(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6437013
(24)【登録日】2018年11月22日
(45)【発行日】2018年12月12日
(54)【発明の名称】多数の孔を備える研磨ディスクのためのスロット付きバッキングパッド
(51)【国際特許分類】
B24B 55/10 20060101AFI20181203BHJP
B24B 23/02 20060101ALI20181203BHJP
【FI】
B24B55/10
B24B23/02
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-568785(P2016-568785)
(86)(22)【出願日】2015年1月15日
(65)【公表番号】特表2017-507801(P2017-507801A)
(43)【公表日】2017年3月23日
(86)【国際出願番号】PT2015000003
(87)【国際公開番号】WO2015119521
(87)【国際公開日】20150813
【審査請求日】2017年10月26日
(31)【優先権主張番号】107454
(32)【優先日】2014年2月6日
(33)【優先権主張国】PT
(73)【特許権者】
【識別番号】516076496
【氏名又は名称】インダザ インデュストリア デ アブラジヴォス エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フォンテス ダ ロシャ カストロ ジョアン ミゲル
(72)【発明者】
【氏名】ファレラ ビジーノ アルフレド マヌエル
(72)【発明者】
【氏名】ラトラ ブランコ オスカル エマヌエル
【審査官】
須中 栄治
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭55−042703(JP,A)
【文献】
特開2008−093817(JP,A)
【文献】
特開平10−264028(JP,A)
【文献】
実開昭57−028870(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0015900(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B55/00−55/12
B24B57/00−57/04
B24B3/00−3/60
B24B21/00−39/06
B24B41/00−51/00
B24D3/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
締結システムにより一緒に結合される上方、中間、および下方の三つの部材を有し、円錐台形状の前記上方部材(2)が吸引孔(7)と中央孔(8)とを含む、多数の孔を備える研磨ディスクのためのスロット付きバッキングパッド(1)において、
前記中間部材(3)が、中間吸引スロット(5)と、中央孔(8´)と、隆起壁(10)を境界とする後面のいくつかの吸引通路(6)とを有し、
前記中間部材(3)が係合する円錐台形状の前記下方部材(4)が、下方吸引スロット(11)および中央孔(8´´)と、同心で等距離間隔のリングに配設されるいくつかの下方吸引スロット(11)とを有し、前記下方吸引スロット(11)の各々の大きさが中心から周縁部まで増加する、
ことを特徴とするバッキングパッド。
【請求項2】
前記下方部材(4)の後面が、同心で間隔が等距離間隔のリングに配置される吸引凹溝(9)を有し、前記凹溝(9)が前記下方吸引スロット(11)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の多数の孔を備える研磨ディスクのためのスロット付きバッキングパッド。
【請求項3】
前記中間部材(3)の前記中間吸引スロット(5)が前記下方部材(4)の前記下方吸引スロット(11)と適合していることを特徴とする、請求項1に記載の多数の孔を備える研磨ディスクのためのスロット付きバッキングパッド。
【請求項4】
前記中間部材(3)が、
前記周縁部の等距離孔(12)と、
前記隆起壁(10)の内側で前記吸引通路(6)を境界とする、同心リングに配置される孔(12)と、
前記隆起壁(10)の内側で前記吸引通路(6)を境界とする、いくつかの孔(14)と、
を有することを特徴とする、請求項1に記載の多数の孔を備える研磨ディスクのためのスロット付きバッキングパッド。
【請求項5】
前記中間部材(3)がさらに、同心リングに配置される等距離の締結孔(13)を有することを特徴とする、請求項1に記載の多数の孔を備える研磨ディスクのためのスロット付きバッキングパッド。
【請求項6】
前記通路(6)の境界となる前記隆起壁(10)の形状が前記通路(6)の形状を画定することを特徴とする、請求項1に記載の多数の孔を備える研磨ディスクのためのスロット付きバッキングパッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッキングパッドのスロットに対する孔の不整合があってもバッキングパッドへのディスクの載置を可能にする、多数の孔を備える研磨ディスクのためのスロット付きバッキングパッドに関する。ディスクの残りの孔が、整合吸引のために設計されたスロットと適合することを保証して、バッキングパッドへのディスクの載置を容易にする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明で説明される多数の孔を備える研磨ディスクのためのスロット付きバッキングパッドは、以下の原理を満たすように設計された。
‐バッキングパッドのエリア全体にわたって均一な吸引を確保するため、同心で間隔が等距離のリングが設けられる。
‐上述した各同心リングにおいて、吸引エリアを均一に維持するためスロットが等距離間隔で構築される。
‐同心リングの各々におけるスロットの幅は、バッキングパッドの外側スロットに対してディスクの外側孔に発生しうる不整合にも関わらず、それでもディスクの内側孔がそれぞれのスロットと適合することが確実になるように設計される。こうして添付図面に示されたスロットの幅が求められて、スロットのエリアが最適化され、その過大化、ひいては各スロット/孔での空気速度および流量の減少を回避し、研磨から生じる粉塵および粒子のより効果的な除去のため孔がスロットと適合していることを常に確実にする。
‐バッキングパッドの各リングからその中心までと、各リングの間の距離は、市場で入手可能な従来のディスクに存在する孔がこのバッキングパッドで使用されて、孔のすべてを、バッキングパッドのスロットとの適合または部分的適合状態に維持するように設計される。
‐リングとスロットのいずれかの、それぞれの相互間の等距離と、各リングのスロットの幅とにより、孔をスロットとの適合状態に載置するだけでバッキングパッドへのディスクの容易な載置が可能となり、こうして、ディスク孔とバッキングパッドスロットとの適合を確実にする特定位置の検索を回避する。このシステム/概念は、直径が75mmから225mmの研磨バッキングパッド/ディスクにも使用され、ディスクにおける同心リングの数、スロットの数、孔の数とその各々の間の距離とは、研磨から生じる粉塵の吸引/除去の有効性を維持するために変更が可能であり、リングの両方、または各リングの間のスロットのそれぞれの等距離に関して上に規定された原理を常に尊重する。
‐スロットの大きさによって、孔のないディスクの使用が可能となり、不均一な表面の研磨プロセスの間にディスクに高い安定性を付与する。
‐バッキングパッドの内側部材での空気流を最適化するため、本質的には、中の空気流を最適化するため内部の通路の構造について、バッキングパッドの様々なモデルが開発され試験を受けている。最大の粉塵蓄積領域であるバッキングパッドの内側領域の粉塵を除去することがさらに困難であるので、バッキングパッドの内側の吸引通路の設計は、これらの領域、正確にはこのバッキングパッドに形成される小さい方の同心リングでの研磨粉塵の除去において高い効率が可能となる。その原理は、スロットの各同心リングと適合する(バッキングパッドの内側の)吸引通路を載置することであり、これらの吸引通路の各々は、直接的または非直接的に他の吸引通路に接続されうる。このような吸引通路は、フォームの内側部分に、または機械へのバッキングパッドの剛性締結領域の内側部分に構築されうる。
【発明の効果】
【0003】
先行技術の周知の多数孔システムに対して、本発明で説明される多数の孔を備える研磨ディスクのためのスロット付きバッキングパッドの利点は、以下の通りである。
‐バッキングパッドに対する孔の整合を必要としないシステムが設けられ、多数の孔を備えるディスクの孔の大部分は、バッキングパッドの孔と適合していない。これらの場合には、ディスクの他の孔セットを使用することも可能であるが、市場にすでに存在するわずかな種類に限定される。これは、ディスクのすべての孔をバッキングパッドの孔と常に適合させておくことを望む場合に当てはまる。本発明の場合には、ただ一つの孔とスロットとの整合により、他のすべての孔(スロットと適合するように用意されたもの)とスロットとの整合が確実となる。市場に存在するディスクの残りの孔セットに関しては、大部分の最重要なものが、スロット付きバッキングパッドともに使用されて、孔とスロットとの(全体的または部分的な)適合を確実にする。
‐ディスクの残りの孔がバッキングパッドのすべての孔と適合するように、ディスクおよびバッキングパッドに存在する一つ以上の特定孔の整合を必要とする多数の孔システムが設けられる。本発明の場合には、バッキングパッドのスロットにディスクの孔が存在すると、(スロットと適合するように設定された)残りの孔との適合を確実にする。本発明の最大の利点は、このような特定孔を発見するまでディスクおよび/またはバッキングパッドを回転させる必要がないことである。
‐前段落で説明された多数孔システムが設けられ、これは、多数孔を備えるディスクに加えて、市場で周知の他の孔セットの使用を可能にする。しかし、15個の孔を備えるディスクの孔セットの場合には、ディスクの2または4個の特定孔の整合を必要とするため、残りはバッキングパッドの孔と適合する。
【0004】
本発明で説明される多数孔を備える研磨ディスクのためのスロット付きバッキングパッドは、孔のいずれかを通してバッキングパッドで整合が行われ、残りのスロットのすべてまたは一部の整合を確実にする。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】多数の孔を備える研磨ディスクのためのスロット付きバッキングパッドの等角図である。
【
図2】多数の孔を備える研磨ディスクのためのスロット付きバッキングパッドの等角図である。
【
図3】多数の孔を備える研磨ディスクのためのスロット付きバッキングパッドの等角図である。
【
図4】多数の孔を備える研磨ディスクのためのスロット付きバッキングパッドの下方部材の前面の図である。
【
図5】多数孔を備える研磨ディスクのためのスロット付きバッキングパッドの下方部材の後面の図である。
【
図6】多数孔を備える研磨ディスクのためのスロット付きバッキングパッドの下方部材の後面の図である。
【
図7】多数孔を備える研磨ディスクのためのスロット付きバッキングパッドの中間部材の後面の図である。
【
図8】多数孔を備える研磨ディスクのためのスロット付きバッキングパッドの中間部材の後面の図である。
【
図9】多数孔を備える研磨ディスクのためのスロット付きバッキングパッドの中間部材の後面の図である。
【
図10】多数孔を備える研磨ディスクのためのスロット付きバッキングパッドの上方部材の後面の図である。
【
図11】56H+1個の孔を含む多数孔を備える研磨ディスクの上面図である。
【
図12】21F+1個の孔を含む多数孔を備える研磨ディスクの上面図である。
【
図13】15個の孔を備える研磨ディスクと、多数孔を備えるバッキングパッドとの対応の不整合状態の上面図である。
【
図14】56+1個の孔を含む多数孔を備える研磨ディスクの上面図である。
【
図15】80+1個の孔を含む多数孔を備える研磨ディスクの上面図である。
【
図16】15個の孔を含む研磨ディスクの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下に提示される説明は、限定の性質を含まず単なる参照として提示される添付図面を参照して行われる。
【0007】
多数孔を備える研磨ディスクのためのスロット付きバッキングパッドは研磨材料の除去の改良を効果的に可能にし、これは、本発明で説明されるバッキングパッドとともに使用された時にディスク周縁部および研磨バッキングパッドでの粉塵の蓄積が存在しないことにより表される。
【0008】
本発明は、多数孔を備える研磨ディスクのためのスロット付きバッキングパッドに関し、8mmのバッキングパッドのスロットに対して孔の不整合が見られてもバッキングパッドへのディスクの載置を可能にする。これは、(整合吸引のために設定された)それぞれのスロットとディスクの残りの孔との適合を確実にし、こうしてバッキングパッドへのディスクの載置を容易にする。
【0009】
(この場合にはグリップタイプの締結システムにより)バッキングパッドにディスクを使用する時には、機械の回転と、ディスクと研磨される材料との間で発生する摩擦とにより研磨プロセス中に移動が発生することがよく知られている。このような移動は、孔の適合において不整合を引き起こす。バッキングパッド/ディスクが有する孔が多いほど、そしてその直径が小さいほど、不整合は顕著となり、(研磨プロセス中に)ディスクの孔がバッキングパッドの孔と適合せずに、研磨粉塵の除去を妨げるとともに、バッキングパッドへ粉塵を過剰に蓄積させるという重大な場合が生じる。本発明の場合には、そして孔が正しく整合されてそれぞれのスロットでセンタリングされている(
図11)場合には、(56H+1個の孔セットを備えるディスクの場合に)ディスクが約4mmだけいずれかの側に回転移動できて、孔とスロットとの適合が維持される(
図11)ため、上述した技術的問題は発生せず、効率的な吸引を維持するとともに、孔のエリアにおいてバッキングパッドでの過剰な粉塵の蓄積を防止する。
【0010】
20H+1個の孔セットを備えるディスクの場合に、ディスクは約2.5mmだけいずれかの側へ回転移動でき(
図12)、スロットに対するディスクの孔の適合が維持されるが、この移動が多い場合にも、孔の大きさが8mmであるので、全体的な不整合は決して発生しない。すなわち、この移動が多い時でも、少なくとも部分的な適合が保たれて、粉塵の除去を常に確実にする(
図12)。
【0011】
多数孔を備えるディスクをスロット付きバッキングパッドに載置するには、ディスクのいずれかの孔をバッキングパッドのいずれかのスロットと整合させるだけでよく、こうして、56H+1個の孔セットを備えるディスクについては、ディスクの残りの孔は(整合吸引のため設定された)バッキングパッドのすべてのスロットと常に整合する(
図11)。20H+1個の孔セットの場合には、ディスクのすべての孔がバッキングパッドの孔と適合する(
図12)。
【0012】
ディスクのエリア全体で均一な吸引を行うためには、そして各スロットの空気速度の低下を招くことなく、スロットの量を増加させる決定は行われずにディスクの孔がスロットと適合しないように設定されるが、近接したスロットにより生じる空気流のため、これらの孔により効果的な吸引が保証される。20H+1個の孔セットを備えるディスクの場合には、バッキングパッドに対するディスクの位置と関係なく、ディスクのすべての孔がバッキングパッドのスロットと常に適合する(
図12)。
【0013】
整合していない孔で発生する吸引(
図11)は、上述したように、研磨から生じる粒子が一定の大きさを超える場合には充分でなく、この場合、バッキングパッドは、
図14乃至15によりディスク56H+1または80H+1の孔すべてと適合する80個のスロットを含む設計である。ディスク20H+1の場合には、ディスク載置に関係なくすべての孔が常にスロットと整合する(
図12)ため、この技術的問題は発生しない。
【0014】
バッキングパッドの幾何学形状と低流量の吸引システムでのスロットの大きさとにより、良好な吸引有効性とその結果としての粉塵除去とを可能にする各スロットの特定の空気速度が保証される。従来のシステムにおいて、孔の大きさは、低流量の吸引システムにより、良好な吸引有効性とその結果としての粉塵除去とを可能にする空気速度を保証しない。
グラフ1−相対的収率試験−低い吸引流量の場合
グラフ2−相対的収率試験−通常の吸引流量の場合
【0015】
上記グラフの分析は、通常の吸引流量の場合には、15Hシステムと本発明のシステムとの間の収率差が小さいことを示している。
【0016】
吸引流量が低い場合に、15Hシステムと本発明のシステムとの間の収率差は、かなり大きくなる。
【0017】
通常の流量とは、清潔な研磨システム−フィルタ+新品の粉塵収集バッグ−のための真空クリーナにより発生される流量を意味する。
【0018】
低流量とは、閉塞状態のフィルタおよび粉塵収集バッグを備える研磨システムのための真空クリーナにより発生される流量を意味する。
【0019】
バッキングパッドスロット+ディスク15H,8H+1,8H,6H+1,6H
市場に存在している15H以上の孔のバッキングパッドは、ディスク(またはバッキングパッド)を回転させるのにディスク15Hの孔セットと15個の孔のバッキングパッドとの整合を必要とするため、ディスク直径と整合された2(または4個の孔)が、(同じ形状の孔を含む)バッキングパッドのそれぞれの孔と一致しうる。スロットを備えるバッキングパッドへ15個の孔のディスクを載置する場合には、ディスク15Hの孔のいずれかをスロットのいずれかと整合させるだけでよく、他のすべてはバッキングパッドのスロットと(全体的または部分的に)適合する(
図16)。
【0020】
孔のないディスクとのバッキングパッド15Hの利用の場合に、バッキングパッドの孔のエリアでは、孔のないディスクが持続可能性を持たない広いエリアとなる。スロット付きバッキングパッドの場合には、スロットのサイズが小さい(幅3mm)と、孔のないディスクの載置を可能にして、バッキングパッド上の持続不能なディスクエリアを最小にする。
【0021】
すなわち、15個の孔(が含まれる)か15個の孔または8個の孔または6個の孔を含む多数孔を備える従来のバッキングパッドでは、孔のない1枚のディスクが不均一な表面(輪郭を持つか突状など)の研磨作業のために載置される時に、孔の直径が8乃至10mmなので、ディスクは、バッキングパッドの孔の領域でディスクが破損することがある。本発明のバッキングパッドの場合には、各スロットと、各スロットのエリアが小さい場合には最も内側の同心リングの大きさにより、孔のない研磨ディスクの破損の危険が実質的に回避される(ディスクの最も中央の部分は通常、上述の研磨作業で最も要求が高いことに注意すべきである)。
【0022】
8H+1、8H、6H+1、6Hの孔セットを備えるディスクの場合に、バッキングパッドのスロットの形状は、ディスクのいずれかの孔といずれかのスロットとの整合も必要とし、ディスクの残りの孔とバッキングパッドのスロットとの瞬間的な整合を可能にする(
図16)。
【0023】
一つのスロット(またはスロットの一部)とディスクの孔(上述した孔セットのすべて)のいずれかとの適合を確実にすることにより、それぞれの孔セットのためのそれぞれのバッキングパッド(バッキングパッド6H+1とディスク6H+1および6H、バッキングパッド8H+1とディスク8H+1および8H、バッキングパッド15Hとディスク15H)に従って、良好な吸引が保証される。バッキングパッド15Holesと、すでに述べた様々な孔セットを含む本発明のバッキングパッドとの組み合わせによるディスクの収率は、下図に示されたものに非常に近い。
グラフ3−相対的収率試験−バッキングパッド15HおよびバッキングパッドMulti−Indasaと孔セット15Hおよび6H+1を備えるディスク
IND 15H−6H+1:15個の孔のバッキングパッドと6+1個の孔のディスクとにより実施された試験
IND 15H−D15H:15個の孔のバッキングパッドと15個の孔のディスクとにより実施された試験
Multi IND A−6H+1:バッキングパッドMulti−Indasaと6+1個の孔のディスクとにより実施された試験
Multi IND A−D15H:バッキングパッドMulti−Indasaと15個の孔のディスクとにより実施された試験
【0024】
本発明で説明されるバッキングパッドは、スロット付きバッキングパッドへのディスクの載置の間に、約3mmのバッキングパッドのスロットに対する孔の不整合を生じうる(
図13)。ディスクの残りの孔とスロットとの(部分的または全体的)適合を保証し、こうしてディスクの載置を容易にする。
【0025】
図1乃至3に見られるように、多数の孔を備える研磨ディスクのためのスロットを含むバッキングパッド(1)は、締結システムにより一緒に結合される三つの部材を有する。
‐円錐台形状の上方部材(2)は、吸引孔(7)と中央孔(8)とを含む。
‐中
間部材(3)は、
中間吸引スロット(5)と、中央孔(8´)と、隆起壁(10)を境界とする後面のいくつかの吸引通路(6)とを有する。
‐中
間部材(3)が係合する円錐台形状の下方部材(4)は、
下方吸引スロット(
11)および中央孔(8″)と、同心で等距離間隔のリング上に配設される
下方吸引スロット(11)とを有し、各
下方吸引スロット(1
1)の大きさは中心から周縁部まで増加する。
【0026】
図6において、下方部材(4)の後面は、同心で等距離間隔であるリングに配置される吸引凹溝(9)を有し、この凹溝(9)が
下方吸引スロット(11)を含むことが分かる。
【0027】
中
間部材(3)の
中間吸引スロット(5)は、下方部材(4)の
下方吸引スロット(11)と適合している。
【0028】
多数の孔を備える研磨ディスクのためのスロット付きバッキングパッドにおいて、中間部材(3)は、それぞれの係合および接合によって中間部材を上方部材へ締結するため、同心リングに従って等距離に配置された様々な孔(13)を有する。
【0029】
通路(6)を区切る隆起壁(10)の形状が、通路(6)の形状を画定する。
【0030】
発明の実施形態
下方部材(4)は、それぞれ
図5乃至6に見られるような二つの実施形態を有しうる。
【0031】
図5乃至6に表された
下方吸引スロット(11)は、同心で等距離間隔のリング上に配設され、
下方吸引スロット(11)の各々の大きさは中心から周縁部まで増加している。
【0032】
他方、中間部材(3)は、
図7乃至9にそれぞれ見られるような三つの実施形態を有しうる。
【0033】
こうして、
図9に見られるような実施形態の一つにおいて、中間部材(3)は、
‐周縁部の等距離孔(12)と、
‐隆起壁(10)の内側で吸引通路(6)を境界とする、同心リング上に配置される孔(12)と、
‐吸引通路(6)の境界となる隆起壁(10)の内側のいくつかの孔(14)と、
を有する。
【0034】
当業者には明白であるように、様々な細かい変更が可能であるが、これらは発明の範囲に含まれるべきである。
【0035】
本発明は、以下の請求項の趣旨によってのみ限定されるべきである。