【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、独立請求項の主題にしたがって達成される。好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
【0009】
したがって、本発明の基本思想は、磁気要素を有するシャフトを軸受装置を介してハウジング部に回転可能に取り付け、かつ当該ハウジング部に磁気要素と協働する磁界センサを取り付けることにより、ハウジング部に対するシャフトの現在の回転角度位置を磁界センサによって求められるようにすることである。磁界センサがハウジング部に固定取付され、かつ磁気要素が、シャフトおよび軸受装置を介して、磁界センサを含むハウジング部に対してよく規定された位置に配置されるため、ハウジング部に対する求めたい回転角度位置を、比較的シンプルな構造的構成に関わらず、非常に高い精度で求めることができる。
【0010】
ここで示すアセンブリは、したがって、ハウジング部に回転可能に支持されたシャフトを提示し、それによりハウジング部に対するシャフトの回転角度を正確に求めることが可能となる一方、必要な製造コストは低い。
【0011】
本発明に係る制御装置のアセンブリは、ハウジング部と、ハウジング部とは別体の軸受装置によってハウジング部に回転可能に支持されたシャフトとを備える。磁界センサがハウジング部に取り付けられており、当該磁界センサは、シャフトに回転一体的に取り付けられた磁気要素と、ハウジング部に対するシャフトの回転角度位置を求めるために協働する。このために、磁界センサは、シャフトの回転運動によって生じる、磁気要素が作る磁界の変化を検出する。
【0012】
好ましい実施形態では、軸受装置および磁界センサは、同じハウジング部に取り付けられている。これにより、磁界センサと軸受装置が別々のハウジング部に設けられる従来の構成に比べて、磁界センサに対するシャフトの位置決め精度が大幅に改善され得る。
【0013】
別の好ましい実施形態では、磁界センサに対向するシャフトの軸方向端部は、軸受装置を介してハウジング部に回転可能に取り付けられていてもよい。この構成により、シャフトが磁気要素の領域においてハウジング部に取り付けられ、磁気要素が磁界センサに対して正確に位置合わせされ得る。
【0014】
特に好適には、磁気要素は、磁界センサに対向するシャフト端面に設けられていてもよい。この構成により、磁気要素と磁界センサとの間において特に高度な磁気結合が実現される。そして、このことは、ハウジング部に対するシャフトの現在の回転角度位置を求める精度の改善につながる。
【0015】
磁界センサがハウジング部の壁部の内側に設けられかつ磁気要素から離間していることにより、磁気要素が作る磁界が当該磁界センサによって特に正確に測定され得る。この変形例では、磁界センサの横方向の位置合わせは、シャフトの仮想延長直線が磁界センサにぶつかるように、シャフトの軸方向に対して交差する方向において行われる。
【0016】
別の好ましい実施形態によると、軸受装置は、スリーブ状に構成されてシャフトを挿通可能な軸受要素を有する。これにより、シャフトの軸受装置における取付けがシンプル化され、当該取付けにおいて実現可能な位置決め精度の望ましくない低下が生じない。
【0017】
製造におけるコスト的利点が別の好ましい実施形態において実現可能であり、当該実施形態によると、軸受装置は、正確に1つの軸受要素を有しており、そのため、シャフトは、1つのスリーブ状の軸受要素を介してハウジング部に取り付けられる。しかしながら、軸方向に互いに離間して設けられてハウジング部に固定される2つまたはそれ以上の軸受要素を使用することも考えられる。また、追加的なハウジング部に固定される別の軸受要素を設けることも考えられる。
【0018】
磁気要素をシャフトに対して永続的かつ安定的に固定するために、別の好ましい実施形態では、磁界センサに対向するシャフトの端面に凹部を形成することが提示され、当該凹部には、磁気要素の少なくとも一部、好ましくは全体が収容可能であり、または収容される。
【0019】
別の好ましい実施形態では、軸受装置は、ポット状に構成されて磁気要素を包む、したがって当該磁気要素を部分的に囲む軸受要素を有する。好ましくは、磁気要素は、凹部に収められていてもよい。この構成により、磁気要素が電気フラッシュオーバーから保護される。
【0020】
特に好ましくは、ポット状の軸受要素は、軸方向において磁気要素と磁界センサとの間に設けられたポット基部を有する。ポット基部は、好ましくは、軸受要素と一体形成されている。この変形例は、特にシンプルに製造できる。
【0021】
有利な別の態様では、ポット基部は、磁気要素が設けられた凹部を覆っている。これにより、磁界センサが、電気フラッシュオーバーに対して、またそれに関連する何らかの損傷や破壊に対して効果的に保護され得る。
【0022】
別の好ましい実施形態では、軸受装置は、シャフトの回転軸に沿った縦断面において、第1および第2凹部を含むH字状の形状を有する軸受要素を有する。2つの凹部は、磁気要素または磁界センサを収容するのに役立つ。2つの凹部は、回転軸を介して規定される軸方向に沿って互いに反対側に位置している。第1凹部内では、シャフトが磁気要素と共に回転可能に支持されている。磁界センサは、第2凹部内に収容されている。これにより、磁界センサは、電気フラッシュオーバーに対して、またそれに関連する損傷やさらには破壊に対して特に効果的に保護され得る。
【0023】
特に好適には、軸受要素は、ハウジング部の壁部の領域に載っていてもよく、第2凹部内に配置された磁界センサを取り囲んでいる。この変形例では、ハウジング部は、軸受要素に対する軸方向ストッパの機能を果たす。したがって、軸受要素が、ハウジング部に対して特に正確に位置決めされ得る。
【0024】
特に好ましくは、ハウジング部は、射出成形部品として構成されている。これにより、ハウジング部を合成樹脂から好ましいコストで製造することができ、当該ハウジング部にはアセンブリの別の構成要素、特に軸受装置(好ましくは、同様に合成樹脂から作られる)、および/または磁界センサ、および/または磁気要素が圧入によって固定されてもよい。
【0025】
したがって、鋳造による、接着による、打抜接続による、または溶接接続による磁界センサのハウジング部への固定が、特に好適なものとして推奨される。これらの固定方法の全てが、永続的な固定と、同時に低コストな実施とを実現する。
【0026】
軸受装置の軸受要素のハウジング部への永続的かつ特に安定した固定は、軸受要素が、軸受装置に対して相補的な態様で構成されたハウジング部のハウジング壁部に収容される場合に実現可能である。
【0027】
特に好ましくは、上記ハウジング壁部は、リングセグメント状の形状を有するリング状ウェブの態様で構成されており、当該ウェブには軸受要素が収容可能である。そのようなリングセグメントの態様で構成されたウェブに収容された状態において、軸受要素の外周面は、リング状ウェブの内周面に対して面接触し得る。そのようなケースでは、スリーブ状の軸受要素が、リングセグメント状の形状を有するウェブによって部分的に囲まれる。
【0028】
別の好ましい実施形態では、磁界センサは、回転シャフトの軸方向におけるハウジング部の平面視において、上記リングセグメント状の形状を有するウェブによって覆われないように、ハウジング部に設けられる。これにより、ハウジング部への当該センサの取付けが容易になる。なぜなら、軸受要素をハウジング部に挿入する前に、当該センサを配置および固定できるためである。
【0029】
あるいは、リングセグメントは、閉じたものとして実現されていてもよい。この場合、横向き開口が当該リングセグメントの下に形成され、当該開口を介して磁界センサがリングセグメントの下に配置および固定されてもよい。そのような開口は、例えば、引抜きタイプおよび/または横方向スライドによる射出成形プロセスによるハウジング部の製造中に形成されてもよい。
【0030】
特に好適には、磁界センサに対する磁気要素の軸方向距離は、最大で20mm、好ましくは最大で5mmである。それに代えてまたは加えて、磁界センサに対する軸受要素の軸方向距離は、最大で30mm、好ましくは最大で20mmである。両構成とも、個々にあるいは組み合わされて、磁界センサからさほど離れていない位置における磁気要素の正確な位置決めを促進する。このことが、ハウジング部に対するシャフトの求めたい回転角度を求める精度の向上につながる。
【0031】
特に好ましくは、軸受装置、特に軸受要素は、圧入によってハウジング部に固定されてもよい。これにより、製造コストがさらに低減される。なぜなら、軸受装置、特に軸受要素をハウジング部に固定するための複雑な構成が省略されるためである。
【0032】
あるいは、圧入による、打抜接続による、または形状適合、特にハウジング部に固定される少なくとも1つのスナップフックによる軸受装置、特に軸受要素の固定が推奨される。
【0033】
本発明は、また、上述したアセンブリを少なくとも1つ備えた、自動車用の排気ガスターボチャージャの可変タービンジオメトリまたはウェイストゲート装置の制御装置に関する。
【0034】
本発明は、また、上述したアセンブリを少なくとも1つ備えた、自動車用の排気再循環システムの弁装置の制御装置に関する。
【0035】
本発明は、また、上述したアセンブリを少なくとも1つ備えた、自動車用の特に外気システムのフラップ弁の制御装置に関する。
【0036】
本発明は、また、アセンブリ、特に上述したアセンブリを製造するための方法に関する。
【0037】
方法ステップa)では、軸受要素を収容するためのリングセグメント状の形状を有するウェブとして構成されたハウジング壁部が設けられたハウジング部が提供される。別の方法ステップb)では、磁界センサが、リングセグメント状のウェブを通して、したがって当該ウェブによって部分的に囲まれた貫通開口を通して案内され、そしてハウジング部上に配置される。
【0038】
別のステップc)では、軸受要素が、好ましくは圧入によって、ハウジング部のハウジング壁部に取り付けられる。
【0039】
したがって、ウェブのリングセグメント状の形状によると、軸受要素をハウジング部に取り付ける前に、磁界センサを取り付けることができる。これにより、アセンブリの組立てが容易になる。
【0040】
有利な別の態様では、磁気要素を含むシャフトの一部が、軸受装置に設けられた貫通開口に挿通される。これは、シャフトが軸方向端部を介してハウジング部に回転可能に取り付けられるように、かつ磁界センサが、軸受装置に挿通されて、ハウジング部に対するシャフトの回転角度位置を求めるために磁気要素と協働するようになされる。
【0041】
特に好ましい実施形態では、本発明に係る方法は、方法ステップa)よりも前に実行され、ハウジング部に測定ユニットを固定するステップa0)を含む。この変形例では、測定ユニットは、したがって、軸受装置を取り付ける前にハウジング部に事前取付けされる。したがって、測定ユニットは、ハウジング部に軸受装置およびシャフトを取り付ける前に、操作者にとって容易にアクセス可能な態様で電気配線されてもよい。
【0042】
好ましい実施形態では、ハウジング部への測定ユニットの固定は、ハウジング部周りにおける好ましくは合成樹脂による射出によってなされる。
【0043】
有利な別の態様では、方法は、ステップb)またはc)の後に実行され、磁界センサを測定ユニットに電気的に接続するステップx)を含む。
【0044】
好ましくは、ハウジング部は、合成樹脂射出法によって製造される。これにより、製造コストが低減される。なぜなら、特に、軸受装置または磁界センサなどのアセンブリの中心的な構成要素が、圧入によって、または鋳造によって、接着によって、打抜きによって、もしくは溶接接続によってハウジング部に固定され得るためである。
【0045】
本発明の別の重要な特徴および利点は、従属請求項から、図面から、および図面を参照した関連する図の説明から明らかになるだろう。
【0046】
上述したあるいは後述する特徴は、それぞれに示される組合せにおいてのみでなく、本発明の範囲を逸脱することなく、その他の組合せにおいてあるいは単独でも利用可能であることを理解されたい。