特許第6435814号(P6435814)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6435814
(24)【登録日】2018年11月22日
(45)【発行日】2018年12月12日
(54)【発明の名称】穀物乾燥機の運転情報管理システム
(51)【国際特許分類】
   F26B 25/00 20060101AFI20181203BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20181203BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20181203BHJP
【FI】
   F26B25/00 A
   F26B25/00 C
   F26B25/00 D
   H04M11/00 301
   H04Q9/00 311H
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-243157(P2014-243157)
(22)【出願日】2014年12月1日
(65)【公開番号】特開2016-105031(P2016-105031A)
(43)【公開日】2016年6月9日
【審査請求日】2017年6月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】加茂 吉博
【審査官】 根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−344644(JP,A)
【文献】 特開2007−003149(JP,A)
【文献】 特開平10−019465(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 1/00−25/22
H04M 11/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥運転・排出運転を行う穀物乾燥機と、表示画面付の管理用携帯端末を備え、
穀物乾燥機の制御部と管理用携帯端末を近距離用無線通信で接続し、管理用携帯端末とオペレータが所持する所持用携帯端末をインターネット無線通信で接続し、
管理用携帯端末は穀物乾燥機の運転情報を設定時間毎に受信して表示し、管理用携帯端末から所持用携帯端末へはインターネットによる無線通信を利用し、乾燥運転の運転情報及び乾燥運転の終了情報をメールで送信する穀物乾燥機の運転情報管理システムにおいて、
管理用携帯端末は、穀物乾燥機の現在の運転状況を表示する機能と、穀物乾燥機の過去の運転情報の履歴を表示する機能と、インターネット無線通信を介してデータ管理用サーバを用いる場合と用いない場合の何れかを選択可能とする画面のタッチスイッチとを備えることを特徴とする穀物乾燥機の運転情報管理システム。
【請求項2】
管理用携帯端末は複数の穀物乾燥機それぞれの制御部と近距離用無線通信で接続し、それぞれの穀物乾燥機からの情報を設定時間毎に順に受信し、管理用携帯端末から所持用携帯端末へは複数の穀物乾燥機の運転情報を設定時間毎に一回のメールにて送信することを特徴とする請求項1記載の穀物乾燥機の運転情報管理システム。
【請求項3】
管理用携帯端末から所持用携帯端末へのメールでの送信には、乾燥運転中の異常情報が含まれていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の穀物乾燥機の運転情報管理システム。
【請求項4】
管理用携帯端末は複数の穀物乾燥機それぞれの制御部と近距離用無線通信で接続し、それぞれの穀物乾燥機からの情報を設定時間毎に順に受信する構成とし、
管理用携帯端末から所持用携帯端末へのメールでの送信には、乾燥運転中の異常情報が含まれており、いずれかの穀物乾燥機が異常を検出すると、当該穀物乾燥機の情報又は他の穀物乾燥機の運転情報に優先して当該異常情報を管理用携帯端末が受信し、管理用携帯端末から所持用携帯端末へメールで送信することを特徴とする請求項1記載の穀物乾燥機の運転情報管理システム。
【請求項5】
メールの送信は複数の所持用携帯端末に送信するよう設定可能とし、ある人の所持用携帯端末には異常情報及び運転終了情報を送信し、ある人の所持用端末には現在の乾燥運転の運転状況を送信するよう設定可能とすることを特徴とする請求項1から請求項4いずれかに記載の穀物乾燥機の運転管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀物乾燥機の運転情報を通信で端末に送信する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、不特定多数のユーザの穀物乾燥機と集中管理サーバをインターネットによる無線で接続し、ユーザのパソコン又は携帯端末から集中管理サーバにアクセスして乾燥運転情報を閲覧できる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002―267363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1によると、穀物乾燥機の運転情報を全てインターネット回線で特定のサーバに送信するため、通信料が高価なものである。
また、乾燥運転中にコンバインでの収穫作業を行っているオペレータは、異常情報を除くと自ら携帯端末を操作して乾燥運転情報を集中管理サーバから取得しなければならないので不便である。
【0005】
本発明は、安価で穀物乾燥機の運転情報を取得すると共に、穀物乾燥機から離れた位置のオペレータが乾燥運転中の運転情報を適切に把握できることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1記載の発明は、
乾燥運転・排出運転を行う穀物乾燥機と、表示画面付の管理用携帯端末を備え、
穀物乾燥機の制御部と管理用携帯端末を近距離用無線通信で接続し、管理用携帯端末とオペレータが所持する所持用携帯端末をインターネット無線通信で接続し、
管理用携帯端末は穀物乾燥機の運転情報を設定時間毎に受信して表示し、管理用携帯端末から所持用携帯端末へはインターネットによる無線通信を利用し、乾燥運転の運転情報及び乾燥運転の終了情報をメールで送信する穀物乾燥機の運転情報管理システムにおいて、
管理用携帯端末は、穀物乾燥機の現在の運転状況を表示する機能と、穀物乾燥機の過去の運転情報の履歴を表示する機能と、インターネット無線通信を介してデータ管理用サーバを用いる場合と用いない場合の何れかを選択可能とする画面のタッチスイッチとを備えることを特徴とする穀物乾燥機の運転情報管理システムとする。
【0007】
請求項2記載の発明は、
管理用携帯端末は複数の穀物乾燥機それぞれの制御部と近距離用無線通信で接続し、それぞれの穀物乾燥機からの情報を設定時間毎に順に受信し、管理用携帯端末から所持用携帯端末へは複数の穀物乾燥機の運転情報を設定時間毎に一回のメールにて送信することを特徴とする請求項1記載の穀物乾燥機の運転情報管理システムとする。
【0008】
請求項3記載の発明は、
管理用携帯端末から所持用携帯端末へのメールでの送信には、乾燥運転中の異常情報が含まれていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の穀物乾燥機の運転情報管理システムとする。
【0009】
請求項4記載の発明は、
管理用携帯端末は複数の穀物乾燥機それぞれの制御部と近距離用無線通信で接続し、それぞれの穀物乾燥機からの情報を設定時間毎に順に受信する構成とし、
管理用携帯端末から所持用携帯端末へのメールでの送信には、乾燥運転中の異常情報が含まれており、いずれかの穀物乾燥機が異常を検出すると、当該穀物乾燥機の情報又は他の穀物乾燥機の運転情報に優先して当該異常情報を管理用携帯端末が受信し、管理用携帯端末から所持用携帯端末へメールで送信することを特徴とする請求項1記載の穀物乾燥機の運転情報管理システムとする。
【0010】
請求項5記載の発明は、メールの送信は複数の所持用携帯端末に送信するよう設定可能とし、ある人の所持用携帯端末には異常情報及び運転終了情報を送信し、ある人の所持用端末には現在の乾燥運転の運転状況を送信するよう設定可能とすることを特徴とする請求項1から請求項4いずれかに記載の穀物乾燥機の運転管理システムとする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、データ量の多い乾燥運転の運転情報は近距離用無線通信で管理用携帯端末に入力され、インターネットによる無線通信で行うメールは、少ないデータ量にすることができるため、安価な管理システムにすることができる。
また、現在の運転状況を把握することができる。
また、穀物乾燥機の過去の運転情報の履歴を表示することで、運転情報のデータを作業日報や今後の収穫・乾燥運転の計画等に活用することができる。
また、インターネット無線通信を介してデータ管理用サーバを用いる場合と用いない場合の何れかを選択することができる。
【0012】
また、オペレータは複数の穀物乾燥機の運転情報が同時に把握することができ、乾燥運転全体におけるメール送信回数を低減し、メール送信に要する通信量を低減することが可能となる。
また、穀物乾燥機から離れた位置のオペレータが乾燥運転中の運転情報を適切に把握できる。
また、管理用携帯端末に穀物乾燥機の運転情報が蓄積されるので、穀物乾燥機の乾燥運転の終了後に管理者は管理用携帯端末を任意に持ち出して運転情報を確認できる。
【0013】
また、穀物乾燥機の異常情報は通常の乾燥運転状況に対して優先して所持用携帯端末に送信することができる。
また、送信するメールの内容は、所持用携帯端末毎に異なるよう設定できるので、所持用携帯端末の所持者に適した内容のメールを送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】管理システムの概要図
図2】第二管理システムの概要図
図3】乾燥運転中の運転情報を示す図
図4】全穀物乾燥機の運転情報の詳細を示す図
図5】1台の穀物乾燥機の累積の運転時間及びメンテナンス情報の表示を示す図
図6】装置各部のメンテナンスの時間を示す図
図7】設定期間内の乾燥運転履歴を示す図
図8】乾燥運転時間の作業工程毎の累積運転時間を示す図
図9】乾燥運転日毎の作業工程毎の累積運転時間を示す図
図10】乾燥運転時刻毎の作業工程時間を示す図
図11】乾燥運転中の水分分布の変化の推移を示す図
図12】燃料消費量を示す図
図13】送信メールの内容を示す図
図14】送信メールの内容を示す図
図15】送信メールの内容を示す図
図16】送信メールの内容を示す図
図17】送信メールの送付先及びその内容を設定する画面を示す図
図18】乾燥運転終了後の乾燥運転情報の履歴を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を実施するための形態につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は穀物乾燥機の運転情報の管理システムを示す図である。
本実施の形態の穀物乾燥機は、サンプル穀物の水分値を測定する水分計(図示せず)や乾燥運転を制御する制御部を備える公知のものである。
【0016】
ライスセンターや大型の建屋内に複数台並列して設置する穀物乾燥機1、2、3の制御部にはそれぞれオフラインコントローラ(図示せず)を備える。一台のタブレット等の管理用携帯端末Tと複数の穀物乾燥機1、2、3をBLEUTOOTH等の近距離用無線通信でそれぞれ通信可能に構成している。
【0017】
この無線通信は、穀物乾燥機1、2、3と管理用携帯端末Tが10m程度で通信可能であり、管理用携帯端末Tは、乾燥運転中はオペレータが所持して持ち運ぶためのものではなく、穀物乾燥機1、2、3の近傍に定置する。そして、全ての穀物乾燥機1、2、3の乾燥運転が終了した後は、オペレータが適宜所持して運転履歴の閲覧・管理等に用いることを可能としている。
【0018】
この実施例で記載するオペレータとは、穀物乾燥機の所有者や管理者、乾燥運転の操作者等を指す。
穀物乾燥機1、2、3と管理用携帯端末Tの通信は、穀物乾燥機1と管理用携帯端末Tが接続して穀物乾燥機1の運転情報が管理用携帯端末Tに入力されると、穀物乾燥機1の通信が切れ、次に穀物乾燥機2と管理用携帯端末Tが接続され、同様に運転情報が入力される。以後、穀物乾燥機3、穀物乾燥機1、の順に通信の接続と切断が行われる。すなわち、1台ずつの穀物乾燥機が順に管理用携帯端末Tと接続と切断がなされる。
【0019】
管理用携帯端末T側が、接続する穀物乾燥機1、2、3の制御部(図示せず)を順次選択する構成であり、穀物乾燥機1台ずつの運転情報のデータを収集することで、1回に受信するデータ量が少なくて済み、通信負荷が小さく、確実な通信ができる。
【0020】
例えば、1分毎に運転情報が管理用携帯端末Tに入力される設定にすると、10台の穀物乾燥機と管理用携帯端末Tが接続している場合には、1台の穀物乾燥機の運転情報を10分毎に管理用携帯端末Tが受信する構成である。
【0021】
また、1台の穀物乾燥機の運転情報のデータの受信の間隔は穀物乾燥機の接続台数が少ないほど短くなるように構成する。すなわち、例えば、5台の穀物乾燥機の場合には、1台の穀物乾燥機は5分毎に管理用携帯端末Tが受信する。この構成により、穀物乾燥機の所有台数が少ない場合には、その分詳細な運転データを取得することができる。
【0022】
管理用携帯端末Tに入力された複数の穀物乾燥機の運転情報の内の一部はオペレータが所持する携帯電話等の所持用携帯端末Sにインターネット無線通信Mを介してメールにて送信される。
【0023】
送信される運転情報は、図13に示すような乾燥状態を知るのに必要最小限の乾燥運転情報(現在の水分値や乾燥運転終了予定時刻等)が定期的に送信される。定期的とは設定時間毎(例えば1時間毎)であり、オペレータは穀物乾燥機から離れた位置、例えば圃場でコンバインによる収穫作業をしながら穀物乾燥機の運転状態が把握できる。図13においては、複数の穀物乾燥機の運転情報を同時に送信する構成にすることで、オペレータは複数の穀物乾燥機の運転情報が同時に把握することができ、乾燥運転全体におけるメール送信回数を低減し、メール送信に要する通信量を低減することが可能となる。
【0024】
メールにて送信する情報は他に、図15に示すように、穀物乾燥機の各種センサが異常を検出した場合に異常を報知したり、図14に示すように乾燥運転が終了した場合や、乾燥運転後の排出運転が終了する等、作業工程毎の運転が終了した場合にその旨をメールで送信することもできる。
【0025】
メールの送信は、複数の人それぞれの所持用携帯端末S1、S2に送信可能であり、また、所持用携帯端末S1、S2毎にその送信内容を変えることも可能である。
図16に示すように、例えば所持用携帯端末S1には乾燥運転の運転状況を送信し、所持用携帯端末S2には異常情報又は運転の終了情報を送信するように設定する。この場合、例えば所持用携帯端末S1は収穫・乾燥作業全体の管理者のように乾燥運転の進捗を把握したい人に向けてデータを送信するのに適し、所持用携帯端末S2は圃場や穀物乾燥機のある建屋を移動する現場の作業者に適する。このように、送信内容の設定を可能にすることで、送信データ量を少なくし、通信料金を低減することができる。
【0026】
なお、異常情報は他の運転の情報に優先し、メールで送信するようにしても良い。例えば、他の運転情報は、設定時間(1時間)毎のメールの送信を行い、異常情報は、管理用携帯端末に異常情報が入力されると、随時メールで送信する。これにより、前記作業者は迅速に異常情報に対応することが可能になる。
【0027】
また、図17に示すように、水分バラツキ状態等乾燥運転の詳細情報を送信したり、メールの送信のタイミングの時間間隔を設定することもできる。
全ての乾燥運転が終了すると、管理用携帯端末Tには、これまでの穀物乾燥機の運転情報の履歴のデータが蓄積されており、管理者は管理用携帯端末Tを適宜操作することで、その運転情報のデータを作業日報や今後の収穫・乾燥運転の計画等に活用することができる。また、インターネットの無線による通信はメールによる運転情報の一部のデータの送信で済むため安価な構成にすることができる。
【0028】
図1の実施の形態は、管理用携帯端末Tと所持用携帯端末Sを利用した簡易の乾燥運転の管理システムである。
次に、乾燥運転の管理システムに、データ管理用サーバDによる乾燥運転情報の蓄積と管理者のパソコンPによる管理が可能にする場合の第二管理システムについて、図2に基づいて説明する。
【0029】
管理用携帯端末Tに入力され、記憶された乾燥運転情報は管理用携帯端末Tからインターネット無線通信Mを介してデータ管理用サーバDに送信され、運転情報及び運転履歴が蓄積される。データ管理用サーバDには穀物乾燥機のみならず、トラクタやコンバインで同様に取得した運転情報が蓄積される構成であり、オペレータのパソコンPからデータ管理用サーバDにアクセス可能にすることで、農作業の情報管理を一元化できるものである。
【0030】
データ管理用サーバDを用いない図1に基づく管理システムとデータ管理用サーバDを用いる図2に基づく第二管理システムのいずれかを利用するかは管理用携帯端末Tでオペレータが任意に選択可能である。詳述はしないが、管理用携帯端末Tの画面のタッチスイッチでいずれか選択可能としている。これにより、所有者又は管理者は安価な管理システムを利用するか、穀物乾燥機のみならず、トラクタやコンバインの運転情報も集中的に管理可能な第二管理システムを利用するかを任意に選択可能である。
【0031】
以下、管理用携帯端末に入力され、表示される運転情報について説明する。
図3は乾燥運転中の運転情報を示す図である。
管理用携帯端末の画面Gに表示されている乾燥機NO.1からNO.5は5台の穀物乾燥機の運転状況が示されている。表示内容は、生産者・穀物水分状況・乾燥終了予定時間等の乾燥運転における主要な運転情報が表示される。そして、それぞれの穀物乾燥機毎に設定時間(例えば1分間隔)間隔で表示内容を自動で更新する。表の下には各種スイッチ(設定用画面切換スイッチ・燃料使用量用画面切換スイッチ等)が設けられており、スイッチの内容に画面Gが切換わる構成である。
【0032】
図3図4のように、さらに張込運転情報や排出運転情報や乾燥運転モード等を表示する画面に設定したり切換えるようにしても良い。
図4の燃料使用量の欄は、乾燥運転中の場合には、終了予測時刻に基づき演算される予測値である。
【0033】
図5は、穀物乾燥機の作業工程別の累積運転時間を表示している。例えば乾燥運転時間の累積時間が828時間、張込時間の累積時間が129.4時間等、購入時から使用した運転時間の累積時間をカウント及び表示して、メンテナンスのタイミングを表示する。
【0034】
そして、累積時間が設定時間を経過した作業工程があるとその旨をメンテナンス情報等として表示する。メンテナンス情報等の詳細は当該項目のスイッチを操作することで図6に示すような詳細画面に切換わる。
【0035】
図6は装置各部の点検・清掃の時間と実際の稼働時間が表示されている。点検時間100時間とは、100時間毎に点検・清掃等のメンテナンスが必要であるとの設定である。そして、稼働時間が100時間を超えていると稼働時間に着色等がなされ、点検・清掃を促す。
【0036】
「確認」の欄の「リセット」とは、オペレータが「リセット」のスイッチを操作すると、点検・清掃が終わったとみなされ、稼働時間がリセットされ、また、新たに稼働時間がカウントされる。
【0037】
この稼働時間とは、点検・清掃のタイミングを計るための測定時間であり、今まで行った全ての乾燥運転の累積時間とは異なる。
図7は設定期間内での穀物乾燥機の今までの乾燥運転履歴(実績)を表示している。本実施の形態においては、運転履歴の表示期間を設定して表示することが可能である。
【0038】
図8は、特定の乾燥運転を選択し、その乾燥運転の作業工程(張込・通風・乾燥・排出)別の累積の運転時間を棒グラフで表示している。図8の別画面として、図9のように複数の乾燥運転の作業工程別の累積の運転時間を表示したり、図10のように、実際の運転時刻で表示するようにしても良い。特に、図10の表示によると、どの時刻にどの作業工程であったかを見やすくすることができ、管理者が適切な乾燥運転であったかを判断しやすくすることができる。
【0039】
図11は、乾燥運転中の水分計(図示せず)で測定したサンプル穀物水分値の分布の変遷を示す図で、設定時間(1時間毎)に測定した設定サンプル粒数(32粒)の水分分布を示している。図11では18時と19時と20時に測定した水分値が表示されているが、その前(例えば17時)に測定した水分分布グラフの画面のスイッチ操作で移行することができる。前回の17時を表示すると、画面には19時と18時と17時の3つの時間の水分分布データが表示される。
【0040】
図12は、指定した穀物乾燥機における燃料(灯油)消費量を示している。本実施の形態においては、乾燥運転日毎の燃料消費量と、その年の累積の燃料消費量を示している。これにより、管理者は経費の計算をしやすくすることが出来る。また、図12では、当該穀物乾燥機で乾燥した穀物の中から穀物種類を指定し、その穀物の燃焼に要した燃料使用量を表示することができる。図12では、全穀物(籾・麦・蕎麦・豆)を選択しているが、これを特定の穀物種類を選択し(例えば豆だけ)、その燃料消費量を表示することも可能である。それにより、穀物種類別の燃費の管理を行うことができる。
【0041】
図18は乾燥運転終了後の乾燥運転情報の履歴を示す画面である。この画面に、玄米重量やくず米重量の欄を備えている。この欄には、後日、籾摺作業を行った後に、オペレータが手動で入力することで、収穫時期後の管理を行うことができるために備えられている。
【符号の説明】
【0042】
1 穀物乾燥機
2 穀物乾燥機
3 穀物乾燥機
T 管理用携帯端末
S 所持用携帯端末
M インターネット無線通信
G 管理用携帯端末の画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18