(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6436698
(24)【登録日】2018年11月22日
(45)【発行日】2018年12月12日
(54)【発明の名称】薄型テレビ受像器及び機器の収納構造
(51)【国際特許分類】
A47B 81/06 20060101AFI20181203BHJP
A47B 97/00 20060101ALI20181203BHJP
【FI】
A47B81/06 D
A47B97/00 M
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-191108(P2014-191108)
(22)【出願日】2014年9月19日
(65)【公開番号】特開2016-59672(P2016-59672A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2017年6月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000413
【氏名又は名称】永大産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104640
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 陽一
(72)【発明者】
【氏名】山本 尚武
(72)【発明者】
【氏名】藤井 寛子
【審査官】
金高 敏康
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−041917(JP,A)
【文献】
特開2009−097280(JP,A)
【文献】
特開2010−193943(JP,A)
【文献】
特開2006−174955(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 81/06
A47B 97/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源コードを有する、薄型テレビ受像器及び機器の収納構造であって、
機器が収容されるキャビネットと、
壁面から所定間隔を開けた状態で前記キャビネットの後部上面から立ち上がる、前面に薄型テレビ受像器が取り付けられるバックパネルと
を備え、
前記バックパネルには、その下端部に開口が形成されていると共に、その開口を閉塞する蓋部材が着脱自在に設けられており、
前記壁面には、前記バックパネルの開口に対応する部分にコンセントが配設されており、
前記バックパネルには、取り付けた薄型テレビ受像器の下端縁よりも上側に配線穴が形成されていると共に、
前記キャビネットの上面には、前記バックパネルの後方側で、前記バックパネルの開口に近接する位置に配線穴が形成されており、
前記バックパネルに取り付けた薄型テレビ受像器の電源コードが前記バックパネルに形成された配線穴から壁面側に引き出されると共に、前記キャビネットに収容された機器の電源コードが前記キャビネットの上面に形成された配線穴から前記バックパネルと壁面との間に引き出されて、前記バックパネルに形成された配線穴と、前記キャビネットの上面に形成された配線穴との間に位置している前記バックパネルの開口部分でコンセントに接続されていることを特徴とする薄型テレビ受像器及び機器の収納構造。
【請求項2】
前記バックパネルには、前記蓋部材を着脱するための手掛穴が形成されており、その手掛穴が前記配線穴として使用される請求項1に記載の薄型テレビ受像器及び機器の収納構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、テレビ受像器やDVDレコーダー、ブルーレイレコーダー等のオーディオビジュアル機器を収納する収納
構造に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の収納
構造としては、例えば、
図6に示すようなものがある。この収納
構造50は、同図に示すように、DVDレコーダ等の機器mを収容する下部収納部51と、この下部収納部51の後部上面から立ち上がる、テレビ受像器tを収納する上部収納部52とを備えており、下部収納部51に対応する部分にコンセントCが配設されている。
【0003】
前記下部収納部51には、その背面に下部収納部51に収納される機器mの電源コードやアンテナ線を通すための配線穴h1が形成されていると共に、下部収納部51に収納される機器mと上部収納部52に収納されるテレビ受像器tとを接続する接続配線やテレビ受像器tの電源コード等を通すための配線穴h2が上面の後部に形成されている。
【0004】
従って、上部収納部52に収納されるテレビ受像器tの電源コードについては、下部収納部51の上面の後部に形成されている配線穴h2から下部収納部51と壁面との間に引き出すと共に、下部収納部51に収納される機器mの電源コードやアンテナ線については、下部収納部51の背面に形成されている配線穴h1から壁面側に引き出して、コンセントCに接続することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−275834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、上述したような収納
構造50の場合、下部収納部51からDVDレコーダ等の機器mを一旦引き出した状態で、電源コードやアンテナ線をコンセントCに接続しなければならず、配線作業が面倒であるといった問題がある。
【0007】
そこで、この発明の課題は、収納するオーディオビジュアル機器の配線作業性に優れた収納
構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、
電源コードを有する、薄型テレビ受像器及び機器の収納構造であって、機器
が収容
されるキャビネットと、壁面から所定間隔を開けた状態で前記キャビネットの後部上面から立ち上がる、前面に薄型テレビ受像器が取り付け
られるバックパネルとを備え、前記バックパネルには、
その下端部に開口
が形成
されていると共に、その開口を閉塞する蓋部材
が着脱自在に設け
られており、前記壁面には、前記バックパネルの
開口に対応する
部分にコンセント
が配設
されており、前記バックパネルには、取り付けた薄型テレビ受像器の下端縁よりも上側に配線穴
が形成
されていると共に、前記キャビネットの上面には、前記バックパネルの後方側
で、前記バックパネルの開口に近接する位置に配線穴
が形成
されており、前記バックパネルに取り付けた薄型テレビ受像器の電源コードが前記バックパネルに形成された配線穴から壁面側に引き出されると共に、前記キャビネットに収容された機器の電源コードが前記キャビネットの上面に形成された配線穴から前記バックパネルと壁面との間に引き出されて、前記バックパネルに形成された配線穴と、前記キャビネットの上面に形成された配線穴との間に位置している前記バックパネルの開口部分でコンセントに接続されていることを特徴とする
薄型テレビ受像器及び機器の収納
構造を提供するものである。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の収納
構造において、前記バックパネルには、前記蓋部材を着脱するための手掛穴
が形成
されており、その手掛穴
が前記配線穴として使用
されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、請求項1に係る発明の収納
構造では、バックパネルには、
その下端部に開口
が形成
されていると共に、その開口を閉塞する蓋部材
が着脱自在に設け
られており、壁面には、バックパネルの
開口に対応する
部分にコンセント
が配設
されており、バックパネルには、取り付けた薄型テレビ受像器の下端縁よりも上側に配線穴
が形成
されていると共に、キャビネットの上面には、バックパネルの後方側
で、バックパネルの開口に近接する位置に配線穴
が形成
されており、バックパネルに取り付けた薄型テレビ受像器の電源コードがバックパネルに形成された配線穴から壁面側に引き出されると共に、キャビネットに収容された機器の電源コードが前記キャビネットの上面に形成された配線穴からバックパネルと壁面との間に引き出されて、バックパネルに形成された配線穴と、キャビネットの上面に形成された配線穴との間に位置しているバックパネルの開口部分でコンセントに接続されているので、従来の収納ユニットとは異なり、キャビネットに収納された機器をキャビネットから引き出すことなく、バックパネルの蓋部材を取り外すだけで、開口部分にコンセントが露出し、バックパネルに形成された配線穴から壁面側に引き出された薄型テレビ受像器の電源コードやキャビネットの上面に形成された配線穴からバックパネルと壁面との間に引き出された機器の電源コードを、簡単にコンセントに接続することができる。また、電源コードをコンセントに接続した後は、蓋部材によって開口を閉塞することによって、正面から配線を全く視認することができない状態となる。
さらに、キャビネットの上面には、バックパネルの後方側で、バックパネルの開口に近接する位置に配線穴が形成されているので、キャビネットの配線穴から機器の電源コードを引き出すと、その電源コードがコンセントの付近に位置しており、コンセントに容易に接続することができる。
【0011】
特に、請求項2に係る発明の収納
構造は、バックパネルに、蓋部材を着脱するための手掛穴を形成し、その手掛穴を配線穴として使用したので、別途配線穴を形成する必要が無く、しかも、蓋部材を取り外した状態では、開口と手掛穴が一体となって一つの開口となるので、配線作業性がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】この発明に係る収納ユニットの一実施形態を示す平面図である。
【
図4】(a)は同上の収納ユニットを構成しているバックパネルの開口部分を示す部分拡大正面図、(b)は同上の開口を閉塞する蓋部材を示す拡大正面図である。
【
図5】同上のバックパネルの開口部分を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
図1〜
図5は、オーディオビジュアル機器を収納する、壁取り付けタイプの収納ユニットを示している。この収納ユニット1は、同図に示すように、DVDレコーダーやブルーレイレコーダー等の機器Mを収納する、壁面Wに固定設置されたキャビネット10と、壁面Wから所定間隔を開けた状態でキャビネット10の後部上面から立ち上がる、前面に薄型テレビ受像器Tを取り付けるバックパネル20とを備えており、バックパネル20はキャビネット10の上面に載置した状態で、枠状のパネル受けユニット30を介して、壁面Wに固定されている。なお、薄型テレビ受像器Tは、取付金具MBを介して、バックパネル20の前面に取り付けられるようになっている。
【0014】
前記キャビネット10は、天板11、底板12、両側板13、13、左右一対の仕切板14、14及び背板15によってボックス状に構成されており、幅方向の中央部に配置された機器収納部10Aと、この機器収納部10Aの両側に配設された引出収納部10B、10Bとを備えている。
【0015】
機器収納部10Aは、前面が開放された状態で、天板11、底板12、背板15及び左右一対の仕切板14、14によって収納空間が区画されており、棚板16によって上下2段に機器M等を収納することができるようになっている。
【0016】
前記キャビネット10を構成している天板11におけるバックパネル20と壁面Wとの間には、機器収容部10Aに対応する領域に配線穴11aが形成されており、機器収容部10Aに収納した機器に接続するための種々の配線及びアンテナ線及び電源コード等をバックパネル20と壁面Wとの間に引き出すことができるようになっている。
【0017】
前記バックパネル20には、幅方向の中央部における下端部に横長の略長方形状の開口21が形成されており、この開口21の上部を手掛穴HHとして使用することができるように、その手掛穴HHに対応する部分の下側を閉塞可能な蓋部材23が開口21に着脱自在に取り付けられている。なお、開口21に蓋部材23を取り付けることによって形成される手掛穴HHは、バックパネル20に取り付ける薄型テレビ受像器Tの下端より上側に位置しており、バックパネル20に薄型テレビ受像器Tを取り付けた状態では、正面から視認することができないようになっている。
【0018】
前記バックパネル20の裏面側には、
図4(a)に示すように、開口21を形成している両側縁における蓋部材23によって閉塞される領域の上下2箇所に、開口21内に張り出す磁性体によって形成された金具22が取り付けられていると共に、蓋部材23の裏面には、同図(b)に示すように、各金具22に対応する位置にマグネット24が埋設されており、マグネット24が磁気吸引力によって金具22に吸着することで、開口21を閉塞した状態に蓋部材23を保持することができ、手掛穴HHに指を掛けて手前に引っ張ることで蓋部材23を容易に取り外すことができるようになっている。
【0019】
なお、壁面Wにおけるバックパネル20の開口21に対応する部分には、
図4(a)に示すように、予め、マルチメディアコンセントMCが取り付けられており、開口21から蓋部材23を取り外すと、壁面Wに取り付けられたマルチメディアコンセントMCが露出するようになっている。
【0020】
以上のように構成された収納ユニット1におけるキャビネット10の機器収納部10Aに収納した機器Mやバックパネル20の前面に取り付けた薄型テレビ受像器T等の配線を行う場合、まず、バックパネル20から蓋部材23を取り外し、バックパネル20に取り付けた薄型テレビ受像器Tの電源コードやLANケーブル等については、開口21部分にマルチメディアコンセントMCが露出しているので、開口21を通してマルチメディアコンセントMCに接続する。また、キャビネット10の機器収納部10Aに収納した機器Mの電源コード、LANケーブルやアンテナ線等については、キャビネット10の天板11に形成された配線穴11aからバックパネル20と壁面Wとの間に引き出すと、それらの配線がマルチメディアコンセントMCの付近に位置しているので、マルチメディアコンセントMCに容易に接続することができる。
【0021】
このようにして、マルチメディアコンセントMCに対する機器配線の接続作業が完了すると、蓋部材23によって開口21を閉塞するが、このとき、薄型テレビ受像器Tに接続される配線や薄型テレビ受像器Tの電源線等については、
図5に示すように、開口21に蓋部材23を取り付けることによって蓋部材23の上側に形成される手掛穴HH部分を通すことで、手掛穴HHを配線穴として使用することになるので、バックパネル20に別途配線穴を形成する必要がない。
【0022】
以上のように、この収納ユニット1では、従来の収納ユニットとは異なり、キャビネット10に収納した機器Mをキャビネット10から引き出すことなく、常に目線の高さでマルチメディアコンセントMCへの接続作業を行うことができるので、機器配線の接続作業性に優れていると共に、配線した後は、正面から目障りな配線を全く視認することができない状態となるので、体裁も良い。
【0023】
なお、上述した実施形態では、手掛穴HHを配線穴として使用しているが、これに限定されるものではなく、手掛穴HHの上側に別途配線穴を形成してもよい。
【0024】
また、上述した実施形態では、バックパネル20に薄型テレビ受像器Tを取り付けるようになっているが、これに限定されるものではなく、例えば、薄型テレビ受像器を取り付けるバックパネルの両側縁及び上縁から前方側に張り出す天板や側板が連設されていてもよく、バックパネルに取り付けた薄型テレビ受像器の上方側に物品等を載置する棚部が形成されていてもよい。
【0025】
また、上述した実施形態では、壁面WにマルチメデイアコンセントMCを取り付けているが、これに限定されるものではなく、通常のコンセントやアンテナ線接続コンセントを個別に取り付けてもよい。
【0026】
また、上述した実施形態では、壁取り付けタイプの収納ユニットについて説明したが、これに限定されるものではなく、床置きタイプの収納ユニットについても本発明を適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明の収納
構造は、オーディオビジュアル機器を収納する場合に利用することができる。
【符号の説明】
【0028】
1 収納ユニット
10 キャビネット
10A 機器収納部
10B 引出収納部
11 天板
11a 配線穴
12 底板
13 側板
14 仕切板
15 背板
16 棚板
20 バックパネル
21 開口
22 金具
23 蓋部材
24 マグネット
30 パネル受けユニット
HH 手掛穴
M 機器
T 薄型テレビ受像器
MB 取付金具
MC マルチメディアコンセント
W 壁面