(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ワークの特性検査部は、テーブルベースに設けられテーブルベースに向ってワークを吸引する吸引通路と、吸引通路内の真空度を計測する真空度計測手段と、真空度計測手段により計測された真空度が予め規定された真空度よりも低い場合に、制御部によりワーク収納孔内のワークを排出する強制排出手段とを更に有することを特徴とする請求項1記載のワークの特性測定装置。
前記ワークの特性測定工程は、テーブルベースに設けられた吸引通路によりテーブルベースに向ってワークを吸引する吸引工程と、吸引通路内の真空度を計測する真空度計測工程と、真空度計測工程により計測された真空度が予め規定された真空度よりも低い場合に、制御部によりワーク収納孔内のワークを排出する強制排出工程とを更に有することを特徴とする請求項4記載のワークの特性測定方法。
【背景技術】
【0002】
従来から、回転自在の搬送テーブルに形成される複数のワーク収納孔に電子部品等のワークを個別に収納して搬送するワーク特性測定装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載のワーク搬送装置の平面図を
図28に示す。ワーク搬送装置100は、水平なテーブルベース101の上に配置された回転自在の搬送テーブル102を有する。
【0004】
搬送テーブル102の外周部には、
図29に示すチップ形電子部品等のワークW0を個別に収納する複数のワーク収納孔103が形成されている。搬送テーブル102は、図示されない駆動機構の作用により、中心軸104の周囲に時計回り(矢印A方向)に間歇回転する。また、後述する分離供給部107に位置するワーク収納孔103を除いて、ワーク収納孔103の上面はテーブルカバー105により覆われている。
【0005】
ワークW0の斜視図を
図29に示す。ワークW0は発光ダイオード(LED)であり、上面に発光面W0sを有する直方体形状の本体W0xと、本体W0xから長手方向の前方および後方へ突出するリード端子W0a、W0bとを有している。
【0006】
ワークW0を
図29におけるE0方向、F0方向、G0方向、H0方向から見た図を、それぞれ
図30(a)(b)(c)(d)に示す。
図30(a)(c)に示すように、リード端子W0a、W0bはそれぞれ本体W0xの後方面W0c、前方面W0dから突出し、それらの底面は本体W0xの底面に一致する。ワークW0の内部回路を
図31に示す。内部回路は発光ダイオードD0であり、リード端子W0aがアノード、リード端子W0bがカソードである。リード端子W0a、W0bの間にW0aが高電位になるように電圧を印加すると、発光ダイオードD0が発光する。
【0007】
この時、外観上は
図29における発光面W0sが発光する。なお、発光面W0sは
図30(b)(c)に示すように、本体W0xの上面W0tよりもわずかにへこんでいる。市販されている発光ダイオードの例として、
図29に示す本体W0xの縦X0が3mm、横Y0が5mm、高さZ0が1mm、リード端子W0aおよびW0bの突出部の長さjが0.3mm、高さkが0.25mmのものがある。
【0008】
図29に示すワークW0は、
図28に示すワーク搬送装置において、直線形状のリニアフィーダ106の振動の作用によって一列で矢印B方向に搬送される。この時、
図29に示すリード端子W0bが
図28に示す矢印B方向に位置するようになっている。リニアフィーダ106の終端部は搬送テーブル102の外周部に形成されたワーク収納孔103の開口部に対向しており、そこには分離供給部107が設けられている。リニアフィーダ106上を一列状態で搬送されたワークW0は、分離供給部107において分離されて、搬送テーブル102の外周部に形成されたワーク収納孔103に個別に収納される。そして、搬送テーブル102の
図28における矢印A方向の間歇回転によって搬送される。
【0009】
搬送テーブル102の外周部には、間歇回転方向(矢印A方向)に沿って第1検査部108、第2検査部109、排出部110がこの順に設置されている。第1検査部108において、ワークW0の電気特性検査が行われる。その様子を
図28のC−C´断面図として、
図32乃至
図34に示す。
【0010】
図32において、搬送テーブル102は停止し、第1検査部108にワークW0が位置している。第1検査部108において、リード端子W0a、W0bの直下位置のテーブルベース101内には、プローブP0a、P0bが配置されている。そして、図示されない駆動機構の作用により、プローブP0a、P0bは
図33に示すように、リード端子W0a、W0bに向けて矢印K1方向に進出する。そして、プローブP0a、P0bはリード端子W0a、W0bに当接した状態でワークW0を押し上げ、ワーク収納孔103の上面を覆っている第1検査部カバー108aの下面108asにワークW0の上面W0tが当接した状態で停止する。この状態で、プローブP0a、P0bは図示されない測定器に接続され、ワークW0の電気特性を測定する。
【0011】
その後、
図34に示すように、図示されない駆動機構の作用により、プローブP0a、P0bは矢印K2方向に退出して、
図32に示す状態に戻る。そして、搬送テーブル102が間歇回転して、ワークW0は搬送される。その後、ワークW0は第2検査部109に到達して、第1検査部108とは異なる検査項目について検査を実施する。そして、排出部110に到達して、図示されない排出手段により、ワーク収納孔103から排出される。
【0012】
以上のような、従来技術によるワーク搬送装置100には、以下の問題点がある。
図33に示すように、ワークW0の電気特性測定に際して、プローブP0a、P0bはリード端子W0a、W0bに当接した状態でワークW0を押し上げ、ワーク収納孔103の上面を覆っている第1検査部カバー108aの下面108asにワークW0の上面W0tが当接した状態で停止する。この状態で測定を実施する理由は、ワークW0を固定した状態でプローブP0a、P0bとリード端子W0a、W0bとを当接させることによって、プローブP0a、P0bがリード端子W0a、W0bに十分に大きな圧力で当接して接触抵抗が低減し、測定精度を確保することができるためである。
【0013】
ところで、
図29に示すワークW0の本体W0xは、押圧により傷を生じにくい高硬度部である誘電体により覆われている。このため、その上面W0tが
図33に示すように第1検査部カバー108aの下面108asに当接しても、その後で
図34に示すように離間すれば、本体W0xの上面W0tに傷を生じることはない。
【0014】
これに対して、
図29に示す発光面W0sは、押圧により傷を生じやすい低硬度部である樹脂により形成されており、第1検査部カバー108aの下面108asに当接した場合、その後
図34に示すように離間しても、
図29に示す発光面W0sに傷を生じてしまう。
【0015】
一般に
図29に示すワークW0の場合には、
図30(b)(c)に示すように、発光面W0sは本体W0xの上面の内部に形成され、かつ上面よりもわずかにへこんでいるので、発光面W0sが第1検査部カバー108aの下面108asに当接することはない。
【0016】
しかしながら、発光ダイオードの中には、発光する部分(以下発光部)が
図29のワークW0における発光面W0sのような平面形状ではなく、ワークの上面からさらに上方に突出している立体形状のものがある。また、発光部がさらに上面の周囲を覆って四方に突出している形状のものもある。その場合には、測定の際にワークを固定するときに、
図33に示すような従来技術による固定方法を採用すると、押圧されることによって発光部に傷を生じてしまう。
【0017】
他方、この状態を回避するためにワークをワーク収納孔103内に置いたまま、固定しない状態でプローブをワークの端子に当接させると、プローブをワークの端子に十分に大きな圧力により当接させることができなくなる。このため、プローブとワークの端子との間の接触抵抗が大きくなり、測定精度が確保できなくなる。また、低硬度部である発光部をどこにも当接させずに、高硬度部である本体だけをワーク収納孔103の周囲のどこかに当接させて固定することはむずかしく、また当接させることができる範囲が狭くなる。さらに、このように固定する際にワークの高硬度部のみを押圧すると、押圧力が狭い範囲に印加されるためにワークの姿勢が傾く等の異常が生じて、正しい測定ができなくなるおそれがある。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について述べる。
【0031】
はじめに本発明によるワーク特性測定装置により測定されるワークW1について述べる。まずワークW1の斜視図を
図2に示す。ワークW1は発光ダイオード(LED)であり、本体W1xと、本体W1xの下面に形成される電極W1a、W1bと、発光体W1pとからなる。ワークW1を
図2におけるE1方向、F1方向、G1方向、H1方向から見た図を、それぞれ
図3(a)(b)(c)(d)に示す。
図3(a)(b)(c)に示すように、発光体W1pは本体W1xの上面を覆い、かつ当該上面よりも上方に突出した形状をもつ。
【0032】
そして、発光体W1pは本体W1xとの境界部分において、本体W1xの周囲にわずかに突出する縁部W1eを有する。また、
図3(c)(d)に示すように、本体W1xの下面には極めて薄い電極W1a、W1bが形成されている。本体W1xは押圧により傷を生じにくい高硬度部である誘電体により覆われており、これにより本体W1xは高硬度部W1xを構成する。これに対して発光部W1pは押圧により傷を生じやすい低硬度部である樹脂により形成されている。これにより発光部W1pは低硬度部W1pを構成する。
【0033】
ワークW1の内部回路を
図4に示す。内部回路は発光ダイオードD1であり、電極W1aがアノード、電極W1bがカソードである。電極W1a、W1bの間にW1aが高電位になるように電圧を印加すると、発光ダイオードD1が発光する。このとき、外観上は
図2における発光体W1pが発光する。また、
図3(d)に示すように、電極W1aにはアノードであることを示すアノードマークW1arが半円形の切欠きとして形成されている。
【0034】
市販されている発光ダイオードの例として、
図2に示す本体W1xの幅X1が1.5mm〜2.0mm、長さY1が2.0mm〜2.5mm、高さZ1が0.7〜1.0mm、
図3(b)に示す本体幅X1aが1.5mm〜1.7mm、本体高さZ1aが0.2〜0.4mm、電極の厚さZ1eが0.05mm程度、
図3(c)に示す本体長さY1aが2.0mm程度のものがある。
【0035】
次に図面を参照して本発明によるワークの特性測定装置100について述べる。
【0036】
図1および
図5に示すように、ワークの特性測定装置100は高硬度部W1xと低硬度部W1pを
有するワークW1の特性を測定するものであり、テーブルベース1と、テーブルベース1上に回転自在に設置された搬送テーブル2とを備えている。また搬送テーブル2の外周縁に沿って、複数のワーク収納孔3が設けられている。また各ワーク収納孔3はワークW1を収納するものであり、外方へ開口する開口部30と、開口部30に対向する奥面壁3siと、ワーク収納孔3の両側面となる左壁面3sf1および右壁面3sf2とを有している。
【0037】
なお後述のようにワーク収納孔3の奥面壁3siは、後述するテーブルチップ5の押圧面5sとともに、ワーク収納孔3の内壁を構成する。
【0038】
また搬送テーブル2は、図示されない駆動機構の作用により、中心軸4の周囲に時計回り(矢印A方向)に間歇回転する。そして、搬送テーブル2のワーク収納孔3が形成された位置におけるテーブルベース1側の面には、各ワーク収納孔3から見て中心軸4の側に隣接する位置に、搬送テーブル2に組込まれたテーブルチップ5が形成されている。
【0039】
また
図1において、搬送テーブル2に向けて直線状のリニアフィーダ6が配置されている。リニアフィーダ6は図示されない駆動機構の作用により振動し、ワークW1を一列状態で搬送テーブル2に向けて、矢印B方向に搬送する。リニアフィーダ6の終端部は搬送テーブル2の外周縁に形成されたワーク収納孔3の開口部に対向し、そこに分離供給部7が配置されている。分離供給部7は、リニアフィーダ6により搬送されたワークW1をワーク収納孔3に個別に供給する機能を有する。
【0040】
また
図1に示すように、搬送テーブル2の外周部に分離供給部7から搬送テーブル2の回転方向(矢印A方向)に沿って、ワークW1の上面を撮像して外観検査を行う第1画像検査部8、ワークW1の下面を撮像して外観検査を行う第2画像検査部9、ワークW1の光特性および電気特性の検査を行う測定手段としての光電気特性検査部10、前記各検査の結果が不良であったワークW1をワーク収納孔3から排出する不良品排出部11、前記各検査の結果が良品であったワークW1をワーク収納孔3から排出する良品排出部12が、この順に配置されている。
【0041】
なお、搬送テーブル2のワーク収納孔3の上面および搬送テーブル2の外側は、上記の分離供給部7、第1画像検査部8、第2画像検査部9、光電気特性検査部10、不良品排出部11、良品排出部12を除いて、それぞれテーブルカバー13およびテーブルガイド14により覆われている。
【0042】
光電気特性検査部(特性検査部)10における搬送テーブル2の外側には、図示されない駆動機構の作用によりワーク収納孔3の開口部に向けて、矢印M1およびM2方向に進退自在のプッシャ15が配置されている。プッシャ15は、光電気特性検査部10においてワーク収納孔3内のワークW1の検査を行う際に、ワークW1を押圧するワーク固定手段としての機能を有する。
【0043】
また、搬送テーブル2の上側かつ光電気特性検査部10の近傍には、図示されない駆動機構の作用により
図1に示す待機位置と光電気特性検査部10直上位置との間を、矢印L1およびL2方向に進退する姿勢不良ワーク排出部(強制排出手段)16が配置されている。姿勢不良ワーク排出部16は、光電気特性検査部10において、後述のように姿勢不良と判断されたワークW1をワーク収納孔3から排出する強制排出手段としての機能を有する。そして、この姿勢不良ワーク排出部16はワークW1を吸引する排出ヘッド16aと、吸引したワークW1を後述する収納箱25へと導く排出パイプ16bとを有する。さらに、上述の各部の動作について制御を行う制御部17が配置されている。
【0044】
次にワーク収納部3について述べる。
図5はワーク収納孔3の斜視図であり、
図1における搬送テーブル2の回転方向である矢印Aが、
図5に示されている。ワーク収納孔3は搬送テーブル2の外側に向けて開口している。上述のように、ワーク収納孔3は、対向する左壁面3sf1および右壁面3sf2と、奥壁面3siとにより3方向を囲まれており、残り1面が開口部30となる。
【0045】
前記3つの壁面のうち、奥壁面3siが
図1に示す中心軸4側に位置している。また、上述のように、搬送テーブル2のうちワーク収納孔3が形成された位置におけるテーブルベース1側の面には、各ワーク収納孔3から見て中心軸4の側に隣接する位置にテーブルチップ5が組込まれている。そして、搬送テーブル2の外側に向いたテーブルチップ5の押圧面5sは、ワーク収納孔3の奥壁面3siよりも長さδ1だけ搬送テーブル2の外側、すなわちワーク収納孔3内に突出している。
【0046】
このように構成されたワーク収納孔3の奥壁面3siと押圧面5sにより、開口部30に対向する内壁が構成されている。さらに、テーブルチップ5の押圧面5sには、ワーク収納孔3の左壁面3sf1および右壁面3sf2に接する位置に、第1のテーブルチップ真空通路51vおよび第2のテーブルチップ真空通路52vが形成されている。第1のテーブルチップ真空通路51vおよび第2のテーブルチップ真空通路52vは、後述のように真空発生源18に連通し、矢印S1およびS2方向に常時吸引されている。
【0047】
また、搬送テーブル2には、ワーク収納孔3の奥壁面3siの中央部かつテーブルチップ5の直上位置に、搬送テーブルエア噴射通路31aが形成されている。搬送テーブルエア噴射通路31aは、後述する排出部切替弁19の作用によって、矢印J1方向に圧縮エアが噴射される。
【0048】
ワーク収納孔3近傍の搬送テーブル2の平面図を、
図6に示す。
図6には
図1における搬送テーブル2の回転方向である矢印Aが示されている。また、
図6におけるワーク収納孔3が
図1における位置Nにあるときの、
図6に示す搬送テーブルエア噴射通路31aのR1断面図を
図7(a)に、また、第1のテーブルチップ真空通路51vのR2断面図を
図7(d)に各々示す。
【0049】
図5において、搬送テーブル2のうちワーク収納孔3の奥壁面3siから水平方向に形成された搬送テーブルエア噴射通路31aは、
図6に示すように、回転軸4(
図1)の方向すなわち
図6における右方向においてやや広がり、さらに
図7(a)に示すように、90°方向を変えてテーブルチップ5を貫通してテーブルベース1の上面に至る。
【0050】
一方、
図5に示すように、テーブルチップ5の押圧面5sからテーブルチップ5に水平方向に形成された第1のテーブルチップ真空通路51vは、
図7(d)に示すように、回転軸4(
図1)の方向すなわち
図6における右方向において90°方向を変えて搬送テーブル2に至り、その後、さらに90°方向を変えてテーブルチップ5の直上に位置する搬送テーブル2の下面において、第1の搬送テーブル真空通路31vとなる。
【0051】
また
図6に示すように、テーブルチップ5に形成された第2のテーブルチップ真空通路52vは第1のテーブルチップ真空通路51vと同様の経路で搬送テーブル2の下面において第2の搬送テーブル真空通路32vとなり、第1の搬送テーブル真空通路31vと第2の搬送テーブル真空通路32vは、
図6に示すように合体して、搬送テーブル基幹真空通路3vとなる。
【0052】
そして、
図7(d)に示すように、この搬送テーブル基幹真空通路3vは90°方向を変えてテーブルチップ5を貫通し、テーブルベース1内に至る。そして、テーブルベース1内に設置された真空発生源18に連通し、これにより、第1のテーブルチップ真空通路51vおよび第2のテーブルチップ真空通路52vは、矢印S1およびS2方向に常時吸引されている。すなわち、ワーク収納孔3内は、常時真空吸引されている。なお、搬送テーブル基幹真空通路3vは
図7(a)にも示されている。
【0053】
また、
図6におけるワーク収納孔3が
図1における不良品排出部11および良品排出部12に位置する場合における、
図6に示す搬送テーブルエア噴射通路31aのR1断面図を
図7(b)(c)に示す。
図7(b)(c)と
図7(a)とが異なる点は、
図7(a)においてテーブルベース1の上面が終端となっていた搬送テーブルエア噴射通路31aが、
図7(b)(c)においては、テーブルベース1内に通じていることである。
【0054】
そして、搬送テーブルエア噴射通路31aはテーブルベース1内に配置された排出部切替弁19に接続されている。排出部切替弁19は、搬送テーブルエア噴射通路31aの連通先を大気圧および圧縮エア源20から選択する作用を有する。
図7(b)は、排出部切替弁19がn側すなわち大気圧を選択している様子を示す。この時、搬送テーブルエア噴射通路31a内は大気圧を保つ。また、
図7(c)は、排出部切替弁19がa側すなわち圧縮エア源20を選択している様子を示す。この時、搬送テーブルエア噴射通路31a内には矢印J1方向に圧縮エアが噴射される。このように、搬送テーブルエア噴射通路31aがテーブルベース1内に通じて排出部切替弁19に接続されるのは、
図1における不良品排出部11および良品排出部12にあるときだけである。
【0055】
その理由は、上述のように、不良品排出部11および良品排出部12はそれぞれ検査結果が不良であったワークおよび良品であったワークを、ワーク収納孔3から排出する機能を有しているためである。すなわち、ワークW1を収納したワーク収納孔3が不良品排出部11および良品排出部12に停止すると、
図1の制御部17の制御により、最初は
図7(b)のように排出部切替弁19がn側すなわち大気圧を選択する。この時、搬送テーブルエア噴射通路31a内は大気圧を保つ。次に、ワーク収納孔3内のワークW1が当該排出部において排出されるべきワークである場合には、
図1の制御部17の制御により、
図7(c)のように排出部切替弁19がa側すなわち圧縮エア源20を選択する。この時、搬送テーブルエア噴射通路31a内には矢印J1方向に圧縮エアが噴射される。このとき
図5において、ワーク収納孔3内に矢印J1方向に圧縮エアが噴射される。この圧縮エアの作用により、ワーク収納孔3内のワークW1は搬送テーブル2の外周側に向けて飛び出し、図示されない排出パイプに導かれて、図示されない収納箱に収納される。なお、上述のように、ワーク収納孔3内は常時真空吸引されているが、矢印J1方向の圧縮エアの噴射圧力は、真空吸引力に打ち勝つことができる大きさに設定されているため、ワーク収納孔3からのワークの排出は円滑に行われる。
【0056】
図5に示すワーク収納孔3にワークW1が収納されている様子を、斜視図として
図8に示す。ここに、
図8においては、
図1に示すテーブルカバー13およびテーブルガイド14は省略している。また、
図8を矢印U1方向から見た透視図を
図9に示す。ただし、
図9においては、簡単のために、第1のテーブルチップ真空通路51vのみ示している。
【0057】
図8および
図9に示すように、ワークW1は低硬度部である発光体W1pをワーク収納孔3の上側に向け、高硬度部である本体W1xの一面W1s2をテーブルチップ5の押圧面5sに当接させて、ワーク収納孔3に収納されている。そして、高硬度部である本体W1xと低硬度部である発光体W1pの両方がワーク収納孔3の開口部30およびそれに対向する内壁(奥壁面3siと押圧面5s)に面している。
【0058】
この時、上述のように、第1のテーブルチップ真空通路51vおよび第2のテーブルチップ真空通路52vは、矢印S1およびS2方向に常時吸引されている。この吸引の作用により、ワークW1は
図8および
図9の姿勢を保つ。また、上述のように、ワークW1の発光体W1pは本体W1xとの境界部分において、本体W1xの周囲にわずかに突出する縁部W1eを有する。その突出長を
図9においてδ2で示す。一方、上述のように、搬送テーブル2の外側に向いたテーブルチップ5の押圧面5sは、ワーク収納孔3の奥壁面3siよりも長さδ1だけワーク収納孔3内に突出している(
図5)。この突出長δ1をδ1>δ2の関係を満足するように設定することにより、
図9に示すように、奥壁面3siと押圧面5sからなるワーク収納孔3の内壁には、低硬度部である縁部W1eの外周が当接する範囲に壁面が形成されないようにしている。すなわち、高硬度部である本体W1xの一面W1s2がテーブルチップ5の押圧面5sに当接して、矢印S1方向の吸引により押圧されても、低硬度部である縁部W1eはどこにも当接しない。これにより、押圧によって縁部W1eに傷を生じることを防止することができる。
【0059】
図9において、ワーク収納孔3の内壁を構成する奥壁面3siは、発光体(低硬度部)W1pと当接することはなく、同様に内壁を構成するテーブルチップ5の押圧面5sに対して、発光体W1pを逃がす切欠部として機能する。
【0060】
次に、ワーク収納孔3が
図1に示す光電気特性検査部10に停止している様子を、斜視図として
図10に示す。光電気特性検査部10のテーブルベース1には、吸引噴射通路10aが形成されている。吸引噴射通路10aは、後述する検査部切替弁21の作用により、矢印S3方向に真空吸引され、あるいは矢印J2方向に圧縮エアが噴射される。また、吸引噴射通路10aを搬送テーブル2の直径方向に挟む形で、プローブ通路10b、10cが形成されている。
【0061】
プローブ通路10b、10cを
図10における矢印U2方向から見た透視図として
図11に示す。テーブルベース1内のプローブ通路10b、10cには、それぞれプローブP1a、P1bが配置されており、それらはテーブルベース内において図示されない測定器に接続されている。そして、プローブP1a、P1bは、ワークW1と当接してワークW1の特性検査を行なう検査部材として機能し、図示されない駆動機構の作用により、K1方向およびK2方向に昇降自在になっている。
【0062】
ワーク収納孔3が光電気特性検査部10に位置する時には、ワーク収納孔3内のワークW1の電極W1a、W1bはプローブ通路10b、10cの直上に位置する。このため、K1方向に上昇したプローブP1a、P1bは、ワークW1の電極W1a、W1bに当接する。また、
図10に示すように、光電気特性検査部10における搬送テーブル2の外側には、図示されない駆動機構の作用によりワーク収納孔3の開口部30に向けて、矢印M1およびM2方向に進退自在となるプッシャ15の当接部15aが配置されている。
【0063】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0064】
図1において、ワークW1は図示されない駆動機構の作用により振動するリニアフィーダ6により、一列状態で矢印B方向に搬送される。その際、ワークW1の
図2に示す電極W1a、W1bが、
図1における矢印B方向に沿うように搬送される。このとき電極W1a、W1bのいずれが矢印B方向の前後に位置するかは決まっていない。
【0065】
リニアフィーダ6により搬送されたワークW1は、
図1に示す分離供給部7において、図示されない分離機構の作用により個別に分離されて、搬送テーブル2のワーク収納孔3に収納される。そして、ワーク収納孔3内に収納されたワークW1は搬送テーブル2の矢印A方向の間歇回転により搬送され、はじめに第1画像検査部8に到達する。そして、図示されない撮像手段によりワークW1の上面を撮像して外観検査を行う。次にワークW1は第2画像検査部9に到達して、図示されない撮像手段によりワークW1の下面を撮像して外観検査を行う。そして、この撮像画像を画像処理プログラムにより処理して、
図3(d)に示すアノードマークW1arを検出し、当該ワークW1の電極W1a、W1bの位置を判別する。その情報は
図1に示す制御部17に送信される。
【0066】
搬送テーブル2が更に回転して、ワーク収納孔3内のワークW1は光電気特性検査部10に到達する。そして上述のように、ワーク収納孔3内のワークW1の電極W1a、W1bは、
図11におけるプローブ通路10b、10cの直上に位置する。この時の様子を、
図10における矢印U2方向から見た透視図として
図12に示す。
【0067】
図12において、吸引噴射通路10aはテーブルベース1内において検査部切替弁21に接続されている。検査部切替弁21は、吸引噴射通路10aの連通先を真空発生源22および圧縮エア源23から選択する作用を有する。
図12は、検査部切替弁21がv側すなわち真空発生源22側を選択している様子を示す。この時、検査部切替弁21と真空発生源22により、ワークW1のテーブルベース側の面を真空吸引するとともに、吸引噴射通路10aは吸引通路として作用する。
【0068】
すなわち、吸引噴射通路10a内は矢印S3方向に真空吸引され、ワークW1のテーブルベース側の底面はテーブルベース1の上面に吸着される。
【0069】
なお、検査部切替弁21と真空発生源22との間の吸引通路22xには、真空度を計測するための真空度計測手段としての真空圧計24が接続されている。また、
図12において、プローブ通路10b、10c内のプローブP1a、P1bは、テーブルベース1内の待機位置にある。さらに、ワーク収納孔3から見て搬送テーブル2の外側に位置しているプッシャ15の当接部15aは、その先端面15asがテーブルガイド14の搬送テーブル2側の面14sと略面一となる待機位置にある。
【0070】
この状態から、制御部17の制御により、ワークW1が光電気特性検査部10において固定され検査される。ワークW1に対する固定および検査の作用を
図13乃至
図15を用いて説明する。
【0071】
まず
図13に示すように、プッシャ15は図示されない駆動機構の作用によりワーク収納孔3内に矢印M1方向に向って進出する。そして、当接部15aの先端面15asがワークW1の本体W1xの面W1s1に当接する。次に図示されない加圧手段がプッシャ15を矢印M1方向に加圧し、ワークW1の本体W1xの面W1s2はテーブルチップ5の押圧面5sに押圧される。このときワークW1は光電気特性検査部10において、吸引噴射通路10aにおける矢印S3方向の真空吸引の作用によりテーブルベース1の上面に吸着されるとともに、プッシャ15の作用によりテーブルチップ5の押圧面5sに押圧されて固定される。
【0072】
次に、制御部17により制御される図示されない駆動機構の作用により、プローブP1a、P1bは
図14における矢印K1方向に上昇して、ワークW1の電極W1a、W1bに当接する。ところで上述のように、第2画像検査部9において、
図3(d)に示すアノードマークW1arを検出して当該ワークW1の電極W1a、W1bの位置を判別した情報が、制御部17に送信されている。この情報に基づいて、制御部17の制御により、光電気特性検査部10においてワークW1の電気回路(
図4)である発光ダイオードD1のアノード(電極W1a)とカソード(電極W1b)に対して、図示されない測定器が正しく接続されるように、該測定器がプローブP1a、P1bに接続される。なお、
図14においては、ワークW1の電極W1a、W1bはそれぞれ搬送テーブル2の外周側および中心軸4(
図1)側に位置している。ワーク収納孔3内のすべてのワークW1の電極W1a、W1bが
図14と同一の位置にあるとは限らないが、本明細書の図面においては、簡単のために、すべての図面においてワークW1の電極W1a、W1bの位置は
図14と同一に記載している。
【0073】
図14においてプローブP1a、P1bがワークW1の電極W1a、W1bに当接すると、今度は図示されない押圧手段がプローブP1a、P1bを矢印K1方向に押圧し、プローブP1a、P1bはワークW1の電極W1a、W1bに押圧される。
【0074】
この際、上記のように、ワークW1は吸引噴射通路10aにおける矢印S3方向の真空吸引の作用およびプッシャ15の押圧作用により固定されている。このため、プローブP1a、P1bはワークW1の電極W1a、W1bと十分に大きな圧力により当接することができる。すなわち、プローブP1a、P1bとワークの電極W1a、W1bとの間の接触抵抗は小さくなり、測定精度を確保することができる。
【0075】
また、プッシャ15の作用により、ワークW1の本体W1xの面W1s2がテーブルチップ5の押圧面5sにより強い力で押圧される際、高硬度部である本体W1xだけがテーブルチップ5の押圧面5sに当接し、低硬度部である縁部W1eは、奥面壁3siに当接することはない。その理由は上述のように、
図9においてテーブルチップ5の押圧面5sがワーク収納孔3の奥壁面3siから突出する突出長δ1と、ワークW1の発光体W1pが本体W1xとの境界部分において突出する縁部W1eの突出長δ2との間にδ1>δ2の関係があるためである。すなわち、この関係を満足することで、奥壁面3siと押圧面5sからなるワーク収納孔3の内壁には、低硬度部である縁部W1eの外周が当接する範囲に壁面が形成されないようにしているのである。
【0076】
このようにして、
図14においてワークW1は固定され、プローブP1a、P1bはワークW1の電極W1a、W1bと十分に大きな圧力により当接し、図示されない測定器とワークW1の電極W1a、W1bが接続される。そして、測定器から電極W1a、W1bに所定の電圧が印加されて発光体W1pが発光する。
【0077】
光電気特性検査部10においては、ワーク収納孔3の上側にはテーブルカバー13は設置されておらず、開放されている。このため、この発光体W1pの光をワークW1の上側に配置された図示されない測定器により受光し、光の波長や輝度等の光特性検査が行われる。また、プローブP1a、P1bに接続された図示されない測定器により、前記所定の電圧を印加した時にワークW1を流れる電流等の電気特性検査が行われる。これらの光特性検査および電気特性検査の結果は、
図1に示す制御部17に送信される。
【0078】
以上の検査を終了すると、制御部17の制御による図示されない駆動機構の作用により、プローブP1a、P1bは
図15における矢印K2方向に下降して、
図12と同様の待機位置に戻る。
【0079】
次に、プッシャ15は
図15におけるM2方向に退出し、
図12と同様の待機位置に戻る。そして、搬送テーブル2は回転して、検査を終了したワーク収納孔3内のワークW1は
図1に示す不良品排出部11へと搬送される。ワーク収納孔3内のワークW1が不良品排出部11に到達すると、制御部17は光電気特性検査部10における当該ワークW1の検査結果が不良であるか否か判断し、不良であると判断した場合、制御部17が排出部切替弁19を作動させて、
図5に示す搬送テーブルエア噴射通路31aから、矢印J1方向に圧縮エアが噴射される。そして、ワーク収納孔3内のワークW1は搬送テーブル2の外周側に向けて飛び出し、図示されない排出パイプに導かれて、図示されない収納箱に収納される。一方、光電気特性検査部10における当該ワークW1の検査結果が良品であると判断された場合には、不良品排出部11においてワーク収納孔3内のワークW1は排出されることなく、良品排出部12へと搬送される。
【0080】
良品排出部12に到達した良品ワークW1は、不良品排出部11と同様に、
図5に示す搬送テーブルエア噴射通路31aから噴射される圧縮エアの作用により、搬送テーブル2の外周側に向けて飛び出し、図示されない排出パイプに導かれて、図示されない収納箱に収納される。
【0081】
この間、
図13に示すように、プッシャ15が矢印M1方向に進出して、当接部15aの先端面15asがワークW1の本体W1xの面W1s1に当接する際に、ワークW1がワーク収納孔3内で傾斜してしまう場合がある。その一例を、
図13のワークW1近傍の拡大図として、
図16(a)(b)(c)に示す。
図16(a)は、プッシャ15が矢印M1方向に進出して、当接部15aの先端面15asがワークW1の本体W1xの面W1s1に当接した時の様子を示す。
【0082】
図16(a)(b)(c)に示すように、本体W1xの面W1s1は、これに当接するプッシャ15の当接部15aの先端面15asに対して完全に平行ではない。これは、ワークW1の本体W1xの製造偏差に起因するものである。
【0083】
ワークW1の各部の寸法は、上述のようにたかだか1〜3mmであるため、この製造誤差を低減することは極めて困難である。ところで、これらの平行ではない2面が当接すると、それらの面の一方の端から他方の端に向けて、次第に間隔が開く略V字形の隙間が生じる。
図16(a)の場合には、当接部15aの先端面15asが本体W1xの面W1s1の発光体W1pに近い位置に当接し、そこに矢印M1方向への進出により生じる進出力FX1が集中して印加される。そして、プッシャ15の先端面15asとワークW1の面W1s1との間には、電極W1aが形成されている本体W1xの底面に向けて、次第に間隔がαとなるように開く略V字形の隙間が生じている。
【0084】
ところで、プッシャ15の当接部15aは紙面に平行方向に薄くかつ紙面に垂直方向に厚く形成されており、かつその先端面15asと面W1s1の2面間には、前記薄く形成された方向に沿って略V字形の隙間が形成されている。
【0085】
このため
図16(a)の状態からプッシャ15が矢印M1方向にさらに進出すると、進出力FX1の作用により、これら2面15as、W1s1間にすべりを生じる。そして、
図16(b)に示すように、力FX1が印加される位置が該隙間の間隔が開く側、すなわち電極W1aが形成されている本体W1xの底面側に移動する。このため、本体W1xの底面の電極W1aが形成されている側がテーブルベース1の上面から浮き上がり、ワークW1の姿勢がワーク収納孔3内で傾斜する。さらにこの状態からプッシャ15が矢印M1方向に進出すると、
図16(c)に示すように、ワークW1の傾斜がさらに大きくなり、当接部15aの先端面15asがワークW1の下側に侵入して停止する。当接部15aが
図16(c)に示す位置まで進出して停止する理由は、この位置が、ワーク収納孔3内にワークW1が存在しない時にプッシャ15を停止させる位置に相当するためである。
【0086】
以上の説明においては、プッシャ15の当接部15aの先端面15asに当接するワークW1の本体W1xの面W1s1が当接部15aの先端面15asに対して完全に平行ではないために、ワークW1の姿勢が傾斜する場合について説明した。この他に、
図16(a)において、テーブルチップ5の押圧面5sと、押圧面5sに当接するワークW1の本体W1xの面W1s2が完全に平行ではない場合にも、同様に押圧面5sと面W1s2の間にすべりを生じて、ワークW1の姿勢が傾斜する。
【0087】
図16(c)の状態から、プローブP1a、P1bを
図14における矢印K1方向に上昇させた様子を
図17に示す。
図17において、プローブP1a、P1bはワーク収納孔3内に侵入して停止している。このときのプローブP1a、P1bの位置は、ワーク収納孔3内にワークW1が存在しない時にプローブP1a、P1bを停止させる位置に対応する。
図17において、電極W1aとプローブP1aは当接していないので、正しい測定ができない。
【0088】
図17の状態を正常にするために、
図15のようにプローブP1a、P1bを矢印K2方向に下降させて待機位置に戻し、プッシャ15を矢印M2方向に退出させて待機位置に戻し、再度プッシャ15を
図14のように矢印M1方向に進出させてワークW1の本体W1xに当接させることが必要である。しかしながら、
図17の状態になる原因が上記のようなワークW1の形状に係るものであれば、再度同一の状態になる可能性がきわめて高い。このため、
図17の状態を検出してワークW1を排出し、後続の新規のワークW1を光電気特性検査部10に到達させて、そのワークW1にプッシャ15を当接させて固定し、検査することが好ましい。
【0089】
図17の状態を検出するために、ワークW1を押圧する際のプッシャ15の移動距離を計測する距離計測手段が設けられている。これについて、
図18乃至
図19(a)(b)を用いて説明する。
図18は、プッシャ15の平面図である。プッシャ15は搬送テーブル2のワーク収納孔3内のワークW1に比べて遥かに大きいので、長手方向の途中を省略した表記としてある。プッシャ15は、ワークW1と略同一の幅を有する当接部15aと、この当接部15aに一体的に連結され、テーブルガイド14の間隙に入る幅を有する中央部15bとを有する。
【0090】
さらに中央部15bに続いて、図示されない駆動機構に接続される基部15cが一体的に連結されている。基部15cには、プッシャ15が待機位置(
図12)からワークW1の本体W1x(
図12)に当接するまでの移動距離を計測する距離計測手段としての検出ブロック15dおよび近接センサ15eが設置されている。検出ブロック15dはプッシャ15の位置を示す目印として機能し、後述のように近接センサ15eによりその位置が検出される。近接センサ15eは基部15cから離間し、かつ検出ブロック15dに対向する位置に配置されている。近接センサ15eは検出対象物の存在情報を電気信号に変換して、対象物が接近したか否かを検出する機能を有する。近接センサ15eには、検出ブロック15dの接近を検出した警報を
図1に示す制御部17に送信するためのケーブル15fが接続されている。
【0091】
図18における検出ブロック15dおよび近接センサ15eの作用について、領域V1の拡大図である
図19(a)(b)を用いて説明する。
図19(a)及び
図19(b)において、一点鎖線で示される警報境界線15xよりも右方に近接センサ15eの検出物体である検出ブロック15dがある場合、近接センサ15e内の警報送出部15e1によって、検出ブロック15dの接近を検出した警報PALM(
図19(b))が
図1に示す制御部17に送信される。この場合、
図19(a)においては、近接センサ15eと、検出物体である検出ブロック15dとの間隙15Gが大きい。すなわち検出面15dsが一点鎖線で示される警報境界線15xよりも左方にあるため、近接センサ15eは、検出ブロック15dを検出しない。
【0092】
これに対して、
図19(b)に、プッシャ15が矢印M1方向に進出し、検出面15dsが警報境界線15xよりも右方まで到達した様子を示す。この場合、間隙15Gは小さくなり、近接センサ15eは、検出物体である検出ブロック15dを検出する。そして、近接センサ15eからはプッシャ警報PALMが発出されて、
図18に示すケーブル15fにより
図1に示す制御部17に送信される。
【0093】
次に、
図19(a)(b)における警報境界線15xの設定例について述べる。例として、以下の条件を考える。
【0094】
条件1:ワーク収納孔3にワークW1が収納されていない状態で、プッシャ15の移動距離は0.4mmである。
【0095】
条件2:ワークW1の寸法偏差およびプッシャ15の製造偏差を除いて、
図13に示すようにプッシャ15がワークW1を正しく固定した場合のプッシャ15の移動距離は0.2mmである。
【0096】
条件3:
図17に示すようにプッシャ15がワークW1を正しく固定することができなかった場合のプッシャ15の移動距離は0.2mmを超えて0.4mm以下である。
【0097】
条件4:条件1においてプッシャ15を0.4mm移動させた状態で、
図19(a)(b)に示す近接センサ15eと検出ブロック15dの間隙15Gが0.1mmとなるように調整する。
【0098】
ここに、
図19(a)のようにプッシャ15の進出方向M1の移動距離が小さい、すなわち間隙15Gが大きい場合には、
図13のように正しく固定できたと判断できることがわかる。また、
図19(b)のように該移動距離が大きい、すなわち間隙15Gが小さい場合には、
図17のように正しく固定できなかったと判断できることがわかる。よって、正しく固定できた場合の間隙15Gは、条件3、4により、0.1mmに0.2mmを加算した0.3mm以上となる。このことから、
図19(a)(b)における警報境界線15xは、近接センサ15eから0.3mmになるように、近接センサ15eに内蔵された図示されない調整機構を用いて設定すればよい。
【0099】
以上のように、
図18に示す検出ブロック15dおよび近接センサ15eにより、プッシャ15が待機位置(
図12)からワークW1の本体W1x(
図12)に当接するまでの移動距離を計測して、制御部17は計測された距離が予め規定された距離よりも大きい場合に、光電気特性検査部10におけるワークW1の姿勢が傾斜したことを検出することができる。
【0100】
上述のようなワークW1の本体W1xの製造偏差に起因して、光電気特性検査部10におけるワーク収納孔3内のワークW1の姿勢が傾斜する要因は、他にもある。それについて、
図20乃至
図22を用いて説明する。
図20(a)は、
図13のワークW1近傍の拡大平面図である。ただし、簡単のため、ワークW1の発光体W1pは記載していない。
図20(a)は、プッシャ15が矢印M1方向に進出して、当接部15aの先端面15asがワークW1の本体W1xの面W1s1に当接した時の様子を示す。ここに、本体W1xの面W1s1は、上述したワークW1の本体W1xの製造偏差によって、これに当接するプッシャ15の当接部15aの先端面15asに対して完全に平行ではない。そして、これらの平行ではない2面W1s1、15asが当接すると、それらの面の一方の端から他方の端に向けて、次第に間隔が開く略V字形の隙間が生じる。
図20(a)の場合には、本体W1xの面W1s1における搬送テーブル2の回転方向(矢印A方向)の後方に当接部15aの先端面15asが当接し、そこにプッシャ15の矢印M1方向への進出により生じる進出力FX2が集中して印加される。そして、先端面15asと面W1s1との間には、搬送テーブル2の回転方向(矢印A方向)に向けて、次第に間隔がβ1となるように開く略V字形の隙間が生じている。
【0101】
ところで、プッシャ15の当接部15aは紙面に平行方向に厚くかつ紙面に垂直方向に薄く形成されており、かつその先端面15asと面W1s1の2面間には、前述のように、厚く形成された方向に沿って略V字形の隙間が形成されている。よって、
図20(a)において、先端面15asと面W1s1が当接する領域V2は進出力FX2により押圧されるが、当接しない領域V3は全く押圧されない。すなわち、ワークW1は搬送テーブル2の回転方向(矢印A方向)の後方のみが固定される。
【0102】
また、
図20(b)は、本体W1xの面W1s2が、これに当接するテーブルチップ5の押圧面5sに対して完全に平行ではない場合を示す。
図20(b)においては、押圧面5sと面W1s2との間に、搬送テーブル2の回転方向(矢印A方向)に向けて、次第に間隔がβ2となるように開く略V字形の隙間が生じている。そして、
図20(a)と同様の理由により、押圧面5sと面W1s2が当接する領域V4は進出力FX3により押圧されるが、当接しない領域V5は全く押圧されない。そして、ワークW1は搬送テーブル2の回転方向(矢印A方向)の後方のみが固定される。
【0103】
このように、搬送テーブル2の回転方向(矢印A方向)の後方のみが固定されたワークW1に対して、
図11に示すプローブP1a、P1bが矢印K1方向に上昇した時の様子を、搬送テーブル2の中心軸4(
図1)側から見た透視図として、
図21(a)(b)に示す。
図21(a)は、
図20の状態で、プローブ通路10c内のプローブP1bが、テーブルベース1内の待機位置にある様子を示す。この時、プローブ通路10b内のプローブP1aは、プローブ通路10cおよびプローブP1bに隠れて見えないが、プローブP1bと同様に待機位置にある。
【0104】
同様に、ワークW1の電極W1aは電極W1bに隠れて見えない。
【0105】
また、検査部切替弁21はv側すなわち真空発生源22側を選択し、吸引噴射通路10a内は矢印S3方向に真空吸引される。この矢印S3方向の真空吸引の作用により、ワークW1はテーブルベース1の上面に吸着される。この時、真空圧計24は吸引通路22xの真空度を計測しているが、その計測値は上記の吸着の作用により、十分に高い真空度を示す値である。
【0106】
次に、この状態からプローブP1a、P1bは
図21(b)における矢印K1方向に上昇して、ワークW1の電極W1a、W1bに当接する。この時、上述のように、ワークW1は搬送テーブル2の回転方向(矢印A方向)の後方のみがプッシャ15の当接部15aにより固定されている。このため、プローブP1bが上昇してワークW1の電極W1bに当接すると、ワークW1の固定されていない側、すなわち
図21(b)における矢印Aの前方側が上方に移動する。この時、
図17と同様に、プローブP1a、P1bはワーク収納孔3内に侵入して停止している。
図21(b)において、電極W1bとプローブP1bは正しく当接しておらず、同様に、図示されない電極W1aとプローブP1aも正しく当接していない。このため、正しい測定ができない。
【0107】
このような
図21(b)の状態を検出するために、真空圧計24が配置されている。上述のように、
図21(a)においては矢印S3方向の真空吸引の作用により、ワークW1はテーブルベース1の上面に吸着されている。このため、真空圧計24による吸引通路22xの真空度の計測値は十分に高い。これに対して、
図21(b)においては、ワークW1の底面がテーブルベース1の上面から離間している。このため、吸引噴射通路10aから検査部切替弁21を経由して吸引通路22xに大気が侵入する。そして、真空圧計24による吸引通路22xの真空度の計測値は低くなる。この計測値が、予め規定された真空度よりも低い場合に、真空圧計24は真空警報VALMを発出し、それを
図1に示す制御部17に送出する。
【0108】
以上のように、
図12に示す真空圧計24により吸引通路22xの真空度を計測して、計測された真空度が予め規定された真空度よりも低い場合に、制御部17は光電気特性検査部10におけるワークW1の姿勢が傾斜したことを検出する。
【0109】
なお、上記の説明においては、
図20(a)(b)のように、ワークW1の面W1s1あるいは面W1s2において、各面の搬送テーブル2の回転方向(矢印A方向)の後方(
図20(a)における領域V2および
図20(b)における領域V4)のみがプッシャ15の当接部15aにより固定されるとした。
【0110】
しかしながら、ワークW1の本体W1xの製造偏差によっては、
図20(a)(b)に示す略V字形の隙間がβ1あるいはβ2に開く側が、搬送テーブル2の回転方向(矢印A方向)の後方(
図20(a)における領域V2側および
図20(b)における領域V4側)になる場合もある。その場合は、面W1s1あるいは面W1s2において、各面の搬送テーブル2の回転方向(矢印A方向)の前方(
図20(a)における領域V3および
図20(b)における領域V5)のみがプッシャ15の当接部15aにより固定される。そして、その状態で
図21(b)のようにプローブP1bが上昇してワークW1の電極W1bに当接すると、ワークW1は
図21(b)における矢印Aの後方側が上方に移動する。その場合も、
図12に示す真空圧計24により吸引通路22xの真空度を計測すれば、上述の理由により、計測された真空度が予め規定された真空度よりも低い場合に、制御部17は光電気特性検査部10におけるワークW1の姿勢が傾斜したことを検出する。
【0111】
以上のように、本発明によるワークの特性測定装置100は、ワークW1が光電気特性検査部10におけるプッシャ15の作用により固定される際に、ワークW1の本体W1xの製造偏差に起因してワーク収納孔3内で姿勢が傾斜したことを、プッシャ15の移動距離の計測および吸引通路22xの真空度の計測という2種類の計測により検出している。このため、ワークW1のワーク収納孔3内における姿勢の傾斜を確実に検出することができる。
【0112】
上述のように
図18に示す検出ブロック15dおよび近接センサ15e、あるいは
図12に示す真空圧計24により、光電気特性検査部10におけるワークW1の姿勢が傾斜したことを検出すると、それぞれプッシャ警報PALMあるいは真空警報VALMが発出されて制御部17に送信される。これらの警報を制御部17が受信すると、制御部17の制御により、当該ワークW1をワーク収納孔3から排出する。その作用について、
図22乃至
図27を用いて説明する。
【0113】
図22(a)は、
図16(a)(b)(c)を用いて説明したように、ワークW1の本体W1xの面W1s1が、これに当接するプッシャ15の当接部15aの先端面15asに対して完全に平行ではないことに起因して、ワーク収納孔3内で傾斜している様子を示す。また、
図22(b)は
図21(a)を搬送テーブル2の中心軸4(
図1)側から見た図である。
【0114】
図22(a)(b)において、プッシャ15の当接部15aの先端面15asがワークW1の下側に侵入して停止している。また、プローブP1a、P1bが矢印K1方向に上昇し、ワーク収納孔3内に侵入して停止している。そして、ワークW1はワーク収納孔3内で姿勢が傾斜している。
図22(a)の下部には、この時の
図18における検出ブロック15dおよび近接センサ15e近傍(領域V1)の拡大図を、併せて記載してある。この図は
図19(b)と同一であり、近接センサ15e内の警報送出部15e1はプッシャ警報PALMを発出している。また、
図22(b)には、吸引噴射通路10aが検査部切替弁21の作用により真空発生源22に連通して、吸引噴射通路10a内が矢印S3方向に真空吸引されている様子を、併せて示す。
【0115】
この状態で、プッシャ警報PALMを受信した制御部17(
図1)の制御により、
図23(a)(b)の状態となる。すなわち、プッシャ15は図示されない駆動機構の作用により、矢印M2方向に退出して待機位置に停止する。そして、プローブP1a、P1bは図示されない駆動機構の作用により、矢印K2方向に下降して待機位置に停止する。この時、プッシャ15が待機位置まで退出するので、上記近接センサ15e内の警報送出部15e1はプッシャ警報PALMの発出を停止する。この様子を、
図23(a)の下部に併せて示す。この図は
図19(a)と同一である。
【0116】
以上のように、プッシャ15とプローブP1a、P1bがいずれも待機位置に停止することにより、
図23(a)(b)に示すように、ワーク収納孔3内のワークW1はその底面に形成された電極W1a、W1bがテーブルベース1上面に載置される。
【0117】
次に、
図1に示す制御部17の制御により、光電気特性検査部10直上に位置する図示されない測定器が、図示されない駆動機構の作用により上昇して、図示されない退避位置に停止する。
【0118】
そして、
図1に示す強制排出手段としての姿勢不良ワーク排出部16が、図示されない駆動機構の作用により、
図1に示す待機位置から矢印L1方向に進出して、今まで該測定器が位置していた光電気特性検査部10直上に停止する。この様子を、
図24に示す。
【0119】
ここに、
図24乃至
図27は、
図23(b)と同様に、光電気特性検査部10を搬送テーブル2の中心軸4(
図1)側から見た図である。
図24において、光電気特性検査部10直上には、ワークW1を吸引する姿勢不良ワーク排出部16の排出ヘッド16aが位置している。排出ヘッド16aの排出通路16apは排出パイプ16bに接続され、排出パイプ16bの終端部には収納箱25が接続されている。排出パイプ16bが収納箱25に接続される位置には、排出されるワークW1が収納箱25に収納されたことを検出する排出検出手段としての通過センサ26が配置されている。
【0120】
次に、
図24の状態から制御部17の制御により、
図25に示すように、検査部切替弁21がa側すなわち圧縮エア源23側を選択する。これにより、吸引噴射通路10aの連通先が圧縮エア源23となり、吸引噴射通路10aには矢印J2方向に圧縮エアが噴射される。また同時に、姿勢不良ワーク排出部16内に配置された図示されない真空吸引機構の作用により、排出通路16apから排出パイプ16bを経由して収納箱25に至る経路が、収納箱25に向けて矢印S4方向に真空吸引される。この矢印J2方向の圧縮エアの噴射と矢印S4方向の真空吸引が同時に作用して、ワーク収納孔3内のワークW1は排出ヘッド16aの排出通路16apに入る。そして、
図26に示すように、排出パイプ16bに入り、
図27に示すように収納箱25に収納される。
【0121】
図27において、ワークW1が収納箱25に収納されたことを通過センサ26が検出して、収納情報DISを発出する。収納情報DISは
図1に示す制御部17に送信され、制御部17の制御により、検査部切替弁21がv側すなわち真空発生源22側を選択する。
【0122】
これにより、吸引噴射通路10aの連通先が真空発生源22となり、吸引噴射通路10aは矢印S3方向に真空吸引される。そして、光電気特性検査部10直上に位置していた姿勢不良ワーク排出部16が矢印L2方向に退出して、
図1の待機位置に停止する。そして、図示されない退避位置に停止していた図示されない測定器が、図示されない駆動機構の作用により下降して、光電気特性検査部10直上に停止する。次に、制御部17の制御により、搬送テーブル2が矢印A方向に回転し、ワークW1を収納した次のワーク収納孔3が光電気特性検査部10に到達する。そして、このワークW1について、上述の電気特性ならびに光特性の測定が行われる。
【0123】
上記の光電気特性検査部10における姿勢不良ワーク排出部16によるワークW1の排出に関する説明は、ワーク収納孔3内のワークW1が、
図16(a)(b)(c)の過程を経て
図17のように姿勢が傾斜した場合について行った。他方、ワーク収納孔3内のワークW1が、
図20(a)または
図20(b)から
図21(a)の過程を経て
図21(b)のように姿勢が傾斜した場合には、
図21(b)の状態から
図23(a)(b)のようにプッシャ15およびプローブP1a、P1bを退出させて、それぞれの待機位置に戻すことにより、同様にワーク収納孔3内のワークW1はその底面に形成された電極W1a、W1bがテーブルベース1上面に載置される。
【0124】
以上のように、ワーク特性測定装置100は、ワークW1が光電気特性検査部10に設けられたプッシャ15の作用により固定される際に、ワークW1の本体W1xの製造偏差に起因してワーク収納孔3内で姿勢が傾斜したことを検出すると、当該ワークW1を姿勢不良ワークとして排出した後に、次に光電気特性検査部10に到達したワークW1を検査することができる。このため、姿勢不良ワークを速やかに排出して正常なワークを検査することが可能である。また、不良ワークを作業者が手動で排出する必要もない。従って、検査効率および検査精度の向上ならびに作業員の稼働時間低減を実現することが可能である。
【0125】
以上の説明においては、ワークW1の検査を行う特性検査部として光電気特性検査部10の例を示したが、これに限らず特性検査部として第1画像検査部8および第2画像検査部9を用いてもよい。
【0126】
また、以上の説明においては、検査を終了したワークW1を排出する排出部として、各検査の結果が不良であったワークW1をワーク収納孔3から排出する不良品排出部11と、前記各検査の結果が良品であったワークW1をワーク収納孔3から排出する良品排出部12の2つを設けた例を示したが、これに限らず良品排出部12の代わりに、検査結果に基づいてワークW1を複数の等級に分類して、各等級に対応する収納箱に排出する分類排出部を配置しても良い。
【0127】
また、以上の説明においては、搬送テーブル2が水平に設置されている例を示したが、これに限らず、本発明は、搬送テーブル2が垂直に設置されている場合および傾斜して設置されている場合にも適用することができる。
【0128】
また、以上の説明においては、光電気特性検査部10においてワークW1の電極W1aおよびW1bについて、それぞれ1本のプローブP1aおよびP1bを当接させる例を示したが、これに限らず、本発明は、電極W1aおよびW1bについて、それぞれ2本のプローブを当接させる4端子測定の場合にも適用することができる。
【0129】
以上のように本実施の形態によれば、搬送テーブル2のワーク収納孔3の位置において、中心側のテーブルベース1側にワーク収納孔3に隣接してテーブルチップ5を形成し、テーブルチップ5をワーク収納孔3内に突出させた押圧面5sにワークW1の高硬度部を搬送テーブル2の外側からプッシャ15により押圧し、特性測定時に固定している。このため、ワークW1の低硬度部である発光体は固定の際にどこにも当接せず、押圧により傷を生じることを防止することができる。また、押圧時にワークW1の製造偏差に起因して生じるワークW1の姿勢傾斜を、プッシャ15の移動距離計測および吸引通路22x内の真空度計測からなる2種類の計測により、確実に検出することができる。また、姿勢傾斜を検出したワークW1を姿勢不良ワーク排出部16により排出して次のワークを検査するので、検査効率および検査精度の向上ならびに作業員の稼働時間低減を実現することができる。