特許第6436124号(P6436124)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6436124
(24)【登録日】2018年11月22日
(45)【発行日】2018年12月12日
(54)【発明の名称】ハイブリッド自動車
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/50 20060101AFI20181203BHJP
   B60K 6/22 20071001ALI20181203BHJP
   B60K 6/445 20071001ALI20181203BHJP
   B60K 6/48 20071001ALI20181203BHJP
   B60W 10/00 20060101ALI20181203BHJP
   B60W 20/00 20160101ALI20181203BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20181203BHJP
   B60L 11/14 20060101ALI20181203BHJP
   B60L 3/00 20060101ALI20181203BHJP
   B60L 11/18 20060101ALI20181203BHJP
   B60Q 1/00 20060101ALI20181203BHJP
【FI】
   B60Q1/50 ZZHV
   B60K6/22
   B60K6/445
   B60K6/48
   B60W10/00 900
   B60W20/00
   B60R16/02 640K
   B60L11/14
   B60L3/00 S
   B60L11/18 C
   B60Q1/00 G
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-69248(P2016-69248)
(22)【出願日】2016年3月30日
(65)【公開番号】特開2017-178078(P2017-178078A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2017年6月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】特許業務法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石田 竜太
(72)【発明者】
【氏名】武内 博明
(72)【発明者】
【氏名】荒川 広明
(72)【発明者】
【氏名】市川 真士
(72)【発明者】
【氏名】橋元 慶太
(72)【発明者】
【氏名】木野村 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】魚谷 昭夫
(72)【発明者】
【氏名】香川 和之
(72)【発明者】
【氏名】木下 裕介
【審査官】 杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−023563(JP,A)
【文献】 特開2007−068358(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/50
B60K 6/22
B60K 6/445
B60K 6/48
B60L 3/00
B60L 11/14
B60L 11/18
B60Q 1/00
B60R 16/02
B60W 10/00
B60W 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、前記エンジンに燃料を供給する燃料タンクと、モータと、前記モータに電力を供給可能なバッテリと、外部電源からの電力を用いて前記バッテリを充電する外部充電が可能な充電器と、を備えるハイブリッド自動車であって、
乗車中に、所定期間内の前記外部充電の利用の程度を示す利用指標に関する情報を車外に報知する報知機構、
を備えるハイブリッド自動車。
【請求項2】
請求項1記載のハイブリッド自動車であって、
前記報知機構は、前記利用指標に関する情報の報知を、前記利用指標に応じた車両の一部の色の変更、前記利用指標の前記車両の一部への表示、前記利用指標に応じたメッセージの前記車両の一部への表示、前記利用指標に応じた前記車両の一部の形状の変更のうちの少なくとも1つによって行なう、
ハイブリッド自動車。
【請求項3】
請求項2記載のハイブリッド自動車であって、
前記報知機構は、前記利用指標に関する情報の報知を前記利用指標に応じた車両の一部の色の変更によって行なう際には、ヘッドランプの色の変更、バックランプの色の変更、ストップランプの色の変更、ターンシグナルランプの色の変更、アウタリヤビューミラーアッシーの色の変更、ドアアウトサイドハンドルアッシーの色の変更、ナンバープレートの文字の色の変更、ナンバーフレームの色の変更、エンブレムの色の変更、リッドの色の変更、バックドアガーニッシュアッシーの色の変更、バックドアネームプレートの文字の色の変更のうちの少なくとも1つによって行なう、
ハイブリッド自動車。
【請求項4】
請求項2または3記載のハイブリッド自動車であって、
前記報知機構は、前記利用指標に関する情報の報知を、前記利用指標の前記車両の一部への表示および/または前記利用指標に応じたメッセージの前記車両の一部への表示によって行なう際には、ナンバープレートへの表示、ナンバーフレームへの表示、車体本体への表示、ボンネットへの表示、ドアへの表示の少なくとも1つによって行なう、
ハイブリッド自動車。
【請求項5】
請求項2ないし4のいずれか1つの請求項に記載のハイブリッド自動車であって、
前記報知機構は、前記利用指標に関する情報の報知を前記利用指標に応じた前記車両の一部の形状の変更によって行なう際には、アンテナのボディ本体からの突出部の長さの変更によって行なう、
ハイブリッド自動車。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1つの請求項に記載のハイブリッド自動車であって、
前記報知機構は、前記利用指標に関する情報を前記車外に加えて車内にも報知する、
ハイブリッド自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド自動車に関し、詳しくは、充電器によるバッテリの充電と燃料タンクへの給油とを行なうハイブリッド自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のハイブリッド自動車としては、バッテリを外部充電してからの内燃機関による燃料使用量に応じたパラメータの変化が所定値に達したときに、電動機および内燃機関の出力の少なくとも一方を制限するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド自動車では、パラメータの変化が所定値に達したときに電動機および内燃機関の出力の少なくとも一方を制限することによってドライバに外部充電を促し、内燃機関に頼らない走行を促進して、緊急時には内燃機関によって走行できるという余裕を残しながら電気自動車が本来目的とする大気の汚染の抑制効果を十分に得ることができるものとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−19114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のハイブリッド自動車では、電動機および内燃機関の出力の少なくとも一方を制限するだけでは、外部充電の利用を促す効果が不十分な場合がある。例えば、いつも比較的低パワーで走行するように運転しているドライバーに対しては、電動機や内燃機関の出力制限は何ら意味を持たないものとなってしまう。
【0005】
本発明のハイブリッド自動車は、外部充電の利用の促進を図ることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のハイブリッド自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明のハイブリッド自動車は、
エンジンと、前記エンジンに燃料を供給する燃料タンクと、モータと、前記モータに電力を供給可能なバッテリと、外部電源からの電力を用いて前記バッテリを充電する外部充電が可能な充電器と、を備えるハイブリッド自動車であって、
所定期間内の前記外部充電の利用の程度を示す利用指標に関する情報を車外に報知する報知機構、
を備えることを要旨とする。
【0008】
この本発明のハイブリッド自動車では、所定期間内の外部充電の利用の程度を示す利用指標に関する情報を車外に報知する。これにより、利用指標に関する情報を車外から認識可能とすることができるから、車外からの認識(車外の人や車外システムなどの認識)によって、車両に対して優遇措置を行なったりペナルティを課したりしやすくすることができる。この結果、ユーザに外部充電の利用を促すことができ、外部充電の利用の促進を図ることができる。そして、環境負荷の低減を図ることができる。
【0009】
ここで、「所定期間」としては、1ヶ月や2ヶ月のような時間的に予め定められた期間や、20回のトリップの間や30回のトリップの間のような機会的に予め定められた期間などを用いることができる。
【0010】
「利用指標」は、所定期間内の外部充電の利用の程度を示すものであり、本明細書では大きいほど良好に外部充電が利用されている関係を示すものを用いる。例えば、以下の(1)〜(14)をそのまま利用指標として用いたり、(1)〜(14)のうちの1つまたは複数に基づいて演算して得られるものを利用指標として用いたりすることができる。
(1)充電回数のトリップ回数に対する比率(充電回数/トリップ回数)
(2)充電器を外部電源に接続している総時間のシステムオフして停車している総時間に対する比率(充電器接続総時間/停車総時間)
(3)EV走行の総距離のHV走行の総距離に対する比率(EV走行総距離/HV走行総距離)
(4)EV走行の総時間のHV走行の総時間に対する比率(EV走行総時間/HV走行総時間)
(5)EV走行の総距離の総走行距離に対する比率(EV走行総距離/総走行距離)
(6)EV走行の総時間の総走行時間に対する比率(EV走行総時間/総走行時間)
(7)充電器によるバッテリの充電の総充電量の燃料タンクへの総給油量に対する比率(総充電量/総給油量)
(8)外部電源からの電力によってバッテリに充電したエネルギの積算値の走行に消費したエネルギの積算値に対する比率(外部充電エネルギ積算値/走行消費エネルギ積算値)
(9)EV走行により消費したエネルギの積算値のHV走行により消費したエネルギの積算値に対する比率(EV走行エネルギ積算値/HV走行エネルギ積算値)
(10)充電器を外部電源に接続した総時間(充電器接続総時間)
(11)充電器によるバッテリの充電の総充電量
(12)走行した総走行距離の二酸化炭素の総排出量に対する比率(総走行距離/二酸化炭素総排出量)
(13)車両が外部充電が可能な状態であった充電機会の回数(機会回数)に対するその状態であったときに外部充電を行なった回数(機会内充電回数)の比率(機会内充電回数/機会回数)
(14)外部充電してからの内燃機関による燃料使用量の逆数(1/外部充電後燃料使用量)
【0011】
優遇措置やペナルティとしては、複数レーンの道路における優先レーンや専用レーンの利用の許否、有料道路の通行料金の多少、駐車場などの入場の許否、駐車場における優先駐車箇所や専用駐車箇所の利用の許否、充電ポイントでの外部充電の際の充電料金の多少などを挙げることができる。
【0012】
こうした本発明のハイブリッド自動車において、前記報知機構は、前記利用指標に関する情報の報知を、前記利用指標に応じた車両の一部の色の変更、前記利用指標の前記車両の一部への表示、前記利用指標に応じたメッセージの前記車両の一部への表示、前記利用指標に応じた前記車両の一部の形状の変更のうちの少なくとも1つによって行なう、ものとしてもよい。こうすれば、色の変更、利用指標やメッセージの表示、形状の変更によって利用指標に関する情報を車外から認識可能とすることができる。
【0013】
本発明のハイブリッド自動車において、前記報知機構は、前記利用指標に関する情報の報知を前記利用指標に応じた車両の一部の色の変更によって行なう際には、ヘッドランプの色の変更、バックランプの色の変更、ストップランプの色の変更、ターンシグナルランプの色の変更、アウタリヤビューミラーアッシーの色の変更、ドアアウトサイドハンドルアッシーの色の変更、ナンバープレートの文字の色の変更、ナンバーフレームの色の変更、エンブレムの色の変更、リッドの色の変更、バックドアガーニッシュアッシーの色の変更、バックドアネームプレートの文字の色の変更のうちの少なくとも1つによって行なう、ものとしてもよい。こうすれば、車両の各部の色の変更によって利用指標に関する情報を車外から認識可能とすることができる。
【0014】
本発明のハイブリッド自動車において、前記報知機構は、前記利用指標に関する情報の報知を、前記利用指標の前記車両の一部への表示および/または前記利用指標に応じたメッセージの前記車両の一部への表示によって行なう際には、ナンバープレートへの表示、ナンバーフレームへの表示、車体本体への表示、ボンネットへの表示、ドアへの表示の少なくとも1つによって行なう、ものとしてもよい。こうすれば、車両の各部への利用指標またはメッセージの表示によって利用指標に関する情報を車外から認識可能とすることができる。
【0015】
本発明のハイブリッド自動車において、前記報知機構は、前記利用指標に関する情報の報知を前記利用指標に応じた前記車両の一部の形状の変更によって行なう際には、アンテナのボディ本体からの突出部の長さの変更によって行なう、ものとしてもよい。こうすれば、アンテナのボディ本体からの突出部の長さの変更によって利用指標に関する情報を車外から認識可能とすることができる。
【0016】
本発明のハイブリッド自動車において、前記報知機構は、前記利用指標に関する情報を前記車外に加えて車内にも報知する、ものとしてもよい。こうすれば、利用指標に関する情報を車外から認識可能とするだけでなく、ドライバや同乗者にも認識可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。
図2】ハイブリッド自動車20の外観を示す外観図である。
図3】ハイブリッド自動車20の外観を示す外観図である。
図4】ハイブリッド自動車20の車内の様子を構成図である。
図5】HVECU70により実行される利用指標演算処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
図6】HVECU70により実行される報知処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
図7】ハイブリッド自動車20における利用指標IDXや利用指標IDXが低いことを示すメッセージを表示する部分を示す説明図である。
図8】ハイブリッド自動車20における利用指標IDXや利用指標IDXが低いことを示すメッセージを表示する部分を示す説明図である。
図9】変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0019】
図1は、本発明の実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、プラネタリギヤ30と、モータMG1,MG2と、インバータ41,42と、バッテリ50と、充電器60と、ナビゲーション装置90と、ハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「HVECU」という)70と、を備える。
【0020】
エンジン22は、燃料タンク25からのガソリンや軽油などを燃料として動力を出力する内燃機関として構成されている。このエンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)24によって運転制御されている。
【0021】
エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。エンジンECU24には、エンジン22を運転制御するのに必要な各種センサからの信号、例えばエンジン22のクランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ23からのクランク角θcrなどが入力ポートを介して入力されている。エンジンECU24からは、エンジン22を運転制御するための種々の制御信号が出力ポートを介して出力されている。エンジンECU24は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。なお、エンジンECU24は、クランクポジションセンサ23からのクランク角θcrに基づいてエンジン22の回転数Neを演算している。
【0022】
プラネタリギヤ30は、シングルピニオン式の遊星歯車機構として構成されている。プラネタリギヤ30のサンギヤには、モータMG1の回転子が接続されている。プラネタリギヤ30のリングギヤには、駆動輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37を介して連結された駆動軸36が接続されている。プラネタリギヤ30のキャリヤには、ダンパ28を介してエンジン22のクランクシャフト26が接続されている。
【0023】
モータMG1は、例えば同期発電電動機として構成されており、上述したように、回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されている。モータMG2は、例えば同期発電電動機として構成されており、回転子が駆動軸36に接続されている。インバータ41,42は、電力ライン54を介してバッテリ50と接続されている。モータMG1,MG2は、モータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40によって、インバータ41,42の図示しない複数のスイッチング素子がスイッチング制御されることにより、回転駆動される。
【0024】
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するのに必要な各種センサからの信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2などが入力ポートを介して入力されている。モータECU40からは、インバータ41,42の図示しない複数のスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。モータECU40は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2を演算している。
【0025】
バッテリ50は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されている。このバッテリ50は、上述したように、電力ライン54を介してインバータ41,42と接続されている。バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52によって管理されている。
【0026】
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,フラッシュメモリ,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な各種センサからの信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された電圧センサ51aからの電池電圧Vbや、バッテリ50の出力端子に取り付けられた電流センサ51bからの電池電流Ibなどが入力ポートを介して入力されている。バッテリECU52は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。バッテリECU52は、電流センサ51bからの電池電流Ibの積算値に基づいて蓄電割合SOCを演算している。蓄電割合SOCは、バッテリ50の全容量に対するバッテリ50から放電可能な電力の容量の割合である。
【0027】
充電器60は、電力ライン54に接続されており、電源プラグ61が自宅や充電ステーションなどの充電ポイントで家庭用電源や工業用電源などの外部電源69に接続されているときに、外部電源69からの電力を用いてバッテリ50を充電する外部充電を行なうことができるように構成されている。
【0028】
ナビゲーション装置90は、地図情報などが記憶されたハードディスクなどの記憶媒体や入出力ポート,通信ポートなどを有する制御部を内蔵する本体と、車両の現在位置に関する情報を受信するGPSアンテナと、車両の現在位置に関する情報や目的地までの走行ルートなどの各種情報を表示すると共に操作者による各種指示を入力可能なタッチパネル式のディスプレイと、を備える。ここで、地図情報には、サービス情報(例えば観光情報や駐車場、充電ステーションなど)や予め定められている走行区間(例えば信号機間や交差点間など)毎の道路情報などがデータベース化して記憶されており、道路情報には、距離情報や幅員情報,地域情報(市街地,郊外),種別情報(一般道路,高速道路),勾配情報,法定速度,信号機の数などが含まれる。また、サービス情報として、自宅駐車場や所望の地点を地点登録することができる。ナビゲーション装置90は、操作者により目的地が設定されたときには、地図情報と車両の現在位置と目的地とに基づいて車両の現在位置から目的地までの走行ルートを検索すると共に検索した走行ルートをディスプレイに出力してルート案内を行なう。このナビゲーション装置90は、走行ルートにおけるルート情報(例えば、目的地までの残距離Lnや目的地の方角Dnなど)も演算している。ナビゲーション装置90は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。
【0029】
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,フラッシュメモリ72,入出力ポート,通信ポートを備える。HVECU70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。HVECU70に入力される信号としては、例えば、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号や、シフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc、ブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP、車速センサ88からの車速Vなどを挙げることができる。また、燃料タンク25に取り付けられた燃料計25aからの燃料量Qfや、電源プラグ61に取り付けられて電源プラグ61が外部電源69に接続されているか否かを判定する接続スイッチ62からの接続信号SWCなども挙げることができる。HVECU70からは、各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。HVECU70から出力される信号としては、充電器60への制御信号などを挙げることができる。また、図2図3に示すように、ボディ本体95やボンネット96、ドア97、ヘッドランプ100、バックランプ101、ストップランプ102、ターンシグナルランプ103、アウタリヤビューミラーアッシー110、ドアアウトサイドハンドルアッシー111、ナンバープレート120、ナンバーフレーム121、マークのエンブレム122、文字のエンブレム123、充電リッド130、給油リッド(図示せず)、バックドアガーニッシュアッシー131、バックドアネームプレート132への表示制御信号,アンテナ170への形状変更制御信号なども挙げることができる。さらに、図4に示すように、ステアリングホイール150、インストルメントパネル151、コンビネーションメータ152への表示制御信号、インナーリヤビューミラーアッシー(図示せず)なども挙げることができる。HVECU70は、上述したように、エンジンECU24,モータECU40,バッテリECU52,ナビゲーション装置90と通信ポートを介して接続されている。HVECU70は、燃料タンク25に給油されたときには燃料計25aからの燃料量Qfに基づいて給油量を計算している。
【0030】
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20では、CD(Charge Depleting)モードまたはCS(Charge Sustaining)モードでハイブリッド走行(HV走行)または電動走行(EV走行)を行なう。ここで、CDモードは、CSモードに比してEV走行をより優先するモードである。HV走行は、エンジン22の運転を伴って走行するモードである。EV走行は、エンジン22の運転を伴わずに走行するモードである。
【0031】
実施例では、HVECU70は、自宅や充電ステーションなどの充電ポイントでシステムオフ(システム停止)して停車しているときに、電源プラグ61が外部電源69に接続されると、外部電源69からの電力を用いてバッテリ50が充電されるように充電器60を制御する。そして、システムオン(システム起動)したときにバッテリ50の蓄電割合SOCが閾値Shv1(例えば45%,50%,55%など)よりも大きいときには、バッテリ50の蓄電割合SOCが閾値Shv2(例えば25%,30%,35%など)以下に至るまでは、CDモードで走行し、バッテリ50の蓄電割合SOCが閾値Shv2以下に至った以降は、システムオフするまでCSモードで走行する。また、システムオンしたときにバッテリ50の蓄電割合SOCが閾値Shv1以下のときには、システムオフするまでCSモードで走行する。
【0032】
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、充電器60によるバッテリ50の充電(外部充電)の利用の程度を示す利用指標IDXが小さいとき、即ち外部充電の利用の程度が低いときの動作について説明する。図5は、HVECU70により実行される利用指標演算処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。図6は、HVECU70により実行される報知処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。以下、順に説明する。
【0033】
まず、図5の利用指標演算処理ルーチンについて説明する。このルーチンは、システムオン(システム起動)されたときや、システムオフ(システム停止)されたとき、外部電源69に電源プラグ61が接続されてバッテリ50の充電が完了したとき、燃料タンク25に給油が行なわれたときなどの予め定めた起動タイミングで実行される。以下では、本ルーチンがシステムオン(システム起動)されたときに実行された場合を想定して説明する。
【0034】
利用指標演算処理ルーチンが実行されると、HVECU70は、まず、予め定められた所定期間内における利用指標IDXを演算するのに必要な車両利用状況を反映するデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、「所定期間」としては、1ヶ月や2ヶ月のような時間的に予め定められた期間や、20回のトリップの間や30回のトリップの間のような機会的に予め定められた期間などを用いることができる。また、車両利用状況を反映するデータとしては、前回のトリップのシステムオフのタイミングから今回のトリップのシステムオンのタイミングまでのデータとして、充電器60によるバッテリ50の充電の有無(外部充電の有無)や、充電器60の電源プラグ61を外部電源69に接続していた充電時間(充電器接続時間)、充電器60によるバッテリ50の充電量を挙げることができる。また、給油量や、燃料量Qf、前回のトリップのシステムオフのタイミングから今回のトリップのシステムオンまでの停車時間、前回のトリップにおける走行距離、前回のトリップにおける走行時間を挙げることができる。更に、前回のトリップにおけるEV走行距離、前回のトリップにおけるEV走行時間、前回のトリップにおけるHV走行距離、前回のトリップにおけるHV走行時間を挙げることができる。また、前回のトリップにおけるEV走行により消費したエネルギ(EV走行エネルギ)、前回のトリップにおけるHV走行により消費したエネルギ(HV走行エネルギ)、蓄電割合SOC、車両の現在位置なども挙げることができる。
【0035】
こうして利用指標IDXを演算するのに必要なデータを入力すると、入力したデータを用いて利用指標IDXを演算すると共にHVECU70の図示しないRAMやフラッシュメモリ72に記憶し(ステップS110)、本ルーチンを終了する。実施例では、利用指標IDXは以下の(1)〜(14)のいずれかとして演算されたり、(1)〜(14)のうちの1つまたは複数に基づいて演算されたりする。なお、利用指標IDXは、大きいほど充電器60によるバッテリ50の充電(外部充電)の利用が良好に行なわれているものとして演算される。
【0036】
(1)充電回数のトリップ回数に対する比率(充電回数/トリップ回数)
充電回数は、所定期間内において外部充電の有無に基づいてカウントアップすることにより得ることができる。なお、外部充電の有無は、接続スイッチ62からの接続信号SWCによる電源プラグ61が外部電源69に接続されたか否かの判定やバッテリ50の蓄電割合SOCの増加の判定により行なうことができる。トリップ回数は、所定期間内においてシステムオンされる毎にカウントアップすることにより得ることができる。
(2)充電器60を外部電源69に接続している総時間のシステムオフして停車している総時間に対する比率(充電器接続総時間/停車総時間)
充電器接続総時間は、所定期間内において充電器60の電源プラグ61を外部電源69に接続していた充電時間を積算することにより得ることができる。停車総時間は、所定期間内の各トリップ間の停車時間を積算することにより得ることができる。
(3)EV走行の総距離のHV走行の総距離に対する比率(EV走行総距離/HV走行総距離)
EV走行総距離は、所定期間内の各トリップにおけるEV走行距離を積算することにより得ることができる。HV走行総距離は、所定期間内の各トリップにおけるEV走行距離を積算することにより得ることができる。
【0037】
(4)EV走行の総時間のHV走行の総時間に対する比率(EV走行総時間/HV走行総時間)
EV走行総時間は、所定期間内の各トリップにおけるEV走行時間を積算することにより得ることができる。HV走行総時間は、所定期間内の各トリップにおけるEV走行時間を積算することにより得ることができる。
(5)EV走行の総距離の総走行距離に対する比率(EV走行総距離/総走行距離)
総走行距離は、所定期間内の各トリップにおける走行距離を積算することにより行なわれる。
(6)EV走行の総時間の総走行時間に対する比率(EV走行総時間/総走行時間)
総走行時間は、所定期間内の各トリップにおける走行時間を積算することにより行なわれる。
【0038】
(7)充電器60によるバッテリ50の充電の総充電量の燃料タンク25への総給油量に対する比率(総充電量/総給油量)
総充電量は、所定期間内の外部充電による充電量を積算することにより得ることができる。総給油量は、所定期間内の給油量を積算することにより得ることができる。
(8)外部電源69からの電力によってバッテリ50に充電したエネルギの積算値の走行に消費したエネルギの積算値に対する比率(外部充電エネルギ積算値/走行消費エネルギ積算値)
外部充電エネルギ積算値は、所定期間内の外部充電による充電量の積算により得ることができる。走行消費エネルギ積算値は、EV走行エネルギの積算値とHV走行エネルギの積算値として得ることができる。なお、EV走行エネルギやHV走行エネルギはEV走行中やHV走行中に車重Mに車速Vを乗じたものを時間積分(∫M・Vdt)することにより得ることができる。車重Mは、車重センサにより計測したものを用いたり、勾配センサとモータMG2のトルクと加速度とから計算したものを用いたり、予め定めた値を用いたりすることができる。
(9)EV走行により消費したエネルギの積算値のHV走行により消費したエネルギの積算値に対する比率(EV走行エネルギ積算値/HV走行エネルギ積算値)
EV走行エネルギ積算値は、EV走行エネルギを積算することにより得ることができる。HV走行エネルギ積算値は、HV走行エネルギを積算することにより得ることができる。
【0039】
(10)充電器60を外部電源69に接続した総時間(充電器接続総時間)
充電器接続総時間は、所定期間内で充電器60を外部電源69に接続した時間を積算することにより得ることができる。
(11)充電器60によるバッテリ50の充電の総充電量
総充電量は、所定期間内の外部充電による充電量を積算することにより得ることができる。
(12)走行した総走行距離の二酸化炭素の総排出量に対する比率(総走行距離/二酸化炭素総排出量)
二酸化炭素総排出量は、総給油量に燃料用係数を乗じたものと総充電量に外部充電係数を乗じたものとの和として計算することができる。
【0040】
(13)車両が外部充電が可能な状態であった充電機会の回数(機会回数)に対するその状態であったときに外部充電を行なった回数(機会内充電回数)の比率(機会内充電回数/機会回数)
機会回数は、所定期間内に車両が自宅駐車場や充電ステーションに駐車した回数をカウントすることにより得ることができる。車両が自宅駐車場や充電ステーションに駐車しているか否かは、ナビゲーション装置90から車両の現在位置が自宅駐車場であるか否か或いは充電ステーションであるか否かの判定により行なうことができる。充電回数は、所定期間内に車両が自宅駐車場や充電ステーションに駐車して充電した回数をカウントすることにより得ることができる。
(14)外部充電してからの内燃機関による燃料使用量の逆数(1/外部充電後燃料使用量)
外部充電後燃料使用量は、外部充電を行なったときの燃料量Qfと給油量と現在の給油量Qfとによって計算することができる。
【0041】
次に、図6の報知処理ルーチンについて説明する。このルーチンは、システムオンされたとき(図5の利用指標演算処理ルーチンがシステムオン(システム起動)されたときに実行される場合にはその終了後)や、システムオフ(システム停止)されたときなどの予め定められたタイミングで実行される。
【0042】
報知処理ルーチンが実行されると、HVECU70は、利用指標IDXを入力し(ステップS200)、入力した利用指標IDXを閾値Irefと比較する(ステップS210)。ここで、閾値Irefは、外部充電の利用の程度が低い(外部充電の利用が良好に行なわれていない)と判断するための閾値として予め定められる。
【0043】
利用指標IDXが閾値Iref以上のときには、外部充電の利用の程度は低くないと判断し、本ルーチンを終了する。一方、利用指標IDXが閾値Iref未満のときには、外部充電の利用の程度が低いと判断し、そのことを示す低利用情報を車外に報知する処理を開始して(ステップS220)、本ルーチンを終了する。この低利用情報を車外に報知する処理は、システムオフのタイミングまで(トリップ中に亘って)行なったり、システムオフのタイミングから所定時間に亘って行なったりすることができる。
【0044】
実施例では、低利用情報を車外に報知する処理として、利用指標IDXが閾値Iref以上のとき(通常時)に対して、ヘッドランプ100の色(色温度)の変更、バックランプ101の色の変更、ストップランプ102の色の変更、ターンシグナルランプ103の色の変更、アウタリヤビューミラーアッシー110のミラーカバーの色の変更、ドアアウトサイドハンドルアッシー111の色の変更、ナンバープレート120の文字の色の変更、ナンバーフレーム121の色の変更、マークのエンブレム122の色の変更、文字のエンブレム123の色の変更、充電リッド130の色の変更、給油リッド(図示せず)の色の変更、バックドアガーニッシュアッシー131の色の変更、バックドアネームプレート132の文字の色の変更などのうちの1つまたは複数を行なうものとした。なお、車両の各部の色の変更は、法律等によって定められている範囲内で行なうのが好適である。
【0045】
ヘッドランプ100の色(色温度)の変更としては、例えば、利用指標IDXが閾値Iref以上のときには、白色(高温)とし、利用指標IDXが閾値Iref未満のときには、淡黄色(低温)とすることが考えられる。アウタリヤビューミラーアッシー110やドアアウトサイドハンドルアッシー111などの色の変更としては、例えば、利用指標IDXが閾値Iref以上のときには、ボディ本体95と同一色とし、利用指標IDXが閾値Iref未満のときには、利用指標IDXが閾値Irefよりも小さい閾値Iref2以上のときには、黄色とし、利用指標IDXが閾値Iref2未満のときには、赤色などの警告色とすることが考えられる。
【0046】
このように、利用指標IDXが小さい即ち外部充電の利用の程度が低いときに、低利用情報を車外に報知する処理を行なうことにより、外部充電の利用の程度が低いことを車外から認識(視認)可能とすることができる。これにより、車外からの認識(車外の人や車外システムなどの認識)によって、車両に対して優遇措置を行なったりペナルティを課したりしやすくすることができる。この結果、ユーザに外部充電の利用を促すことができ、外部充電の利用の促進を図ることができる。なお、優遇措置やペナルティとしては、複数レーンの道路における優先レーンや専用レーンの利用の許否、有料道路の通行料金の多少、駐車場などの入場の許否、駐車場における優先駐車箇所や専用駐車箇所の利用の許否、充電ポイントでの外部充電の際の充電料金の多少などを挙げることができる。
【0047】
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20では、外部充電の利用の程度を示す利用指標IDXが閾値Iref未満のときには、低利用情報を車外に報知する処理として、利用指標IDXが閾値Iref以上のとき(通常時)に対して、ヘッドランプ100など車両の各部の色を変更する。これにより、車外からの認識によって、車両に対して優遇措置を行なったりペナルティを課したりしやすくすることができる。この結果、ユーザに外部充電の利用を促すことができ、外部充電の利用の促進を図ることができる。そして、環境負荷の低減を図ることができる。
【0048】
実施例のハイブリッド自動車20では、利用指標IDXが閾値Iref未満のときには、利用指標IDXが閾値Iref以上のとき(通常時)に対して、ヘッドランプ100など車両の各部の色を変更するものとした。これに代えてまたは加えて、利用指標IDXの表示、メッセージの表示、車両の形状の変更、識別灯(図示せず)を備える場合における識別灯の点灯のうちの1つまたは複数を行なうものとしてもよい。なお、これらについても、実施例と同様に、法律等によって定められている範囲内で行なうのが好適である。
【0049】
利用指標IDXを表示する際には、例えば、利用指標IDXを小数値や百分率でボディ本体95(例えば図7の破線で囲んだ部分A)やボンネット96(例えば図7の破線で囲んだ部分B)、ドア97(例えば図7の破線で囲んだ部分C)、ナンバープレート120(例えば図8の破線で囲んだ部分D)、ナンバーフレーム121(例えば図7の破線で囲んだ部分E)などに表示することが考えられる。こうすれば、利用指標IDXの表示によって、外部充電の利用の程度が低いことを車外から認識(視認)可能とすることができる。
【0050】
利用指標にIDXに応じたメッセージを表示する際には、例えば、利用指標IDXが低いことを示すメッセージ(例えば、「外部充電の利用が良好ではありません。」、「外部充電が行なわれていません。」など)をボディ本体95(例えば図7の破線で囲んだ部分A)やボンネット96(例えば図7の破線で囲んだ部分B)、ドア97(例えば図7の破線で囲んだ部分C)などに表示することが考えられる。こうすれば、メッセージの表示によって、外部充電の利用の程度が低いことを車外から認識(視認)可能とすることができる。
【0051】
利用指標IDXに応じた車両の形状の変更を行なう際には、例えば、アンテナ170のボディ本体95からの突出部の長さを変更することなどが考えられる。こうすれば、アンテナ170のボディ本体95からの突出部の長さによって、外部充電の利用の程度が低いことを車外から認識(視認)可能とすることができる。
【0052】
実施例のハイブリッド自動車20では、利用指標IDXが閾値Iref未満のときには、外部充電の利用の程度が低いことを示す低利用情報を車外に報知し、利用指標IDXが閾値Iref以上のときには、低利用情報を車外に報知しない(特に何もしない)ものとした。しかし、利用指標IDXが閾値Iref以上のときには、外部充電の利用の程度が高いことを示す高利用情報を車外に報知し、利用指標IDXが閾値Iref未満のときには、高利用情報を車外に報知しない(特に何もしない)ものとしてもよい。即ち、利用指標IDXに応じた情報を車外に報知する(利用指標IDXに関する情報を車外から認識可能とする)ものであればよいのである。なお、高利用情報を車外に報知する処理は、システムオフのタイミングまで(トリップ中に亘って)行なったり、システムオフのタイミングから所定時間に亘って行なったりすることができる。
【0053】
実施例や変形例のハイブリッド自動車20では、低利用情報や高利用情報を車外に報知する処理を、システムオフのタイミングまで(トリップ中に亘って)行なったり、システムオフのタイミングから所定時間に亘って行なったりするものとした。しかし、トリップ中のうち複数レーンの道路における優先レーンや専用レーンを利用しているときにだけ低利用情報や高利用情報を車外に報知する処理を行なったり、利用指標IDXが閾値Irefと同一またはそれよりも大きい閾値Iref2以上での外部充電中に高利用情報を車外に報知する処理を行なったり、外部電源69からの電力として二酸化炭素の排出量が比較的多く且つ電力コストが比較的低い電力を用いた外部充電中に低利用情報や高利用情報を車外に報知する処理を行なったりするものとしてもよい。
【0054】
実施例のハイブリッド自動車20では、利用指標IDXが閾値Iref未満のときには、外部充電の利用の程度が低いことを車外に報知するものとした。しかし、これに加えて、外部充電の利用の程度が低いことを車内にも報知するものとしてもよい。外部充電の利用の程度が低いことを車内に報知する際には、例えば、ステアリングホイール150の色の変更、ステアリングホイール150に設けられたエンブレムやスイッチの色の変更、インストルメントパネル151の色の変更、コンビネーションメータ152への利用指標IDXの表示、ナビゲーション装置90のディスプレイへの利用指標IDXの表示、インナーリヤビューミラーアッシー(図示せず)のミラーへの利用指標IDXの表示などのうちの1つまたは複数を行なうことが考えられる。こうすれば、外部充電の利用の程度が低いことを車外から認識(視認)可能とするだけでなく、ドライバや同乗者にも認識可能とすることができる。
【0055】
実施例のハイブリッド自動車20では、電源プラグ61を外部電源69に接続してバッテリ50を充電する充電器60を備えるものとしたが、外部電源69からの電力を非接触で受電してバッテリ50を充電する充電器を備えるものとしてもよい。
【0056】
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22とモータMG1と駆動軸36とがプラネタリギヤ30に接続されると共に駆動軸36にモータMG2が接続されるものとした。図9の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、駆動輪38a,38bに接続された駆動軸36に変速機230を介してモータMGを接続すると共にモータMGの回転軸にクラッチ229を介してエンジン22を接続する構成とし、エンジン22からの動力をモータMGの回転軸と変速機230とを介して駆動軸36に出力すると共にモータMGからの動力を変速機230を介して駆動軸に出力するものとしてもよい。また、いわゆるシリーズハイブリッド自動車の構成としてもよい。即ち、エンジンとモータとバッテリと外部電源に接続してバッテリを充電する充電器とを備えるハイブリッド自動車であれば如何なる構成としてもよい。
【0057】
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「エンジン」に相当し、燃料タンク25が「燃料タンク」に相当し、モータMG2が「モータ」に相当し、バッテリ50が「バッテリ」に相当し、充電器60が「充電器」に相当し、図5の利用指標演算処理ルーチンおよび図6の報知処理ルーチンを実行するHVECU70と、ヘッドランプ100などと、が「報知機構」に相当する。
【0058】
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0059】
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、ハイブリッド自動車の製造産業などに利用可能である。
【符号の説明】
【0061】
20,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、23 クランクポジションセンサ、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、25 燃料タンク、25a 燃料計、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、37 デファレンシャルギヤ、38a,38b 駆動輪、39a,39b 車輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51a 電圧センサ、51b 電流センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 充電器、61 電源プラグ、62 接続スイッチ、69 外部電源、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU)、72 フラッシュメモリ、80 イグニッションスイッチ、82 シフトポジションセンサ、84 アクセルペダルポジションセンサ、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、90 ナビゲーション装置、95 ボディ本体、96 ボンネット、97 ドア、100 ヘッドランプ、101 バックランプ、102 ストップランプ、103 ターンシグナルランプ、110 アウタリヤビューミラーアッシー、111 ドアアウトサイドハンドルアッシー、120 ナンバープレート、121 ナンバーフレーム、122,123 エンブレム、130 充電リッド、131 バックドアガーニッシュアッシー、132 バックドアネームプレート、150 ステアリングホイール、151 インストルメントパネル、152 コンビネーションメータ、170 アンテナ、229 クラッチ、230 変速機、MG,MG1,MG2 モータ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9