(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6435586
(24)【登録日】2018年11月22日
(45)【発行日】2018年12月12日
(54)【発明の名称】腰痛治療具
(51)【国際特許分類】
A61F 5/00 20060101AFI20181203BHJP
A61F 5/042 20060101ALI20181203BHJP
A61H 1/02 20060101ALI20181203BHJP
【FI】
A61F5/00 Z
A61F5/042 A
A61H1/02 D
A61H1/02 N
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2018-90961(P2018-90961)
(22)【出願日】2018年4月18日
【審査請求日】2018年4月18日
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513080771
【氏名又は名称】小沢 國夫
(73)【特許権者】
【識別番号】513081745
【氏名又は名称】小沢 康夫
(72)【発明者】
【氏名】小沢 國夫
(72)【発明者】
【氏名】小沢 康夫
【審査官】
山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−056762(JP,A)
【文献】
実開平06−041714(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0270310(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/00
A61F 5/042
A61H 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の腰痛を治療するための腰痛治療具であって、
テーブル本体と、
前記テーブル本体に設けられた接地面から所定の高さを規定するテーブル脚部と、
前記テーブル本体を接地面に固定する固定部と、
前記テーブル本体の一端に移動可能であるとともにこのテーブル本体に固定して使用者が握持する握持棒と、
前記テーブル本体の他端に設けられ使用者の胸部を受ける突出部とからなることを特徴とする腰痛治療具。
【請求項2】
前記固定部は、前記テーブル本体の接地面側に設けた錘収納部と、この錘収納部に収納する錘とからなることを特徴とする請求項1に記載の腰痛治療具。
【請求項3】
前記固定部は、前記テーブル脚部に設けられた固定具とこの固定具を接地面に固定する固定ボルトからなることを特徴とする請求項1に記載の腰痛治療具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、腰痛治療に関するものである。
【背景技術】
【0002】
国民病とも言われる腰痛で悩んでいる人は日本で約1200万人にのぼり今後も増加する傾向にある。腰痛の原因は、身体の土台である骨盤の構造が大きく影響していることに近年注目されている。
【0003】
この腰痛の原因は、骨盤の構成要素である仙腸関節14の機能が退化してロック状態になり作動不良になることにあると云われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭61−203974公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
骨盤の構造は
図6に示す通り外部に腸骨13があり内部に仙骨14があり、腸骨13と仙骨14の境界部の左右にある仙腸関節12とで構成されている。骨盤は身体を支える土台であり、上半身の重みを支え下半身を動かす緩衝地帯のような存在である。仙腸関節12が動くのはせいぜい前後左右に3ミリ程度で、常日頃の悪い姿勢や不均衡な体形で仕事を続けると蓄積疲労により仙骨関節12がロック状態になり遊び(クッション性)が無くなり、運動性や骨盤の耐衝撃性が驚くほど低下して腰痛の原因となる。
【0006】
上記の特許文献1の仙骨矯正テーブルは背中載置台部(1)と腰部載置台部(2)脚部載置台部(3)で構成されており、患者(使用者)が仰向きになって載り腰部載置台部(2)を自然落下して仙骨(S)を矯正することを特徴としている。腰部載置台部(2)が自然落下した時、体重を支えるのは背中載置台部(1)に接している背中の筋肉と、脚部載置台部(3)の上に載っているL字形脚のふくらはぎ筋肉の2ヵ所であり、両筋肉は必然的に緊張して身体全体のリラックス効果を減少させ治療効果も低下する。又この装置は、構造も複雑で膨大な部品数を使い製作費用が極めて大きい。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、使用者19が俯す状態で上部体重を胸部の骨で支え、下部体重は膝関節の骨で支えるために筋肉の緊張は発生する事なく、仙腸関節12のリラックス性を充分に保障して大きな治療効果が期待される。さらに製作費用も格段に低く経済的な腰痛治療具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためにこの発明は、
図1に示す通りのテ−ブル本体1に、使用者19の身長に見合った高さ(H)を調整可能にし、このテーブル本体1を接地面(G)にも固定して使えることも出来て、このテーブル本体1に使用者19の腕の長さ(L)に適合するために前後方向にスライドする握持棒2と、このテーブル本体1に使用者19の胸部を受ける突出部からなる構造の腰痛治療具である。
【発明の効果】
【0009】
本発明は使用者1が俯す状態で上部体重を胸部の骨で支え、下部体重は膝関節の骨で支えるために筋肉の緊張は発生する事なく、仙腸関節12のリラックス性を充分に保障して腰痛の改善の治療効果が期待される。さらに製作費用も格段に低く経済的な腰痛治療具である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】使用者が
図1の腰痛治療具1使用している説明図である
【
図3】使用者が
図1の腰痛治療具1使用している説明図である
【
図4】テーブル本体1の高さ(H)を調整する脚部11の下側の部分図である。
【
図5】テーブル本体1を接地面(G)に固定する脚部11の下側の部分図である
【発明を実施するための形態】
【0011】
本腰痛治療具は
図1に示す通りのテーブル本体1に、このテーブル本体1に設けられた所定の高さ(H)を規定するテーブル脚部11と、このテーブル本体1を接地面(G)に固定する固定部と、このテーブル本体1の一端に移動可能であるとともにこのテーブル本体1に固定して使用者19が握持する握持棒2と、このテーブル本体1の他端に設けられ使用者19の胸部を受ける突出部から構成されている。
【0012】
図2に示す通り胸部を突起部4のA支点に合わせ、膝関節を接地面(G)のB支点に置く。握持棒2を前後方向にスライド(図示9)させて使用者の腕の長さ(L)に適合した位置で段差付長溝10の中にある六角穴付ボルト6を締め付けてテーブル本体1に固定する。
使用者19は、握時棒2を両手で握り体全体をリラックスして骨盤をゆっくり上下運動8してロック状態になった仙腸関節12を前後方向に刺激して正常に回復させる。
【0013】
仙骨関節12を左右方向に刺激させるには、
図3に示す通り脚部載置台21に膝関節の一方を載せて骨盤をゆっくり上下運動(図示8)して、他方の膝関節にも同様の動作をさせて仙腸関節12を左右方向に刺激して正常に回復させてもよい。
【0014】
上下運動(図示8)時に、身体荷重からの引張力20が握持棒2に発生してC点を軸にD点が浮き上がるため錘収納部3に錘5をいれてテーブル本体1安定させた。鉛収納部3の位置はC点の位置より出来うる限り遠方ある方が良い。
テーブル本体1の高さ調整は、
図4に示す通り脚部11の高さ調整ボルト15とロックナット16で調整する。
【0015】
別の実施例としてテーブル本体1を固定して使用する時は、
図5に示す通り脚部11の固定具17を固定ボルト18で接地面(G)に固定する。その時には錘5は不要になる。
【0016】
本腰痛治療具で1回10分から15分を一日2回治療してその日から効果が現れて2週間位すると腰痛は完治する。本治療具は自宅等で苦痛なく誰でも簡単に使えスペースも少ない。
【符号の説明】
【0017】
1テーブル本体
2握持棒
3錘収納部
4突起部
5錘
6六角穴付ボルト
7骨盤部
8上下運動
9前後方向スライド
10段差付長溝
11脚部
12仙腸関節
13腸骨
14仙骨
15高さ調整ボルト
16ロックナット
17固定具
18固定ボルト
19使用者
20引張力
21脚部載置台
【要約】
【課題】誰でも簡単に使えて苦痛を伴わず充分な効果あり速攻性も期待される腰痛治療具を提供する。
【解決手段】安定したテーブル本体1で、使用者19が上下運動8中にずり落ち防止を目的とした握持棒2と錘格納庫3を設けた腰痛治療具で、
図2ように胸部を突起4のA支点に合わせ、膝関節を接地面(G)のB支点にのせて握持棒2を両手で握り、体をリラクスして骨盤部7をゆっくり上下運動8させて機能低下した仙腸関節10を正常に回復させて腰痛を完治する。
【選択図】
図2