(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、ケーブルコネクタ101と、通信ケーブル110のケーブル束103とを含むケーブルアセンブリ100の一方の端部の前面斜視図である。ケーブルコネクタ101は、一実施形態によって形成された複数のコンタクトモジュール102を含む。コンタクトモジュール102はそれぞれ、信号アセンブリ104と、信号アセンブリ104に結合されたシールドアセンブリ106とを含む。通信ケーブル110はそれぞれ、対応する信号アセンブリ104および対応するシールドアセンブリ106に電気的に結合される。
図示のように、コンタクトモジュール102は、ケーブルコネクタ101の嵌合面115に沿って2次元のコンタクトアレイ118内に位置決めすることができる。ケーブルコネクタ101は、相手コネクタ(図示せず)に嵌合するように構成され、コンタクトモジュール102はそれぞれ、相手コネクタの対応するモジュール(図示せず)に係合することができる。図示の実施形態では、信号アセンブリ104はそれぞれ、第1の信号コンタクト112および第2の信号コンタクト114を含む。信号コンタクト112、114は、シールドアセンブリ106によって少なくとも部分的に取り囲まれる。
【0012】
やはり図示のように、ケーブルコネクタ101は、コンタクトモジュール102を支持するハウジング116を含む。ハウジング116は、コンタクトモジュール102がコンタクトアレイ118内の行列に位置合わせされるように、コンタクトモジュール102を平行に保持する。
図1は、1つの例示的な実施形態を示すが、ハウジング116によって、特定の応用例に応じて様々な配置で、任意の数のコンタクトモジュール102を保持することができる。
【0013】
ケーブルコネクタ101は、相手コネクタに係合するように構成され、相手コネクタは、プリント回路基板に基板実装することができ、または別のケーブルコネクタとすることができる。いくつかの実施形態では、ケーブルコネクタ101は、差動信号方式に合わせて構成された複数の信号経路を含む高速ケーブルコネクタである。たとえば、通信ケーブル110は、毎秒15ギガビット(Gbps)、20Gbps、25Gbps、またはそれ以上のデータ率または速度でデータ信号を伝送するように構成することができる。後述するように、差動対の信号線は、雑音、漏話、および他の干渉を低減させるために、通信ケーブル110に沿って遮蔽される。
【0014】
図2は、コンタクトモジュール102の1つの分離された斜視図であり、
図3は、コンタクトモジュール102の分解図を示す。図示のように、コンタクトモジュール102は、シールドアセンブリ106および信号アセンブリ104を含む。シールドアセンブリ106は、互いに結合するように構成された第1の接地シールド(またはカバーシールド)120および第2の接地シールド(またはベースシールド)122を含むことができる。信号アセンブリ104は、コンタクトモジュール102が組み立てられるとき、第1の接地シールド120と第2の接地シールド122との間に位置付けられる。他の実施形態では、シールドアセンブリ106は、単一の接地シールドのみを含むことができ、または別法として、シールドアセンブリ106は、3つ以上の接地シールドを含むことができる。
【0015】
図3に関して、信号アセンブリ104は、信号コンタクト112、114を保持するように構成された取付けブロック130を含む。取付けブロック130は、前端部152および装入端部154を有し、コンタクトモジュール102の長手方向軸156に沿って前端部152と装入端部154との間に延びる。図示の実施形態では、取付けブロック130は、それぞれ信号コンタクト112、114を保持するように構成されたコンタクトチャネル140、142を有する。コンタクトチャネル140、142は、概して、信号コンタクト112、114を受け入れるために取付けブロック130の上面に沿って開いているが、代替実施形態では他の構成を有することもできる。
取付けブロック130は、信号コンタクト112、114をそれぞれのコンタクトチャネル140、142内に固定するための特徴を含むことができる。たとえば、信号コンタクト112、114は、締まり嵌めによってコンタクトチャネル140、142内に保持することができる。いくつかの実施形態では、取付けブロック130およびコンタクトチャネル140、142は、信号コンタクト112、114のインピーダンス制御を行うように設計される。
【0016】
取付けブロック130は、通信ケーブル110の前方に位置決めされる。
図6に示す信号線250などの通信ケーブル110からの信号線が、取付けブロック130内へ延びてそれぞれ信号コンタクト112、114に終端するように構成される。取付けブロック130は、取付けブロック130内で信号線を案内または位置決めして終端させるような形状である。例示的な実施形態では、信号線は、取付けブロック130内へ装入された後、その場で信号コンタクト112、114に終端される。たとえば、取付けブロック130は、信号コンタクト112、114および信号線を物理的に直接係合するように位置決めすることができる。信号コンタクト112、114は、溶接またははんだ付けなどによって、それぞれの信号線に終端させることができる。
【0017】
例示的な実施形態では、信号コンタクト112、114は、取付けブロック130から前端部152を越えて前方へ延びる。取付けブロック130は、取付けブロック130の両側から延びる位置付けポスト158、160を含む。位置付けポスト158、160は、接地シールド120が取付けブロック130に結合されるとき、接地シールド120に対して取付けブロック130を位置決めするように構成される。
【0018】
信号コンタクト112、114は、導電シート材料から打ち抜いて形成することができ、または他のプロセスによって製造することができる。信号コンタクト112、114はそれぞれ、対応する嵌合端部172と対応する終端端部(図示せず)との間で長さ方向に延びる。信号コンタクト112、114は、終端端部で信号線に終端するように構成される。例示的な実施形態では、信号コンタクト112、114は、嵌合端部172を含むピン166を有する。ピン166は、取付けブロック130の前端部152から前方へ延びる。ピン166は、相手コネクタ(図示せず)の対応する電気コンタクト(図示せず)に嵌合するように構成される。
【0019】
接地シールド120は、信号アセンブリ104を受け取るように構成された第1のチャンバ176を画定する複数の壁181、182、183を有する。接地シールド120は、嵌合端部178と終端端部180との間に延びる。嵌合端部178は、相手コネクタに嵌合するように構成される。図示の実施形態では、接地シールド120の嵌合端部178は、コンタクトモジュール102が組み立てられるとき、信号コンタクト112、114の嵌合端部172に位置決めされ、または信号コンタクト112、114の嵌合端部172を越えて位置決めされる。接地シールド120の終端端部180は、信号コンタクト112、114の終端端部に位置決めされ、または信号コンタクト112、114の終端端部を越えて位置決めされる。接地シールド120は、信号コンタクト112、114の長さ全体に沿って遮蔽を提供することができる。
【0020】
図3に示すように、コンタクトモジュール102は、通信ケーブル110の終端端部に結合された接地フェルール196を含む。接地フェルール196は、通信ケーブル110のドレイン線(図示せず)および/または導体箔(図示せず)に電気的に結合するように構成される。たとえば、接地フェルール196は、ドレイン線にレーザ溶接することができる。接地フェルール196は、シールドアセンブリ106に結合することができる。接地シールド120は、接地フェルール196に結合することができる。たとえば、接地シールド120の終端端部180は、はんだ付けまたは溶接によって接地フェルール196に電気的に接続することができる。
【0021】
接地シールド122は、信号アセンブリ104を受け取る第2のチャンバ188を画定する複数の壁185、186、187を有する。接地シールド122は、嵌合端部190と終端端部192との間に延びる。嵌合端部190は、相手コネクタ(図示せず)に嵌合するように構成される。接地シールド120と同様に、接地シールド122は、信号コンタクト112、114の長さに沿って遮蔽を提供することができる。接地シールド120、122がともに結合されてシールドアセンブリ106を形成するとき、チャンバ176、188は互いに重なりかつ/または同じ空間を占有して、コンタクトモジュール102のコンタクト空胴になる。信号アセンブリ104は、シールドアセンブリ106が信号アセンブリ104の周辺を取り囲むように、コンタクト空胴内に位置決めされるように構成される。
【0022】
図4は、複合テープ200の端面図を示す。複合テープ200は、折り畳まれて遮蔽テープ205を形成するように構成され(
図5に示す)、遮蔽テープ205は次いで、絶縁導体244、246の周りに螺旋状に巻回される(
図6に示す)。
図4に示すように、複合テープ200は、複合テープ200の第1の長手方向エッジ204と第2の長手方向エッジ206との間に延びる横方向エッジ202を含む。横方向エッジ202は、複合テープ200の端部を画定する。第1の長手方向エッジ204および第2の長手方向エッジ206は、
図4で紙面方向に延びる複合テープ200の長さにわたって延びる。横方向エッジ202は、複合テープ200の幅208にわたって第1の長手方向エッジ204と第2の長手方向エッジ206との間に延びる。幅208は、たとえば、約4ミリメートル(mm)〜約20mmとすることができる。例示的な実施形態では、第1の長手方向エッジ204および第2の長手方向エッジ206は、複合テープ200の長さ全体にわたって互いに平行に延びる。
【0023】
複合テープ200は、絶縁層210および導電層212を含む。絶縁層210は、複合テープ200の側面216を含み、導電層212は、複合テープ200の側面218を含む。絶縁層210は、複合テープ200に構造上の完全性を提供し、たとえば引裂きによる損傷から導電層212を保護する誘電体材料を含む。例として、絶縁層210は、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、またはポリエステルを含むことができる。いくつかの実施形態では、絶縁層210の側面216は、接着剤がないものとすることができる。
しかし、他の実施形態では、絶縁層210は、側面216の少なくとも一部分に沿って接着剤を含むことができる。たとえば、側面216は、側面216の全体に沿って接着剤を含むことができる。他の構成では、側面216は、折畳み線217の近傍に接着剤がないものとすることができる。たとえば、折畳み線217は、長手方向エッジ204、206間のほぼ中途に位置付けることができ、または言い換えれば、長手方向エッジ204、206間の中間点に位置付けることができる。側面216は、折畳み線217のいずれかの側の指定の領域に対して接着剤がないものとすることができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、導電層212は、導体箔として特徴付けることができる。導電層212は、アルミニウム、銅などを含むことができる。特定の実施形態では、導電層212には、側面218に沿って接着剤がない。
図4の拡大図に示すように、絶縁層210および導電層212は、それぞれの層厚さ211、213を有する。
【0025】
図5は、部分的に折り畳まれた状態の複合テープ200の端面
図220と、折畳み線217で折り畳まれた後の複合テープ200である遮蔽テープ205の端面
図222とを示す。複合テープ200(または遮蔽テープ205)は、第1の横方向区間224および第2の横方向区間226を含む。第1の横方向区間224および第2の横方向区間226は、それぞれ第1の長手方向エッジ204および第2の長手方向エッジ206を含み、折畳み線217からそれぞれ第1の長手方向エッジ204および第2の長手方向エッジ206へ横方向に延びる。第1の横方向区間224および第2の横方向区間226はそれぞれ、横方向エッジ202の一部分を含む。折畳み線217ならびに第1の横方向区間224および第2の横方向区間226は、複合テープ200に沿って長さ方向に延びる。
【0026】
例示的な実施形態では、第1の横方向区間224および第2の横方向区間226は、複合テープ200のうち、複合テープ200を折り畳んで遮蔽テープ205を形成する前は複合テープ200内で容易に識別されない部分とすることができる。たとえば、複合テープ200は、複合テープ200が第1の長手方向エッジ204と第2の長手方向エッジ206との間で横方向に延びるとき、連続する組成物および均一の横断面を有することができる。第1の横方向区間224および第2の横方向区間226は、複合テープ200が折り畳まれる折畳み線217を判定して初めて明確に示すことができる。
【0027】
他の実施形態では、複合テープ200は、折畳み線217に沿って、構造上の変化および/または組成の変化を含むことができる。そのような実施形態では、第1の横方向区間224および第2の横方向区間226は、折畳み動作前に識別可能とすることができる。たとえば、複合テープ200を折り畳む前に、折畳み線217に沿って複合テープ200の絶縁層210内へ線形の窪みをプレス加工することができる。別法として、複合テープ200は、折畳み線217に沿って延びる凹部または窪みを絶縁層210内に含むように製造することができる。凹部または窪みは、複合テープ200の折畳みを容易にすることができる。
【0028】
第1の横方向区間224は、区間幅225を有し、第2の横方向区間226は、区間幅227を有する。例示的な実施形態では、区間幅225、227は実質上等しく、それにより第1の長手方向エッジ204および第2の長手方向エッジ206が、互いに隣接して位置付けられ、遮蔽テープ205の長さ全体にわたって互いに並んで延びる。より具体的には、長手方向エッジ204、206はともに、遮蔽テープ205の積層エッジ236を形成することができる。他の実施形態では、区間幅225、227は等しいものではなく、それにより第1の横方向区間224または第2の横方向区間226のいずれかが、他方の横方向区間の長手方向エッジを越えて延びる。そのような実施形態について、以下に説明する。
【0029】
遮蔽テープ205が形成されるとき、第1の横方向区間224および第2の横方向区間226は互いに折り畳まれる。完全に折り畳まれたとき、第1の横方向区間224および第2の横方向区間226は、遮蔽テープ205の内部境界面229に沿って延びる。いくつかの実施形態では、第1の横方向区間224と第2の横方向区間226との間に、内部境界面229の少なくとも一部分にわたって、1つまたは複数の空隙が存在することがある。たとえば、遮蔽テープ205内で折畳み線217の近傍に、空隙231が存在することがある。いくつかの実施形態では、第1の横方向区間224および第2の横方向区間226は、内部境界面229の少なくとも一部分にわたって互いに固定することができる。たとえば、絶縁層210は、接着剤を含むことができる。第1の横方向区間224および第2の横方向区間226が互いに折り畳まれるとき、接着剤は、内部境界面229に沿って第1の横方向区間224および第2の横方向区間226を互いに固定することができる。
【0030】
遮蔽テープ205が形成されるとき、導電層212の側面218が、遮蔽テープ205の外部または外層のほぼ全体を形成する。より具体的には、導電層212が、遮蔽テープ205の外面230、遮蔽テープ205の内面232、および遮蔽テープ205の折畳みエッジ234を画定する。折畳みエッジ234は、複合テープ200が折畳み線217で折り畳まれるときに形成される。折畳みエッジ234は、積層エッジ236の反対側に位置する。図示のように、内面232および外面230は、概して反対の方向を向く。内面232は、絶縁導体244、246(
図6)の方を向くように構成される。
【0031】
遮蔽テープ205は、内面232および外面230ならびに折畳みエッジ234に沿って導電性を有する。より具体的には、導電層212は、第1の長手方向エッジ204から折畳みエッジ234まで内面232に沿って連続して延び、折畳みエッジ234から第2の長手方向エッジ206まで外面230に沿って連続して延びる。例示的な実施形態では、内面232および外面230ならびに折畳みエッジ234は、遮蔽テープ205の長さ全体にわたって導電性を有する。したがって、遮蔽テープ205の外部は、積層エッジ236の一部分を除いて導電性を有する。しかし、後述するように、いくつかの実施形態は、対応する遮蔽テープの両方のエッジが導電性を有する遮蔽テープを含むことができる。
【0032】
図6は、遮蔽テープ205を含む通信ケーブル240の側面図である。通信ケーブル240は、コンタクトモジュール102(
図1)などのコンタクトモジュールに電気的に結合するように構成され、ケーブルコネクタ101(
図1)などのケーブルコネクタとともに使用することができる。図示の実施形態では、通信ケーブル240は、ケーブル外被242、遮蔽テープ205、および絶縁導体244、246を含む。ケーブル外被242、遮蔽テープ205、および絶縁導体244、246は、通信ケーブル240の長さに沿って延びることができ、通信ケーブル240の中心軸または長手方向軸290に沿って延びることができる。通信ケーブル240は、可撓性のケーブルとすることができ、したがって、中心軸290は、通信ケーブル240の長さ全体にわたって線形である必要はないことを理解されたい。代わりに、中心軸290は、通信ケーブル240の横断面の幾何学的な中心を通って延びることができる。図示の実施形態では、中心軸290は、絶縁導体244、246が互いに境界または接触をなす接線に沿って延びる。
【0033】
図示の実施形態では、絶縁導体244、246はそれぞれ、対応する絶縁層または外被252によって取り囲まれた信号線250を含む。代替実施形態では、絶縁導体244、246は、絶縁層252を共用することができる。たとえば、信号線250を隔置することができ、絶縁層252を信号線250の両方の周りに形成することができる。信号線250は、信号コンタクト112、114(
図1)などの電気コンタクトに終端するように構成される。
【0034】
いくつかの実施形態では、通信ケーブル240はまた、通信ケーブル240の長さに沿って延びる少なくとも1つの接地導体を含むことができる。たとえば、通信ケーブル240は、内側ドレイン線254および/または外側ドレイン細片256を含むことができる。内側ドレイン線254は、遮蔽テープ205によって取り囲まれる。他方では、外側ドレイン細片256は、遮蔽テープ205の外部に沿って延び、遮蔽テープ205とケーブル外被242との間に位置付けられる。ケーブル外被242は、遮蔽テープ205の周りに巻回されたプラスチックテープとすることができる。別法として、ケーブル外被242は、ケーブル外被242が遮蔽テープ205を取り囲むように押出し成形することができる。
【0035】
図示の実施形態では、遮蔽テープ205は、絶縁導体244、246を直接取り囲んで絶縁導体244、246に係合し、ケーブル外被242は、遮蔽テープ205を直接取り囲んで遮蔽テープ205に係合する。代替実施形態では、ケーブル外被242と遮蔽テープ205との間または遮蔽テープ205と絶縁導体244、246との間に、他の層および/または材料を配置することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、通信ケーブル240は、ツインアキシャルケーブルまたはTwinaxケーブルと呼ばれることがある。たとえば、絶縁導体244、246は、通信ケーブル240の長さに沿って互いに平行に延びることができる。しかし、
図6に示す通信ケーブル240の構成は、通信ケーブル240が有することができる様々な構成の一例にすぎない。たとえば、絶縁導体244、246は、互いに平行に延びないものとすることができ、代わりに、撚線対を形成することができる。他の実施形態では、通信ケーブル240は、単一の絶縁導体のみまたは3本以上の絶縁導体を含むことができる。さらに、通信ケーブル240は、4対など、2対以上の絶縁導体を含むことができる。
【0037】
遮蔽テープ205は、絶縁導体244、246の周りに繰返し巻回される。遮蔽テープ205は、螺旋状に巻回することができ、それにより折畳みエッジ234および積層エッジ236がそれぞれ、中心軸290を取り囲む対応する螺旋を形成する。遮蔽テープ205が絶縁導体244、246の周りに巻回されるとき、遮蔽テープ205は重なる。より具体的には、
図6は、第1の巻回260と、第1の巻回260に重なる第2の巻回262とを示す。互いに対して、第1の巻回260を前の巻回と呼ぶことができ、第2の巻回262を次の巻回と呼ぶことができる。
【0038】
図6で、折畳みエッジ234は遮蔽テープ205の前縁であり、それにより、遮蔽テープ205が絶縁導体244、246の周りに螺旋状に巻回されるとき、折畳みエッジ234は遮蔽テープ205に先行する。積層エッジ236は後縁である。例として、遮蔽テープ205の第2の巻回262が絶縁導体244、246の周りに巻回されるとき、第2の巻回262の先行部分264が、絶縁導体244、246を取り囲む。先行部分264は、折畳みエッジ234を含む。折畳みエッジ234は、絶縁導体244、246を直接取り囲むことができ、それにより折畳みエッジ234は、絶縁性導体244、246に係合し、または絶縁性導体244、246間に存在するわずかな間隙に係合する。加えて、遮蔽テープ205の第2の巻回262が絶縁導体244、246の周りに巻回されるとき、第2の巻回262の後続部分266は、第1の巻回260の上に延びて第1の巻回260を覆う。後続部分266は、積層エッジ236を含む。積層エッジ236は、第1の巻回260の上に延びて第1の巻回260に係合する。
【0039】
遮蔽テープ205は、シールド幅268を有する。いくつかの実施形態では、
図6に示す第2の巻回262などの次の巻回は、前の巻回のシールド幅268の多くとも2分の1に重なる。例示的な実施形態では、次の巻回は、シールド幅268の2分の1未満に重なる。たとえば、次の巻回は、シールド幅268の約3分の1に重なることができる。しかし、他の実施形態では、次の巻回は、前の巻回のシールド幅268の3分の1未満に重なることができ、またはシールド幅268の2分の1を超えて重なることができる。
【0040】
図7は、通信ケーブル240の側面断面図である。
図7には絶縁導体244のみを示すが、絶縁導体246(
図6)は絶縁導体244に隣接して位置決めされ、やはり遮蔽テープ205によって取り囲まれる。遮蔽テープ205は、絶縁導体244、246の周りに複数回巻回され、それにより遮蔽テープ205の複数の巻回271、272、273が形成される。
図7には、各巻回271〜273の一部分のみを示す。互いに対して、巻回271は前の巻回であり、巻回272は次の巻回である。互いに対して、巻回272は前の巻回であり、巻回273は次の巻回である。遮蔽テープ205は、内面232が絶縁導体244、246の方を向くように、絶縁導体244、246の周りに螺旋状に巻回される。特定の実施形態では、内面232は、絶縁導体244、246に直接係合する。
【0041】
遮蔽テープ205の次の巻回はそれぞれ、前の巻回の一部分に重なる。たとえば、巻回272の内面232は、巻回271のはみ出し部分284に重なる。巻回272の内面232は、巻回271の外面230に係合する。巻回272のうち、巻回271に重なる部分を、巻回272の重なり部分286と呼ぶことができる。特定の実施形態では、遮蔽テープ205は、遮蔽テープ205が絶縁導体244、246の周りに螺旋状に巻回されるとき、遮蔽テープ205自体に一定に重なる。内面232および外面230はそれぞれ、導電層212の一部分であり、したがって導電性を有する。したがって、遮蔽テープ205は、重なり領域275に沿って遮蔽テープ205自体に電気的に結合する。
【0042】
従来の遮蔽テープとは異なり、折畳みエッジ234は、重なっている巻回を互いから電気的に分離しない。導電層212は、折畳みエッジ234を含む。したがって、導電経路280(一連の矢印で示す)は、通信ケーブル240の長さに沿って連続して延びることができる。特定の実施形態では、導電経路280は、前の巻回の内面232と、前の巻回の折畳みエッジ234のエッジ表面282の少なくとも一部分と、任意選択で前の巻回の外面230の一部分とを含む。次いで導電経路280は、次の巻回の内面232の一部分内へ延びる。導電経路280を示す矢印は、1つの方向を向いているが、導電経路280は、反対の方向に電気エネルギーを伝えることもできることを理解されたい。
【0043】
いくつかの実施形態では、絶縁層210のうち、折畳み線217の近傍に位置付けられた部分は、前の巻回の第1の横方向区間224および第2の横方向区間226を互いから偏らせまたは屈曲させる屈曲力292(両方向の矢印によって示す)を提供する。いくつかの実施形態では、屈曲力292は、はみ出し部分284に沿って、かつ/または折畳みエッジ234の近傍で、空隙231を引き起こし、遮蔽テープ205のシールド厚さ294を実質的に増大させることができる。屈曲力292は、絶縁層210の特性に基づいて生じることができる。たとえば、絶縁層210は、折り畳まれるのに抵抗することができる。この抵抗が屈曲力292であり、折畳み線217付近で最大になり、それによって空隙231を提供することができる。そのような実施形態では、屈曲力292は、重なり領域275に沿って、前の巻回の外面230と次の巻回の内面232との間の電気コンタクトを容易にすることができる。
【0044】
図8は、従来の通信ケーブル(線406で示す)および
図8に線408で示す通信ケーブル240(
図6)に対する挿入損失と伝送周波数の関係を示すグラフ400を含む。従来の通信ケーブルは、従来の遮蔽テープによって螺旋状に巻回されたツインアキシャルケーブルである。上記のように、従来の遮蔽テープは、前の巻回の導体箔と次の巻回の導体箔を分離し、それによって吸い出し作用をもたらす。
図8に示すように、従来の通信ケーブルの挿入損失は、16ギガヘルツ(GHz)を上回る周波数で著しく増大する。しかし、通信ケーブル240の挿入損失は、16GHz後もそれほど増大しない。したがって、通信ケーブル240は、従来の通信ケーブルに比べて改善された電気性能を提供することができる。たとえば、25GHzにおける通信ケーブル240の挿入損失は、16GHzにおける従来の通信ケーブルの挿入損失より小さい。いくつかの実施形態では、通信ケーブル240は、挿入損失を約25デシベル未満にしながら、少なくとも20GHzのデータ率で伝送することが可能である。より具体的な実施形態では、通信ケーブル240は、挿入損失を約25デシベル未満にしながら、少なくとも25GHzのデータ率で伝送することが可能である。
【0045】
したがって、本明細書に記載の実施形態は、吸い出し作用を低減させて、螺旋状に巻回した遮蔽を含む従来のケーブルより大きいデータ率を可能にすることができる。さらに、本明細書に記載の実施形態は、螺旋状に巻回した遮蔽を含む。したがって、実施形態は、やはり螺旋状に巻回した遮蔽を有する従来のケーブルの柔軟性と同様の柔軟性を有することができる。
【0046】
図9は、遮蔽テープ300の側面断面図である。遮蔽テープ300は、複合テープ200(
図4)と同様または同一とすることができる複合テープ301から形成することができる。複合テープ301(または遮蔽テープ300)は、互いに折り畳まれて折畳みエッジ306に沿ってつながった第1の横方向区間302および第2の横方向区間304を含む。遮蔽テープ300は、絶縁層310および導電層312を含む。遮蔽テープ300が折り畳まれた後、第1の横方向区間302および第2の横方向区間304は、それぞれ遮蔽テープ300の内面314および外面316ならびに折畳みエッジ306を形成する。導電層312は、内面314、外面316、および折畳みエッジ306を画定する。
【0047】
第1の横方向区間302および第2の横方向区間304は、それぞれ複合テープ301の第1の長手方向エッジ320および第2の長手方向エッジ322を含む。第1の横方向区間302および第2の横方向区間304は、それぞれ等しくない区間幅303、305を有する。区間幅303、305は、折畳みエッジ306からそれぞれの長手方向エッジ320、322までの間で測定される。
図9に示すように、区間幅303は、区間幅305より大きくすることができ、それにより第1の長手方向エッジ320および第2の長手方向エッジ322が、互いに対してずれる。より具体的には、第1の長手方向エッジ320は、距離または隙間324だけ、第2の長手方向エッジ322を越えて延びる。第2の長手方向エッジ322は、第1の長手方向エッジ320より折畳みエッジ306の近くに位置付けられる。
【0048】
遮蔽テープ205(
図5)と同様に、遮蔽テープ300は、前の巻回に次の巻回が重なるように、絶縁導体(図示せず)の周りに螺旋状に巻回されるように構成される。いくつかの実施形態では、遮蔽テープ300は、距離324に対応する重なり部分311を含む。距離324は、前の巻回のはみ出し部分(図示せず)の距離に合わせて構成することができる。たとえば、距離324は、はみ出し部分の距離よりわずかに大きくすることができる。そのような実施形態では、遮蔽テープ300の全体的な厚さを低減させることができる。
【0049】
図10は、複合テープ354から形成された遮蔽テープ350の側面断面図である。複合テープ354は、複合テープ200(
図4)と同様または同一とすることができる。複合テープ354は、互いに対して折り畳まれた第1の横方向区間351、第2の横方向区間352、および第3の横方向区間353を含む。複合テープ354は、絶縁層360および導電層362を含む。図示のように、第1の横方向区間351および第2の横方向区間352は、互いに折り畳まれて、第1の折畳みエッジ356を形成する。第1の横方向区間351および第3の横方向区間353は、互いに折り畳まれて、第2の折畳みエッジ358を形成する。導電層362は、第1の折畳みエッジ356および第2の折畳みエッジ358を画定する。やはり図示のように、第2の横方向区間352は、長手方向エッジ364を含み、第3の横方向区間353は、長手方向エッジ366を含む。長手方向エッジ364、366は、第1の横方向区間351より上に位置付けられ、間隙368によって互いから分離される。
【0050】
図11は、複合テープ374から形成された遮蔽テープ370の側面断面図である。複合テープ374は、複合テープ200(
図4)と同様または同一とすることができる。複合テープ374は、互いに対して折り畳まれた第1の横方向区間371、第2の横方向区間372、および第3の横方向区間373を含む。遮蔽テープ370は、絶縁層380および導電層382を含む。図示のように、遮蔽テープ350の第1の横方向区間371および第2の横方向区間372は、互いに折り畳まれて、第1の折畳みエッジ376を形成する。第1の横方向区間371および第3の横方向区間373は、互いに折り畳まれて、第2の折畳みエッジ378を形成する。導電層382は、第1の折畳みエッジ376および第2の折畳みエッジ378を画定する。やはり図示のように、第2の横方向区間372は、長手方向エッジ384を含み、第3の横方向区間373は、長手方向エッジ386を含む。長手方向エッジ384は、第1の横方向区間371より上に位置付けられる。しかし、第3の横方向区間373は、第2の横方向区間372に重なり、それにより長手方向エッジ386が、第2の横方向区間372より上に位置付けられる。