームを含む。操作部15は、表示部11の表面に設けられたタッチパネルを更に有する。操作部15は、ユーザの操作内容に応じた信号を操作受付部162に通知する。
【0029】
通信部13は、第1無線通信回線W1及び第2無線通信回線W2aを用いて通信するための電波を送受信する通信モジュールである。通信部13は、通信制御部164から入力される送信データを変調する変調器、及び変調後のデータを、Wi−Fi又はLTEに割り当てられている周波数帯の高周波信号として送信する高周波部を有する。また、通信部13は、高周波部が飛行装置2から受信した高周波信号を復調する復調器を有する。復調器は、復調後の受信データを通信制御部164に入力する。
【0030】
また、通信部13は、第1無線通信回線W1及び第2無線通信回線W2aの通信品質を測定する。例えば、第1無線通信回線W1及び第2無線通信回線W2aの通信品質に含まれる電波強度を測定する。
【0031】
図3を参照して、第1無線通信回線W1及び第2無線通信回線W2の使用の有無を選択するための選択画面を説明する。この選択画面は、タッチパネルを構成する表示部11に表示され、操縦装置1と飛行装置2との間の飛行用データ及び非飛行用データの通信に用いられる通信回線をユーザが選択するための画面である。
図3においては、ユーザの選択を受け付ける前の状態が示されている。選択画面には、飛行用データを示すアイコンA1、非飛行用データを示すアイコンA2、LTEアイコンを示すアイコンA3、Wi−Fiを示すアイコンA4、対応する無線通信回線が使用されないことを示すオフアイコンA5、対応する無線通信回線が使用されることを示すオンアイコンA6、キャンセルボタンA7及び決定ボタンA8が表示されている。
【0032】
この選択画面では、飛行用データの通信用に、LTEがオフ状態であることが示されており、LTEは、飛行用データの通信に用いられない。一方、飛行用データの通信に対し、Wi−Fiがオン状態であることが示されており、飛行用データの通信にWi−Fiが使用される。また、非飛行用データの通信には、LTEがオンになっており、LTEは、飛行用データの通信に用いられる。一方、Wi−Fiがオフになっており、非飛行用データの通信にWi−Fiは用いられない。
【0033】
オフアイコンA5及びオンアイコンA6は、無線通信回線の使用の有無を切り替えるスイッチであり、選択画面においてオフアイコンA5をユーザが選択することにより、オフアイコンA5がオンアイコンA6に切り替わる。例えば、LTEが飛行用データの通信に使用されないことを示すオフアイコンA5をユーザが選択すれば、オフアイコンA5がオンアイコンA6に切り替わり、LTEが飛行用データの通信に使用される。同様に、オンアイコンA6をユーザが選択することにより、オンアイコンA6がオフアイコンA5に切り替わる。
【0034】
ユーザが決定ボタンA8を選択した場合、操作受付部162は、飛行用データ及び非飛行用データの通信に対し、LTE及びWi−Fiについて表示されている使用の有無の状態を記憶部14に格納する。通信制御部164は、飛行用データ及び非飛行用データについて、それぞれオン状態であることが示されている無線通信回線を用いて通信部13に通信させる。一方、ユーザがキャンセルボタンA7を選択した場合、各無線通信回線の使用の有無は変更されず、選択画面を表示する前の状態が維持される。
【0035】
なお、飛行用データには、飛行装置2のロータ及び動力部等を操縦するための制御情報が含まれるため、飛行装置2の飛行時には飛行用データの通信を行う必要がある。このため、飛行用データの通信に対して、Wi−Fi及びLTEのいずれの無線通信回線にもオフアイコンA5が割り当てられている状態においてユーザが決定ボタンA8を選択した場合、制御情報生成部163は、エラー表示を行う。
【0036】
図2の記憶部14は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。記憶部14は、制御部16が実行するプログラムを記憶している。また、記憶部14は、制御部16のワークメモリとして使用され、飛行装置2から受信した飛行用データ及び非飛行用データを一時的に記憶する。また、記憶部14は、無線通信回線の選択画面においてユーザが無線通信回線の使用の有無の設定を変更した場合に、変更後の無線通信回線の設定情報を記憶する。
【0037】
制御部16は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、記憶部14に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部161、操作受付部162、制御情報生成部163及び通信制御部164として機能する。操作受付部162は、操作部15から入力される操作内容を示す信号に基づいて、ユーザの操作内容を特定する。操作受付部162は、特定した操作内容を、表示制御部161及び制御情報生成部163に通知する。また、操作受付部162は、飛行用データ及び非飛行用データの通信について選択画面において第1無線通信回線W1及び第2無線通信回線W2の少なくとも一方の無線通信回線を選択する操作を受け付ける。具体的には、操作受付部162は、第1無線通信回線W1及び第2無線通信回線W2の使用の有無を選択するユーザ操作を受け付ける。
【0038】
制御情報生成部163は、操作受付部162から通知された操作内容に基づいて、飛行装置2を制御するための制御情報を生成する。制御情報生成部163は、ユーザが指定した飛行方向及び飛行速度を含む制御情報を生成し、生成した制御情報を通信制御部164に入力する。また、選択画面において飛行用データの通信について第1無線通信回線W1及び第2無線通信回線W2のいずれも使用しないことを選択するユーザ操作を操作受付部162が受け付けた場合、制御情報生成部163は、報知部20にエラーを出力させる。例えば、制御情報生成部163は、ユーザが飛行用データの通信について第1無線通信回線W1及び第2無線通信回線W2のいずれかを使用することを選択画面において選択するように促すメッセージを表示部11に表示させる。
【0039】
表示制御部161は、選択画面を表示部11に表示させる。表示制御部161は、例えば、ユーザが選択画面の表示操作を行った場合に、選択画面を表示させる。ユーザが選択画面の表示操作を行った場合には、表示制御部161は、第1無線通信回線W1及び第2無線通信回線W2の使用の有無の設定を記憶部14から読み出して選択画面に表示させる。また、表示制御部161は、飛行用データ及び非飛行用データの通信のそれぞれに対し、第1無線通信回線W1及び第2無線通信回線W2の使用の有無についてユーザに推奨される組み合わせを決定する通信回線管理手段としても機能する。表示制御部161は、ユーザに推奨される組み合わせが、第1無線通信回線W1及び第2無線通信回線W2の使用の有無について記憶部14に保持されている組み合わせと異なる場合には、選択画面を表示させる。選択画面には、表示制御部161が、ユーザから無線通信回線の選択を受け付ける前の状態においてユーザに推奨される組み合わせを表示し、ユーザは、この組み合わせを編集することにより、第1無線通信回線W1及び第2無線通信回線W2の使用の有無を選択する。
【0040】
表示制御部161は、例えば、操縦装置1への電源投入時に、ユーザに推奨される組み合わせの決定を行う。表示制御部161は、選択画面においてユーザに推奨される組み合わせの決定を行うが、飛行データ及び非飛行データの通信についての無線通信回線の使用の有無の組み合わせとしてユーザに推奨される組み合わせを用いるか否かはユーザが選択画面において選択するものとする。
【0041】
より詳しくは、表示制御部161は、第2無線通信回線W2の電波強度のエリアごとの分布を示す分布情報を記憶部14から読み出す。表示制御部161は、この分布情報に基づいて、飛行用データ及び非飛行用データのそれぞれに対して、第1無線通信回線W1及び第2無線通信回線W2の少なくともいずれかの無線通信回線の使用の有無を決定し、この使用の有無を表示部11の選択画面に表示させる。
【0042】
具体的には、表示制御部161は、飛行装置2の現在位置における第2無線通信回線W2の通信品質を分布情報において参照する。現在位置における通信品質が良好である場合、例えば、第2無線通信回線W2の通信品質に含まれる電波強度が閾値より高い場合には、表示制御部161は、飛行用データの通信に対して、第2無線通信回線W2を使用する状態として表示部11に表示させる。この閾値は、例えば、第2無線通信回線W2を介する飛行用データの通信により飛行装置2を操縦するのに支障がない程度の値である。一方、分布情報において第2無線通信回線W2の現在位置における通信品質が良好でない場合、例えば、第2無線通信回線W2の通信品質に含まれる電波強度が上述の閾値以下である場合には、飛行用データの通信に対して、第2無線通信回線W2を使用しない状態として表示部11に表示させる。
【0043】
また、表示制御部161は、ユーザに推奨する組み合わせとして、飛行用データ及び非飛行用データの通信のそれぞれに対して、第2無線通信回線W2を介した通信で利用可能な周波数における分布情報に基づいて、第1無線通信回線W1及び第2無線通信回線W2の少なくともいずれかの無線通信回線の使用の有無を決定し、この使用の有無を表示部11の選択画面に表示させる。第2無線通信回線W2には、周波数の異なる2以上の無線通信回線が含まれ、例えば、周波数帯域が700MHz帯、3.5GHz帯、2GHz帯のLTEが含まれる。基地局は、これらの周波数帯域のLTEのうち、第2無線通信回線W2において利用可能となるLTEを選択する。表示制御部161は、基地局により選択された周波数帯域のLTEの分布情報を記憶部14から読み出し、基地局により選択された周波数帯域のLTEの電波強度が分布情報において閾値より高い場合には、飛行用データの通信に対して、LTEを使用する状態として選択画面に表示させる。
【0044】
なお、使用可能な周波数は、操縦装置1及び飛行装置2に搭載された通信モジュールやSIM(Subscriber Identity Module)カードの型番や種類によって異なる。表示制御部161は、基地局により選択されなかった周波数帯域のLTEについては、表示部11に表示させない。
【0045】
また、表示制御部161は、通信部13により測定された第1無線通信回線W1の通信品質に基づいて、第1無線通信回線W1の使用の有無についてユーザに推奨する組み合わせを選択画面に表示させる。例えば、第1無線通信回線W1は、携帯電話網の基地局を介さない無線通信回線であるため、操縦時に飛行装置2の挙動に遅延が生じにくいという利点がある。このため、表示制御部161は、第1無線通信回線W1が使用可能であり、かつ、第1無線通信回線W1が飛行用データの通信に使用されていない場合に、ユーザに推奨する組み合わせにおいて飛行用データの通信に対して、第1無線通信回線W1を使用する状態として表示部11に表示させる。
【0046】
また、第1無線通信回線による通信中において通信状態が良好でない場合、例えば、第1無線通信回線W1を用いて飛行用データ又は非飛行用データを送信してから所定の時間が経過する前に、飛行用データ又は前記非飛行用データに対する応答を受信しない場合、表示制御部161は、飛行用データ及び非飛行用データの送信に第2無線通信回線W2を用いることを選択画面に表示させる。
【0047】
なお、ユーザが無線通信回線の使用の有無を選択する前に、操縦装置1及び飛行装置2の通信状態を確認できることが好ましい。そこで、例えば、表示制御部161は、選択画面を表示する前に、操縦装置1及び飛行装置2が使用可能状態であるか否か、並びに、操縦装置1及び飛行装置2における電波状況及び電池残量をそれぞれ表示してもよい。
【0048】
通信制御部164は、飛行用データの通信用に選択された無線通信回線を用いて飛行用データを飛行装置2との間で通信部13に通信させるとともに、非飛行用データの通信用に選択された無線通信回線を用いて非飛行用データを飛行装置2との間で通信部13に通信させる。
【0049】
[飛行装置2の構成]
図4は、飛行装置2の構成を示す図である。飛行装置2は、カメラ21と、検出部22と、通信部23と、飛行機構24と、記憶部25と、制御部26とを有する。制御部26は、飛行情報生成部261と、送信制御部262と、受信制御部263と、飛行制御部264とを有する。
【0050】
カメラ21は、飛行装置2の周囲を撮影して画像データを生成する。カメラ21は、生成した画像データを非飛行用データとして飛行情報生成部261へと出力する。検出部22は、例えば加速度センサ及びGPS(Global Positioning System)受信機、圧力センサ及び温度計を含み、飛行装置2の飛行速度、傾き及び飛行位置等のように、飛行装置2の飛行のために用いられる飛行用データや、気圧及び温度等の飛行装置2の飛行のためには用いられない非飛行用データを飛行情報生成部261へと出力する。
【0051】
通信部23は、第1無線通信回線W1及び第2無線通信回線W2で通信するための電波を送受信する通信モジュールであり、通信部13と同等の機能を有する。
【0052】
飛行機構24は、ロータ及び動力部等を含む。飛行機構24は、飛行制御部264の制御に基づいてこれらの機構を動作させることで、飛行速度及び飛行方向を変化させることができる。
【0053】
記憶部25は、ROM及びRAM等を含む記憶媒体である。記憶部25は、制御部26が実行するプログラムを記憶している。また、記憶部25は、制御部26のワークメモリとして使用され、例えば操縦装置1から受信した制御情報を一時的に記憶する。
【0054】
制御部26は、例えばCPUである。制御部26は、記憶部25に記憶されたプログラムを実行することにより、飛行情報生成部261、送信制御部262、受信制御部263及び飛行制御部264として機能する。
【0055】
飛行情報生成部261は、カメラ21から入力される画像データを取得する。また、飛行情報生成部261は、検出部22から入力される飛行装置2の状態を示す飛行用データ及び非飛行用データを取得し、送信制御部262に入力する。
【0056】
送信制御部262は、飛行情報生成部261から入力された飛行用データ及び非飛行用データを、通信部23を介して操縦装置1に送信する。また、送信制御部262は、第1無線通信回線W1又は第2無線通信回線W2の状態を示す状態情報を飛行用データとして操縦装置1に通知してもよい。例えば、第1無線通信回線W1又は第2無線通信回線W2の状態を示す状態情報は、第1無線通信回線W1又は第2無線通信回線W2の電波の電界強度、操縦装置1が送信した制御情報が受信制御部263に届くまでに要した時間等である。
【0057】
飛行制御部264は、操縦装置1から受信した飛行用データに含まれる制御情報に基づいて飛行機構24を制御することにより、飛行状態を制御する。飛行制御部264は、第1無線通信回線W1及び第2無線通信回線W2を介して重複して制御情報を受信した場合、受信制御部263が先に受信した制御情報に基づいて飛行状態を制御する。
【0058】
また、第1無線通信回線W1は基地局を経由しないことから、第1無線通信回線W1の通信可能範囲は、操縦装置1の周辺に限られ、例えば、操縦装置1から1km以内となる。このため、通信部23が飛行用データの通信用に対し、第1無線通信回線W1を使用し、かつ、第2無線通信回線W2を使用しない状態では、飛行装置2の飛行範囲は、操縦装置1から所定距離以内に限られる。そこで、飛行制御部264は、飛行を開始した飛行開始位置と現在位置とをGPSによりそれぞれ取得し、現在位置が飛行開始位置から所定の範囲内、例えば1km以内となるように飛行制御を行う。
【0059】
[通信制御部164の構成]
図5は、
図2の操縦装置1の通信制御部164の詳細構成の一例を示したブロック図である。通信制御部164は、無線制御信号生成部31、第1無線制御信号出力部32及び第2無線制御信号出力部33を備える。無線制御信号生成部31は、操作受付部162が受け付けた選択に基づいて、第1無線制御信号及び第2無線制御信号を生成する。第1無線制御信号は、選択画面において操作受付部162が受け付けた飛行用データ及び非飛行用データの通信における第1無線通信回線W1の使用の有無を飛行装置2に指示する信号である。第2無線制御信号は、飛行用データ及び非飛行用データの通信における第2無線通信回線W2の使用の有無を飛行装置2に指示する信号である。
【0060】
第1無線制御信号出力部32は、第2無線通信回線W2を用いて、通信部13により第1無線制御信号を飛行装置2へ送信させる。飛行用データ及び非飛行用データの両方の通信に対し、第1無線通信回線W1が使用されていない状態では、飛行装置2の通信部13が第1無線通信回線W1の受信を行わない。この場合、第1無線制御信号出力部32は、第1無線通信回線W1の使用の有無を切り替える制御信号を第1無線通信回線W1により送信することができない。そこで、第1無線制御信号出力部32は、第1無線通信回線W1の代わりに第2無線通信回線W2を用いて、第1無線制御信号を送信させる。同様に、第2無線制御信号出力部33は、第1無線通信回線W1を用いて、通信部13により第2無線制御信号を飛行装置2へ送信させる。
【0061】
このような構成を採用することにより、ユーザは、第1無線通信回線及び第2無線通信回線のうち、飛行用データ及び非飛行用データの通信に使用される無線通信回線を選択画面において選択することができる。例えば、操縦の応答性を向上させたいユーザは、携帯電話網の基地局3を経由しない第1無線通信回線を用いることにより、制御信号の遅延を抑制することができる。一方、無線通信回線の安定性を重視するユーザは、携帯電話網の基地局3を経由する第2無線通信回線を用いることにより、操縦装置1及び飛行装置2の間の通信の安定性を向上させることができる。したがって、ユーザは、ニーズに合わせて無線通信回線を選択することができる。
【0062】
[電波強度マップ]
図6は、操縦装置1の動作の一例を示している。
図6においては、第2無線通信回線W2の通信品質のエリアごとの分布を示す分布情報を電波強度マップB1として表示している。この電波強度マップB1は、ハッチングのラベルB2に示すように、第2無線通信回線の電波強度の異なる領域に対し、異なるハッチングを付して区分している。また、電波強度マップB1は地上からの飛行装置2の高度に対応付けて表示されており、この表示画面では、高度35m付近における電波強度マップB1が示されている。ユーザがボタンB3を選択するごとに高度を5m増加させた電波強度マップが表示される。また、ユーザがボタンB4を選択するごとに高度を5m減少させた電波強度マップが表示される。電波強度マップB1の中央のアイコンB5は、飛行装置2の飛行位置及び高さを示しており、この表示画面では、飛行装置2が地上から高度34.2mに位置している。
【0063】
表示画面の左端及び右端のピクトグラムB6及びB7は、それぞれ操縦装置1及び飛行装置2の電池残量を示し、表示画面の左端及び右端のピクトグラムB8及びB9は、それぞれ操縦装置1及び飛行装置2の電波強度を示す。方位磁針B10は、電波強度マップB1における方角を示し、スケールバーB11は、電波強度マップB1の縮尺を示し、このスケールバーB11において1目盛りが100mを示す。
【0064】
操縦装置1及び飛行装置2の通信部13,23が使用可能な周波数は、操縦装置1及び飛行装置2に搭載された通信モジュールやSIMカードの型番や種類によって異なる。このため、基地局は、操縦装置1及び飛行装置2の通信モジュールやSIMカードの型番や種類に基づいて、操縦装置1及び飛行装置2において利用可能な周波数帯域を選択する。操縦装置1の表示制御部161は、基地局により選択された周波数帯域に対応する電波強度マップを表示させる。ユーザは、電波強度マップB1を参照して電波強度が高いエリア内を通過するように飛行装置2を飛行させることにより、飛行装置2の操作性を向上させることができる。
【0065】
[操縦装置1の動作に関するフローチャート]
図7は、操縦装置1の動作の一例を示したフローチャートであり、選択画面を表示するための推奨設定表示処理を示している。この処理は、例えば、操縦装置1への電源投入時に開始される。
【0066】
まず、制御情報生成部163が、飛行装置2に搭載されたGPSにより飛行装置2の現在位置を無線通信回線により取得する(S11)。次に、表示制御部161が、LTEの通信品質の分布情報を記憶部14から読み出す(S12)。通信部13がWi−Fiの通信品質を測定する(S13)。更に、表示制御部161が、第1無線通信回線W1及び第2無線通信回線W2のそれぞれに対し、第1無線通信回線W1及び第2無線通信回線W2の使用の有無についてユーザに推奨される組み合わせを決定する(S14)。
【0067】
表示制御部161により決定された組み合わせが、推奨設定表示処理が開始される前のLTE及びWi−Fiの各無線通信回線の使用の有無の組み合わせから変更されている場合(S15のYES)、表示制御部161は、表示制御部161により決定された組み合わせを選択画面において表示する(S16)。この選択画面においてユーザによる第1無線通信回線W1及び第2無線通信回線W2の使用の有無の選択が行われる。一方、ステップS15では、表示制御部161によって決定された組み合わせが推奨設定表示処理の開始前の状態と同一である場合(S15のNO)、選択画面を表示することなく処理を終了する。
【0068】
図8は、
図7のステップS14の無線通信回線選択処理の一例を示したフローチャートである。まず、表示制御部161が、Wi−Fiの電波強度を閾値と比較する(S21)。この閾値は、例えば、Wi−Fiを介する飛行用データの通信により飛行装置2を操縦するのに支障がない程度の値である。Wi−Fiの電波強度が閾値より大きい場合(S21のYES)、表示制御部161は、選択画面に表示されるユーザに推奨される組み合わせにおいて飛行用データ及び非飛行用データの通信にWi−Fiを使用する状態として表示させることを決定する(S22)。次に、表示制御部161が、LTEの電波強度を閾値と比較する(S23)。この閾値は、例えば、LTEを介する飛行用データの通信により飛行装置2を操縦するのに支障がない程度の値である。LTEの電波強度が閾値より大きい場合(S23のYES)、表示制御部161は、選択画面に表示されるユーザに推奨される組み合わせにおいて飛行用データ及び非飛行用データの通信にLTEを使用する状態として表示させることを決定し、処理を終了する(S24)。
【0069】
ステップS21においてWi−Fiの電波強度が閾値以下である場合(S21のNO)、表示制御部161は、ユーザに推奨される組み合わせにおいて飛行用データ及び非飛行用データの通信にWi−Fiを使用しない状態として表示させることを決定し、ステップS23の判定に移る(S25)。また、ステップS23においてLTEの電波強度が閾値以下である場合(S23のNO)、表示制御部161は、ユーザに推奨される組み合わせにおいて飛行用データ及び非飛行用データの通信にLTEを使用しない状態として表示させることを決定し、処理を終了する(S26)。
【0070】
[実施の形態1の操縦装置1による効果]
本実施の形態によれば、ユーザは、第1無線通信回線及び第2無線通信回線のうち、飛行用データ及び非飛行用データの通信に使用される無線通信回線を選択画面において選択することができる。したがって、ユーザは、ニーズに合わせて無線通信回線を選択することができる。
【0071】
また、第1無線通信回線W1及び第2無線通信回線W2の使用の有無についてユーザが選択する場合に、表示制御部161は、第2無線通信回線W2の通信品質に基づいて、無線通信回線の使用の有無の組み合わせを推奨することができる。このため、ユーザは、推奨された組み合わせを参照して、無線通信回線の使用の有無を選択することができるので、ユーザの選択を容易化することができる。また、第2無線通信回線W2を含む無線通信回線からユーザがいずれかを選択する場合に、表示制御部161は、第2無線通信回線W2の利用可能な周波数における分布情報に基づいて、無線通信回線の使用の有無の組み合わせを推奨することができる。このため、ユーザは、推奨された組み合わせを参照して、無線通信回線の使用の有無を選択することができるので、ユーザの選択をより容易化することができる。
【0072】
また、選択画面において飛行用データの通信について第1無線通信回線W1及び第2無線通信回線W2のいずれも使用しないことを選択するユーザ操作が行われた場合、制御情報生成部163は、報知部20によりエラーを出力させる。このため、ユーザの誤操作により飛行データの通信が行われない状態となり、飛行装置2の操縦が不可能になることを抑制することができる。
【0073】
また、第1無線通信回線W1が使用可能であり、かつ、第1無線通信回線W1が飛行用データの通信に使用されていない場合に、表示制御部161が選択画面において飛行用データの通信に対して、第1無線通信回線W1が使用される状態として表示するので、表示制御部161は、第1無線通信回線W1が利用可能な場合に、第1無線通信回線W1を使用することをユーザに推奨することができる。また、第1無線通信回線W1を用いて飛行用データ又は非飛行用データを送信してから所定の時間が経過する前に、飛行用データ又は前記非飛行用データに対する応答を受信しない場合、表示制御部161は、飛行用データ及び非飛行用データの送信に第2無線通信回線W2を使用する状態として選択画面に表示させるので、第1無線通信回線W1の通信品質が良好でない場合に、使用する無線通信回線を第2無線通信回線W2に変更することをユーザに推奨することができる。
【0074】
また、第1無線通信回線W1の使用の有無を指示する第1無線制御信号を第2無線通信回線W2により飛行装置へ出力し、第2無線通信回線W2の使用の有無を指示する第2無線制御信号を第1無線通信回線W1により飛行装置へ出力することにより、一方の無線通信回線の使用の有無を2つの無線通信回線の両方が使用可能なエリア内で行うので、無線通信回線の使用の有無の切り替え時にも他方の無線通信回線の通信を維持することができる。
【0075】
<実施の形態2>
実施の形態1では、操縦装置1の表示制御部161が、飛行装置2の現在位置におけるLTEの通信品質の分布情報を取得する場合の例について説明した。これに対し、本実施の形態では、ユーザが飛行装置2の飛行ルートをサーバに保存し、操縦装置1の表示制御部161が、この飛行ルートに対応するLTEの通信品質の分布情報を取得する場合の例について説明する。
【0076】
まず、ユーザは、操縦装置1を用いて飛行装置2の飛行ルートを作成する。飛行ルートは、飛行装置2が飛行する経路である。例えば、ユーザが、操縦装置1の表示部11において飛行装置2が経由する2以上の座標をマップ上において指定することにより飛行ルートを作成する。また、本実施の形態の飛行システムSは、第2無線通信回線W2により操縦装置1と接続されたサーバを更に備え、通信制御部164が、第2無線通信回線W2により、予め作成された飛行ルートを通信部13にサーバへ送信させ、サーバがこの飛行ルートを保存する。このようにすることで、操縦装置1は、多数の飛行ルートを記憶させるための記憶部14の記憶容量を増大させる必要がない。
【0077】
操縦装置1の操作受付部162は、飛行装置2の飛行前に、サーバに保存された飛行ルートのうち、いずれかを選択するユーザ操作を受け付け、通信制御部164は、ユーザにより選択された飛行ルートの送信要求を通信部13にサーバへ送信させる。この送信要求に応答して、サーバは、ユーザに選択された飛行ルートを操縦装置1へ送信し、通信部13は、当該飛行ルートを受信する。更に、通信制御部164は、受信した飛行ルートに基づいて、飛行装置2を飛行させる。例えば、制御情報生成部163は、飛行装置2が飛行ルートに沿って飛行するように、飛行装置2を制御するための制御情報を逐次に生成し、通信制御部164は、飛行装置2に対し、生成された制御情報を含む飛行用データを通信部13に送信させる。
【0078】
[操縦装置1の動作に関するフローチャート]
図9は、本実施の形態の操縦装置1の動作の一例を示したフローチャートであり、推奨設定表示処理の一例が示されている。この処理は、例えば、サーバに保存された飛行装置2の飛行ルートのいずれかを選択するために、操縦装置1を第2無線通信回線W2によりサーバに接続させたときに開始される。
図6と同一の処理手順については同一の符号を付して説明を省略する。
【0079】
まず、ユーザが、サーバに保存された飛行ルートのうち、いずれかの飛行ルートを選択することにより、操縦装置1の通信部13は、選択された飛行ルートをサーバから受信する(S31)。次に、表示制御部161が、選択された飛行ルートを含むエリアのLTEの通信品質の分布情報を記憶部14から読み出す(S32)。Wi−Fiの通信品質の分布情報を取得した後(S13)、表示制御部161が、LTEの分布情報を参照して、基地局により選択された周波数帯域のLTEの通信品質が良好か否かを決定する(S34)。
【0080】
図10は、
図9のステップS34の無線通信回線選択処理の一例を示したフローチャートである。まず、表示制御部161が、基地局により選択されたLTEの電波高度を閾値と比較する(S41)。次に、LTEの電波強度が閾値より大きい場合(S41のYES)、表示制御部161は、ユーザに推奨される組み合わせにおいて飛行用データ及び非飛行用データの通信にLTEを使用する状態として表示させることを決定する(S42)。更に、表示制御部161が、Wi−Fiの電波強度を閾値と比較する(S43)。Wi−Fiの電波強度が閾値より大きい場合、表示制御部161は、ユーザに推奨される組み合わせにおいて飛行用データ及び非飛行用データの通信にWi−Fiを使用する状態として表示させることを決定し、処理を終了する(S44)。
【0081】
ステップS41においてLTEの電波強度が閾値以下である場合(S41のNO)、表示制御部161は、ユーザに推奨される組み合わせにおいて飛行用データ及び非飛行用データの通信にLTEを使用しない状態として表示させることを決定する(S45)。更に、ユーザに推奨される組み合わせにおいて飛行用データ及び非飛行用データの通信にWi−Fiを使用する状態として表示させることを決定し、処理を終了する(S46)。また、ステップS43においてWi−Fiの電波強度が閾値以下である場合、表示制御部161は、ユーザに推奨される組み合わせにおいて飛行用データ及び非飛行用データの通信にWi−Fiを使用しない状態として表示させることを決定し、処理を終了する(S47)。
【0082】
[実施の形態2の操縦装置1による効果]
本実施の形態によれば、表示制御部161が、飛行ルートと分布情報との比較結果に基づいて、飛行装置2との間での通信に使用する第1無線通信回線W1及び第2無線通信回線W2の少なくともいずれかを選択画面において表示させる。このような構成により、ユーザは、第1無線通信回線W1及び第2無線通信回線W2の使用の有無について、分布状態に基づき推奨される組み合わせを参照して、選択することができるため、使用の有無の選択を容易化することができる。
【0083】
また、第2無線通信回線の通信品質に含まれる電波強度が閾値より低い場合に、表示制御部161は、飛行用データの通信に対して、第1無線通信回線W1を使用する状態として表示部11の選択画面に表示させるので、第2無線通信回線の通信品質が良好でない場合に、無線通信回線を第1無線通信回線W1に変更することをユーザに推奨することができる。
【0084】
なお、ユーザの飛行ルートの選択前又は選択時に表示制御部161が
図6の電波強度マップB1を表示する構成としてもよい。このような構成を採用することにより、ユーザは、電波強度マップB1を参照して第2無線通信回線W2の通信状態が良好なエリアを確認することにより、通信状態が良好な飛行ルートを選択することができる。特に、電波強度マップB1には、表示制御部161が、基地局により選択された周波数における電波強度を表示するので、操縦装置1及び飛行装置2の通信における電波強度をユーザが把握することができ、利便性が大きい。
【0085】
なお、本発明の実施の形態1及び2では、通信品質の良好な第1無線通信回線W1及び第2無線通信回線W2を使用する場合の例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、例えば、第1無線通信回線W1及び第2無線通信回線W2がいずれも使用可能である場合には、飛行用データと非飛行用データとの通信に用いられる無線通信回線を異ならせてもよい。例えば、表示制御部161は、選択画面においてユーザの選択前の状態では、飛行用データの通信に第1無線通信回線W1を用い、かつ、非飛行用データの通信に第2無線通信回線W2を用いることを表示部11に表示させる構成であってもよい。このような構成を採用することにより、2つの無線通信回線に通信するデータ量を分散させるので、無線通信回線の混線等に起因して第1無線通信回線W1において通信速度が一時的に低下した場合にも飛行用データの通信に遅延が生じることを抑制することができる。
【0086】
また、本実施の形態では、操縦装置1の表示制御部161が飛行ルートとLTEの分布情報とを比較することにより、基地局により選択されたLTEの通信品質が良好か否かを決定する構成について説明した。しかしながら、本発明は、表示制御部161が、LTEの通信品質が良好か否かを決定する構成に限定されない。例えば、飛行ルートが保存されたサーバが、基地局により選択されたLTEの通信品質が良好か否かを決定し、操縦装置1の通信制御部164が、飛行用データ及び非飛行用データの通信について、ユーザに推奨される無線通信回線の組み合わせをサーバから通知される構成であってもよい。
【0087】
また、本発明の実施の形態1及び2では、操縦装置1において無線通信回線を選択するユーザ操作を受け付ける構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、PC(Personal Computer)等の端末装置において操縦装置1及び飛行装置2の間の通信において使用される無線通信回線を選択するユーザ操作を受け付ける構成であってもよい。
【0088】
また、本発明の実施の形態1及び2では、記憶部14が第2無線通信回線W2の通信品質のエリアごとの分布を示す分布情報を保持する構成について説明したが、本発明は記憶部14が分布情報を保持する構成に限定されない。例えば、通信制御部164が、無線通信回線を用いて分布情報をサーバから取得する構成であってもよい。
【0089】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。特に、装置の分散・統合の具体的な実施形態は以上に図示するものに限られず、その全部又は一部について、種々の付加等に応じて、又は、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。