特許第6437081号(P6437081)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6437081
(24)【登録日】2018年11月22日
(45)【発行日】2018年12月12日
(54)【発明の名称】固定デバイス
(51)【国際特許分類】
   G04B 37/16 20060101AFI20181203BHJP
   A44C 5/14 20060101ALI20181203BHJP
【FI】
   G04B37/16 Q
   A44C5/14 L
   A44C5/14 A
【請求項の数】9
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-228593(P2017-228593)
(22)【出願日】2017年11月29日
(65)【公開番号】特開2018-91843(P2018-91843A)
(43)【公開日】2018年6月14日
【審査請求日】2017年11月29日
(31)【優先権主張番号】16202428.5
(32)【優先日】2016年12月6日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ピエリ・ヴュイユ
【審査官】 藤田 憲二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−010571(JP,A)
【文献】 特開2006−314347(JP,A)
【文献】 特表2000−505664(JP,A)
【文献】 特開2007−212352(JP,A)
【文献】 実開昭57−085215(JP,U)
【文献】 欧州特許出願公開第00494584(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 37/16
A44C 5/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続リンク(10)によって腕時計ケース(1)にバンドを取り付けるための固定デバイスであって、
前記腕時計ケース(1)は、ケース中間部(4)と、少なくとも1対の突起(2、3)と、及びケース裏部(5)とを有し、
前記接続リンク(10)には、前記接続リンク(10)を前記腕時計ケース(1)に取り付けるための固定手段を受ける通路(100)があり、
前記固定手段は、前記接続リンク(10)内に組み入れられ、前記接続リンク(10)内に弾性アーム(32)を備えるケーシング(30)を有する弾性戻し手段(13)を有し、
前記弾性アーム(32)は、前記通路内を動くことができるようにマウントされた2つのピボット(11、12)を前記通路(100)の長手軸に沿って離間しており、
各ピボットは、圧縮位置と配置位置の間を動くことができ、前記配置位置においては、前記ピボット(11、12)が前記腕時計ケース(1)の各突起(2、3)に形成された穴(101、102)の中に配置されるように設計されている
ことを特徴とする固定デバイス。
【請求項2】
前記突起(2、3)にある前記穴(101、102)どうしは、第1の軸(A)を形成し、
前記通路(100)は、第2の軸(B)を形成し、
前記第1の軸(A)と前記第2の軸(B)は、必ずしも同軸でない
ことを特徴とする請求項1に記載の固定デバイス。
【請求項3】
前記ピボット(11、12)は、円筒状の本体と円錐台状の頭部を有し、
前記頭部は、前記腕時計ケース(1)の前記突起(2、3)のうちの1つにある穴(101、102)と連係するように設計されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の固定デバイス。
【請求項4】
前記穴(2、3)は、円筒状又は円錐台状の形である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の固定デバイス。
【請求項5】
前記ピボット(11、12)は、円筒状の本体と、及び前記穴(101、102)に連係するように設計された円筒状又は円錐台状の頭部とを有する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の固定デバイス。
【請求項6】
前記ケーシング(30)には、前記弾性アーム(32)が変形することを容易にするギャップ(31)と、及び前記弾性アーム(32)の移動距離を制限する制限止め(33)とがある
ことを特徴とする請求項1に記載の固定デバイス。
【請求項7】
前記通路(100)は、直円柱の形態である
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の固定デバイス。
【請求項8】
前記接続リンクは、プラスチック、セラミックス、複合材又は金属で作られている
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の固定デバイス。
【請求項9】
2対の突起(2、3)を有するケース中間部(4)によって作られたケースを有する腕時計であって、
前記2対の突起は、前記ケース中間部(4)と接続するための接続空間を定め、
当該腕時計は、請求項1〜8のいずれかに記載の接続リンク(10)を少なくとも1つ有し、
前記接続リンク(10)は、前記接続空間に収容される
ことを特徴とする腕時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属のような硬質材料によって作られた外装要素を有する腕時計ケースにバンドを接続するデバイスに関する。特に、本発明は、棒体を備える接続リンクであって、これらの棒体と接続リンクの両方とも腕時計のケースにバンドを接続するように設計されているものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術によって、ユーザーの手首に腕時計用バンドによって保持される腕時計が知られている。このバンドは、皮革、織物、ゴム、プラスチック、セラミックス又は金属などで作られ、腕時計ケースにある突起の対に、これらの突起の間などに固定された棒体を介して接続される。
【0003】
このような態様にはいくつかの短所がある。特に、伝統的な棒体は、端を形成するいくつかの小さなスライド用部品と、及び中央部にありばねを備え本体を形成しすべての部品を一緒に保持するシリンダーとを有する。このことは、棒体は、設計上、堅固ではなく遊びがあることを意味しており、これによって、これらのスライド用部品が互いに対して変位するようにスライドすることができる(両端が円筒状の本体の内部に押し込まれる)。
【0004】
また、接続リンクは、ケースとバンドにある他のリンクとの間に位置し、この接続リンクには、バンドを嵌めたり及び/又は外したりすることができるように横方向のギャップが必要である。これによって、棒体の保持品質がさらに落ちてしまう。
【0005】
結局、このようなセットアップには、腕時計ケースの突起の間の領域とバンドの接続リンクとの間に目に見えるクリアランスがあり、このことによって、魅力的でなくなってしまい、嵌合不良や製造品質が貧相であるかのような印象を与えてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、特に、これらの既知の技術の様々な短所を緩和することを目的とする。
【0007】
本発明は、特に、接続リンクとケースの間の境界領域において目に見えるクリアランスをなくすことを目的とする。
【0008】
本発明の別の目的は、形成されている様々な部品の機械加工の許容誤差を緩くし、アセンブリーを単純化することを可能にするアセンブリー(ケース−棒体−接続リンク)を提供することである(本発明によると、接続リンクの棒体とケースの間の初期の位置合わせが正確である必要はない)。また、現在の標準的なシナリオにおけるように完全な同軸性を確実にして、可動部品の組み合わせをなくすことによってクリアランスを減らし、棒体を作る際の部品数を抑えることを容易にする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これらの目的は、下の記載を読むことで明確になる他の目的とともに、本発明に係る腕時計ケースにバンドを接続リンクによって取り付けるための固定デバイスを用いることによって達成される。この腕時計ケースは、ケース中間部、少なくとも1対の突起、及びケース裏部を有し、前記接続リンクには、前記腕時計ケースに取り付ける固定手段を受ける通路がある。
【0010】
本発明によると、前記固定手段は、前記接続リンク内に組み入れられ、前記接続リンク内に弾性アームを備えるケーシングを有する弾性戻し手段を有し、前記弾性アームは、前記通路内を動くことができるようにマウントされた2つのピボットを前記通路の長手軸に沿って離間しており、各ピボットは、圧縮位置と配置位置の間を動くことができ、前記配置位置においては、前記ピボットが前記腕時計ケースの各突起に形成された穴の中に配置されるように設計されている。
【0011】
本発明の他の有利な代替的な形態によると、以下の特徴を有する。
− 前記突起にある前記穴どうしは、第1の軸を形成し、前記通路は、第2の軸を形成し、前記第1の軸と前記第2の軸は、必ずしも同軸でない。
− 前記ピボットは、円筒状の本体と円錐台状の頭部を有し、前記頭部は、前記腕時計ケースの前記突起のうちの1つにある穴と連係するように設計されている。
− 前記穴は、円筒状又は円錐台状の形である。
− 前記ピボットは、円筒状の本体と、及び前記穴に連係するように設計された円筒状又は円錐台状の頭部とを有する。
− 前記ケーシングは、前記弾性アームが変形することを容易にするギャップと、及び前記弾性アームの移動距離を制限する制限止めとを有する。
− 前記通路は、直円柱の形態である。
− 前記接続リンクは、プラスチック、セラミックス、複合材又は金属で作られている。
【0012】
また、本発明は、特に、本発明に係る少なくとも1つの接続リンクとその棒体を有する任意の計時器に関する。
【0013】
単純な説明用の例として与えられる本発明の特定の実施形態についての以下の説明を読み添付の図面を検討することで、本発明の他の特徴及び利点が明確になるであろう。なお、これに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る接続リンクを備える腕時計についての裏側から見た図である。
図2図1のD−Dにおける断面図である。
図3】本発明に係る接続リンクが取り付けられた腕時計の縦方向の断面図である。
図4】本発明に係る接続リンクの斜視図である。
図5】本発明の別の実施形態に係るリンクの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、接続リンクによって腕時計ケースにバンドを取り付けるための固定デバイスに関し、腕時計ケースは、ケース中間部と、少なくとも1対の突起と、及びケースとを有し、接続リンクには、接続リンクを腕時計ケースに取り付ける固定手段を収容する通路がある。
【0016】
本発明によると、固定手段は、接続リンク内に組み入れられ、弾性戻し手段によって形成された棒体を有し、棒体は、通路内を動くことができるようにマウントされた2つのピボットを通路の長手軸に沿って離間させ、各ピボットは、圧縮位置と配置位置の間を動くことができる。この配置位置においては、ケースの各突起に形成されたハウジング内にピボットが配置されるように設計されている。
【0017】
図1は、腕時計ケース1とバンドを接続するように設計された接続リンク10を示している。接続リンク10は、全体が平行六面体の形であり、腕時計ケース1の突起2、3の間にて遊びなしで収容されるように設計されている。接続リンク10には、ケース1の突起2及び3に対向するように配置されるように意図された2つの反対側の側面がある。他の2つの反対側の側面のうちの一方の側面は、ケース1に対向するように配置され、他方の側面は、バンド側となるように意図されている。この他方の側面には、バンドのストランドに接続リンク10を接続する棒体を受けるように設計された取り付け手段がある。腕時計ケース1に対向するように配置される側面は、ケース1の形に応じた形となっており、したがって、ケース1と接続リンク10の間のクリアランスを抑えるように構成している。
【0018】
好ましいことに、接続リンク10の裏側に開口が形成されており、これによって、接続リンク10に形成された通路内に収容された固定手段へのアクセスが可能になる。
【0019】
好ましいことに、着用者から見えないように、接続リンク10の裏側の中央に開口20が位置している、図示したように、開口20は、細長い形であるが、他の形も非常に良好に適合することができる。この開口20を、例えば、ゴムフラップによって隠して、異物が開口20を介してハウジング100に留まることがないようにすることができる。
【0020】
本発明の1つの特定の実施形態によると、接続リンク10は、弾性戻し手段を置き換えるようにはたらく弾性アーム32を備えるケーシング30を有する。このようなケーシング30は、リンク10に嵌め込められ、ケーシング30には、ケーシング30の中央にて高さ方向に延在しておりねじ35又は他の固定手段の通路のための孔34がある。図示しているように、ケーシング30は、ピボット11、12に対向するように配置されておりばねとしてはたらく2つの弾性変形可能なアーム32を有する。好ましいことに、ケーシング30には、弾性アーム32を変形しやすくするギャップ31があり、弾性アーム32の移動距離を制限し、弾性アーム32が過度に変形することを防ぐ制限止め33がある。
【0021】
ケーシング30は、弾性変形を可能にするあらゆる材料で作ることができる。例えば、特定のプラスチック、特定の複合材料、さらには、特定の金属や合金である。
【0022】
本発明によると、固定手段は、接続リンク10内に組み入れられ、そして、2つのピボット11及び12を通路の長手軸に沿って離間する弾性戻し手段13によって形成された棒体を有し、前記ピボット11及び12は、通路内を動くことができるようにマウントされ、各ピボット11、12のそれぞれは、圧縮位置と配置位置の間を動くことができる。この配置位置においては、ピボットは、ケースの各突起に形成されたハウジング内に配置されるように設計されている。
【0023】
リンク10は、ハウジング内において平行移動するように動くことができるようにマウントされた2つのピボットを有する。このハウジングは、リンク内に形成され、好ましくは、直円柱の断面を有する。これらのピボットは、取り付け手段を形成し、接続リンク10の側壁にて突き出ており、これによって、接続リンク10が腕時計ケース1に固定されるときに、突起2、3に形成された穴101、102と連係することができる。
【0024】
ピボット11、12は、配置位置と圧縮位置の間を動くことができるようにマウントされる。配置位置においては、ピボット11、12はそれぞれ、突起2、3にあるの穴101、102の1つと連係して、ケース1に対向するようにリンク10を保持する。圧縮位置においては、接続リンク10は自由であり、ピボット11、12はリンク10内で収縮する。
【0025】
ピボット11、12はそれぞれ、図2に示すように、接続リンク10内に形成されたハウジング内で平行移動のガイドをされる円筒状の本体を有する。ばね13がこれらのピボット11、12の間に位置しており、これによって、ばね13は、ピボット11、12をそれらの配置位置に維持する傾向がある力を与える。また、ピボット11、12にはそれぞれ、その一方の端において係合溝110、120があり、この係合溝110、120は、開口20を通して見ることができ、開口20を通してアクセス可能であり、これによって、係合溝110、120が工具と連係して、ピボットのそれぞれに同時に圧力を加えて、これらのピボットが圧縮位置になり突き出なくなるように構成している。頭部と呼ばれる各ピボットの他方の端は、腕時計ケース1の突起2、3にある穴内に収容されるように設計された円錐台の形又は円筒状の形を有する。したがって、ピボットの頭部によって、前記穴の幾何学的構成に応じて、「緊張」効果を発揮させることができる。すなわち、クリアランスなしでケースに接続リンクを強く押し付けさせるような戻し力を与えることができる。
【0026】
もちろん、ピボット11、12の寸法や形を変えることができ、本体は、例えば、ハウジング内におけるガイドが向上するように、より長い長さを有することができる。また、当業者であれば、ピボット11、12の本体に中空部分を形成して、ばね13の一端を受けるようにすることを想到することができるであろう。また、ハウジング内において制限止め手段を設けて、ハウジング内におけるピボット11、12の移動距離を抑えることができる。
【0027】
ピボット11、12は、プラスチック、セラミックス、複合材料、又は金属や金属合金で作ることができる。これには、アモルファス又は部分的にアモルファスな金属合金が含まれる。
【0028】
図2に示すように、突起2、3において機械加工によって形成された穴100、101は、直円柱の断面を有することができ、又は代わりに、円錐台の形に対応する断面を有することができる。これらの穴は、図示したように突起にて垂直に機械加工することができ、又は突起における穴の機械加工を容易にする任意の角度によって傾斜させることができる。
【0029】
本発明の1つの特定の有利な態様によると、突起2、3の穴100、101の軸Aと、棒体の軸Bとは、わずかにずれており、これらの軸A及びBは、互いに平行であり、接続リンクの中央面内にあり、これによって、リンク10に形成されたハウジングの軸に対して穴の軸を打ち消し、このことによって、接続リンクの中央面におけるピボットを収容しているハウジングに垂直な方向のピボットの線形的な変位の結果として、腕時計ケースに対して接続リンク10を押し付け、接続リンク10とケース1の間のクリアランスを自動的になくす。
【0030】
当然、本発明は、上記実施形態に制限されず、当業者であれば、本特許出願に添付された請求の範囲によって定められる本発明の範囲から逸脱せずに、様々な変更や単純な変種を想到することができる。特に、金属材料で作られているバンドのリンク及び腕時計ケースとともに本発明を説明したが、セラミックス、複合材料又はプラスチック材料のような他の硬質材料によって作られたリンクやケースにも本発明を同じように適用することができる。また、接続リンクは、プラスチックやゴムでオーバーモールドされていたり皮革や織物で被覆されていたりする堅固な挿入体であることができる。
【符号の説明】
【0031】
1 腕時計ケース
2、3 突起
4 ケース中間部
5 ケース裏部
10 接続リンク
11、12 ピボット
13 弾性戻し手段
20 開口
30 ケーシング
31 ギャップ
32 弾性アーム
33 制限止め
35 ねじ
100 ハウジング
101、102 穴
110 係合溝
図1
図2
図3
図4
図5