(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第二制御手段により前記第二指標部が表示されている場合に、前記画像表示部において前記指標部画像を表示可能な指標部領域(76)に前記指標部画像とは異なる特定画像を表示させる画像制御手段(S110,S112)を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の表示装置。
前記加飾部は、前記画像表示部に対して前方に向けて突出しており、該突出寸法は、前記画像表示部と前記実体表示部との並び方向において、前記実体表示部側から前記画像表示部側に向けて徐々に小さくなっていることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
【0011】
(第一実施形態)
図1、
図2に示すように、本発明の第一実施形態による車両用表示装置10は、車両に関連した車両情報を表示するコンビネーションメータとして、車両の車室内のうちインストルメントパネルに設置されている。この場合、車両用表示装置10は、運転席等の座席の前方位置において視認側として座席側を向いた状態になっている。
【0012】
車両用表示装置10は、表示面を運転席側に向けて設置された表示板11と、表示板11を支持したケース12と、ケース12の前側に設けられた見返し部材13と、見返し部材13の開放部分を前方から覆ったカバー14とを有している。車両用表示装置10においては、表示板11を収納した収納体がケース12、見返し部材13及びカバー14により形成されている。
【0013】
なお、表示板11は、その前面を形成した表示基材と、表示基材の後面に印刷により形成された印刷層とを有している。表示基材は、ポリカーボネート樹脂等により板状に形成されており、印刷層は、色料、着色材、添加材により形成されている。表示基材が透光性を有している一方で、印刷層が遮光性を有しており、表示板11においては、印刷層の付与態様に応じて透光率の異なる部分が存在している。
【0014】
印刷層による遮光率は、色の濃淡により設定されている。本実施形態の印刷層は、シルバー系の印刷色を有しており、彩度や明度が低いほど遮光率が高くなっている。つまり、シルバー系のうち彩度や明度の低い色の部分については、彩度や明度の高い色の部分に比べて遮光率が高くなっている。
【0015】
ケース12は、前方に向けて開放された箱体であり、表示板11は、ケース12の開放側を前方から塞いだ状態で設けられている。見返し部材13は、前後方向に開放された筒状部材であり、ケース12の前側に設けられている。ケース12及び見返し部材13は、いずれも合成樹脂材料により形成されており、不透光性を有している。特に、見返し部材13の形成材料は黒色樹脂とされている。
【0016】
表示板11は、ケース12の前側に配置されており、ケース12の開放側端部と見返し部材13とに挟み込まれた状態でケース12に対して固定されている。カバー14は、アクリル樹脂材料等の合成樹脂材料により形成され、透明性を有している。カバー14は、見返し部材13の開放部分を前方から覆った状態で、その見返し部材13に取り付けられている。また、見返し部材13の内側に嵌め込まれた状態で設けられていてもよい。
【0017】
車両用表示装置10は、左右に配置されたメータ31,32と、これらメータ31,32の間に配置された中間表示部33とを有している。これらメータ31,32及び中間表示部33は、それぞれ車両情報を表示することが可能になっている。具体的には、第一メータ31は、車両情報として車両の走行速度を表示するスピードメータであり、正面視で左寄りの位置に配置されている。第二メータ32は、車両情報として車両エンジンの回転数を表示するタコメータである。中間表示部33は、ナビゲーション画像やサイドミラーに映る画像、車載バッテリの電力残量、報知画像などを表示することが可能になっている。
【0018】
また、車両用表示装置10は、表示板11の後側に配置された矩形状の液晶パネル35を有している。液晶パネル35は、液晶が保持された液晶層、液晶層の両側に配置された一対の電極、カラーフィルタ基板、及び一対の偏光フィルムを有して構成された、TFT液晶パネルである。電極は、行電極及び列電極を組合せたマトリクス電極であり、画素毎に設けられた透明電極で構成され、電極に印加される電圧は薄膜トランジスタにより制御される。カラーフィルタ基板は、赤色フィルタ、緑色フィルタ及び青色フィルタを有し、各フィルタは画素毎(電極毎)に配置されている。また、各画素をオンオフする図示しない薄膜トランジスタ(TFT)を備えている。偏光フィルムは、所定方向に振動する光を透過して光の振動方向を所定方向に規制するフィルタである。一対の偏光フィルムは、振動方向が90度ずれるように配置されている。このTFT液晶パネルは公知の構造である。
【0019】
表示板11は、液晶パネル35の前面に重なった液晶表示部11aと、液晶パネル35に重なっていない非液晶表示部11bとを有している。液晶表示部11aは、表示板11の中間位置に配置されており、非液晶表示部11bは、液晶表示部11aの周囲に配置されている。
【0020】
液晶表示部11aは、液晶パネル35と共に中間表示部33に含まれている。液晶表示部11aは、液晶パネル35の表示面とほぼ同じ大きさ及び形状を有しており、平板状になっている。液晶表示部11aにおいては、印刷層が設けられていないことで表示板11の透光性が高く設定されており、表示板11を通じて液晶パネル35の画像を前方から視認可能になっている。
【0021】
非液晶表示部11bは、メータ31,32のそれぞれに含まれた各メータ表示部37と、各メータ表示部37及び液晶表示部11aの周縁部に沿って延びた加飾部としての加飾表示部38と、加飾表示部38の外周側に配置された外側表示部39とを有している。メータ表示部37は、円弧及び弦により囲まれた形状になっている。この場合、メータ表示部37は、液晶表示部11aから側方に向けて膨らんでおり、弦の位置に液晶表示部11aの側端部が配置されている。メータ表示部37は、液晶表示部11aと前面同士で同一平面を形成するように平板状になっている。
【0022】
加飾表示部38は、液晶表示部11a及びメータ表示部37から前方に向けて突出した突出部分である。また、加飾表示部38は、液晶表示部11aやメータ表示部37と同じ方向に延びた前側端部38aを有している。前方への加飾表示部38の突出寸法は、車両用表示装置10の幅方向の両端部が最も大きくなっており、液晶表示部11a及びメータ表示部37の各周縁部に沿って中央部分に近付くにつれて徐々に小さくなっている。この場合、前側端部38aの前面は、加飾表示部38の長手方向において後方に向けて膨らむように緩やかに湾曲した曲面になっている。また、加飾表示部38は、メータ表示部37と液晶表示部11aとの境界部に沿っては延びておらず、メータ表示部37及び液晶表示部11aの外郭に沿って延びている。
【0023】
表示板11においては、液晶表示部11aの透光率が最も高く、その次に加飾表示部38の前側端部38aの透光率が高くされており、外側表示部39の透光率が最も低くされている。前側端部38aにおいては、液晶表示部11aに対する突出寸法が最も大きい部分の透光率が最も高くなっており、突出寸法が小さくなるにつれて徐々に透光率が低くなっている。メータ表示部37においては、液晶表示部11aから最も遠い部分の透光率が最も高くなっており、その幅方向において液晶表示部11aに近付くにつれて徐々に透光率が低くなっている。
【0024】
メータ表示部37においては、グラデーション印刷により印刷層が形成されることで、液晶表示部11aに近付くにつれて、彩度や明度の低い色から彩度や明度の高い色になるように徐々に色が変化している。
【0025】
前側端部38aにおいて最も透光率の高い部分であっても、液晶表示部11aの透光率よりは低く設定されている。また、メータ表示部37において最も透光率の高い部分であっても、前側端部38aにおいて最も透光率の低い部分よりは透光率が低く設定されている。なお、加飾表示部38の側面部においては、メータ表示部37や外側表示部39から前側端部38aに近付くにつれて、透光率が徐々に高くなっている。
【0026】
メータ31,32は、目盛りや文字等の指標41a,41bと、指標41a,41bを指し示す指針42とを有している。これら指標41a,41b及び指針42は、メータ表示部37に対して設けられている。メータ表示部37においては、印刷層の非設置部分が部分的に存在し、この非設置部分により指標41a,41bが形成されている。指標41aは、メータ表示部37の周縁部に沿って所定間隔で複数並べられた外側指標41aになっている。一方、指標41bは、メータ表示部37の径方向において外側指標41aよりも内側に配置され、外側指標41aの並び方向に沿って複数並べられた内側指標41bになっている。なお、
図1においては、指標41a,41bとして目盛りだけを図示しており、文字等の図示を省略している。
【0027】
メータ31,32のそれぞれにおいて、指針42は、メータ表示部37の前側に配置されており、各指針42の回転軸線は、メータ表示部37の円弧の中心を通る中心線Oに重なっている。指針42において、中心線Oからの長さ寸法は、メータ表示部37の半径よりも小さくなっている。
【0028】
車両用表示装置10は、表示板11の後方においてケース12に収納された回路基板51を有しており、指針42を回転させるための駆動部52が、この回路基板51に取り付けられている。駆動部52は、指針軸部53により指針42に接続されており、指針軸部53は、回路基板51及び表示板11の両方を貫通している。
【0029】
また、車両用表示装置10は、メータ表示部37の加飾表示部38の後方に設けられた発光ユニット55a〜55cと、発光ユニット55a〜55cの光を非液晶表示部11bに向けて放出する導光板56とを有している。発光ユニット55a〜55cは、発光色の異なる複数のLEDを発光体としてそれぞれ有しており、回路基板51の前面に実装されている。回路基板51は、発光ユニット55a〜55cを発光させることが可能な発光回路を有しており、発光ユニット55a〜55cは、発光回路に対する指令信号に応じて所定の色で発光するようになっている。なお、発光ユニット55a〜55cが光源に相当する。
【0030】
導光板56は、メータ表示部37の後方において表示板11の後面全体に重ねられた状態で設けられており、発光ユニット55a〜55cは、導光板56から後方に離間した位置に配置されている。ここで、発光ユニット55a〜55cの光が導光板56の後面から入射した場合、その光が導光板56の内部を進むことで導光板56の前面全体がほぼ同じ明るさで発光する。この場合、発光ユニット55a〜55cの光によりメータ表示部37のほぼ全体が後方から一様に照らされる。
【0031】
導光板56は、加飾表示部38の後側の空間に後ろから入り込んだ入り込み部56aを有しており、これによって、加飾表示部38においても、表示板11の後面に導光板56の前面が重ねられた構成が実現されている。
【0032】
発光ユニット55aは、外側指標41aを発光させるための外側発光ユニット55aであり、発光ユニット55bは、内側指標41bを発光させるための内側発光ユニット55bである。また、発光ユニット55cは、加飾表示部38を発光させるための加飾発光ユニット55cである。図示は省略するが、導光板56は、外側発光ユニット55aからの光を外側指標41aに向けて放出する外側導光部と、内側発光ユニット55bからの光を内側指標41bに向けて放出する内側導光部と、加飾発光ユニット55cからの光を加飾表示部38に向けて放出する加飾導光部とを有している。この場合、発光ユニット55a〜55cのいずれかが発光することで、それに対応する導光部から光が放出されることで外側指標41a、内側指標41b及び加飾表示部38のいずれかが発光することになる。
【0033】
発光ユニット55a〜55cの間には、意図しない光が各導光部に入射することを規制する遮光部58が設けられている。遮光部58は、遮光性の高い板材であり、回路基板51から導光板56に向けて延びている。
【0034】
なお、外側導光部は、メータ表示部37において内側指標41bを除いた部分に向けて光を放出するようになっており、内側導光部は、メータ表示部37において外側指標41aを除いた部分に向けて光を放出するようになっている。このため、外側指標41a及び内側指標41bのいずれが発光している場合でも、メータ表示部37においては、液晶表示部11aに近付くにつれて徐々に輝度が小さくなることで光のグラデーションが付与された状態になる。
【0035】
図3、
図4に示すように、指針42は、指針軸部53が固定された指針ボス61と、指針ボス61から延びた長針部62及び短針部63とを有している。長針部62は、外側指標41aに届く長さ寸法を有しており、短針部63は、内側指標41bに届き且つ外側指標41aには届かない長さ寸法を有している。短針部63は横並びに一対設けられており、これら短針部63の間に長針部62が配置されている。
【0036】
長針部62及び短針部63は、いずれも導光体により形成されており、それぞれの前面が発光可能になっている。回路基板51の前面には、長針部62及び短針部63を発光させるための発光ユニット65a,65bが実装されている。発光ユニット65a,65bは、発光ユニット55a〜55cと同様に、発光色の異なる複数のLEDを発光体として有し、発光回路に対する指令信号に応じて所定の色で発光するようになっている。発光ユニット65aは、長針部62を発光させるための長針発光ユニット65aであり、発光ユニット65bは、短針部63を発光させるための短針発光ユニット65bである。
【0037】
指針42は、発光ユニット65a,65bからの光を長針部62及び短針部63に案内する案内部66a,66bを有している。案内部66aは、長針部62の基端側端部から長針発光ユニット65aに向けて延びた長針案内部66aであり、案内部66bは、短針部63の基端側端部から短針発光ユニット65bに向けて延びた短針案内部66bである。表示板11及び導光板56には貫通孔67がそれぞれ設けられており、案内部66a,66bはこの貫通孔67に後方に向けて挿通されている。案内部66a,66bは、いずれも導光材料により形成されている。
【0038】
表示板11の貫通孔67は、導光板56の貫通孔67より小さくなっており、指針ボス61が表示板11の貫通孔67を上方から覆った状態になっている。これにより、発光ユニット65a,65bの光が各貫通孔67から前方に漏れないようになっている。
【0039】
発光ユニット65a,65bは、それぞれ指針軸部53の周方向に沿って所定間隔で複数並べられている。このため、指針42の回転角度に関係なく、複数の発光ユニット65a,65bのいずれかの光が案内部66a,66bに導入され、長針部62や短針部63が発光するようになっている。
【0040】
長針発光ユニット65aと短針発光ユニット65bとの間にも、遮光部58が設けられている。これにより、長針部62や短針部63が意図せずに発光することを規制できる。なお、
図2では、発光ユニット65a,65bの図示を省略しているが、回路基板51においては、長針発光ユニット65aと内側発光ユニット55bとの間にも遮光部58が配置されている。
【0041】
図5、
図6に示すように、車両用表示装置10においては、メータ31,32の指標盤(文字盤ともいう)として複数の指標盤71,72を表示可能になっている。指標盤71は、液晶表示部11aとメータ表示部37とに跨った状態で表示される跨ぎ指標盤71であり、指標盤72は、メータ表示部37だけに偏って表示される偏り指標盤72である。車両用表示装置10においては、跨ぎ指標盤71及び偏り指標盤72のうち一方が選択的に表示されるようになっている。なお、指標盤は指標部と称することができ、跨ぎ指標盤71は第一指標部に相当し、偏り指標盤は第二指標部に相当する。
【0042】
図5に示すように、跨ぎ指標盤71は、液晶パネル35に指標盤画像74が表示されることで、この指標盤画像74とメータ表示部37とにより形成されるものである。跨ぎ指標盤71は、全体として円形状になっており、指標盤画像74は、円形状を基準とした場合にメータ表示部37だけでは欠けている部分を補う形状及び大きさになっている。この場合、跨ぎ指標盤71の半径は、メータ表示部37と指標盤画像74とで同じになっている。なお、液晶パネル35が画像表示部に相当し、メータ表示部37が実体表示部に相当し、指標盤画像74が指標部画像に相当する。また、メータ31,32の各メータ表示部37が「2つの実体表示部」に相当する。
【0043】
指標盤画像74には、目盛りや文字等の画像指標75が含まれている。画像指標75は、外側指標41aと同じ形状及び大きさの目盛りや同じ種類の数字を有しており、外側指標41aと同じ間隔で跨ぎ指標盤71の周縁部に沿って複数並べられている。画像指標75は、発光状態にある外側指標41aとほぼ同じ色及び明るさを有しており、指標盤画像74における画像指標75の背景画像も、発光状態にあるメータ表示部37の光のグラデーションに合わせた色及び明るさを有している。なお、
図5においては、画像指標75及び外側指標41aとして目盛りだけを図示しており、文字等の図示を省略している。
【0044】
液晶パネル35においては、指標盤画像74を表示可能な指標盤領域76と、指標盤画像74を表示しない非指標盤領域77とが設定されている。指標盤領域76及び非指標盤領域77は、いずれも矩形状に設定されている。指標盤領域76は、メータ31,32のそれぞれに対して個別に設定されることで2つ配置されており、これら指標盤領域76の間に非指標盤領域77が配置されている。ここで、指標盤画像74が表示されている場合、この指標盤画像74が円弧及び弦により囲まれた形状になっていることに起因して、指標盤領域76において非指標盤領域77側の2つの隅角部は、指標盤画像74が表示されない背景部分になる。なお、指標盤領域76が指標部領域に相当し、非指標盤領域77が非指標部領域に相当する。
【0045】
メータ31,32の各指標盤が跨ぎ指標盤71とされている場合には、液晶パネル35の非指標盤領域77が中間表示部33に含まれる一方で、指標盤領域76は中間表示部33に含まれない。この場合、液晶表示部11aにおいては、非指標盤領域77に重なる部分だけが中間表示部33に含まれることになる。なお、
図5においては、この場合の中間表示部33をハッチングで図示している。
【0046】
指標盤領域76の幅寸法W1は、跨ぎ指標盤71の半径Rよりも小さく且つこの半径Rの1/2よりも大きくなっている。すなわち、幅寸法W1は、跨ぎ指標盤71の幅寸法の1/2よりも小さく且つ1/4よりも大きくなっている。また、指標盤領域76の幅寸法W1は、非指標盤領域77の幅寸法W2の1/2とほぼ同じ値になっている。すなわち、メータ31,32の各指標盤が跨ぎ指標盤71とされた場合には、これら跨ぎ指標盤71の各指標盤領域76の幅寸法W1の合計が、非指標盤領域77の幅寸法W1とほぼ同じになっている。
【0047】
なお、指標盤領域76の幅寸法W1は、跨ぎ指標盤71の半径Rより大きい値や、非指標盤領域77の幅寸法W2の1/2よりも大きい値に設定されていてもよい。
【0048】
跨ぎ指標盤71においては、指針42の長針部62により外側指標41a及び画像指標75が指し示される。この場合、指針42の回転範囲には、メータ表示部37の前方位置に加えて指標盤領域76の前方位置が含まれており、ほぼ360度の回転が可能になっている。また、この場合、メータ31,32のいずれにおいても、指針42は下向きをゼロ位置として右回りに回転することになる。
【0049】
図6に示すように、偏り指標盤72は、液晶パネル35の指標盤領域76に指標盤画像74が表示されないことで、メータ表示部37だけにより形成されるものである。偏り指標盤72は、全体として半円形状になっている。この場合、液晶パネル35においては、指標盤領域76及び非指標盤領域77の両方が中間表示部33に含まれており、液晶表示部11aの全体が中間表示部33に含まれることになる。また、この場合、中間表示部33の幅寸法W3は、2つの指標盤領域76の各幅寸法W1と非指標盤領域77の幅寸法W2との合計であり、非指標盤領域77の幅寸法W2のほぼ2倍になっている。なお、
図6においては、この場合の中間表示部33をハッチングで図示している。
【0050】
偏り指標盤72においては、指針42の短針部63により内側指標41bが指し示される。この場合、指針42の回転範囲は、メータ表示部37の前方位置に制限されており、その回転角度も180度に制限されている。偏り指標盤72においては、複数の内側指標41bが180度の範囲内に配置されている。第一メータ31においては、指針42は下向きをゼロ位置として右回りに回転し、第二メータ32においては、指針42は上向きをゼロ位置として右回りに回転する。なお、この場合、第二メータ32においては、指針42が下向きをゼロ位置として左回りに回転してもよい。また、
図6においては、内側指標41bとして目盛りだけを図示しており、文字等の図示を省略している。
【0051】
次に、車両用表示装置10に関する電気的な構成について
図7を参照しつつ説明する。
【0052】
図7に示すように、車両用表示装置10は、マイクロコンピュータ等の制御部を含んで構成された制御装置81を有している。制御装置81には、液晶パネル35、外側発光ユニット55a、内側発光ユニット55b、長針発光ユニット65a及び短針発光ユニット65bがアクチュエータとして接続されている。制御装置81は、指令信号を出力することでこれらアクチュエータの駆動制御を行う。また、制御装置81は、回路基板51に実装されている。
【0053】
制御装置81には、車両に関して危険予知を行うための危険情報を取得する危険情報取得部82と、車両の異常発生に関する情報を取得する異常情報取得部83と、天気など屋外環境に関する情報を取得する屋外環境取得部84とが接続されている。危険情報取得部82及び異常情報取得部83は、危険情報や異常発生情報を取得するために各種センサを有している。各種センサとしては、他車両の有無など車外状況を検出するセンサ、自車両の各種アクチュエータでの異常発生を検出するセンサ、自車両が他車両等の障害物に接触したことを検出するセンサ、アクセルペダル等の操作状態を検出するセンサなどが挙げられる。屋外環境取得部84は、外気温センサや無線通信装置などを有している。
【0054】
制御装置81は、液晶パネル35の表示態様を切り替える表示制御処理を実行する。ここでは、この表示制御処理について
図8を参照しつつ説明する。なお、制御装置81は、表示制御処理を所定間隔で繰り返し実行する。
【0055】
図8において、ステップS101では、車両の走行に関して非常状態にあるか否かを判定する。ここでは、危険を予知したか否かの判定や、異常が発生したか否かの判定を行うことで、安全性が低下したか否かを判定する。危険予知の判定や異常発生の判定については後述する。安全性が低下していないとの判定をした場合、非常状態にないとの判定をしたとして、ステップS102〜S105にて通常処理を行う。
【0056】
通常処理においては、ステップS102〜S104にて、跨ぎ指標盤71を表示させるメータ通常処理を行う。ステップS102では、液晶パネル35の指標盤領域76に指標盤画像74を表示させる。ステップS103では、外側発光ユニット55aを発光させることで外側指標41aを発光させる一方で、内側発光ユニット55bを発光させないことで内側指標41bを発光させない。ステップS104では、長針発光ユニット65aを発光させることで長針部62を発光させる一方で、短針発光ユニット65bを発光させないことで短針部63を発光させない。
【0057】
なお、非常状態にあるか否かに関係なく、加飾発光ユニット55を発光させておくことで加飾表示部38を発光させておく。また、制御装置81はステップS102,S103を実行する機能を有しており、この機能が第一制御手段に相当する。特に、ステップS103を実行する機能は外側制御手段に相当する。さらに、制御装置81はステップS104を実行する機能を有しており、この機能が長針制御手段に相当する。
【0058】
通常処理においては、ステップS105にて液晶通常処理を行う。この処理では、中間表示部33として液晶パネル35の非指標盤領域77だけを設定し、この指標盤領域76に、ナビゲーション画像やサイドミラーに映る画像、車載バッテリの電力残量を示す画像などの通常画像を表示させる。
【0059】
一方、非常状態にあるとの判定をした場合(ステップS101がYES判定の場合)、ステップS106〜S112にて非常処理を行う。
【0060】
非常処理においては、ステップS106〜S108にて、偏り指標盤72を表示させるメータ非常処理を行う。ステップS106では、液晶パネル35の指標盤領域76から指標盤画像74が消えた状態にする非表示処理を行う。ステップS107では、内側発光ユニット55bを発光させることで内側指標41bを発光させる一方で、外側発光ユニット55aを発光させないことで外側指標41aを発光させない。ステップS108では、短針発光ユニット65bを発光させることで短針部63を発光させる一方で、長針発光ユニット65aを発光させることで長針部62を発光させない。
【0061】
なお、制御装置81はステップS106,S107を実行する機能を有しており、この機能が第二制御手段に相当する。特に、ステップS107を実行する機能が内側制御手段に相当する。また、制御装置81はステップS108を実行する機能を有しており、この機能が短針制御手段に相当する。
【0062】
ステップS109では、危険情報取得部82による危険情報の取得結果に基づいて、危険を予知したか否かを判定する。ここでは、自車両の走行中において前方車両との車間距離が所定の判定値より小さくなったか否かの判定や、側方や後方から急接近してくる車両が存在するか否かの判定、自車両がセンターラインを踏み越えて対向車線にはみ出しているか否かの判定、自車両の進行方向に歩行者がいるか否かの判定、アクセルペダルが誤操作されているか否かの判定を行う。そして、1つでも肯定判定が行われたものがある場合に危険を予知したとして、ステップS110に進む。アクセルペダルの誤操作判定については、車両の進行方向に障害物が存在する状態で、その方向に進むようにアクセルペダルが操作された場合に、誤操作であると判定する。
【0063】
ステップS110では警告処理を行う。この処理では、中間表示部33として指標盤領域76及び非指標盤領域77の両方を設定し、これら領域76,77の両方に警告画像を表示させる。警告画像としては、前方車両に接近し過ぎていることや、側方や後方から他車両が急接近していること、自車両がセンターラインを踏み越えていること、運転者の眠気が強いこと、誤発進の可能性が高いことなどを報知する報知画像を表示可能になっている。また、予知した危険を回避するための操作方法を知らせる画像も警告画像として表示可能になっている。
【0064】
危険を予知していない場合(ステップS109がNO判定の場合)、ステップS111に進み、異常情報取得手段73による異常情報の取得結果に基づいて、異常が発生しているか否かを判定する。ここでは、自車両の走行中においてエンジンが異常停止したか否かの判定や、エアバックが動作したか否かの判定、自車両が他車両などの障害物に接触したか否かの判定を行う。そして、1つでも肯定判定が行われたものがある場合に、異常が発生しているとしてステップS112に進む。
【0065】
なお、制御装置81はステップS101,S109,S111を実行する機能を有しており、この機能が非常判定手段に相当する。特に、ステップS109を実行する機能は安全判定手段に相当する。
【0066】
ステップS112では異常対応処理を行う。この処理では、警告処理と同様に、中間表示部33として指標盤領域76及び非指標盤領域77の両方を設定し、これら領域76,77の両方に異常対応画像を表示させる。異常対応画像としては、車両の停止操作を案内する画像や、エンジン始動に障害があることを案内する画像、乗員が車外に出ることの危険性を案内する画像、乗員が車外に出る際の注意事項を案内する画像、異常発生に対する連絡先を案内する画像が挙げられる。なお、乗員が車外に出ることに関しては、周囲の交通量や気象情報などから車外環境を取得し、この車外環境に基づいて注意事項を設定するとともに、この注意事項を案内する。
【0067】
なお、警告画像や異常対応画像が、指標盤画像74とは異なる特定画像に相当する。また、制御装置81はステップS110,S112を実行する機能を有しており、この機能は画像制御手段及び報知制御手段に相当する。
【0068】
ここまで説明した第一実施形態の作用効果を、以下に説明する。
【0069】
第一実施形態によれば、液晶通常処理が行われた場合に、跨ぎ指標盤71がメータ表示部37及び液晶パネル35の両方を使用して表示されるため、メータ31,32について指標盤の大型化を図ることができる。このため、乗員等のユーザは、メータ31,32において跨ぎ指標盤71により示されるメータ情報を認識しやすくなる。その一方で、警告処理や異常対応処理が行われた場合に、偏り指標盤72がメータ表示部37だけを使用して表示されるため、警告画像や案内画像を液晶パネル35の全体に表示することで、これら警告画像や案内画像が目立ちやすい構成を実現できる。このため、表示を跨ぎ指標盤71から偏り指標盤72に切り替えることで、ユーザの意識がメータ情報から警告画像や案内画像に向きやすくなる。したがって、都度の状況に応じた情報をユーザに好適に認識させることができる。
【0070】
第一実施形態によれば、警告処理や異常対応処理が行われた場合、警告画像や異常対応画像が指標盤領域76及び非指標盤領域77の両方に表示されるため、指標盤領域76を利用して警告画像や異常対応画像の大型化を図ることができる。このため、高齢者等であっても、警告画像や異常対応画像に対する視認性を高めることができる。しかも、跨ぎ指標盤71のうち指標盤画像74がユーザの視界に入っている場合に、その視界に入っていた部分が跨ぎ指標盤71から警告画像や異常対応画像の一部に切り替わるため、ユーザが異変に気付きやすくなっている。
【0071】
第一実施形態によれば、指標盤領域76の幅寸法W1が跨ぎ指標盤71の半径Rの1/2よりも大きくなっている。このため、通常画像が表示される場合と、警告画像や異常対応画像が表示される場合とで、画像サイズの差異を適正に確保すること、及び偏り指標盤72のサイズが過剰に小さくならないことの両方を実現できる。これにより、警告画像や異常対応画像が表示された際のユーザによる認識度を高めつつ、ユーザによるメータ31,32の読み取りやすさを適正に保つことができる。
【0072】
第一実施形態によれば、液晶パネル35においては、2つの指標盤領域76の間に非指標盤領域77が配置されているため、2つの指標盤領域76を使用して警告画像や異常対応画像を表示することができる。これにより、警告画像や異常対応画像の更なる大型化を図ることができる。
【0073】
第一実施形態によれば、指針42の指針軸部53がメータ表示部37に対して設けられているため、メータ31,32の指標盤が跨ぎ指標盤71から偏り指標盤72に切り替えられた場合でも、指針軸部53を移動させる必要がない。このため、指標盤の切り替えが行われてもユーザが指針42を見失いにくくなっている。
【0074】
第一実施形態によれば、警告処理や異常対応処理が行われた場合、偏り指標盤72が表示されるとともに、短針部63が発光されることで指針42が短針化されるため、指針42が目立ち過ぎない構成を実現できる。しかも、跨ぎ指標盤71が表示されていた状態で長針化された指針42がユーザの視界に入っていた場合には、その視界に入っていた指針42が短針化されるため、ユーザが異変に気付きやすくなっている。
【0075】
第一実施形態によれば、警告処理や異常対応処理が行われた場合、メータ表示部37での発光対象が外側指標41aから内側指標41bに切り替えられるため、偏り指標盤72が目立ち過ぎない構成を実現できる。しかも、跨ぎ指標盤71が表示されていた状態で外側指標41aがユーザの視界に入っていた場合には、その視界に入っていた外側指標41aの発光が停止されるため、ユーザが異変に気付きやすくなっている。
【0076】
第一実施形態によれば、非常状態にある場合に、メータ31,32の指標盤が跨ぎ指標盤71から偏り指標盤72に切り替えられるため、危険が予知されたことや異常が発生したことにユーザが気付きやすくなっている。
【0077】
第一実施形態によれば、危険が予知された場合、すなわち、安全性が低下した場合に、液晶パネル35において指標盤領域76及び非指標盤領域77の両方に警告画像が表示されるため、ユーザが危険を察知しやすくなっている。
【0078】
第一実施形態によれば、液晶表示部11a及びメータ表示部37の周囲を囲むように加飾表示部38が設けられている。このため、メータ31,32の指標盤が跨ぎ指標盤71から偏り指標盤72に切り替えられたことが、加飾表示部38により強調されやすくなっている。しかも、加飾表示部38の前側端部38aが発光状態にあることで、この前側端部38aにより液晶表示部11a及びメータ表示部37の縁取りが施された状態になっている。このため、車両用表示装置10の見栄えを高めた上で、都度の状況に応じた情報をユーザに好適に認識させる構成を実現できる。
【0079】
第一実施形態によれば、加飾表示部38の前方への突出寸法がメータ表示部37から液晶表示部11aに向けて徐々に小さくなっているため、この加飾表示部38によりメータ表示部37と液晶表示部11aとの間で奥行き感を醸し出すことができる。このため、車両用表示装置10の見栄えを更に高めることができる。
【0080】
(第二実施形態)
第一実施形態では、車両の走行に関して非常状態になった場合に、メータ31,32の指標盤が偏り指標盤72に切り替えられていたが、第二実施形態では、車両のギアがバックポジションに切り替えられた場合に、指標盤の表示が切り替えられる構成とする。
【0081】
本実施形態の制御装置81には、ギアのポジションを検出するギアセンサと、車両の後方画像を撮影するカメラとが電気的に接続されている。制御装置81は、ギアセンサ及びカメラからの信号に基づいて表示制御処理を実行する。制御装置81は、バックガイドモニタ機能を有しており、カメラからの信号に基づいて後方画像を液晶パネル35に表示可能になっている。
【0082】
表示制御処理においては、
図9に示すように、ステップS201にて、ギアセンサからの検出信号に基づいて、ギアがバックポジションにあるか否かを判定する。ギアがバックポジションにない場合、ステップS202〜S205にて、第一実施形態のS102〜S105と同様に通常処理を行う。この場合、メータ31,32の指標盤として跨ぎ指標盤71が表示されることになる。
【0083】
一方、ギアがバックポジションにある場合、ステップS206〜S209にて、バックガイド処理を行う。バックガイド処理においては、ステップS206〜S208にて、第一実施形態のステップS106〜S108と同様に、メータ31,32の指標盤を跨ぎ指標盤71から偏り指標盤72に切り替える処理を行う。
【0084】
ステップS209では、後方画像表示処理を行う。この処理では、中間表示部33として指標盤領域76及び非指標盤領域77の両方を設定し、これら領域76,77の両方に車両の後方画像を表示する。この場合、バックガイドモニタ機能として、後方画像が液晶パネル35の全体に表示されることになる。
【0085】
第二の実施形態によれば、バックガイドモニタ機能を利用する際に、車両の後方画像が液晶パネル35の全体に表示されるため、後方画像に対する運転者の視認性を高めることができる。ここで、運転者にとって後方画像の重要度が高くなるのは、車両の駐車時など車両後退時に限られ、通常の車両走行時においては、後方画像よりもメータ31,32によるメータ情報の方が運転者にとっての重要度が高いと考えられる。このため、ギアがバックポジションにある場合に限って後方画像が液晶パネル35の全体に表示されることは、通常の車両走行について利便性や安全性を適正に確保できることになる。また、車両後退時には、運転者が過剰に速度を上げて走行することが現実的ではないため、メータ31,32の指標盤を偏り指標盤72として表示することに関して、不都合は生じないと考えられる。
【0086】
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
【0087】
(変形例1)
上記各実施形態では、跨ぎ指標盤71と偏り指標盤72とで、長針部62と短針部63とが使い分けられる構成としたが、変形例1では、長針部62及び短針部63のうち一方が、跨ぎ指標盤71及び偏り指標盤72のいずれに対しても使用されてもよい。
【0088】
(変形例2)
上記各実施形態では、指針42が長針部62及び短針部63の両方を有していたが、変形例2では、長針部62と短針部63とが互いに独立して設けられていてもよい。例えば、跨ぎ指標盤71が表示されている場合には長針部62により外側指標41a及び画像指標75が指し示され、偏り指標盤72が表示されている場合には短針部63により内側指標41bが指し示される構成とする。
【0089】
(変形例3)
上記各実施形態では、指針42において、長針部62と短針部63とが指針42の回転方向に並べられていたが、変形例3では、これら長針部62と短針部63とが指針42の長さ方向に並べられていてもよい。例えば、指針42の回動先端側に長針部62が配置され、回動基端側に短針部63が配置された構成とする。
【0090】
(変形例4)
上記各実施形態では、メータ表示部37において、外側指標41aと内側指標41bとが使い分けられていたが、変形例4では、これら指標41a,41bについても一方が、跨ぎ指標盤71及び偏り指標盤72のいずれに対しても使用されてもよい。
【0091】
(変形例5)
上記各実施形態では、跨ぎ指標盤71と偏り指標盤72とで大きさ及び形状の両方が異なっていたが、変形例5では、これら指標盤71,72では大きさ及び形状の少なくとも一方が異なっていてもよく、大きさ及び形状が同じになっていてもよい。いずれの構成でも、指標盤画像74が液晶パネル35に表示されなければ、偏り指標盤72が表示されている場合には、液晶パネル35において中間表示部33の大型化を図ることができる。
【0092】
(変形例6)
上記各実施形態では、非常処理において、メータ31,32の各指標盤の両方が偏り指標盤72に切り替えられたが、変形例6では、これらメータ31,32の各指標盤のうち一方だけが偏り指標盤72に切り替えられてもよい。
【0093】
(変形例7)
上記各実施形態では、液晶パネル35に対して指標盤領域76及び非指標盤領域77の両方が設定されていたが、変形例7では、非指標盤領域77は設定されていなくてもよい。この構成では、メータ31,32の指標盤として跨ぎ指標盤71が表示されている場合に、液晶パネル35に通常画像が表示されないことになる。この場合でも、指標盤が跨ぎ指標盤71から偏り指標盤72に切り替えられることで、液晶パネル35の全体に警告画像等の特定画像を表示させることが可能になる。
【0094】
(変形例8)
上記各実施形態では、跨ぎ指標盤71において、その半径がメータ表示部37と指標盤画像74とで同じになっていたが、変形例8では、半径がメータ表示部37と指標盤画像74とで異なっていてもよい。つまり、メータ表示部37と指標盤画像74とで縮尺が異なっていてもよい。例えば、第一メータ31において、指標盤画像74がメータ表示部37に比べて拡大して表示された構成とする。この構成では、第二メータ32の回転数表示において、低回転域の各画像指標75が拡大され、これら画像指標75の間隔が拡張される。また、第二メータ31において、指標盤画像74がメータ表示部37に比べて縮小して表示された構成としてもよい。この構成では、第一メータ31の速度表示において、高速度域の各画像指標75が縮小表示され、これら画像指標75の間隔が小さくなる。
【0095】
(変形例9)
上記各実施形態では、液晶パネル35の前面に表示板11が重ねられていたが、変形例9では、液晶パネル35の前側に表示板11が配置されていなくてもよい。この場合でも、液晶パネル35とメータ表示部37とが横並びに配置されていれば、跨ぎ指標盤71を液晶パネル35とメータ表示部37とに掛け渡された状態で表示させることが可能である。
【0096】
(変形例10)
上記各実施形態では、画像表示部として液晶パネル35が用いられていたが、変形例10では、指標盤画像74や通常画像、警告画像、異常対応画像を表示可能な他の表示装置が画像表示部として用いられていてもよい。
【0097】
(変形例11)
上記各実施形態では、液晶パネル35とメータ表示部37とが横並びに配置されていたが、変形例11では、これら液晶パネル35とメータ表示部37とは縦並びに配置されていてもよい。
【0098】
(変形例12)
上記各実施形態では、2つのメータ表示部37の間に液晶パネル35が配置されていたが、変形例12では、1つのメータ表示部37に隣接して液晶パネル35が配置されていてもよい。
【0099】
(変形例13)
上記各実施形態では、メータ表示部37と液晶パネル35とが隣接していたが、変形例13では、メータ表示部37と液晶パネル35とが互いに離間していてもよく、これらメータ表示部37と液晶パネル35との間に他の部材が介在していてもよい。要は、メータ表示部37と指標盤画像74とにより1つの跨ぎ指標盤71が形成されるように、メータ表示部37と液晶パネル35とが配置されていればよい。
【0100】
(変形例14)
上記各実施形態では、表示装置が車両用表示装置10として車両に搭載されていたが、変形例14では、表示装置は、飛行機や船舶などに搭載されていてもよい。要は、表示装置は移動体に搭載可能なものであればよい。