【実施例1】
【0013】
図1に本実施に係る画像診断システム全体のブロック図、
図2にOCTユニットのブロック図、
図3に制御装置のブロック図、
図4に制御装置が実行する制御処理のフローチャートを示す。これらの図を用い本発明の実施例を説明する。本実施例に係る画像診断システム1(眼科撮影装置とも呼ぶ)は、被検査体を被検体の眼部とする撮像装置10と、撮像装置10に対して撮像制御処理を実行する制御装置20を有する。撮像装置10は被検眼の眼底を光干渉断層計(オプティカルコヒーレンストモグラフィー、OCT:Optical Coherence Tomography)の原理を用いて撮像する光干渉断層撮像装置であり、光干渉断層撮像部のほか、前眼部を撮影する前眼部撮影部と、SLO撮像部と、を有する。
【0014】
<前眼部撮像部>
初めに、
図1に基づき、アライメントのための前眼部撮像部、及びアライメントについて説明する。この実施形態における座標は、眼軸方向をZ、眼底画像に対し水平方向をX、垂直方向をYとする。前眼部照明用LED120により前眼部は照明され、前眼部はビームスプリッタ116、前眼部フォーカスレンズ117により前眼部カメラ119に結像され前眼部の像を得る、この像は、
図3のCPU301に入力される。
【0015】
<SLO、眼底撮像部>
図1に基づき、眼底観察のための装置であるSLO(Scanning Laser Opthalmoscope)の説明を行う。レーザ光源101は、半導体レーザやSLD光源(Super Luminescent Diode)が好適に用いることができる。用いる波長は、眼底観察として被検者の眩しさの軽減と分解能維持のために、700nm〜1000nmの近赤外の波長域が好適に用いられる。本実施の形態においては、波長780nmの半導体レーザを用いる、また制御電圧により光量を変化させることもできる。レーザ光源101から出射されたレーザ光はコリメータレンズ102により平行ビームになり、中央に穴の開いた穴あきミラー103の穴を通りSLO―Xスキャナ104、SLO―Yスキャナ105を通る。さらにビームスプリッタ106、接眼レンズ(対物レンズ)107を通り、被検眼108に入射する。
【0016】
以後、本実施形態における座標は、眼軸方向をZ、眼底画像に対し水平方向をX、垂直方向をYとする。
【0017】
被検眼108に入射したビームは、被検眼108の眼底に点状のビームとして照射される。このビームが、被検眼108の眼底で反射あるいは散乱され、同一光路をたどり、穴あきミラー103まで戻る。この反射あるいは散乱された光は、穴あきミラー103によって反射され、SLOフォーカスレンズ109を経由しアバランシェ・フォトダイオード(以下、APDと記述する)110に受光され、眼底の点の反射散乱強度に比例した信号が得られる。さらに、SLOスキャナ(X)、(Y)をラスタースキャンを行うことにより、眼底の2次元像を得ることができる。
【0018】
<OCT ユニット>
次に、OCTユニット111を
図2を用いて説明する。OCTユニット111は、低コヒーレンス光を参照光と信号光に分割し、被検眼108を経由した信号光と参照物体を経由した参照光とを重畳させて干渉光を生成してこれを分光した信号を出力する。検出信号は分光されCPU301に入力される。CPU301は、この検出信号を解析して眼底の断層画像や3次元画像を形成する。
【0019】
低コヒーレンス光源201は低コヒーレンス光を出力する広帯域光源により構成され、広帯域光源としては本実施の形態においては、SLD(Super Luminescent Diode)を用いている。低コヒーレンス光は、近赤外領域の波長の光を含み、かつ、数十マイクロメートル程度のコヒーレンス長を有する光であり、たとえば約800nm〜900nmの範囲に含まれる波長を有する。
【0020】
低コヒーレンス光源201から出力された低コヒーレンス光は、光ファイバ202を通じて光カプラ203に導かれる。光ファイバ202は、通常シングルモードファイバで構成される。光カプラ203は、低コヒーレンス光を参照光と信号光とに分割する。光カプラ203により生成された参照光は、光ファイバ204により導光されてコリメータレンズ205により平行光束とされた後に、参照光と、観察光の分散の特性を合わせるための分散補償手段としてのガラスブロック206を経由する。その後参照ミラー207により反射される。反射された参照光は同じ光路を通り、光ファイバ204に入射される。
【0021】
また参照ミラー207は参照光の進行方向に可動可能となっておりこのことで、被検眼108の眼軸長や接眼レンズ(対物レンズ)107と被検眼108の距離などによる、参照光と観察光の距離を合わせることが可能となっている。
【0022】
一方、光カプラ203により生成された信号光はファイバ164により
図1のOCTのスキャナ、接眼部に送られ、被検眼の網膜で反射、散乱された信号光となり、ファイバ164に再入力される。ファイバ164を通り、光カプラ203に導入された信号光は、参照光と干渉され、光ファイバ209通り、コリメータレンズ210に平行光となった後、回折格子211で分光され、OCTフォーカスレンズ212により1次元センサ213に結像される。1次元センサ213はCCDセンサCMOSセンサなどを用いることができる。このことにより、1次元センサ213からは、干渉光を分光した信号を得ることができる。
【0023】
<OCTスキャン、接眼部>
さらにOCTのスキャン機構を
図1を用いて説明する。OCTユニット111からの信号光はコリメータレンズ112により平行ビームになりOCT―Xスキャナ113、OCT―Yスキャナ114を通る。次にミラー115、ビームスプリッタ106で反射され、接眼レンズ(対物レンズ)107を通り、被検眼108に入射する。被検眼108に入射したビームは、SLOと同様に、眼底で反射散乱され、同一光路をたどり、OCTユニット111まで戻る。
【0024】
<制御部>
次に、撮像装置10を制御する制御装置20について、
図3を用いて説明する。中央演算装置(CPU)301は、表示機302、主記憶装置303(RAM)、
図4に示すフローチャートに記載の処理を実行させるためのプログラムを記憶した記憶装置304(ROM)、に接続されている。またCPU301は1次元センサインターフェイス306と、APDインターフェイス307と、D/Aコンバータ314とに接続されている。1次センサインターフェイス306は、OCTの出力である1次元センサのデータを受ける。APDインターフェイス307は、SLOの出力であるAPDのデータを受ける。D/Aコンバータ314は、SLOの光源の強度をコントロールする電圧を作る。さらにスキャナコントロールとしてのSLOスキャナ制御回路308、OCTスキャナ制御回路311に接続されている。
【0025】
制御装置20は撮像装置10の各種部材の位置または設定を調整させる制御を行う。具体的には、制御装置20は調整を指示するコマンドを制御パラメータとともに撮像装置10に対して送信することで、撮像装置10により各種部材の位置または設定が調整される。SLOスキャナ制御回路308は、SLOスキャナドライバ(X)、SLOスキャナドライバ(Y)によりSLOのスキャナ用のコントロールを行い、CPUからの指令により、Yのスキャン中心位置、スキャン幅、スキャンレートをコントロールする。またCPUはSLOスキャナ制御回路308からSLOビームのスキャン位置を知ることができる。またOCTスキャナ制御回路311は、同様にOCTスキャナドライバ(X)、OCTスキャナドライバ(Y)によりOCTのスキャナをコントロールする。CPU301からの指令により、X、Yのスキャン中心位置、X、Yのスキャン幅、スキャンレート、をコントロールする。またCPUはOCTスキャナ制御回路311からOCT信号光のスキャン位置を知ることができる。
【0026】
ステージ駆動制御回路321は、
図1、
図2の装置が設置されたステージをステージ駆動ドライバX315、ステージ駆動ドライバY316、ステージ駆動ドライバZ317、によりX,Y,Z方向に移動させることができる。なお、
図1、
図2の装置が設置されたステージは不図示の基台上に設置されており、基台に対して被検眼とステージ及びステージ上の装置を相対的に移動させる。
【0027】
CPU301は、プログラム格納ROM304に格納したプログラムにより、後述する
図4に記載のフローチャートが示す制御処理を実行することにより、装置を制御する。この際、CPU301は先述のプログラムを実行することにより、選択部3011と判定部3012として機能する。
【0028】
選択部3011は、ユーザによるボタン押下に応じて撮影モードを選択する。撮影モードとは、撮影部位とそれに対応する撮影条件の組み合わせで定義される撮影方法を意味する。よって、撮影モードが異なる場合には、撮影条件も撮影部位も異なる場合と、撮影部位は同じであるが撮影条件が異なる場合、加えて撮影部位は異なるが撮影条件は同一である場合がある。また、被検眼の撮影部位とは、眼底や前眼部、または眼底の黄斑部や眼底の視神経乳頭部など、被検眼の組織または領域を指す。
【0029】
ここで、ユーザがボタンを押下し1つの撮影モードを選択され調整が済んでしまった後に、別の撮影モードが選択される場合がある。想定される状況の例としては、例えばユーザが誤って目的としない撮影モードを選んでしまった後に修正する場合や、同一被検眼に対して異なる複数の撮影モードで撮影する場合がある。判定部3012はこのような場合に、最初に選択された(変更前の)撮影モード(第1の撮影モード)と、次に選択された(変更後の)撮影モード(第2の撮影モード)とで、コヒーレンスゲートやアラインメントなど各調整項目の設定が同一であるか否かを調べる。そして変更前後で調整を要しない項目については設定を行わず、調整を要する項目の調整するよう制御を行う。ここで、コヒーレンスゲート(Coherence Gate、CG)とは測定光路において参照光路中の参照ミラー位置に対応する位置である。すなわち、コヒーレンスゲート位置の調整(光路長差調整)は、測定光と参照光の光路長差を調整することにより行うことができる。コヒーレンスゲート位置で反射した測定光の光路を仮想的に考えると、この光路は参照ミラーで反射した参照光の光路と光路長が等しくなる。
【0030】
例えば、判定部3012は、選択部3011により第1および第2の撮影部位が選択され第1の撮影部位に応じた調整が開始された後に、第2の撮影部位に応じた調整を実行させるか否かを、第1の撮影部位および第2の撮影部位に基づいて判定する。また判定部3012は、第1の撮影部位に応じた調整が開始された後に第2の撮影部位が入力された場合に、第2の撮影部位に応じた調整を実行させるか否かを、第1の撮影部位および第2の撮影部位に基づいて判定する。CPU301またはSLOスキャナ制御回路308、OCTスキャナ制御回路311、ステージ駆動制御回路321は、特定の場合には、被検査物と撮像装置10との相対位置の調整と、コヒーレンスゲート位置の調整の両方を実行させる。ここで特定の場合とは撮像装置10の固視灯の位置が第1の撮影部位と第2の撮影部位とで異なると判定された場合である。またここで被検査物は被検眼であり、第1及び第2の撮影部位は被検眼の眼底の異なる部位である。判定部3012は、被検眼との相対位置を調整すると判定する。さらに第1及び第2の撮影部位は前記被検眼の網膜の異なる層である場合、判定部3012はコヒーレンスゲート位置を調整すると判定する。
【0031】
CPU301は判定部3012による判定に応じて必要と判定された項目の調整を行うよう制御する。なおここでアラインメントの制御とは、CPU301はステージ駆動制御回路321に対して所定量ステージを駆動させる指示を行うことを意味する。
【0032】
<アライメント調整>
アライメントの方法は、前眼部カメラの像から瞳を検出し、瞳の中心が画像の中心に来るように、ステージX,Yをステージ駆動制御回路321により駆動することでアライメントをとることができる。またZ方向は、またレンズ117付近にイメージスプリットプリズム118が配置されておりこのことにより、ステージ駆動制御回路321によりY方向に駆動させ焦点を合わせることで調整することができる。
【0033】
<SLO処理、焦点調整>
SLOの撮像のための処理を以下に述べる。
【0034】
CPUは、D/Aコンバータ314に既定の値、SLOスキャナ制御回路308に既定Yスキャン中心位置、スキャンスピード、Y方向のスキャン幅を設定する。このことによりSLOのビームは網膜上をスキャンする。この時APDからは、網膜の反射、散乱強度に比例した信号が出力される。またSLOフォーカスレンズ109をSLOフォーカスドライバ318により光軸情を移動することができ、焦点を合わせることができる。
【0035】
CPUはSLOスキャナ制御回路からのスキャナ位置にAPDの信号強度を重ねることで、網膜像を得ることができ、この像を表示機302に表示することで、網膜像を表示することができる。
【0036】
この2次元像により、OCTの撮像位置を確認ことができ、またこの像のコントラストを最大にするように制御することで、フォーカスを合わせることができる。
【0037】
またOCTのフォーカスとSLOのフォーカスは別の光学系(フォーカス用光学部材)であるが、これらの駆動を連動するようにし、各々のフォーカスの位置(合焦位置)と駆動量をテーブル情報としてハードディスク305に格納しておく。このテーブル情報を用いて駆動することで、SLOのフォーカスを合わせることでOCTのフォーカスも合わせることができる。
【0038】
<OCT処理、コヒーレンスゲート調整>
OCTの撮像のための処理を以下に述べる。
【0039】
CPUはOCTスキャナ制御回路311に対し、X,Yスキャン中心位置、スキャンスピード、X、Y方向のスキャン幅、主走査方向を設定する、このことにより、OCTユニとからの信号光は網膜上をスキャンする。この時、OCTユニットの1次元センサ213の出力は1次元センサインターフェイス306を通しCPUに入力される、CPUはプログラム格納ROM304のプログラムに従い、主記憶装置303上ではFFTなどの処理を行い、網膜の深さ方向の情報を得る。この情報と、OCTスキャナ制御回路311の位置情報から、前期Bスキャンや3次元の網膜像を得ることができ、この像を表示装置302に表示することで、これらの像を表示することができる。
【0040】
OCTフォーカスレンズ212をOCTフォーカスドライバ319により光軸情を移動することができ、焦点を合わせることができる。また参照ミラー207は参照ミラードライバ320により光軸情を移動することができる。
【0041】
参照ミラー207と等価な網膜上の位置をコヒーレンスゲートと呼びコヒーレントゲートから近い部分の方が強度が強い像が得られる。
図5でコヒーレンスゲート位置と得られるOCT断層画像との位置関係について説明を行う。5−1の様にコヒーレンスゲートが網膜の上部にあると5−2のような像が得られる。この場合、色素上皮層より、神経線維層の方が強度が強く撮像されるため、緑内症など網膜上部の観察に適しているまた、またこのモードをここでは硝子体モードと呼ぶ。また、5−3の様にコヒーレンスゲートが網膜の下部にあると、像は5−4の様に上下さかさまになる。これは、OCTがコヒーレントゲートからの距離を計測しているためである。この場合は神経線維層より、色素上皮層の方が強度が強く撮像されるため、黄斑偏性などの網膜の下部の疾病の観察に向いている。またこのモードをここでは脈絡膜モードと呼ぶ。またこの場合でも表示は上下をさかさまにし、網膜上部が上に表示することは言うまでもない。
【0042】
コヒーレンスゲートの自動調整の方法としては、硝子体モードの場合最初コヒーレンスゲートを十分網膜から遠く通常硝子体内の位置に置き、徐々に網膜に近づけ網膜像が現れ、網膜全体が撮像される位置を探す。また脈絡膜モードの場合は、反対に網膜の下側で脈絡膜側に置き、同様に徐々に網膜に近づけ網膜像が現れ、網膜全体が撮像される位置を探す。
【0043】
これらの動作により、自動にコヒーレンスゲートの調整を行うことができる。
【0044】
<操作>
図6に表示機302に表示される操作画面の例を示す。この図において601は前眼部の像、602は自動アライメント調整の開始ボタン、603はSLOで撮影された眼底像、604は手動のフォーカス調整するスクロールバーである。また605は自動フォーカス調整開始ボタン、606はOCTにより撮影された網膜の断層像、609は手動コヒーレンスゲート調整スクロールバーである。さらに608は自動フォーカス開始ボタン、609はプリスキャン開始ボタン、610はOCT撮影ボタン、611は撮影モード切替ボタンである。
【0045】
撮影モードは、1次元像、2次元像などのスキャンパターン、黄斑部、乳頭部などの固視灯の位置を決めるスキャン位置、コヒーレンスゲートの硝子体モード、脈絡膜モードのOCT撮影モードを予め指定できる。
【0046】
上記操作画面において、まず被検者が眼を装置も前に置いた場合は、前眼部の像601のみ表示され、眼底像603、網膜の断層像606は表示されていない。ここで、プリスキャン開始ボタン609を押すと、自動アライメント調整、を行い、SLO、OCT撮像を開始し、眼底像603、網膜の断層像606が表示される、この時はまだ調整はおこなわれていないため、正しい像は表示されていない。
【0047】
次に自動フォーカス調整を行い、続いて自動コヒーレンスゲート調整を行い、正しく調整された眼底像603、網膜の断層像606が表示される。検者はこの像を見て大丈夫なら、
OCT撮影ボタン610を押しOCTを撮影する。また、フォーカス、コヒーレンスゲートが正しくないと判断した場合は、それぞれの手動の調整スクロールバーにより調整を行う。
【0048】
OCT撮影ボタン610を押しOCTを撮影する前に、OCTを撮影し違うモードで撮影しようとした場合、前記の調整をやり直す必要がある場合がある。本発明では変更前後の撮影モードに基づいてこれらを判定部3012が判定し、必要な自動調整のみを行う。
【0049】
図4のフローチャートに従い前記の動作を説明する。撮影モード切替ボタン611が押下されると、ステップ401で、選択部3011が撮影モードを選択することで撮影モードが変更される。ステップ402で判定部3012がプレビューを行っているかどうか判定し、プレビューが行われていないと終了411で通常の操作となる。プレビューが行われていると、固視灯位置をモード変更に応じた撮影部位に合う場所へと変更する。この得、目が動くためアライメントを調整しなおす必要がある。このためステップ404で制御部として機能するCPU301は自動アライメント調整を行う。次に被検体が強度近視の場合、眼底が非球面であることが多く、例えば、黄斑と乳頭では対物レンズからの距離が違うことがある。この判定は予め被検者の視力を入力しそれを判定に用いることで実現される。もしくは、コヒーレンスゲートの位置が規定値より遠い場合、眼軸庁が長く眼軸性の近視である可能性が高いため、判定部3012はステップ405でこのことを判断し、ステップ406でCPU301は自動焦点調整を行わせる。次にステップ407で判定部3012は、OCTの撮影モードは硝子体モード、脈絡膜モードの2つあるが、これらの変更がある場合、CPU301はステップ408でコヒーレンスゲートの調整を行う。また判定部3012はステップ409ではステップ405と同じく強度近視またはコヒーレントゲートの位置が既定値より遠いか否かを判定する。強度近視と判定された場合、同じ理由によりコヒーレンスゲートの位置を調整する必要があるため、同様にCPU301はステップ408でコヒーレンスゲートの調整を行う。ステップ408では、網膜の位置があらかじめ分かっているため前記<OCT処理、コヒーレンスゲート調整>で説明したよりも早く調整を行うことができる。
【0050】
これは例えば、硝子体モードから脈絡膜モードへ変更する場合、網膜の厚さは人によらず、1mm以下と一定であるため、コヒーレンスゲート位置を1mm程度遠くしたのち、前記の調整を行うことで、調整を早く行うことができる。
【0051】
以上の処理により、撮影モードが変更されたとき、モード変更に伴う必要な自動調整のみを自動に実行するため、的確にかつ短い時間で変更された撮影モードで撮影を行うことができる。
【0052】
上述の処理は、特にコヒーレンスゲート調整やアラインメント調整をする際に一度基準位置に復帰させてから調整する調整方法が採用されている場合には、特に調整時間を短縮することができるため有用である。また、ミラーやレンズ、ステージの移動の前に実行する画像の撮影その他の調整前処理に長い時間がかかる場合においても特に有用である。例えば周知の山登り方式でフォーカス調整を行う場合には、フォーカスレンズを駆動しないとフォーカスが適切か否かをCPU301は判定することができない。これに対して本実施例では、撮影モードの変更に伴ってフォーカス位置の変更がないと判定部3012が判定した場合には、そもそもフォーカスレンズを駆動してフォーカス調整を行う必要がなくなる。よって撮影前の調整時間を短縮することができる。
【0053】
なお、上述の例ではプレビュー撮影後本撮影が行われる前に撮影モードが変更される例を示しているが、上述の処理を本撮影が行われた後、引き続いて同一被検眼を別の撮影モードで撮影する場合にも適用することができる。
【実施例2】
【0054】
本実施例では、複数の撮影モードで被検眼の断層像を取得する必要がある場合、すべての撮影が最も短い時間で行うために撮影モードの順番を決定して撮影する方法を説明する。
【0055】
本実施例に係るシステム全体のブロック図、OCTユニットのブロック図、と制御部のブロック図は、それぞれ実施例1の
図1、
図2と
図3と同じなので、説明を省略する。なお本実施例では撮影モードは2つより多い場合が想定されている。また本実施例では、1つの撮影部位には2つ以上の撮影モードは設定されていないものとし、撮影モードが異なれば撮影条件は異なるものとする。
【0056】
撮像装置10は、予め選択された複数の撮影部位について、夫々の撮影部位を所定の順番で撮影する際に、撮影部位に応じた調整と、当該撮影部位の撮影と、撮影部位の設定の変更と、を順に繰り返すことで夫々の撮影部位の画像を得る。
【0057】
制御装置20のCPU301は、複数の撮影部位が選択されている場合に、判定部3012による判定結果に応じて、撮像装置10の調整に要する時間が最も少なくなるような撮影部位の撮影の順番を制御する。撮像装置10の撮影部位に対応する各種の調整項目については調整に要する標準的な時間を定義することができるため、記憶部にかかる調整時間を調整項目毎に整理したテーブル情報を記憶させておく。そしてこのテーブル情報を用いて調整時間が最適化されるように撮影順序を決定する。撮影順序の決定方法は、選択された撮影部位の全ての順列について調整時間を算出し、最も調整時間が短い順列を撮影順番として決定する。
【0058】
CPU301は、任意の撮影順番について、撮影部位の変更に応じて左右眼移動、アラインメント調整、フォーカス調整、コヒーレンスゲート調整などの調整が必要か否かを判定する。判定には、変更前後の撮影部位に関連付けられた撮影条件を用いる。
【0059】
図7のフローチャートを参照して、本実施例の制御部が実行する具体的な処理の手順を説明する。
【0060】
ステップS701において、選択部3011は、不図示の操作者が撮影モード切替ボタン611を押下したことに応じて、被検眼を撮影する複数のモードの指示を取得する。
【0061】
ステップS702において、制御部として機能するCPU301は、指示された撮影モードの全ての順番の並び替えを算出する。この際、判定部3012は、モードを切り替える際に左右眼移動、アラインメント調整、フォーカス調整、コヒーレンスゲート調整のそれぞれが必要であるか否かを判定する。判定は、後述する表を用いて行う。
【0062】
ステップS703において、制御部として機能するCPU301は、それぞれの並び替えられた撮影モードの順番に必要な撮影時間を算出する。
【0063】
ステップS704において、制御部として機能するCPU301は、ステップS703で算出した最も撮影時間の短い順番を選択する。
【0064】
ステップS705において、制御部として機能するCPU301は、ステップS704で選ばれた順番の撮影モードで被検眼の撮影を実行させる。
【0065】
次に、例を用いて、上述の処理を説明する。
【0066】
本実施例では、OCT装置は、以下の
図8に示している撮影モードを提供する。
【0067】
図8に示す通り、それぞれの撮影モードでの、撮影条件の1つである固視灯の点灯位置やコヒーレンスゲートモードとが関連付けられている。本実施例では、撮影に必要な各種調整に係る時間は、
図9が示している。
【0068】
ステップS701のように、操作者は、
図10に示す撮影モード1乃至撮影モード4のいずれかを選択したとする。
【0069】
次に、ステップS702の処理を行う。撮影モードの並び替えをして、それぞれの撮影モード順に掛る撮影時間を算出する。
【0070】
図11は、指示された撮影モードの全ての並び替えを示す。さらに、
図11は、その順番に撮影をするにあたって、調整が必要かどうかを示す。すなわち、とあるモードでの撮影に必要な調整は、すでに直前の撮影モードで調整済であれば、再調整する必要がないと考えられる。
図11では、各調整項目の再調整が必要であれば、“○”と示している。調整が不要であれば、“×”として示している。
【0071】
左右眼移動:指定する左右の眼が異なると、撮像装置10の光学ヘッドを動かす必要がある。
【0072】
固視灯点灯位置変更:撮影モードによって、固視灯位置点灯が予め決められている。本実施例では、黄斑モードか乳頭部モードがある。
【0073】
前眼部アライメント調整:撮像装置の光学ヘッドが移動された場合は、前眼部をアライメントする必要がある。または、固視灯の点灯位置が変更された場合では、眼球が動くため、改めて前眼部のアライメント調整をする必要がある。
【0074】
眼底フォーカス調整:撮像装置の光学ヘッドが移動された場合は、眼底のフォーカス調整をする必要がある。または、固視灯の点灯位置が変更された場合では、眼球が動くため、改めて眼底のフォーカス調整をする必要がある。
【0075】
コヒーレンスゲート調整:撮像装置の光学ヘッドが移動された場合は、コヒーレンスゲート調整(CG調整)をする必要がある。または、固視灯の点灯位置が変更された場合では、眼球が動くため、コヒーレンスゲート調整をする必要がある。または、撮影モードに必要なコヒーレンスゲートモードが変更になった場合(硝子体モードから脈略膜モードへ、またはその逆)でも、コヒーレンスゲート調整をする必要がある。
【0076】
以上のルールに基づいて、
図11が得られる。
【0077】
次に、ステップS703の処理を行う。
図12が示すように、それぞれの撮影順番に必要な各種調整の回数を整理する。そして、それぞれの撮影順番に必要な調整総時間を
図9と
図11と次の式を用いて算出する。算出された調整時間は
図12の最右欄に示されている。
【0078】
調整算出時間=左右移動回数x左右移動時間+アライメント調整回数*アライメント調整時間+フォーカス調整回数*フォーカス調整時間+CG調整回数*CG調整時間
次に、ステップS704を行う。
図12を見ると、撮影にもっとも時間のかからない順番は3−4−1−2で、調整に必要な総時間は111秒であることが分かる。次に、ステップS705を行う。撮影をモード3、モード4、モード1、モード2の順番に実行する。
【0079】
上述の制御装置20は
図8乃至
図12に示す表をROM304またはハードディスク305に記憶しており、かかる情報を用いて上述の制御を実行する。
【0080】
以上、実施形態で説明したように、複数の撮影モードで患眼の撮影を行う場合では、撮影モードを並べ替えて、必要な再調整を最小化することで、短時間で患眼の撮影が可能である。
【0081】
なお、調整時間が調整量によって変わる場合には、調整量を考慮して調整時間を見積もることで、より調整時間を正確に算出することができる。これにより調整時間を短縮することができる。
【0082】
さらに、調整時間が調整量によって変わる場合や、調整時間が正確に見積もることができない場合、撮影順序を制御する処理の時間を短縮したい場合には、調整時間ではなく調整回数が最小になるように撮影順序を決定することとする。これにより撮影順序の制御処理に要する時間を短縮することができる。
【実施例3】
【0083】
本実施例では、撮影モード変更時に、必要な調整は省くと効率的である一方、ある項目について調整をまったく省いてしまうと適切な撮影が行えなくなる可能性に配慮し、変更前後の撮影モードに基づいて粗調整やその他の特定の調整制御を行わないこととする。
図13に本実施例に係る制御装置を示す。OCT撮影部、SLO撮影部その他、先述の実施例と同様の構成については説明を省略する。
【0084】
制御装置1300のCPU1301は制御装置1300による処理を統合的に制御する。CPU1301は、ROM304に格納された、後述する
図14、15、16、18および19のフローチャートに示す処理を実現するためのプログラムをRAM303に展開し、当該プログラムに含まれる命令を実行する。これにより、CPU1301はモード変更部1302、調整判定部1303、完了判定部1304として機能する。モード変更部1302は撮影モードを変更する。調整判定部1303はモード変更に応じて調整項目のそれぞれを実行するか否かを判定する。完了判定部1304は調整が完了し適切な画像が得られる状態となったか否かを判定する。
【0085】
また制御装置1300は、参照光路中に挿入されている減光フィルタ(Neutral Density、NDF)を回転させ、参照光の強度を調整するNDF制御回路1305を有する。また制御部1300は、光カプラ203により合波される測定光と参照光の偏光状態を調整する偏光制御回路1306を有する。
【0086】
図14のフローチャートに従い、上述の構成を有する制御装置1300による処理の流れを説明する。
図14の処理では、CPU1301は状況に応じて粗調整が省く。また別の観点では、調整判定部1303は被検眼が変更されたか否かに応じて撮像装置10の調整のための探索範囲の大きさが決定される。
【0087】
ステップS1401でモード変更部1302は不図示のマウス、キーボードまたはタッチパネルデバイス等の操作部からの入力に応じて撮影モードを変更する。例えば、
図6に示すGUI画面において撮影モード切替ボタン611を押下する指示に応じて、現在の撮影モードと異なる撮影モードが選択された場合にモード変更部1302には撮影モードを変更する。
【0088】
撮影モードは先述の実施例と同様、撮影パラメータのセットと対応付けられて定義される。ここで定められるパラメータには、左右眼、眼底のアラインメント位置、コヒーレンスゲート位置、フォーカス位置などがある。
【0089】
ステップS1402で調整判定部1303は、メモリに格納された変更前後の撮影モード情報を参照し、眼が変更されているか否かを判定する。眼の変更とは、左右眼の変更や被検者が変更されることにより、撮影対象の眼が変わることを意味する。目が変わっていると判定された場合にはステップS1403に進む。
【0090】
ステップS1403でステージ駆動制御回路321は前眼部のアラインメント処理を行う。前眼部のアラインメント処理は、ステージ駆動制御回路321がステージを移動させ、撮影対象の眼を撮影光学系の光路内に配置させることにより行われる。
【0091】
ステップS1404でSLOスキャナ制御回路308は、SLOのフォーカスの粗調整を行う。フォーカスの粗調整では、SLOスキャナ制御回路308がフォーカスドライバ318を介してフォーカス位置が変更できる全範囲、または所定の範囲(第一のフォーカス範囲)について、所定の間隔(第一のフォーカス間隔)でフォーカス位置を移動させる。各フォーカス位置でSLOスキャナ制御回路308は被検眼の眼底を撮像し、得られた画像のコントラストを検出する。最もコントラストが高くなった画像が得られた位置を粗調整された位置として特定することで、粗調整が完了する。特定された位置はRAM303に格納される。
【0092】
ステップS1405でSLOスキャナ制御回路308は、SLOのフォーカスの微調整を行う。フォーカスの微調整は、SLOスキャナ制御回路308がRAM303に格納された粗調整の位置を参照し、粗調整の位置の周囲の所定の範囲(第二のフォーカス範囲)について、所定の間隔(第二のフォーカス間隔)でフォーカス位置を移動させることにより行う。ここで、第二のフォーカス範囲は第一のフォーカス範囲より小さく、第二のフォーカス間隔は第一のフォーカス間隔よりも小さい。第二のフォーカス間隔でフォーカスを変更しつつ得られたSLO画像のコントラストが最も高くなる位置を、微調整された位置として特定することで、微調整が完了する。特定された位置はRAM303及びハードディスク305に格納される。
【0093】
ここで、
図1に示す撮像装置10では、フォーカスレンズが1つしかないが、SLOとOCTにそれぞれフォーカスレンズを配置することができる。フォーカスレンズが複数ある場合、SLOのフォーカスに合わせてOCTの画角や瞳の位置が変更されてしまうという問題から開放されるメリットがある。この場合には、SLOのフォーカス位置に連動させてOCTのフォーカス位置を適切に設定することができる。具体的には、SLOの光源からの光が眼底に集光されることは、光源の波長等の情報を用いることでOCTのフォーカス位置を適切に設定することができる。
【0094】
またSLOフォーカスを調整した後にCG調整を行うことで、適切な断層画像を得ることができる。つまりは、OCTのフォーカス調整を先に行う場合、その時点でコヒーレンスゲートの調整が適切にされていない場合には、断層画像は得られない。一方でコヒーレンスゲート位置が適切に設定できたとしても、その時点でOCT光源のフォーカス位置が適切でない場合、干渉光が弱まり断層画像が得られない。SLO画像はフォーカスさえ合えば得られるため、SLO画像でフォーカスを調整し、これと連動させてOCTのフォーカスを調整した後に、CGの調整を行うことで適切なOCT断層画像を効率的に得ることができる。
【0095】
ステップS1406でOCTスキャナ制御回路311は、コヒーレンスゲート(CG)の粗調整を行う。CGの粗調整では、OCTスキャナ制御回路311が参照ミラードライバ320を介してCG位置が変更できる全範囲または所定の範囲(第一のCG範囲)について、所定の間隔(第一のCG間隔)でCG位置を移動させることにより行う。各CG位置でOCTスキャナ制御回路311は被検眼の眼底を断層撮影し、得られた断層画像の輝度値を判定する。網膜の断層画像が得られた位置を粗調整されたCG位置として特定することで、粗調整が完了する。ここで、網膜の断層画像が得られたか否かの判定は断層画像の画素値(輝度値)を用いて行う。複数のCG位置で断層画像が得られた場合には、画素値の最大値がもっとも大きくなったCG位置を粗調整の位置として特定する。特定されたCG位置はRAM303に格納される。
【0096】
ステップS1407でOCTスキャナ制御回路311は、OCTのコヒーレンスゲート(CG)の微調整を行う。CGの微調整は、OCTスキャナ制御回路311がRAM303に格納された粗調整のCG位置を参照し、粗調整のCG位置の周囲の所定の範囲(第二のCG範囲)について、所定の間隔(第二のCG間隔)でCG位置を移動させることにより行う。ここで、第二のCG範囲は第一のCG範囲より小さく、第二のCG間隔は第一のCG間隔よりも小さい。第二のCG間隔でCGを変更しつつ得られた断層画像の輝度値が最も高くなる位置を、微調整されたCG位置として特定することで、微調整が完了する。特定された位置はRAM303及びハードディスク305に格納される。
【0097】
一方、ステップS1402で目が変更されていないと判定された場合には、ステップS1408でSLOスキャナ制御回路308は、ステップS1405と同様にSLOフォーカスの微調整を行う。
【0098】
ステップS1409でOCTスキャナ制御回路311は、ステップS1407と同様にコヒーレンスゲート(CG)の微調整を行う。
【0099】
このように撮影モードの変更により眼が変更されず同一の眼を続けて撮影する場合には、前眼部アラインメント、SLOフォーカスの微調整、CGの粗調整を省くことができる。これにより、撮影モード変更時の調整を効率化することで、撮影のサイクルタイムを向上させることができる。一方で粗調整を省くこととしても、同一眼であるため前眼部のアラインメントやフォーカスが大きく変化しないため、微調整により十分に精度良く調整を行うことができる。
【0100】
ここで、撮影モードが変更された場合、前回の撮影から長時間経過していない場合には、状況にほとんど変化がないため、このような場合には微調整を省略しても問題がないと考えられる。
図15はかかる状況に対応した調整制御の流れを示している。
【0101】
図15のフローチャートに従い、上述の構成を有する制御装置1300による処理の流れを説明する。なお
図14と同様の処理については説明を省略する。
【0102】
CPU1301は、前回の撮影からの時間をクロックにより計時する。
【0103】
ステップS1501で調整判定部1303は前回の撮影からの経過時間tを取得する。また、ハードディスク305から閾値となる時間t
thresholdを取得する。このt
thresholdは、予め規定値が設定されていても良いし、ユーザによる操作部を介した操作に応じて変更可能としてもよい。そして、経過時間tとt
thresholdを比較する。経過時間tの方が大きいと判定された場合にはステップS1408に進む。経過時間tの方が大きいと判定されなかった場合には、CPU1301はステップS1408及びS1409を省略して処理を終了する。
【0104】
このように撮影間隔が十分に短い場合には粗調整に加えて微調整も省くことで、撮影のサイクルタイムをより短縮させることができる。
【0105】
なお、
図15の処理では撮影間隔に応じて微調整を省略することとしたが、例えばメモリに記憶されたユーザの設定情報に応じて、調整判定部1303が微調整を省略するか否かを判定することとしてもよい。この場合には、ユーザが所望の調整を行わせることができる。
【0106】
ここで、撮影モード変更後に粗調整を省略した場合には、被検者の動き等によって調整が不足する場合がある。
図16はかかる状況に対応した調整制御の流れを示している。
【0107】
図16のフローチャートに従い、上述の構成を有する制御装置1300による処理の流れを説明する。なお
図14と同様の処理については説明を省略する。
【0108】
ステップS1601で完了判定部1304は調整が完了し撮影準備が整ったか否かを判定する。ここでは、得られた断層画像の輝度値及び/または画質を判定し輝度値及び/または画質が所定の基準を満たすか否かを判定する。また、得られた断層画像に網膜がうつっているか否かを輝度値を用いて判定し、うつっていない場合には調整が未完了であると判定する。
【0109】
ステップS1602でCPU1301はフォーカス及びコヒーレンスゲートの再調整を行う。再調整では調整範囲を第二のフォーカス範囲及び第二のCG範囲よりも広い第三のフォーカス範囲及び第三のCG範囲として再調整を行う。
【0110】
このように、微調整では調整が不十分と判定された場合には、当該微調整よりも探索範囲を広げて再調整することで、適切な調整を行うことができる。また、十分な調整が完了するまで調整範囲を広げることで、1度の再調整では不十分でも、十分な調整となるまで再調整を行うことができる。
【0111】
ここで、調整の範囲がステップS1404乃至1407に示す粗調整の範囲まで広げても調整が不十分と判定された場合には、基準を満たす撮影ができないことを示す通知を表示機302に表示させることすれば、無駄な調整を繰り返す手間を省くことができる。また、所定の範囲まで広げても調整が不十分と判定された場合、一定期間は当該所定の範囲での調整を繰り返すことで、被検体の動きなど突発的な事情で調整が失敗してしまったとしても、不必要な範囲で調整をすることなく、調整を完了させることができる。
【0112】
ここで、コヒーレンスゲート位置が変更された場合には、変更されない場合と比べてより広い範囲で微調整を行う必要が生じる場合がある。
図17はかかる状況に対応した調整制御の流れを示している。
【0113】
図17のフローチャートに従い、上述の構成を有する制御装置1300による処理の流れを説明する。なお
図14と同様の処理については説明を省略する。
【0114】
ステップS1701で調整判定部1303はハードディスク305に格納された変更前後の撮影モードの情報を参照し、CG位置が変更されているか否かを判定する。例えばCG位置のモードには、硝子体側に参照光路と等距離になる位置を設定する硝子体モードと、脈絡膜側に設定する脈絡膜モードとがある。
【0115】
CG位置が変更されないと判定された場合には、
図14に示すとおりステップS1408及びS1409の微調整を実行する。一方でCG位置が変更されたと判定された場合には、より広範囲での調整が必要と判定し、ステップS1702に進む。
【0116】
ステップS1702におけるフォーカス位置の調整は、ステップS1408とフォーカス位置の探索範囲が異なっている。SLOスキャナ制御回路308は、フォーカスの調整の範囲を、先述の第一のフォーカス範囲よりも小さく、かつ第二のフォーカス範囲よりも大きい第三のフォーカス範囲とする。つまり、ステップS1408の微調整よりも範囲を広げて調整を行う。ステップS1702における調整では、フォーカス移動の間隔は第二のフォーカス間隔としても良いが、先述の第一のフォーカス間隔よりも小さく、かつ第二のフォーカス間隔よりも大きい第三のフォーカス間隔とすることで、調整時間の増加を抑えることができる。
【0117】
ステップS1703におけるCG位置の調整は、ステップS1409とCG位置の探索範囲が異なっている。OCTスキャナ制御回路311は、CGの調整の範囲を、先述の第一のCG範囲よりも小さく、かつ第二のCG範囲よりも大きい第三のCG範囲とする。つまり、ステップS1408の微調整よりも範囲を広げてCGの調整を行う。
【0118】
またこのステップS1703で、撮像装置10の調整項目の目標位置についての変更態様に応じて、CGまたはフォーカスの探索範囲(第三のCG範囲または第三のフォーカス範囲)を決定することができる。
【0119】
図18に基づき、
図17のステップS1703に示す撮影モード変更後のコヒーレンスゲートの微調整を説明する。
図18では、硝子体モードから脈絡膜モードへとCG位置を変更する場合を想定している。
図18の上側では、硝子体モード(撮影モードの変更前)における調整の範囲(第二の範囲)と間隔(第二の間隔)が示されている。
図18の下側では、硝子体モードから脈絡膜モードへの変更であるので、探索範囲を眼の深い方向に広げている。このようにコヒーレンスゲートの位置の変更には方向があるので、変更された方向を変更前後の撮影モードに基づき調整判定部1303が特定し、特定された方向に調整の範囲が広がるように、第三のCG範囲を決定する。これにより効率的にCG位置を決定することができる。なお、フォーカス位置についても、同様の思想で調整判定部1303がフォーカスの探索範囲である第三のフォーカス範囲を決定することで、効率的にフォーカス位置を決定することができる。
【0120】
また、ステップS1703における調整では、CG移動の間隔は第二のCG間隔としても良いが、先述の第一のCG間隔よりも小さく、かつ第二のCG間隔よりも大きい第三のCG間隔とすることで、さらに調整時間の増加を抑えることができる。
【0121】
このように、モード変更の情報に応じて、調整の範囲を適応的に変更して、撮影サイクルタイムの向上と画質の維持を両立させることができる。本実施例では、モード変更によりCG位置が変更された場合には、
図14の処理における微調整よりも探索範囲を広げて調整を行う。これにより、コヒーレンスゲートが変更された場合にも、調整時間を短縮しつつ適切な調整を行って画質の良い断層画像を得ることができる。
【0122】
ここで、調整の項目は
図14乃至18で示してきた項目に限られない。
図19は調整項目を増やした場合の調整制御の流れを示している。
【0123】
図19のフローチャートに従い、上述の構成を有する制御装置1300による処理の流れを説明する。なお
図14と同様の処理については説明を省略する。
【0124】
ステップS1901でステージ駆動制御回路321は前眼部のトラッキングを実行する。前眼部撮影ユニットにより前眼部を所定のフレームレートで撮影し、得られた前眼部画像のフレーム間差分を得て画像全体での動きベクトルを特定し、当該動きベクトルの方向にステージを動かす。これを繰り返すことで、前眼部によるアラインメントを維持する。すなわち、まず、被検眼の眼底からの測定光と参照光との干渉光の検出により被検眼の眼底の断層画像を取得するための光学系を備える撮像部と被検眼の前眼部との相対位置が検出される。そして、光路長差調整とフォーカス調整との少なくともいずれかの調整の実行中に、この検出結果に基づいて撮像部と被検眼の前眼部との位置関係を相対的に調整する。
【0125】
ステップS1902でSLOスキャナ制御回路308は周知のコントラスト検出による山登り法を用いてフォーカス位置を特定する。検出対象の画像にはSLO画像を用いる。
【0126】
ステップS1903でSLOスキャナ制御回路308は眼底のトラッキングを開始する。眼部は固視微動や固視ずれ、被検体の動きによって常に動いており、この動きの影響でコヒーレンスゲートの設定に時間がかかったり、適切に設定できなかったりする場合がある。そこで、眼底にフォーカスがあった状態で所定のフレームレートでSLO画像(眼底画像)を取得し、フレーム間差分を得てSLO画像における動きベクトルを特定する。特定された動きベクトル分だけOCTスキャナのスキャン位置を移動させるよう、OCTスキャナ制御回路311を制御する。すなわち、眼底における断層画像の取得位置を補正するように、眼底画像取得結果に基づいてOCT走査手段を制御する。
【0127】
ステップS1904でOCTスキャナ制御回路311はコヒーレンスゲート調整を行う。ここでは先述の通り、第一のCG範囲について順次CG位置を移動させる。CG位置の移動により網膜の断層画像が取得できた場合、取得した以降の調整範囲を狭め、より精密な調整を行う。画像の最大画素値が最も大きいCG位置を調整されたCG位置としてハードディスク305に格納する。
【0128】
ステップS1905でNDF制御回路1305は参照光路中に挿入されている減光フィルタ(Neutral Density、NDF)を回転させ、参照光の強度を調整する。NDFフィルタは円盤状の形状をしており、週方向の位置によって減衰率が実質的に連続的に異なっている。これをモータにより回転させることで透過する光の減衰率を変更することができる。NDF制御回路1305は参照光の強度と測定光の強度が適切な比率となるように、輝度値が最も大きくなるようにNDFを回転させる。
【0129】
ステップS1906で偏光制御回路1306は光カプラ203により合波される測定光と参照光の偏光状態を調整する。偏光制御回路1306は、参照光と干渉光それぞれの偏光状態を変化させ、光ファイバ203で適切な干渉光が得られるように調整する。干渉光によって得られた画像の輝度値を用いて、適切な偏光状態へと調整する。
【0130】
ステップS1907でCPU1301はユーザの撮影指示に応じて、または調整の完了に応じて自動的に被検眼の断層画像の撮影の開始を指示する。撮影動作については実施霊1について述べたため説明は省略する。
【0131】
ステップS1908でCPU1301はコントラスト及びブライトネスの調整を行う。ステップS1907の撮影で例えば20bitの画像が得られた場合、これを8ビットの画像にビット変換する処理を行う。ここで、画像のヒストグラムを取得し、最小値と最大値を特定する。ここで最大値は上位1%の画素値の平均値を採用しても良く、最小値は下位1%の画素値の平均値を採用してもよい。最小値と最大値とで定義される画素値範囲を8bitの256階調に分け、画像を得る。このようにすることで、画像を適切なコントラスト及び明るさとすることができる。
【0132】
ステップS1909でSLOスキャナ制御回路308はステップS1902と同様の方法で前眼部のトラッキングを行う。これは、前眼部アラインメントにおける微調整に対応する処理であり、眼の変更がなかったとしても実行を要する。
【0133】
ステップS1910でSLOスキャナ制御回路308はステップS1903と同様の方法で眼底のトラッキングを行う。これは被検眼が固視灯を固視できず動いてしまっても適切な撮影を可能とする。つまりアラインメントの微調整の処理として機能する。
【0134】
ステップS1911でNDF制御回路1305は参照光量の微調整を行う。この処理では、ハードディスク305に格納された参照光量値を基準として、ステップS1905の探索範囲よりも狭い範囲でNDFを回転させ、準最適となる参照光量値を取得する。
【0135】
ステップS1912で偏光制御回路1306は偏光状態の微調整を行う。この処理では、ハードディスク305に格納された偏光状態を基準として、ステップS1906の探索範囲よりも狭い範囲で偏光状態を変化させ、偏光状態を準最適となる状態に設定する。
【0136】
ステップS1913でCPU1301はステップS1907と同様に、被検眼の断層画像の撮影を指示する。
【0137】
このように、参照光量の調整や偏光状態の調整、または撮影後のコントラスト及びブライトネスの調整についても状況に応じて粗調整を省略することができる。
【0138】
また、フォーカス調整やコントラスト検出による山登り法を用いて調整する場合、調整の開始位置を1つ前の撮影情報に基づき調整範囲を絞ることができるため、調整を効率化することができる。これについては、その他の調整項目についても同様である。
【0139】
(その他の実施例)
また第3の実施例においても、第一の撮影モードが設定された後、撮影モードに応じた調整が開始され、調整完了前に撮影モードが変更される場合が考えられる。この場合制御装置1300の調整判定部1303は、ステップS1402の眼の変更の判定に加えて、例えば
図14のどのステップまで調整が進んでいるかを判定する。眼が変更されていない場合であって、ステップS1403、ステップS1404の処理中または完了後である場合には、そのままステップS1405以下の処理を続ける。粗調整が済んでいない場合にはこれを完了させる必要があるからである。ステップS1405のフォーカス微調整の最中または完了後に撮影モードが変更された場合には、CPU1301の指示によりSLOスキャナ制御回路308がステップS1405のフォーカス微調整をやり直す。その後はステップS1406以下の処理を続ける。フォーカスの粗調整が済んでいるため、微調整のみ行えば良いからである。ステップS1406のCG粗調整中に撮影モードが変更された場合には、CG粗調整を完了後、ステップS1408及びステップS1409の微調整を行う。ステップS1407のCG粗調整の完了後に撮影モードが変更された場合には、ステップS1408以下の処理を進める。
【0140】
このようにすることで、粗調整の繰り返しを防ぎ、調整処理を効率的に行うことができる。
【0141】
ステップS1408及びステップS1409のいずれかのステップにいる場合には、フォーカスの微調整及びCG微調整をやり直すよう、CPU1301がSLOスキャナ制御回路308及びOCTスキャナ制御回路311に指示する。
【0142】
眼が変更されている場合には、いずれのステップの処理中にあってもステップS1403に進み、ステップS1403以下の処理を進める。
【0143】
上述の実施例において、SLOフォーカスとCG調整は並行していてもよい。例えばフォーカスレンズがSLOとOCTそれぞれにある場合には、SLOフォーカス調整に連動させて、OCTスキャナ制御回路311のOCTフォーカスドライバ319を介したOCTのフォーカスを調整する。並行してOCTスキャナ制御回路311はOCTスキャナドライバ(X)312、OCTスキャナドライバ(Y)313によりOCTのスキャンを行い、断層画像を取得し、画像情報に応じて参照ミラードライバ320を介して参照ミラーを動かし、CG調整する。このようにすることで、調整時間を短縮することができる。
【0144】
更には、ステップS1404のSLOフォーカス粗調整、及びこれに連動したOCTフォーカスの粗調整が完了した時点で、ステップS1405のSLOフォーカス微調整とステップS1406のCG粗調整、及びS1407のCG微調整を並行して実行する。これによりOCTのフォーカスが大まかに合った時点で、断層画像情報からのコヒーレンスゲートの調整を効率的に行うことができる。
【0145】
同様にして、ステップS1408のSLOフォーカス微調整、及びこれに連動したOCTフォーカスの微調整と、ステップS1409のCG微調整を並行して行うことで、著す英時間を短縮させることができる。
【0146】
実施例3では、眼が変更された場合に探索範囲を広げて粗調整からやり直す事としていたが、これに限らず左右の眼の特性が大きく違わないことが分かっている場合には、左右眼の変更があったとしても粗調整を行わないようにしても良い。ただ、この場合前眼部のアラインメントはやり直す必要がある。
【0147】
本実施例では実施例1から3を独立して記載したが、これに限らず各実施例の処理を組み合わせてもよい。例えば、CPU1301が実施例1に示すステップ405の強度近視またはコヒーレンスゲートの位置ずれを判定して、眼が変更されていない場合にもフォーカス粗調整またはコヒーレンスゲートの粗調整を実行させる。これにより強度近視や位置ずれの場合にも適切な調整が可能となる。
【0148】
また例えば、実施例2のようにプログラム撮影を行う場合に、粗調整及び微調整に要する時間を予め計測してハードディスク305に格納しておき、撮影順序をこれら時間を考慮して決定することとすれば、より効率的な撮影が可能となる。
【0149】
第1の実施例ではプレビュー撮影後の撮影モード(撮影部位)変更に応じて調整項目毎に調整が必要か判定している。第2の実施例では撮影前に予め設定された複数の撮影モード(撮影部位)について、撮影モードの遷移(撮影部位の変更)に応じて各調整項目毎に調整が必要か否かを判定している。しかしながら、これらの例に限らず、例えば撮影モード(撮影部位)が設定され、当該撮影部位に対応する調整が開始された後調整完了前に撮影モードが変更される場合も考えられる。本発明の実施形態では、かかる場合でも、実施例2に示す表を用いて、調整項目毎に再調整が必要か否かを判定し、必要な項目のみ調整を行うことができる。また、調整完了後プレビュー撮影が終了前であっても同様に判定部3012による判定処理及び制御部として機能するCPU301による調整制御が可能である。
【0150】
上述の実施例1において、判定部3012が撮影条件としての固視灯の位置が撮影モードの変更前後で異なると判定された場合には、コヒーレンスゲートの位置についての判定を行わないこととしてしてもよい。代わりに強制的に被検査物と撮像装置との相対位置の調整(アラインメント調整)と、コヒーレンスゲート位置の調整の両方を実行させることとしてもよい。アラインメントが異なるということは撮影したい部位自体が異なるということであるため、たとえ撮影したい深さ方向の位置がともに脈絡膜付近であったとしても、部位が異なればコヒーレンスゲートが脈絡膜に合わない場合があると考えられるからである。
【0151】
また別の例では、実施例2においてCPU301は入力された撮影モード(撮影部位)に応じて最適な撮影順序を決定し、表示機302に表示させ、ユーザからの許可を示す信号を待って当該決定された撮影順序で撮影を開始させる。更に、特定の撮影部位の撮影結果に応じて他の部位の撮影を行うか否かを判断したい場合など、ユーザが特定の撮影順序を希望する場合もあることに対応して、ユーザが不図示のキーボードやマウス等を用いて当該決定された撮影順序の変更を指示できる。制御部として機能するCPU301はかかる指示に応じて撮影順序を変更し、変更された撮影順序で撮影を実行する制御を行う。また更に、ユーザが撮影順序について部分的に制約を加えた場合、かかる制約の中で最も撮影時間が短くなる順に撮影を行うようCPU301が撮影順序を決定することとしても良い。なおこの際CPU301は撮影順序の決定部および表示機302に対する表示制御部として機能する。
【0152】
また、実施例1の機能と実施例2の機能の両方を撮像装置に持たせることとしても良く、この場合CPU301はユーザの選択に応じて各機能を実行させるか否かを決定することとしても良い。
【0153】
上述の実施例では自動調整機能があることを前提としているが、自動調整機能がなく手動での調整を行う撮像装置に対してはユーザに対して必要な調整作業及び不要な調整作業を通知することとしてもよい。この場合、判定部3012は撮影モードの変更前後で各調整項目について調整する必要があるか否かを判定し、CPU301は表示機302に係る判定結果を表示させる。これによりOCTの撮像装置に不慣れな検査者であっては撮影の設定を効率的に行うことができるとともに、被検者にあっては撮影時間が短縮されるため撮影負担が軽減される。
【0154】
先述の実施例では、制御装置20は撮像装置10と別の装置であったが、これに限らず撮像装置に制御装置の制御機能を持たせることとしてもよい。
【0155】
眼部以外の生体または検査対象の物体を撮像する撮像装置に本発明を適用することも可能であるが、光干渉断層計の原理を用いたOCT撮像装置に本発明を適用することで、位置合わせの時間を短縮することができる。特に眼部の検査に用いるOCT撮像装置に本発明を適用した場合、調整及び撮影の間頭部を撮像装置10に対して固定し、固視灯を固視し続けねばならない被検者の負担を減らすことができる。
【0156】
また、上述の撮像装置の機能を複数の異なる装置に分散させた撮像システムまたは画像診断システムに本発明を適用することとしてもよい。
【0157】
本発明の範囲には、上述の実施例に示す機能および処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0158】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどとの協働で実施形態の機能が実現されてもよい。この場合、OSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
【0159】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれて前述の実施形態の機能の一部或いは全てが実現されてもよい。この場合、機能拡張ボードや機能拡張ユニットにプログラムが書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行う。
【0160】
その他、上述の例は本発明の実施形態の1つであり、本発明の範囲は上述の実施形態に限定されるものではない。