(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
互いに対向する第1及び第2の辺と、前記第1及び第2の辺の一端において前記第1及び第2の辺を連結する第3の辺と、前記第1及び第2の辺の他端から延びる支持部とを有する枠体と、
前記枠体の支持部に取り付けられ、前記枠体を小便器の端部に固定する固定具と、
前記枠体の各辺が囲む領域を覆うように、前記枠体に装着されるカバーと、を備え、
前記固定具が前記小便器の端部に固定された状態において、前記小便器に対する前記枠体の傾斜角度が設定されるように、前記第1及び第2の辺と前記支持部との間の角度を調整可能であることを特徴とする便器尿垂れ補助装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、種々の形状を有する公衆の小便器において、小便の出し終わりの垂れが便器の外側を汚染することを防ぐことができる便器尿垂れ補助装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は便器尿垂れ補助装置に係り、
互いに対向する第1及び第2の辺と、前記第1及び第2の辺の一端において前記第1及び第2の辺を連結する第3の辺と、前記第1及び第2の辺の他端から延びる支持部とを有する枠体と、
前記枠体の支持部に取り付けられ、前記枠体を小便器の端部に固定する固定具と、
前記枠体の各辺が囲む領域を覆うように、前記枠体に装着されるカバーと、を備え、
前記固定具が前記小便器の端部に固定された状態において、前記小便器に対する前記枠体の傾斜角度が設定されるように、前記第1及び第2の辺と前記支持部との間の角度を調整可能であることを特徴とする。
【0007】
第2の発明は、第1の発明に記載の便器尿垂れ補助装置に係り、
前記枠体は、前記第1及び第2の辺と前記支持部が連結される位置に、前記小便器に対する前記枠体の傾斜角度を設定することができるねじを有することを特徴とする。
【0008】
第3の発明は、第1の発明または第2の発明に記載の便器尿垂れ補助装置に係り、
前記カバーは、可撓性を有する板を含み、
前記カバーの板は、前記カバーが前記枠体に装着された状態において、前記枠体の各辺が囲む領域を覆うことを特徴とする。
【0009】
第4の発明は、第3の発明に記載の便器尿垂れ補助装置に係り、
前記枠体は、前記第1及び第2の辺にそれぞれ設けられ、前記カバーの板を取り付ける取り付け部を有し、
該取付け部は、前記カバーの板を挟み込む構造であることを特徴とする。
【0010】
第5の発明は、第1乃至第4の発明のいずれか1つに記載の便器尿垂れ補助装置に係り、
前記固定具は、前記小便器に吸着する吸盤を含むことを特徴とする。
【0011】
第6の発明は、第1乃至第5の発明のいずれか1つに記載の便器尿垂れ補助装置に係り、
前記枠体の前記第3の辺は略中央において曲がり、
前記第3の辺の略中央における屈曲角度は、可変であることを特徴とする。
【0012】
第7の発明は、第6の発明に記載の便器尿垂れ補助装置に係り、
前記枠体の前記第3の辺は、該辺の略中央において、ねじによって連結される二辺を含み、
前記ねじにおいて、前記屈曲角度を調整することができるねじを有することを特徴とする。
【0013】
第8の発明は、第1乃至第7の発明のいずれか1つに記載の便器尿垂れ補助装置に係り、
前記枠体は、前記第1及び第2の辺の他端に連結し、前記第3の辺に対向する第4の辺を備え、
前記枠体の前記第4の辺は略中央において曲がり、
前記第4の辺の略中央における屈曲角度は、可変であることを特徴とする。
【0014】
第9の発明は、第8の発明に記載の便器尿垂れ補助装置に係り、
前記枠体の各辺が囲む領域の形状は、略矩形であることを特徴とする。
【0015】
第10の発明は、第1乃至第7の発明のいずれか1つに記載の便器尿垂れ補助装置に係り、
枠体の囲む領域は、略三角形であることを特徴とする。
【0016】
第11の発明は、第1乃至第10の発明のいずれか1つに記載の便器尿垂れ補助装置に係り、
前記カバーの表面に、所定の模様が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る便器尿垂れ補助装置によると、種々の形状を有する公衆の小便器に設置して、小便の出し終わりの垂れを防ぐことができる。また、プラスチックや被膜された金属などの安価な素材で、種々の形状の公衆便器に、安易に取り付けられる便器尿垂れ補助装置を製造することができる。そのため、公衆便所の衛生環境の向上に貢献する便器尿垂れ補助装置を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態1に係る便器尿垂れ補助装置を、図面を用いて説明する。
【0020】
図1は、本発明に係る便器尿垂れ補助装置を小便器に取り付けた概要を示す正面図である。
図2は、本発明に係る便器尿垂れ補助装置を便器に取り付けた概要を示す側面図である。
【0021】
図1において、100は本発明に係る便器尿垂れ補助装置である。本発明に係る便器尿垂れ補助装置100は、主に公衆の小便器に取り付けられ、小便の終わり際の尿垂れを防ぐために用いられる。
【0022】
男性用の小便器は、特に小便の終わり際に尿垂れによって、小便をする者の衣服を汚染したり、男性用小便器の周辺に飛散して周囲を汚してしまうことが多い。そこで、本発明者は、便器尿垂れ補助装置を男性用小便器に取り付けることによって、終わり際の尿垂れを防止する効果の高い構造を有する便器尿垂れ補助装置を発明した。
【0023】
本発明に係る便器尿垂れ補助装置100は、例えばプラスチックや、ビニール等で被膜された金属で形成された略長方形状の枠体110と、該枠体110を便器に固定する固定具120と、該枠体110に着脱可能に被せて使用するカバー130から構成される。また、200は、小便器の尿受け部分であり、
図2に示すように使用者側に突出している。便器尿垂れ補助装置100は、便器尿受け部分200の内壁に固定されて設置される。また、枠体を形成する金属の被膜については、ビニールコーティングに替えて、クロムメッキであっても良いし、塗装であっても良い。
【0024】
公衆の小便器は、大きさや形状が様々あり、いずれの形状の小便器にも便器尿垂れ補助装置を取り付け可能であることが好ましい。そこで、本発明に係る便器尿垂れ補助装置は、種々の形状を有する小便器の形状に応じて、小便器に対して、装置を支持する支持部において、取付け角度を調整可能な枠体を採用している。ゆえに、小便器の形状に応じて、種々の形状の小便器に取り付けられ、傾斜角度を変えて設定することができる。さらに枠体は、屈曲角度が調整可能であり、これによって様々な便器の形状に対応できる。
【0025】
また、公衆の小便器は、家庭の便器と異なり、使用頻度が多いために、ともすれば不衛生になりがちである。公衆小便器を衛生的に使用するためには、清掃の負担を軽減できることが望まれる。そこで本発明に係る便器尿垂れ補助装置には、カバー130を枠体110に着脱可能に被せている。カバー130は、板状であってもよいし、使い捨てできる袋状シートであってもよい。
【0026】
ここで、便器尿垂れ補助装置100の固定具120は、
図2に示すように、便器200の最も使用者に近接する位置の内壁に設置される。枠体110は、支持部を該固定具120に差し込むことによって固定される。114は、枠体110の支持部である。固定具120は吸盤であり、小便器に吸着する。吸盤は中央付近に穴を有する凸型の軸部分があり、その穴にそれぞれ枠体の支持部114を貫通させて、適宜の長さに調節され、枠体は固定具に固定される。このとき枠体110は、適切な角度を付けて固定具120に固定される。便器尿垂れ補助装置100は角度を持たせて設置されることで尿垂れを効果的に防ぐことができる。この角度は、小便器の形状によるが一般的には、
図2に示されるように床面より上方に向かって略45度近辺であることが望ましい。
【0027】
図3は、様々な形状を有する小便器の上面図であり、様々な形状の小便器に取り付けた固定具120の例示である。
図3における小便器の上面図の形状は、(a)はV字型、(b)はU字型、(c) はV字型とU字型の混合型である。
【0028】
図3において、便器尿垂れ補助装置100を構成する固定具120は、様々な小便器尿受け部の形状に応じて、小便器の端部、つまり小便器の尿受け部分の内壁または縁部の上面に取り付けられている。
【0029】
ここで固定具の吸盤を設置する位置は、小便器の便器尿受け部分200の形状、特に縁部の幅の広さや傾き具合によって異なり、便器尿受け部分200の内壁であっても良いし、縁上面であっても良い。固定具120は、
図3に示すように、V字型、U字型、およびV字型とU字型の混合型などの様々な形状の小便器の主に内壁に設置できる。ゆえに、便器尿垂れ補助装置100は、種々の形状を有する小便器の形状に設置することが可能である。
【0030】
図4(a)は、便器尿垂れ補助装置100を便器に取り付けた様子を示す拡大正面図である。
図4(b)は、固定具120の上面図である。
【0031】
便器尿垂れ補助装置100は、
図4(a)に示すように、固定具120を介して枠体110を小便器200に固定して設置される。枠体110の支持部114は、
図4(b)に示す固定具である吸盤120の略中央部にある凸部の穴124に差し込まれ、穴124を貫通して固定される。カバー130は、可撓性を有する薄い板状であって、枠体110に被せられる。後述するように枠体には取付け部が設けられ、該板状のカバーは取付け部に挟み込まれて、枠体に沿って湾曲して取り付けられる。該カバーは容易に着脱できるため衛生的に使用できる。
【0032】
枠体110の形状は略矩形であるが、後述するように対向する2辺が曲がっている。枠体がプラスチックから形成される場合も、
図4に示すように、枠体の上部の辺の中央部分に屈曲部113を有する形状である。枠体110の屈曲部113は、後述するように、便器尿垂れ補助装置100が便器に取り付けられた場合、便器側の向きに湾曲している。
【0033】
また、
図2においては、枠体110は水平面より上方に略45度傾いて固定具に設置されるが、傾斜角度は例示であって、これに限定されるものではない。さらに、
図1において、枠体の矩形部分の辺の長さは略13cmから15cmとなっているが、この大きさは例示であってが、これに限定するものではない。
【0034】
便器尿垂れ補助装置100は、以上のように種々の形状を有する便器200に設置されることで、小便の出し終わりの垂れを受け止めて、便器から尿が漏れることを防ぐことができる。また、後述するように、枠体110の上部の中央部分は屈曲していて、それにより小便の出し終わりの垂れを効果的に受け止められる。
【0035】
以下、便器尿垂れ補助装置100を構成する枠体110、固定具120及びカバー130の詳細について、それぞれ
図5、
図6を用いて説明する。
【0036】
図5(a)は、本発明に係る便器尿垂れ補助装置100を構成する枠体の上面図であり、(b)は、枠体110の上面図であって、ねじを外した様子を表す説明図ある。(c)は本発明に係る便器尿垂れ補助装置の正面図である。
図6は、枠体の側面図である。
【0037】
枠体110は、略矩形の領域を囲む枠状の部材である。枠体110の材質は、被膜された金属またはプラスチック材料などである。また枠体110の断面は、
図7の断面図(b)に示すように、例えば略円状である。また枠体110は、便器尿垂れ補助装置におけるカバー130を被せるための矩形部分111を有する。
【0038】
図5の正面図(c)に示すように、枠体110が囲む領域の全体的な形状は、矩形であるが、対向する2辺のそれぞれに、ねじを介して枠の外側に延びる支持部114を有する。枠体110の支持部114は、後述するように、固定具120に差し込まれる。
【0039】
また、枠体は、枠体上部の長手方向の中間付近に、
図5の正面図(c)の紙面奥方向に折れ曲がる屈曲部113を有する。枠体110の屈曲部113は、後述するように、便器尿垂れ補助装置100が便器に取り付けられた場合、便器側の向きに湾曲している。このとき枠体の矩形部分111は、水平面より上方に略45度傾いて、固定具に設置される。また、枠体の矩形部分111の枠体上部の長さは略13cmから15cmであるが、これに限定するものではない。
【0040】
図5の正面図(c)に示すように、117は第1の辺であり、118は第2の辺であり、115は第3の辺であり、116は第3の辺115に対向する第4の辺である。また101は第3の辺115の略中央部に設けられたねじである。枠体110の矩形部分111は、互いに対向する第1の辺117及び第2の辺118と、前記第1及び第2の辺の一端において前記第1及び第2の辺を連結する第3の辺115と、第1の辺117及び第2の辺118の他端に連結し、前記第3の辺115に対向する第4の辺116を備える。さらに、第3の辺115及び対向する第4の辺116は、略中央付近にそれぞれ1個のねじ101を有し、このねじによって該2辺の角度を、小便の垂れを防止するのに最適な角度に変えられる。
【0041】
通常小便器の尿受け部は、厚みや大きさ、形状等が製造メーカーによって大きく異っている。本発明の小便器補助装置の枠体110は、矩形部分111の第1の辺115の略中央付近のねじ101を調整することにより、様々な小便器尿受け部の形状に合わせて、第1の辺115のV字の曲がり具合を所望の角度に定められる。そして本発明の小便器補助装置は多種の小便器に容易に取り付けることができる。さらに、第3の辺115に対向する第4の辺116の略中央付近にもねじ101を有することで、枠体110の矩形部分111のV字形状はより安定化される。
【0042】
また枠体110は、
図5に示すように、第3の辺115に続く第1の辺117、第2の辺118のそれぞれに対して、他端から枠の外側に延びる支持部を有する。ここで114は支持部である。2本の支持部114は、第1の辺117、第2の辺118のそれぞれの端部と、ねじを介して連結している。102は、支持部と各辺を連結しているねじである。このねじ102によって、支持部114は第1、第2の辺に対する角度を可変に保つことができる。すなわち、枠体110の第1の辺117、第2の辺118と支持部114がねじ102を介して連結されていることにより、様々な形状を有する小便器の形状に合わせて、枠体110の矩形部分111と支持部114を所定の傾斜角度に保持して設置することが可能になる。これにより、小便器の尿受け部の形状や位置の違いに関わらず枠体の傾きを適切な角度に定められ、尿受けするという効果が向上する。
【0043】
さらに枠体110は、枠体の辺上に、枠体110に着脱可能に被せるカバー130を設置するための取付け部を有する。該取付け部は、板状のカバー130を挟み込む構造を有する。
図5に示すように、103は、第1の辺117、第2の辺118上に設けられた取付け部である。該取付け部103は、枠体の対向する第1の辺117、第2の辺118上のそれぞれ2か所の対向する位置に、枠の外側に向けて配置される。板状のカバー130は、この4か所の取付け部103に差し込まれ、支持部に挟み込まれることで枠体に固定される。板状のカバーは薄いプラスチック製であり撓むため、枠の形状に合わせて曲がる。
図5においてカバー130は、板状であるが、使い捨てできる袋状シートであってもよい。いずれの場合もカバー130の着脱は容易であり、洗浄や交換が容易にできるため衛生的に使用できる。
【0044】
取付け部103は、
図5の正面図(c)、上面図(b)及び
図6の側面図に示すように、板を挟み込む構造を有する。板状カバーは、4か所の該取付け部に挟み込まれて固定され、枠体上に設置される。また取付け部は、
図5及び
図6に示すように、第1の辺117、第2の辺118上に、枠体を形成するビニール等で被膜された金属の一部を、枠の外側に向けて曲げて作られる。
【0045】
また、
図5(b)の説明用上面図に示すように、取付け部103は、板状のカバーを挟み込む構造になっている。正面図(c)に示すように、該取付け部は、枠体の辺117及び118上に4個設けられ、挟み込まれた板を固定する。
【0046】
図6の側面図、
図5の上面図(b)に示すように、取付け部103は、枠の外側に向けて、枠体を形成する金属の一部を曲げて形成され、板状のカバーを挟み込む構造としている。
図5正面図(c)に示すように、1個の取付け部は、互いに対向し略15ミリメートル離れて設置された2つの部分から成る。該取付け部は、辺117、辺118のそれぞれ2か所に、適当な間隔を空けて対向して配置される。ただし
図5に示す取付け部の形状は例示であって、これに限るものではない。例えば、1個の取付け部は対向する2つの部分から成るのではなく、1つの部分のみでもかまわない。また、取付け部103は、枠体を構成する金属の一部を曲げて作られるほかに、スポット溶接等を用いて、辺117、辺118上の適当な位置に、後付で設けられても良い。また枠体は、ビニール等で被膜された金属ではなくプラスティックから形成される場合には、取付け部103は枠体と一体化して成形されても良い。
【0047】
これにより、公衆の小便器に設置して、小便の出し終わりの垂れを防ぐことができる。また、プラスティックまたは被膜された金属などの安価な素材で、種々の形状の公衆便器に、安易に取り付けられる便器尿垂れ補助装置を製造することができる。そのため、公衆便所の衛生環境の向上に貢献する便器尿垂れ補助装置を提供できる。
【0048】
さらに、便器尿垂れ補助装置は、前記カバーの表面に所定の模様が形成されていることを特徴とするものであっても良い。所定の模様とは、デザイン、絵柄、川柳などである。ここでカバーの表面とは、便器尿垂れ補助装置を使用する際に、小便が流れる側の面を指す。
【0049】
この場合使用者は、小便器を使用中に、該デザイン、絵柄、川柳などを書かれた箇所に集中するという効果を生じて、更に尿垂れを防止するという効果が向上する。
【0050】
以下、本発明のその他の実施形態に係る便器尿垂れ補助装置を、図面を用いて説明する。
【0051】
図7は、便器尿垂れ補助装置100を構成する枠体110の別例である。(a)は枠体の正面図であり、(b)はA−A線断面図である。この別例の枠体において、枠体の矩形部分の第4の辺および枠体の支持部について、それらの形状が実施の形態1と異る。ただし、
図7では実施の形態1と同様の部分については省略してあり、
図5と異なる点を主に図示している。
【0052】
枠体は、第3の辺115の中間付近に、
図7の正面図(a)の紙面手前方向に折れ曲がる屈曲部113を有し、屈曲部113は、
図7の断面図(b)に示されるように、略20度の傾斜を有する。
図7正面図(a)に示すように、枠体110が、互いに対向する第1の辺117及び第2の辺118と、前記第1の辺117及び第2の辺118の一端において、前記第1の辺117及び第2の辺118を連結する第3の辺115を備えることについては、実施の形態1と同様である。しかし実施の形態1と異なり、
図7(a)に示すように、第3の辺115に対向する第4の辺は無い。そして第3の辺115の略中央部にねじがあって、第3の辺115が種々の形状を有する小便器に合わせて、曲がることについては実施の形態1と同様であるが、第4の辺の略中央部に備えられるねじはない。ただし、
図7では第3の辺115の中央部のねじは省略されている。
【0053】
また、枠体110は、第3の辺115に続く第1の辺117、第2の辺118のそれぞれに対して、他端から枠の外側に延びる支持部114を有し、該支持部114は第1の辺117、第2の辺118の端部でねじにより連結され、種々の形状を有する小便器に合わせて、傾斜角度を調整できることについては、実施の形態1と同様である。ただし、該支持部と辺117,118を繋ぐねじは、
図7では省略されている。しかし、支持部の形状については、実施の形態1と異なっている。
図7に示すように、支持部114はそれぞれ、第3の辺115に対向する向きに、第1の辺117,第2の辺118に対して90度曲がり、更に両端は枠の外側に向けて、略90度折れ曲がって並列に延在している。
【0054】
このように、本便器尿垂れ補助装置は、第4の辺がなく、枠体の支持部の形状が実施の形態1とは異なるが、種々の形状を有する小便器に合わせて、第3の辺115が曲げられること、そして枠体が最適な傾斜角度を保って便器に設置できることは、実施の形態1と同様であり、よって
図7に示す便器尿垂れ補助装置も種々の形状を有する小便器に設置できて、効果的に尿垂れを防止することができる。
【0055】
図8は、便器尿垂れ補助装置100を構成する枠体110の別例の概略図である。(a)は本発明に係る便器尿垂れ補助装置の枠体の上面図である。(b)は便器尿垂れ補助装置の枠体の正面図である。
【0056】
枠体の形状は実施の形態1では、略矩形ではあったが、この別例においては略三角形である。主に、枠体の形状が異なること以外は実施の形態1と同様であるため、
図8においては、実施の形態1と同様の部分は省略してあり、
図5と異なる点を主に図示している。
【0057】
枠体110が、互いに対向する第1の辺117及び第2の辺118と、前記第1及び第2の辺の一端において前記第1及び第2の辺を連結する第3の辺115を備えることについては、実施の形態1と同様である。しかし、実施の形態1と異なり枠体の形状は略三角形であって、第3の辺115に対向する第4の辺が無い。また、第4の辺の略中央部に備えられていたねじもない。しかし、実施の形態1と同様に、第3の辺115の略中央部にはねじ101があって、第3の辺115が、種々の形状を有する小便器に合わせて曲がる点については実施の形態1と同様である。よってこの別例の便器尿垂れ補助装置の場合も、種々の形状を有する小便器の形状に合わせて、枠体の辺を曲げることができる。そして最適な形状の枠体を便器に設置でき、効果的に尿垂れを防止することができる。
【0058】
また、枠体110は、第3の辺115に続く第1の辺117、第2の辺118のそれぞれに対して、他端から枠の外側に延びる支持部114を有すること、また、該支持部114は第1の辺117、第2の辺118の端部でねじ102により連結され、種々の形状を有する小便器に合わせて、傾斜角度を調整できることについても実施の形態1と同様である。
【0059】
しかし枠体の形状は、実施の形態1と異なり、
図8に示すように、第1の辺117と第2の辺118及びそれぞれの端部から延びる支持部は、二等辺三角形の2辺となり、二等辺三角形の頂点の一つとして交点を形成する。枠体は、その形状が三角形で、装置を便器に設置した際に、便器の下部に向かって狭くなっている形状であるため、小便器の尿受け部が細長いV字形状を有するタイプの便器にも容易に設置することができる。
【0060】
また、この三角形形状の枠体に被せるカバー130は、例えば、使い捨てできる袋状シートを使用する。
【0061】
種々の形状を有する小便器に合わせて、第3の辺が曲げられること、そして枠体が最適な傾斜角度を保って便器に設置できることは、実施の形態1と同様であり、よってこの便器尿垂れ補助装置も種々の形状を有する小便器に設置できて、効果的に尿垂れを防止することができる。
【0062】
実施の形態1では、可撓性を有する薄いプラスチック製の板状のカバーを使用したが、カバーは袋状シートであっても良い。該袋状シートについて、
図9を使って説明する。
【0063】
図9は、枠体110に被せるカバー130Aの正面図(a)と、B−B線断面図(b)である。
図9正面図(a)において、131は第1の面であり、132は第2の面である。133は重りである。
【0064】
カバー130Aは、枠体110に着脱可能に被せて使用する。カバー130Aは使い捨てて使用でき、衛生的であり、かつ安価である。
図9に示すようにカバー130Aの形状は、矩形の袋状であり、袋状に綴じられて対向する第1及び第2の面131と132のうちの第1の面131が第2の面132よりも長い。
【0065】
後述するように、便器尿垂れ補助装置を便器に取り付けた場合、カバーの便器側に長い第1の面131を向け、使用者側に短い第2の面132を向けて使用する。カバー130Aは、上述のように枠体100に被せて使用するので、着脱が容易である。
【0066】
またカバー130Aには、便器側の面(第1面)131の先端付近に、重り133が取り付けられている。重り133は、例えば砂鉄などの軽い重りでよい。カバー130Aに重り133をつけておくことで、便器尿垂れ補助装置の使用中にカバーがめくれ上がることを抑制する。
【0067】
おもり133の付いている第1の面131を便器側に向け、他方の第2の面132を使用者側に向けて、枠体110にカバー130Aを被せる。
図9に示す第1の面131の先端に付けられたおもり133によって、排尿中にカバー130Aがめくれ上がることを抑制できる。また、第2の面132が第1の面131よりも短いことにより、カバー130Aの着脱を容易にでき、使用済みのカバー130Aを取り換えることで衛生的に使用できる。また、
図9に示すカバーは枠体が矩形の場合であるが、これに限るものではなく、
図8に示すような枠体が略三角形の場合には、枠体に被せる袋状シートは三角形であっても良い。
【0068】
実施の形態1では、固定具に吸盤を使用し、吸盤の吸着力によって枠体を固定したが、固定具はサイコロ状の固定具であっても良い。サイコロ状の固定具について、
図10を使って説明する。
【0069】
図10は、本発明に係る便器尿垂れ補助装置100を構成する固定具120Aの正面図(a)と、側面図(b)、(c)である。正面図(a)において、122は凹み部分であり、121はサイコロ状部である。123は固定部であり、固定部は接着面からなる。124Aはサイコロ状部121に設けられた割れ目である。
【0070】
固定具120Aは、枠体110を便器に固定するための部材である。固定具120Aは、弾力性を有するプラスチック素材によって形成される。固定具120Aは、
図6に示すように接着面123を有し、様々な形状の便器の内側に接着面123を接着して、設置する。
【0071】
固定具120Aは、略直方体の長辺方向の接着面123を除く他の3面の中央部に凹みを有する形状であり、凹みを挟む固定具の両端は、略2cmのサイコロ状である。また、2つのサイコロ部121の水平面側の面には中央部に貫通する割れ目124Aを有する。割れ目124Aは、サイコロ部分121において、枠体110の支持部114を差し込んで保持するために設けられている。
【0072】
便器との接着面123は、側面図(c)に示すように、長方形である。固定具120Aは、本体中央部に凹みを有するために、柔軟に変形でき、様々な便器の形状に対応して固定できる。
【0073】
次に、本発明の便器尿垂れ補助装置100の取り付け方法について、
図2、
図4、
図6を用いて説明する。
【0074】
枠体110の第3の辺115のねじ101を、設置する便器の形状に合わせて調整し、辺のV字形状を適切な角度になるように設定する。次に
図4に示すように、枠体110の支持部114を吸盤120の中央凸部の穴124に、差し込んで貫通させ、便器の形状に合わせて長さを調整する。
【0075】
次に、固定具120の吸盤を、
図2及び
図4に示すように、便器の使用者側に凸型に突出している部分200の上部の内壁に吸着によりつけて、枠体を便器に設置する。次に、支持部と第1の辺117、第2の辺118をそれぞれ連結するねじ102を調整して、設置する便器の形状に合うように、適切な枠体の傾斜角度を設定する。最後に板状のカバー130を枠体の取付け部に差し込んで、挟み込ませる。そして
図2に示すように、本発明の便器尿垂れ補助装置100は、便器の使用者側に凸型に突出している部分200に固定される。ただし上述した便器尿垂れ補助装置100を取り付ける順序は例示であって、これに限るものではない。
【0076】
また、便器尿垂れ補助装置を便器に固定する方法としては、固定具120として上述の吸盤を利用する以外に、万力を利用して便器に取り付ける方法もある。さらには、バネを内在するハサミを用いてバネの弾性力によって便器尿垂れ補助装置を便器に固定する方法もある。いずれの場合においても固定具は容易に取り外しができるとともに強固に固定することが可能である。