(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態の具体例について図面を参照して説明する。なお、全ての図面において、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、全ての図面において、本発明を説明するために必要となる構成要素を抜粋して図示しており、その他の構成要素については図示を省略している場合がある。さらに、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
【0012】
(実施の形態1)
[印刷装置の構成]
図1は、本実施の形態1に係る印刷装置の概略構成を示す模式図である。
図2は、
図1に示す印刷装置の内部構造(プリンタ部)を模式的に示す縦断面図である。
図3は、
図1に示す印刷装置の機能的構成を示すブロック図である。なお、
図1及び
図2において、印刷装置における上下、左右、及び前後方向を図における上下、左右、及び前後方向として表している。
【0013】
図1に示すように、本実施の形態1に係る印刷装置1は、プリンタ部11、表示機構12、及び操作機構13を備えていて、シート81(
図2参照)に画像を記録するように構成されている。
【0014】
プリンタ部11は、第1給紙トレイ21A又は第2給紙トレイ21Bから給紙されたシート81に画像をプリント(記録)し、プリントしたシート81を排出トレイ22から排出するように構成されている。以下、
図2を参照しながら、プリンタ部11の構成について、具体的に説明する。
【0015】
図2に示すように、プリンタ部11は、第1給紙トレイ21A、第2給紙トレイ21B、排出トレイ22、プラテン23、及び印刷機構24を備えている。第1給紙トレイ21Aは、第2給紙トレイ21Bよりも上方に位置している。第1給紙トレイ21Aの上方には、プラテン23が配置されている。プラテン23の更に上方には、キャリッジ41及びノズル孔からインクを吐出する吐出ヘッド42等を有する印刷機構24が配置されている。また、プラテン23の前方には、排出トレイ22が配置されている。
【0016】
第1給紙トレイ21A及び第2給紙トレイ21Bの後部から、排出トレイ22に至るまでに、不図示の部材によってシート搬送路25が形成されている。このシート搬送路25は、上方、かつ、前方に向かって湾曲するように形成されている。
【0017】
また、プリンタ部11は、給紙機構31、搬送ローラ部32、及び排出ローラ部35を備えている。
【0018】
給紙機構31は、第1給紙ローラ部31A、及び第2給紙ローラ部31Bを備えている。具体的には、第1給紙ローラ部31Aは、第1給紙トレイ21Aの直上に配置されていて、第1給紙トレイ21A内のシート81をシート搬送路25へ供給するように構成されている。同様に、第2給紙ローラ部31Bは、第2給紙トレイ21Bの直上に配置されていて、第2給紙トレイ21B内のシート81をシート搬送路25へ供給するように構成されている。なお、給紙機構31が備える、第1給紙ローラ部31A、及び第2給紙ローラ部31Bは、後述するコントローラ100が取得したジョブに応じて、いずれかが駆動される。
【0019】
搬送ローラ部32は、搬送ローラ33及びピンチローラ34から構成されている。搬送ローラ部32は、第1給紙ローラ部31A又は第2給紙ローラ部31Bによってシート搬送路25に供給されたシート81を、搬送ローラ33及びピンチローラ34によって上下から挟み込む。
【0020】
排出ローラ部35は、排出ローラ36及び拍車ローラ37から構成されている。排出ローラ部35は、搬送ローラ部32によってシート搬送路25を搬送されるシート81を、排出ローラ36及び拍車ローラ37によって上下から挟み込む。
【0021】
プリンタ部11は、第1残量センサ66A及び第2残量センサ66Bを備えている。第1残量センサ66A及び第2残量センサ66Bは、それぞれ、対応する第1給紙トレイ21A及び第2給紙トレイ21B内のシートの残量に応じた信号をコントローラ100に出力するように構成されている。コントローラ100は、受信した信号に基づいて、各給紙トレイ内のシートの残量を算出する。なお、第1残量センサ66A及び第2残量センサ66Bは、公知の残量センサ(可変抵抗器を有するセンサ等)を用いることができる。
【0022】
また、プリンタ部11は、第1トレイセンサ65A及び第2トレイセンサ65Bを備えている。第1給紙トレイ21A及び第2給紙トレイ21Bは、ユーザの操作によって装着位置及び非装着位置との間を移動される。第1トレイセンサ65A及び第2トレイセンサ65Bは、それぞれ、対応する第1給紙トレイ21A及び第2給紙トレイ21Bの状態に応じた信号をコントローラ100に出力するように構成されている。
【0023】
具体的には、第1給紙トレイ21Aがプリンタ部11に対して装着位置に位置する状態(以下、「装着状態」という)である場合には、第1トレイセンサ65Aは、装着状態に対応する信号をコントローラ100に出力する。一方、第1給紙トレイ21Aがプリンタ部11に対して非装着位置に位置する状態(以下、「非装着状態」という)である場合には、第1トレイセンサ65Aは、非装着状態に対応する信号をコントローラ100に出力する。第2トレイセンサ65Bも同様に、第2給紙トレイ21Bの状態に応じて、装着信号又は非装着信号をコントローラ100に出力する。
【0024】
なお、「装着状態」とは、第1給紙トレイ21A又は第2給紙トレイ21Bが装着位置に位置している状態であり、且つ装着位置に位置する第1給紙トレイ21A又は第2給紙トレイ21Bに支持されたシート81が、第1給紙ローラ部31A又は第2給紙ローラ部31Bにより、シート搬送路25へ供給可能な状態としてもよい。
【0025】
また、「非装着状態」とは、第1給紙トレイ21A又は第2給紙トレイ21Bが非膠着位置に位置している状態であり、且つ非装着位置に位置する第1給紙トレイ21A又は第2給紙トレイ21Bに支持されたシート81を、シート搬送路25へ供給不可能な状態としてもよい。このため、「非装着状態」は、給紙トレイがプリンタ部11から完全に分離されている必要はなく、例えば、給紙トレイがプリンタ部11からある程度引出された状態を含んでもよい。
【0026】
次に、
図1〜
図3を参照しながら、印刷装置1のプリンタ部11以外の他の構成について、説明する。
【0027】
図1に示すように、表示機構12は、印刷装置1の正面上部(より正確には、排出トレイ22の上方)に配置されている。表示機構12は、ユーザに報知すべき情報をメッセージ等を含む情報画像で表示するように構成されている。表示機構12の具体的な構成は、特に限定されないが、例えば、液晶ディスプレイであってもよく、有機ELディスプレイであってもよい。
【0028】
なお、本実施の形態1においては、表示機構12は、複数の表示画面を切り替えることが可能なシングルウィンドウ方式を採用している。また、表示機構12は、タッチセンサを有していて、操作機構13を兼用するように構成されている。
【0029】
操作機構13は、印刷装置1に対する指示をユーザから受け付ける入力インタフェースであり、本実施の形態1においては、タッチパネルで構成されている。
【0030】
なお、本実施の形態1においては、操作機構13は、タッチパネルで構成される形態を採用したが、これに限定されず、印刷装置1の本体から物理的に分離され、かつ、コントローラ100との間で通信可能なデバイス、例えば、リモコン、携帯電話、又はスマートフォン等で構成される形態を採用してもよい。また、操作機構13は、印刷装置1の本体に設けられた複数のボタンによって構成される形態を採用してもよい。
【0031】
また、
図3に示すように、コントローラ100は、第1基板及び第2基板を備えていて、第1基板にはCPU101、ROM102、RAM103、及びEEPROM104が実装され、第2基板にはASIC105が実装されている。第1基板及び第2基板の間は、バスにより接続されている。ASIC105には、2つのモータドライバIC106、107と、ヘッドドライバIC108と、上述した表示機構12、操作機構13、第1トレイセンサ65A、第2トレイセンサ65B、第1残量センサ66A、及び第2残量センサ66Bと、が接続されている。
【0032】
CPU101は、操作機構13を介してユーザから、又は図示しない通信インタフェースを介して、他の通信装置から、印刷ジョブ(以下、単に「ジョブ」と記載する)の入力を受け付けると、ROM102に記憶されたプログラムに基づいてジョブ実行の指令をASIC105へ出力する。ASIC105は、この指令に基づいて各ドライバIC106〜108を駆動し、印刷処理を実行する。ジョブは、当該ジョブを示すデータがRAM103等に記憶されるが、実行しているジョブが完了した際は、RAM103からジョブを示すデータが消去されている。
【0033】
また、EEPROM104には、第1給紙トレイ21A及び第2給紙トレイ21B対して、それぞれの給紙トレイに収納されているシート情報が記憶されている。このシート情報は、シート種類とシートの残量を示している。シート種類は、例えば、操作機構13に対するユーザの操作結果に応じて、EEPROM104に記憶される。
【0034】
また、シート残量は、コントローラ100が、第1残量センサ66A及び第2残量センサ66Bから受信した信号に基づいて算出した各給紙トレイ内のシートの残量をEEPROM104に記憶させる。
【0035】
例えば、EEPROM104には、第1給紙トレイ21Aに対しては、A4普通紙が50枚、を示すシート情報が、第2給紙トレイ21Bに対しては、A3光沢紙が50枚、を示すシート情報が、EEPROM104に記憶されている。つまり、シート情報は、サイズ(A4、A3、Letter等)及び素材(普通紙、光沢紙、ハガキ等)からなるシート種類と、給紙トレイ内のシート残量、を示すものである。
【0036】
モータドライバIC106は、搬送モータ70を駆動する。搬送モータ70の駆動によって、第1給紙ローラ部31A、第2給紙ローラ部31B、搬送ローラ部32、及び排出ローラ部35が動作する。また、モータドライバIC107は、キャリッジモータ71を駆動する。キャリッジモータ71の駆動によって、キャリッジ41が主走査方向へ往復移動する。ヘッドドライバIC108は、吐出ヘッド42を駆動する。吐出ヘッド42の駆動によって、吐出ヘッド42からインクが吐出される。
【0037】
コントローラ100は、該コントローラ100に入力された信号に基づき、上記各ドライバIC106〜108を駆動し、シート81に画像を印刷する。
【0038】
[印刷装置の動作]
次に、本実施の形態1に係る印刷装置1の動作について、
図1〜
図5を参照しながら、説明する。なお、以下の動作は、ジョブを受け付けたコントローラ100(CPU101)が、あるプログラムをROM102から読み出して実行することで実現される。コントローラ100が上記プログラムを実行すると、コントローラ100は、各ドライバIC106〜108等を駆動することで、印刷処理等の各処理を実行する。
【0039】
図4は、本実施の形態1に係る印刷装置1のコントローラ100が実行する処理の手順を示すフローチャートである。この
図4のフローチャートが示す、コントローラ100が実行する各処理を示すプログラムは、例えば、ROM102に記憶されている。
【0040】
また、
図5は、本実施の形態1に係る印刷装置1のEEPROM104に記憶される各給紙トレイに対するシート情報が示すシート種類及びシート残量と、印刷装置1のコントローラ100に入力されたジョブの内容と、を示す表である。
【0041】
図4に示すように、コントローラ100は、例えば、外部装置から印刷データに対応するジョブを受け付けて(ステップS101)、受け付けた順、ジョブに従って、印刷処理を開始する(ステップS102)。受け付けたジョブは、例えばRAM103に記憶される。この印刷処理は、コントローラ100が、受け付けたジョブ(RAM103に記憶されるジョブ)に含まれるシート情報と、EEPROM104が記憶するシート情報と、が、合致する給紙トレイ(EEPROM104が記憶するシート情報を基に、受け付けたジョブに含まれるシート情報を実行することができる給紙トレイを選択し、選択した給紙トレイ)から、給紙機構31にシート81を給紙させる処理を含む。また、印刷処理は、コントローラ100が印刷機構24に、ジョブが示す画像を給紙されたシート81に印刷させる処理を含む。
【0042】
次に、コントローラ100は、ステップS101で受け付けたジョブが未完了であるか否かを判断する(ステップS103)。コントローラ100は、ステップS101で受け付けたジョブが完了している場合(ステップS103でNo)には、本プログラムを終了する。
【0043】
例えば、コントローラ100は、RAM103に蓄積されていたジョブを示すデータが消去された(つまり無くなった)らステップS103においてNoと判断する。ステップS101で受け付けたジョブが未完了である場合(ステップS103でYes)には、ステップS104に進む。例えば、コントローラ100は、RAM103に依然ジョブを示すデータが残っている場合に、ステップS103でYesと判断する。
【0044】
次に、コントローラ100は、第2トレイセンサ65Bからの出力に基づいて、第2給紙トレイ21Bの操作を検知しない場合、すなわち、第2トレイセンサ65Bが装着信号を出力している場合(ステップS104でNo)には、ステップS103に戻る。一方でコントローラ100は、第2トレイセンサ65Bからの出力に基づいて、第2給紙トレイ21Bの操作を検知した場合、すなわち、第2トレイセンサ65Bが非装着信号を出力している場合(ステップS104でYes)には、ステップS105に進む。
【0045】
ステップS105では、コントローラ100は、第2給紙トレイ21B内のシートの種類が、未完了のジョブに対応しているか否かを判定する。ここで、ステップS105の具体的な判定方法について、
図5を参照しながら説明する。
【0046】
図5に示すように、条件例1は、第1給紙トレイ21Aに対してはA4普通紙が50枚、第2給紙トレイ21Bに対してはA3光沢紙が50枚、を示すシート情報がEEMPROM104に記憶されている例である。また、条件例1では、コントローラ100が、ステップS101でジョブA(A4普通紙30枚に画像を印刷するジョブ)とジョブB(A3光沢紙20枚に画像を印刷するジョブ)を受け付けたとする。なお、以下では、コントローラ100が受け付けたジョブXに基づく、上記印刷処理を行うことを、コントローラ100がジョブXを実行する、と表記する。
【0047】
条件例1において、コントローラ100が、ジョブAを実行中に、すなわち第1給紙トレイ21Aにセットされていた用紙(A4普通紙)に対する印刷処理の実行中に、第2給紙トレイ21Bの操作を検知したとする(S104でYes)。このとき、EEPROM104に記憶されている第2給紙トレイ21Bに対するシート情報は、A3光沢紙が50枚を示している。また、未完了のジョブBは、A3光沢紙20枚に画像を印刷するものである。このため、第2給紙トレイ21B内のシートの種類(A3光沢紙)は、未完了のジョブBに対応している(第2給紙トレイ21B内のシートの種類を変更しないで、ジョブを実行することができる)。
【0048】
一方、条件例2は、第1給紙トレイ21Aに対してはA4普通紙が50枚、第2給紙トレイ21BにはLetter普通紙が30枚を示すシート情報がEEPROM104に記憶されている例である。また、条件例2では、コントローラ100が、ステップS101でジョブC(A4普通紙30枚に画像を印刷するジョブ)とジョブD(A3光沢紙20枚に画像を印刷するジョブ)を受け付けたとする。
【0049】
そして、コントローラ100は、ジョブCを実行中に、すなわち、第1給紙トレイ21Aに収納されていた用紙(A4普通紙)に対する印刷処理の実行中に、第2トレイセンサ65Bが第2給紙トレイ21Bの操作を検知したとする(S104でYes)。このとき、EEPROM104に記憶されている第2給紙トレイ21Bに対するシート情報は、Letter普通紙が30枚を示している。また、未完了のジョブDは、A3光沢紙20枚に画像を印刷するものである。このため、第2給紙トレイ21B内のシートの種類(Letter普通紙)は、未完了のジョブDに対応していない(第2給紙トレイ21B内のシートの種類を変更しなければ、ジョブを実行することができない)。
【0050】
したがって、上記条件例1の場合では、コントローラ100は、第2給紙トレイ21B内のシートの種類が、未完了のジョブに対応していると判定(ステップS105でYes)し、表示機構12に第2給紙トレイ21B内のシートの変更は不要である旨の表示(例えば、文字、又は絵、又は文字と絵とで、示した画像)を表示させる(ステップS106)。
【0051】
なお、ステップS106の表示例としては、「シート設定の変更は不要です」等である。よりユーザに分かりやすくするには、上記条件例1の場合においては、ジョブBと第2給紙トレイ21B内のシート種類が、合致している旨を、表示してもよい。このような表示形態も、上記の「シートの変更は不要である旨の表示」の一形態とする。さらに上述のような合致している旨の表示と「シート設定の変更は不要です」との表示とを、一度に表示してもよい。
【0052】
この表示機構12の表示を見たユーザは、第2給紙トレイ21Bに対するシート情報が既に、ジョブBを続行するのに必要なシート情報が示すシート種類(具体的には、条件例1の場合では、A3光沢紙)であることができる。つまり、ユーザは、ジョブBを続行するのに、シートを交換しなくてもよいことを把握することができる。これにより、ユーザは、操作機構13にシート種類の入力をしない可能性が高くなり、従って第2給紙トレイ21Bに対して適切なシート種類を示すシート情報が、EEPROM104に記憶されていることが継続される。
【0053】
一方、上記条件例2の場合では、コントローラ100は、第2給紙トレイ21B内のシートの種類が、未完了のジョブに対応していないと判定(ステップS105でNo)し、表示機構12に第2給紙トレイ21B内のシートの変更が必要である旨の表示(例えば、文字、又は絵、又は文字と絵とで、示した画像)を表示させる(ステップS107)。
【0054】
なお、ステップS107の表示例としては、上記条件例2の場合では、「A3 光沢紙をセットして下さい」、又は「A3 光沢紙 20枚をセットして下さい」等のようにジョブDが示すシート設定の内容を表示すればよい。
【0055】
この表示機構12の表示を見たユーザは、第2給紙トレイ21Bに対するシート情報として、ジョブBを続行するのに必要なシート情報が示すシート種類(具体的には、条件例1の場合では、A3光沢紙)を把握することができる。そして、この表示機構12の表示を見たユーザによって、操作機構13を介して適切なシート種類が入力され、EEPROM104に第2給紙トレイ21Bに対する適切なシート情報が記憶される。
【0056】
そして、コントローラ100は、ステップS106又はステップS107を実行した後、ステップS103に戻り、ステップS101で受け付けたジョブが完了するまで、ステップS103〜ステップS107を繰り返し、ステップS101で受け付けたジョブが完了すると、本プログラムを終了する。
【0057】
なお、コントローラ100は、ジョブA、Cの実行が完了したら、ジョブB、Dの実行をする。つまり、コントローラ100は、ジョブB、Dに含まれるシート情報と合致する、EEPROM104が記憶するシート情報が、示すシートが収納されている第2給紙トレイ21Bから、給紙機構31にシート81を給紙させる。また、コントローラ100は、印刷機構24に、ジョブが示す画像を、給紙されたシート81に印刷させる。
【0058】
このように構成された、本実施の形態1に係る印刷装置1では、現在印刷処理がされているシートがセットされている給紙トレイとは異なる給紙トレイが抜き出されたときに、未完了のジョブに対応していない場合にシート設定を表示する。特に上記の、異なる給紙トレイに対するシート設定と、現在印刷処理がされている先行ジョブの次のジョブ(つまり未完了のジョブ)のシート設定が、異なる場合に、未完了のジョブのシート設定を表示する。
【0059】
これにより、ユーザに、次のジョブの続行に必要なシート設定(つまりシート種類)を知らせることができる。加えて、印刷装置1では、シート設定を見たユーザによって適切なシート種類を示すシート情報が、EEPROM104に入力されるため、次のジョブを、例えば、紙切れ、又は、シート情報が異なる理由による印刷の中断を抑制できる。したがって、次のジョブを円滑に実行することができる。
【0060】
加えて、本実施の形態1に係る印刷装置1では、給紙トレイ内のシート81が、未完了のジョブに対応している場合に、ユーザが当該給紙トレイを抜き出したときに、シートを変更する必要がない旨の表示を表示機構12に表示させることにより、ユーザが誤ってシート81の種類を変更することを抑制することができる。
【0061】
[変形例1]
次に、本実施の形態1に係る印刷装置1の変形例について説明する。なお、本変形例1の印刷装置1の構成は、実施の形態1に係る印刷装置1と同様の構成であるため、構成の詳細な説明は省略する。
【0062】
[印刷装置の動作]
図6は、本実施の形態1における変形例1の印刷装置1のコントローラ100が実行する処理の手順を示すフローチャートである。この
図6のフローチャートが示す、コントローラ100が実行する各処理を示すプログラムは、例えば、ROM102に記憶されている。
【0063】
図6に示すように、本変形例1の印刷装置1の動作は、実施の形態1に係る印刷装置1の動作と基本的には同様に実行されるが、ステップS106に代えて、ステップS106Aが実行される点が異なる。
【0064】
具体的には、コントローラ100は、第2給紙トレイ21B内のシートの種類が、未完了のジョブに対応していると判定した場合(ステップS105でYes)には、表示機構12に用紙設定変更の表示画面を表示させない(ステップS106A)。
【0065】
このように構成された、本変形例1の印刷装置1であっても、実施の形態1に係る印刷装置1と同様の作用効果を奏する。
【0066】
(実施の形態2)
[印刷装置の動作]
図7A及び
図7Bは、本実施の形態2に係る印刷装置1のコントローラ100が実行する処理の手順を示すフローチャートである。この
図7A及び
図7Bのフローチャートが示す、コントローラ100が実行する各処理を示すプログラムは、例えば、ROM102に記憶されている。
【0067】
また、
図8は、本実施の形態2に係る印刷装置1のEEPROM104に記憶される各給紙トレイに対するシート情報が示すシート種類及びシート残量と、印刷装置1のコントローラ100に入力されたジョブの内容と、を示す表である。なお、本実施の形態2に係る印刷装置1の構成は、実施の形態1に係る印刷装置1と同様の構成であるため、構成の詳細な説明は省略する。
【0068】
図7A及び
図7Bに示すように、コントローラ100は、例えば、外部装置から印刷データに対応するジョブを受け付けて(ステップS201)、受け付けた順にジョブに従って、印刷処理を開始する(ステップS202)。
【0069】
次に、コントローラ100は、ステップS201で受け付けたジョブが未完了であるか否かを判断する(ステップS203)。コントローラ100は、ステップS201で受け付けたジョブが完了している場合(ステップS203でNo)には、本プログラムを終了し、ステップS201で受け付けたジョブが未完了である場合(ステップS203でYes)には、ステップS204に進む。なお、コントローラ100によるステップS203での判断は、上述した実施の形態1のステップS103におけるコントローラ100の判断と同一である。
【0070】
ステップS204では、コントローラ100は、第1残量センサ66Aの出力に基づいて、EEPROM104に記憶されているシート情報のうち第1給紙トレイ21A内のシート残量が、現在実行しているジョブに対応しているか(第1給紙トレイ21A内のシート量の方が、現在実行しているジョブが必要なシート量よりも多いか)否かを判定する。ここで、ステップS204の具体的な判定方法について、
図8を参照しながら説明する。
【0071】
まず、第1給紙トレイ21A内のシート量が、現在実行しているジョブに対応している場合の具体例について、説明する。なお、第1給紙トレイ21A内のシート量が、現在実行しているジョブに対応していない場合の具体例については、後述する。
【0072】
図8に示すように、条件例3は、第1給紙トレイ21Aに対してはA4普通紙が50枚、第2給紙トレイ21Bに対してはA3光沢紙が50枚、を示すシート情報がEEPROM104に記憶されている例である。また、条件例3では、コントローラ100が、ステップS201でジョブE(A4普通紙30枚に画像を印刷するジョブ)とジョブF(A3光沢紙10枚に画像を印刷するジョブ)を受け付けたとする。
【0073】
この場合、EEPROM104に記憶されている第1給紙トレイ21Aに対するシート情報の内のシート残量(A4普通紙50枚)は、現在実行しているジョブE(A4普通紙30枚の印刷)が必要なシート量よりも多い。つまり、第1給紙トレイ21A内のシート量が、現在実行しているジョブEに対応している。
【0074】
また、条件例4は、第1給紙トレイ21Aに対してはA4普通紙が100枚、第2給紙トレイ21Bに対してはLetter普通紙が30枚、を示すシート情報がEEPROM104に記憶されている例である。また、条件例4では、コントローラ100が、ステップS201でジョブG(A4普通紙20枚に画像を印刷するジョブ)、ジョブH(A4普通紙30枚に画像を印刷するジョブ)、及びジョブI(A3光沢紙20枚に画像を印刷するジョブ)を受け付けたとする。
【0075】
この場合、EEPROM104に記憶されている第1給紙トレイ21Aに対するシート情報の内のシート残量(A4普通紙100枚)は、現在実行しているジョブG(A4普通紙20枚の印刷)が必要なシート量よりも多い。つまり第1給紙トレイ21A内のシート量が、現在実行しているジョブGに対応している。
【0076】
したがって、上記条件例3、4の場合では、コントローラ100は、第1給紙トレイ21A内のシート量が、現在実行しているジョブに対応していると判定(ステップS204でYes)し、ステップS205に進む。
【0077】
ステップS205では、ステップS104同様に、コントローラ100は、第2給紙トレイ21Bの操作を検知しない場合(ステップS205でNo)には、ステップS203に戻る。一方でコントローラ100は、第2給紙トレイ21Bの操作を検知した場合(ステップS205でYes)には、ステップS206に進む。
【0078】
ステップS206では、コントローラ100は、第2給紙トレイ21B内のシートの種類が、未完了のジョブに対応しているか否かを判定する。ここで、ステップS204の具体的な判定方法について、上記条件例3及び4を参照しながら説明する。
【0079】
条件例3の場合、EEPROM104に記憶されている第2給紙トレイ21Bに対するシート情報は、A3光沢紙が50枚、を示している。また、未完了のジョブFは、A3光沢紙10枚に画像を印刷するものである。このため、第2給紙トレイ21B内のシートの種類(A3光沢紙)は、未完了のジョブFに対応しているといえる。
【0080】
一方、条件例4の場合、EEPROM104に記憶されている第2給紙トレイ21Bに対するシート情報は、Letter普通紙が30枚、を示している。また、未完了のジョブHは、A4普通紙20枚に画像を印刷するものであり、未完了のジョブIは、A3光沢紙20枚に画像を印刷するものである。このため、第2給紙トレイ21B内のシートの種類(Letter普通紙)は、未完了のジョブIに対応していないといえる。
【0081】
なお、未完了のジョブHに必要なシート量(30枚)は、現在実行しているジョブGが完了した後でも、第1給紙トレイ21A内にセットされているシート量(100−20=80枚)よりも少ない。したがって、未完了のジョブH(30枚)は、第1給紙トレイ21A内にセットされているシートで対応することができる。
【0082】
したがって、上記条件例3の場合では、コントローラ100は、第2給紙トレイ21B内のシートの種類が、未完了のジョブに対応していると判定(ステップS206でYes)し、表示機構12に第2給紙トレイ21B内のシートの変更は不要である旨の表示を表示させる(ステップS207)。
【0083】
なお、ステップS207の表示例としては、「シート設定の変更は不要です」等である。よりユーザに分かりやすくするには、上記条件例3の場合においては、ジョブFと第2給紙トレイ21B内のシート種類が、合致している旨を、表示してもよい。このような表示形態も、上記の「シートの変更は不要である旨の表示」の一形態とする。さらに上述のような合致している旨の表示と「シート設定の変更は不要です」との表示を、一度に表示してもよい。
【0084】
この表示機構12の表示を見たユーザは、第2給紙トレイ21Bに対するシート情報として、ジョブFを続行するのに必要なシート情報が示すシート種類(具体的には、条件例3の場合では、A3光沢紙)を把握することができる。つまり、ユーザは、ジョブFを続行するのに、シートを交換しなくてもよいことを把握することができる。これにより、ユーザは、操作機構13にシート種類の入力をしない可能性が高くなり、従って、第2給紙トレイ21Bに対して適切なシート種類を示すシート情報が、EEPROM104に記憶されていることが継続される。
【0085】
一方、上記条件例4の場合では、コントローラ100は、第2給紙トレイ21B内のシートの種類が、未完了のジョブに対応していないと判定(ステップS206でNo)し、表示機構12に第2給紙トレイ21B内のシートの変更が必要である旨の表示を表示させる(ステップS208)。
【0086】
なお、ステップS208の表示例としては、上記条件例4の場合では、「A3 光沢紙をセットして下さい」や「A3 光沢紙 20枚をセットして下さい」等のようにジョブIが示すシート設定の内容を表示すればよい。
【0087】
この表示機構12の表示を見たユーザは、第2給紙トレイ21Bに対するシート情報として、ジョブIを続行するのに必要なシート情報が示すシート種類及びシート量(具体的には、条件例4の場合では、A3光沢紙20枚)を把握することができる。そして、この表示機構12の表示を見たユーザによって、操作機構13を介して適切なシート種類が入力され、EEPROM104に第2給紙トレイ21Bに対する適切なシート情報が記憶される。
【0088】
そして、コントローラ100は、ステップS207又はステップS208を実行した後、ステップS203に戻り、ステップS201で受け付けたジョブが完了するまで、ステップS203〜ステップS212を繰り返し、ステップS201で受け付けたジョブが完了すると、本プログラムを終了する。
【0089】
なお、コントローラ100は、ジョブEの実行が完了したら、ジョブFの実行をする。つまり、コントローラ100は、ジョブFに含まれるシート情報と合致する、EEPROM104が記憶するシート情報が、示すシートが収納されている第2給紙トレイ21Bから、給紙機構31にシート81を給紙させる。また、コントローラ100は、印刷機構24に、ジョブが示す画像を、給紙されたシート81に印刷させる。
【0090】
同様に、コントローラ100は、ジョブG及びHの実行が完了したら、ジョブIの実行をする。つまり、コントローラ100は、ジョブIに含まれるシート情報と合致する、EEPROM104が記憶するシート情報が、示すシートが収納されている第2給紙トレイ21Bから、給紙機構31にシート81を給紙させる。また、コントローラ100は、印刷機構24に、ジョブが示す画像を、給紙されたシート81に印刷させる。
【0091】
次に、ステップS204において、第1給紙トレイ21A内のシート量が、現在実行しているジョブに対応していない(つまり、第1給紙トレイ21A内のシート量が、現在実行しているジョブが必要なシート量よりも少ない)場合の具体例について、
図8を参照しながら説明する。
【0092】
図8に示すように、条件例5は、第1給紙トレイ21Aに対してはA4普通紙が50枚、第2給紙トレイ21Bに対してはA4普通紙が60枚、を示すシート情報がEEPROM104に記憶されている例である。また、条件例5では、コントローラ100が、ステップS201でジョブJ(A4普通紙100枚に画像を印刷するジョブ)を受け付けたとする。
【0093】
この場合、EEPROM104が記憶している第1給紙トレイ21Aに対するシート情報の内のシート残量(A4普通紙50枚)は、現在実行しているジョブJ(A4普通紙100枚の印刷)が必要なシート量よりも少ない。つまり、第1給紙トレイ21A内のシート量が、現在実行しているジョブJに対応していない。
【0094】
また、条件例6は、第1給紙トレイ21Aに対してはA4普通紙が50枚、第2給紙トレイ21Bに対してはA3光沢紙が50枚、を示すシート情報がEEPROM104に記憶されている例である。また、条件例6では、コントローラ100が、ステップS201でジョブK(A4普通紙70枚に画像を印刷するジョブ)を受け付けたとする。
【0095】
この場合、EEPROM104が記憶している第1給紙トレイ21Aに対するシート情報の内のシート残量(A4普通紙50枚)は、現在実行しているジョブK(A4普通紙70枚の印刷)が必要なシート量よりも少ない。つまり第1給紙トレイ21A内のシート量が、現在実行しているジョブKに対応していない。
【0096】
したがって、上記条件例5、6の場合では、コントローラ100は、第1給紙トレイ21A内のシート量が、現在実行しているジョブに対応していないと判定(ステップS204でNo)し、ステップS209に進む。
【0097】
ステップS209では、コントローラ100は、第2トレイセンサ65Bからの出力に基づいて、第2給紙トレイ21Bの操作を検知しない場合(ステップS209でNo)には、ステップS203に戻る。一方でコントローラ100は、第2トレイセンサ65Bからの出力に基づいて、第2給紙トレイ21Bの操作を検知した場合(ステップS209でYes)には、ステップS210に進む。
【0098】
ステップS210では、コントローラ100は、第2給紙トレイ21B内のシートの種類が、現在実行しているジョブに対応しているか否かを判定する。ここで、ステップS210の具体的な判定方法について、上記条件例5及び6を参照しながら説明する。
【0099】
条件例5の場合、EEPROM104に記憶されている第2給紙トレイ21Bに対するシート情報は、A4普通紙が60枚、を示している。また、現在実行しているジョブJは、A4普通紙100枚に画像を印刷するものである。このため、第2給紙トレイ21B内のシートの種類(A4普通紙)は、現在実行しているジョブJ(A4普通紙)に対応している。
【0100】
一方、条件例6の場合、EEPROM104に記憶されている第2給紙トレイ21Bに対応するシート情報は、A3光沢紙が50枚、を示している。また、現在実行しているジョブKは、A4普通紙70枚に画像を印刷するものである。このため、第2給紙トレイ21B内のシートの種類(A3光沢紙)は、現在実行しているジョブK(A4普通紙)に対応していない。
【0101】
したがって、上記条件例5の場合では、コントローラ100は、第2給紙トレイ21B内のシートの種類が、現在実行しているジョブに対応していると判定(ステップS210でYes)し、表示機構12に第2給紙トレイ21B内のシートの変更は不要である旨の表示を表示させる(ステップS211)。
【0102】
なお、ステップS211の表示例としては、「シート設定の変更は不要です」等である。よりユーザに分かりやすくするには、上記条件例5の場合においては、ジョブJと第2給紙トレイ21B内のシート種類が、合致している旨を、表示してもよい。このような表示形態も、上記の「シートの変更は不要である旨の表示」の一形態とする。さらに上述のような合致している旨の表示と「シート設定の変更は不要です」との表示を、一度に表示してもよい。
【0103】
この表示機構12の表示を見たユーザは、第2給紙トレイ21Bに対するシート情報として、ジョブJを続行するのに必要なシート情報が示すシート種類及びシート量(具体的には、条件例5の場合では、A4普通紙100枚)を把握することができる。つまり、ユーザは、ジョブJを続行するのに、シートを交換しなくてもよいことを把握することができる。これにより、ユーザは、操作機構13にシート種類の入力をしない可能性が高くなり、従って、第2給紙トレイ21Bに対して適切なシート種類を示すシート情報が、EEPROM104に記憶されていることが継続される。
【0104】
一方、上記条件例6の場合では、コントローラ100は、第2給紙トレイ21B内のシートの種類が、現在実行しているジョブに対応していないと判定(ステップS210でNo)し、表示機構12に第2給紙トレイ21B内のシートの変更が必要である旨の表示を表示させる(ステップS212)。
【0105】
なお、ステップS212の表示例としては、上記条件例6の場合では、「A4 普通紙をセットして下さい」又は「A4 普通紙 20枚をセットして下さい」等のようにジョブJが示すシート設定の内容を表示すればよい。後者のシート量も表示する場合、このシート量は、ジョブJが必要なシート量(70枚)から、EEPROM104に記憶されている第1給紙トレイ21Aに対するシート情報の内のシート残量(50枚)を減算してものを表示する。加えて、コントローラ100は、未完了のジョブが複数ある場合には、最も早期に受信したジョブに含まれるシート設定を示す情報画像を表示機構12に表示させるように構成されている。
【0106】
この表示機構12の表示を見たユーザは、第2給紙トレイ21Bに対するシート情報として、ジョブKを続行するのに必要なシート情報が示すシート種類及びシート量(具体的には、条件例6の場合では、A4普通紙20枚(70枚−50枚))を把握することができる。そして、この表示機構12の表示を見たユーザによって、操作機構13を介して適切なシート種類が入力され、EEPROM104に第2給紙トレイ21Bに対する適切なシート情報が記憶される。
【0107】
そして、コントローラ100は、ステップS211又はステップS212を実行した後、ステップS203に戻り、ステップS201で受け付けたジョブが完了するまで、ステップS203〜ステップS212を繰り返し、ステップS201で受け付けたジョブが完了すると、本プログラムを終了する。
【0108】
なお、コントローラ100は、ジョブJ、Kの実行中、第1給紙トレイ21Aのシート81が無くなった場合に、第2給紙トレイ21Bから給紙機構31(より詳細には第2給紙ローラ部31B)に給紙させ、ジョブJ、Kの実行を継続する。つまり、コントローラ100は、ジョブJ、Kに含まれるシート情報と合致する、EEPROM104が記憶するシート情報が、示すシートが収納されている第2給紙トレイ21Bから、給紙機構31にシート81を給紙させる。また、コントローラ100は、印刷機構24に、ジョブが示す画像を、給紙されたシート81に印刷させる。
【0109】
このように構成された、本実施の形態2に係る印刷装置1であっても、実施の形態1に係る印刷装置1と同様に未完了のジョブを円滑に実行することができる。
【0110】
特に、実行中のジョブが必要なシートがセットされている給紙トレイのシート量では、実行中のジョブを完遂できず、かつ、上記の給紙トレイとは異なる給紙トレイのシートの種類が実行中のジョブに対応していときに、ユーザが上記の異なる給紙トレイを抜き出したときに、シートを変更する必要がある旨の表示を表示機構12に表示させる。これにより、実行中のジョブを中断することを抑制することができる。
【0111】
また、本実施の形態2に係る印刷装置1では、実行中のジョブが必要なシートがセットされている給紙トレイのシート量では、完遂できず、かつ、上記の異なる給紙トレイシートの種類が、実行中のジョブに対応するときに、ユーザが上記の異なる給紙トレイを抜き出したときに、シートを変更する必要がない旨の表示を表示機構12に表示させる。これにより、ユーザが誤ってシートの種類を変更することを抑制することができる。
【0112】
(実施の形態3)
[印刷装置の動作]
図9は、本実施の形態3に係る印刷装置1のコントローラ100が実行する処理の手順を示すフローチャートである。この
図9のフローチャートが示す、コントローラ100が実行する各処理を示すプログラムは、例えば、ROM102に記憶されている。なお、本実施の形態3に係る印刷装置1の構成は、実施の形態1に係る印刷装置1と同様の構成であるため、構成の詳細な説明は省略する。
【0113】
図9に示すように、コントローラ100は、例えば、外部装置から印刷データに対応するジョブを受け付けて(ステップS301)、受け付けた順にジョブに従って、印刷処理を開始する(ステップS302)。
【0114】
次に、コントローラ100は、ステップS301で受け付けたジョブが未完了であるか否かを判断する(ステップS303)。コントローラ100は、ステップS301で受け付けたジョブが完了している場合(ステップS303でNo)には、本プログラムを終了し、ステップS301で受け付けたジョブが未完了である場合(ステップS303でYes)には、ステップS304に進む。なお、コントローラ100によるステップS303での判断は、上述した実施の形態1のステップS103におけるコントローラ100の判断と同一である。
【0115】
ステップS304では、コントローラ100は、第1残量センサ66Aからの出力信号に基づき、第1給紙トレイ21A内のシート量が、0であるか否かを判定する。コントローラ100は、第1給紙トレイ21A内のシート量が、0ではない場合(ステップS304でNo)には、ステップS303に戻る。一方、コントローラ100は、第1給紙トレイ21A内のシート量が、0である場合(例えば、シート81が無くなった場合;ステップS304でYes)には、第2給紙トレイ21Bからシート81を給紙させる(ステップS305)。
【0116】
次に、コントローラ100は、第1トレイセンサ65Aからの出力に基づいて第1給紙トレイ21Aの操作を検知しない場合、すなわち、第1トレイセンサ65Aが装着信号を出力している場合(ステップS306でNo)には、ステップS303に戻る。一方、コントローラ100は、第1トレイセンサ65Aからの出力に基づいて、第1給紙トレイ21Aの操作を検知した場合、すなわち、第1トレイセンサ65Aが非装着信号を出力している場合(ステップS306でYes)には、ステップS307に進む。
【0117】
ステップS307では、コントローラ100は、表示機構12に第1給紙トレイ21A内のシートの変更が必要である旨の表示を表示させる。具体的には、コントローラ100は、未完了のジョブが複数ある場合には、最も早期に受信したジョブに含まれるシート設定を示す情報画像を表示機構12に表示させる。
【0118】
そして、コントローラ100は、ステップS307を実行した後、ステップS303に戻り、ステップS301で受け付けたジョブが完了するまで、ステップS303〜ステップS307を繰り返し、ステップS301で受け付けたジョブが完了すると、本プログラムを終了する。
【0119】
このように構成された、本実施の形態3に係る印刷装置1であっても、実施の形態1に係る印刷装置1と同様に未完了のジョブを円滑に実行することができる。
【0120】
なお、本発明において、未完了のジョブとは、RAM103に蓄積されているジョブをいい、現在実行しているジョブであってもよく、現在実行しているジョブより後で実行されるジョブであってもよい。
【0121】
また、上記説明において、印刷装置1は、第1給紙トレイ21Aと第2給紙トレイ21Bの2つの給紙トレイを有していたが、3つ以上の給紙トレイを有していてもよい。また、上記説明において、第1給紙トレイ21Aのシートに対する印刷処理の実行中に、第2給紙トレイ21Bの操作を検知した場合を説明したが、第2給紙トレイ21Bのシートに対する印刷処理の実行中に、第1給紙トレイ21Aの操作を検知した場合でも、本発明を適用できる。
【0122】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。したがって、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の要旨を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。