特許第6435995号(P6435995)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6435995
(24)【登録日】2018年11月22日
(45)【発行日】2018年12月12日
(54)【発明の名称】高天井照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/04 20060101AFI20181203BHJP
   F21S 8/06 20060101ALI20181203BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20181203BHJP
   F21Y 115/20 20160101ALN20181203BHJP
【FI】
   F21S8/04 410
   F21S8/06 200
   F21Y115:10
   F21Y115:20
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-114313(P2015-114313)
(22)【出願日】2015年6月4日
(65)【公開番号】特開2017-4622(P2017-4622A)
(43)【公開日】2017年1月5日
【審査請求日】2018年4月20日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000192
【氏名又は名称】岩崎電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】特許業務法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福澤 厚
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 清輝
(72)【発明者】
【氏名】氏田 晶規
【審査官】 下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−235822(JP,A)
【文献】 特開2014−235821(JP,A)
【文献】 特開2014−026804(JP,A)
【文献】 特開2011−181280(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21S 8/06
F21Y 115/10
F21Y 115/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の灯具を配列した高天井照明器具において、
隣接する前記灯具間に配置され、隣接する灯具を相互に連結する連結具と、
複数の前記灯具の外周に配置され、複数の前記灯具を相互に連結する外枠と、
を備え
複数の前記灯具間に隙間を設けたことを特徴とする高天井照明器具。
【請求項2】
前記連結具は、複数の前記灯具の配列の略中央に配置されることを特徴とする請求項1に記載の高天井照明器具。
【請求項3】
複数の前記灯具のそれぞれを天板に吊り下げ固定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の高天井照明器具。
【請求項4】
前記外枠を一体の環状に形成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の高天井照明器具。
【請求項5】
複数の灯具を配列した高天井照明器具において、
隣接する前記灯具間に配置され、隣接する灯具を相互に連結する連結具と、
複数の前記灯具の外周に配置され、複数の前記灯具を相互に連結する外枠と、
を備え、
複数の前記灯具のそれぞれを天板に吊り下げ固定したことを特徴とする高天井照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高天井に配置される高天井照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場や体育館等の建物の天井高が高い天井面に配置される高天井照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。この高天井照明器具は、複数の灯具を連結具によって互いに連結して構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−022815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来の構成では、各連結具を強固に形成して高天井照明器具の剛性を確保する必要があるため、連結具の重量が増加するという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、連結具を軽量化しつつ、剛性を確保した高天井照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するために、本発明の高天井照明器具は、複数の灯具を配列した高天井照明器具において、隣接する前記灯具間に配置され、隣接する灯具を相互に連結する連結具と、複数の前記灯具の外周に配置され、複数の前記灯具を相互に連結する外枠と、
を備え、複数の前記灯具間に隙間を設けたことを特徴とする。
【0006】
上述の構成において、前記連結具は、複数の前記灯具の配列の略中央に配置されても良い。
上述の構成において、複数の前記灯具のそれぞれを天板に吊り下げ固定しても良い。
上述の構成において、外枠を一体の環状に形成しても良い
また、本発明の高天井照明器具は、複数の灯具を配列した高天井照明器具において、隣接する前記灯具間に配置され、隣接する灯具を相互に連結する連結具と、複数の前記灯具の外周に配置され、複数の前記灯具を相互に連結する外枠と、を備え、複数の前記灯具のそれぞれを天板に吊り下げ固定したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、外枠を設けることで、連結具を軽量化できるとともに、高天井照明器具の剛性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る高天井照明器具の全体構成を示す斜視図である。
図2】高天井照明器具の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は底面図である。
図3】天板を除いた状態の照明器具本体の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は底面図である。
図4】リングの構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は(A)のA−A断面図、(C)は(B)の矢印Bで示した部位の拡大図である。
図5】高天井照明器具の組立図である。
図6】照明ユニットの構成を示す斜視図である。
図7】照明ユニットの平面図である。
図8図7のC−C断面図である。
図9】照明ユニットの分解斜視図である。
図10】照明ユニットの組立図である。
図11】筐体の構成を示す斜視図である。
図12】本発明の変形例に係る高天井照明器具の全体構成を示す斜視図である。
図13】本発明の他の変形例に係る高天井照明器具の全体構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
この実施形態では、本発明に係る照明器具の一例として高天井照明器具を説明する。天井照明器具は、建物の天井面から吊下げられて設置されて室内を照明する器具であり、高天井照明器具は、室内の天井高が住戸やオフィス等の一般的な居室よりも大きい工場や倉庫、体育館等の天井面に設置される器具である。
【0010】
図1は、本実施形態に係る高天井照明器具1の全体構成を示す斜視図である。図2は高天井照明器具1の構成を示す図であり、図2(A)は平面図、図2(B)は側面図、図2(C)は底面図である。
高天井照明器具1は、図1に示すように、照明器具本体2と、電気回路ボックス3と、固定具4と、を備えている。
この照明器具本体2は、複数(図示例では2つ)の照明ユニット(灯具)10と、天板12と、リング状外枠(外枠)14とを備え、これら照明ユニット10は、天板12から垂下され、かつ、下端部側がリング状外枠14によって包囲されている。
【0011】
照明ユニット10は、光源を内蔵し、光源の光を出射する光出射部11を有したユニットである。
天板12は円盤状の板材であり、複数の照明ユニット10の重量を支えるに足る剛性を有し、この天板12の下面12Aから複数の照明ユニット10が垂下される。照明ユニット10の下端部には光出射部11が位置し、この光出射部11から出射される光によって室内が照明される。
リング状外枠14は、複数の照明ユニット10の下端部を纏めるように包囲する環状部材である。
【0012】
電気回路ボックス3は、照明ユニット10が備える光源の点滅に要する電気回路を収めた略直方体の箱体である。この照明器具本体2では、照明ユニット10の光源に発光素子が用いられており、電気回路ボックス3には、発光素子に直流電力を供給する電源回路、及び、点滅や調光を制御する制御回路が収められている。なお、これらの電気回路の他にも、各種の電気回路を電気回路ボックス3に収めることができる。
この高天井照明器具1では、電気回路ボックス3が照明器具本体2の天板12の上面12B(図2(A))に載置されて固定されている。
【0013】
固定具4は、照明器具本体2を建物の天井面に固定する部品であり、照明器具本体2の天板12に取付け固定されている。この固定具4には、図1、及び図2に示すように、コ字状のアーム型の金具が用いられている。このアーム型の金具に代えて、固定具4には、天井面から垂下され下端に照明器具本体2が結合される棒状部材やチェーン部材を用いることもできる。
【0014】
図3は天板12を除いた状態の照明器具本体2の構成を示す図であり、図3(A)は平面図、図3(B)は側面図、図3(C)は底面図である。
照明器具本体2は、複数の照明ユニット10を相互に連結する部材として上記リング状外枠14、及び、連結具16を備えている。
具体的には、全ての照明ユニット10は、その光出射部11の出射開口端部を構成するフランジ部11Aが、図3(A)に示すように、ネジ15によってリング状外枠14に締結されている。
【0015】
さらに、全ての照明ユニット10は、図3(A)〜図3(C)に示すように、これら照明ユニット10の配列の平面視中央に配置された連結具16によって相互に連結されている。連結具16は、その周囲に配置された照明ユニット10のフランジ部11Aがネジ止めされることで、これらの照明ユニット10を相互に連結する板状の部材である。
これにより、照明ユニット10が個々にグラつく事が防止されるため、工場や体育館等の振動が多い場所に設置された場合でも、振動によって照明ユニット10が個々にグラつき互いに衝突する、といった事が抑制される。また、リング状外枠14によって照明ユニット10を相互に連結することで、連結具16に力が集中することを防止でき、その結果、連結具16を軽量及び小型化できる。さらに、リング状外枠14によって高天井照明器具1の剛性を向上させることができるので、各照明ユニット10の肉厚を薄くでき、高天井照明器具1を軽量化できる。
【0016】
リング状外枠を設けない場合には、照明ユニットの配列の中央部を中心として複数の照明ユニット全体に回転方向の力が加わると、照明ユニットの配列の中央部に力が集中するので、当該中央部に位置する連結具を強固に形成する必要がある。本実施形態では、リング状外枠14を設けることで、上記回転方向の力が加わっても、当該力をリング状外枠14で受けることができるので、リング状外枠14を設けない場合に比べ、連結具16を軽量及び小型化できる。
【0017】
複数の照明ユニット10は、照明ユニット10間に所定の隙間δを空けて配置されて、連結具16によって固定されている。当該隙間δは、部品の寸法や組立の交差があっても、照明ユニット10間に隙間が形成される程度に設定される。これにより、例えば、振動が多い場所に高天井照明器具1が設置されても、照明ユニット10が相互に接触することを抑制できる。
フランジ部11Aとリング状外枠14との固定部以外は、各照明ユニット10とリング状外枠14との間が空間Sとなっている。当該空間Sに板材を設けても良いが、高天井照明器具1では、空間Sに板材を設けないことで、板材を設ける場合に比べて、板材の分だけ軽量化できるとともに、板材に塵埃等がたまるのを防止できる。
【0018】
また、高天井照明器具1は、天井高が高い天井面に設置されることから、一般需要者は、専ら高天井照明器具1の底面を視認することになる。高天井照明器具1の底面視においては、図2(C)に示すように、複数の照明ユニット10の周囲をリング状外枠14が縁取っているので、これら照明ユニット10に一体感を持たせ、一般需要者に美観を持たせることができる。さらに、このリング状外枠14を、複数の照明ユニット10を配置した際の最大外径より大きく形成しているため、複数の照明ユニット10の一体感をより増すことができる。
さらに、図2(B)、及び図3(B)に示すように、リング状外枠14の高さHは、照明器具本体2の側面視において、各々の照明ユニット10の側面を外部に十分に露出させる程度に制限されているため、露出部分を通じて照明ユニット10のそれぞれの熱を外部に十分に放熱できる。
【0019】
図4はリング状外枠14の構成を示す図であり、図4(A)は平面図、図4(B)は図4(A)のA−A断面図、図4(C)は図4(B)の矢印Bで示した部位の拡大図である。
リング状外枠14は、図4(A)に示すように、平面視円環状を成し、また、図4(B)、及び図4(C)に示すように、円環板状の天面部17と、天面部17の外周縁を垂直に折り曲げて成る側面部18とを有した断面はL字状を成している。断面がL字を成すことで、剛性が高められている。
リング状外枠14の天面部17には、複数のネジ孔19が設けられており、各ネジ孔19に通したネジ15によって照明ユニット10の各々がリング状外枠14に結合される。
【0020】
図5は、高天井照明器具1の組立図である。
この図に示すように、複数の照明ユニット10は、上記リング状外枠14、及び連結具16によって相互に結合され、かつ、照明ユニット10が個々に天板12に支持ボルト7で支持される。
このように、この高天井照明器具1にあっては、これら照明ユニット10が相互に結合される構成に加え、これら照明ユニット10が個々に天板12に固定された構成となっている。これにより、これら照明ユニット10の一部に、天板12との間の支持力の低下が生じたとしても、当該支持力の低下が他の照明ユニット10の支持力によって補われ、天板12からの照明ユニット10の脱落が防止される。
【0021】
図6は照明ユニット10の構成を示す斜視図であり、図7は照明ユニット10の平面図である。図8図7のC−C断面図である。図9は照明ユニット10の分解斜視図である。図10は照明ユニット10の組立図である。図11は筐体20の構成を示す斜視図である。
照明ユニット10は、図6に示すように、ユニット本体たる筐体20と、グローブ21とを備えている。
筐体20は、アルミダイカストによって成型されたものであり、有底円筒状の本体部22を備え、図8、及び図9に示すように、この本体部22には、照明ユニット10の光源25と、光制御体たる反射カバー26とが収められている。本体部22の開口端がフランジ状に形成されて光出射部11のフランジ部11Aが構成されている。このフランジ部11Aには、図9に示すように、パッキン27を間に挟んで、透明樹脂製のグローブ21がネジ止め固定されている。
【0022】
光源25は、図9に示すように、略矩形の光源基板29を備え、この光源基板29に発光部30が設けられている。発光部30は、複数のLEDを集合させて光源基板29に実装して成り、見た目がCOB(Chip on board)型LED光源のような面状光源である。すなわち、COB型LEDは、密集配置された多数のLED(発光素子)によって発光面が構成されており、この発光部30においても、複数のLEDの集合によって発光面30Aが構成されている。この発光面30Aは、光源基板29の略中央に配置され、所定面積を有した平面視円形であり、光軸Kは発光面30Aに垂直となっている。
そして、筐体20の底面23に凸状に設けられた取付台座24には、図8に示すように、照明ユニット10の光出力の設計値に応じた数の光源25が配置されている。
複数の光源25が凸状の取付台座24にそれぞれ設けられているので、これらの光源25を底面23の同一面内に設けた場合に比べ、底面23の面内方向への熱の伝達が弱められる。これにより、光源25同士の熱の干渉が抑えられ、また、底面23に熱的に結合させて設けられたフィン部47に光源25の熱が効率よく伝達される。
反射カバー26は、図9に示すように、光源25ごとに設けられた反射ミラー32を一体に備え、光源25の放射光を制御する。
【0023】
この筐体20は、本体部22の上面22A(図7)に、放熱フィンユニット40、及び支持脚ユニット41を備えている。放熱フィンユニット40は、アルミダイカスト製の本体部22とは異なり、高熱導電性を有する薄い板材から形成されている。具体的には、この放熱フィンユニット40は、図9に示すように、多数の金属板状の放熱フィン42を一体に備え、本体部22の上面22Aにネジ止め固定されている。
放熱フィンユニット40を本体部22に別体に備えることで、放熱フィンユニット40を本体部22に一体にアルミダイカスト成型した場合に比べ、筐体20の大きな軽量化が図られる。
【0024】
支持脚ユニット41は、図9に示すように、天板12に支持ボルト7で固定される2本の柱状の支持脚44を備え、2本の支持脚44の間に板状のフィン部45を備えている。支持脚44を設けることで、取り付け面(本実施形態では、天板12)に本体部22を直接固定できるので、高天井照明器具1の設置の自由度を向上させることができる。
支持脚ユニット41は、筐体20の本体部22と同じくアルミダイカスト製であり、フィン部45に高い放熱性が得られ、また支持脚44がフィン部45で連結されることで、高い剛性が確保されている。
支持脚ユニット41は、図10に示すように、フィン部45が放熱フィン42間に位置するように配置され、本体部22の上面22Aにネジ止め固定されている。このように、当該本体部22を固定する支持脚44を本体部22に立設することで、例えば、板金を折り曲げた支持金具によって本体部22を固定する場合に比べ、本体部22の固定構造を簡素化かつ小型化できる。
【0025】
各支持脚44は、図8に示すように、内部に中空部44Aを備えて中空に形成されている。また、フィン部45には、連通部45Aが形成されており、連通部45Aによって中空部44A間が連通されている。このように、支持脚44及びフィン部45を中空にすることで支持脚ユニット41を軽量化できる。
本体部22の上面22Aには、図8及び図10に示すように、引出口33が開口し、この引出口33を通じて光源25から延びる電線(不図示)が、本体部22から引き出される。このとき引出口33をシールするために、この引出口33にブッシング34を嵌合し、このブッシング34に電線が通される。照明ユニット10は、パッキン27及びブッシング34によって、防水構造に構成されている。
【0026】
また、本体部22の上面22Aには、貫通孔(通気孔)35が形成され、この貫通孔35にはフィルタ36が設けられている。このフィルタ36は、防塵、防水機能を持ったフィルタであり、このフィルタ36によって通気性を持ちながら、内部への浸水や塵埃の汚染を防止する。本体部22に貫通孔35を形成し、貫通孔35にフィルタ36を設けることで、照明ユニット10が防水構造であっても、本体部22内の空気が貫通孔35を介して流通する。すなわち、光源25の点灯時には、光源25の発熱によって、本体部22内の空気が加熱されて膨張するので、本体部22内の空気は貫通孔35から外部に排出される。一方、光源25の消灯時には、光源25の発熱によって加熱されて膨張した空気が、外部の大気温度等によって冷却されて収縮するので、外部の空気が貫通孔35から本体部22内に入り込むこととなる。
【0027】
引出口33及び貫通孔35は、支持脚ユニット41の直下に配置され、具体的には、引出口33及び貫通孔35はそれぞれ支持脚44の中空部44A内に位置している。これにより、引出口33及び貫通孔35が支持脚44によって覆われ、引出口33及び貫通孔35に塵埃や水等の異物が直接掛かるのが抑制される。また、引出口33からの電線は、支持脚44の中空部44A内に引き出されて、支持脚44によって保護される。
【0028】
引出口33が配置される側(一方)の支持脚44には、図9に示すように、中空部44Aを外部に開口させる開口部37が形成され、引出口33を通された電線は開口部37から外部に引き出される。また、上述したように、2本の支持脚44の中空部44Aは連通部45Aによって連通しているため、貫通孔35を出た本体部22内の空気は開口部37から外部に排出され、外部の空気が開口部37から導入される。このように、2本の支持脚44の中空部44Aを連通部45Aによって連通させることで、他方の支持脚44から一方の支持脚44に通気させることができるので、貫通孔35が配置される側(他方)の支持脚44に通気用の開口部を別途設ける必要がない。
天板12には、図5に示すように、貫通孔38が形成され、開口部37から引き出された電線は、貫通孔38を通されて電気回路ボックス3に配線される。本実施形態では、照明ユニット10のそれぞれに貫通孔38を形成しているが、複数の照明ユニット10に共通する貫通孔38を形成しても良い。
【0029】
また、本体部22の上面22Aには、放熱フィンユニット40を囲む位置に多数のフィン部(ガード)47が立設されている。これらフィン部47は、アルミダイカスト成型により本体部22の一部として一体に成型され、高い剛性、及び放熱性が確保されている。
放熱フィンユニット40の周囲にフィン部47が設けられることで、これらフィン部47によって放熱フィンユニット40がガードされている。また、放熱フィンユニット40の周囲にフィン部47を設けることで、フィン部47によって放熱フィンユニット40が側方(斜め下方)から見えにくくなるので、放熱フィンユニット40を本体部22に別体に備えても、高天井照明器具1の意匠性を維持できる。さらに、上述したように、照明ユニット10の周囲にはリング状外枠14を配置したため、リング状外枠14によって照明ユニット10(特に、放熱フィンユニット40)を保護できる。
【0030】
放熱フィン42とフィン部47とは、図6及び図7に示すように、相互に位置を揃えて配置され、放熱フィン42間の通気性が確保されている。また、放熱フィン42とフィン部47とを相互に揃えることで、フィン部47によって放熱フィン42が見えにくくなり、高天井照明器具1の意匠性を維持できる。
放熱フィン42の配列方向両側に位置するフィン部47は、放熱フィン42の面部を覆うために、放熱フィン42と揃えて配置されるフィン部47よりも比較的大きく形成されている。本実施形態では、放熱フィン42の配列方向両側に位置するフィン部47の略中央に切り欠き部47Aを形成することで、当該フィン部47が軽量化されている。
【0031】
また、フィン部47は放熱フィン42よりも低く形成され、これにより、フィン部47が軽量化されている。高天井照明器具1は比較的高い場所に取り付けられるため、フィン部47が放熱フィン42よりも低くても、フィン部47によって放熱フィン42が見えにくくなる。
支持脚44は、放熱フィン42と天板12との間に所定の距離L(図2)を空ける高さに設定されており、これにより、放熱フィン42の通気性が確保されている。
【0032】
本実施形態では、複数の照明ユニット10を天板12、リング状外枠14及び連結具16によって固定し、高天井照明器具1の剛性が高められているため、例えば、照明ユニット10を固定する支持ボルト7の本数を減らすことも可能となる。その結果、部品点数を削減するとともに、製造工程を簡素化できる。
【0033】
以上説明したように、本実施形態によれば、隣接する照明ユニット10間に配置され、隣接する照明ユニット10を相互に連結する連結具16と、複数の照明ユニット10の外周に配置され、複数の照明ユニット10を相互に連結するリング状外枠14と、を備える構成とした。このように、リング状外枠14を設けることで、連結具16を軽量化できるとともに、高天井照明器具1の剛性を確保できる。また、リング状外枠14によって、複数の照明ユニット10に一体感を持たせ、一般需要者に美観を持たせることができる。
【0034】
また、本実施形態によれば、連結具16は、複数の照明ユニット10の配列の略中央に配置されるため、連結具16を1つとすることができるので、高天井照明器具1を軽量化でき、部品点数を削減できる。
【0035】
また、本実施形態によれば、複数の照明ユニット10のそれぞれを天板12に吊り下げ固定したため、天板12によって高天井照明器具1の剛性を向上させることができる。
【0036】
また、本実施形態によれば、リング状外枠14を一体の環状に形成したため、高天井照明器具1の剛性をより向上させることができる。
【0037】
また、本実施形態によれば、複数の照明ユニット10間に隙間δを設けたため、照明ユニット10が相互に接触することを抑制できる。
【0038】
但し、上述の実施形態は本発明の一態様であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、上述の実施形態では、外枠をリング状外枠14として説明したが、外枠の形状はこれに限定されず、例えば、四角状でも良い。
また、上述の実施形態では、リング状外枠14を、複数の照明ユニット10を配置した際の最大外径より大きく形成したが、当該最大外径以下に形成しても良い。
また、上述の実施形態では、リング状外枠14は一体に形成されていたが、周方向に分割された複数の枠片を備えて構成されても良い。この場合、リング状外枠は、照明ユニット10を連結する枠片と、照明ユニット10のフランジ部11A(外周部)と合わせて環状に形成されれば良い。
【0039】
また、上述の実施形態では、複数の照明ユニット10に対して1つの連結具16を設けていたが、連結具16の数はこれに限定されるものではない。
【0040】
また、上述の実施形態では、フィン部47を放熱フィン42よりも低く形成したが、フィン部47を放熱フィン42と同等の高さにしても良いし、フィン部47を放熱フィン42よりも高く形成しても良い。
【0041】
また、上述の実施形態では、支持脚44を2本としたが、支持脚44の本数はこれに限定されるものではなく、例えば、3本以上であっても良い。
また、上述の実施形態では、支持脚44を天板12に固定したが、支持脚44を天井面(取り付け面)に直接固定してもよい。
【0042】
また、上述の実施形態では、各照明ユニット10の本体部22を円筒状に形成したが、本体部22の形状はこれに限定されるものではなく、例えば、本体部22を四角筒状に形成してもよい。
【0043】
また、上述の実施形態では、高天井照明器具1は2つの照明ユニット10を備えていたが、3つ以上の照明ユニット10を備えても良いし、図12の高天井照明器具100に示すように、1つの照明ユニット10を備えていても良い。この場合、連結具16及びリング状外枠14は不要である。
また、上述の実施形態では、電気回路ボックス3が照明器具本体2に設けていたが、図13の高天井照明器具200に示すように、電気回路ボックス3を照明器具本体2に設けずに、電気回路ボックス(不図示)を照明器具本体2から離れた箇所に別置し、当該電気回路ボックス3と照明器具本体2を配線する構成としても良い。図13中、符号204は、固定具4に代えて設けたパイプであり、高天井照明器具200は、パイプ204を介して天井面に固定される。
【0044】
また、上述の実施形態では、光源25にCOB型LEDを用いていたが、光源25はLEDに限定されるものではなく、例えば有機EL等の他の発光素子であっても良い。
また、上述の実施形態では、照明器具として高天井照明器具を説明したが、本発明はこれに限らず種々の照明器具に適用できる。
【符号の説明】
【0045】
1,100,200 高天井照明器具
10 照明ユニット(灯具)
12 天板
14 外枠
16 連結具
δ 隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13