特許第6435369号(P6435369)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6435369
(24)【登録日】2018年11月16日
(45)【発行日】2018年12月5日
(54)【発明の名称】排ガス浄化システム及び自動推進車両
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/20 20060101AFI20181126BHJP
   F01N 3/08 20060101ALI20181126BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20181126BHJP
【FI】
   F01N3/20 C
   F01N3/08 B
   F01N3/08 A
   B01D53/94 220
   B01D53/94ZAB
   B01D53/94 400
【請求項の数】7
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-87136(P2017-87136)
(22)【出願日】2017年4月26日
(65)【公開番号】特開2018-184899(P2018-184899A)
(43)【公開日】2018年11月22日
【審査請求日】2018年8月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000104607
【氏名又は名称】株式会社キャタラー
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(72)【発明者】
【氏名】辻 誠
(72)【発明者】
【氏名】今井 啓人
(72)【発明者】
【氏名】菅原 康
(72)【発明者】
【氏名】小林 慎太郎
【審査官】 小笠原 恵理
(56)【参考文献】
【文献】 特開平9−144531(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/20
B01D 53/94
F01N 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動推進車両に搭載された燃焼機関が排出する排ガスを浄化する排ガス浄化システムであって、
1以上の排ガス浄化用触媒を含み、前記燃焼機関から前記排ガスが供給され、前記排ガスを大気へ放出可能に浄化する排ガス浄化装置と、
前記排ガス浄化装置によって浄化された前記排ガスに含まれる窒素酸化物の濃度を検知するセンサと、
前記センサが検知した前記濃度に基づいて、前記1以上の排ガス浄化用触媒の少なくとも1つについて、その性能が十分なレベルを維持しているかを判断する処理部と
を備え
前記処理部は、2以上の時間間隔の各々について、前記時間間隔内に前記センサが検知した前記濃度と、前記時間間隔内に前記燃焼機関へ供給した空気の量若しくは流量又は前記時間間隔内に前記燃焼機関が排出した前記排ガスの量若しくは流量と、前記時間間隔内における前記自動推進車両の走行距離又は走行速度とから、前記自動推進車両が単位走行距離当たりに排出した窒素酸化物の量を算出し、前記自動推進車両の累積走行距離に対する、前記自動推進車両が単位走行距離当たりに排出した窒素酸化物の量の変化から、前記自動推進車両が単位走行距離当たりに排出する窒素酸化物の量が第3設定値に到達する累積走行距離を推定する排ガス浄化システム。
【請求項2】
前記処理部は、前記センサが検知した前記濃度が第1設定値未満であるか又は前記第1設定値以下である場合に、前記1以上の排ガス浄化用触媒の前記少なくとも1つについて、その性能が十分なレベルを維持していると判断する請求項1に記載の排ガス浄化システム。
【請求項3】
前記処理部は、或る時間間隔内に前記センサが検知した前記濃度と、前記時間間隔内に前記燃焼機関へ供給した空気の量若しくは流量又は前記時間間隔内に前記燃焼機関が排出した前記排ガスの量若しくは流量と、前記時間間隔内における前記自動推進車両の走行距離又は走行速度とから、前記自動推進車両が単位走行距離当たりに排出した窒素酸化物の量を算出し、この量が第2設定値未満であるか又は前記第2設定値以下であるときに、前記1以上の排ガス浄化用触媒の前記少なくとも1つについて、その性能が十分なレベルを維持していると判断する請求項1又は2に記載の排ガス浄化システム。
【請求項4】
前記処理部は、推定した前記累積走行距離と実際の累積走行距離との差が第4設定値未満であるか又は前記第4設定値以下である場合に、前記1以上の排ガス浄化用触媒の前記少なくとも1つについて、その交換が必要であるか又はその交換時期が近付いていると判断する請求項1乃至3の何れか1項に記載の排ガス浄化システム。
【請求項5】
前記処理部における処理の結果を出力する出力部を更に備えた請求項1乃至の何れか1項に記載の排ガス浄化システム。
【請求項6】
前記燃焼機関はディーゼル機関であり、前記1以上の排ガス浄化用触媒は、吸蔵還元触媒、尿素選択還元触媒及び炭化水素選択還元触媒の少なくとも1つを含んだ請求項1乃至の何れか1項に記載の排ガス浄化システム。
【請求項7】
請求項1乃至の何れか1項に記載の排ガス浄化システムを備えた自動推進車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガス浄化システム及び自動推進車両に関する。
【背景技術】
【0002】
ディーゼル機関などの燃焼機関を搭載した自動推進車両は、燃焼機関が排出した排ガスを、1以上の排ガス浄化用触媒によって大気へ放出可能に浄化している。それ故、排ガス浄化用触媒の性能が劣化すると、大気へと放出される排ガスにおける有害成分の濃度、例えば、窒素酸化物(NO)の濃度が上昇する。
【0003】
特許文献1には、NO吸蔵触媒の劣化度を判定する診断装置が記載されている。この診断装置では、或るリッチスパイクと次のリッチスパイクとの間の期間内で、NO吸蔵触媒の出口部でのNO濃度が最低値となったときにおける、NO吸蔵触媒の出口部でのNO濃度とNO吸蔵触媒の入口部でのNO濃度との比に基づいて、NO吸蔵触媒の劣化度を判定する。
【0004】
特許文献2には、ディーゼル酸化触媒と、その下流側に設置され、NOを窒素へと還元する選択還元触媒とを含んだ排ガス浄化システムについて、ディーゼル酸化触媒の劣化度を判定するための診断装置が記載されている。この診断装置は、ディーゼル酸化触媒の上流側における排ガス中のNO量に対する選択還元触媒の下流側に設置されたNOセンサが出力する検出値の比と、選択還元触媒の下流側における排ガス中のNO比率との関係を記憶したセンサ特性記憶手段を含んでいる。
【0005】
ここで、ディーゼル酸化触媒の上流側における排ガス中のNO量は、ディーゼル酸化触媒の上流側における排ガス中のNO濃度と、給気又は排気流量とから算出される値である。また、ディーゼル酸化触媒の上流側における排ガス中のNO濃度は、ディーゼル機関の運転状態、例えば、アクセル開度及び回転数と、ディーゼル酸化触媒の上流側における排ガス中のNO濃度との関係を記述したマップに、ディーゼル機関の運転状態を参照することによって得られる値である。そして、上記のNO比率は、選択還元触媒の下流側における排ガス中のNO量に対する選択還元触媒の下流側における排ガス中の二酸化窒素(NO)量の比である。
【0006】
特許文献2に記載された診断装置は、ディーゼル機関の運転状態と給気又は排気流量とからディーゼル酸化触媒の上流側における排ガス中のNO量を算出し、このNO量に対する、NOセンサが出力する検出値の比を、センサ特性記憶手段が記憶している関係に参照して、選択還元触媒の下流側における排ガス中のNO比率を演算する。そして、このNO比率に基づいて、ディーゼル酸化触媒の劣化度を判定する。
【0007】
特許文献3には、空燃比を燃料リーンから燃料リッチへ切り替え、触媒を通過した排ガスについて、時間の経過に応じたNO濃度の低下をNO浄化速度として求め、このNO浄化速度に基づいて触媒の排ガス浄化性能を評価することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−18023号公報
【特許文献2】特開2012−36856号公報
【特許文献3】特開2012−219740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
NO排出に対する規制は、今後、益々厳しくなり、実走行でのNO排出量も規制対象になる。本発明者らは、上述した技術では、基準値を超える量のNOが実走行で排出される可能性があると考えている。
【0010】
そこで、本発明は、基準値を超える量のNOが実走行で排出される可能性が低い排ガス浄化技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1側面によると、自動推進車両に搭載された燃焼機関が排出する排ガスを浄化する排ガス浄化システムであって、1以上の排ガス浄化用触媒を含み、前記燃焼機関から前記排ガスが供給され、前記排ガスを大気へ放出可能に浄化する排ガス浄化装置と、前記排ガス浄化装置によって浄化された前記排ガスに含まれる窒素酸化物の濃度を検知するセンサと、前記センサが検知した前記濃度に基づいて、前記1以上の排ガス浄化用触媒の少なくとも1つについて、その性能が十分なレベルを維持しているかを判断する処理部とを備え、前記処理部は、2以上の時間間隔の各々について、前記時間間隔内に前記センサが検知した前記濃度と、前記時間間隔内に前記燃焼機関へ供給した空気の量若しくは流量又は前記時間間隔内に前記燃焼機関が排出した前記排ガスの量若しくは流量と、前記時間間隔内における前記自動推進車両の走行距離又は走行速度とから、前記自動推進車両が単位走行距離当たりに排出した窒素酸化物の量を算出し、前記自動推進車両の累積走行距離に対する、前記自動推進車両が単位走行距離当たりに排出した窒素酸化物の量の変化から、前記自動推進車両が単位走行距離当たりに排出する窒素酸化物の量が第3設定値に到達する累積走行距離を推定する排ガス浄化システムが提供される。
【0012】
本発明の第2側面によると、前記処理部は、前記センサが検知した前記濃度が第1設定値未満であるか又は前記第1設定値以下である場合に、前記1以上の排ガス浄化用触媒の前記少なくとも1つについて、その性能が十分なレベルを維持していると判断する第1側面に係る排ガス浄化システムが提供される。
【0013】
本発明の第3側面によると、前記処理部は、或る時間間隔内に前記センサが検知した前記濃度と、前記時間間隔内に前記燃焼機関へ供給した空気の量若しくは流量又は前記時間間隔内に前記燃焼機関が排出した前記排ガスの量若しくは流量と、前記時間間隔内における前記自動推進車両の走行距離又は走行速度とから、前記自動推進車両が単位走行距離当たりに排出した窒素酸化物の量を算出し、この量が第2設定値未満であるか又は前記第2設定値以下であるときに、前記1以上の排ガス浄化用触媒の前記少なくとも1つについて、その性能が十分なレベルを維持していると判断する第1又は第2側面に係る排ガス浄化システムが提供される。
【0015】
本発明の第側面によると、前記処理部は、推定した前記累積走行距離と実際の累積走行距離との差が第4設定値未満であるか又は前記第4設定値以下である場合に、前記1以上の排ガス浄化用触媒の前記少なくとも1つについて、その交換が必要であるか又はその交換時期が近付いていると判断する第1乃至第3側面の何れかに係る排ガス浄化システムが提供される。
【0016】
本発明の第側面によると、前記処理部における処理の結果を出力する出力部を更に備えた第1乃至第側面の何れかに係る排ガス浄化システムが提供される。
【0017】
本発明の第側面によると、前記燃焼機関はディーゼル機関であり、前記1以上の排ガス浄化用触媒は、吸蔵還元触媒、尿素選択還元触媒及び炭化水素選択還元触媒の少なくとも1つを含んだ第1乃至第側面の何れかに係る排ガス浄化システムが提供される。
【0018】
本発明の第8側面によると、第1乃至第側面の何れかに係る排ガス浄化システムを備えた自動推進車両が提供される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、基準値を超える量のNOが実走行で排出される可能性が低い排ガス浄化技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係る自動推進車両を概略的に示す側面図。
図2図1に示す自動推進車両に搭載可能な排ガス浄化システムの一例を概略的に示す図。
図3図2に示す排ガス浄化システムが行う制御の一例を示すフローチャート。
図4図2に示す排ガス浄化システムが含んでいるセンサが検知したNO濃度の時間変化の一例を示すグラフ。
図5図2に示す排ガス浄化システムが含んでいるセンサが検知したNO濃度の時間変化の他の例を示すグラフ。
図6】単位走行距離当たりのNO排出量の一例を示すグラフ。
図7】単位走行距離当たりのNO排出量の他の例を示すグラフ。
図8】単位走行距離当たりのNO排出量の更に他の例を示すグラフ。
図9】単位走行距離当たりのNO排出量の更に他の例を示すグラフ。
図10図2に示す排ガス浄化システムが、運転者に、触媒の交換時期が近付いていることを注意喚起している様子を概略的に示す斜視図。
図11】NO排出量に基づいて、自動推進車両が単位走行距離当たりに排出する窒素酸化物の量が第3設定値に到達する累積走行距離を推定する方法を説明するためのグラフ。
図12図2に示す排ガス浄化システムが行う制御の他の例の一部を示すフローチャート。
図13図12に一部を示す制御の残りを示すフローチャート。
図14図2に示す排ガス浄化システムが行う制御の更に他の例の一部を示すフローチャート。
図15図14に一部を示す制御の他の一部を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同様又は類似した機能を有する要素については、同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る自動推進車両を概略的に示す側面図である。図2は、図1に示す自動推進車両に搭載可能な排ガス浄化システムの一例を概略的に示す図である。
【0023】
図1には、自動推進車両の一例として、四輪自動車(以下、自動車という)1を描いている。なお、図1及び図2では、理解を容易にするために、一部の構成要素を省略している。また、以下の説明において、用語「前」及び「後」は、自動車1の進行方向を基準として使用することとし、用語「上流」及び「下流」は、排ガスの流れを基準として使用することとする。
【0024】
図1に示す自動車1は、図2に示すディーゼル機関50を乗員室の前方に搭載した四輪駆動車である。
【0025】
図1に示す自動車1は、車両本体を含んでいる。車両本体は、図示しないフレームと車体10とを含んでいる。フレーム及び車体10は、一体化されていてもよい。即ち、車両本体には、モノコック構造を採用してもよい。
【0026】
フレームには、駆動装置、足回り装置、加速装置、ブレーキ装置及びステアリング装置などが搭載されている。
【0027】
駆動装置は、燃焼機関、給気装置、排気装置、燃料供給装置及び動力伝導装置などを含んでいる。
【0028】
燃焼機関は、上記の通り、図2に示すディーゼル機関50である。図2には、ディーゼル機関50の構成要素として、シリンダ51、ピストンヘッド52、連接棒53、吸入バルブ54、排気バルブ55、及び燃料噴射ノズル56のみを描いている。ディーゼル機関50は、ここでは、4ストロークサイクルディーゼル機関である。ディーゼル機関50は、2ストロークサイクルディーゼル機関であってもよい。
【0029】
給気装置は、エアフィルタと給気管とエアフローメータ60とを含んでいる。給気装置は、車両の外部から空気を取り入れ、これを、エアフィルタによって塵などを除去した後に、給気管を介してディーゼル機関50の燃焼室へと供給する。エアフローメータ60は、給気管を流れる空気の流量を検知する。なお、給気装置は、圧力が高められた空気を燃焼室へと供給可能とする過給機を更に含んでいてもよい。
【0030】
排気装置は、図2に示す排気装置70である。排気装置70は、ディーゼル機関50における燃料、ここでは軽油の燃焼によって生じた排ガスを浄化するとともに、排気音を低減する役割を果たす。
【0031】
排気装置70は、触媒コンバータ71及び72と、マフラー73と、マフラーカッタ74と、パイプ75a、75b、75c及び75dと、センサ76a及び76bとを含んでいる。触媒コンバータ71及び72並びにパイプ75bは、排ガスを大気へ放出可能に浄化する排ガス浄化装置70aを構成している。マフラー73、パイプ75d及びマフラーカッタ74は、消音装置70bを構成している。
【0032】
触媒コンバータ71は、コンバータボディ711と、排ガス浄化用触媒712と、ディーゼルパーティキュレートフィルタ(Diesel Particulate Filter; DPF)713とを含んでいる。
【0033】
コンバータボディ711は、例えば、金属又は合金からなる。コンバータボディ711は、吸気口と排気口とが設けられた中空構造を有している。コンバータボディ711の吸気口は、パイプ75aと排気マニホルド(図示せず)とを介して、ディーゼル機関50のピストン室に接続されている。コンバータボディ711の排気口には、パイプ75bの一端が接続されている。
【0034】
排ガス浄化用触媒712は、ストレートフロータイプのモノリス触媒である。排ガス浄化用触媒712は、コンバータボディ711の吸気口に供給された排ガスが、排ガス浄化用触媒712の貫通孔を通過し、その後、ディーゼルパーティキュレートフィルタ713へと供給されるように、コンバータボディ711内に収容されている。
【0035】
一例によれば、排ガス浄化用触媒712は、ディーゼル酸化触媒(Diesel Oxidation Catalyst; DOC)である。他の例によれば、排ガス浄化用触媒712は、NO吸蔵還元(NOx storage and reduction; NSR)触媒である。
【0036】
排ガス浄化用触媒712は、モノリスハニカム基材と、その隔壁上に設けられた触媒層とを含んでいる。
【0037】
モノリスハニカム基材は、例えば、一方の底面から他方の底面へと各々が延びた複数の貫通孔が設けられた柱体である。モノリスハニカム基材は、例えば、コージェライト及び炭化珪素などのセラミックスからなる。
【0038】
触媒層は、モノリスハニカム基材の隔壁上に設けられている。触媒層は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。
【0039】
排ガス浄化用触媒712がディーゼル酸化触媒である場合、触媒層は、例えば、第1担体と第1貴金属元素とを含んでいる。
【0040】
第1担体は、アルミナなどの耐熱性材料からなる粒子である。第1担体は、第1貴金属元素を担持している。第1担体は、第1貴金属の表面積を増大させると共に、触媒反応による発熱を消散させて第1貴金属のシンタリングを抑制する役割を担っている。
【0041】
第1貴金属元素は、例えば、白金及びパラジウムなどの白金族元素である。触媒層は、第1貴金属元素として、単一の貴金属元素を含んでいてもよく、複数の貴金属元素を含んでいてもよい。
【0042】
第1貴金属元素は、排ガス中の一酸化炭素(CO)及び炭化水素(HC)の酸化を促進する。第1貴金属元素の作用により、排ガス中の一酸化炭素及び炭化水素の濃度が低下し、高沸点の炭化水素や硫化物からなる粒子状物質(particulate matter;PM)の一部が排ガスから除去される。
【0043】
排ガス浄化用触媒712がNO吸蔵還元触媒である場合、触媒層は、例えば、第2担体と第2貴金属元素とNO吸蔵材とを含んでいる。
【0044】
第2担体は、アルミナなどの耐熱性材料からなる粒子である。第2担体は、第2貴金属元素と、任意にNO吸蔵材とを担持している。第2担体は、第2貴金属の表面積を増大させると共に、触媒反応による発熱を消散させて第2貴金属のシンタリングを抑制する役割を担っている。
【0045】
第2貴金属元素は、例えば、白金、パラジウム及びロジウムなどの白金族元素である。第2貴金属元素は、排ガス中のNOの還元反応を促進する。第2貴金属元素の作用により、排ガス中のNO濃度が低下する。
【0046】
NO吸蔵材は、例えば、バリウム、カリウム、リチウム及びセリウムの少なくとも1つを含み、炭酸塩若しくは酸化物の形態にある化合物又はそれらの組み合わせである。NO吸蔵材は、酸化性雰囲気下においてNOを吸蔵し、還元性雰囲気下においてNOを放出する。
【0047】
ディーゼルパーティキュレートフィルタ713は、ウォールフロータイプのモノリス触媒である。ディーゼルパーティキュレートフィルタ713は、排ガス浄化用触媒712の貫通孔を通過した排ガスが、ディーゼルパーティキュレートフィルタ713の隔壁を透過し、その後、コンバータボディ711の排気口から触媒コンバータ71の外部へと排出されるように、コンバータボディ711内に収容されている。ディーゼルパーティキュレートフィルタ713は、排ガスから粒子状物質を除去する。
【0048】
ディーゼルパーティキュレートフィルタ713は、フィルタ基材を含んでいる。フィルタ基材は、例えば、ハニカム構造体と栓とを含んでいる。
【0049】
ハニカム構造体は、例えば、一方の底面から他方の底面へと各々が延びた複数の貫通孔が設けられた柱体である。ハニカム構造体は、貫通孔の側壁を構成している、即ち、隣り合った貫通孔を仕切っている多孔質隔壁を含んでいる。これら多孔質隔壁は、排ガスが同伴している粒子状物質を殆ど透過させることなしに、排ガスを透過させる。
【0050】
ハニカム構造体の材料としては、例えば、コージェライト及び炭化珪素などのセラミックスを使用することができる。ハニカム構造体には、金属製の不織布が編み込まれていてもよい。
【0051】
栓の一部は、ハニカム構造体の孔の一部を下流側で塞いでいる。孔を下流側で塞いでいる栓と、この孔の側壁を構成している多孔質隔壁とは、上流側で開口した上流セルを形成している。
【0052】
栓の残りは、ハニカム構造体の残りの孔を上流側で塞いでいる。孔を上流側で塞いでいる栓と、この孔の側壁を構成している多孔質隔壁とは、下流側で開口した下流セルを形成している。
【0053】
これら栓は、下流側が栓で塞がれている孔と上流側が栓で塞がれている孔とが多孔質隔壁を挟んで隣り合うように配置されている。即ち、上流セルと下流セルとは、多孔質隔壁を挟んで隣り合っている。
【0054】
栓の材料としては、例えば、コージェライト及び炭化珪素などのセラミックスを使用することができる。
【0055】
排ガス浄化用触媒712の貫通孔を通過した排ガスは、先ず、ディーゼルパーティキュレートフィルタ713の上流セルに流入する。次いで、この排ガスは、上流セルと下流セルとを仕切っている多孔質隔壁を透過して、下流セルへ流入する。この際に、排ガスから粒子状物質が除去される。
【0056】
ディーゼルパーティキュレートフィルタ713は、フィルタとしての機能に加え、他の機能を更に有していてもよい。即ち、ディーゼルパーティキュレートフィルタ713は、ハニカム構造体及び/又は栓上に設けられた触媒層を更に含んでいてもよい。
【0057】
例えば、ディーゼルパーティキュレートフィルタ713は、フィルタとしての機能に加え、選択還元(Selective Catalytic Reduction; SCR)触媒としての機能、例えば、炭化水素又はアンモニアとの反応によるNOの窒素への還元を促進する機能を更に有していてもよい。即ち、ディーゼルパーティキュレートフィルタ713は、尿素選択還元触媒又は炭化水素選択還元触媒としての機能を更に有していてもよい。
【0058】
ディーゼルパーティキュレートフィルタ713に尿素選択還元触媒としての機能を付与する場合、その触媒層の活性成分としては、例えば、ナトリウム及びカリウムなどのアルカリ金属元素のイオンが鉄及び銅などの遷移金属元素のイオンで部分的に交換されたゼオライトを使用することができる。或いは、この活性成分として、タングステン及びバナジウムなどの卑金属の酸化物を使用することもできる。
【0059】
なお、ディーゼルパーティキュレートフィルタ713に尿素選択還元触媒としての機能を付与する場合、排気装置70には、例えば、ディーゼルパーティキュレートフィルタ713の上流で排ガスに尿素水溶液を注入する第1インジェクタを更に設ける。
【0060】
上記の通り、パイプ75bの一端は、コンバータボディ711の排気口に接続されている。パイプ75bには、センサ76aが設置されている。センサ76aは、触媒コンバータ71が排出した排ガスにおけるNO濃度を検知する。センサ76aの出力は、例えば、排ガスへのアンモニア又はその前駆体、例えば尿素水溶液の注入量の制御に利用する。
【0061】
触媒コンバータ72は、コンバータボディ721と、排ガス浄化用触媒722とを含んでいる。
【0062】
コンバータボディ721は、例えば、金属又は合金からなる。コンバータボディ721は、吸気口と排気口とが設けられた中空構造を有している。コンバータボディ711の吸気口は、パイプ75bを介して、コンバータボディ711の排気口に接続されている。コンバータボディ721の排気口には、パイプ75cの一端が接続されている。
【0063】
排ガス浄化用触媒722は、ストレートフロータイプのモノリス触媒である。排ガス浄化用触媒722は、コンバータボディ721の吸気口に供給された排ガスが、排ガス浄化用触媒722の貫通孔を通過し、その後、コンバータボディ721の排気口から触媒コンバータ72の外部へと排出されるように、コンバータボディ721内に収容されている。
【0064】
一例によれば、排ガス浄化用触媒722は、選択還元触媒としての機能と、アンモニアスリップ触媒(Ammonia Slip Catalyst; ASC)としての機能とを有している。
【0065】
排ガス浄化用触媒722は、モノリスハニカム基材と、その隔壁上に設けられた触媒層とを含んでいる。
【0066】
モノリスハニカム基材は、例えば、一方の底面から他方の底面へと各々が延びた複数の貫通孔が設けられた柱体である。モノリスハニカム基材は、例えば、コージェライト及び炭化珪素などのセラミックスからなる。
【0067】
触媒層は、モノリスハニカム基材の隔壁上に設けられている。触媒層は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。
【0068】
排ガス浄化用触媒712が選択還元触媒としての機能とアンモニアスリップ触媒としての機能とを有している場合、触媒層には、例えば、基材のうち上流側部分の隔壁上に位置し、選択還元触媒としての機能を有している第1層と、基材のうち下流側部分の隔壁上に位置し、アンモニアスリップ触媒としての機能を有している第2層とを含んだ構造を採用してもよい。或いは、この場合、触媒層には、選択還元触媒としての機能を有している第1層と、第1層と基材の隔壁との間に介在し、アンモニアスリップ触媒としての機能とを有している第2層とを含んだ多層構造を採用してもよい。
【0069】
選択還元触媒としての機能を有している第1層の活性成分としては、例えば、ナトリウム及びカリウムなどのアルカリ金属元素のイオンが鉄及び銅などの遷移金属元素のイオンで部分的に交換されたゼオライトを使用することができる。或いは、この活性成分として、タングステン及びバナジウムなどの卑金属の酸化物を使用することもできる。
【0070】
アンモニアスリップ触媒は、酸化触媒であって、未反応のアンモニアの酸化を促進する。アンモニアの酸化によって窒素酸化物を生じるが、未反応のアンモニアの量は少ないので、アンモニアスリップ触媒において生成する窒素酸化物の量も少ない。即ち、アンモニアスリップ触媒は、排ガス中の窒素酸化物の濃度を大幅に上昇させることなく、排ガス中のアンモニアの濃度を低下させる。
【0071】
アンモニアスリップ触媒としての機能を有している第2層は、例えば、第3担体と第3貴金属元素とを含んでいる。
【0072】
第3担体は、アルミナなどの耐熱性材料からなる粒子である。第3担体は、第3貴金属元素を担持している。第3担体は、第3貴金属の表面積を増大させると共に、触媒反応による発熱を消散させて第3貴金属のシンタリングを抑制する役割を担っている。
【0073】
第3貴金属元素は、例えば、白金及びパラジウムなどの白金族元素である。第3貴金属元素は、アンモニアの酸化を促進する。第2層は、第3貴金属元素として、単一の貴金属元素を含んでいてもよく、複数の貴金属元素を含んでいてもよい。例えば、第2層は、第2貴金属元素として、白金のみを含んでいてもよく、白金とパラジウムとを含んでいてもよい。
【0074】
なお、排ガス浄化用触媒722が選択還元触媒としての機能とアンモニアスリップ触媒としての機能とを有している場合であって、ディーゼルパーティキュレートフィルタ713に選択還元触媒としての機能を付与しないときには、排気装置70には、例えば、第1インジェクタは設けずに、ディーゼルパーティキュレートフィルタ713と排ガス浄化用触媒722との間で、排ガスに、アンモニア又はその前駆体、例えば尿素水溶液を注入する第2インジェクタのみを設ける。
【0075】
また、ディーゼルパーティキュレートフィルタ713に選択還元触媒としての機能を付与する場合、例えば、上記の第1インジェクタが排ガスに注入したアンモニア又はその前駆体の一部は、触媒コンバータ71において全てが消費されず、触媒コンバータ72へ供給される可能性がある。それ故、排ガス浄化用触媒722が選択還元触媒としての機能とアンモニアスリップ触媒としての機能とを有している場合であって、ディーゼルパーティキュレートフィルタ713に選択還元触媒としての機能を付与するときには、排気装置70には、上記の第2インジェクタを設けてもよく、設けなくてもよい。
【0076】
上記の通り、パイプ75cの一端は、コンバータボディ721の排気口に接続されている。パイプ75cには、センサ76bが設置されている。センサ76bは、触媒コンバータ72が排出した排ガスにおけるNO濃度を検知する。センサ76bの出力は、例えば、排ガス浄化装置70aが含んでいる排ガス浄化用触媒の少なくとも1つについて、その性能が十分なレベルを維持しているかを判断するのに利用する。また、センサ76bの出力は、排ガスへのアンモニア又はその前駆体、例えば尿素水溶液の注入量の制御にも利用することができる。
【0077】
マフラー73は、例えば、金属又は合金からなる。マフラー73は、吸気口と排気口とが設けられ、内部が複数の室に仕切られた中空構造を有している。マフラー73は、排気音を低減する役割を果たす。マフラー73の吸気口は、パイプ75cを介して、コンバータボディの排気口に接続されている。マフラー73の排気口には、パイプ75dの一端が接続されている。
【0078】
マフラーカッタ74は、例えば、金属又は合金からなる。マフラーカッタ74は、吸気口と排気口とが設けられた中空構造を有している。マフラーカッタ74の吸気口は、パイプ75dの他端に接続されている。マフラーカッタ74は省略することができる。
【0079】
燃料供給装置は、燃料タンクと燃料噴射ポンプと燃料管とを含んでいる。燃料供給装置は、燃料噴射ポンプを動作させることにより、燃料タンクに収容されている軽油を、燃料管を介して燃料噴射ノズル56へと送る。図1に示す自動車1は、燃料噴射ポンプの動作を制御することにより、図2に示すディーゼル機関50の出力を調整する。
【0080】
動力伝導装置は、変速機と駆動軸と差動装置と車軸とを含んでいる。動力伝達装置は、例えば、ディーゼル機関50の回転運動を、変速機、駆動軸及び差動装置を介して車軸へと伝達する。
【0081】
足回り装置は、懸架装置と、車輪と、図1に示すタイヤ20とを含んでいる。懸架装置は、フレームに固定されており、前輪用及び後輪用の車軸を回転可能に支持している。車輪は、車軸に接続されており、タイヤ20をそれらの内側から支持している。
【0082】
加速装置は、アクセルペダルを含んでいる。加速装置は、例えば、アクセルペダルの変位に応じて、図2に示す燃料噴射ノズル56が噴射する軽油の量を変化させる。
【0083】
ブレーキ装置は、ブレーキペダルとブレーキ本体とを含んでいる。ブレーキ本体は、例えば、懸架装置に取り付けられたブレーキキャリパと車軸に取り付けられたブレーキディスクとを含んだディスクブレーキである。ブレーキ装置は、例えば、ブレーキペダルの変位に応じてブレーキ本体の制動力を変化させる。
【0084】
ステアリング装置は、ステアリングホイールとステアリングアームとステアリングギアとピットマンアームとタイロッドとを含んでいる。ステアリング装置は、ステアリングの回転角に応じて前輪の向きを変化させる。
【0085】
車両本体は、図2に示す制御部80を更に含んでいる。制御部80は、センサ76bが検知した排ガス中のNO濃度に基づいて、排ガス浄化用触媒の少なくとも1つについて、その性能が十分なレベルを維持しているかを判断する。
【0086】
制御部80は、処理部810と記憶部820とを含んでいる。制御部80は、排ガス浄化装置70aとともに、排ガス浄化システムを構成している。
【0087】
処理部810は、中央処理装置(CPU)を含んでいる。
処理部810には、センサ76a及び76bと、上述したインジェクタとが接続されている。処理部810は、センサ76a及び76bが検知した排ガス中のNO濃度に基づいて、インジェクタの動作を制御する。
【0088】
処理部810には、エアフローメータ60と、記憶部820と、後述する速度計90及び表示部100とが更に接続されている。処理部810には、速度計90を接続する代わりに、距離計を接続してもよい。或いは、処理部810には、速度計90又は距離計と接続されたセンサを接続してもよい。
【0089】
処理部810は、センサ76b、エアフローメータ60及び速度計90の出力に基づいて、排ガス浄化用触媒の少なくとも1つについて、その性能が十分なレベルを維持しているかを判断する。そして、処理部810は、この判断の結果を表示部100へ出力する。なお、処理部810の動作については、後で詳しく説明する。
【0090】
記憶部820は、処理部810に接続されている。記憶部820は、処理部810が読み込むプログラムや、処理部810から供給されたデータを記憶する不揮発性メモリを含んでいる。
【0091】
車両本体は、図1に示す座席30及びダッシュボード40を更に含んでいる。ダッシュボード40は、ディーゼル機関50及び給気装置などが配置された機関室と、座席30が配置された乗員室とを仕切っている。ダッシュボード40には、速度表示器や警告灯などが設置されている。
【0092】
また、ダッシュボード40には、図2に示す表示部100が設置されている。表示部100は、排ガス浄化用触媒の性能について処理部810が判断した結果を出力する出力部の一例である。表示部100は、排ガス浄化用触媒の性能について処理部810が判断した結果を、例えば、運転者又は整備若しくは点検作業者が知覚可能に表示する。なお、表示部100は、ダッシュボード40以外の位置に設置してもよい。
【0093】
表示部100は、例えば、直視型ディスプレイ、ヘッドアップディスプレイなどの投射型ディスプレイ、警告灯、又はそれらの組み合わせである。表示部100には、例えば、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、発光ダイオード、又はそれらの組み合わせを使用することができる。
【0094】
表示部100は、省略することができる。
例えば、制御部80に有線又は無線による通信を可能とする通信部を設けた場合、スマートフォンなどのデバイスと制御部80との通信を通じて、排ガス浄化用触媒の性能について処理部810が判断した結果を先のデバイスに表示させてもよい。この場合、通信部が上記の出力部に相当する。
【0095】
或いは、排ガス浄化用触媒の性能について処理部810が判断した結果を、表示によって運転者又は整備若しくは点検作業者へ通知する構成を採用する代わりに、ブザーなどの警告音及び音声案内などにより運転者又は整備若しくは点検作業者へ通知する構成を採用してもよい。この場合、ブザーや音声案内装置が、上述した出力部に相当する。
【0096】
次に、図1に示す自動車1の動作、特には、図2に示す排ガス浄化システムが行う制御について、図1乃至図11を参照しながら説明する。
【0097】
図3は、図2に示す排ガス浄化システムが行う制御の一例を示すフローチャートである。図4は、図2に示す排ガス浄化システムが含んでいるセンサが検知したNO濃度の時間変化の一例を示すグラフである。図5は、図2に示す排ガス浄化システムが含んでいるセンサが検知したNO濃度の時間変化の他の例を示すグラフである。図6は、単位走行距離当たりのNO排出量の一例を示すグラフである。図7は、単位走行距離当たりのNO排出量の他の例を示すグラフである。図8は、単位走行距離当たりのNO排出量の更に他の例を示すグラフである。図9は、単位走行距離当たりのNO排出量の更に他の例を示すグラフである。図10は、図2に示す排ガス浄化システムが、運転者に、触媒の交換時期が近付いていることを注意喚起している様子を概略的に示す斜視図である。図11は、NO排出量に基づいて、自動推進車両が単位走行距離当たりに排出する窒素酸化物の量が第3設定値に到達する累積走行距離を推定する方法を説明するためのグラフである。
【0098】
図1に示す自動車1の累積走行距離が増加すると、図2に示す排ガス浄化装置70aが含んでいる排ガス浄化用触媒の少なくとも1つの性能が変化する。排ガス浄化装置70aの性能が大幅に低下すると、規制値を超える量のNOが放出される可能性がある。図3に示す制御を行うと、そのような可能性を低減することができる。
【0099】
図3に示す制御では、図2に示す記憶部820に、第1乃至第4設定値を事前に記憶させておく。ここで、第1設定値は、大気へと放出する直前の排ガス中のNO濃度に関する閾値である。第2設定値は、単位走行距離当たりのNO排出量に関する閾値である。ここでは、一例として、第1設定値は200ppmであり、第2設定値は0.11g/kmより大きく且つ0.20g/kmよりも小さい値であるとする。また、第3設定値は、単位走行距離当たりのNO排出量に関する閾値であって、第2設定値よりも小さな値である。そして、第4設定値は、NO排出量が第3設定値に到達する累積走行距離D1と実際の累積走行距離Dとの差ΔD1に関する閾値である。
【0100】
上記の通り、図2に示す処理部810には、センサ76b、速度計90及びエアフローメータ60が接続されている。センサ76bは、排ガス中のNO濃度C1を検知する。速度計90は、図1に示す自動車1の走行速度V1を計測する。エアフローメータ60は、ディーゼル機関50への流入する空気の流量F1を検知する。図2に示す処理部810は、センサ76b、速度計90及びエアフローメータ60から、それぞれ、NO濃度C1、走行速度V1及び空気流量F1に関する信号を取得する(図3のステップS1)。
【0101】
処理部810は、時刻t1から時刻t2までの間に、即ち、時間間隔Δt(=t2−t1)内にセンサ76bが検知したNO濃度C1と、この時間間隔Δt内にディーゼル機関50へ供給した空気の量若しくは流量F1又はこの時間間隔Δt内にディーゼル機関50が排出した排ガスの量若しくは流量と、この時間間隔Δt内における自動車1の走行距離ΔD又は走行速度V1とから、自動車1が単位走行距離当たりに排出したNOの量E1を算出する。
【0102】
また、処理部810は、上記の時間間隔Δt内における自動車1の走行距離ΔD又は走行速度V1と、記憶部820が記憶している過去の走行距離D0とから、時刻t2における走行距離Dを算出する。
【0103】
例えば、処理部810は、NO濃度C1、走行速度及び空気流量F1に対応した信号から、単位走行距離当たりのNO排出量E1と走行距離Dとを算出する(図3のステップS2)。記憶部820は、これらNO排出量E1及び走行距離Dを記憶する(図3のステップS3)。
単位走行距離当たりのNO排出量E1は、例えば、以下の等式を用いて算出する。
【0104】
【数1】
【0105】
ここで、「t1」及び「t2」は、時刻を表している。時刻t2と時刻t1との差(時間間隔Δt)は、一定であるか、又は、一定の距離を走行するのに要した時間である。ここでは、一例として、時刻t2と時刻t1との差は一定であるとする。
【0106】
また、「MNOx」は、NOの平均分子量であって、ここでは定数である。例えば、NOが、分子量が30である一酸化窒素(NO)と、分子量が46である二酸化窒素(NO)とを、1:1のモル比で含んだ混合物である場合、NOの平均分子量は38である。
【0107】
そして、上記等式において、NO濃度C1は体積濃度(体積/体積)である。また、NO排出量E1、走行速度V1及び空気流量F1の単位は、それぞれ、「g/km」、「km/秒」及び「g/秒」である。
【0108】
次に、処理部810は、NO濃度C1と第1設定値とを対比する(図3のステップS4)。図4に示すように、NO濃度C1が第1設定値未満であったか又は第1設定値以下であった場合、処理部810は、排ガス浄化装置70a、特には、排ガス浄化用触媒712及び722並びにディーゼルパーティキュレートフィルタ713の少なくとも1つについて、例えば、それらの全てについて、その性能が十分なレベルを維持していると判断する。そして、この場合、制御部80は、図3のステップS1乃至S4を含むシーケンスを繰り返す。
【0109】
図5に示すように、NO濃度C1が第1設定値以上であったか又は第1設定値を超えた場合、処理部810は、NO排出量E1と第2設定値とを対比する(図3のステップS5)。図6乃至図8に示すように、NO排出量E1が第2設定値未満であったか又は第2設定値以下であった場合、処理部810は、排ガス浄化装置70a、特には、排ガス浄化用触媒712及び722並びにディーゼルパーティキュレートフィルタ713の少なくとも1つについて、例えば、それらの全てについて、その性能が十分なレベルを維持していると判断する。そして、この場合、制御部80は、図3のステップS1及びそれに続くステップを含むシーケンスを繰り返す。
【0110】
図9に示すように、NO排出量E1が第2設定値以上であったか又は第2設定値を超えた場合、制御部80は、表示部100に対し、第1警告情報に対応した画像信号を出力する。表示部100は、第1警告情報を、例えば、図10に示すように文字列で表示することにより、運転者に通知する(図3のステップS6)。なお、表示部100は、第1警告情報を、マークなどの文字以外の形態で表示してもよい。
【0111】
次に、処理部810は、NO排出量E1が第3設定値に到達する累積走行距離D1を推定する(図3のステップS7)。
【0112】
例えば、処理部810は、2以上の時間間隔Δtの各々について、この時間間隔Δtにセンサ76bが検知したNO濃度C1と、この時間間隔Δt内にディーゼル機関50へ供給した空気の量若しくは流量F1又はこの時間間隔Δt内にディーゼル機関50が排出した排ガスの量若しくは流量と、この時間間隔Δt内における自動車1の走行距離又は走行速度V1とから、自動車が単位走行距離当たりに排出した窒素酸化物の量を算出する。そして、処理部810は、自動車1の累積走行距離Dに対する、自動車1が単位走行距離当たりに排出した窒素酸化物の量E1の変化から、自動車1が単位走行距離当たりに排出するNOの量E1が第3設定値に到達する累積走行距離D1を推定する。
【0113】
一例によれば、処理部810は、記憶部820がこれまでに記憶した、NO排出量E1と走行距離Dとを各々が含む2以上のデータセットから、図11に示すように、NO排出量E1と走行距離Dとの関係を求める。そして、処理部810は、外挿法により、NO排出量E1が第3設定値に到達する累積走行距離D1を推定する。
【0114】
次に、処理部810は、推定した累積走行距離D1と実際の累積走行距離Dとの差ΔD1を算出する(図3のステップS8)。
【0115】
次いで、処理部810は、差ΔD1と第4設定値とを対比する(図3のステップS9)。差ΔD1が第4設定値以上であったか又は第4設定値を超えた場合、制御部80は、図3のステップS1及びそれに続くステップを含むシーケンスを繰り返す。
【0116】
差ΔD1が第4設定値未満であったか又は第4設定値以下であった場合、制御部80は、排ガス浄化装置70aが含んでいる部品、特には、排ガス浄化用触媒712及び722並びにディーゼルパーティキュレートフィルタ713の少なくとも1つについて、その交換が必要であるか又はその交換時期が近付いていると判断する。そして、この場合、制御部80は、表示部100に対し、第2警告情報に対応した画像信号を出力する。表示部100は、第2警告情報を表示することにより、運転者に通知する(図3のステップS10)。
【0117】
なお、第1及び第2警告情報は、同一であっても、異なっていてもよい。第1及び第2警告情報が同一である場合、例えば、第1警告情報は連続表示し、第2警告情報は点滅表示することなどにより、それらを区別できるようにする。
【0118】
上述した自動車1では、排ガスを大気へ放出可能に浄化する排ガス浄化装置70aによって浄化された排ガスに含まれるNOの濃度C1をセンサ76bで検知する。即ち、最後尾の排ガス浄化用触媒を通過した排ガスに対して、NO濃度C1の測定を行う。そして、このNO濃度C1に基づいて、排ガス浄化用触媒712及び722並びにディーゼルパーティキュレートフィルタ713の少なくとも1つについて、その性能が十分なレベルを維持しているかを判断する。それ故、この自動車1は、基準値を超える量のNOが実走行で排出される可能性が低い。
【0119】
また、この自動車1では、NO濃度C1と空気流量F1と走行速度V1とから、自動車1が単位走行距離当たりに排出したNOの量E1を算出する。そして、この自動車1では、NO排出量E1と第2設定値とを対比して、排ガス浄化用触媒712及び722並びにディーゼルパーティキュレートフィルタ713の少なくとも1つについて、その性能が十分なレベルを維持しているかを判断する。それ故、この自動車1は、基準値を超える量のNOが実走行で排出される可能性が更に低い。
【0120】
そして、この自動車1では、NO排出量E1が第3設定値に到達する累積走行距離D1を推定し、推定した累積走行距離D1と実際の累積走行距離Dとの差ΔD1を第4設定値と対比して、排ガス浄化用触媒712及び722並びにディーゼルパーティキュレートフィルタ713の少なくとも1つについて、その交換が必要であるか又はその交換時期が近付いているか判断する。それ故、この自動車1は、基準値を超える量のNOが実走行で排出される可能性が更に低い。
【0121】
加えて、この自動車1では、NO排出量E1と第2設定値との対比の結果、排ガス浄化用触媒712及び722並びにディーゼルパーティキュレートフィルタ713の少なくとも1つについて、その性能が十分なレベルを維持していると判断しなかった場合に、運転者等に第1警告情報を通知する。また、この自動車1では、差ΔD1を第4設定値との対比の結果、排ガス浄化用触媒712及び722並びにディーゼルパーティキュレートフィルタ713の少なくとも1つについて、その交換が必要であるか又はその交換時期が近付いていると判断した場合に、運転者等に第2警告情報を通知する。従って、運転者等は、排ガス浄化用触媒等の交換時期を事前に把握でき、それ故、交換時期を逸する可能性が低い。
【0122】
図2に示す排ガス浄化システムでは、図3を参照しながら説明した制御を行う代わりに、以下の制御を行ってもよい。
【0123】
図12は、図2に示す排ガス浄化システムが行う制御の他の例の一部を示すフローチャートである。図13は、図12に一部を示す制御の残りを示すフローチャートである。
【0124】
図12及び図13に示す制御は、以下の点を除き、図3を参照しながら説明した制御と同様である。即ち、図12及び図13に示す制御のもとでは、制御部80は、ステップS4とステップS5との間でステップS11乃至S13を実行し、ステップS6とステップS7との間でステップS14乃至S16を実行する。ステップS11乃至S13は、それぞれ、ステップS1乃至S3と同様である。また、ステップS14乃至S16は、それぞれ、ステップS1乃至S3と同様である。そして、制御部80は、処理部810がステップS5においてYesと判断した場合、ステップS11乃至S13及びS5を含むシーケンスを再度実行する。また、制御部80は、処理部810がステップS9においてYesと判断した場合、ステップS14乃至S16及びS7乃至S9を含むシーケンスを再度実行する。
【0125】
図3に示す制御では、ステップS5及びS9における判断の結果がYesであった場合、ステップS1へと戻る。これに対し、図12及び図13に示す制御では、ステップS5及びS9における判断の結果がYesであった場合、ステップS1へは戻らずに、それぞれ、ステップS11及びS14へ戻る。つまり、後者の制御では、ステップS4における判断の結果がNoであった場合、ステップS4が再度実行されることはなく、また、ステップS5における判断の結果がNoであった場合、ステップS5が再度実行されることはない。このような制御を行った場合も、図3を参照しながら説明した制御を行った場合と同様の効果が得られる。
【0126】
図14は、図2に示す排ガス浄化システムが行う制御の更に他の例の一部を示すフローチャートである。図15は、図14に一部を示す制御の他の一部を示すフローチャートである。
【0127】
図14及び図15に示す制御は、図13に示すステップの代わりに、図14及び図15に示すステップを実行すること以外は、図12及び図13を参照しながら説明した制御と同様である。
【0128】
即ち、図14及び図15に示す制御では、制御部80は、ステップS10の後に、先ず、ステップS17乃至S19を実行する。ステップS17乃至S19は、それぞれ、上述したステップS1乃至S3と同様である。
【0129】
次に、制御部80は、ステップS20乃至S22を実行する。
ステップS20は、第3設定値の代わりに第5設定値を用いて、累積走行距離D1の代わりに累積走行距離D2を推定すること以外は、ステップS7と同様である。第5設定値は、第3設定値と等しくてもよく、異なっていてもよい。後者の場合、第5設定値は、第3設定値よりも小さくてもよく、大きくてもよい。ここでは、一例として、第5設定値は第3設定値と等しいとする。
【0130】
ステップS21は、累積走行距離D1の代わりに累積走行距離D2を用いて、差ΔD1の代わりに差ΔD2(=D2−D)を算出すること以外は、ステップS8と同様である。
【0131】
ステップS22は、差ΔD1及び第4設定値の代わりに差Δ2及び第6設定値をそれぞれ用いること以外は、ステップS9と同様である。第6設定値は、第4設定値よりも小さな値である。ここでは、一例として、第4設定値は20000kmであり、第6設定値は10000kmであるとする。
【0132】
制御部80は、処理部810がステップS22においてYesと判断した場合、ステップS17乃至S22を含むシーケンスを再度実行する。また、制御部80は、処理部810がステップS22においてNoと判断した場合、表示部100に対し、第3警告情報に対応した画像信号を出力する。表示部100は、第3警告情報を表示することにより、運転者に通知する(図15のステップS23)。
【0133】
次に、制御部80は、ステップS24乃至S26を実行する。ステップS24乃至S26は、それぞれ、上述したステップS1乃至S3と同様である。
【0134】
次いで、制御部80は、ステップS27を実行する。ステップS27は、第2設定値の代わりに第7設定値を用いること以外は、ステップS5と同様である。第7設定値は、第2設定値よりも大きな値である。
【0135】
制御部80は、処理部810がステップS27においてYesと判断した場合、ステップS24乃至S27を含むシーケンスを再度実行する。また、制御部80は、処理部810がステップS27においてNoと判断した場合、表示部100に対し、第4警告情報に対応した画像信号を出力する。表示部100は、第4警告情報を表示することにより、運転者に通知する(図15のステップS28)。第4警告情報は、例えば、排ガス浄化用触媒712及び722並びにディーゼルパーティキュレートフィルタ713の少なくとも1つを交換すべきことを表す情報である。
【0136】
この制御によれば、図3を参照しながら説明した制御や、図12及び図13を参照しながら説明した制御と比較して、表示部100により多くの警告画像を表示させる。従って、自動車1において、上記の制御を行うと、基準値を超える量のNOが実走行で排出される可能性が更に低くなるのに加え、排ガス浄化用触媒等の交換時期を逸する可能性が更に低くなる。
【0137】
以上、燃焼機関がディーゼル機関である場合を例に説明したが、燃焼機関は、ガソリン機関などの他の内燃機関であってもよく、外燃機関であってもよい。また、上記の例では、燃焼機関の出力を推進力として利用しているが、燃焼機関の出力を発電に利用し、これによって生じた電力で駆動する他の装置の出力、例えば電動機の出力を推進力として利用してもよい。
【0138】
また、上記の説明では、自動推進車両として四輪自動車を例示しているが、自動推進車両は、四輪自動車以外の車両、例えば、二輪自動車、五輪以上の多輪自動車、移動式重機、鉄道車両、船、又は飛行機であってもよい。
以下に、当初の特許請求の範囲に記載していた発明を付記する。
[1]
自動推進車両に搭載された燃焼機関が排出する排ガスを浄化する排ガス浄化システムであって、
1以上の排ガス浄化用触媒を含み、前記燃焼機関から前記排ガスが供給され、前記排ガスを大気へ放出可能に浄化する排ガス浄化装置と、
前記排ガス浄化装置によって浄化された前記排ガスに含まれる窒素酸化物の濃度を検知するセンサと、
前記センサが検知した前記濃度に基づいて、前記1以上の排ガス浄化用触媒の少なくとも1つについて、その性能が十分なレベルを維持しているかを判断する処理部と
を備えた排ガス浄化システム。
[2]
前記処理部は、前記センサが検知した前記濃度が第1設定値未満であるか又は前記第1設定値以下である場合に、前記1以上の排ガス浄化用触媒の前記少なくとも1つについて、その性能が十分なレベルを維持していると判断する[1]に記載の排ガス浄化システム。
[3]
前記処理部は、或る時間間隔内に前記センサが検知した前記濃度と、前記時間間隔内に前記燃焼機関へ供給した空気の量若しくは流量又は前記時間間隔内に前記燃焼機関が排出した前記排ガスの量若しくは流量と、前記時間間隔内における前記自動推進車両の走行距離又は走行速度とから、前記自動推進車両が単位走行距離当たりに排出した窒素酸化物の量を算出し、この量が第2設定値未満であるか又は前記第2設定値以下であるときに、前記1以上の排ガス浄化用触媒の前記少なくとも1つについて、その性能が十分なレベルを維持していると判断する[1]又は[2]に記載の排ガス浄化システム。
[4]
前記処理部は、2以上の時間間隔の各々について、前記時間間隔内に前記センサが検知した前記濃度と、前記時間間隔内に前記燃焼機関へ供給した空気の量若しくは流量又は前記時間間隔内に前記燃焼機関が排出した前記排ガスの量若しくは流量と、前記時間間隔内における前記自動推進車両の走行距離又は走行速度とから、前記自動推進車両が単位走行距離当たりに排出した窒素酸化物の量を算出し、前記自動推進車両の累積走行距離に対する、前記自動推進車両が単位走行距離当たりに排出した窒素酸化物の量の変化から、前記自動推進車両が単位走行距離当たりに排出する窒素酸化物の量が第3設定値に到達する累積走行距離を推定する[1]乃至[3]の何れかに記載の排ガス浄化システム。
[5]
前記処理部は、推定した前記累積走行距離と実際の累積走行距離との差が第4設定値未満であるか又は前記第4設定値以下である場合に、前記1以上の排ガス浄化用触媒の前記少なくとも1つについて、その交換が必要であるか又はその交換時期が近付いていると判断する[4]に記載の排ガス浄化システム。
[6]
前記処理部における処理の結果を出力する出力部を更に備えた[1]乃至[5]の何れかに記載の排ガス浄化システム。
[7]
前記燃焼機関はディーゼル機関であり、前記1以上の排ガス浄化用触媒は、吸蔵還元触媒、尿素選択還元触媒及び炭化水素選択還元触媒の少なくとも1つを含んだ[1]乃至[6]の何れかに記載の排ガス浄化システム。
[8]
[1]乃至[7]の何れかに記載の排ガス浄化システムを備えた自動推進車両。
【符号の説明】
【0139】
1…自動車;10…車体;20…タイヤ;30…座席;40…ダッシュボード;50…ディーゼル機関;51…シリンダ;52…ピストンヘッド;53…連接棒;54…吸入バルブ;55…排気バルブ;56…燃料噴射ノズル;60…エアフローメータ;70…排気装置;70a…排ガス浄化装置;70b…消音装置;71…触媒コンバータ;72…触媒コンバータ;73…マフラー;74…マフラーカッタ;75a…パイプ;75b…パイプ;75c…パイプ;75d…パイプ;76a…センサ;76b…センサ;80…制御部;90…速度計;100…表示部;711…コンバータボディ;712…排ガス浄化用触媒;713…ディーゼルパーティキュレートフィルタ;721…コンバータボディ;722…排ガス浄化用触媒;810…処理部;820…記憶部。
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