特許第6437098号(P6437098)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジェラティ,エルエルシーの特許一覧

<>
  • 特許6437098-アパチャ開口手段を備えたクリップ 図000002
  • 特許6437098-アパチャ開口手段を備えたクリップ 図000003
  • 特許6437098-アパチャ開口手段を備えたクリップ 図000004
  • 特許6437098-アパチャ開口手段を備えたクリップ 図000005
  • 特許6437098-アパチャ開口手段を備えたクリップ 図000006
  • 特許6437098-アパチャ開口手段を備えたクリップ 図000007
  • 特許6437098-アパチャ開口手段を備えたクリップ 図000008
  • 特許6437098-アパチャ開口手段を備えたクリップ 図000009
  • 特許6437098-アパチャ開口手段を備えたクリップ 図000010
  • 特許6437098-アパチャ開口手段を備えたクリップ 図000011
  • 特許6437098-アパチャ開口手段を備えたクリップ 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6437098
(24)【登録日】2018年11月22日
(45)【発行日】2018年12月12日
(54)【発明の名称】アパチャ開口手段を備えたクリップ
(51)【国際特許分類】
   B42F 1/06 20060101AFI20181203BHJP
   B42F 1/02 20060101ALI20181203BHJP
   F16B 2/20 20060101ALI20181203BHJP
【FI】
   B42F1/06
   B42F1/02 D
   F16B2/20 C
【請求項の数】19
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-510909(P2017-510909)
(86)(22)【出願日】2016年8月15日
(65)【公表番号】特表2018-535109(P2018-535109A)
(43)【公表日】2018年11月29日
(86)【国際出願番号】US2016047011
(87)【国際公開番号】WO2018034645
(87)【国際公開日】20180222
【審査請求日】2017年3月29日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成28年2月24日に、インターネット<URL:https://www.youtube.com/watch?v=UCGA8NsU0DU>に掲載
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517057410
【氏名又は名称】ジェラティ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】マクガリティ、 ロナルド エム.
(72)【発明者】
【氏名】マクガリティ、 マーク
【審査官】 吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−278464(JP,A)
【文献】 特開平09−175068(JP,A)
【文献】 特開平07−329471(JP,A)
【文献】 特開2002−219890(JP,A)
【文献】 実開平05−086564(JP,U)
【文献】 米国特許第05806147(US,A)
【文献】 国際公開第2006/014149(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42F 1/06
B42F 1/02
F16B 2/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリップであって、
ベースプレートに一体的に結合された一対のばねアームと、
前記ベースプレートから離れるように前記一対のばねアームの一方に一体的に結合された、遠位側に自由端を有する平面状のトップと、
前記ベースプレートから離れるように前記一対のばねアームの他方に一体的に結合されたボトムと、
前記トップに形成されて前記自由端から近位側に離間されたアパチャと
を含み、
前記一対のばねアームは前記ベースプレートから角度がつけられて互いから離れるように発散し、
前記トップ及びボトムは、前記ベースプレートに対して前記クリップの内向きに角度をつけて設けられて互いに向かい合うように角度をつけて延び
前記ボトムは前記アパチャの全体を覆うように構成されるクリップ。
【請求項2】
前記トップの自由端は前記ボトムを超えるように外向きに延びる請求項1に記載のクリップ。
【請求項3】
前記アパチャは細長くされる請求項1に記載のクリップ。
【請求項4】
前記ボトムにデテントが形成され、
前記デテントは前記アパチャに対向するように設けられる請求項1に記載のクリップ。
【請求項5】
前記ボトムに細長い隆起バーが形成される請求項1に記載のクリップ。
【請求項6】
前記トップは内側表面及び外側表面を有し、
プラットホームが前記外側表面に一体的に結合されて前記トップに重なる請求項3に記載のクリップ。
【請求項7】
前記プラットホームは開口を含み、
前記開口は前記アパチャを包絡する請求項6に記載のクリップ。
【請求項8】
前記プラットホームと前記トップの外側表面との間に空隙が形成される請求項6に記載のクリップ。
【請求項9】
前記プラットホームに細長いバーが形成される請求項7に記載のクリップ。
【請求項10】
前記プラットホームは、前記一対のばねアームの前記一方から前記アパチャに向かって上方に先細りとされる部分を含む請求項6に記載のクリップ。
【請求項11】
前記プラットホームは親指リッジを含み、
前記親指リッジは、前記アパチャの周縁に隣接するように設けられる請求項7に記載のクリップ。
【請求項12】
前記プラットホームは開口を含み、
前記開口は前記アパチャを包絡する請求項10に記載のクリップ。
【請求項13】
前記開口の周縁が、前記トップの外側表面に直交するように鉛直上方に延びる請求項12に記載のクリップ。
【請求項14】
前記アパチャは前記トップの底面に底エッジを含み、
前記底エッジは丸められる請求項1に記載のクリップ。
【請求項15】
前記アパチャの周縁が、前記トップの内側表面から前記アパチャの内向きに角度をつけて延びる請求項1に記載のクリップ。
【請求項16】
クリップであって、
ベースプレートに一体的に結合された一対のばねアームと、
前記ベースプレートから離れるように前記一対のばねアームの一方に一体的に結合されたトップと、
前記ベースプレートから離れるように前記一対のばねアームの他方に一体的に結合されたボトムと、前記トップに形成されたアパチャと
を含み、
前記一対のばねアームは前記ベースプレートから角度がつけられて互いから離れるように発散し、
前記トップ及びボトムは、前記ベースプレートに対して前記クリップの内向きに角度をつけて設けられて互いに向かい合うように角度をつけて延び、
前記トップは内側表面及び外側表面を有し、
前記外側表面にはプラットホームが一体的に結合され、
前記プラットホームは開口を含み、
前記開口は前記アパチャを包絡するクリップ。
【請求項17】
前記プラットホームは親指リッジを含み、
前記親指リッジは、前記アパチャの周縁に隣接するように設けられる請求項16に記載のクリップ。
【請求項18】
クリップであって、
ベースプレートに一体的に結合された一対のばねアームと、
前記ベースプレートから離れるように前記一対のばねアームの一方に一体的に結合されたトップと、
前記ベースプレートから離れるように前記一対のばねアームの他方に一体的に結合されたボトムと、
前記トップに形成されたアパチャと
を含み、
前記一対のばねアームは前記ベースプレートから角度がつけられて互いから離れるように発散し、
前記トップ及びボトムは、前記ベースプレートに対して前記クリップの内向きに角度をつけて設けられて互いに向かい合うように角度をつけて延び、
前記トップは内側表面及び外側表面を有し、
前記外側表面にはプラットホームが一体的に結合され、
前記プラットホームは、前記一対のばねアームの前記一方から前記アパチャに向かって上方に先細りとされる部分を含むクリップ。
【請求項19】
前記プラットホームは開口を含み、
前記開口は前記アパチャを包絡する請求項18に記載のクリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アパチャ開口手段を備えたクリップに関する。
【背景技術】
【0002】
クリップは、様々な物品、特に、紙片、紙幣、クレジットカード等のような平面状の物品を保持するものとしてよく知られている。知られている多くのクリップに関する永続的な問題には、クリップを手で開けることの困難性が含まれる。何らかの形態の操作レバーを利用することで、クリップを開いて内容物を挿入できる能力が高められる。こうしたタイプのクリップは広く受け入れられており、製造がやや難しく高価な傾向を除いては良好に機能している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7,536,753(B2)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、開くのが容易かつ簡便である一方、製造が安価ゆえに多様な消費者にとって魅力的となる低小売価格がもたらされるクリップが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、折り畳まれた紙幣及びクレジットカードのような多様な物品を保持するクリップが与えられる。クリップは、近位側エッジに沿ってベースプレートに一体的に結合された一対のばねアームを含み、トップ及びボトムがそれぞれ、ばねアームの遠位側エッジに一体的に結合され、当該クリップの内向きに角度をつけて設けられる。トップには、その自由端に近接するアパチャが形成され、ボトムには当該アパチャに一般に対向するデテントが形成される。トップの上側表面には、アパチャを包絡する部分を備えたプラットホームが一体的に形成され、当該プラットホームには、アパチャの近位部分に隣接して親指リッジが形成される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明に係るクリップの斜視図である。
図2】クリップの底側から見た斜視図である。
図3】側面図である。
図4】上面図である。
図5】底面図である。
図6図1の右側から見た端面図である。
図7】クリップ内に包含された内容物を示す側面図である。
図8図1の8−8線に沿って見た断面図である。
図9図1の9−9線に沿って見た断面図である。
図10】クリップの他実施形態の斜視図である。
図11図10に示されるクリップの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図面において、特に図1を参照すると、本発明に係る一形態のクリップが示される。このクリップは、外側又は近位側エッジがベースプレート3に結合されたばねアーム1及び2を含む。トップ4及びボトム5それぞれが、ばねアーム1及び2の内側又は遠位エッジに一体的に結合され、互いに内向きに向かい合って角度をつけて延びる。ばねアーム1及び2に対するベースプレート3の角度づけ配置により、トップ4及びボトム5に内向きの張力が加えられる。図1〜3に最もよく示されるように、操作が容易となるように、トップ4の自由端又は遠位端が、ボトム5の対応端に重なる。本発明によれば、凹んだデテント6が、ボトム5の内側表面においてボトム5の自由端に近接して形成され、細長いアパチャ7が、一般にデテント6に対向するようにトップ4に形成される。
【0008】
本発明のさらなる特徴によれば、プラットホーム8が、トップ4の上側表面に一体的に結合される。プラットホーム8の遠位端が開放され、指リッジ9によってアパチャ7を取り囲む。指リッジ9は、アパチャ7の内側周縁に隣接するように形成される。プラットホーム8の部分8aは所与の厚さとされ、プラットホーム8の、アパチャ7を取り囲む部分8bは、それよりも小さな厚さとされる。これにより、アパチャ7の内側エッジに隣接する、部分8aと部分8bとの結合箇所に、指リッジ9が形成される。図9に最もよく示されるように、トップ4の上にあるプラットホーム8の部分8aには空隙又はポケットが形成される。この特徴により、クリップの全体的な重量が低減され、ばね張力がクリップに加えられる。
【0009】
さらに、図9に最もよく示されるように、トップ4に形成されたアパチャ7の周縁は、トップ4の底面から内向きに角度がつけられた後に、平面状のトップ4に直交してプラットホーム8の部分8bを通るように鉛直上方へと延びる。部分8aの周縁の実質的に下半分が内側を向くことにより、クリップ内容物をクリップの内及び外の双方にスライドさせることが容易になる。
【0010】
クリップの内容物が当該クリップ内に挿入され及び当該クリップから引き出されるときに、アパチャ7の下側エッジに引っかかるのを防止するべく、アパチャ7の下側エッジは、アパチャ7の底エッジまわりに滑らかで若干丸められた表面が形成されるように機械研磨される。
【0011】
本発明に係るクリップのさらなる実施形態が図10及び11に示される。ここで、修正されたプラットホーム10が、トップ4の上側表面に一体的に形成され、ばねアーム1からクリップの遠位に向かって上方に先細りとされる。図1〜8に示されたプラットホーム8と同様、プラットホーム10はアパチャ7の周縁まわりに延びる。プラットホーム10が上方に先細りとされることにより、アパチャ7の周縁エッジに沿って指リッジ11がもたらされる。
【0012】
一般にばねアーム1とトップ4との結合箇所に近接するプラットホーム8の外側表面に、及び一般にばねアーム2とボトム5との結合箇所に近接するボトム5の外側表面に、細長い隆起平行把持バー12が形成される。
【0013】
トップ4の自由端が、ボトム5の自由端を超えるように延びているので、ユーザは、操作において、所望の内容物を、トップ4の縁の下に便宜に配置し、クリップを保持する自由な方の手で、アパチャ7を通るように指を挿入し、ボトム5に圧力を及ぼすようにデテント6を押す。これにより、トップ4がボトム5から離れるので、その間にクリップの内容物が容易に挿入される。ボトム5に及ぼされる手動の圧力が解放されると、ばねアーム1及び2の内向き張力がもたらすばね力により、トップ4とボトム5とが一緒に閉じるので、内容物がクリップの中にしっかりと保持される。
【0014】
本発明に係るクリップの利点には、ばねアーム1及び2と各トップ4及びボトム5との角度づけ配置が含まれる。これにより、トップ4及びボトム5を一緒に付勢する張力が増大される結果がもたらされる。このようにトップ4とボトム5とが閉じようとする力が増大することは、従来型の丸められたクリップ接続スロートでは不可能である。
【0015】
加えて、アパチャ7がトップ4の自由端に近接して配置されることにより、クリップを開く間の「てこ」力が増大するとともに、デテント6が一般にアパチャ7に対向して配置されることにより、クリップを開くときの下向きの力の適切な配置が可能となる。
【0016】
指リッジ9により、ユーザは、開く操作の間、クリップに付加的圧力を及ぼすことができる。クリップから内容物を取り外すことが望まれる場合、ユーザは、片方の手を使ってクリップの中の内容物のエッジを把持し、内容物がクリップから引き離されるときに当該クリップに付加的な手動把持摩擦を与える隆起バー12を、他方の手で把持することができる。代替的に、指リッジ9に圧力を及ぼしながら、他方の手が単に、クリップから内容物を把持して引き出すことが快適かつ便宜となり得る。
【0017】
したがって、本発明によれば、使用が容易かつ便宜であり製造が安価なクリップが与えられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11