特許第6436013号(P6436013)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 豊田合成株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6436013-丸型空調用レジスタ 図000002
  • 特許6436013-丸型空調用レジスタ 図000003
  • 特許6436013-丸型空調用レジスタ 図000004
  • 特許6436013-丸型空調用レジスタ 図000005
  • 特許6436013-丸型空調用レジスタ 図000006
  • 特許6436013-丸型空調用レジスタ 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6436013
(24)【登録日】2018年11月22日
(45)【発行日】2018年12月12日
(54)【発明の名称】丸型空調用レジスタ
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/34 20060101AFI20181203BHJP
   F24F 13/12 20060101ALI20181203BHJP
【FI】
   B60H1/34 611B
   F24F13/12
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-154028(P2015-154028)
(22)【出願日】2015年8月4日
(65)【公開番号】特開2017-30618(P2017-30618A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2017年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096116
【弁理士】
【氏名又は名称】松原 等
(72)【発明者】
【氏名】寺澤 謙吾
(72)【発明者】
【氏名】寺井 伸弘
【審査官】 田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−214997(JP,A)
【文献】 特開2014−088115(JP,A)
【文献】 実開平02−060009(JP,U)
【文献】 実開平06−055820(JP,U)
【文献】 米国特許第05967891(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/34
F24F 13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状のリテーナと、リテーナの内部で任意の方向に回転可能に支持された円環状の吹出口リングと、吹出口リングの内部で傾動可能に支持された開閉用のフィン体と、指で回転操作する操作体と、操作体の回転をフィン体の傾動に変換する機構とを含む丸型空調用レジスタにおいて、
フィン体は、周方向の中間で互いに離れた主フィンと副フィンとを備え、これら主フィン及び副フィンの表裏面がそれぞれ空調用空気の流れを案内するものであり、
操作体は、吹出口リングの中心軸線上に位置する枝連結部と、枝連結部から前記中心軸線回りに等角度間隔をおいて放射状に延びた3本の枝部とにより構成され、枝連結部における枝部相互間の各股面部の前端が正面視で半径10〜30mmのアールをなし、各股面部の前端がリテーナの前端よりも前方へ8〜15mm突出していることを特徴とする丸型空調用レジスタ。
【請求項2】
各股面部の前後長さが8〜20mmであり、各股面部に後ろ広がりのテーパ−が付けられた請求項1記載の丸型空調用レジスタ。
【請求項3】
各股面部の後端が、正面視で各股面部の前端のアール半径の1.3〜3倍のアールをなす請求項2記載の丸型空調用レジスタ。
【請求項4】
操作体は、吹出口リング及びフィン体と共に吹出口リングの中心軸線回りに回転する請求項1、2又は3記載の丸型空調用レジスタ。
【請求項5】
フィン体は、吹出口リングの内部を中心軸線回りに等分割した3つの扇形の領域に1つずつ収まるよう、3つ設けられた請求項4記載の丸型空調用レジスタ。
【請求項6】
各枝部は、各フィン体の中央部の真ん前に位置する請求項5記載の丸型空調用レジスタ。
【請求項7】
各枝部は、フィン体の各相互間の真ん前に位置する請求項5記載の丸型空調用レジスタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗物(自動車、電車、飛行機、船等)や建物等に設けられる空調装置の空気吹出口である丸型空調用レジスタに関するものである。なお、丸型空調用レジスタにおける空調用空気の流れ方向の上流側を「後」、下流側を「前」という。
【背景技術】
【0002】
丸型空調用レジスタには、円筒状のリテーナと、リテーナの内部で傾動可能に支持された開閉用のフィンと、指で回転操作する操作体と、操作体の回転をフィンの傾動に変換する機構とを含んで構成されたものがある(特許文献1)。
【0003】
その操作体の多くは、レジスタの中心部からリテーナの前端よりも前方へ突出するように設けられた丸形ノブである(特許文献1)。この丸形ノブは、二本指でつまみながら回転操作するので、つまみにくく、回転操作しにくい。さらに、つまむ力の向き(半径方向)と回転操作方向とが違うため、回転操作時に指の負荷が大きい。また、この指の負荷を小さくするために円柱状ノブを大きくすると、圧力損失・騒音悪化の要因となる。
【0004】
先に、本出願人は、操作体を、空気通路の軸線方向に延びる薄板により略三角枠状に構成し、内部に空気の流通が可能な空間を設けたものを提案した(特許文献2)。この略三角枠状の操作体は、三本指でつまむので、丸形ノブよりもつまみやすく、回転操作しやすい。また、回転操作時につまむ力はあまり要らず、主に回転操作方向に力をかければよいので、丸形ノブよりも指の負荷が小さい。しかしながら、この略三角枠状の操作体は、三角枠の各面がやや凹んでいるものの平面に近いために、指とのフィット感が不十分であり、また、リテーナの前端までにほぼ収まっているために、指をフィットさせにくかった。そのため、この略三角枠状の操作体のつまみやすさと回転操作しやすさには、改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平6−53220号公報
【特許文献2】特開2014−184947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、丸型空調用レジスタの操作体を、つまむ時にはつまみやすくし、安定性とフィット感を高め、回転操作時には小さい負荷で回転操作しやすくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、円筒状のリテーナと、リテーナの内部で任意の方向に回転可能に支持された円環状の吹出口リングと、吹出口リングの内部で傾動可能に支持された開閉用のフィン体と、指で回転操作する操作体と、操作体の回転をフィン体の傾動に変換する機構とを含む丸型空調用レジスタにおいて、
フィン体は、周方向の中間で互いに離れた主フィンと副フィンとを備え、これら主フィン及び副フィンの表裏面がそれぞれ空調用空気の流れを案内するものであり、
操作体は、吹出口リングの中心軸線上に位置する枝連結部と、枝連結部から前記中心軸線回りに等角度間隔をおいて放射状に延びた3本の枝部とにより構成され、枝連結部における枝部相互間の各股面部の前端が正面視で半径10〜30mmのアールをなし、各股面部の前端がリテーナの前端よりも前方へ8〜15mm突出していることを特徴とする。
【0008】
本発明の作用について説明する。
・操作体は、枝連結部と3本の枝部で構成されているので、図5(a)に示すように、水道蛇口のように、三本指でつまみやすく(矢印は力の方向)、つまんだ際の安定性が高く、回転操作しやすい。また、図5(b)に示すように、回転操作時につまむ力はあまり要らず、主に回転操作方向に力をかければよいので、丸形ノブよりも指の負荷が小さい。
・また、操作体は、枝部相互間の各股面部が前端で半径10〜30mm(より好ましくは15〜25mm)のアールをなしていることにより、指とのフィット感が向上するため、さらにつまみやすい。このアール範囲は、図6(a)に示すように、10人について調べた人差指の腹部のアールの範囲16〜24mmを含んでそれよりやや広い範囲であり、もってフィット感に優れている。このアールが10mm未満では、指が股面部に食い込むような感じとなる。このアールが30mmを超えると、指が股面部を滑り動いて落ち着かない感じとなる。
・また、操作体は、各股面部の前端がリテーナの前端よりも前方へ8〜15mm(より好ましくは11〜15mm)突出していることにより、指の腹がかかりやすいため、さらにつまみやすい。この突出量(出代量)の範囲は、図6(b)に示すように、10人について調べた人差指の先から腹部までの距離の範囲11〜12.5mmを含んでそれより広い範囲であり、もって指の腹がかかりやすい。また、この程度の突出であれば、操作体に不意に人や物が当たることも少ない。この突出量が8mm未満では、指の腹がかかりにくい。この突出量が15mmを超えると、指の腹のかかりやすさは変わらないのに、操作体に不意に人や物が当たることが増える。
【0009】
ここで、各股面部の前後長さが8〜20mmであり、各股面部に後ろ広がりのテーパ−が付けられていることが好ましい。操作体は、このテーパーにより三本指とのフィット感が向上するため、さらにつまみやすいからである。
【0010】
さらに、上記テーパーを付ける場合、各股面部の後端が、正面視で各股面部の前端のアール半径の1.3〜3倍のアールをなすことが好ましい。三本指とのフィット感と連結部の小型化(通風抵抗が小さく、圧力損失・騒音が低減される)を両立させるためである。この倍率が1.3倍未満では、テーパーの程度が小さく、三本指とのフィット感がさほど向上しない。この倍率が3倍を超えると、テーパーの程度が大きく、連結部が大型化(通風抵抗が増加し、圧力損失・騒音が増加)する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の丸型空調用レジスタによれば、操作体を、つまむ時にはつまみやすく、安定性とフィット感に優れ、回転操作時には小さい負荷で回転操作しやすいという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例の丸型空調用レジスタの、(a)は斜視図、(b)は正面図である。
図2】同丸型空調用レジスタの(a)は左側面図、(b)は図1のIIb−IIb断面図である。
図3】同丸型空調用レジスタの分解斜視図である。
図4】同丸型空調用レジスタの(a)シャットモード時、(b)拡散送風モード時、(c)全開モード時、(d)スポット送風モード時における正面図である。
図5】同丸型空調用レジスタの操作体を指で(a)つまむ時、(b)回転操作する時の力の掛かり型を説明する図である。
図6】同操作体の股面部の前端の(a)アールとフィット感の関係、(b)出代量とフィット感の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
後述する実施例における符号を付して説明する。
丸型空調用レジスタ1は、前記円筒状のリテーナ2と、リテーナ2の中心部に位置するボールジョイント9,16によりリテーナ2の内部で任意の方向に回転可能に支持された円環状の吹出口リング3と、吹出口リング3の内部で傾動可能に支持された開閉用のフィン体4と、指で回転操作する操作体30と、操作体30の回転をフィン体4の傾動に変換する機構とを含む。において、操作体30は、吹出口リング3の中心軸線上に位置する枝連結部31と、枝連結部31から吹出口リング3の中心軸線回りに等角度間隔をおいて放射状に延びた3本の枝部32とにより構成され、枝連結部31における枝部32相互間の各股面部33の前端33Aが正面視で半径10〜30mmのアールをなし、各股面部33の前端33Aがリテーナ2の前端よりも前方へ8〜15mm突出している。各股面部33の前後長さが8〜20mmであり、各股面部33に後ろ広がりのテーパ−が付けられ、各股面部33の後端33Bが正面視で各股面部33の前端33Aのアール半径の1.3〜3倍のアールをなすことが好ましい。
【0014】
操作体30は、吹出口リング3及びフィン体4と共に吹出口リング3の中心軸線回りに回転する態様と、吹出口リング3及びフィン体4とは無関係に吹出口リング3の中心軸線回りに回転する態様とを例示できる。
【0015】
前者の態様は、操作体30と吹出口リング3とが、嵌着、接着、一体形成等により、固定されることにより実現できる。
【0016】
前者の態様においては、フィン体4は、吹出口リング3の内部を中心軸線回りに等分割した3つの扇形の領域に1つずつ収まるよう、3つ設けられた態様を例示できる。さらに、この態様においては、次の二つの態様を例示できる。
(1)各枝部32は、各フィン体4の中央部の真ん前に位置する態様。この態様によれば、異物がレジスタにその手前から挿入されて各フィン体4に当たることを、各枝部32が阻止する。
(2)各枝部32は、フィン体4の各相互間の真ん前に位置する態様。この態様によれば、通気抵抗が低減される。
【実施例1】
【0017】
図1図6に示す実施例の丸型空調用レジスタ1は、被取付部D(例えば車両のインストルメントパネル)に取り付けられる円筒状のリテーナ2と、リテーナ2の内部でボールジョイントにより任意の方向に回転可能に支持された円環状の吹出口リング3と、吹出口リング3の内部で傾動可能に支持された3つのフィン体4とを備える。
【0018】
[リテーナ2]
リテーナ2は、リテーナ後部6とリテーナ前部5とにより構成されている。リテーナ後部6は内球面形状の内面を有し、その内面にはリテーナ2の中心軸線方向に延びる係合溝7が形成されている。また、リテーナ後部6には支持柱8がリテーナ2の中心軸線上に前方へ突出され、支持柱8の先端にはボールスタッド9が設けられている。リテーナ前部5はリング形状に形成され、リテーナ前部5の外周においてリテーナ2は被取付部Dに固定される。
【0019】
[吹出口リング3]
吹出口リング3は、リング基部10とリング前部11とベゼル部12とにより構成されている。リング前部11及びベゼル部12は、リング基部10に対して、吹出口リング3の中心軸線回りに相対回動可能に連結されている。吹出口リング3は、全体として外球面形状の外面を有し、その外面がリテーナ後部6の内球面形状の内面に摺接した状態で、リテーナ2の内部に配置されている。
【0020】
リング基部10の外面には、前記係合溝7に係合される突起18が設けられている。また、リング基部10の内球面状の内面には、周方向に等間隔をおいて3対のガイド溝対19が形成されている。各ガイド溝対19は、平行をなしてリング基部10の内面を螺旋状に延びる2本の溝からなっている。
【0021】
リング前部11は、円環状の輪部13と、輪部13の中心部に位置する連結部14と、連結部14から輪部13に向かって放射状に延びて輪部13に接続された等角度間隔をおく3本のスポーク15とを有している。連結部14には前記ボールスタッド9と係合するソケット16が形成されており、両者でボールジョイントを構成している。スポーク15における輪部13と付近の両側には、軸突起17が突出されている。
【0022】
ベゼル部12は、同心の円環状の外輪部24及び内輪部25を有し、さらに操作体30が一体的に設けられている。
操作体30は、吹出口リング3の中心軸線上に位置する枝連結部31と、枝連結部31から前記中心軸線回りに等角度間隔をおいて放射状に延びた3本の枝部32とにより構成されている。3本の枝部32は、外輪部24及び内輪部25に接続されている。ベゼル部12はリング前部11に嵌着又は接着により固定されており、3本の枝部32は3本のスポーク15に対し吹出口リング3の中心軸線回りに60度ずれている。すなわち、スポーク15の各相互間中央部の手前に枝部32が配置されている。
【0023】
枝連結部31における枝部相互間の各股面部33の前後長さは15mmであり、各股面部33の前端33Aはリテーナ2の前端よりも前方へ13mm突出(出代量)している。各股面部33の前端33Aには正面視で半径20mmのアールが付けられている。各股面部33には後ろ広がりのテーパ−が付けられ、各股面部33の後端33Bには正面視で半径40mm(前端のアール半径の2倍)のアール半径が付けられている。
【0024】
上記のように構成された吹出口リング3は、操作体30を指でつまんで、リテーナ2の内部でボールスタッド9を中心として吹出口リング3の中心軸線の向きが変わる方向に回転(揺動)可能であり、この揺動により空調用空気の吹出し方向が変更されるようになっている。
また、ボールスタッド9を中心とした吹出口リング3の中心軸線回りの回転については、操作体30を指で回転操作すると、ベゼル部12とリング前部11とが共に回動し、リング基部10の回動は係合溝7への突起18の係合によって規制される。
【0025】
[フィン体4]
3つのフィン体4は、吹出口リング3の内部を中心軸線回りに等分割した3つの扇形の領域に1つずつ収まるよう設けられている。すなわち、フィン体4は、隣接したスポーク15間の扇形の空間に対応して配され、隣接したスポーク15の2つの軸突起17がフィン体4に形成された2つの係合穴20に挿入することにより、リング前部11に回動可能に軸支されている。各フィン体4の回動軸は、前記各領域の扇形の弦に平行である。
【0026】
よって、吹出口リング3の中心軸線回りに見た、各フィン体4の中央部の真ん前に、ベゼル部12の各枝部32が位置する。
【0027】
各フィン体4には、前記ガイド溝対19に係合される2つの球状の突起部からなる突起対21が設けられている。そして、リング前部11とリング基部10との相対回動に応じて、これらの突起対21が螺旋状のガイド溝対19に沿って吹出口リング3の中心軸線方向(前後方向)に案内されることで、フィン体4が傾動(回動)されるようになっている。すなわち、ガイド溝対19と突起対21が、操作体30の回転をフィン体4の傾動に変換する機構である。
【0028】
なお、3つのフィン体4はそれぞれ、2つの係合穴20付近で連結されて2つの係合穴20の中間で互いに離れる主フィン22と副フィン23とを備えている。これら主フィン22及び副フィン23の表裏面がそれぞれ空調用空気の流れを案内する。
【0029】
以上のように構成された丸型空調用レジスタ1の作用・効果を説明する。
操作体30を三本指でつまんで、吹出口リング3の中心軸線回りに回転させる。すると、ベゼル部12、リング前部11及びフィン体4が共に回転し、前記のとおりフィン体4の突起対21の螺旋状のガイド溝対19に沿って前後方向に案内される。これにより、次のように、フィン体4の吹出口リング3の中心軸線に対する傾斜角が変わって、送風モードが変更される。
図4(a)に示すように、フィン体4の傾斜角が最大となって、吹出口リング3の内部を閉鎖する、シャットモード
図4(b)に示すように、フィン体4の傾斜角が吹出口リング3の中心軸線に対して前広がりとなる、拡散送風モード
図4(c)に示すように、フィン体4の傾斜角が吹出口リング3の中心軸線と平行になる、全開モード
図4(d)に示すように、フィン体4の傾斜角が吹出口リング3の中心軸線に対して前すぼみとなる、スポット送風モード。
【0030】
このとき、操作体30は、次の効果を発揮する。
・操作体30は、枝連結部31と3本の枝部32で構成されているので、図5(a)に示すように、水道蛇口のように、三本指でつまみやすく(矢印は力の方向)、つまんだ際の安定性が高く、回転操作しやすい。また、図5(b)に示すように、回転操作時につまむ力はあまり要らず、主に回転操作方向に力をかければよいので、丸形ノブよりも指の負荷が小さい。
・また、操作体30は、枝部32相互間の各股面部33が前端33Aで半径20mmのアールをなしていることにより、指とのフィット感が向上するため、さらにつまみやすい(前出した図6(a)参照)。
・また、操作体30は、各股面部33の前端33Aがリテーナの前端よりも前方へ13mm突出(出代量)していることにより、指の腹がかかりやすいため、さらにつまみやすい(前出した図6(b)参照)。また、この程度の突出であれば、操作体30に不意に人や物が当たることも少ない。
・さらに、操作体30は、各股面部33の前後長さが15mmであり、各股面部33に後ろ広がりのテーパ−が付けられ、各股面部33の後端33Bが正面視で各股面部33の前端33Aのアール半径の2倍のアールをなしていることにより、三本指とのフィット感が向上し、つまみやすさと操作体30の小型化(通風抵抗が小さく、圧力損失・騒音が低減される)を両立させることができる。
【0031】
また、前述のとおり、操作体30を指でつまんで、リテーナ2の内部でボールスタッド9を中心として吹出口リング3の中心軸線の向きが変わる方向に回転(揺動)させると、この揺動により空調用空気の吹出し方向が変更される。この際にも、操作体30による上記効果が発揮される。
【0032】
また、前述のとおり、各フィン体4の中央部の真ん前に、ベゼル部12の各枝部32が位置するので、異物がレジスタにその手前から挿入されて各フィン体4に当たることを、各枝部32が阻止する。
【0033】
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、例えば[発明を実施するための形態]において例示したように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 丸型空調用レジスタ
2 リテーナ
3 吹出口リング
4 フィン体
5 リテーナ前部
6 リテーナ後部
7 係合溝
8 支持柱
9 ボールスタッド
10 リング基部
11 リング前部
12 ベゼル部
13 輪部
14 連結部
15 スポーク
16 ソケット
17 軸突起
18 突起
19 ガイド溝対
20 係合穴
21 突起対
22 主フィン
23 副フィン
24 外輪部
25 内輪部
30 操作体
31 枝連結部
32 枝部
33 股面部
33A 前端
33B 後端
D 被取付部
図1
図2
図3
図4
図5
図6