【文献】
高瀬徹朗,「Inter BEE2010レポート 放送とモバイル端末の観点から」,放送技術,日本,兼六館出版株式会社,2011年 1月 1日,2011年1月号(Vol.64, No.1),第93〜96頁,ISSN:0287-8658
【文献】
石谷浩太郎(外3名),「ワンセグと携帯連携によるエコツーリズム支援システムの開発と評価」,電子情報通信学会技術研究報告,日本,社団法人電子情報通信学会,2012年 2月16日,Vol.111, No.444,第71〜76頁,ISSN:0913-5685
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施の形態
1.1.システム構成
1.2.情報処理装置の構成
1.3.処理
1.4.まとめ
2.第2の実施の形態
2.1.システム構成
2.2.情報処理装置の構成
2.3.処理
2.4.変形例1
2.5.変形例2
2.6.まとめ
3.第3の実施の形態
3.1.システム構成
3.2.情報処理装置の構成
3.3.処理
3.4.まとめ
4.ハードウェア構成
【0014】
<1.第1の実施形態>
[1.1.システム構成]
まず、
図1を参照して、本開示の第1の実施形態に係る情報処理システムの概略的な構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の概略的なシステム構成を示した図である。
【0015】
図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム1は、情報処理装置10と、管理サーバ70と、放送局30と、放送チャンネル起動デバイス32と、認証デバイス42とを含む。
【0016】
放送局30は、図示しない映像配信サーバから、音声データ及び画像(静止画または動画)データを含む映像データを取得し、取得した映像データを放送として、あらかじめ決められた領域n1内に位置する情報処理装置10に配信する。放送局30は、例えば、モバイル向けの地上デジタル放送(ワンセグ放送:1セグメント放送)やセルラー無線通信網を介して、領域n1内に位置する情報処理装置10に配信してもよい。また、放送局30は、複数の異なる放送を、互いに異なる複数の周波数帯域(物理チャンネル:以降では、単に「チャンネル」と呼ぶ)に分けて配信してもよい。なお、上記では、映像データを放送として配信する例について説明したが、映像データに限らず、例えば、放送局30は、音声データを放送として配信してもよい。なお、以降では、「放送」と記載した場合には、放送局30から配信されるコンテンツ自体を示すものとする。
【0017】
また、放送局30は、配信する各放送のうち、少なくとも一部の放送に対して、当該放送とは異なるコンテンツをデータ放送として関連付けて、当該放送及び当該コンテンツを配信する。放送局30は、例えば、BML(Broadcast Markup Language)のようなデータ放送用のページ記述言語を用いることで、当該コンテンツを配信される放送に関連付けてもよい。
【0018】
本実施形態に係る情報処理システム1は、所定のスポット(例えば、店舗)40で特典を受けるためのコンテンツを放送局30から配信されるデータ放送を利用して配信することで、ユーザを当該スポットに誘導するとともに、当該スポットへのユーザの誘導を捕捉する仕組みを提供する。
【0019】
なお、本実施形態において「特典」とは、主に商取引上の販促手法として消費者等に与えられるインセンティブの総称である。具体的には、ポイントサービス、クーポン等を含む。一般に、「ポイントサービス」とは、使用金額や利用状況等に応じてポイントが加算され、一定のポイント数と引き換えに、景品や割引などの便益を受けられるサービスを含む。ポイントサービスの一例としては、マイレージが挙げられる。「マイレージ」とは、ポイントサービスの一種であり、所定サービス(航空機等)の利用度に応じて各種の便益を受けられるサービスである。また「クーポン」とは、印刷物又は画面上に表示されたクーポン券と引き換えに、景品や割引などの便益を受けられるサービスを含む。
【0020】
以下に本実施形態に係る情報処理システム1の詳細について説明する。なお、以降では、スポット(店舗)40の広告主からの依頼に基づき、スポット40に関する広告用の放送に対し、スポット40で特典を受けるためのコンテンツ(以降では、「権利情報」と呼ぶ場合がある)がデータ放送として関連付けられるものとして説明する。なお、権利情報が関連付けられる広告用の放送は、放送局30により、チャンネルc10を介して領域n1内に配信されるものとする。
【0021】
なお、本実施形態において「権利情報」とは、特典を受けるための権利を示した情報であり、例えば、後述する放送チャンネル起動デバイス32のように特定の場所における特定の情報の取得や、特定の放送の視聴のように、特定の処理が実行されることで提供される。権利情報は、例えば、後述する認証デバイス42のように特定の場所で特典を得るために行われる認証の入力情報として用いられる。そのため、権利情報には、例えば、認証を行うためのID等が含まれていてもよい。また、権利情報は、単体ではユーザが特典を得るための機能を果たさず、具体的な一例として、権利情報自体は、クーポンとして役割を果たさない。なお、権利情報は、当該権利情報と引き換えに得られる特典に関する情報を含んでもよい。なお、特典に関する情報としては、例えば、特典が得られるスポットの情報や、得られる特典の内容を示す情報等が挙げられる。
【0022】
管理サーバ70は、特典を受けるための権利情報を放送局30に送信し、放送局30に対して、チャンネルc10を介して配信される放送(例えば、スポット40に関する広告用の放送)に、当該権利情報をデータ放送として関連付けるように指示する。
【0023】
なお、管理サーバ70は、広告主からの依頼に基づき権利情報を自身で生成してもよいし、あらかじめ生成された権利情報を外部から取得してもよい。
【0024】
管理サーバ70から指示を受けると、放送局30は、取得した権利情報をデータ放送として、管理サーバ70から指定された放送に関連付けて、当該放送及びデータ放送を領域n1内に配信する。このとき、放送局30は、あらかじめ生成された暗号化のための鍵情報に基づき権利情報を暗号化し、暗号化された権利情報をデータ放送として、管理サーバ70から指定された放送に関連付けてもよい。なお、以降では、暗号化された権利情報が、データ放送として、管理サーバ70から指定された放送に関連付けられているものとして説明する。
【0025】
放送チャンネル起動デバイス32は、放送局30から配信される各放送のうち、所定のチャンネル(例えば、チャンネルc10)に対応する放送を受信するためのチャンネル識別情報を、後述する情報処理装置10に通知するための構成である。ここで、チャンネル識別情報は、例えば、放送を受信するためのチャンネルc10を示す情報が含み、具体的な一例として、チャンネルc10に対応する周波数帯の情報を含んでもよい。放送チャンネル起動デバイス32は、領域n1内に設置されている。このとき、放送チャンネル起動デバイス32と情報処理装置10とが情報の送受信を可能な範囲が、領域n1内に包含されるように、放送チャンネル起動デバイス32は、領域n1内に設置されるとよい。なお、放送チャンネル起動デバイス32が、「第1のオブジェクト」の一例に相当する。
【0026】
情報処理装置10は、放送チャンネル起動デバイス32からチャンネル識別情報を取得することで、取得したチャンネル識別情報に対応する放送を受信することが可能となる。これにより、情報処理装置10のユーザは、放送チャンネル起動デバイス32から通知されたチャンネル識別情報に対応する放送を、当該情報処理装置10を介して視聴することが可能となる。
【0027】
放送チャンネル起動デバイス32は、所定の記憶装置に記憶されたチャンネル識別情報を情報処理装置10に通知するための通信デバイスを含んでもよい。例えば、放送チャンネル起動デバイス32は、NFC(Near Field Communication)による通信技術やRFID(Radio Frequency IDentification)技術などの無線通信技術を用いた通信デバイスを含んでもよい。NFCによる通信技術やRFID技術などの無線通信技術を用いた通信デバイスの一例としては、NFCタグ32aやNFCリーダライタ32bが挙げられる。
【0028】
NFCタグ32aは、接続されたアンテナを介して、外部装置(以降では、情報処理装置10とする)からの高周波信号を受信し、受信した高周波信号を復号することで情報処理装置10から情報を取得する。また、NFCタグ32aは、高周波信号を復号することで取得した情報に基づき負荷変調を制御することで、情報処理装置10への応答に係る高周波信号を生成し、生成した高周波信号を、アンテナを介して情報処理装置10に送信する。このような構成により、NFCタグ32aは、情報処理装置10との間の通信を確立し、所定の記憶装置に記憶されたチャンネル識別情報を当該情報処理装置10に出力する。
【0029】
また、NFCリーダライタ32bは、例えば、高周波信号生成部321と、復調部322と、アンテナ323とを備え、NFCなどにおけるリーダ/ライタ(または質問器)としての役目を果たす。
【0030】
高周波信号生成部321は、所定の制御部から伝達される、高周波信号の送信開始を示す高周波信号生成命令を受け、高周波信号生成命令に応じた高周波信号を生成する。また、高周波信号生成部
321は、例えば制御部から伝達される、高周波信号の送信停止を示す高周波信号送信停止命令を受け、高周波信号の生成を停止する。
【0031】
復調部322は、例えば、高周波信号生成部321とアンテナ323との間における電圧の振幅変化を包絡線検波し、検波した信号を2値化することによって、外部装置から送信される信号(より具体的には、例えば、負荷変調により送信される信号)を復調する。そして、復調部322は、復調した応答信号(例えば、高周波信号に応じた処理に基づく応答を示す応答信号)を、情報処理装置10へ伝達する。なお、復調部322における応答信号の復調手段は、上記に限られず、例えば、高周波信号生成部321とアンテナ323との間における電圧の位相変化を用いて応答信号を復調することもできる。
【0032】
このような構成により、NFCリーダライタ32bは、情報処理装置10との間の通信を確立し、所定の記憶装置に記憶されたチャンネル識別情報を当該情報処理装置10に出力する。
【0033】
なお、放送チャンネル起動デバイス32から情報処理装置10にチャンネル識別情報を通知するための構成は、NFCタグ32aやNFCリーダライタ32bのような、NFCによる通信技術やRFID技術などの無線通信技術を利用した通信デバイスに限定されない。具体的な一例として、IEEE802.15規格やIEEE802.11規格で定義される無線通信技術を利用することで、放送チャンネル起動デバイス32から情報処理装置10にチャンネル識別情報を通知してもよい。IEEE802.15規格の無線通信技術の具体的な一例として、Bluetooth(登録商標)が挙げられる。また、IEEE802.11規格の無線通信技術の具体的な一例として、Wi−fi(登録商標):Wireless Fidelityが挙げられる。また、無線通信に限らず、可視光通信、赤外線通信、または音声を媒介とした通信を利用してもよい。
【0034】
また、他の一例として、放送チャンネル起動デバイス32を、チャンネル識別情報を示すQRコード(登録商標)のような2次元コードもしくは3次元コードとして構成してもよい。この場合には、例えば、情報処理装置10は、内蔵もしくは連携して動作する撮像部により2次元コードを撮像し、撮像された2次元コードを解析することで、チャンネル識別情報を取得すればよい。
【0035】
なお、以降では、放送チャンネル起動デバイス32は、NFCによる通信技術やRFID技術などの無線通信技術を利用して、情報処理装置10との間で通信を確立し、当該情報処理装置10に情報(例えば、チャンネル識別情報)を通知するものとして説明する。
【0036】
また、放送チャンネル起動デバイス32は、放送を受信するための情報として、チャンネル識別情報以外の他の情報を情報処理装置10に通知してもよい。例えば、放送チャンネル起動デバイス32は、チャンネル識別情報が示す放送に関連付けられたデータ放送を復号するための鍵情報を、情報処理装置10に通知してもよい。
【0037】
このように、放送チャンネル起動デバイス32から情報処理装置10に、データ放送を復号するための鍵情報を通知することで、放送チャンネル起動デバイス32からチャンネル識別情報を取得した情報処理装置10のみがデータ放送を復号できるように制限することが可能となる。即ち、放送チャンネル起動デバイス32にアクセスしたユーザ(即ち、放送チャンネル起動デバイス32の設置個所に足を運んだユーザ)のみが、データ放送として配信された権利情報を取得できることとなり、放送チャンネル起動デバイス32へユーザを誘導することが可能となる。
【0038】
なお、情報処理装置10は、放送チャンネル起動デバイス32から取得した鍵情報によるデータ放送の復号を、例えば、チャンネル識別情報に対応する放送の視聴のような特定の処理に関連付けて実行するようにしてもよい。このような構成により、例えば、放送チャンネル起動デバイス32の設置場所に足を運び、かつ、当該放送チャンネル起動デバイス32から通知されたチャンネル識別情報に対応する放送(例えば、広告用の放送)を視聴したユーザにのみ、データ放送として配信された権利情報を提供することが可能となる。
【0039】
また、放送チャンネル起動デバイス32は、自身を識別するための識別情報(以降では、「オブジェクト識別情報」と呼ぶ場合がある)を、情報処理装置10に通知してもよい。当該オブジェクト識別情報は、例えば、放送チャンネル起動デバイス32を一意に特定するためのIDを含んでもよい。このようにして通知されたオブジェクト識別情報は、例えば、情報処理装置10が、どこに設置された放送チャンネル起動デバイス32にアクセスすることでチャンネル識別情報を取得したかを認識するための情報として使用することが可能である。
【0040】
また、放送チャンネル起動デバイス32は、放送を視聴するためのアプリケーションの入手先を示す情報を、情報処理装置10に通知してもよい。なお、入手先を示す情報としては、例えば、アプリケーションをダウンロード可能なサイトのURL等が挙げられる。このような構成により、例えば、情報処理装置10に放送を視聴するためのアプリケーションがインストールされていない場合に、ユーザによる情報処理装置10の操作を、当該アプリケーションのインストールに係る手順に誘導することが可能となる。
【0041】
情報処理装置10は、放送局30からの放送が配信される領域n1内に設置された放送チャンネル起動デバイス32にアクセスすることで、当該放送チャンネル起動デバイス32から、所定のチャンネルに対応する放送を受信するためのチャンネル識別情報を取得する。
【0042】
このとき、情報処理装置10は、チャンネル識別情報が示す放送に関連付けられたデータ放送を復号するための鍵情報を、放送チャンネル起動デバイス32から取得してもよい。同様に、情報処理装置10は、アクセスした放送チャンネル起動デバイス32を識別するためのオブジェクト識別情報や、放送を視聴するためのアプリケーションの入手先を示す情報を、放送チャンネル起動デバイス32から取得してもよい。なお、以降では、情報処理装置10は、チャンネル識別情報、鍵情報、オブジェクト識別情報、及び、アプリケーションの入手先を示す情報を、放送チャンネル起動デバイス32から取得したものとして説明する。
【0043】
情報処理装置10は、取得したチャンネル識別情報に基づき、放送局30から配信される放送のうち、当該チャンネル識別情報が示すチャンネルc10を介して配信される放送を受信し、受信した放送をユーザが視聴可能に再生する。このとき、情報処理装置10は、受信した放送を再生するための(即ち、ユーザが放送を視聴するための)アプリケーションがインストールされていない場合には、取得したアプリケーションの入手先を示す情報に基づき、該当するアプリケーションを取得しインストールしてもよい。
【0044】
また、情報処理装置10は、受信した放送にデータ放送として関連付けられた権利情報を取得する。このとき、情報処理装置10は、データ放送(即ち、権利情報)が暗号化されている場合には、放送チャンネル起動デバイス32から取得した鍵情報により当該データ放送を復号してもよい。また、情報処理装置10は、受信した放送の視聴状況に応じて(例えば、放送を視聴した場合に)、データ放送を復号してもよい。なお、データ放送が暗号化されていない場合には、情報処理装置10が復号に係る処理を実行する必要がないことは言うまでもない。
【0045】
以上のようにして、情報処理装置10は、特典を得るための権利情報を取得する。
【0046】
なお、情報処理装置10は、取得した権利情報に、当該権利情報と引き換えに得られる特典に関する情報が含まれている場合には、当該特典に関する情報を、ユーザが識別できるように通知してもよい。
【0047】
例えば、
図1に示す例では、情報処理装置10は、特典に関する情報を通知するための媒体として、当該情報処理装置10の表示部152(例えば、ディスプレイ)を利用している。具体的には、情報処理装置10は、放送として受信した映像v152を表示部152に表示させるとともに、当該放送に関連付けられた権利情報に含まれた、特典に関する情報v154をあわせて表示部152に表示させている。これにより、ユーザは、表示部152に表示された特典に関する情報v154により、特典を得られるスポット40の情報や、当該特典の内容を認識することが可能となる。
【0048】
情報処理装置10は、権利情報を取得した状態で、あらかじめ決められた認証デバイス42にアクセスすると、当該権利情報を入力情報として当該認証デバイス42との間で認証を行うことで、当該権利情報に対応する特典に関する特典情報を取得する。
【0049】
なお、本実施形態において「特典情報」とは、ポイントサービスやマイレージのようなそれ自体が特典を示す情報や、クーポンのように割引等の実質的な特典を受けるための媒介となる情報を含むものとする。
【0050】
認証デバイス42は、権利情報を取得した情報処理装置10に対して、当該権利情報に対応する特典情報を提供するための構成である。認証デバイス42は、ユーザの誘導先となるスポット40に配置するとよい。ユーザの誘導先となるスポット40としては、例えば、権利情報に示された割引等の特典を提供する店舗やイベント会場等が挙げられる。なお、認証デバイス42が、「第2のオブジェクト」の一例に相当する。また、認証デバイス42が配置されるスポット40が、「第1のオブジェクトとは異なる所定の場所」の一例に相当する。
【0051】
認証デバイス42は、所定の権利情報にあらかじめ関連付けられた特典情報を、所定の記憶装置から読み出し可能に構成されている。このとき、特典情報に関連付けられている情報の実体は、権利情報を識別可能な情報であればよく、例えば、権利情報自体であってもよいし、権利情報を識別するための識別情報であってもよい。
【0052】
認証デバイス42は、情報処理装置10からアクセスを受けると、情報処理装置10との間で通信を確立し、当該通信を介して情報処理装置10から権利情報を取得する。認証デバイス42は、取得した権利情報が、自身が読み出し可能な特典情報に関連付けられた権利情報と一致するか否かを認証する。認証に成功した場合には、認証デバイス42は、情報処理装置10から取得した権利情報に対応する特典情報を読み出し、確立された通信を介して、当該特典情報を当該情報処理装置10に提供する。
【0053】
なお、認証デバイス42は、情報処理装置10との間でデータ(例えば、権利情報及び特典情報)を送受信するための通信デバイスを含む。例えば、認証デバイス42は、NFCによる通信技術やRFID技術などの無線通信技術を用いた通信デバイスを含んでもよい。NFCによる通信技術やRFID技術などの無線通信技術を用いた通信デバイスの一例としては、NFCタグ42aやNFCリーダライタ42bが挙げられる。なお、NFCタグ42a及びNFCリーダライタ42bの構成は、前述したNFCタグ32a及びNFCリーダライタ32bと同様のため、詳細な説明は省略する。
【0054】
また、認証デバイス42が、情報処理装置10との間でデータを送受信するための構成は、NFCタグ42aやNFCリーダライタ42bのような、NFCによる通信技術やRFID技術などの無線通信技術を利用した通信デバイスに限定されない。具体的な一例として、Bluetooth(登録商標)やWi−fi(登録商標)のような無線通信技術を利用してもよいし、無線通信に限らず、可視光通信、赤外線通信、または音声を媒介とした通信を利用してもよい。
【0055】
また、上記に示す例では、認証デバイス42が、情報処理装置10から権利情報を取得し、取得した権利情報に基づき認証を行う例について説明したが、情報処理装置10側が認証に係る処理を実行してもよい。この場合には、例えば、認証デバイス42が、自身が読み出し可能な特典情報に関連付けられた権利情報(もしくは、当該権利情報を識別するための情報)を情報処理装置10に通知してもよい。情報処理装置10は、認証デバイス42から通知された権利情報と、自身が記憶する権利情報とが一致するか否かに基づき認証を行い、一致した場合には、通知された権利情報に対応する特典情報を認証デバイス42に通知させればよい。なお、上記はあくまで一例であり、認証デバイス42が、情報処理装置10から提示された権利情報に対応する特典情報を提供可能か否かが確認できれば、認証に用いる情報の種別、認証の主体、及び認証の方法は限定されない。
【0056】
また、認証デバイス42は、情報処理装置10から、当該情報処理装置10がチャンネル識別情報を取得するためにアクセスした放送チャンネル起動デバイス32のオブジェクト識別情報を取得してもよい。このような構成とすることで、例えば、認証デバイス42は、特典情報を取得するために自身にアクセスした情報処理装置10が、どの放送チャンネル起動デバイス32にアクセスすることで放送を視聴し、権利情報を取得したかを捕捉することが可能となる。換言すると、当該認証デバイス42を設置する側、即ち、特典の提供元である広告主は、情報処理装置10のユーザが、どの放送チャンネル起動デバイス32にアクセスすることで宣伝用の放送を受信し、認証デバイス42に誘導されたかを認識することが可能となる。
【0057】
なお、上記に示す例では、データ放送(即ち、権利情報)を暗号化する例について説明したが、データ放送に加えて放送局30から配信される放送自体を暗号化し、放送チャンネル起動デバイス32から通知される鍵情報に基づき復号できるようにしてもよい。このような構成とすることで、放送チャンネル起動デバイス32にアクセスした情報処理装置10のみが、配信された放送を視聴可能に復号することが可能となる。即ち、放送チャンネル起動デバイス32にアクセスしたユーザのみが放送を視聴できることとなり、放送の配信対象を放送チャンネル起動デバイス32の設置個所に足を運んだユーザに限定することが可能となる。
【0058】
また、放送チャンネル起動デバイス32は、情報処理装置10から、当該情報処理装置10のユーザに関する情報(例えば、年齢、性別、家族構成等)を取得し、取得した情報に応じて、情報処理装置10に通知するチャンネル識別情報を切り替えてもよい。
【0059】
具体的な一例として、放送チャンネル起動デバイス32は、情報処理装置10のユーザが女性の場合には、女性向けの放送を受信するためのチャンネル識別情報を情報処理装置10に通知するようにしてもよい。この場合には、放送局30に、当該チャンネル識別情報が示すチャンネルを介して、女性向けの放送を配信させればよいことは言うまでもない。また、管理サーバ70は、当該女性向けの放送に対して、女性をターゲットとした特典を提供するための権利情報を、データ放送として関連付けてもよい。このような構成により、特典を提供する対象を絞り込むとともに、当該対象の要望に即した特典を提供することが可能となる。
【0060】
また、放送チャンネル起動デバイス32は、ユーザに関する情報に応じて、情報処理装置10に通知するチャンネル識別情報を切り替えることが可能なため、例えば、ユーザの年齢に応じて一部の放送が視聴されないように、視聴制限をかけることも可能となる。
【0061】
同様に、認証デバイス42は、情報処理装置10から、当該情報処理装置10のユーザに関する情報を取得し、取得した情報に応じて、情報処理装置10に通知する特典情報を切り替えてもよい。
【0062】
具体的な一例として、認証デバイス42は、情報処理装置10のユーザが女性の場合には、女性向けの特典に対応した特典情報を情報処理装置10に通知するようにしてもよい。このような構成により、特典を提供する対象に応じて、当該対象の要望に即した特典を提供することが可能となる。
【0063】
[1.2.情報処理装置の構成]
次に、
図2を参照して、本実施形態に係る情報処理装置10の構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る情報処理装置10の構成を示したブロック図である。
図2に示すように、情報処理装置10は、第1の通信部102と、第2の通信部104と、チャンネル識別情報取得部106と、権利情報取得部108と、権利情報記憶部110と、通知部15と、特典情報取得部112とを含む。なお、以降では、情報処理装置10は、第1の通信部102を介して、放送チャンネル起動デバイス32及び認証デバイス42にアクセスし、第2の通信部104を介して放送局30から配信された放送を受信するものとして説明する。
【0064】
第1の通信部102は、情報処理装置10内の各構成
に対して、放送チャンネル起動デバイス32及び認証デバイス42との間で通信を確立し、当該通信を介してデータを送受信する。第1の通信部102は、例えば、NFCによる通信技術やRFID技術などの無線通信技術を利用した通信デバイスとして構成してもよい。
【0065】
なお、情報処理装置10が、放送チャンネル起動デバイス32及び認証デバイス42のそれぞれにアクセスする際に、必ずしも同じ通信技術を利用してアクセスする必要はない。例えば、放送チャンネル起動デバイス32及び認証デバイス42へのアクセスのうち、いずれか一方のみへの
アクセスに、NFCによる通信技術やRFID技術などの無線通信技術を利用し、他方へのアクセスには別の通信技術を用いてもよい。この場合は、放送チャンネル起動デバイス32及び認証デバイス42にアクセスすするために、異なる複数の第1の通信部102(通信デバイス)を設けてもよい。なお、第1の通信部102により、異なる通信技術に基づく通信を実現可能な場合(例えば、複数の通信デバイスを1チップで構成可能な場合)には、必ずしも第1の通信部102を複数設ける必要はない。
【0066】
なお、以降では、情報処理装置10内の各構成が、放送チャンネル起動デバイス32及び認証デバイス42とデータの送受信を行う場合には、特に記載が無い場合においても、第1の通信部102を介してデータの送受信を行うものとする。
【0067】
第2の通信部104は、情報処理装置10
に対して、放送局30から配信された放送を受信する。第2の通信部104は、例えば、モバイル向けの地上デジタル放送(ワンセグ放送)やセルラー無線通信網を介して放送を受信するための通信デバイスとして構成してもよい。なお、第2の通信部104は、第1の通信部102と一体的に構成(1チップで構成)してもよい。
【0068】
なお、以降では、情報処理装置10内の各構成が、放送局30から放送を受信する場合には、特に記載が無い場合においても、第2の通信部104を介して放送を受信するものとする。
【0069】
チャンネル識別情報取得部106は、情報処理装置10が放送チャンネル起動デバイス32にアクセスした場合に、放送チャンネル起動デバイス32との間で通信を確立する。放送チャンネル起動デバイス32との通信が確立されたら、チャンネル識別情報取得部106は、当該通信を介して放送チャンネル起動デバイス32からチャンネル識別情報を取得する。
【0070】
このとき、チャンネル識別情報取得部106は、チャンネル識別情報が示す放送に関連付けられたデータ放送を復号するための鍵情報を、放送チャンネル起動デバイス32から取得してもよい。同様に、チャンネル識別情報取得部106は、アクセスした放送チャンネル起動デバイス32を識別するためのオブジェクト識別情報や、放送を視聴するためのアプリケーションの入手先を示す情報を、放送チャンネル起動デバイス32から取得してもよい。なお、以降では、チャンネル識別情報取得部106は、チャンネル識別情報、鍵情報、オブジェクト識別情報、及び、アプリケーションの入手先を示す情報を、放送チャンネル起動デバイス32から取得したものとして説明する。
【0071】
チャンネル識別情報取得部106は、取得したチャンネル識別情報、鍵情報、オブジェクト識別情報、及び、アプリケーションの入手先を示す情報を、権利情報取得部108に出力する。
【0072】
権利情報取得部108は、チャンネル識別情報、鍵情報、オブジェクト識別情報、及び、アプリケーションの入手先を示す情報を、チャンネル識別情報取得部106から取得する。
【0073】
権利情報取得部108は、取得したチャンネル識別情報に基づき、放送局30から配信される放送のうち、当該チャンネル識別情報が示すチャンネルc10を介して配信される放送を受信する。権利情報取得部108は、放送を再生するためのアプリケーション(図示しない)に受信した放送を再生させる。このとき、権利情報取得部108は、受信した放送を再生するための(即ち、ユーザが放送を視聴するための)アプリケーションがインストールされていない場合には、取得したアプリケーションの入手先を示す情報に基づき、該当するアプリケーションを取得し情報処理装置10にインストールしてもよい。
【0074】
また、権利情報取得部108は、受信した放送にデータ放送として関連付けられた権利情報を取得する。このとき、情報処理装置10は、データ放送(即ち、権利情報)が暗号化されている場合には、放送チャンネル起動デバイス32から取得した鍵情報により当該データ放送を復号してもよい。また、情報処理装置10は、受信した放送の視聴状況に応じて(例えば、放送を視聴した場合に)、データ放送を復号してもよい。
【0075】
権利情報取得部108は、データ放送を利用して配信された権利情報を、取得したオブジェクト識別情報と関連付けて、権利情報記憶部110に記憶させる。権利情報記憶部110は、権利情報を記憶するための記憶部である。
【0076】
通知部15は、権利情報内に特典に関する情報が含まれている場合には、当該特典に関する情報をユーザが識別できるように通知するための構成である。例えば、
図2に示す例は、通知部15が、権利情報内に含まれた特典に関する情報を、映像情報として表示させる場合を示している。この場合には、通知部15は、通知制御部151と、表示部152とを含む。
【0077】
通知制御部151は、取得された権利情報を権利情報記憶部110から読み出す。通知制御部151は、読み出した権利情報から特典に関する情報を抽出し、抽出した特典に関する情報を表示部152に表示させる。
【0078】
なお、表示部152は、必ずしも通知部15専用の構成としても設ける必要はない。例えば、情報処理装置10のディスプレイを表示部152として用いてもよい。
【0079】
また、
図2に示す例では、特典に関する情報を映像情報として表示させる場合を示しているが、特典に関する情報をユーザが識別できれば、当該特典に関する情報の通知方法は特に限定されない。例えば、通知部15は、特典に関する情報を音声によりユーザに通知してもよい。
【0080】
特典情報取得部112は、情報処理装置10が認証デバイス42にアクセスした場合に、認証デバイス42との間で通信を確立する。認証デバイス42との通信が確立されたら、特典情報取得部112は、権利情報記憶部110から権利情報を読み出し、読み出した権利情報を、確立された通信を介して認証デバイス42に通知する。
【0081】
このとき、特典情報取得部112は、当該権利情報に関連付けられた、放送チャンネル起動デバイス32を示すオブジェクト識別情報を、あわせて認証デバイス42に通知してもよい。これにより、認証デバイス42は、特典情報を取得するために自身にアクセスした情報処理装置10が、どの放送チャンネル起動デバイス32にアクセスすることで放送を視聴し、権利情報を取得したかを捕捉することが可能となる。
【0082】
特典情報取得部112は、権利情報に対する応答として、認証デバイス42から特典情報を取得する。即ち、情報処理装置10のユーザは、取得された特典情報に基づき特典を得ることが可能となる。
【0083】
[1.3.処理]
次に、
図3を参照して、本実施形態に係る情報処理システム1の一連の動作の流れについて説明する。
図3は、本実施形態に係る情報処理システム1の一連の処理の流れを示したシーケンス図である。
【0084】
(ステップS102)
管理サーバ70は、特典を受けるための権利情報を放送局30に送信し、放送局30に対して、チャンネルc10を介して配信される放送(例えば、スポット40に関する広告用の放送)に、当該権利情報をデータ放送として関連付けるように指示する。
【0085】
(ステップS104)
管理サーバ70から指示を受けると、放送局30は、取得した権利情報をデータ放送として、管理サーバ70から指定された放送に関連付けて、当該放送及びデータ放送を領域n1内に配信する。このとき、放送局30は、あらかじめ生成された暗号化のための鍵情報に基づき権利情報を暗号化し、暗号化された権利情報をデータ放送として、管理サーバ70から指定された放送に関連付けてもよい。なお、以降では、暗号化された権利情報が、データ放送として、管理サーバ70から指定された放送に関連付けられているものとして説明する。
【0086】
(ステップS106)
情報処理装置10は、放送局30からの放送が配信される領域n1内に設置された放送チャンネル起動デバイス32にアクセスすることで、当該放送チャンネル起動デバイス32から、所定のチャンネル(即ち、チャンネルc10)に対応する放送を受信するためのチャンネル識別情報を取得する。
【0087】
具体的には、情報処理装置10のチャンネル識別情報取得部106は、当該情報処理装置10が放送チャンネル起動デバイス32にアクセスした場合に、放送チャンネル起動デバイス32との間で通信を確立する。放送チャンネル起動デバイス32との通信が確立されたら、チャンネル識別情報取得部106は、確立された当該通信を介して放送チャンネル起動デバイス32からチャンネル識別情報を取得する。
【0088】
このとき、チャンネル識別情報取得部106は、チャンネル識別情報が示す放送に関連付けられたデータ放送を復号するための鍵情報を、放送チャンネル起動デバイス32から取得する。
【0089】
また、チャンネル識別情報取得部106は、アクセスした放送チャンネル起動デバイス32を識別するためのオブジェクト識別情報や、放送を視聴するためのアプリケーションの入手先を示す情報を、放送チャンネル起動デバイス32から取得してもよい。なお、以降では、チャンネル識別情報取得部106は、チャンネル識別情報、鍵情報、オブジェクト識別情報、及び、アプリケーションの入手先を示す情報を、放送チャンネル起動デバイス32から取得したものとして説明する。
【0090】
チャンネル識別情報取得部106は、取得したチャンネル識別情報、鍵情報、オブジェクト識別情報、及び、アプリケーションの入手先を示す情報を、権利情報取得部108に出力する。
【0091】
(ステップS108)
権利情報取得部108は、チャンネル識別情報、鍵情報、オブジェクト識別情報、及び、アプリケーションの入手先を示す情報を、チャンネル識別情報取得部106から取得する。
【0092】
権利情報取得部108は、取得したチャンネル識別情報に基づき、放送局30から配信される放送のうち、当該チャンネル識別情報が示すチャンネルc10を介して配信される放送を受信する。権利情報取得部108は、放送を再生するためのアプリケーション(図示しない)に受信した放送を再生させる。このとき、権利情報取得部108は、受信した放送を再生するための(即ち、ユーザが放送を視聴するための)アプリケーションがインストールされていない場合には、取得したアプリケーションの入手先を示す情報に基づき、該当するアプリケーションを取得しインストールしてもよい。
【0093】
(ステップS110)
また、権利情報取得部108は、受信した放送にデータ放送として関連付けられた権利情報を取得する。このとき、情報処理装置10は、データ放送(即ち、権利情報)が暗号化されている場合には、放送チャンネル起動デバイス32から取得した鍵情報により当該データ放送を復号してもよい。また、情報処理装置10は、受信した放送の視聴状況に応じて(例えば、放送を視聴した場合に)、データ放送を復号してもよい。以上のようにして、権利情報取得部108は、特典を得るための権利情報を取得する。
【0094】
権利情報取得部108は、データ放送を利用して配信された権利情報を、取得したオブジェクト識別情報と関連付けて、権利情報記憶部110に記憶させる。
【0095】
(ステップS112)
情報処理装置10は、取得した権利情報に、当該権利情報と引き換えに得られる特典に関する情報が含まれている場合には、当該特典に関する情報を、ユーザが識別できるように通知してもよい。具体的な一例として、情報処理装置10は、特典に関する情報を通知するための媒体として、当該情報処理装置10の表示部152(例えば、ディスプレイ)を利用してもよい。この場合には、情報処理装置10は、放送として受信した映像v152を表示部152に表示させるとともに、当該放送に関連付けられた権利情報に含まれた、特典に関する情報v154をあわせて表示部152に表示させてもよい。これにより、ユーザは、表示部152に表示された特典に関する情報v154により、特典を得られるスポット40の情報や、当該特典の内容を認識することが可能となる。
【0096】
(ステップS114)
情報処理装置10は、権利情報を取得した状態で、あらかじめ決められた認証デバイス42にアクセスすると、当該権利情報を入力情報として当該認証デバイス42との間で認証を行う。
【0097】
具体的には、情報処理装置10の特典情報取得部112は、情報処理装置10が認証デバイス42にアクセスした場合に、認証デバイス42との間で通信を確立する。認証デバイス42との通信が確立されたら、特典情報取得部112は、権利情報記憶部110から権利情報を読み出し、読み出した権利情報を、確立された通信を介して認証デバイス42に通知する。
【0098】
このとき、特典情報取得部112は、当該権利情報に関連付けられた、放送チャンネル起動デバイス32を示すオブジェクト識別情報を、あわせて認証デバイス42に通知してもよい。これにより、認証デバイス42は、特典情報を取得するために自身にアクセスした情報処理装置10が、どの放送チャンネル起動デバイス32にアクセスすることで放送を視聴し、権利情報を取得したかを捕捉することが可能となる。
【0099】
(ステップS116)
認証デバイス42は、情報処理装置10の特典情報取得部112との間で確立された通信を介して、特典情報取得部112から権利情報を取得する。認証デバイス42は、取得した権利情報が、自身が読み出し可能な特典情報に関連付けられた権利情報と一致するか否かを認証する。認証に成功した場合には、認証デバイス42は、特典情報取得部112から取得した権利情報に対応する特典情報を読み出し、確立された通信を介して、当該特典情報を当該特典情報取得部112に提供する。
【0100】
特典情報取得部112は、権利情報に対する応答として、認証デバイス42から特典情報を取得する。即ち、情報処理装置10のユーザは、取得された特典情報に基づき特典を得ることが可能となる。
【0101】
[1.4.まとめ]
以上のように、本実施形態に係る情報処理システム1では、情報処理装置10は、放送チャンネル起動デバイス32にアクセスすることでデータ放送として権利情報を取得し、次いで、認証デバイス42にアクセスすることで取得した権利情報に対応する特典情報を取得する。このような構成により、情報処理システム1では、放送チャンネル起動デバイス32の設置場所に足を運んだユーザのみが、データ放送として配信された権利情報を取得できることとなり、放送チャンネル起動デバイス32へユーザを誘導することが可能となる。
【0102】
また、情報処理システム1では、情報処理装置10が、権利情報を入力情報として認証デバイス42との間で認証を行うことで、当該
情報処理装置10に対して特典情報が提供される。そのため、認証デバイス42を、ユーザの誘導先となるスポット40に配置することで、放送チャンネル起動デバイス32へのアクセスにより権利情報を取得したユーザを、スポット40に誘導することが可能となる。即ち、放送チャンネル起動デバイス32にアクセスして放送を視聴し、かつ、スポット40に誘導されたユーザに対して、効果的に特典を提供することが可能となる。また、情報処理装置10が認証デバイス42にアクセスすることで特典情報が提供されるため、放送を視聴した当該情報処理装置10のユーザがスポット40に誘導されたことを、認証デバイス42側で捕捉することが可能となる。
【0103】
また、情報処理装置10が、放送チャンネル起動デバイス32から取得したオブジェクト識別情報を認証デバイス42に通知することで、認証デバイス42は、当該情報処理装置10が、どの放送チャンネル起動デバイス32にアクセスしたかを捕捉することが可能となる。認証デバイス42を設置する側、即ち、特典の提供元である広告主は、情報処理装置10のユーザが、どの放送チャンネル起動デバイス32にアクセスすることで宣伝用の放送を受信し、認証デバイス42に誘導されたかを認識することが可能となる。
【0104】
<2.第2の実施形態>
[2.1.システム構成]
次に、第2の実施形態に係る情報処理システム1aについて説明する。前述した第1の実施形態に係る情報処理システム1では、情報処理装置10に提供する特典情報を、認証デバイス42
が管理する場合について説明した。これに対して、本実施形態に係る情報処理システム1aでは、情報処理装置10aに提供する特典情報を、管理サーバ70が管理する点で、第1の実施形態に係る情報処理システム1と異なる。以下に、本実施形態に係る情報処理システム1aについて説明する。
【0105】
まず、
図4を参照しながら、本実施形態に係る情報処理システム1aの概略的なシステム構成について説明する。なお、本実施形態に係る情報処理システム1aは、情報処理装置10aが権利情報に基づき特典情報を取得するための構成や処理の内容が、前述した第1の実施形態に係る情報処理システム1と異なる。そこで、以降では、本実施形態に係る情報処理システム1aについて、第1の実施形態に係る情報処理システム1と異なる部分に着目して説明し、情報処理システム1と同様の部分について詳細な説明は省略する。
【0106】
前述の通り、本実施形態に係る情報処理システム1aでは、管理サーバ70が特典情報を管理する。具体的には、管理サーバ70は、所定の権利情報にあらかじめ関連付けられた特典情報を、所定の記憶装置から読み出し可能に構成されている。例えば、特典情報をデータベースにより管理してもよい。この場合には、管理サーバ70は、データベースにアクセスすることで特典情報を読み出せばよい。なお、特典情報に関連付けられている情報の実体は、権利情報を識別できる情報であればよく、例えば、権利情報自体であってもよいし、権利情報を識別するための情報であってもよい。
【0107】
本実施形態では、認証デバイス42は、認証により管理サーバ70から提供される特典情報に関連付けられた権利情報を識別可能に構成されている。具体的には、認証デバイス42は、特典情報に関連付けられた権利情報を識別可能な情報を、所定の記憶装置から読み出し可能に構成されている。なお、権利情報を識別可能な情報としては、例えば、権利情報自体であってもよいし、権利情報を識別するための識別情報であってもよい。
【0108】
情報処理装置10aは、権利情報を取得した状態で、あらかじめ決められた認証デバイス42にアクセスすると、当該権利情報を入力情報として当該認証デバイス42との間で認証を行う。なお、認証の方法については、第1の実施形態に係る情報処理システム1と同様であるため詳細な説明は省略する。
【0109】
本実施形態に係る情報処理装置10aは、認証デバイス42との間の権利情報に基づく認証が成功した場合には、当該権利情報を識別可能な情報を認証結果として管理サーバ70に通知する。なお、認証結果として管理サーバ70に通知する情報は、権利情報を識別可能であれば、権利情報自体であってもよいし、権利情報を識別するための識別情報であってもよい。
【0110】
管理サーバ70は、情報処理装置10aから認証結果を取得すると、認証結果として通知された権利情報に対応する特典情報を抽出し、抽出した特典情報を情報処理装置10aに提供する。なお、上記では、あらかじめ生成された特典情報を、管理サーバ70が読み出し可能な記憶装置で管理する例について説明したが、管理サーバ70自体が、特典情報を生成するように構成してもよい。
【0111】
以上のような構成により、本実施形態に係る情報処理システム1aは、特典情報を管理サーバ70で集中管理することが可能となる。これにより、例えば、認証デバイス42が複数存在するような場合においても、特典情報の内容を変更する際に、管理サーバ70で管理している特典情報のみを更新すればよいため、特典情報の更新に係る作業の手間を軽減することが可能となる。
【0112】
なお、異なる複数の認証デバイス42のうちいずれかを選択して認証可能とし、管理サーバ70は、認証が行われた認証デバイス42に応じて、異なる特典情報を情報処理装置10aに提供できるようにしてもよい。
【0113】
例えば、管理サーバ70は、特典情報を、所定の権利情報と、認証デバイス42を識別するためのオブジェクト識別情報とに関連付けて管理してもよい。
【0114】
この場合には、情報処理装置10aは、認証を行った認証デバイス42から、当該認証デバイス42に対応するオブジェクト識別情報を取得し、取得したオブジェクト識別情報を、権利情報を識別可能な情報とあわせて認証結果として管理サーバ70に通知する。
【0115】
管理サーバ70は、情報処理装置10aから認証結果を取得すると、認証結果として通知された権利情報と、オブジェクト識別情報とに関連付けられた特典情報を抽出し、抽出した特典情報を情報処理装置10aに提供する。
【0116】
このような構成とすることで、例えば、1つの権利情報により、複数のスポット(店舗)40のうちのいずれかを選択して特典を受けられるようにし、かつ、選択されたスポット40に応じて特典の内容を切り替えることが可能となる。そのため、複数のスポット40が、例えば、それぞれ異なる業種の店舗だったとしても、その店舗が提供するサービスに応じて特典を付与することが可能となる。
【0117】
[2.2.情報処理装置の構成]
次に、
図5を参照して、本実施形態に係る情報処理装置10aの構成について説明する。
図5は、本実施形態に係る情報処理装置10aの構成を示したブロック図である。本実施形態に係る情報処理装置10aは、前述した第1の実施形態に係る情報処理装置10と、特典情報取得部112の動作が異なる。そこで、以降では、本実施形態に係る情報処理装置10aの構成について、第1の実施形態に係る情報処理装置10と異なる特典情報取得部112に着目して説明し、その他の構成について詳細な説明は省略する。
【0118】
特典情報取得部112は、情報処理装置10aが認証デバイス42にアクセスした場合に、認証デバイス42との間で通信を確立する。認証デバイス42との通信が確立されたら、特典情報取得部112は、権利情報記憶部110から権利情報を読み出し、読み出した権利情報を、確立された通信を介して認証デバイス42に通知する。
【0119】
特典情報取得部112は、権利情報に対する応答として、当該権利情報を入力情報
とした認証の結果を認証デバイス42から取得する。
【0120】
特典情報取得部112は、認証デバイス42との間の権利情報に基づく認証が成功した場合には、当該権利情報を識別可能な情報を認証結果として、第2の通信部104を介して管理サーバ70に通知する。なお、認証結果として管理サーバ70に通知する情報は、権利情報を識別可能であれば、権利情報自体であってもよいし、権利情報を識別するための識別情報であってもよい。また、権利情報取得部108が放送を受信するための通信手段と、特典情報取得部112が管理サーバ70と通信を行うための通信手段が異なる場合には、特典情報取得部112が管理サーバ70と通信を行うために、別途第2の通信部104を設けてもよい。
【0121】
特典情報取得部112は、認証結果に対する応答として、認証結果として通知した権利情報に対応する特典情報を、管理サーバ70から取得する。即ち、情報処理装置10aのユーザは、取得された特典情報に基づき特典を得ることが可能となる。
【0122】
[2.3.処理]
次に、
図6を参照して、本実施形態に係る情報処理システム1aの一連の動作の流れについて説明する。
図6は、本実施形態に係る情報処理システム1aの一連の処理の流れを示したシーケンス図である。なお、
図6におけるステップS102〜S114については、前述した第1の実施形態に係る情報処理システム1の場合(
図3参照)と同様のため、以降では、当該情報処理システム1と動作の異なる、ステップS122〜S126の処理に着目して説明する。
【0123】
(ステップS114)
特典情報取得部112は、情報処理装置10aが認証デバイス42にアクセスした場合に、認証デバイス42との間で通信を確立する。認証デバイス42との通信が確立されたら、特典情報取得部112は、権利情報記憶部110から権利情報を読み出し、読み出した権利情報を、確立された通信を介して認証デバイス42に通知する。
【0124】
(ステップS122)
特典情報取得部112は、権利情報に対する応答として、当該権利情報を入力情報とした認証の結果を認証デバイス42から取得する。
【0125】
(ステップS124)
特典情報取得部112は、認証デバイス42との間の権利情報に基づく認証が成功した場合には、当該権利情報を識別可能な情報を認証結果として管理サーバ70に通知する。
【0126】
(ステップS126)
管理サーバ70は、情報処理装置10aから認証結果を取得すると、認証結果として通知された権利情報に対応する特典情報を抽出し、抽出した特典情報を情報処理装置10aに提供する。
【0127】
特典情報取得部112は、認証結果に対する応答として、認証結果として通知した権利情報に対応する特典情報を、管理サーバ70から取得する。即ち、情報処理装置10aのユーザは、取得された特典情報に基づき特典を得ることが可能となる。
【0128】
[2.4.変形例1]
次に、本実施形態の変形例1に係る情報処理システム1aについて説明する。上記に示した第2の実施形態では、放送チャンネル起動デバイス32へのアクセスにより放送を視聴したユーザを、所定のスポット40に設置された認証デバイス42に誘導し、特典を提供する場合の例について説明した。これに対して、変形例1に係る情報処理システム1aは、複数のスポットにユーザを誘導し、各スポットを廻ったユーザに対して特典を付与する。
【0129】
具体的な一例として、情報処理システム1aは、複数の放送エリアそれぞれで所定の放送を視聴したユーザに対して特典を付与してもよい。
【0130】
この場合には、例えば、情報処理装置10aは、放送チャンネル起動デバイス32からチャンネル識別情報を取得する際に、当該放送チャンネル起動デバイス32を識別するためのオブジェクト識別情報(以降では、「放送チャンネル起動デバイス32を示すオブジェクト識別情報」と呼ぶ場合がある)を取得してもよい。
【0131】
情報処理装置10aは、放送チャンネル起動デバイス32から取得したチャンネル識別情報に基づき放送を受信し、当該放送にデータ放送として関連付けられた権利情報を取得する。そして、情報処理装置10aは、データ放送として取得した権利情報に対して、チャンネル識別情報を取得した放送チャンネル起動デバイス32を示すオブジェクト識別情報を関連付ける。
【0132】
情報処理装置10aは、取得した権利情報に基づき認証デバイス42との間で認証を行った結果を管理サーバ70に通知するときに、あわせて放送チャンネル起動デバイス32を示すオブジェクト識別情報を通知する。以上のような構成により、管理サーバ70は、情報処理装置10aがどの放送チャンネル起動デバイス32にアクセスすることで、放送を受信し、当該放送に関連付けられた権利情報を取得したかを認識することが可能となる。なお、各放送チャンネル起動デバイス32を示すオブジェクト識別情報に、当該放送チャンネル起動デバイス32の位置情報をあらかじめ関連付けておくことで、管理サーバ70は、オブジェクト識別情報に基づき放送チャンネル起動デバイス32の位置を特定することも可能となる。
【0133】
このような仕組みを利用することで、情報処理装置10aは、認証を行うごとに、認証に用いた権利情報の取得元となる放送チャンネル起動デバイス32を示すオブジェクト識別情報を管理サーバ70に通知することが可能となる。これにより、管理サーバ70は、例えば、あらかじめ決められた複数の放送チャンネル起動デバイス32それぞれにアクセスして権利情報を取得した情報処理装置10aを認識し、当該情報処理装置10aに対して特典情報を提供することが可能となる。即ち、変形例1に係る情報処理システム1aに依れば、例えば、スタンプラリーのように、複数の放送エリアそれぞれで放送を視聴したユーザに対して特典を付与することが可能となる。
【0134】
なお、異なる複数の放送チャンネル起動デバイス32にアクセスすることで取得された権利情報ごとに、認証を行える認証デバイス42をあらかじめ制限することも可能である。
【0135】
この場合には、複数の放送チャンネル起動デバイス32を複数のグループ(例えば、放送エリアごと)に分類し、グループごとに異なる権利情報が取得されるように、当該放送チャンネル起動デバイス32へのアクセスに基づき受信される放送を制御する。具体的な一例として、放送エリアごとに異なる権利情報が関連付けられた放送を配信してもよいし、グループごとに異なるチャンネル識別情報が通知されるように放送チャンネル起動デバイス32を設置してもよい。
【0136】
また、各認証デバイス42は、複数のグループのうちいずれか1以上のグループに対応する権利情報を識別するための情報を読み出せるように構成すればよい。このような構成とすることで、認証デバイス42は、グループごとに設定された権利情報のうち、自身が識別可能な権利情報のみを認証できるように動作が制限される。
【0137】
以上で説明したように情報処理システム1aを構成することで、例えば、各放送エリアで放送を視聴したユーザを、放送エリアごとに異なるスポット40に誘導することが可能となる。
【0138】
なお、放送チャンネル起動デバイス32を複数のグループに分類する単位や、各グループと各認証デバイス42との関連付けは適宜変更することも可能である。例えば、グループごとに異なる放送を配信し、当該放送に関連付けられた権利情報を、いずれの認証デバイス42でも認証できるように設定することも可能である。この場合は、各グループに対応する権利情報を識別するための情報を、各認証デバイス42が読み出せるように構成すればよい。
【0139】
また、認証デバイス42への1回のアクセスで、複数の権利情報について認証を行えるように構成してもよい。この場合には、例えば、認証デバイス42は、情報処理装置10aから複数の権利情報を取得し、取得した複数の権利情報それぞれについて認証を行えばよい。このような構成とすることで、ユーザは、必ずしも放送を視聴するごとに認証を行う必要がなくなり、認証に係るユーザの手間を軽減することが可能となる。
【0140】
また、1つの権利情報に基づき、複数の認証デバイス42との間で認証が行われた場合に、特典情報を提供するように構成してもよい。この場合には、各認証デバイス42は、情報処理装置10aとの間で認証が行われた場合に、自身を特定するためのオブジェクト識別情報を当該情報処理装置10aに通知する。情報処理装置10aは、認証を行った結果を管理サーバ70に通知するときに、あわせて認証デバイス42から取得したオブジェクト識別情報を通知する。このような構成により、管理サーバ70は、情報処理装置10aがどの認証デバイス42との間で認証を行ったかを認識することができる。そのため、管理サーバ70は、情報処理装置10aから通知されたオブジェクト識別情報に基づき、あらかじめ決められた複数の認証デバイス42との間で認証が行われたことが認識できた場合に、当該情報処理装置10aに特典情報を提供することが可能となる。
【0141】
[2.5.変形例2]
次に、変形例2に係る情報処理システム1bについて説明する。第2の実施形態及び変形例1では、管理サーバ70が、情報処理装置10aに特典情報を提供する構成とすることで、特典情報の更新を管理サーバ70で集中管理する例について説明した。変形例2では、第1の実施形態と同様に、認証デバイス42が情報処理装置10に特典情報を提供する構成として、特典情報が更新された場合に、管理サーバ70から認証デバイス42に更新後の特典情報を配信する。このような構成により、変形例2に係る情報処理システム1bは、特典情報の更新を管理サーバ70で集中管理する。以下に、
図7を参照しながら、変形例2に係る情報処理システム1bについて説明する。
図7は、本実施形態の変形例2に係る情報処理システム1bの概略的なシステム構成を示した図である。
【0142】
図7に示すように、変形例2に係る情報処理システム1bは、認証デバイス管理サーバ44を含む点で、上述した第1の実施形態に係る情報処理システム1と異なる。そこで、以降では、第1の実施形態に係る情報処理システム1と異なる認証デバイス管理サーバ44に着目して説明する。
【0143】
認証デバイス管理サーバ44は、1以上の認証デバイス42に関連付けられており、当該1以上の認証デバイス42が読み出す特典情報を、管理サーバ70の指示に基づき更新する。
【0144】
具体的には、管理サーバ70は、各認証デバイス管理サーバ44が、どの認証デバイス42に関連付けられているかを認識している。そして、管理サーバ70は、対応する認証デバイス42で提供される特典情報が更新された場合に、更新後の特典情報を、当該認証デバイス42に対応する認証デバイス管理サーバ44に配信する。
【0145】
認証デバイス管理サーバ44は、管理サーバ70と通信可能に構成されており、管理サーバ70で管理している特典情報が更新された場合に、更新後の特典情報を管理サーバ70から取得する。
【0146】
そして、認証デバイス管理サーバ44は、管理サーバ70から更新後の特典情報を取得した場合に、認証デバイス42が特典情報を読み出す記憶装置にアクセスし、当該記憶装置に記憶された特典情報を、管理サーバ70から取得した更新後の特典情報に置き換える。
【0147】
このような構成
により、変形例2に係る情報処理システム1bにおいても、特典情報を管理サーバ70で集中管理することが可能となる。即ち、認証デバイス42が複数存在するような場合においても、特典情報の内容を変更する際に、管理サーバ70で管理している特典情報を更新することで、認証デバイス管理サーバ44を介して、各認証デバイス42に更新後の特典情報を配信することが可能となる。
【0148】
[2.6.まとめ]
以上のように、本実施形態に係る情報処理システム1a及び1bでは、特典情報を管理サーバ70で集中管理することが可能となる。これにより、例えば、認証デバイス42が複数存在するような場合においても、特典情報の内容を変更する際に、管理サーバ70で管理している特典情報のみを更新すればよいため、特典情報の更新に係る作業の手間を軽減することが可能となる。
【0149】
<3.第3の実施形態>
[3.1.システム構成]
次に、第3の実施形態に係る情報処理システム1cについて説明する。本実施形態に係る情報処理システム1cでは、権利情報に基づき特典情報が取得された場合に、当該権利情報がどの放送にデータ放送として関連付けられた権利情報であるかを識別することを可能とする仕組みを提供する。以降では、
図8を参照しながら、本実施形態に係る情報処理システム1cの概略的なシステム構成について、上述した実施形態とは異なる部分に着目して説明する。
図8は、本実施形態に係る情報処理システム1cの概略的なシステム構成を示した図である。
【0150】
本実施形態に係る管理サーバ70は、権利情報に対して当該権利情報を識別するための識別情報(以降では、「管理情報」と呼ぶ場合がある)を付加し、管理情報が付加された権利情報を放送局30に送信する。そして、管理サーバ70は、放送局30に対して、チャンネルc10を介して配信される放送に、当該権利情報をデータ放送として関連付けるように指示する。このとき、管理サーバ70は、例えば、異なる放送に関連付けられる権利情報には、それぞれ異なる管理情報を付加してもよい。この場合は、各放送にデータ放送として関連付けられた権利情報に対して、それぞれ異なる管理情報が付加されることとなる。
【0151】
管理サーバ70から指示を受けると、放送局30は、取得した権利情報をデータ放送として、管理サーバ70から指定された放送に関連付けて、当該放送及びデータ放送を領域n1内に配信する。なお、放送局30から配信された放送が情報処理装置10cに受信され、当該情報処理装置10cにより、受信された放送から権利情報が取得される仕組みについては、上述した第1の実施形態に係る情報処理システム1と同様のため詳細な説明は省略する。
【0152】
情報処理装置10cは、権利情報を取得した状態で、あらかじめ決められた認証デバイス42にアクセスすると、当該権利情報を入力情報として当該認証デバイス42との間で認証を行うことで、当該権利情報に対応する特典に関する特典情報を得る。
【0153】
認証デバイス42との認証に基づき特典情報を取得したら、情報処理装置10cは、認証に用いた権利情報に付加された管理情報を抽出し、抽出した管理情報を管理サーバ70に通知する。このような構成により、管理サーバ70は、情報処理装置10cから取得した管理情報に基づき、どの放送を視聴したユーザが特典情報を取得したかを認識することが可能となる。換言すると、本実施形態に係る情報処理システム1cに依れば、どの放送がスポット40への送客に貢献したかを定量的に測定でき、例えば、送客数に応じて該当する放送を配信した放送配信業者に対して課金を行うこと(即ち、アフィリエイト)が可能となる。
【0154】
なお、情報処理装置10cに替えて認証デバイス42側が、管理サーバ70への管理情報の通知を行ってもよい。この場合には、例えば、
図8に示すように、管理サーバ70と通信可能な認証デバイス管理サーバ44を設ければよい。認証デバイス42は、情報処理装置10cとの間で認証を行う際に情報処理装置10cから取得した権利情報から、当該権利情報に付加された管理情報を抽出し、認証デバイス管理サーバ44を介して抽出された管理情報を管理サーバ70に通知すればよい。
【0155】
また、管理サーバ70に、放送チャンネル起動デバイス32を識別するためのオブジェクト識別情報(以降では、「放送チャンネル起動デバイス32を示すオブジェクト識別情報」と呼ぶ場合がある)を通知できるようにしてもよい。この場合には、情報処理装置10cは、放送チャンネル起動デバイス32からチャンネル識別情報を取得した場合に、あわせて当該放送チャンネル起動デバイス32を示すオブジェクト識別情報を取得する。
【0156】
そして、情報処理装置10cは、チャンネル識別情報に基づきデータ放送として取得した権利情報から管理情報を抽出し、抽出した管理情報と放送チャンネル起動デバイス32から取得したオブジェクト識別情報とを関連付けて管理サーバ70に通知してもよい。このような構成とすることで、管理サーバ70は、管理情報が示す放送が、どの放送チャンネル起動デバイス32にアクセスすることで受信されたかを認識することが可能となる。
【0157】
また、他の一例として、管理サーバ70に、認証デバイス42を識別するためのオブジェクト識別情報(以降では、「認証デバイス42を示すオブジェクト識別情報」と呼ぶ場合がある)を通知できるようにしてもよい。この場合には、情報処理装置10cは、認証デバイス42との間で認証を行った場合に、あわせて当該認証デバイス42を示すオブジェクト識別情報を取得する。
【0158】
そして、情報処理装置10cは、認証に用いた権利情報から管理情報を抽出し、抽出した管理情報と認証デバイス42から取得したオブジェクト識別情報とを関連付けて管理サーバ70に通知してもよい。このような構成とすることで、管理サーバ70は、管理情報が示す放送に基づき、ユーザがどの認証デバイス42が設置されたスポット40に誘導されたかを認識することが可能となる。
【0159】
なお、放送チャンネル起動デバイス32及び認証デバイス42を特定する方法は、必ずしも上記に示した放送チャンネル起動デバイス32及び認証デバイス42それぞれに対応するオブジェクト識別情報に基づき特定する方法には限定されない。例えば、放送チャンネル起動デバイス32及び認証デバイス42のそれぞれにアクセスしたときに、情報処理装置10cは、自身の位置情報を取得し、取得した位置情報に基づき放送チャンネル起動デバイス32及び認証デバイス42を特定してもよい。なお、情報処理装置10cの位置情報は、例えば、情報処理装置10cにGPS(Global Positioning System)受信機を設けることで取得できる。なお、このことは、前述した第1実施形態及び第2の実施形態に係る各情報処理システムについても同様である。
【0160】
また、情報処理装置10cや認証デバイス42が認識できる他の情報が、管理サーバ70に通知されるように、情報処理装置10cまたは認証デバイス42を動作させてもよい。具体的な一例として、情報処理装置10cは、当該情報処理装置10cのユーザに関する情報(例えば、年齢、性別、家族構成等)を取得し、取得した情報を管理情報と関連付けて管理サーバ70に通知してもよい。このような構成とすることで、管理サーバ70は、管理情報が示す放送が、どのような顧客層に視聴されているかを認識することが可能となる。
【0161】
また、放送局30から配信された放送やデータ放送に含まれる制御情報が、管理サーバ70に通知されるように、情報処理装置10cまたは認証デバイス42を動作させてもよい。例えば、放送やデータ放送の配信元である放送局30を識別するための識別情報が管理サーバ70に通知されることで、管理サーバ70は、どの放送エリアで配信された放送がユーザに視聴されていたかを認識することが可能となる。
【0162】
以上のように、本実施形態に係る情報処理システム1cでは、管理サーバ70は、権利情報に当該権利情報を識別するための管理情報を付加し、管理情報が付加された権利情報をデータ放送として情報処理装置10cに配信する。そして、管理サーバ70は、情報処理装置10cから管理情報を取得することで、取得した管理情報に基づき、特典情報の取得に用いられた権利情報が、どの放送にデータ放送として関連付けられた権利情報であるかを識別する。このような構成により、管理サーバ70は、情報処理装置10cから取得した管理情報に基づき、どの放送を視聴したユーザが特典情報を取得したかを認識することが可能となる。
【0163】
[3.2.情報処理装置の構成]
次に、
図9を参照して、本実施形態に係る情報処理装置10cの構成について説明する。
図9は、本実施形態に係る情報処理装置10cの構成を示したブロック図である。本実施形態に係る情報処理装置10cは、履歴情報送信部120を備える点で、前述した第1の実施形態に係る情報処理装置10(
図2参照)と異なる。そこで、以降では、本実施形態に係る情報処理装置10cの構成について、第1の実施形態に係る情報処理装置10と異なる履歴情報送信部120に着目して説明し、その他の構成について詳細な説明は省略する。
【0164】
特典情報取得部112は、情報処理装置10cが認証デバイス42にアクセスした場合に、認証デバイス42との間で通信を確立する。認証デバイス42との通信が確立されたら、特典情報取得部112は、権利情報記憶部110から権利情報を読み出し、読み出した権利情報を、確立された通信を介して認証デバイス42に通知する。
【0165】
特典情報取得部112は、権利情報に対する応答として、認証デバイス42から特典情報を取得する。ここまでの動作は、前述した第1の実施形態に係る情報処理装置10と同様である。
【0166】
認証デバイス42から特典情報を取得したら(即ち、認証デバイス42との間における認証が完了したら)、特典情報取得部112は、特典情報の取得に用いた権利情報を履歴情報送信部120に出力する。
【0167】
履歴情報送信部120は、認証デバイス42から権利情報を取得する。履歴情報送信部120は、取得した権利情報に付加された管理情報を抽出し、抽出した管理情報を管理サーバ70に通知する。このような構成により、管理サーバ70は、履歴情報送信部120から取得した管理情報に基づき、どの放送を視聴したユーザが特典情報を取得したかを認識することが可能となる。
【0168】
なお、履歴情報送信部120は、権利情報に対応する、放送チャンネル起動デバイス32を示すオブジェクト識別情報や、認証デバイス42を示すオブジェクト識別情報を、管理サーバ70に通知できるようにしてもよい。
【0169】
例えば、放送チャンネル起動デバイス32を示すオブジェクト識別情報を管理サーバ70に通知する場合について以下に説明する。
【0170】
この場合には、チャンネル識別情報取得部106は、チャンネル識別情報の取得元である放送チャンネル起動デバイス32から、当該放送チャンネル起動デバイス32を示すオブジェクト識別情報を取得する。そして、チャンネル識別情報取得部106は、チャンネル識別情報に基づきデータ放送として受信した権利情報に、取得した放送チャンネル起動デバイス32を示すオブジェクト識別情報を関連付ければよい。
【0171】
これにより、履歴情報送信部120は、特典情報取得部112から当該権利情報を取得した場合に、取得した権利情報から、放送チャンネル起動デバイス32を示すオブジェクト識別情報を抽出することが可能となる。
【0172】
また、他の一例として、認証デバイス42を示すオブジェクト識別情報を管理サーバ70に通知する場合について以下に説明する。
【0173】
この場合には、特典情報取得部112は、認証を行った認証デバイス42から、当該認証デバイス42を示すオブジェクト識別情報を取得する。そして、特典情報取得部112は、認証に用いた権利情報に、取得した認証デバイス42を示すオブジェクト識別情報を関連付ければよい。
【0174】
これにより、履歴情報送信部120は、特典情報取得部112から当該権利情報を取得した場合に、取得した権利情報から、認証デバイス42を示すオブジェクト識別情報を抽出することが可能となる。
【0175】
なお、前述の通り、放送チャンネル起動デバイス32及び認証デバイス42のそれぞれにアクセスしたときに、情報処理装置10cは、自身の位置情報を取得し、取得した位置情報に基づき放送チャンネル起動デバイス32及び認証デバイス42を特定してもよい。例えば、
図10は、本実施形態に係る情報処理装置10cの他の一態様を示したブロック図であり、位置情報に基づき放送チャンネル起動デバイス32及び認証デバイス42を特定する情報処理装置10dの構成を示している。
【0176】
図10に示すように、情報処理装置10dは、位置情報取得部140を備えている。位置情報取得部140は、例えば、GPS受信機により構成すればよい。
【0177】
チャンネル識別情報取得部106は、放送チャンネル起動デバイス32にアクセスしたときに、位置情報取得部140から情報処理装置10dの位置情報を取得する。そして、チャンネル識別情報取得部106は、放送チャンネル起動デバイス32から取得した
チャンネル識別情報に基づきデータ放送として受信した権利情報に、位置情報取得部140から取得した位置情報を、放送チャンネル起動デバイス32の位置情報として関連付ける。
【0178】
これにより、履歴情報送信部120は、特典情報取得部112から当該権利情報を取得した場合に、取得した権利情報から、放送チャンネル起動デバイス32の位置情報を抽出し、抽出した放送チャンネル起動デバイス32の位置情報を管理サーバ70に通知することが可能となる。
【0179】
また、特典情報取得部112は、認証デバイス42にアクセスしたときに、位置情報取得部140から情報処理装置10dの位置情報を取得する。そして、特典情報取得部112は、認証に用いた権利情報に、位置情報取得部140から取得した位置情報を、認証デバイス42の位置情報として関連付ける。
【0180】
これにより、履歴情報送信部120は、特典情報取得部112から当該権利情報を取得した場合に、取得した権利情報から、認証デバイス42の位置情報を抽出し、抽出した認証デバイス42の位置情報を管理サーバ70に通知することが可能となる。
【0181】
[3.3.処理]
次に、
図11を参照して、本実施形態に係る情報処理システム1cの一連の動作の流れについて説明する。
図11は、本実施形態に係る情報処理システム1cの一連の処理の流れを示したシーケンス図である。なお、
図11におけるステップS104〜S116については、前述した第1の実施形態に係る情報処理システム1の場合(
図3参照)と同様のため、以降では、当該情報処理システム1と動作の異なる、ステップS132、S134a、及びS134bに着目して説明する。
【0182】
(ステップS132)
管理サーバ70は、権利情報に対して当該権利情報を識別するための管理情報を付加し、管理情報が付加された権利情報を放送局30に送信する。そして、管理サーバ70は、放送局30に対して、チャンネルc10を介して配信される放送に、当該権利情報をデータ放送として関連付けるように指示する。
【0183】
(ステップS104)
管理サーバ70から指示を受けると、放送局30は、取得した権利情報をデータ放送として、管理サーバ70から指定された放送に関連付けて、当該放送及びデータ放送を領域n1内に配信する。なお、ステップS104〜S116で示された処理は、前述した第1の実施形態に係る情報処理システム1の場合(
図3参照)と同様である。
【0184】
即ち、情報処理装置10cは、権利情報を取得した状態で、あらかじめ決められた認証デバイス42にアクセスすると、当該権利情報を入力情報として当該認証デバイス42との間で認証を行うことで、当該権利情報に対応する特典に関する特典情報を得る。
【0185】
特典情報取得部112は、情報処理装置10cが認証デバイス42にアクセスした場合に、認証デバイス42との間で通信を確立する。認証デバイス42との通信が確立されたら、特典情報取得部112は、権利情報記憶部110から権利情報を読み出し、読み出した権利情報を、確立された通信を介して認証デバイス42に通知する。
【0186】
特典情報取得部112は、権利情報に対する応答として、認証デバイス42から特典情報を取得する。ここまでの動作は、前述した第1の実施形態に係る情報処理装置10と同様である。
【0187】
(ステップS134a)
認証デバイス42から特典情報を取得したら(即ち、認証デバイス42との間における認証が完了したら)、特典情報取得部112は、特典情報の取得に用いた権利情報を履歴情報送信部120に出力する。
【0188】
履歴情報送信部120は、認証デバイス42から権利情報を取得する。履歴情報送信部120は、取得した権利情報に付加された管理情報を抽出し、抽出した管理情報を管理サーバ70に通知する。
【0189】
このような構成により、管理サーバ70は、情報処理装置10cから取得した管理情報に基づき、どの放送を視聴したユーザが特典情報を取得したかを認識することが可能となる。
【0190】
(ステップS134b)
なお、情報処理装置10cに替えて認証デバイス42側が、管理サーバ70への管理情報の通知を行ってもよい。この場合には、例えば、
図8に示すように、管理サーバ70と通信可能な認証デバイス管理サーバ44を設ければよい。認証デバイス42は、情報処理装置10cとの間で認証を行う際に情報処理装置10cから取得した権利情報から、当該権利情報に付加された管理情報を抽出し、認証デバイス管理サーバ44を介して抽出された管理情報を管理サーバ70に通知すればよい。
【0191】
[3.4.まとめ]
以上のように、本実施形態に係る情報処理システム1cでは、管理サーバ70は、権利情報に当該権利情報を識別するための管理情報を付加し、管理情報が付加された権利情報をデータ放送として情報処理装置10cに配信する。そして、管理サーバ70は、情報処理装置10cから管理情報を取得することで、取得した管理情報に基づき、特典情報の取得に用いられた権利情報が、どの放送にデータ放送として関連付けられた権利情報であるかを識別する。このような構成により、管理サーバ70は、情報処理装置10cから取得した管理情報に基づき、どの放送を視聴したユーザが特典情報を取得したかを認識することが可能となる。
【0192】
なお、上記では、第1の実施形態と同様に、認証デバイス42が情報処理装置10cに特典情報を配信する場合を例に説明したが、第2の実施形態と同様に、管理サーバ70が情報処理装置10cに特典情報を配信する態様に適用することも可能である。この場合には、例えば、情報処理装置10cは、特典情報を取得するために管理サーバ70にアクセスしたときに、管理情報を管理サーバ70に通知すればよい。
【0193】
<4.ハードウェア
構成>
上述した本開示の各実施形態に係る情報処理装置10による情報処理は、ソフトウェアと、情報処理装置10のハードウェアとの協働により実現される。以下に、
図12を参照しながら、情報処理装置10のハードウェア構成の一例について説明する。
図12は、情報処理装置10のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0194】
情報処理装置10は、例えば、第1の通信処理デバイス819と、GPSアンテナ821と、GPS処理デバイス823と、通信アンテナ825と、第2の通信処理デバイス827と、撮像デバイス837と、CPU(Central Processing Unit)839と、ROM(Read Only Memory)841と、RAM(Random Access Memory)843と、操作デバイス847と、表示デバイス849と、デコーダ851と、スピーカ853と、エンコーダ855と、マイク857と、記憶デバイス859とを有する。
【0195】
GPSアンテナ821は、測位衛星からの信号を受信するアンテナの一例である。GPSアンテナ821は、複数のGPS衛星からのGPS信号を受信することができ、受信したGPS信号をGPS処理デバイス823に入力する。
【0196】
GPS処理デバイス823は、測位衛星から受信された信号に基づいて位置情報を算出する算出部の一例である。GPS処理デバイス823は、GPSアンテナ821から入力された複数のGPS信号に基づいて現在の位置情報を算出し、算出した位置情報を出力する。具体的には、GPS処理デバイス823は、GPS衛星の軌道データからそれぞれのGPS衛星の位置を算出し、GPS信号の送信時刻と受信時刻との差分時間に基づいて、各GPS衛星から当該情報処理装置までの距離をそれぞれ算出する。そして、算出された各GPS衛星の位置と、各GPS衛星から当該情報処理装置までの距離とに基づいて、現在の3次元位置を算出することができる。なお、ここで用いられるGPS衛星の軌道データは、例えばGPS信号に含まれていてもよい。或いは、GPS衛星の軌道データは、通信アンテナ825を介して外部のサーバから取得されてもよい。
【0197】
第1の通信処理デバイス819は、情報処理装置10が、例えば、NFC方式を用いて通信を行うために設けられている。第1の通信処理デバイス819は、例えば、所定のインダクタンス及びキャパシタンスを有する共振回路、共振回路により受信された信号を復調する復調回路、及び搬送波を増幅して共振回路から送信させる送信回路を含む。非接触通信処理部835は、NFC方式を用いた通信により外部から取得した情報を記憶デバイス859に記憶させてもよい。なお、第1の通信処理デバイス819は、NFC方式の通信に限らず、音声、可視光、または赤外線を使用した通信を行えるように構成してもよい。
【0198】
通信アンテナ825は、例えば携帯通信網や無線LAN(Local Area Network)通信網を介して通信信号を受信する機能を有するアンテナである。通信アンテナ825は、受信した信号を第2の通信処理デバイス827に供給することができる。
【0199】
第2の通信処理デバイス827は、通信アンテナ825から供給された信号に各種の信号処理を行う機能を有する。第2の通信処理デバイス827は、供給されたアナログ信号から生成したデジタル信号をCPU839に供給することができる。なお、第1の通信処理デバイス819、第2の通信処理デバイス827
、及び通信アンテナ825を1チップで構成してもよい。
【0200】
撮像デバイス837は、CPU839の制御に従い、レンズを介して静止画像又は動画像を撮影する機能を有する。撮像デバイス837は、撮影した画像を記憶デバイス859に記憶させてもよい。また、撮像デバイス837により撮像することで、QRコードやバーコード等の特定のパターンを読み取り、読み取られたパターンから情報を復号してもよい。
【0201】
CPU839は、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置10内の動作全般を制御する。またCPU839は、マイクロプロセッサであってもよい。このCPU839は、各種プログラムに従って様々な機能を実現することができる。
【0202】
ROM841は、CPU839が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶することができる。RAM843は、CPU839の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶することができる。
【0203】
操作デバイス847は、ユーザが所望の操作をするための入力信号を生成する機能を有する。操作デバイス847は、例えばタッチセンサ、マウス、キーボード、ボタン、マイク、スイッチ及びレバーなどユーザが情報を入力するための入力部と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、CPU839に出力する入力制御回路などから構成されてよい。
【0204】
表示デバイス849は、出力装置の一例であり、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)装置、有機EL(OLED:Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ装置などの表示装置であってよい。表示デバイス849は、ユーザに対して画面を表示することにより情報を提供することができる。
【0205】
デコーダ851は、CPU839の制御に従い、入力されたデータのデコード及びアナログ変換などを行う機能を有する。デコーダ851は、例えば通信アンテナ825及び第2の通信処理デバイス827を介して入力された音声データのデコード及びアナログ変換などを行い、音声信号をスピーカ853に出力する。スピーカ853は、デコーダ851から供給される音声信号に基づいて音声を出力することができる。
【0206】
エンコーダ855は、CPU839の制御に従い、入力されたデータのデジタル変換及びエンコードなどを行う機能を有する。エンコーダ855は、マイク857から入力される音声信号のデジタル変換及びエンコードなどを行い、音声データを出力することができる。マイク857は、音声を集音し、音声信号として出力することができる。
【0207】
記憶デバイス859は、データ格納用の装置であり、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置、および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含むことができる。ここで記憶媒体としては、例えばフラッシュメモリ、MRAM(Magnetoresistive Random
Access
Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、PRAM(Phase change Random Access Memory)、及びEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)などの不揮発性メモリや、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記録媒体などが用いられてよい。
【0208】
また、コンピュータに内蔵されるCPU、ROM及びRAMなどのハードウェアを、上記した情報処理装置が有する構成と同等の機能を発揮させるためのプログラムも作成可能である。また、当該プログラムを記録した、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体も提供され得る。
【0209】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0210】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
放送を受信するためのチャンネル識別情報を第1のオブジェクトから取得するチャンネル識別情報取得部と、
前記チャンネル識別情報が示す前記放送に関連付けられた、特典を得るための権利情報を取得する権利情報取得部と、
前記第1のオブジェクトとは異なる所定の場所に設置された第2のオブジェクトとの間で通信を確立し、当該通信を介して前記権利情報に基づく認証に係る処理を実行し、当該認証の結果に基づく、前記特典を示す特典情報を取得する特典情報取得部と、
を備える、情報処理装置。
(2)
前記権利情報は、暗号化されており、
前記チャンネル識別情報取得部は、前記第1のオブジェクトから、前記権利情報を復号するための鍵情報を取得し、
前記権利情報取得部は、取得された前記鍵情報に基づき前記権利情報を復号する、前記(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記放送は、暗号化されており、
前記権利情報取得部は、前記鍵情報に基づき前記放送を復号する、前記(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記チャンネル識別情報は、前記放送を受信可能な領域内で取得される、前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(5)
前記権利情報に基づき前記特典の内容を通知する通知部を備える、前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(6)
前記チャンネル識別情報取得部は、前記第1のオブジェクトから、当該第1のオブジェクトを識別するためのオブジェクト識別情報を取得し、
前記特典情報取得部は、前記権利情報と前記オブジェクト識別情報とに基づく前記認証に係る処理を実行し、当該認証の結果に基づく前記特典情報を取得する、前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(7)
前記チャンネル識別情報を取得したときの自身の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部を備え、
前記特典情報取得部は、前記権利情報と前記位置情報とに基づく前記認証に係る処理を実行し、当該認証の結果に基づく前記特典情報を取得する、前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(8)
前記特典情報取得部は、前記通信を介して前記特典情報を取得する、前記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(9)
前記第2のオブジェクトと前記特典情報取得部との間の通信は、非接触通信である、前記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(10)
チャンネル識別情報取得部は、前記第1のオブジェクトとの間で通信を確立し、当該通信を介して前記チャンネル識別情報を取得する、前記(1)〜(9)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(11)
前記第1のオブジェクトと前記チャンネル識別情報取得部との間の通信は、非接触通信である、前記(10)に記載の情報処理装置。
(12)
前記特典情報取得部は、前記認証の結果を外部サーバに通知し、当該外部サーバから前記特典情報を取得する、前記(1)〜(11)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(13)
前記チャンネル識別情報の取得、前記放送の受信、及び前記認証のうち少なくともいずれかに関する履歴を、外部サーバに送信する履歴送信部を備える、前記(1)〜(12)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(14)
前記履歴は、前記放送に関連付けられた前記権利情報の利用状況を認識するために使用される、前記(13)に記載の情報処理装置。
(15)
前記チャンネル識別情報取得部は、異なる複数の前記第1のオブジェクトそれぞれから前記チャンネル識別情報を取得し、
前記権利情報取得部は、複数の前記第1のオブジェクトから取得した前記チャンネル識別情報それぞれが示す前記放送に関連付けられた、前記放送ごとの前記権利情報を取得し、
前記特典情報取得部は、前記放送ごとの前記権利情報それぞれについて前記認証に係る処理を実行し、実行された一連の前記認証の結果に基づく前記特典情報を取得する、前記(1)〜(14)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(16)
前記第2のオブジェクトが複数設置され、
前記特典情報取得部は、前記放送ごとの前記権利情報それぞれに対応する前記認証に係る処理を、複数の前記第2のオブジェクトのうち、それぞれ異なる前記第2のオブジェクトとの間の通信を介して実行する、前記(15)に記載の情報処理装置。
(17)
前記第2のオブジェクトが複数設置され、
前記特典情報取得部は、複数の前記第2のオブジェクトそれぞれとの間の前記認証の結果に基づく前記特典情報を取得する、前記(1)〜(14)のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(18)
放送を受信するためのチャンネル識別情報が記憶された第1のオブジェクトから、当該チャンネル識別情報を取得することと、
前記チャンネル識別情報に基づき受信された前記放送に関連付けられた、特典を得るための権利情報を取得することと、
前記第1のオブジェクトとは異なる所定の場所に設置された第2のオブジェクトとの間で通信を確立し、当該通信を介して前記権利情報に基づく認証に係る処理を実行し、当該認証の結果に基づく、前記特典を得るための特典情報を取得することと、
を含む、情報処理方法。
(19)
コンピュータに、
放送を受信するためのチャンネル識別情報が記憶された第1のオブジェクトから、当該チャンネル識別情報を取得する機能と、
前記チャンネル識別情報に基づき受信された前記放送に関連付けられた、特典を得るための権利情報を取得する機能と、
前記第1のオブジェクトとは異なる所定の場所に設置された第2のオブジェクトとの間で通信を確立し、当該通信を介して前記権利情報に基づく認証に係る処理を実行し、当該認証の結果に基づく、前記特典を得るための特典情報を取得する機能と、
を実行させるためのプログラム。