特許第6436723号(P6436723)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6436723
(24)【登録日】2018年11月22日
(45)【発行日】2018年12月12日
(54)【発明の名称】画像加熱装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20181203BHJP
【FI】
   G03G15/20 510
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-224069(P2014-224069)
(22)【出願日】2014年11月4日
(65)【公開番号】特開2016-90764(P2016-90764A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086818
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】八代 亮
【審査官】 飯野 修司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−191348(JP,A)
【文献】 特開2014−178610(JP,A)
【文献】 特開2006−267420(JP,A)
【文献】 特開2010−032973(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0030362(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー像を担持したシートをニップ部で挟持搬送してトナー像を加熱する画像加熱装置であって、
筒状の第1の回転体と、
前記第1の回転体の内側に固設された筒状の金属部材と、
前記金属部材の内側に固設された発熱体と、
前記金属部材の内側に固設され、前記発熱体からの輻射熱を前記金属部材の内面に向けて反射する反射部材と、
前記第1の回転体の内面に摺接するように固設された摺接部材と、
前記第1の回転体を介して前記摺接部材と当接して前記第1の回転体との間に前記ニップ部を形成する第2の回転体と、を有し、
前記金属部材は長手に沿って長いスリット開口部によって形成されている切り欠き領域を有し、前記反射部材は前記発熱体からの輻射熱を前記切り欠き領域に向けて反射するように設置されていることを特徴とする画像加熱装置。
【請求項2】
前記スリット開口部は前記金属部材の長手両端部方向に向かうにしたがって開口幅が小さくなることを特徴とする請求項に記載の画像加熱装置。
【請求項3】
トナー像を担持したシートをニップ部で挟持搬送してトナー像を加熱する画像加熱装置であって、
筒状の第1の回転体と、
前記第1の回転体の内側に固設された筒状の金属部材と、
前記金属部材の内側に固設された発熱体と、
前記金属部材の内側に固設され、前記発熱体からの輻射熱を前記金属部材の内面に向けて反射する反射部材と、
前記第1の回転体の内面に摺接するように固設された摺接部材と、
前記第1の回転体を介して前記摺接部材と当接して前記第1の回転体との間に前記ニップ部を形成する第2の回転体と、を有し、
前記金属部材は長手に沿って分布した複数の貫通穴の集合によって形成されている切り欠き領域を有し、前記複数の貫通穴の分布個数は前記金属部材の長手両端部方向に向かうにしたがって少なくなり、前記反射部材は前記発熱体からの輻射熱を前記切り欠き領域に向けて反射するように設置されていることを特徴とする画像加熱装置。
【請求項4】
前記切り欠き領域の金属部材周方向における範囲が前記反射部材の横断面における反射角度の両端部の延長線上が前記金属部材と交わる位置までの範囲であるとすることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の画像加熱装置。
【請求項5】
前記第1の回転体が可撓性を有する無端ベルトであることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の画像加熱装置。
【請求項6】
前記第2の回転体が駆動されることを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載の画像加熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式などの複写機、プリンタ、ファックス、それらの複合機等の画像形成装置に搭載される定着装置として用いれば好適な画像加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
記録媒体としてのシート(以下、用紙と記す)に担持された未定着のトナー像を固着像として加熱定着させる定着装置は各種方式のものが知られている。
【0003】
特許文献1、2には、ウォームアップ時間が短いオンデマンド方式のハロゲン定着装置が開示されている。この定着装置は、定着部材としての無端状の定着ベルト、定着ベルトの内周面の一部又は全部に対向するように固設された略円筒状の金属部材(対向部材)、金属部材を加熱するために金属部材に内設されたハロゲンヒーター(加熱手段)を有する。また、定着ベルトに圧接してニップ部を形成する加圧回転体としての加圧ローラを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−158482号公報
【特許文献2】特開2007−334205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような定着装置の長所として、定着ベルトの低熱容量化によるウォームアップ時間の短縮が挙げられる。しかしながら、装置に使用可能な最大幅サイズの用紙よりも幅が小さい小サイズ用紙(小サイズシート)を連続的に通紙(導入)した場合にいわゆる非通紙部昇温(端部昇温)が発生する(課題1)。即ち、定着ベルト長手において用紙が通過しない非通紙部領域においては、用紙の加熱によって熱が消費されず、熱が蓄積されてしまう。そのために、非通紙部領域の温度が、所定温度に維持管理されている通紙部よりも昇温していく。
【0006】
この課題に対し、特開2010−032973号公報に記載の、熱源にハロゲンヒーターを用いる定着装置においては、ハロゲンヒーターの点灯比率を長手中央部と端部で変えるといった技術が公知である。しかし、この技術は用紙サイズに対し応答性が良くないという課題がある(課題2)。
【0007】
特許文献1、2の定着装置は、ハロゲンヒーターからの輻射熱が金属部材を介して定着ベルトを加熱する。そのため定着ベルトをヒーターで直接加熱する方式の定着装置との対比においてはウォームアップ時間が長くなるという課題がある(課題3)。
【0008】
本発明の目的は、従来技術の課題を解決し、単純な構成で端部昇温を抑制できる画像加熱装置を提案することにある。また、加熱待機時からのファーストプリントタイムを短縮することができる画像加熱装置を提案することにある。また、高速回転時の熱量不足を解消して、高生産の画像形成装置に搭載されても、良好な定着性を得ることができる画像加熱装置を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明に係る画像加熱装置の代表的な構成は、
トナー像を担持したシートをニップ部で挟持搬送してトナー像を加熱する画像加熱装置であって、
筒状の第1の回転体と、
前記第1の回転体の内側に固設された筒状の金属部材と、
前記金属部材の内側に固設された発熱体と、
前記金属部材の内側に固設され、前記発熱体からの輻射熱を前記金属部材の内面に向けて反射する反射部材と、
前記第1の回転体の内面に摺接するように固設された摺接部材と、
前記第1の回転体を介して前記摺接部材と当接して前記第1の回転体との間に前記ニップ部を形成する第2の回転体と、を有し、
前記金属部材は長手に沿って長いスリット開口部によって形成されている切り欠き領域を有し、前記反射部材は前記発熱体からの輻射熱を前記切り欠き領域に向けて反射するように設置されていることを特徴とする。
また、上記の目的を達成するための本発明に係る画像加熱装置の他の代表的な構成は、
トナー像を担持したシートをニップ部で挟持搬送してトナー像を加熱する画像加熱装置であって、
筒状の第1の回転体と、
前記第1の回転体の内側に固設された筒状の金属部材と、
前記金属部材の内側に固設された発熱体と、
前記金属部材の内側に固設され、前記発熱体からの輻射熱を前記金属部材の内面に向けて反射する反射部材と、
前記第1の回転体の内面に摺接するように固設された摺接部材と、
前記第1の回転体を介して前記摺接部材と当接して前記第1の回転体との間に前記ニップ部を形成する第2の回転体と、を有し、
前記金属部材は長手に沿って分布した複数の貫通穴の集合によって形成されている切り欠き領域を有し、前記複数の貫通穴の分布個数は前記金属部材の長手両端部方向に向かうにしたがって少なくなり、前記反射部材は前記発熱体からの輻射熱を前記切り欠き領域に向けて反射するように設置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の画像加熱装置によれば、単純な構成で端部昇温を抑制できる。加熱待機時からのファーストプリントタイムを短縮することができる。高速回転時の熱量不足を解消して、高生産の画像形成装置に搭載されても、良好な定着性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1における定着装置の要部の拡大横断面模型図である。
図2】実施例における画像形成装置の概略図である。
図3】定着装置の要部の中途部分省略の縦断正面模型図である。
図4】加熱ユニットの分解斜視図である。
図5】定着ベルトの層構成模式図である。
図6】金属部材の斜視図である。
図7】ウォームアップタイム短縮効果の説明図である。
図8】定着ベルトの長手温度分布図である。
図9】実施例2における定着装置の要部の拡大横断面模型図である。
図10】金属部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0013】
[実施例1]
(1)画像形成部
図2は本発明に従う画像加熱装置を定着装置40として搭載した画像形成装置1の一例の構成略図である。この画像形成装置1は中間転写方式、タンデム型の4色フルカラーの電子写真レーザープリンタであり、シートPにフルカラートナー像を形成してプリントアウトすることができる。シートPはトナー像が形成され得る記録材(記録媒体)であり、普通紙、光沢紙、樹脂製シート、厚紙、葉書、封筒、OHPシートなどが挙げられる。以下、用紙と記す。定着装置40以外のプリンタ構成は公知に属するので以下のプリンタ構成の説明は簡単にとどめる。
【0014】
2は画像形成部であり、4つの画像形成ユニット3(3Y、3M、3C、3K)と中間転写ベルトユニット10を有する。各画像形成ユニット3は、それぞれ、回転ドラム型の感光体4、帯電部材5、レーザースキャナ6、現像器7、一次転写部材8、感光体クリーナ9等を有し、イエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色、ブラック(K)色のトナー像を形成する。そして、各画像形成ユニット3の感光体4から中間転写ベルト11に対して上記4色のトナー像が順次に所定に重畳されて一次転写され、中間転写ベルト11上にフルカラートナー像が形成される。
【0015】
そのフルカラートナー像が中間転写ベルト11と二次転写ローラ12との圧接部である二次転写ニップ部において用紙Pに対して二次転写される。用紙Pは用紙カセット19または同20もしくはマルチ給紙トレイ21から一枚分離給紙され、レジストローラ対22aを含む搬送機構22より二次転写ニップ部に対して所定の制御タイミングで導入される。そして、トナー像の二次転写を受けた用紙Pが定着装置40に導入されてトナー像の熱圧定着を受ける。
【0016】
定着装置40を出た用紙Pは予めのモード選択に応じてフラッパ13により第1経路14側または第2経路15側に進路切り替えされる。第1経路14に導入された用紙Pは装置上面側のフェイスダウントレイ16に排出される。また、第2経路15に導入された用紙Pは装置側面側のフェイスアップトレイ17に排出される。
【0017】
両面画像形成モードの場合は定着装置40を出た第1面画像形成済みの用紙Pが一旦第1経路14に導入されてからスイッチバック搬送されて第3の経路(再循環路)18に導入される。そして、再び搬送機構22を経由して画像形成部2の二次転写ニップ部に対して表裏反転された状態で搬送される。これにより、両面画像形成された用紙がフェイスダウントレイ16またはフェイスアップトレイ17に排出される。
【0018】
本例の画像形成装置1において用紙Pの装置内搬送はいわゆる中央基準搬送でなされる。この用紙搬送は、装置に使用可能(通紙可能)な大小どのような幅の用紙であっても、用紙の幅方向の中心線を用紙搬送路の幅方向中央に合わせて通紙する形態のことである。
【0019】
(2)定着装置
(2−1)全体的な概略構成
本実施例の定着装置40は、ベルト加熱方式、加圧ローラ駆動方式(テンションレスタイプ)の画像加熱装置である。図1は定着装置40の要部の拡大横断面模型図、図3は定着装置40の要部の中途部分省略の縦断正面模型図である。
【0020】
ここで、本実施例において、定着装置40若しくはその構成部材に関して、正面側とは用紙入口側から見た面、背面側とはその反対側(用紙出口側)の面、左右とは装置を正面側から見て左(一端側)または右(他端側)である。上下とは重力方向において上または下である。上流側と下流側は用紙搬送方向aに関して上流側と下流側である。長手方向(または幅方向)や用紙幅方向とは、用紙搬送路面において、用紙搬送方向aに直交する方向に実質平行な方向である。短手方向とは用紙搬送路面において、用紙搬送方向aに実質平行な方向である。
【0021】
この定着装置40は、筒状(エンドレス)の第1の回転体としての定着ベルト(定着部材:無端ベルト)41を備えた加熱ユニット(ベルトユニット)4Aを有する。また、定着ベルト41との間にニップ部Nを形成してトナー像Tを担持した用紙Pを挟持搬送する第2の回転体としての加圧ローラ44を有する。また、それらを収容した筐体60を有する。
【0022】
図4は加熱ユニット4Aの分解斜視図である。加熱ユニット4Aは、筒状の可撓性を有する定着ベルト41、筒状(パイプ状、略円筒体)の金属部材(加熱部材)47、摺接部材としての押し付け部材(加圧部材、加圧パッド、バックアップ部材)46を有する。また、断熱部材(断熱材)48a、補強ステー48、発熱体としてのヒーター43、反射板(反射部材)42、左右のフランジ部材49L・49R等を有する。上記において左右のフランジ部材49L・49R以外の部材は左右方向に長い部材である。
【0023】
定着ベルト41は熱を伝達する加熱部材としての筒状の耐熱ベルトである。図5の層構成模式図に示ように、内周面側から外周面側に順に、基材層41a、弾性層41b、離型層41cが順次に積層されている複合層ベルトである。上記各層の構成材料については(2−3)項に記載した。この3層全体の厚さが1mm以下に設定されている、薄肉で可撓性を有する部材である。定着ベルト41は、自由状態では自身の弾発性によりほぼ円筒形状を呈する。
【0024】
定着ベルト41の直径は15〜120mmになるように設定されている。本実施例では内径が30mmに設定されている。定着ベルト41の長さ(幅W41)は350mmとしている。定着ベルト41は、定着ベルト41よりも外径が小さい略パイプ状の金属部材47に対してルーズに外嵌されている。金属部材47の長さ(幅W47)は定着ベルト41よりも長い360mmとしている。
【0025】
金属部材47には長手方向に切り欠き領域52としてのスリット開口部が形成されている。この切り欠き領域52については後述する。また、金属部材47には周方向において上記の切り欠き領域52と対向するほぼ180°反対側に長手に沿って溝部(凹部)47aが形成されている。この溝部47aに、押し付け部材46が嵌め込まれている。即ち、押し付け部材46は定着ベルト41の内周面に摺接するように金属部材47に固定されている。そして、後述するように、押し付け部材46が定着ベルト41を介して加圧ローラ44に圧接することで、用紙Pが挟持搬送されるニップ部Nが形成される。
【0026】
押し付け部材46を形成する材料としては、加圧ローラ44による加圧力を受けても大きく撓むことがないように、ある程度剛性のある材料で形成されている。本実施例では厚さが1.5mm程度のアルミニウム材を用いている。長さは金属部材47と同じ360mmとしている。
【0027】
金属部材47の内側には、溝部47aの形成で金属部材47の内側において凸部となっている部分に断熱部材48aを介して鉄鋼材などの高剛性の補強ステー48が配設されている。補強ステー48の長さは金属部材47よりも長く、左右の両端部はそれぞれ金属部材47の左右の両端部から外側に突出している。即ち、金属部材47の内側には金属部材47の溝部(凹部)47aを金属部材内周面側から保持する補強ステー48が断熱部材48aを介して設置されている。
【0028】
断熱部材48aは、後述するように加熱された金属部材47の熱が補強ステー48に移動するのを抑制して効果的に金属部材47を加熱することを可能にする。断熱部材48aの材料としては、断熱性に優れたスポンジゴムや、空泡を有するセラミック等を用いることができる。
【0029】
補強ステー48の上には反射板42が配設されている。反射板42の長さ(幅W42)は330mmとしている。反射板42の内側にはヒーター(熱源、加熱手段、発熱体)としてのハロゲンヒーター43が配設されている。カーボンヒーターなど他の発熱体(加熱体)とすることもできる。反射板42はヒーター43からの輻射熱を金属部材47の内面に向けて反射する。
【0030】
左右のフランジ部材49L・49Rは、それぞれ、金属部材47の左右の両端部から外側に突出している補強ステー両端部分に対して嵌着されている。即ち、補強ステー48の左右の両端部分は、それぞれ、左右のフランジ部材49L・49Rに形成されている穴部49bに嵌入されている。
【0031】
また、金属部材47の両端部は、それぞれ、左右のフランジ部材49L・49Rに形成されている穴部49cに嵌入されている。また、ヒーター43の左右の端部の金口43aは、それぞれ、左右のフランジ部材49L・49Rに配設されているソケット(コネクタ)62に嵌入されて当該ソケット62と電気的に接続している。定着ベルト41は左右のフランジ部材49L・49Rの対向鍔座部49a間において、金属部材47にルーズに外嵌されている。
【0032】
以上の定着ベルト41、金属部材47、押し付け部材46、断熱部材48a、補強ステー48、ヒーター43、反射板42、左右のフランジ部材49L・49Rの組み立て体(アセンブリ)が加熱ユニット4Aである。
【0033】
加圧ローラ44は、中空構造の芯金44aの外周面に、発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の弾性層44bが形成されている。更に、この弾性層44bの外周面にPFA、PTFE等の離形層44cを設けることもできる。芯金44aの左右両端部には、それぞれ、軸部44dが実質同心に一体に装着されている。本実施例の加圧ローラ44は、外径が30mm、弾性層44bの厚さ300μm、ローラ部の長さ(幅W44)が330mmである。
【0034】
加圧ローラ44は、左右の軸部44dが、それぞれ、筐体60の左右の側板60L・60R間に軸受部材(ベアリング)61を介して回転可能に保持(両持ち式)されて配設されている。右側の軸部44dの端部には駆動ギアGが実質同心に一体に配設されている。
【0035】
加熱ユニット4Aは押し付け部材46側を下向きにして、加圧ローラ44の上側において加圧ローラ44に実質平行に配列して、筐体60の左右の側板60L・60R間に配設されている。即ち、加熱ユニット4Aの左右のフランジ部材49L・49Rにそれぞれ設けられている縦溝部49d(図4)が左右の側板60L・60Rにそれぞれ設けられた縦ガイドスリット60L−a・60R−aの縦縁部に係合している。これにより、左右のフランジ部材49L・49Rは、それぞれ、左右の側板60L・60Rに対して上下方向にスライド移動可能に保持されている。
【0036】
そして、左右のフランジ部材49L・49Rの受圧部49eに対してそれぞれ加圧ばね63により所定の押し下げ付勢力Fを作用させている。本実施例ではフランジ部材49L・49Rの受圧部49eにそれぞれ160N(総圧320N)の押し下げ付勢力Fを付与している。
【0037】
これにより、補強ステー48、断熱部材48a、金属部材47を介して押し付け部材46に対して押し下げ力が作用し、この押し付け部材46により定着ベルト41が加圧ローラ44の上面に所定の押圧力で圧接される。この圧接により定着ベルト41と加圧ローラ44との間に短手方向において所定幅のニップ部Nが形成される。
【0038】
駆動ギアGに対して制御部100で制御されるモータ(駆動源)Mの駆動力が駆動伝達機構(不図示)を介して伝達される。これにより、加圧ローラ44は駆動回転体として図1において矢印R44の反時計方向に所定の周速度にて回転駆動される。
【0039】
この加圧ローラ44の回転駆動による加圧ローラ44と定着ベルト41の外面とのニップ部Nにおける摩擦力で定着ベルト41に回転力(回転トルク)が作用する。これにより、定着ベルト41が、その内面がニップ部Nにおいて押し付け部材46の表面(下向き面)に密着して摺動しつつ図1において矢印R41の時計方向に加圧ローラ44の回転周速度にほぼ対応した周速度で従動回転する。この定着ベルト41の従動回転を滑らかなものにするために、定着ベルト41と押し付け部材46および金属部材47の相互摺接部には潤滑剤(不図示)を介在(塗布)させている。
【0040】
左右のフランジ部材49L・49Rの鍔座部49aは回転する定着ベルト31が押し付け部材46の長手に沿って左方または右方に寄り移動したときの寄り側のベルト端部を受け止めて寄り移動を規制する。金属部材47は、押し付け部材46のホルダー(保持部材)として機能するとともに、定着ベルト31の回転ガイドとしても機能する。
【0041】
金属部材47は定着ベルト41の加熱部材として機能する。即ち、金属部材47は周方向において、ニップ部Nの位置では溝部47bにおいて押し付け部材46を保持し、ニップ部Nを除く位置では定着ベルト41の内周面に対向するように形成されている。そして、金属部材47は周方向の外面形状がニップ部Nを中にして定着ベルト回転方向上流側のニップ部近傍領域Aと定着ベルト回転方向下流側のニップ部近傍領域Bとにおいて定着ベルト内面と接触するように構成されている。即ち、定着ベルト41はその内面が上記のニップ部近傍領域Aと同Bにおいて金属部材47の外面に摺接しながら回転する。
【0042】
金属部材47の内部に配置されているヒーター43は制御部100で制御される電源部101からソケット62・62を介して電力供給を受けて発熱する。金属部材47はヒーター43の輻射熱により加熱されて回転する定着ベルト41を加熱する(熱を伝える)。すなわち、金属部材47がヒーター43によって直接的に加熱されて、金属部材47を介して回転する定着ベルト41がヒーター43によって間接的に加熱されることになる。定着ベルト41の加熱効率を良好に維持するためには、金属部材47の厚さを0.1mm以下に設定することが好ましい。
【0043】
45aは定着ベルト41の長手中央部に配置された第1の温度センサであり、大小どの幅サイズの用紙も通過する定着ベルト41の通紙領域の表面温度を検知(計測)する。45bは定着ベルト41の端部に配置された第2の温度センサであり、装置に使用可能な最大通紙幅よりも幅が小さい用紙(小サイズシート)が通紙(導入)されたときの定着ベルト41の非通紙領域の表面温度を検知する。本例において第1と第2の温度センサ45a、45bは共に接触式サーミスタである。第1と第2の温度センサ45a、45bの温度検知情報は制御部100に入力する。
【0044】
上記の定着装置40の構成をまとめると次のとおりである。トナー像Tを担持した用紙Pをニップ部Nで挟持搬送してトナー像Tを加熱する装置である。筒状の第1の回転体としての定着ベルト41と、この定着ベルト41の内側に固設された筒状の金属部材47と、この金属部材47の内側に固設された発熱体としてのヒーター43を有する。また、金属部材47の内側に固設され、ヒーター43からの輻射熱を金属部材47の内面に向けて反射する反射部材42と、定着ベルト41の内面に摺接するように固設された摺接部材としての押し付け部材46を有する。
【0045】
また、定着ベルト41を介して押し付け部材46と当接して定着ベルト41との間にニップ部Nを形成する第2の回転体としての加圧ローラ44を有する。そして、金属部材47は周方向においてニップ部Nを中にして定着ベルト回転方向上流側のニップ部近傍領域Aと定着ベルト回転方向下流側のニップ部近傍領域Bとにおいて定着ベルト内面と摺接するように構成されている。
【0046】
(2−2)定着動作
制御部100は画像形成開始信号に基づいてモータMを起動して加圧ローラ44の回転駆動を開始する。また、電源部101からヒーター43に対する電力供給を開始する。これにより、定着ベルト41が従動回転するとともにヒーター43で加熱される金属部材47の熱により加熱される。制御部100は、第1の温度センサ45aの検知温度情報に基づいて、定着ベルト41の表面温度が所定の定着温度に立ち上げられ、その定着温度が維持されるようにヒーター43に対する供給電力を制御して定着ベルト41の表面温度を温調する。
【0047】
この定着装置状態において画像形成部2側から未定着のトナー像Tを担持している用紙Pが定着装置40に導入され、ニップ部Nで挟持搬送される。これによりトナー像Tおよび用紙Pが定着ベルト41の熱とニップ部圧により加熱加圧されることでトナー像Tが用紙Pに対して固着画像として定着される。ニップ部Nを挟持搬送された用紙Pはニップ部Nの用紙出口において定着ベルト41の面から曲率分離して定着装置40から排出搬送されていく。
【0048】
定着ベルト41の内周面に摺接する押し付け部材46は、加圧ローラ44との対向面(定着ベルト摺接面)が、図1のように、加圧ローラ44の曲率にならうように凹状に形成されている。これにより、用紙Pは加圧ローラ44の曲率にならうようにニップ部Nから送出されるために、定着工程後の用紙Pが定着ベルト41に吸着して分離しないような事態の発生を抑止することができる。
【0049】
(2−3)定着ベルト41の層構成材料
基材層41aは層厚が30〜50μmであって、ニッケル、ステンレス等の金属材料やポリイミド等の樹脂材料で形成されている。弾性層41bは層厚が100〜300μmであって、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、フッ素ゴム、等のゴム材料で形成されている。弾性層41bを設けることで、ニップ部Nにおける定着ベルト41の表面の微小な凹凸が形成されなくなり、用紙P上のトナー像Tに均一に熱が伝わりユズ肌画像の発生が抑止される。なお、本実施例では弾性層41bとして、層厚が200μmのシリコーンゴムを用いている。
【0050】
離型層41cは層厚が10〜50μmである。離型層41cはPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、等の材料で形成されている。離型層41cを設けることで、トナーT(トナー像)に対する離型性(剥離性)が担保される。
【0051】
(2−4)金属部材47
金属部材47の材料としては、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、鉄、等の金属熱伝導体(熱伝導性を有する金属)を用いることができる。中でも単位体積の熱容量比(密度×比熱)が比較的小さいフェライト系ステンレス鋼が好適である。本実施例ではフェライト系ステンレス鋼であるSUS430を用いている。また、金属部材47の厚さを0.1〜0.2mmに設定している。
【0052】
金属部材47は、厚みを薄くすることで、定着装置40のウォームアップ時間を短縮することができる。しかし、金属部材47自身の剛性は小さくなっているため、加圧ローラ44の加圧力に抗しきれずに、撓んだり、変形することがある。パイプ状の金属部材47が変形してしまうと所望のニップ部幅が得られずに、定着性が低下するという問題が生じる。これに対して、本実施例では、薄肉の金属部材47とは別に高剛性の押し付け部材(加圧パッド)46および補強ステー48を設置してニップ部Nを形成しているために、そのような問題が生じるのを未然に防止することができる。
【0053】
金属部材47は、0.1〜0.2mm厚のステンレスからなる平板に曲げ加工を施して形成したものである。したがって、ステンレス板を曲げ加工によって所望のパイプ形状に加工しようとしても、そのままでは、スプリングバックによって径が大きくなる方向に開いてしまい所望のパイプ形状を形成することができない。そして、金属部材47がスプリングバックによって開いてしまうと、定着ベルト41の内周面に全周的に接触してしまい定着ベルト41を傷つけたり、定着ベルト41との接触ムラによる定着ベルト21の加熱ムラが生じたりしてしまう。
【0054】
本実施例では、このような事態が生じるのを抑止するために、前記のように、金属部材47の両端部は、それぞれ、左右のフランジ部材49L・49Rに形成されている穴部49cに嵌入されている。即ち、金属部材47をフランジ部材49L・49Rで固定することによって、金属部材47のスプリングバックによる変形を抑止している。
【0055】
(2−4−1)実施例1の金属部材47
次に本実施例における金属部材47の具体的な形状について説明する。上述したように、定着ベルト41の加熱は、まずハロゲンヒーター43からの輻射熱により金属部材47が加熱され、定着ベルト41と金属部材47がニップ部近傍の領域Aおよび同Bで接触することで熱伝達がなされ、定着ベルト41が加熱される。
【0056】
金属部材47を設けることにより金属部材47の蓄熱効果および長手方向の熱伝導効果から、非通紙部昇温といった定着ベルト41の長手温度ムラの問題に対しては効果的である。これに反して、ウォームアップタイムの短縮という課題に対しては、ハロゲンヒーター43からの輻射熱が金属部材47を介して定着ベルト41に伝達されるため不利になることが知られている。
【0057】
そこで、本実施例では、金属部材47は長手方向に切り欠き領域52を具備させている。本実施例では切り欠き領域52は金属部材47の長手に沿って長いスリット開口部(以下、切り欠き開口部と記す)によって形成されている。そして、反射板42はヒーター43からの輻射熱を切り欠き領域52に向けて反射するように設置されている。
【0058】
図6は本実施例における金属部材47の斜視図である。金属部材47には汎用的に使用される用紙サイズの幅において切り欠き開口部52が形成されている。即ち、金属部材47は、定着ベルト47の通紙領域の一部又は全領域に対向する長手位置において、ヒーター43に対向する対向面に切り欠き領域としての切り欠き開口部52を備える。本実施例においては切り欠き開口部52は金属部材47の上面側に具備させてあり、反射板42はヒーター43からの輻射熱をこの切り欠き開口部52に向けて反射するように上向きに設置されている。
【0059】
切り欠き開口部52は、用紙P上のトナー像Tを加熱定着させる領域において定着ベルト41の内面をハロゲンヒーター43からの輻射熱で直接加熱させることを目的としている。この長手領域において金属部材47を介することなく、定着ベルト41が直接加熱されることで、上述したウォームアップタイムが大幅に短縮させることが可能となる。
【0060】
金属部材47には、全長(幅W47)360mmの内で、長手中央を中心とし210mm(A4R用紙幅)の長手方向長さで、周方向で反射板42の壁面の延長線42aと金属部材47が交わる点を両端とする、切り欠き開口部52が形成される。さらに、切り欠き開口部52の長手両端部からさらに長手端部方向にそれぞれ45mmの領域において、切り欠き開口部52が直線的に閉口していく先細り開口部52aが形成されている。即ち、切り欠き開口部52は金属部材47の長手両端部方向に向かうにしたがって開口幅が小さくなる形態で形成されている。
【0061】
切り欠き開口部52の金属部材周方向における範囲が反射板42の横断面における反射角度の両端部の延長線上が金属部材47と交わる位置までの範囲である。反射板42はヒーター43から発する輻射熱を切り欠き開口部52・52aに集中的に配向する。
【0062】
本実施例の具体例を以下に説明する。動作条件としては、フランジ部材49L・49Rに加圧する加圧条件を総圧で320N、定着ベルト41および加圧ローラ44の回転速度を250mm/s、ヒーター43への投入電力を800Wとした。
【0063】
まず、出力される用紙(記録紙)Pの通紙サイズが入力されると、表1に示すように、定着ベルト41の長手長さ(350mm)に対する非通紙部領域Lが制御部100において決定される。
【0064】
【表1】
【0065】
表1に示すように、使用する記録紙サイズがA4Rの場合、非通紙部領域Lの長さは70mmである。本実施例では切り欠き開口部52はA4Rサイズの210mmで設けられている。
【0066】
(2−4−2)比較例との対比
比較例は上記の本実施例の定着装置40ように金属部材47に切り欠き開口部52・52aおよび反射板42が設けられていない定着装置である。
【0067】
上記の本実施例と比較例の定着装置との効果を図7および図8を用いて説明する。図7は本実施例による、ウォームアップタイム短縮効果について示したものである。具体的には、比較例の定着装置の場合は定着ベルト41の表面温度が140℃に到達するまでのウォームアップタイムが18秒を必要とするのに対し、本実施例の定着装置においては11秒で昇温することが確認されている。
【0068】
また、図8は定着ベルト41の長手温度分布図であり、比較例の定着装置では、A4Rの用紙を50ppmの速度で2000枚連続通紙した際に発生する非通紙部昇温が220℃に達する。これに対して、本実施例の定着装置の場合は、比較例の場合に比べて、非通紙領域の定着ベルト41の表面温度が最大で26°減少するという結果を得た。
【0069】
これにより、用紙の小サイズ紙幅である210mmの領域において、定着ベルト41がハロゲンヒーター43から直接加熱されることにより、ウォームアップタイムが大幅に短縮される。また、小サイズ用紙幅210mmの長手両端領域の外側では切り欠き開口部52aの開口幅が減少していく。これにより、非通紙部領域においては、定着ベルト41がハロゲンヒーター43に直接加熱される割合が減少し、かつ、金属部材47の熱容量が増大していく。これにより、上述した領域の過昇温が抑制されることが確認できた。
【0070】
このように、本実施例に係る定着装置によれば、ハロゲンヒーター43からの熱輻射を受ける被加熱部材が定着ベルト41とパイプ状の熱伝導体である金属部材47の両方となるため、加熱時の温度上昇が早く、ウォームアップ時間を短縮することができる。
【0071】
また、良熱伝導体の金属部材47がニップ部Nを形成しているため、定着時に熱源43からの熱供給が不足しても、定着ベルト41へは金属部材47に蓄積された熱が熱量不足を補うように供給されるため、温度落ち込みを防止することができる。
【0072】
さらに、金属部材47は、蓄熱部材として機能するため、非通紙部昇温を抑制する効果が得られる。これとともに定着ベルト内部で固定されているため、回転体である場合に比べて、気流による冷却を受けることがない。そのため、効率よく熱量を保持することができ、温度落ち込みを防止する効果が得られる。
【0073】
なお、第2の温度センサ45bは小サイズ用紙の連続通紙時における定着ベルト41の非通紙部領域の温度上昇を検知して制御部100に温度情報をフィードバックしている。制御部100は第2の温度センサ45bで検知される温度が所定の温度を超える場合には、例えば、画像形成装置のスループットを下げる制御を行う。
【0074】
[実施例2]
図9および図10を用いて、実施例2の定着装置40について説明する。図9は本実施例における定着装置40の要部の拡大横断面模型図、図10は金属部材47の斜視図である。本実施例2における定着装置40は実施例1における定着装置40との対比において、金属部材47に具備させる切り欠き開口部の形状形態が異なるだけであり、その他の構成は実施例1における定着装置と同じであるので、再度の説明は省略種する。
【0075】
図9に示すように、本実施例における金属部材47は、切り欠き領域として金属部材47の長手に沿って分布した複数の貫通穴53の集合によって形成されている。また、複数の貫通穴の分布個数は金属部材47の長手両端部方向に向かうにしたがって符号53aで示すように少なくなる。
【0076】
それにより、実施例1と同様に、定着ベルト41における小サイズ用紙幅210mmの長手領域では定着ベルト41がハロゲンヒーター43から直接加熱されることでウォームアップタイムが短縮される。また、実施例1と同様に、小サイズ用紙幅210mmの長手両端方向の外側領域で貫通穴53の数が符号53aのように減少していくことで、非通紙部領域における金属部材47の熱容量を増大させる構成となっている。これにより、実施例1の金属部材47と同様の効果を得ることができる。本実施例2における貫通穴53は短径が約2mm、長径が約4mmの楕円形状で形成されている。
【0077】
[その他の事項]
ここで、本発明が前記各実施例の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、前記各実施例の形態の中で示唆した以外にも、前記各実施例の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は前記各実施例の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【0078】
1)例えば、実施例では、第1の回転体41として、駆動回転体としての第2の回転体44の回転駆動で従動回転する筒状のベルトを用いた装置で説明した。これに限定されず、第1の回転体41は剛性を有する筒状の駆動回転体の形態にすることもできる。
【0079】
2)第2の回転体44を回転可能な無端ベルト体の形態にすることもできる。
【0080】
3)本発明の画像加熱装置は実施例のようにシートPに担持された未定着トナー像Tを加熱加圧して固着画像として加熱定着する定着装置としての使用に限定されない。シートに一旦定着された或いは仮定着された画像(定着済み画像又は半定着画像)を加熱加圧して光沢度を向上させるなどの画像の表面性を調整する加熱処理装置としても有効である。
【0081】
4)画像形成装置の画像形成部は電子写真方式に限られない。静電記録方式や磁気記録方式の画像形成部であってもよい。また、転写方式に限られず、シートに対して直接方式で未定着画像を形成する構成のものであってもよい。
【符号の説明】
【0082】
40・・画像加熱装置、P・・シート、T・・トナー像、41・・筒状の第1の回転体、47・・筒状の金属部材、52・53・・切り欠き領域、43・・発熱体、42・・反射部材、46・・摺接部材、44・・第2の回転体、N・・ニップ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10