特許第6435619号(P6435619)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 凸版印刷株式会社の特許一覧
特許6435619ハードコートフィルム、これを用いた透明導電性フィルム及びタッチパネル、ハードコート塗液
<>
  • 特許6435619-ハードコートフィルム、これを用いた透明導電性フィルム及びタッチパネル、ハードコート塗液 図000004
  • 特許6435619-ハードコートフィルム、これを用いた透明導電性フィルム及びタッチパネル、ハードコート塗液 図000005
  • 特許6435619-ハードコートフィルム、これを用いた透明導電性フィルム及びタッチパネル、ハードコート塗液 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6435619
(24)【登録日】2018年11月22日
(45)【発行日】2018年12月12日
(54)【発明の名称】ハードコートフィルム、これを用いた透明導電性フィルム及びタッチパネル、ハードコート塗液
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/18 20060101AFI20181203BHJP
   B32B 7/02 20060101ALI20181203BHJP
   C09D 133/00 20060101ALI20181203BHJP
   C09D 5/00 20060101ALI20181203BHJP
   C09D 7/63 20180101ALI20181203BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20181203BHJP
   H01B 5/14 20060101ALI20181203BHJP
【FI】
   B32B27/18 A
   B32B7/02 103
   C09D133/00
   C09D5/00 Z
   C09D7/63
   G06F3/041 400
   H01B5/14 A
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-60144(P2014-60144)
(22)【出願日】2014年3月24日
(65)【公開番号】特開2015-182290(P2015-182290A)
(43)【公開日】2015年10月22日
【審査請求日】2017年2月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】特許業務法人 小笠原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田村 毅志
(72)【発明者】
【氏名】栗原 正幸
【審査官】 増田 亮子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/066743(WO,A1)
【文献】 特開2013−010323(JP,A)
【文献】 特開2012−206502(JP,A)
【文献】 特開2013−109682(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 27/18
C09D 1/00−10/00,101/00−201/10
H01B 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基材上にハードコート層を形成するためのハードコート塗液であって、
有機ケイ素化合物と、相分離樹脂を含むアンチブロッキングハードコートと、ベンゾトリアゾール系のUV吸収剤(ただし、UV吸収樹脂を除く)と、溶剤とが、1〜5重量%:30〜60重量%:10〜40重量%:10〜40重量%の比率で配合されていることを特徴とする、ハードコート塗液。
【請求項2】
透明基材の少なくとも一方の面に請求項1に記載のハードコート塗液の硬化膜からなる前記ハードコート層を備えることを特徴とする、ハードコートフィルム。
【請求項3】
前記ハードコート層の表面のJIS B0601−1994による算術平均粗さ(Ra)が1〜10nmであり、
365nmの波長の紫外線透過率が0〜1%であることを特徴とする、請求項2に記載のハードコートフィルム。
【請求項4】
前記ハードコート層が透明基材の両面に積層されていることを特徴とする、請求項2または3に記載のハードコートフィルム。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれかに記載のハードコートフィルム上に透明導電層を積層した、透明導電性フィルム。
【請求項6】
前記透明導電層がハードコートフィルムの両面に積層されていることを特徴とする、請求項5に記載の透明導電性フィルム。
【請求項7】
請求項6に記載の透明導電性フィルムを用いたタッチパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードコートフィルム、これを用いた透明導電性フィルム及びタッチパネル、ハードコートフィルム形成用のハードコート塗液に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な電子機器のディスプレイ上に入力デバイスとして、透明なタッチパネルが取り付けられている。その中でも、特にマルチタッチが可能な静電容量方式のタッチパネルが現在の主流である。
【0003】
静電容量方式タッチパネルは、透明基材の表面及び裏面にそれぞれX座標及びY座標のパターンを形成した透明導電層が金属配線パターンを介して回路に接続され、表面の透明導電膜と裏面の透明導電膜との間の電圧変化を検知できるような構造となっている。
【0004】
透明基材の表面及び裏面にそれぞれX座標及びY座標のパターンを形成する方法としてはエッチングが一般的である。透明基材の一方の面にレジスト塗布、露光、現像、エッチング、剥離処理を行った後、同様の処理を他方の面に行なうことによって、透明基材の両面に透明電極層を形成することができる。
【0005】
しかしながら、表面及び裏面のパターン形成のために、レジスト塗布から剥離処理までを2回繰り返すのは、製造にかかる時間及びコストの面から好ましくない。
【0006】
紫外線に対する遮光性を有するハードコートは、UV吸収樹脂を含有するハードコートであり、耐候性能の高いハードコートとして多くの電子機器内部のハードコートフィルムに採用されている。
【0007】
アンチブロッキング性を有するハードコートは、ハードコート層の表面にnmオーダーの凹凸が形成されたハードコートであり、ハードコート膜同士のブロッキングを防止する目的で広く使用される。
【0008】
密着耐久性を有するハードコートは、ハードコート層にシランカップリング剤となる有機ケイ素化合物を含み、無機金属膜である透明導電層との密着力を向上させ、耐熱性、耐候性を向上させたものである。
【0009】
紫外線遮光性、アンチブロッキング性、密着耐久性のいずれか1つを有するハードコートは従来から存在するが、透明導電層のパターン形成の為のエッチングにおいて、その露光の際に、一方の面からの紫外線照射に対して他方の面に干渉を起こさない程の紫外線遮光性とアンチブロッキング性と密着耐久性との3つの特性を同時に有するハードコートならびにハードコートフィルムは、達成されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2010−163535号公報
【特許文献2】国際公開第2008/069217号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、紫外線遮光性とアンチブロッキング性と密着耐久性とに優れるハードコートフィルム、これを用いた透明導電性フィルム及びタッチパネル、当該ハードコートフィルム形成用のハードコート塗液を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るハードコート塗液は、透明基材上にハードコート層を形成するためのものであって、有機ケイ素化合物と、相分離樹脂を含むアンチブロッキングハードコートと、ベンゾトリアゾール系のUV吸収剤(ただし、UV吸収樹脂を除く)と、溶剤とを、1〜5重量%:30〜60重量%:10〜40重量%:10〜40重量%の比率で含有する。
【0013】
本発明に係るハードコートフィルムは、透明基材の少なくとも一方の面に請求項1に記載のハードコート塗液の硬化膜からなるハードコート層を備える。
【0014】
ハードコート層の表面のJIS B0601−1994による算術平均粗さ(Ra)が1〜10nmであり、365nmの波長の紫外線透過率が0〜1%であっても良い。
【0015】
ハードコート層が透明基材の両面に積層されていても良い。
【0016】
また、本発明に係る透明導電性フィルムは、上記のハードコートフィルム上に透明導電層を積層したものである。
【0017】
この透明導電性フィルムにおいて、透明導電層がハードコートフィルムの両面に積層されていてもよい。
【0018】
また、本発明に係るタッチパネルは、上記の透明導電性フィルムを備える。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、紫外線遮光性とアンチブロッキング性と密着耐久性とに優れるハードコートフィルム、これを用いた透明導電性フィルム及びタッチパネル、当該ハードコートフィルム形成用のハードコート塗液を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態に係る透明導電性フィルムの製造方法を示す模式断面図
図2】透明導電膜のパターン例(X座標)の説明図
図3】透明導電膜のパターン例(Y座標)の説明図
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、実施形態に係る透明導電性フィルムの製造方法を示す模式断面図である。また、図2及び3は、透明導電膜のパターン例の説明図であって、それぞれX座標のパターン及びY座標のパターンを示す。
【0022】
まず、図1(a)及び(b)に示すように、透明基材11の両面にハードコート層12、12’を形成する。次に、図1(c)に示すように、ハードコート層12、12’のそれぞれの上に、透明導電層14、14’を形成する。次に、透明導電層14、14’上にレジストを設け、両面のレジストに対して同時にマスク等を用いた露光処理及び現像処理を行うことによって、図1(d)に示すように、透明電極層14、14’上に、所定のパターンを有するレジスト層16、16’を形成する。その後、レジスト層16、16’で覆われていない透明電極層14、14’をエッチング等で除去することによって、図1(e)に示す、透明導電性フィルム17を得る。
【0023】
透明導電性フィルム17の透明電極層14、14’は、図2及び3に示すような導電性パターンを有する。例えば、透明電極層14は、図2に示すように、X方向(図の左右方向)に延びる複数の導電領域Bが、X方向と直交するY方向(図の上下方向)に間をあけて並設されたパターンを有する。そして、透明電極層14’は、Y方向に延びる複数の導電領域Bが、X方向に間をあけて並設されたパターンを有する。隣接する導電領域Bの間の領域は、導電領域Bとは絶縁された非導電領域Aとなる。導電領域Bの各々は、金属配線Cを介して導電領域Bに形成される静電容量の変化を検出する回路に接続される。このようにして、静電容量方式タッチパネルが構成される。
【0024】
以下、本実施形態に係るハードコートフィルム13及び透明導電性フィルム17の各層の詳細を説明する。
【0025】
透明基材11は、有機高分子をフィルム状に溶融押出し又は溶液押出しをしてフィルム状に成形し、必要に応じ、長手方向及び/又は幅方向に延伸、熱固定、熱弛緩処理を施したフィルムである。有機高分子樹脂としては、成膜工程および後工程において十分な強度があり、表面の平滑性が良好であれば、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアリレート、環状ポリオレフィン、ポリイミド等が挙げられる。透明基材11の厚さは、部材の薄型化と基板の可撓性とを考慮し、10μm以上300μm以下程度とすることが好ましい。
【0026】
透明基材11には、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤、易接着剤等を添加したり塗布したりしてもよい。他の薄膜との密着性を改善するため、透明基材11の表面に、前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理、薬品処理などを施してもよい。
【0027】
ハードコート層12、12’は、紫外線遮光性と、アンチブロッキング性能と、透明導電層14、14’との密着耐久性を有し、さらに適度な硬度と機械強度があれば、特に限定されない。ハードコート層12、12’を形成するためのハードコート塗液として、有機ケイ素化合物とアンチブロッキングハードコートとUV吸収と溶剤とが、塗液の全重量のうち、1〜5重量%:30〜60重量%:10〜40重量%:10〜40重量%の比率で配合されたものを用いる。
【0028】
尚、ハードコート塗液を硬化させて得られるハードコート層12、12’は、有機ケイ素化合物とアンチブロッキングハードコートとUV吸収とを、3〜10重量%:30〜60重量%:20〜50重量%の比率で含有する。この比率で各組成成分を含有することによって、ハードコート層12、12’の紫外線遮光性、アンチブロッキング性能、透明導電層14、14’との密着耐久性を同時に得ることができる。
【0029】
ここで、「透明導電層14、14’との密着耐久性を有する」とは、透明導電性フィルム15をJIS K7350−2(試験サイクル:102分光照射/18分水スプレー、照射照度:0.5W/m at 340nm、温度:65±3℃、湿度:50±5%)における光照射試験を実施した後に、透明導電層14、14’とハードコート層12、12’の剥離が起こらないこという。
【0030】
透明導電層14、14’との密着耐久性を得るために、有機ケイ素化合物をハードコート塗液に混合する。本発明において有機ケイ素化合物は特に限定されないが、例として、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、2‐(3,4‐エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリメトキシシラン、p‐スチリルトリメトキシシラン、3‐メタクリ
ロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3‐メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3‐アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N‐2‐(アミノエチル)‐3‐アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3‐トリエトキシシリル‐N‐(1,3‐ジメチル‐ブチリデン)プロピルアミン、トリス‐(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3‐イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0031】
アンチブロッキングハードコート剤は、ヘーズ、透明性、アンチブロッキング性能の発現しやすさの観点から、相分離樹脂を含むアクリレートを主材料としたハードコート剤を用いることが好ましい。また、相分離樹脂は、ハードコート塗布直後はハードコート層中で他の材料と共に分散しているが、溶剤の揮発に伴ってハードコート層の他の材料から分離、析出し、ハードコート表面に凹凸を形成する樹脂であれば特に限定されるものではない。
【0032】
UV吸収は、本発明を両面露光する際の露光機の照射波長に応じて選択されるが、一般的な露光装置はUVA領域の光を照射することが多いため、UVA領域の光を吸収するベンゾトリアゾール系のUV吸収を用いることが好ましい。
【0033】
溶剤については、上記の主成分の樹脂を溶解するものであれば特に限定されない。具体的には、溶剤として、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0034】
ハードコート層12、12’は、表面の凹凸によってアンチブロッキング性を生じるものであることから、ハードコート層12、12’の表面のJIS B0601−1994による算術平均粗さ(Ra)は1〜10nmであることが好ましい。
【0035】
算術平均粗さの測定には菱化システム社製Vertscanを用いて測定した。測定はJIS B0601−1994年版に準拠して行った。Ra(JIS B 0601−1994)は、粗さ曲線からその平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜取り部分の平均線の方向にX軸を、縦倍率の方向にY軸を取り、粗さ曲線をy=f(x)で表したと
きに、次の式によって求められる値をナノメートル(nm)で表したものをいう。
【0036】
【数1】
【0037】
ハードコート層12、12’は、ハードコート塗液をダイコーター、カーテンフローコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、スピンコーター、マイクログラビアコーターなどの公知の塗布方法で塗布し、硬化させることにより形成する。
【0038】
ハードコート層12、12’の厚みは、特に限定されないが、薄膜化の観点から1〜10μmの範囲が好ましい。
【0039】
ハードコート層12、12’の塗工後の紫外線硬化時に用いられる紫外線照射機としては、特に限定はされないが、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプなどを用いることができる。
【0040】
ハードコート層12、12’を透明基材11の一方または両面に積層して得たハードコートフィルム13は、レジストの両面露光時に一方面側から他方面側への光の干渉を防止するため、365nmの光の透過率が0〜1%であることが好ましい。365nmの光の透過率の透過率測定には、日立ハイテク社製U4100などの分光光度計を用いることができる。
【0041】
透明導電層14、14’の材料及び積層方法は特に限定されないが、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズのいずれか、または、それらの2種類もしくは3種類の混合酸化物を、真空蒸着法、スパッタリング法などの乾式で積層する方法、あるいは、金属ナノワイヤー、PEDOT、カーボンナノチューブなどの塗布型導電材料をダイコーター、カーテンフローコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、スピンコーター、マイクログラビアコーターなどの公知の塗布方法で塗布して積層する方法を利用できる。
【0042】
透明導電層14、14’に導電性パターン領域および非導電性パターン領域をパターニングする方法としては、透明導電層14、14’上に液レジストを塗布するまたはドライフィルムレジストを貼り合せた後に、両面同時露光・現像によりレジストにパターンを形成してレジスト層16、16’を設け、透明導電層14、14’を化学的に溶解させる方法を用いることが好ましい。
【0043】
本実施形態に係るハードコートフィルム13は、ハードコート層12、12’がUV吸収を含有するため、図1(d)のレジスト層16及び16’の形成時の露光光である紫外線を吸収できる。したがって、レジスト露光時に、透明導電層14、14’上に設けた両面のレジストを同時に露光して、パターンを形成することが可能となる。したがって、本実施形態に係るハードコートフィルム13を用いることによって、基材フィルム11の両面に簡易かつ安価に透明導電層14、14’の導電性パターンを形成することができ、透明導電性フィルム17の生産性を向上できる。
【0044】
また、ハードコート層12、12’が含有する有機ケイ素化合物及びアンチブロッキン
グハードコート剤により、ハードコートフィルム13に、透明電極層との密着性及びアンチブロッキング性を付与することができる。
【実施例】
【0045】
(実施例)
透明基材としてポリエチレンテレフタラートフィルム(東洋紡社製、A4300‐125)を用い、透明基材の両面に、有機ケイ素化合物(信越工業社製、KBM‐1003)とアンチブロッキングハードコート(日本ペイント社製、NAB‐001)とUV吸収(チバ・ジャパン社製、TINUVIN 99‐2)と溶剤(東洋インキ社製、VC104)を2.5重量%:45重量%:22.5重量%:30重量%の比率で配合したハードコート塗液を、塗工・硬化させてハードコート層を積層した。このハードコート層にはアンチブロッキング性能があることで、フィルムのブロッキングは発生せず、ブロッキングの跡やフィルムのしわも発生しなかった。次に、透明導電層として25nmのITO層をスパッタリング法で積層した。
【0046】
このようにして形成されたハードコートフィルムの両面にドライフィルムレジスト(日立化成社製、ME‐3315)を貼り合わせ、両面から同時に露光・エッチングし、透明導電層に導電性パターンを形成した。
【0047】
(比較例1)
透明基材としてポリエチレンテレフタラートフィルム(東洋紡社製、A4300‐125)を用い、透明基材の両面に、有機ケイ素化合物(信越工業社製、KBM‐1003)とアンチブロッキングハードコート(日本ペイント社製、NAB‐001)とUV吸収(チバ・ジャパン社製、TINUVIN 99‐2)と溶剤(東洋インキ社製、VC104)を2.5重量%:20重量%:40重量%:37.5重量%の比率で配合したハードコート塗液を、塗工・硬化させてハードコート層を積層した。次に、透明導電層として25nmのITO層をスパッタリング法で積層した。
【0048】
このようにして形成されたハードコートフィルムの両面にドライフィルムレジスト(日立化成社製、ME‐3315)を貼り合わせ、両面から同時に露光・エッチングし、透明電極層に導電性パターンを形成した。
【0049】
(比較例2)
透明基材としてポリエチレンテレフタラートフィルム(東洋紡社製、A4300‐125)を用い、透明基材の両面に、有機ケイ素化合物(信越工業社製、KBM‐1003)とアンチブロッキングハードコート(日本ペイント社製、NAB‐001)とUV吸収(チバ・ジャパン社製、TINUVIN 99‐2)と溶剤(東洋インキ社製、VC104)を2.5重量%:60重量%:7.5重量%:30重量%の比率で配合したハードコート塗液を、塗工・硬化させてハードコート層を積層した。このハードコート層にはアンチブロッキング性能があることで、フィルムのブロッキングは発生せず、ブロッキングの跡やフィルムのしわも発生しなかった。次に、透明導電層として25nmのITO層をスパッタリング法で積層した。
【0050】
このようにして形成されたハードコートフィルムの両面にドライフィルムレジスト(日立化成社製、ME‐3315)を貼り合せ、両面から同時に露光・エッチングし、透明電極層に導電性パターンを形成した。
【0051】
(比較例3)
透明基材としてポリエチレンテレフタラートフィルム(東洋紡社製、A4300‐125)を用い、透明基材の両面に、有機ケイ素化合物(信越工業社製、KBM‐1003)
とアンチブロッキングハードコート(日本ペイント社製、NAB‐001)とUV吸収(チバ・ジャパン社製、TINUVIN 99‐2)と溶剤(東洋インキ社製、VC104)を0.5重量%:45重量%:22.5重量%:32重量%の比率で配合したハードコート塗液を、塗工・硬化させてハードコート層を積層した。このハードコート層にはアンチブロッキング性能があることで、フィルムのブロッキングは発生せず、ブロッキングの跡やフィルムのしわも発生しなかった。次に、透明導電層として25nmのITO層をスパッタリング法で積層した。
【0052】
このようにして形成されたハードコートフィルムの両面にドライフィルムレジスト(日立化成社製、ME‐3315)を貼り合せ、両面から同時に露光・エッチングし、透明電極層に導電性パターンを形成した。
【0053】
実施例と比較例1、2、3の性能は、下記のようにして評価した。
【0054】
(1)ハードコート(HC)ブロッキング
透明導電層を積層する前のハードコートフィルムに、ブロッキングが発生したか否かを目視により評価した。
【0055】
(2)裏面干渉
レジストの両面露光の際に、一方面のレジストに照射した紫外線により他方面のレジストが露光されたか否かを確認することにより、露光した面の裏面側への干渉の有無を評価した。
【0056】
(3)密着耐久性
透明導電層を積層した後、JIS K7350−2における耐光性試験に投入し、500h経過後に透明導電層の剥離有無を評価した。
【0057】
表1に、実施例と比較例1、2、3の評価結果を示す。
【0058】
【表1】
【0059】
表1の結果より、上記の実施形態で説明した組成及び組成比のハードコート塗液を用いて形成した、実施例に係るハードコートフィルムでは、透明導電層を積層する前のハードコートフィルムにブロッキングが発生せず、密着耐久性を有しており、両面露光時にも裏面干渉が発生しないことにより正常な導電パターン領域を得ることができた。
【0060】
これに対して、比較例1では透明導電層を積層する前のフィルムでブロッキングが発生した。比較例2では両面露光時に裏面干渉が発生し、正常な導電パターン領域を得ることができなかった。比較例3では密着耐久性を有しておらず、前記耐光性試験後に透明導電層の剥離が発生した。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、タッチパネルや透明導電性フィルムのベースフィルムとなるハードコートフィルムに利用できる。
【符号の説明】
【0062】
11 透明基材
12、12’ 紫外線者高機能性アンチブロッキングハードコート層
13 ハードコートフィルム
14、14’ 透明導電層
15 透明導電性フィルム(パターニング前)
16、16’ レジスト層
17 透明導電性フィルム(パターニング後)
A 非導電パターン領域
B 導電パターン領域
C 金属配線
図1
図2
図3