【実施例1】
【0010】
以下、
図1を用いて、本発明の第1の実施例を説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施例1に係る撮影システムの構成ブロック図である。
図1において、レンズユニット10は撮影に関する可動光学部材および該光学部材の駆動制御に関連する構成を有するレンズ装置である。カメラ本体11は映像を撮影するカメラ装置である。レンズユニット10のマウント101とカメラ本体11のマウント102とでレンズユニット10とカメラ本体11が互いに着脱可能に接続することにより、撮影システムを構成している。更に、レンズユニット10はコネクタ103を有し、カメラ本体11はコネクタ104を有し、コネクタ103とコネクタ104はケーブル105を介して接続されている。
【0012】
レンズユニット10は、フォーカシングを行うためのフォーカスレンズ106、ズーミングを行うためのズームレンズ107、光量調整を行うためのアイリス108を有する。フォーカスレンズ106、ズームレンズ107、アイリス108は、それぞれ、電動駆動が可能な光学部材である。
【0013】
カメラ本体11は、撮像素子109、カメラ制御部110、操作部材111、ビューファインダ112、カメラマウントIF通信部113、カメラコネクタIF通信部114を有する。
【0014】
撮像素子109はレンズシステムからの被写体光を受光し、光電変換し、例えばCCDで構成される。カメラ制御部110は、カメラ本体11の制御を行い、例えばCPUの処理部内に構成される。操作部材111はレンズユニット10のフォーカスレンズ106、ズームレンズ107、アイリス108を操作するための操作部材であり、例えばスイッチで構成される。ビューファインダ112は、カメラが撮影した映像を表示し、例えば液晶モニタで構成される。カメラマウントIF通信部113は、レンズユニット10のマウント101及びカメラ本体11のマウント102に設けられた接点(マウントインターフェース)を介してレンズユニット10と通信するための通信部である。カメラコネクタIF通信部114は、レンズユニット10のコネクタ103及びカメラ本体11のコネクタ104に設けられた信号ピンを含むコネクタインターフェースを介してレンズユニット10と通信するための通信部である。
【0015】
レンズユニット10は、フォーカスレンズ106、ズームレンズ107、アイリス108、レンズマウントIF通信部115、レンズマウントIF状態情報部116、レンズコネクタIF通信部117、レンズコネクタIF状態情報部118、カメラ情報決定部119、フォーカス駆動制御部120、ズーム駆動制御部121、アイリス駆動制御部122を有する。
【0016】
レンズマウントIF通信部115は、レンズユニット10のマウント101及びカメラ本体11のマウント102に設けられた接点を介してカメラ本体11と通信するための通信部である。レンズマウントIF状態情報部116は、レンズユニット10のマウント101に関するインターフェースの状態情報(インターフェース状態情報)を管理する状態管理部である。レンズコネクタIF通信部117は、レンズユニット10のコネクタ103及びカメラ本体11のコネクタ104に設けられた信号ピンを介してカメラ本体11と通信するための通信部である。レンズコネクタIF状態情報部118は、レンズユニット10のコネクタ103に関するインターフェースの状態情報(インターフェース状態情報)を管理する状態管理部である。カメラ情報決定部119は、レンズマウントIF通信部115及びレンズコネクタIF通信部117で受信したカメラ本体11からの指令コマンドから、唯一の指令を決定するカメラ情報決定部である。レンズマウントIF通信部115、レンズマウントIF状態情報部116、レンズコネクタIF通信部117、レンズコネクタIF状態情報部118、カメラ情報決定部119は、例えばCPUの処理部内に構成される。
【0017】
フォーカス駆動制御部120はフォーカスレンズ106を電動駆動するための駆動制御部である。ズーム駆動制御部121はズームレンズ107を電動駆動するための駆動制御部である。アイリス駆動制御部122はアイリス108を電動駆動するための駆動制御部である。フォーカス駆動制御部120、ズーム駆動制御部121、アイリス駆動制御部122は、例えば位置検出用のエンコーダとモーターとモータードライバ回路で構成される。
【0018】
レンズユニット10に入射した光は、レンズユニット10内のフォーカスレンズ106、ズームレンズ107、アイリス108を通り、カメラ本体11内の撮像素子109で受光される。撮像素子109では、光電変換が行われ、カメラ制御部110で映像信号が生成される。カメラ制御部110で生成された映像信号は、ビューファインダ112に出力され、ビューファインダ112上に撮影映像が表示される。
撮影者が、ビューファインダ112上に表示された撮影映像を見ながら、フォーカス、ズーム、アイリスの撮影条件を変更するために操作部材111を操作すると、カメラ制御部110は操作に応じて、撮影条件の変更指示をレンズユニット10に対して行う。
【0019】
具体的には、フォーカス、ズーム、アイリスの駆動指令(以下光学部材駆動指令)を、カメラマウントIF通信部113及びカメラコネクタIF通信部114に対して行う。カメラマウントIF通信部113は、光学部材駆動指令を受けると、予め決められたマウントIFの通信規定に従ったデータ列(以下マウントIFコマンド)を生成する。更に生成したマウントIFコマンドを、レンズユニット10のマウント101及びカメラ本体11のマウント102に設けられた接点を介してレンズマウントIF通信部115に送信する。マウントIFコマンドについては後述する。
【0020】
一方、カメラコネクタIF通信部114は、光学部材駆動指令を受けると、予め決められたコネクタIFの通信規定に従ったデータ列(以下コネクタIFコマンド)を生成する。更に生成したコネクタIFコマンドを、コネクタ103及びコネクタ104に設けられた信号ピン及びケーブル105を介してレンズコネクタIF通信部117に送信する。コネクタIFコマンドについては後述する。
【0021】
レンズユニット10は、レンズマウントIF通信部115にてマウントIFコマンドを受信すると、マウントIFコマンドから光学部材駆動指令を解読し、解読したマウントIF光学部材駆動指令をカメラ情報決定部119に通知する。更に、レンズマウントIF通信部115はマウントIFの通信に関するレンズマウントIF通信情報をレンズマウントIF状態情報部116に通知する。レンズマウントIF状態情報部116は、レンズマウントIF通信情報から、レンズマウントIF状態情報を生成し、カメラ情報決定部119に通知する。
【0022】
一方、レンズユニット10は、レンズコネクタIF通信部117にてコネクタIFコマンドを受信すると、コネクタIFコマンドから光学部材駆動指令を解読し、解読したコネクタIF光学部材駆動指令をカメラ情報決定部119に通知する。更にコネクタIFの通信に関するレンズコネクタIF通信情報をレンズコネクタIF状態情報部118に通知する。レンズコネクタIF状態情報部118は、レンズコネクタIF通信情報から、レンズコネクタIF状態情報を生成し、レンズコネクタIF状態情報をカメラ情報決定部119に通知する。
レンズマウントIF通信情報、レンズマウントIF状態情報、レンズコネクタIF通信情報、レンズコネクタIF状態情報については後述する。
【0023】
カメラ情報決定部119は、レンズマウントIF状態情報、レンズコネクタIF状態情報を元に、フォーカス駆動指令値、ズーム駆動指令値、アイリス駆動指令値を決定する。カメラ情報決定部119による駆動指令値を決定する方法については後述する。
カメラ情報決定部119は、駆動指令値を決定すると、フォーカス駆動指令値、ズーム駆動指令値、アイリス駆動指令値をフォーカス駆動制御部120、ズーム駆動制御部121、アイリス駆動制御部122に出力する。フォーカス駆動制御部120は、フォーカス駆動指令値が入力されると、フォーカス駆動指令値に従い、フォーカスレンズ106を駆動する。ズーム駆動制御部121は、ズーム駆動指令値が入力されると、ズーム駆動指令値に従い、ズームレンズ107を駆動する。アイリス駆動制御部122は、アイリス駆動指令値が入力されると、アイリス駆動指令値に従い、アイリス108を駆動する。以上により、撮影者が、操作部材111を操作することで、撮影者の意図通りの撮影条件で映像が撮影され、ビューファインダ上に表示される。
【0024】
次にレンズユニット10宛のマウントIFコマンドについて
図2を用いて説明する。
【0025】
図2(a)はレンズユニット10宛のマウントIFコマンドのフォーマットを示している。レンズユニット10宛のマウントIFコマンドは前記フォーマットに従って、様々な意味を示すマウントIFコマンドが定義されている。マウントIFコマンドの先頭1バイトは、コマンド種別を示すコマンド種別コードと定義される。2バイト目は、以下に続くコマンドデータのデータサイズを示す値が定義されている。3バイト目以降はコマンド種別に応じて異なるデータ値が可変長バイトとして定義されている。ここでNはコマンド種別コードにより異なる任意の数値となる。
【0026】
図2(b)はフォーカス駆動に関するマウントIFのコマンド種別を示している。
コマンド種別の対応コマンド通知は、コマンド種別コードとして1という値が定義されている。コマンドデータサイズは、以下に続くコマンドデータのサイズにより異なる。コマンドデータは、対応コマンド種類を示すデータが定義され、例えばカメラ本体11が、コマンド種別コードの3〜5まで対応している場合、3、4、5の3バイトのデータ列がコマンドデータとして設定される。
【0027】
コマンド種別のフォーカス駆動優先設定は、コマンド種別コードとして2という値が定義されている。コマンドデータサイズは1バイトで、コマンドデータは1の時にON、0の時にOFFを示す。フォーカス駆動優先設定は、マウントIFコマンドのフォーカス駆動指令をコネクタIFコマンドのフォーカス駆動指令より優先してほしい時にONに設定される。
コマンド種別コード3〜5のマウントIFコマンドについては、
図2(c)を用いて説明する。コマンド種別コード3〜5のマウントIFコマンドは、フォーカス駆動指令を行うコマンドである。
【0028】
図2(c)はフォーカスレンズ106の現在位置MF1及びマウントIFコマンドにより駆動される目標位置MF2の位置関係を示している。紙面左側が至近側の位置を表し、紙面右側が無限側の位置を表す。フォーカスレンズ位置は、全駆動域を100%として、至近側を0%、無限側を100%と定義される。また、実施例のレンズユニット10は、フォーカスレンズ位置が0%の時に、被写体距離が1mとなり、順次30%、70%、100%のフォーカスレンズ位置にそれぞれ被写体距離が100m、500m、∞となっている。現在のフォーカス位置MF1のフォーカスレンズ位置が30%で被写体距離が100mであり、目標位置MF2のフォーカスレンズ位置が70%で被写体距離が500mとなっている。本実施例ではこの場合を例として、コマンド種別コードが3〜5となるマウントIFコマンドについて説明する。
【0029】
コマンド種別コード3を使用して目標位置MF2に駆動指令を行う場合、目標位置MF2の被写体距離が500mであるため、被写体距離値MFDに500mを示す値を設定し、マウントIFコマンドを生成する。コマンド種別コード4を使用して目標位置MF2に駆動指令を行う場合、目標位置MF2のフォーカスレンズ位置が70%であるため、全駆動域に対してのフォーカスレンズ位置MFRに70%を示す値を設定し、マウントIFコマンドを生成する。コマンド種別コード5を使用して目標位置MF2に駆動指令を行う場合、現在のフォーカス位置MF1のフォーカスレンズ位置が30%で目標位置MF2のフォーカスレンズ位置が70%である。従って、現在位置からのフォーカスレンズ駆動量MFrに+40%を示す値を設定し、マウントIFコマンドを生成する。ここで、現在位置からのフォーカスレンズ駆動量MFrが正の値の時に無限側に、負の値の時に至近側に駆動するものとする。以上により、マウントIFコマンドを用いて、フォーカスレンズの駆動指令を行うことができる。
ここではフォーカスレンズ位置の駆動指令を例に説明したが、ズームレンズ及びアイリスの駆動指令に対しても同様にマウントIFコマンドが定義されている。
【0030】
次にレンズユニット10宛のマウントIFコマンドについて
図3を用いて説明する。
【0031】
図3(a)はレンズユニット10宛のコネクタIFコマンドのフォーマットを示している。
図2(a)に示す通り、本実施例ではレンズユニット10宛のコネクタIFコマンドとレンズユニット宛のマウントIFコマンドのフォーマットは同じフォーマットとなっている。
【0032】
図3(b)はフォーカス駆動に関するコマンドIFのコマンド種別を示している。
図2(b)に示す通り、マウントIFコマンドに比べ、コマンド種別コード、コマンドデータサイズ、現在位置からのフォーカス駆動量指定に対応していない点以外は同等である。
【0033】
コマンド種別のフォーカス駆動優先設定は、コマンド種別コードとして12という値が定義され、コネクタIFコマンドのフォーカス駆動指令をマウントIFコマンドのフォーカス駆動指令より優先してほしい時にONに設定される。
以下にコマンド種別コード13、14のコマンドについて、
図3(c)を用いて説明する。コマンド種別コード13、14のコネクタIFコマンドは、フォーカス駆動指令を行うコマンドである。
【0034】
図3(c)はフォーカスレンズ106の現在位置CF1及びマウントIFコマンドにより駆動される目標位置CF2の位置関係を示している。図面の構成は
図2(c)と同じである。現在のフォーカス位置CF1のフォーカスレンズ位置が30%で被写体距離が100mであり、目標位置CF2のフォーカスレンズ位置が70%で被写体距離が500mとなっている。本実施例ではこの場合を例として、コマンド種別コードが13、14となるコネクタIFコマンドについて説明する。
【0035】
コマンド種別コード13を使用して目標位置CF2に駆動指令を行う場合、目標位置CF2の被写体距離が500mであるため、被写体距離値CFDに500mを示す値を設定し、マウントIFコマンドを生成する。コマンド種別コード14を使用して目標位置MF2に駆動指令を行う場合、目標位置CF2のフォーカスレンズ位置が70%であるため、全駆動域に対してのフォーカスレンズ位置CFRに70%を示す値を設定し、マウントIFコマンドを生成する。以上により、コネクタIFコマンドを用いて、フォーカスレンズの駆動指令を行うことができる。
【0036】
ここで、コネクタIFコマンドは、マウントIFコマンドに比べ、被写体距離値CFD及び全駆動域に対してのフォーカスレンズ位置CFDが4バイトデータとなり、マウントIFコマンドの2バイトに比べデータサイズが大きくなっている。従ってより詳細な位置指令をレンズユニット10に送信することができる。更にコネクタIFコマンドは、マウントIFコマンドに比べ、現在位置からのフォーカスレンズ駆動指定に対応していないため、在位置からのフォーカスレンズ駆動指定が行えないコマンド体系となっている。
ここではフォーカスレンズ位置の駆動指令を例に説明したが、ズームレンズ及びアイリスの駆動指令に対しても同様にコネクタIFコマンドが定義されている。
【0037】
次にレンズマウントIF通信情報、レンズマウントIF状態情報、レンズコネクタIF通信情報、レンズコネクタIF状態情報について
図4を用いて以下に説明する。
【0038】
図4は、レンズマウントIF通信情報、レンズコネクタIF通信情報及びレンズマウントIF既定情報、レンズコネクタIF既定情報の項目と値を示している。ここでレンズマウント通信IF情報とレンズマウントIF既定情報を合わせた情報がレンズマウントIF状態情報となり、レンズコネクタ通信IF情報とレンズコネクタIF既定情報を合わせた情報がレンズコネクタIF状態情報となる。
図4に示す通り、レンズマウントIF通信情報とレンズコネクタIF通信情報は同じ項目で構成され、レンズマウントIF既定情報とレンズコネクタIF既定情報も同様に同じ項目で構成されている。レンズマウントIF通信情報とレンズコネクタIF通信情報は通信状態により変化する情報であり、レンズマウントIF既定情報とレンズコネクタIF既定情報は予め決められた値となる。レンズマウントIF通信情報とレンズコネクタIF通信情報は、変化に応じてそれぞれレンズマウントIF通信部115及びレンズコネクタIF通信部117からレンズマウントIF状態情報部116及びレンズコネクタIF状態情報部118に通知される。レンズマウントIF既定情報とレンズコネクタIF既定情報は、CPUのROMデータとして予め書き込まれている情報となる。
【0039】
次に各項目について説明する。
通信速度については、マウントIF通信及びコネクタIF通信それぞれがシリアル通信を行っており、現在の通信速度をレンズマウントIF通信部115及びレンズコネクタIF通信部117が判断し、値を設定する。例えばレンズコネクタIF通信情報の通信速度は9600bpsとなっているが、コネクタIFコマンドにより、通信速度が19200bpsに切り替えられた場合は、値が192000bpsに変化する。
【0040】
接続状態については、レンズマウントIF通信部115がマウントIFコマンドを一定時間以内に受信していれば、レンズマウントIF通信情報の接続状態は接続となり、受信していなければ、切断となる。同様にレンズコネクタIF通信部117がコネクタIFコマンドを一定時間以内に受信していれば、レンズコネクタIF通信情報の接続状態は接続となり、受信していなければ切断となる。
【0041】
フォーカス指令対応コマンド数は、
図2、
図3に示す対応コマンド通知のコマンドにより、カメラ本体11が対応しているフォーカス駆動に関するコマンド数を知ることができる。
【0042】
フォーカス指令値更新間隔については、フォーカス駆動指令を行うコマンドの受信周期をレンズマウントIF通信部115及びレンズコネクタ通信部117で測定することにより、判断することができる。
【0043】
フォーカス指令値サイズは、レンズマウントIF通信部115及びレンズコネクタIF通信部117でそれぞれ受信したフォーカス駆動指令を行うコマンドの指令値のサイズにより決定する。
図2、
図3に示す通り、コマンド毎に予め定められた値となる。
【0044】
フォーカス優先設定は、
図2、
図3に示すフォーカス駆動優先設定のコマンドによりカメラ本体11から設定された値により決定される。
【0045】
本実施例では、供給電流値を予め定められた値として説明したが、マウントIFコマンド及びコネクタIFコマンドにより、供給タイミングを通知することで、状況により変化する方法でも良い。また、レンズ装置10に電流検出回路を設け、供給電流値を測定する方法でも良い。
【0046】
ここではフォーカスレンズ位置の駆動指令を例に、レンズマウントIF状態情報及びレンズコネクタIF状態情報について説明を行った。更にズームレンズ及びアイリスの駆動指令に対しても同様にレンズマウントIF状態情報及びレンズコネクタIF状態情報を定義されている。
【0047】
次にカメラ情報決定部119による駆動指令値(駆動指令情報)を決定する方法について
図5を用いて説明する。
【0048】
図5は、カメラ情報決定部119がフォーカス駆動指令値を決定するフローチャートを示している。
【0049】
S501で処理を開始し、S502に進む。
S502に進むと、レンズマウントIF状態情報の接続状態が接続且つ、レンズマウントIF通信部115からレンズマウントIFフォーカス駆動指令FMがあるか否かを判断し、接続且つ指令有りの場合は、S506に進む。切断又は指令無しの場合は、S503に進む。
S503に進むと、レンズコネクタIF状態情報の接続状態が接続且つ、レンズコネクタIF通信部117からレンズコネクタIFフォーカス駆動指令FCがあるか否かを判断し、接続且つ指令有りの場合は、S505に進む。切断又は指令無しの場合は、S504に進む。
【0050】
S504に進むと、現在のフォーカスレンズ位置FFをフォーカス駆動指令値FGに設定し、S510に進む。ここで現在のフォーカスレンズ位置FFは、フォーカス駆動制御部120のエンコーダで検出されたフォーカスレンズ位置をフォーカス駆動制御部120から取得して、使用する。
S505に進むと、コネクタIFフォーカス駆動指令値FCをフォーカス駆動指令値FGに設定し、S510に進む。
S506に進むと、レンズコネクタIF状態情報の接続状態が接続且つ、レンズコネクタIF通信部117からレンズコネクタIFフォーカス駆動指令FCがあるか否かを判断し、接続且つ指令有りの場合は、S508に進む。切断又は指令無しの場合は、S507に進む。
【0051】
S507に進むと、マウントIFフォーカス駆動指令値FCをフォーカス駆動指令値FGに設定し、S510に進む。
S508に進むと、優先度の高いフォーカス駆動指令FXを決定し、S509に進む。優先度の高いフォーカス駆動指令FXを決定方法については後述する。
S509に進むと、決定したフォーカス駆動指令FXをフォーカス駆動指令値FGに設定し、S510に進む。
S510に進むと、フォーカス駆動制御部120にフォーカス駆動指令値FGを出力し、S511に進む。
S511に進むと、処理を終了する。
【0052】
次に優先度の高いフォーカス駆動指令FXを決定方法について
図6、
図7を用いて説明する。
図6は、優先度の高いフォーカス駆動指令FXを決定するフォーカス駆動指令決定情報テーブルを示している。優先度の高いフォーカス駆動指令FXを決定する判断項目は、
図6に示す7つであり、フォーカス駆動指令決定情報テーブルの判定優先度の値が小さい程、判定の優先度が高いことを示している。また、判定項目毎に有効/無効設定が存在し、これら判定優先度及び有効/無効設定は、予め決められた設定値、又はマウントIFコマンド、コネクタIFコマンドにて設定される値が用いられる。判定項目毎の有効/無効設定は、有効時に、対応する項目の優先度判定を行い、無効時に、対応する項目の優先度判定を行わないことを示す。
【0053】
項目のIF種別に関して、優先度判定基準として、コネクタの優先度が高いと規定している。これは、マウントはレンズにより様々な形式が存在するため、マウント依存の少ない汎用性が高いコネクタの情報を採用することで、汎用性の高いシステムを構築することができるためである。
【0054】
項目の供給電流値に関して、優先度判定基準として、供給電流値が既定値以上の時に優先度が高いと規定している。ここで既定値とは、例えばフォーカス駆動のために必要な電流値である。カメラ本体11側の電流消費量を少なくするため、カメラ本体11側は、駆動時のみ電流を供給する場合がある。この時フォーカス駆動指令に同期して電流制御が行われるため、電流制御と同期して駆動が行えるように、規定値以上の電流を供給している接続インターフェースの優先度が高くなっている。
【0055】
項目のフォーカス優先設定に関して、優先度判定基準として、フォーカス優先設定が有りの場合に優先度が高いと規定している。このフォーカス優先設定はカメラ本体11が優先してほしい接続インターフェースを設定するものであり、カメラ本体11の設定に従い優先度を決定するためである。
【0056】
項目の通信速度に関して、優先度判定基準として、通信速度が速い場合に優先度が高いと規定している。これは、通信速度が速い程、多くの情報の授受が行えるため、カメラ本体11からの指令に対しレンズユニット10の制御追従性が高くなるためである。
【0057】
項目のフォーカス指令値更新間隔に関して、優先度判定基準として、フォーカス指令値更新間隔が短い場合に優先度が高いと規定している。これは、フォーカス指令値更新間隔が短いほど、カメラ本体11からの指令に対しレンズユニット10の制御追従性が高くなるためである。
【0058】
項目のフォーカス指令値サイズに関して、優先度判定基準として、フォーカス指令値サイズ(データ量)が大きいほど、優先度が高いと規定している。これは、フォーカス指令値サイズが大きいほど、カメラ本体11から精度の高いフォーカス指令値をレンズユニット10に指示できるためである。
【0059】
項目のフォーカス指令対応コマンド数に関して、優先度判定基準として、フォーカス指令対応コマンド数が多いほど、優先度が高いと規定している。これは、フォーカス指令対応コマンド数が多いほど、カメラ本体11から多彩なフォーカス指令値をレンズユニット10に指示できるためである。
【0060】
図7は、判定優先度が
図6に示す値の時のフォーカス駆動指令FXを決定するフローチャートを示している。
【0061】
S701で処理を開始し、S702に進む。
S702に進むと、IF種別項目有効且つIF種別項目により優先度が判定できた場合、S703に進み、無効又は優先度の判断ができなかった場合は、S704に進む。
【0062】
S703に進むと、レンズマウントIF状態情報及びレンズコネクタIF状態情報のIF種別及びフォーカス駆動指令決定情報テーブルの優先判定基準によりフォーカス駆動指令FXが決定される。例えばレンズマウントIF状態情報及びレンズコネクタIF状態情報が
図4で示す通りの場合、レンズマウントIF状態情報のIF種別がマウントで、レンズコネクタIF状態情報のIF種別がコネクタとなる。従って
図6に示す優先度判定基準により、コネクタIFフォーカス駆動指令値FCがフォーカス駆動指令FXとして決定される。フォーカス駆動指令FXを決定すると、S717に進む。
【0063】
S704に進むと、供給電流項目有効且つ供給電流項目により優先度が判定できた場合、S705に進み、供給電流項目無効又は優先度の判断ができなかった場合は、S706に進む。
ここでフォーカス駆動のために必要な電流値が500mAである場合、電流供給元となる接続インターフェースからの指令を優先させるため、供給電流値の規定値は500mAとなる。レンズマウントIF状態情報及びレンズコネクタIF状態情報が
図4で示す通りの場合、マウントIFの供給電流量は、0mAでコネクタIFの供給電流量は、1000mAである。従って
図6に示す優先度判定基準により、コネクタIFフォーカス駆動指令値FCがフォーカス駆動指令FXとして決定される。
【0064】
S705に進むと、S704で決定した優先度の高いフォーカス駆動指令値をフォーカス駆動指令FXとして決定し、S717に進む。
S706に進むと、フォーカス優先度設定項目有効且つフォーカス優先度設定項目により優先度が判定できた場合、S707に進み、フォーカス優先度設定項目無効又は優先度の判断ができなかった場合は、S708に進む。
ここでレンズマウントIF状態情報及びレンズコネクタIF状態情報が
図4で示す通りの場合、マウントIFのフォーカス優先設定は、ONでコネクタIFのフォーカス優先設定は、OFFである。従って
図6に示す優先度判定基準により、マウントIFフォーカス駆動指令値FMがフォーカス駆動指令FXとして決定される。
【0065】
S707に進むと、S706で決定した優先度の高いフォーカス駆動指令値をフォーカス駆動指令FXとして決定し、S717に進む。
S708に進むと、通信速度項目有効且つ通信速度項目により優先度が判定できた場合、S709に進み、通信速度項目無効又は優先度の判断ができなかった場合は、S710に進む。
ここでレンズマウントIF状態情報及びレンズコネクタIF状態情報が
図4で示す通りの場合、マウントIFの通信速度は、100kbpsでコネクタIFの通信速度は、9600bpsである。従って
図6に示す優先度判定基準により、マウントIFフォーカス駆動指令値FMがフォーカス駆動指令FXとして決定される。
【0066】
S709に進むと、S708で決定した優先度の高いフォーカス駆動指令値をフォーカス駆動指令FXとして決定し、S717に進む。
S710に進むと、フォーカス指令値更新間隔項目有効且つフォーカス指令値更新間隔項目により優先度が判定できた場合、S711に進み、フォーカス指令値更新間隔項目無効又は優先度の判断ができなかった場合は、S712に進む。
ここでレンズマウントIF状態情報及びレンズコネクタIF状態情報が
図4で示す通りの場合、マウントIFのフォーカス指令値更新間隔は、16msでコネクタIFのフォーカス指令値更新間隔は、100msである。従って
図6に示す優先度判定基準により、マウントIFフォーカス駆動指令値FMがフォーカス駆動指令FXとして決定される。
【0067】
S711に進むと、S710で決定した優先度の高いフォーカス駆動指令値をフォーカス駆動指令FXとして決定し、S717に進む。
S712に進むと、フォーカス指令値サイズ項目有効且つフォーカス指令値サイズ項目により優先度が判定できた場合、S713に進み、フォーカス指令値サイズ項目無効又は優先度の判断ができなかった場合は、S714に進む。
ここでレンズマウントIF状態情報及びレンズコネクタIF状態情報が
図4で示す通りの場合、マウントIFのフォーカス指令値サイズは、2バイトでコネクタIFのフォーカス指令値サイズは、4バイトである。従って
図6に示す優先度判定基準により、コネクタIFフォーカス駆動指令値FCがフォーカス駆動指令FXとして決定される。
【0068】
S713に進むと、S712で決定した優先度の高いフォーカス駆動指令値をフォーカス駆動指令FXとして決定し、S717に進む。
S714に進むと、フォーカス指令対応コマンド数項目有効且つフォーカス指令対応コマンド数項目により優先度が判定できた場合、S715に進み、フォーカス指令対応コマンド数項目無効又は優先度の判断ができなかった場合は、S716に進む。
ここでレンズマウントIF状態情報及びレンズコネクタIF状態情報が
図4で示す通りの場合、マウントIFのフォーカス指令対応コマンド数は、3つでコネクタIFのフォーカス指令対応コマンド数は、2つである。従って
図6に示す優先度判定基準により、マウントIFフォーカス駆動指令値FMがフォーカス駆動指令FXとして決定される。
【0069】
S715に進むと、S714で決定した優先度の高いフォーカス駆動指令値をフォーカス駆動指令FXとして決定し、S717に進む。
S716に進むと、フォーカス駆動指令決定情報テーブルによる判定が不可と判断し、予め決められた優先度判定基準により、フォーカス駆動指令FXとして決定される。本実施例では、マウントIFフォーカス駆動指令値FMがフォーカス駆動指令FXとして決定される。
S717に進むと処理を終了する。
【0070】
以上により、フォーカス駆動指令FXが決定される。
ここではフォーカスレンズ位置の駆動指令を例に説明したが、ズームレンズ及びアイリスの駆動指令に対しても同様に駆動指令値を決定することができる。
【0071】
本実施例では、光学部材駆動指令を例に説明したが、以下のレンズユニット10の動作に影響を与えるカメラ本体11の情報に関しても同様の効果が得られる。
・内蔵エクステンダー設定
・防振設定
・オートフォーカス設定
・アナログコントロール、コマンドコントロール切り換え
・フォーカス駆動による画角変動補正設定
・カメラ製品情報
・通信速度切替設定
・錯乱円情報通知
・イメージサイズ通知
【0072】
以上によりレンズユニット及びカメラ本体をマウントIF及びコネクタIFの両方で接続した場合に、それぞれで授受される情報に差異が発生したとしても、一つの光学部材駆動指令を有効な指令として決定し、システム破綻を防ぐことができる。
【実施例2】
【0073】
次に、
図8を用いて、本発明の第2の実施例にかかる撮影システムを説明する。
実施例2では、カメラ本体11において、レンズ情報を決定する場合について説明する。
【0074】
図8は本発明の実施例2に係る撮影システムの構成ブロック図であり、
図1と同様の構成のものは同符号を付す。
図8において、レンズユニット10は、フォーカス位置検出部801、ズーム位置検出部802、アイリス位置検出部803、レンズ制御部804、を備える。フォーカス位置検出部801は、フォーカスレンズ106の位置を検出し、ズーム位置検出部802は、ズームレンズ107の位置を検出し、アイリス位置検出部803は、アイリス108の位置を検出する。フォーカス位置検出部801、ズーム位置検出部802、アイリス位置検出部803は、例えばエンコーダで構成される。レンズ制御部804は、レンズユニット10の制御を行うレンズ制御部であり、例えばCPUの処理部内に構成される。
【0075】
カメラ本体11は、レンズ情報決定部807、カメラマウントIF状態情報部805、カメラコネクタIF状態情報部806を備える。カメラマウントIF状態情報部805、は、マウント102に関するインターフェースの状態情報を管理する状態管理部である。カメラコネクタIF状態情報部806は、コネクタ104に関するインターフェースの状態情報を管理する状態管理部である。レンズ情報決定部807は、カメラマウントIF通信部113及びカメラコネクタIF通信部114で受信したレンズユニット10からの状態通知コマンドから、唯一の状態情報を決定するレンズ情報決定部である。カメラマウントIF状態情報部805、カメラコネクタIF状態情報部806、レンズ情報決定部807は、例えばCPUの処理部内に構成される。
【0076】
フォーカスレンズ106及びズームレンズ107及びアイリス108それぞれの位置はフォーカス位置検出部801、ズーム位置検出部802、アイリス位置検出部803により検出され、レンズ制御部804に出力される。レンズ制御部804は、フォーカスレンズ位置、ズームレンズ位置、アイリス位置(以下光学部材位置)を取得すると、レンズマウントIF通信部115及びレンズコネクタIF通信部117に通知する。
【0077】
レンズマウントIF通信部115は、光学部材位置を受信すると、カメラ本体11宛のマウントIFコマンドを生成し、マウント101及び102に設けられた接点を介してカメラマウントIF通信部113にマウントIFコマンドを送信する。カメラ本体11宛のマウントIFコマンドについては後述する。ここで、光学部材位置は、マウントIFコマンドに応じて、様々な位置情報に変換される。具体的には、フォーカスレンズ位置、ズームレンズ位置、アイリス位置はそれぞれ、被写体距離、焦点距離、F値(以下マウントIF撮影条件値)に変換される。
【0078】
一方レンズコネクタIF通信部117は、光学部材位置を受信すると、カメラ本体11宛のコネクタIFコマンドを生成する。更にコネクタ103及びコネクタ104に設けられた信号ピン及びケーブル105を介してカメラマウントIF通信部114にコネクタIFコマンドを送信する。カメラ本体11宛のコネクタIFコマンドについては後述する。ここで、光学部材位置は、コネクタIFコマンドに応じて、マウントIFと同様に様々な撮影条件値に変換される。具体的には、フォーカスレンズ位置、ズームレンズ位置、アイリス位置はそれぞれ、被写体距離、焦点距離、F値(以下コネクタIF撮影条件値)に変換される。
【0079】
カメラ本体11は、カメラマウントIF通信部113にてマウントIFコマンドを受信すると、マウントIFコマンドから撮影条件値を解読し、解読したマウントIF撮影条件値をレンズ情報決定部807に通知する。更にマウントIFの通信に関するカメラマウントIF通信情報をカメラマウントIF状態情報部805に通知する。カメラマウントIF状態情報部805は、カメラマウントIF通信情報から、カメラマウントIF状態情報を生成し、レンズ情報決定部807に通知する。
【0080】
一方、カメラ本体11は、カメラコネクタIF通信部114にてコネクタIFコマンドを受信すると、コネクタIFコマンドから撮影条件値を解読し、解読したコネクタIF撮影条件値をレンズ情報決定部807に通知する。更にコネクタIFの通信に関するカメラコネクタIF通信情報をカメラコネクタIF状態情報部806に通知する。カメラコネクタIF状態情報部806は、カメラコネクタIF通信情報から、カメラコネクタIF状態情報を生成し、レンズ情報決定部119に通知する。
カメラマウントIF通信情報、カメラマウントIF状態情報、カメラコネクタIF通信情報、カメラコネクタIF状態情報については後述する。
【0081】
レンズ情報決定部807は、カメラマウントIF状態情報、カメラコネクタIF状態情報を元に、撮影条件値を決定する。レンズ情報決定部807による撮影条件値を決定する方法については後述する。
レンズ情報決定部807は、撮影条件値を決定すると、カメラ制御部110に通知する。カメラ制御部110は、撮影条件値を取得すると、ビューファインダ112に撮影条件値を表示させる。
【0082】
次にカメラ本体11宛のマウントIFコマンドについて
図9を用いて説明する。
カメラ本体11宛のマウントIFコマンドフォーマットについては、
図2(a)で示されたフォーマットと同じである。
【0083】
図9(a)はフォーカス位置に関するマウントIFのコマンド種別を示している。
コマンド種別のレンズ対応コマンド通知は、コマンド種別コードとして21という値が定義されている。コマンドデータサイズは、以下に続くコマンドデータのサイズにより異なる。コマンドデータは、対応コマンド種類を示すデータが定義され、例えばレンズユニット10が、コマンド種別コードの23、24に対応している場合、23、24の2バイトのデータ列がコマンドデータとして設定される。
【0084】
コマンド種別のフォーカス指令採用通知は、コマンド種別コードとして22という値が定義されている。コマンドデータサイズは1バイトで、コマンドデータは1の時に採用、0の時に非採用を示す。フォーカス指令採用通知は、カメラ本体11からのマウントIFコマンドによるフォーカス駆動指令によりフォーカスが駆動されている場合に採用が通知される。このフォーカス指令採用通知を受信したカメラ本体11では、どのインターフェースを介して交換レンズ10に出力した情報(駆動指令)が有効な駆動指令として採用されたかを特定することができる。
【0085】
コマンド種別のフォーカス位置優先設定は、コマンド種別コードとして23という値が定義されている。コマンドデータサイズは1バイトで、コマンドデータは1の時にON、0の時にOFFを示す。フォーカス位置優先設定は、マウントIFコマンドのフォーカス位置をコネクタIFコマンドのフォーカス位置より優先してほしい時にONに設定される。
コマンド種別コード24、25のマウントIFコマンドについては、
図9(b)を用いて説明する。コマンド種別コード24、25のマウントIFコマンドは、フォーカス位置通知を行うコマンドである。
【0086】
図9(b)はフォーカスレンズ106の現在位置MF1の位置関係を示している。紙面左側が至近側の位置を表し、紙面右側が無限側の位置を表す。フォーカスレンズ位置は、全駆動域を100%として、至近側を0%、無限側を100%と定義される。また、実施例のレンズユニット10は、フォーカスレンズ位置が0%の時に、被写体距離が1mとなり、順次30%、100%のフォーカスレンズ位置にそれぞれ被写体距離が100m、∞となっている。現在のフォーカス位置MF1のフォーカスレンズ位置が30%で被写体距離が100mである場合を例として、コマンド種別コードが24、25となるマウントIFコマンドについて説明する。
【0087】
コマンド種別コード24を使用して現在のフォーカス位置MF1を通知する場合、被写体距離値MF1Dに100mを示す値を設定し、マウントIFコマンドを生成する。コマンド種別コード25を使用して現在のフォーカス位置MF1を通知する場合、全駆動域に対してのフォーカスレンズ位置MF1Rに30%を示す値を設定し、マウントIFコマンドを生成する。以上により、マウントIFコマンドを用いて、フォーカスレンズ位置の通知を行うことができる。
ここではフォーカスレンズ位置の駆動指令を例に説明したが、ズームレンズ及びアイリスの位置に対しても同様にマウントIFコマンドが定義されている。
【0088】
次にカメラ本体11宛のコネクタIFコマンドについて
図10を用いて説明する。
カメラ本体11宛のコネクタIFコマンドフォーマットについては、
図3(a)で示されたフォーマットと同じである。
【0089】
図10(a)はフォーカス位置に関するマウントIFのコマンド種別を示している。
マウントIFコマンドに比べ、コマンド種別コード、コマンドデータサイズ、全駆動域に対してのフォーカスレンズ位置通知に対応していない点以外は同等である。
【0090】
コマンド種別コード32のフォーカス指令採用通知に関しては、カメラ本体11からのコネクタIFコマンドによるフォーカス駆動指令により、フォーカスが駆動されている時に採用が通知される。このフォーカス指令採用通知を受信したカメラ本体11では、どのインターフェースを介して交換レンズ10に出力した情報(駆動指令)が有効な駆動指令として採用されたかを特定することができる。
【0091】
コマンド種別コード33に関しては、レンズユニット10からのコネクタIFコマンドのフォーカス位置をマウントIFコマンドのフォーカス位置より優先してほしい時にONに設定される。
以下にコマンド種別コード34のコマンドについて、
図10(b)を用いて説明する。コマンド種別コード34のコネクタIFコマンドは、フォーカス位置通知を行うコマンドである。
【0092】
図10(b)はフォーカスレンズ106の現在位置CF1の位置関係を示している。紙面左側が至近側の位置を表し、紙面右側が無限側の位置を表す。フォーカスレンズ位置は、全駆動域を100%として、至近側を0%、無限側を100%と定義される。現在のフォーカス位置CF1のフォーカスレンズ位置が30%ある場合を例として、コマンド種別コードが34となるコネクタIFコマンドについて説明する。
【0093】
コマンド種別コード34を使用して現在のフォーカス位置CF1を通知する場合、被写体距離値CF1Dに100mを示す値を設定し、マウントIFコマンドを生成する。以上により、マウントIFコマンドを用いて、フォーカスレンズ位置の通知を行うことができる。
ここではフォーカスレンズ位置の駆動指令を例に説明したが、ズームレンズ及びアイリスの位置に対しても同様にマウントIFコマンドが定義されている。
【0094】
次にカメラマウントIF通信情報、カメラマウントIF状態情報、カメラコネクタIF通信情報、カメラコネクタIF状態情報について
図11を用いて説明する。
【0095】
図11は、カメラマウントIF通信情報、カメラコネクタIF通信情報及びカメラマウントIF既定情報、カメラコネクタIF既定情報の項目と値を示している。ここでカメラマウント通信IF情報とカメラマウントIF既定情報を合わせた情報がカメラマウントIF状態情報となり、カメラコネクタ通信IF情報とカメラコネクタIF既定情報を合わせた情報がカメラコネクタIF状態情報となる。
図11に示す通り、カメラマウントIF通信情報とカメラコネクタIF通信情報は同じ項目で構成され、カメラマウントIF既定情報とカメラコネクタIF既定情報も同様に同じ項目で構成されている。カメラマウントIF通信情報とカメラコネクタIF通信情報は通信状態により変化する情報であり、カメラマウントIF既定情報とカメラコネクタIF既定情報は予め決められた値となる。カメラマウントIF通信情報とカメラコネクタIF通信情報は、変化に応じてそれぞれカメラマウントIF通信部113及びカメラコネクタIF通信部114からカメラマウントIF情報部805及びカメラコネクタIF情報部806に通知される。カメラマウントIF既定情報とカメラコネクタIF既定情報は、CPUのROMデータとして予め書き込まれている情報となる。
【0096】
次に各項目について説明する。
通信速度については、マウントIF通信及びコネクタIF通信それぞれの現在の通信速度をカメラマウントIF通信部113及びカメラコネクタIF通信部114が判断し、値を設定する。例えばカメラコネクタIF通信情報の通信速度は9600bpsとなっているが、コネクタIFコマンドにより、通信速度が19200bpsに切り替えられた場合は、値が192000bpsに変化する。
【0097】
接続状態については、カメラマウントIF通信部113がマウントIFコマンドを一定時間以内に受信していれば、カメラマウントIF通信情報の接続状態は接続となり、受信していなければ、切断となる。同様にカメラコネクタIF通信部114がコネクタIFコマンドを一定時間以内に受信していれば、カメラコネクタIF通信情報の接続状態は接続となり、受信していなければ切断となる。
【0098】
フォーカス指令対応コマンド数は、
図9、
図10に示す対応コマンド通知のコマンドにより、レンズユニット10が対応しているフォーカス位置に関するコマンド数を知ることができる。
【0099】
フォーカス位置値更新間隔については、フォーカス位置通知を行うコマンドの受信周期をカメラマウントIF通信部113及びカメラコネクタ通信部114で測定することにより、判断することができる。
【0100】
フォーカス位置値サイズは、カメラマウントIF通信部113及びカメラコネクタIF通信部114でそれぞれ受信したフォーカス位置通知を行うコマンドの指令値のサイズにより決定する。
図9、
図10に示す通り、コマンド毎に予め定められた値となる。
【0101】
フォーカス優先設定は、
図9、
図10に示すフォーカス位置優先設定のコマンドによりレンズユニット10から設定された値により決定される。
【0102】
フォーカス駆動採用状態は、
図9、
図10に示すフォーカス指令採用通知のコマンドによりレンズユニット10から通知された値により決定される。
ここではフォーカスレンズ位置通知を例にカメラマウントIF状態情報及びカメラコネクタIF状態情報について説明した。更にズームレンズ及びアイリス位置通知に対しても同様にカメラマウントIF状態情報及びカメラコネクタIF状態情報を定義されている。
【0103】
次にレンズ情報決定部807による撮影条件値を決定する方法について
図12を用いて説明する。
図12は、レンズ情報決定部807がフォーカス位置値を決定するフローチャートを示している。
【0104】
S1201で処理を開始し、S1202に進む。
S1202に進むと、カメラマウントIF状態情報の接続状態が接続且つ、カメラマウントIF通信部113からカメラマウントIFフォーカス位置FPMがあるか否かを判断し、接続且つ位置値有りの場合は、S1206に進む。切断又は位置値無しの場合は、S1203に進む。
S1203に進むと、カメラコネクタIF状態情報の接続状態が接続且つ、カメラコネクタIF通信部114からカメラコネクタIFフォーカス位置値FPCがあるか否かを判断し、接続且つ位置値有りの場合は、S1205に進む。切断又は位置値無しの場合は、S1204に進む。
【0105】
S1204に進むと、初期値をフォーカス位置値FPに設定し、S1210に進む。ここで初期値は既定値を設定し、この値がフォーカス位置値FPに設定されている時は、ビューファインダ112にフォーカス位置が表示されないようになっている。
S1205に進むと、コネクタIFフォーカス位置値FPCをフォーカス位置値FPに設定し、S1210に進む。
【0106】
S1206に進むと、カメラコネクタIF状態情報の接続状態が接続且つ、カメラコネクタIF通信部114からレンズコネクタIFフォーカス位置値FPCがあるか否かを判断し、接続且つ位置値有りの場合は、S1208に進む。切断又は位置値無しの場合は、S1207に進む。
S1207に進むと、マウントIFフォーカス位置値FPCをフォーカス位置値FPに設定し、S1210に進む。
S1208に進むと、優先度の高いフォーカス位置値FPXを決定し、S1209に進む。優先度の高いフォーカス位置値FPXを決定方法については後述する。
【0107】
S1209に進むと、決定したフォーカス位置値FPXをフォーカス位置値FPに設定し、S1210に進む。
S1210に進むと、カメラ制御部110にフォーカス位置値FPを出力し、S1211に進む。
S1211に進むと、処理を終了する。
【0108】
次に優先度の高いフォーカス位置値FPXを決定方法について
図13、
図14を用いて説明する。
図13は、優先度の高いフォーカス位置値FPXを決定するフォーカス位置決定情報テーブルを示している。優先度の高いフォーカス位置値FPXを決定する判断項目は、
図13に示す7つであり、フォーカス位置決定情報テーブルの判定優先度の値が小さい程、判定の優先度が高いことを示している。また、判定項目毎に有効/無効設定が存在し、これら判定優先度及び有効/無効設定は、予め決められた設定値、又はマウントIFコマンド、コネクタIFコマンドにて設定される値が用いられる。判定項目毎の有効/無効設定は、有効時に、対応する項目の優先度判定を行い、無効時に、対応する項目の優先度判定を行わないことを示す。
【0109】
項目のIF種別に関し、優先度判定基準として、コネクタの優先度が高いと規定している。これは、実施例1と同等の理由である。
【0110】
項目のフォーカス駆動採用に関して、優先度判定基準として、フォーカス駆動作用が採用の場合に優先度が高いと規定している。これは、フォーカス駆動指令はフォーカス位置情報を元に決定されるため、フォーカス駆動指令を採用した接続インターフェースのフォーカス位置の方がよりフォーカス駆動指令に対して同期性が高い値を返信できるためである。
【0111】
項目の通信速度に関して、優先度判定基準として、通信速度が速い場合に優先度が高いと規定している。これは、実施例1と同等の理由である。
【0112】
項目のフォーカス位置値更新間隔に関して、優先度判定基準として、フォーカス位置値更新間隔が短い場合に優先度が高いと規定している。これは、フォーカス位置値更新間隔が短いほど、レンズユニット10からリアルタイム性が高いフォーカス位置値をカメラ本体11に返信しているためである。
【0113】
項目のフォーカス位置値サイズに関して、優先度判定基準として、フォーカス位置値サイズが大きいほど、優先度が高いと規定している。これは、フォーカス位置値サイズが大きいほど、レンズユニット10から精度の高いフォーカス位置値をカメラ本体11が取得できるためである。
【0114】
項目のフォーカス位置対応コマンド数に関して、優先度判定基準として、フォーカス位置対応コマンド数が多いほど、優先度が高いと規定している。これは、フォーカス位置対応コマンド数が多いほど、レンズユニット11から多彩なフォーカス位置値をカメラ本体11が取得できるためである。
【0115】
図14は、判定優先度が
図13に示す値の時のフォーカス位置値FPXを決定するフローチャートを示している。
【0116】
S1401で処理を開始し、S1402に進む。
S1402に進むと、IF種別項目有効且つIF種別項目により優先度が判定できた場合、S1403に進み、無効又は優先度の判断ができなかった場合は、S1404に進む。
【0117】
S1403に進むと、カメラマウントIF状態情報及びカメラコネクタIF状態情報のIF種別及びフォーカス位置決定情報テーブルの優先判定基準によりフォーカス位置値FPXが決定される。例えばカメラマウントIF状態情報及びカメラコネクタIF状態情報が
図11で示す通りの場合、カメラマウントIF状態情報のIF種別がマウントで、カメラコネクタIF状態情報のIF種別がコネクタのとなる。従って
図13に示す優先度判定基準により、コネクタIFフォーカス位置値FPCがフォーカス位置値FPXとして決定される。フォーカス位置値FPXを決定すると、S1417に進む。
【0118】
S1404に進むと、フォーカス駆動採用項目有効且つフォーカス駆動採用項目により優先度が判定できた場合、S1405に進み、フォーカス駆動採用項目無効又は優先度の判断ができなかった場合は、S1406に進む。
ここでカメラマウントIF状態情報及びカメラコネクタIF状態情報が
図11で示す通りの場合、マウントIFのフォーカス駆動採用状態は、採用でコネクタIFのフォーカス駆動採用状態は、不採用である。従って
図13に示す優先度判定基準により、マウントIFフォーカス位置値FPMがフォーカス位置値FPXとして決定される。
【0119】
S1405に進むと、S1404で決定した優先度の高いフォーカス位置値をフォーカス位置値FPXとして決定し、S1417に進む。
S1406に進むと、フォーカス優先度設定項目有効且つフォーカス優先度設定項目により優先度が判定できた場合、S1407に進み、フォーカス優先度設定項目無効又は優先度の判断ができなかった場合は、S1408に進む。
ここでカメラマウントIF状態情報及びカメラコネクタIF状態情報が
図11で示す通りの場合、マウントIFのフォーカス優先設定は、ONでコネクタIFのフォーカス優先設定は、OFFである。従って
図13に示す優先度判定基準により、マウントIFフォーカス位置値FPMがフォーカス位置値FPXとして決定される。
【0120】
S1407に進むと、S1406で決定した優先度の高いフォーカス位置値をフォーカス位置値FPXとして決定し、S1417に進む。
S1408に進むと、通信速度項目有効且つ通信速度項目により優先度が判定できた場合、S1409に進み、通信速度項目無効又は優先度の判断ができなかった場合は、S1410に進む。
ここでカメラマウントIF状態情報及びカメラコネクタIF状態情報が
図11で示す通りの場合、マウントIFの通信速度は、100kbpsでコネクタIFの通信速度は、9600bpsである。従って
図13に示す優先度判定基準により、マウントIFフォーカス位置値FPMがフォーカス位置値FPXとして決定される。
【0121】
S1409に進むと、S1408で決定した優先度の高いフォーカス位置値をフォーカス位置値FPXとして決定し、S1417に進む。
S1410に進むと、フォーカス指令値更新間隔項目有効且つフォーカス指令値更新間隔項目により優先度が判定できた場合、S1411に進み、フォーカス指令値更新間隔項目無効又は優先度の判断ができなかった場合は、S1412に進む。
ここでカメラマウントIF状態情報及びカメラコネクタIF状態情報が
図11で示す通りの場合、マウントIFのフォーカス指令値更新間隔は、16msでコネクタIFのフォーカス指令値更新間隔は、100msである。従って
図13に示す優先度判定基準により、マウントIFフォーカス位置値FPMがフォーカス位置値FPXとして決定される。
【0122】
S1411に進むと、S1410で決定した優先度の高いフォーカス位置値をフォーカス位置値FPXとして決定し、S1417に進む。
S1412に進むと、フォーカス指令値サイズ項目有効且つフォーカス指令値サイズ項目により優先度が判定できた場合、S1413に進み、フォーカス指令値サイズ項目無効又は優先度の判断ができなかった場合は、S1414に進む。
ここでカメラマウントIF状態情報及びカメラコネクタIF状態情報が
図11で示す通りの場合、マウントIFのフォーカス指令値サイズは、2バイトでコネクタIFのフォーカス指令値サイズは、4バイトである。従って
図13に示す優先度判定基準により、コネクタIFフォーカス位置値FPCがフォーカス位置値FPXとして決定される。
【0123】
S1413に進むと、S1412で決定した優先度の高いフォーカス位置値をフォーカス位置値FPXとして決定し、S1417に進む。
S1414に進むと、フォーカス指令対応コマンド数項目有効且つフォーカス指令対応コマンド数項目により優先度が判定できた場合、S1415に進む。一方、フォーカス指令対応コマンド数項目無効又は優先度の判断ができなかった場合は、S1416に進む。
ここでカメラマウントIF状態情報及びカメラコネクタIF状態情報が
図11で示す通りの場合、マウントIFのフォーカス指令対応コマンド数は、3つでコネクタIFのフォーカス指令対応コマンド数は、2つである。従って
図13に示す優先度判定基準により、マウントIFフォーカス位置値FPMがフォーカス位置値FPXとして決定される。
【0124】
S1415に進むと、S1414で決定した優先度の高いフォーカス位置値をフォーカス位置値FPXとして決定し、S1417に進む。
S1416に進むと、フォーカス位置決定情報テーブルによる判定が不可と判断し、予め決められた優先度判定基準により、フォーカス位置値FPXとして決定される。本実施例では、マウントIFフォーカス位置値FPMがフォーカス位置値FPXとして決定される。
S1417に進むと処理を終了する。
【0125】
以上により、フォーカス位置値FPXが決定される。
ここではフォーカスレンズ位置の駆動指令を例に説明したが、ズームレンズ及びアイリスの駆動指令に対しても同様に駆動指令値を決定することができる。
【0126】
本実施例では、光学部材駆動指令を例に説明したが、以下のカメラ本体11の動作に影響を与えるレンズユニット10の情報に関しても同様の効果が得られる。
・内蔵エクステンダー設定状態
・防振設定状態
・オートフォーカス設定状態
・フォーカス駆動による画角変動補正設定状態
・レンズ製品情報
・射出瞳状態
・入射瞳状態
・被写界深度情報
・過焦点距離情報
・水平画角情報
・透過率情報
・周辺光量ケラレ量情報
・カメラ録画設定状態
・本線映像ビューファー表示切り換え設定状態
・フォーカス、ズーム、アイリスの手動/電動切り換え設定状態
・倍率色収差補正情報
・周辺光量補正情報
・ディストーション補正情報
・ベストピント補正情報
【0127】
以上によりレンズユニット及びカメラ本体をマウントIF及びコネクタIFの両方で接続した場合に、それぞれで授受される情報に差異が発生したとしても、一つの撮影情報を有効な撮影情報として決定し、システム破綻を防ぐことができる。
【0128】
上記の実施例において、レンズユニット10とカメラ本体11との間の情報通信を可能とするインターフェースは、マウントIFとコネクタIFの2系統がある場合を例示して説明したが、本発明はこれの構成に限定されることはない。マウントIFと複数のコネクタIFを有する場合など、3系統以上の複数のインターフェースを有する場合であっても、本発明は同様に適用することが可能であり、それぞれで授受される情報に差異が発生しても、有効な情報を決定し、システム内の制御の破綻を防ぐことができる。