(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の冷却チャンバ(138)と前記第1の外側スリーブ(122)の外側の環境との間に流体を流れさせるために前記第1の隔離部材(134)に隣接して前記第1の外側スリーブ(122)に配置された第1の流体ポート(176)を備えることをさらに特徴とする、請求項1記載の火炎伝播管(100)。
前記第2の冷却チャンバ(156)と前記第2の外側スリーブ(140)の外側の環境との間に流体を流れさせるために前記第2の隔離部材(152)に隣接して前記第2の外側スリーブ(140)に配置された第2の流体ポート(176)を備えることをさらに特徴とする、請求項2記載の火炎伝播管(100)。
前記第1の内側ハウジング(128)の前記外面と前記第2の外側スリーブ(140)の前記内面との間に配置された第3の冷却チャンバ(174)と、前記第1の内側ハウジング(128)の前記外面と前記第2の外側スリーブ(140)の前記内面との間に配置された第3の隔離部材(170)とを備え、該第3の隔離部材は、維持するために前記第2の外側スリーブ(140)を前記第1の内側ハウジング(128)から分離させており、かつ前記第1の管(102)が前記第2の管(106)に対して摺動することを可能にしていることをさらに特徴とする、請求項1記載の火炎伝播管(100)。
前記第3の隔離部材(170)は、隣接する面に摺動可能に係合するように構成された複数の半径方向に突出したくぼみを備え、該複数の半径方向に突出したくぼみは、前記第1の管(102)と前記第2の管(106)との間の長手方向移動および前記第3の冷却チャンバ(174)の長手方向長さの対応する変化を可能にするように配置されていることを特徴とする、請求項4記載の火炎伝播管(100)。
前記第1の内側ハウジング(128)の前記第1の端部(130)は、前記長手方向軸線(L)に沿って前記第1の外側スリーブ(122)の前記第1の端部(124)を超えて外方へ前記第1の燃焼器(1)に向かって延びていることを特徴とする、請求項1乃至7のうちのいずれか1項記載の火炎伝播管(100)。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
燃焼器内の吹消え条件に対して保護するためにガスタービンにおいて隣接する燃焼器を一緒に接続するための火炎伝播管が開示されており、火炎伝播管は、火炎伝播管内に応力が発達することを防止するための滑り継手を形成する第1および第2の管を有していてもよい。火炎伝播管は、滑り継手によりタービン作動中はフレキシブルなままであり、これにより、火炎伝播管内に損傷を生じる熱応力および機械的応力が発達することを防止し、火炎伝播管および関連する構成部材の有効寿命を高める。第1および第2の管は、冷却チャンバを有していてもよく、これらの冷却チャンバは、外側スリーブと内側ハウジングとの間に配置されておりかつ1つまたは複数の隔離部材が維持されており、これにより、熱応力および熱勾配を低減し、または過熱または燃焼による材料損失を防止している。冷却チャンバには、1つまたは複数の流体ポートを介して冷却流体が供給されてもよい。流体ポートは、外側スリーブを貫通して延びており、空気が、冷却チャンバを通って燃焼器内へ流れることを可能にしている。
【0005】
少なくとも1つの実施の形態において、ガスタービンエンジンにおいて隣接する燃焼器を接続するための火炎伝播管は、長手方向軸線に沿って延びておりかつ第1の燃焼器に接続されるように構成された第1の管から形成されていてもよい。第1の管は、第1の燃焼器に接続されるように構成された第1の端部と、第1の端部とは反対側の端部における第2の端部とを有する第1の外側スリーブから形成されていてもよい。第1の管は、第1の外側スリーブ内に配置されており、第1の燃焼器に隣接した第1の端部と、第1の外側スリーブの第2の端部から延びた第2の端部とを有する第1の内側ハウジングを有していてもよい。第1の冷却チャンバは、第1の内側ハウジングの外面と第1の外側スリーブの内面との間に配置されていてもよい。火炎伝播管は、長手方向軸線に沿って延びた、第2の燃焼器に接続されるように構成された第2の管を有していてもよく、第2の管は第1の管を摺動可能に収容するように構成されている。第2の管は、第2の燃焼器に接続されるように構成された第1の端部を有し、かつ第2の外側スリーブの第2の端部内に第1の内側ハウジングの第2の端部を摺動可能に収容するように第1の管に向かって延びた、第1の外側スリーブを有していてもよい。第2の管は、第2の外側スリーブ内に配置されており、第2の燃焼器に隣接した第1の端部と、第2の外側スリーブの第2の端部に向かって延びた第2の端部とを有する第2の内側ハウジングを有していてもよい。第2の管は、第2の内側ハウジングの外面と第2の外側スリーブの内面との間に配置された第2の冷却チャンバを有していてもよい。
【0006】
第1の隔離部材は、第1の冷却チャンバを維持するために第1の内側ハウジングの外面と第1の外側スリーブの内面との間に配置されてもよく、第2の隔離部材は、第2の冷却チャンバを維持するために第2の内側ハウジングの外面と第2の外側スリーブの内面との間に配置されてもよい。第1の流体ポートは、第1の冷却チャンバと第1の外側スリーブの外側の環境との間に流体を流れさせるために第1の隔離部材に隣接して第1の外側スリーブに配置されてもよい。第2の流体ポートは、第2の冷却チャンバと第2の外側スリーブの外側の環境との間に流体を流れさせるために第2の隔離部材に隣接して第2の外側スリーブに配置されてもよい。
【0007】
少なくとも1つの実施の形態では、第3の冷却チャンバは、第1の内側ハウジングの外面と第2の外側スリーブの内面との間に配置されてもよく、第3の隔離部材は、第1の内側ハウジングの外面と第2の外側スリーブの内面との間に配置されてもよい。第3の隔離部材は、維持しかつ第1の管が第2の管に対して摺動することを可能にするために第2の外側スリーブを第1の内側ハウジングから分離させてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、第3の隔離部材は、隣接する面に摺動可能に係合するように構成された複数の半径方向に突出したくぼみから形成されていてもよい。
【0008】
第1の外側スリーブは、第1の外側スリーブの第1の端部に配置された第1のフランジから形成されていてもよく、第2の外側スリーブは、第2の外側スリーブの第2の端部に配置された第2のフランジを有していてもよい。第1のフランジは、第1の燃焼器の第1の燃焼器フランジに接続されるように構成されていてもよく、第2のフランジは、第2の燃焼器の第2の燃焼器フランジに接続されるようになっていてもよい。第1のフランジは、第1の燃焼器フランジの外径よりも小さな外径を有していてもよい。第1の内側ハウジングの第1の端部は、長手方向軸線に沿って第1の外側スリーブの第1の端部を超えて外方へ第1の燃焼器に向かって延びていてもよい。
【0009】
火炎伝播管は、第1の冷却チャンバを維持するために第1の内側ハウジングと第1の外側スリーブとの間に配置された1つまたは複数の第1の隔離部材を有していてもよい。第2の隔離部材は、第2の冷却チャンバおよび第3の冷却チャンバを維持するために第2の内側ハウジングと第2の外側スリーブとの間に配置されていてもよい。第2の冷却チャンバは、第2の内側ハウジングの第1の端部と第2の隔離部材との間に延びていてもよい。第3の冷却チャンバは、第2の内側ハウジングの第2の端部と第2の隔離部材との間に延びていてもよい。
【0010】
別の実施の形態では、火炎伝播管は、長手方向軸線に沿って延びた、第1の燃焼器に接続されるように構成された第1の管を有していてもよい。第1の管は、第1の燃焼器に接続されるように構成された第1の端部と、第1の端部とは反対側の端部における第2の端部とを有する第1の外側スリーブを有していてもよい。第1の管は、第1の外側スリーブ内に配置されており、第1の燃焼器に隣接した第1の端部と、第1の端部とは反対側の端部における第2の端部とを有する第1の内側ハウジングを有していてもよい。第1の管は、第1の内側ハウジングの外面と第1の外側スリーブの内面との間に配置された第1の冷却チャンバを有していてもよい。火炎伝播管は、長手方向軸線に沿って延びた、第2の燃焼器に接続されるように構成された第2の管を有していてもよい。第2の管は、第1の管を摺動可能に収容するように構成されていてもよく、第2の燃焼器に接続されるように構成された第1の端部を有し、かつ第2の外側スリーブの第2の端部内に第1の内側ハウジングの第2の端部を摺動可能に収容するように第1の管に向かって延びた、第2の外側スリーブを有していてもよい。第2の管は、第2の外側スリーブ内に配置されており、かつ第2の燃焼器に隣接した第1の端部と、第1の端部とは反対側の端部における第2の端部とを有する第2の内側ハウジングを有していてもよい。第2の管は、第2の内側ハウジングの外面と第2の外側スリーブの内面との間に配置された第2の冷却チャンバを有していてもよい。
【0011】
火炎伝播管は、第1の管の第2の端部に摺動可能に接続された第1の端部と、第2の管の第2の端部に摺動可能に接続された第2の端部とから形成された第3の管を有していてもよい。第3の管は、火炎伝播管の第1および第2の管の間に中間管を形成してもよい。
【0012】
第1の外側スリーブの第2の端部は、第1の内側ハウジングの第2の端部を超えて延びていてもよく、第3の管の第1の端部を収容するように構成されていてもよい。第2の外側スリーブの第2の端部は、第2の内側ハウジングの第2の端部を超えて延びていてもよく、第3の管の第2の端部を収容するように構成されていてもよい。第3の冷却チャンバは、第3の管の外面と第1の外側スリーブの内面との間に配置されていてもよい。第4の冷却チャンバは、第3の管の外面と第2の外側スリーブの内面との間に配置されていてもよい。流体ポートは、第3の管に配置され、第3の冷却チャンバと流体連通していてもよく、これにより、第3の冷却チャンバを第3の管の外側の環境と流体連通して配置する。流体ポートは、第3の管に配置され、第4の冷却チャンバと流体連通していてもよく、これにより、第4の冷却チャンバを第3の管の外側の環境と流体連通して配置する。
【0013】
第1の隔離部材は、第1の冷却チャンバを維持するために第1の内側ハウジングの外面と第1の外側スリーブの内面との間に配置されていてもよい。第2の隔離部材は、第2の冷却チャンバを維持するために第2の内側ハウジングの外面と第2の外側スリーブの内面との間に配置されていてもよい。火炎伝播管は、第3の隔離部材および第4の隔離部材を有していてもよい。第3の隔離部材は、第3の冷却チャンバを維持するために第3の管の外面と第1の外側スリーブの内面との間に配置されていてもよい。第4の隔離部材は、第4の冷却チャンバを維持するために第3の管の外面と第2の外側スリーブの内面との間に配置されていてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、第3の隔離部材および第4の隔離部材はそれぞれ、第3の管の第1の端部および第2の端部に配置された複数の半径方向に突出するくぼみを有していてもよい。
【0014】
火炎伝播管は、第1および第2の管に対する第3の管の移動を制限するための位置制御システムを有していてもよい。第3の管は、第1および第2の管の間において、第1の長手方向位置と第2の長手方向位置との間を浮動可能であってもよく、この場合、長手方向軸線に沿ってみた第3の冷却チャンバの長さと、長手方向軸線に沿ってみた第4の冷却チャンバの長さとは、第3の管が第1および第2の長手方向位置の間を浮動するのに応じて増大および減少する。第1の外側スリーブは、第1の外側スリーブの第1の端部に配置された第1のフランジを有していてもよく、第2の外側スリーブは、第2の外側スリーブの第1の端部に配置された第2のフランジを有していてもよい。第1のフランジは、第1の燃焼器の第1の燃焼器フランジに接続されるように構成されていてもよく、第2のフランジは、第2の燃焼器の第2の燃焼器フランジに接続されるように構成されていてもよい。第1のフランジは、第1の燃焼器フランジの外径よりも小さな外径を有していてもよい。
【0015】
火炎伝播管は、第1の外側スリーブの外側の環境から第1の冷却チャンバへ流体を流入させるために第1の隔離部材に隣接して第1の外側スリーブに配置された第1の流体ポートを有していてもよい。第2の流体ポートは、第2の外側スリーブの外側の環境から第2の冷却チャンバへ流体を流入させるために第2の隔離部材に隣接して第2の外側スリーブに配置されてもよい。第3の管の第1の端部は、第1の外側スリーブの第2の端部を収容するように構成されていてもよく、第3の管の第2の端部は、第2の外側スリーブの第2の端部を収容するように構成されていてもよい。
【0016】
火炎伝播管は、第1の冷却チャンバを維持するために第1の内側ハウジングの外面と第1の外側スリーブの内面との間に配置された第1の隔離部材を有していてもよい。第2の隔離部材は、第2の冷却チャンバを維持するために第2の内側ハウジングの外面と第2の外側スリーブの内面との間に配置されていてもよい。第3の冷却チャンバは、第3の冷却チャンバを維持するために第3の隔離部材が第3の管の内面と第3の冷却チャンバにおける第1の外側スリーブの外面との間に配置された状態で、第3の管と第1の外側スリーブとの間に配置されてもよい。第4の冷却チャンバは、第4の冷却チャンバを維持するために第4の隔離部材が第3の管の内面と第4の冷却チャンバにおける第2の外側スリーブの外面との間に配置された状態で、第3の管と第2の外側スリーブとの間に配置されてもよい。第3の隔離部材は、第3の冷却チャンバ内に配置された複数の半径方向に突出するくぼみと、第3の冷却チャンバ内に周方向に延びた複数の半径方向に突出したリッジとを備えてもよい。第3の冷却チャンバと、第1の外側スリーブの外側の環境との間に流体通路を提供するために、複数の半径方向に突出したリッジの間に流体ポートが配置されていてもよい。
【0017】
これらの実施の形態及びその他の実施の形態を以下により詳細に説明する。
【0018】
明細書の一部に組み込まれ、明細書の一部を形成する添付の図面は、ここに開示される発明の実施の形態を例示し、詳細な説明と共に発明の原理を開示する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1A〜
図3に示すように、燃焼器1,2内の吹消え条件に対して保護するためにガスタービンにおいて隣接する燃焼器1,2を一緒に接続するための火炎伝播管100が開示されており、火炎伝播管100は、火炎伝播管100内に応力が発達することを防止するための滑り継手を形成する第1および第2の管102,106を有していてもよい。火炎伝播管100は、滑り継手によりタービン作動中はフレキシブルなままであってよく、これにより、火炎伝播管100内に損傷を生じる熱応力および機械的応力が発達することを防止し、火炎伝播管100および関連する構成部材の有効寿命を高める。第1および第2の管102,106は、冷却チャンバ138,156,174を有していてもよく、これらの冷却チャンバは、外側スリーブ122,140と内側ハウジング128,146との間に配置されておりかつ1つまたは複数の隔離部材134,152,170が維持されており、これにより、熱応力および熱勾配を低減し、または過熱または燃焼による材料損失を防止している。冷却チャンバ138,156,174には、1つまたは複数の流体ポート176を介して冷却流体が供給されてもよい。流体ポート176は、外側スリーブ122,140を貫通して延びており、空気が、冷却チャンバ138,156,174を通って燃焼器1,2内へ流れることを可能にしている。
【0021】
少なくとも1つの実施の形態では、火炎伝播管100は、
図1Aおよび
図1Bに示すように、略長手方向軸線Lに沿って延びていてもよい。火炎伝播管100は、火炎伝播管100の第1の端部104に配置された第1の管102と、火炎伝播管100の第2の端部108に配置された第2の管とを有していてもよい。第1の管102は、第1の端部110から第2の端部112まで延びていてもよい。第1の端部110は、火炎伝播管100の第1の端部104を第1の燃焼器フランジ3において第1の燃焼器1に接続するためのフランジ114を有していてもよい。第2の管106は、第1の端部116から第2の端部118まで延びていてもよい。第1の端部116は、火炎伝播管100の第2の端部108を第2の燃焼器フランジ4において第2の燃焼器2に接続するためのフランジ120を有していてもよい。
【0022】
1つの実施の形態では、第1および第2のフランジ114,120のうちの一方または両方は、それぞれの燃焼器1,2に関連した燃焼器フランジ3,4接続の対応する直径に関して大きなサイズになっていてもよい。フランジ114,120は、組立て公差のために燃焼器フランジ3,4に対する火炎伝播管100の位置を調節することを可能にしてもよい。例えば、フランジ114,120は、それぞれの燃焼器フランジ3,4の外径に関して小さなサイズになっていてもよく、これにより、組立て公差のためにフランジ114,120が燃焼器フランジ3,4の外径内で再配置されることを可能にしている。例えば、リングタイプの圧縮クランプ、例えば、“マーモン”クランプが、それぞれのフランジ114,3,120,4を接続するために使用されてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、クランプまたはフランジは、それぞれのフランジ114,3,120,4を一緒に接続するために燃焼器フランジ3,4および火炎伝播管100のフランジ114,120の外径を超えて配置されていてもよい。
【0023】
少なくとも1つの実施の形態では、外側スリーブ122,140と内側ハウジング128,146との対面領域は、摩耗を最小限に減じるために耐摩耗被覆されていてもよく、内側ハウジング管は、過熱に対して保護するためにサーマルバリヤコーティング(TBC)を有していてもよい。様々な実施の形態では、二重壁構成は、従来のシステムと比較して冷却効率を高めてもよい。例えば、火炎伝播管100は、組立て公差およびその他の不整合問題を補償するために、波形またはその他のたわみタイプの管の使用を必要とせず、剛性の構成部材から形成されてもよい。つまり、従来の設計は、組立て公差を補償するために、隣接する燃焼器の間に波形管などのフレキシブルな管の使用を必要とするのに対し、火炎伝播管100は、第1および第2の管102,106の第1および第2の端部110,116がそれぞれの燃焼器1,2に関して上下にシフトされてもよく、これにより、燃焼器1,2が軸方向で整列していないときに第1および第2の管102,106を作動的に整列させることを可能にする。火炎伝播管100のこのようなフレキシビリティは、少なくとも、燃焼器フランジ3,4に関して小さなサイズの火炎伝播管100のフランジ114,120によって達成されてもよく、この場合、フランジ114,120は、組立て公差を補償するように接続される。
【0024】
火炎伝播管100は、円筒形、矩形、正方形、三角形、およびその他の多面または片面構成などの、しかしながらこれらに限定されないあらゆる適切な横断面形状を有していてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、火炎伝播管100は、長手方向軸線Lに沿って延びる円筒状の構成を有していてもよく、円弧状の縁部または周を有する軸方向横断面を有していてもよい。その他の実施の形態では、ここで説明される有利な特徴から逸脱することなく、その他の円弧状または非円弧状構成が使用されてもよい。例えば、1つの実施の形態では、火炎伝播管100は、多面縁部を規定する軸方向横断面を有していてもよい。サイドは、直線的、曲線的またはその他の形状であってもよい。
【0025】
少なくとも1つの実施の形態では、第1および第2の管102,106は、火炎伝播管100を形成するように連結または結合するように構成されたモジュール式構成部材を有していてもよい。例えば、第1の管102は、第2の管106の雄型端部を収容するように構成された雌型端部を有していてもよい。以下でより詳細に説明するように、第1および第2の管102,106はそれぞれ、各管102,106の長さの少なくとも一部に沿って二重壁構成を形成するように構成された1つまたは複数の部分構成部材を有していてもよい。第1および第2の管102,106のそれぞれの様々な部分構成部材は、火炎伝播管100が使用のために組み立てられたまたは据え付けられたときに、存在するとしてもほとんど分離の危険性なしに一緒に接続されていてもよい。二重壁構成は、熱応力および熱勾配を低減するために火炎伝播管100の温度を調整する冷却システムを提供する。二重壁構成によって提供される冷却システムを使用した火炎伝播管100の温度の調整は、過熱または燃焼による材料損失を防止してもよい。
【0026】
第1の管102および第2の管106は、第1および第2の管102,106の間に滑り継手を形成するようにそれらの第2の端部112,118において結合するように構成されていてもよい。例えば、
図1Aおよび
図1Bに示すように、第1の管102の第2の端部112は、第2の管106に向かって延びた雄型結合部分を有していてもよく、第2の管106の第2の端部118は、第1の管102に向かって延びておりかつ第1の管102の雄型結合部分を収容するように構成された雌型結合部分を有していてもよい。第1の管102の第2の端部112は、第2の管106の第2の端部118の内径よりも小さい外径を有していてもよい。滑り継手を形成するために、第1の管102の第2の端部112は、第2の管106の第2の端部118の内径または周内に収容されてもよい。結合させられると、第1の管102および第2の管106は、滑り継手に沿った長手方向滑りを介して相対的に可動であってもよい。長手方向滑りは、火炎伝播管100が熱的膨張を補償することを可能にしてもよい。
【0027】
第1の管102は、第1の端部124および第2の端部126を有する第1の外側スリーブ122と、第1の端部130および第2の端部132を有する第1の内側ハウジング128とを有していてもよい。第1の内側ハウジング128は、第1の外側スリーブ122の内径よりも小さい外径を有していてもよい。第1の冷却チャンバ138は、第1の外側スリーブ122と第1の内側ハウジング128との間に配置されていてもよい。第1の冷却チャンバ138は、冷却流体入口を形成する1つまたは複数の流体ポート176と、冷却流体を燃焼のために燃焼室1内へ排出する1つまたは複数の出口177とを有していてもよい。第1の火炎伝播管100は、第1の外側スリーブ122内の第1の内側ハウジング128の位置を維持しかつ第1の冷却チャンバ138を維持するために、第1の内側ハウジング128と第1の外側スリーブ122との間に配置された1つまたは複数の隔離部材134を有していてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、隔離部材134は、第1の内側ハウジング128と第1の外側スリーブ122との間に画定された第1の冷却チャンバ138を形成することを補助する1つまたは複数のスペーサ136から形成されていてもよい。隔離部材134は、第1の内側ハウジング128および第1の外側スリーブ122に関して1つまたは複数の固定されたスペーサ136を有する、固定された隔離部材134であってもよい。
【0028】
第2の管106は、第1の端部142および第2の端部144を有する第2の外側スリーブ140と、第1の端部148および第2の端部150を有する第2の内側ハウジング146とを有していてもよい。第2の内側ハウジング146は、第2の外側スリーブ140の内径よりも小さい外径を有していてもよい。第2の冷却チャンバ156は、第2の外側スリーブ140と第2の内側ハウジング146との間に配置されていてもよい。第2の冷却チャンバ156は、冷却流体入口を形成する1つまたは複数の流体ポート176と、冷却流体を燃焼のために燃焼室2内へ排出する1つまたは複数の出口177とを有していてもよい。第2の火炎伝播管100は、第2の外側スリーブ140内の第2の内側ハウジング146の位置を維持しかつ第2の冷却チャンバ156を維持するために、第2の内側ハウジング146と第2の外側スリーブ140との間に配置された1つまたは複数の隔離部材152を有していてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、隔離部材152は、第2の内側ハウジング146と第2の外側スリーブ140との間に画定された第2の冷却チャンバ156を維持するように構成された1つまたは複数のスペーサ154から形成されていてもよい。隔離部材152は、第2の内側ハウジング146および第2の外側スリーブ140に関して1つまたは複数の固定されたスペーサ154を有する、固定された隔離部材152から形成されていてもよい。
【0029】
以下で説明するように、隔離部材134,154は、リングまたはくぼみであってもよいが、それらに限定されず、均一な冷却のために外側スリーブ122,140と内側ハウジング128,146との間に一貫して空間が維持されることを保証するスペーサとして機能してもよい。少なくとも1つの実施の形態では、隔離部材134,154は、外側スリーブ122,140内に同心状に内側ハウジング128,146を配置するために使用されてもよい。別の実施の形態では、隔離部材134,154は、外側スリーブ122,140内に偏心的に内側ハウジング128,146を配置してもよい。
【0030】
様々な実施の形態では、固定されたスペーサ136,154は、第1の内側ハウジング128と第1の外側スリーブ122との間または第2の内側ハウジング146と第2の外側スリーブ146との間に取付け箇所を有していてもよい。このようなスペーサ136,154は、第1または第2の外側スリーブ122,140を第1または第2の内側ハウジング128,146から分離させるように構成された、半径方向に延びる突出部、リング、カラー、タブまたは同様のものを備えてもよいが、これらに限定されない。スペーサ136,154は、外面158,160に沿った第1または第2の内側ハウジング128,146の縁部の周囲に、および内面162,164に沿って第1または第2の外側スリーブ122,146に沿って延びていてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、1つまたは複数の流体ポートが、火炎伝播管100または第1または第2の外側スリーブ122,146の外側の環境から第1および第2の冷却チャンバ138,156内への流体通路を提供するようにスペーサ136,154を貫通して延びていてもよい。
【0031】
少なくとも1つの実施の形態では、スペーサ136,154は、第1および第2の内側ハウジング128,146の外面158,160と第1および第2の外側スリーブ122,146の内面162,164との間に周方向に延びる環状のリングから形成されていてもよい。第1の管102は、第1の外側スリーブ122と第1の内側ハウジング128との間に延びておりかつ第1の外側スリーブ122および第1の内側ハウジング128と接触した固定されたスペーサ136を有する隔離部材134を有していてもよい。スペーサ136は、第1の内側ハウジング128の外面158と第1の外側スリーブ122の外面160との間に延びる環状のリングであってもよい。1つの構成では、スペーサ136は、溶接を介して第1の外側スリーブ122および第1の内側ハウジング128に取り付けられていてもよい。第2の管106は、第2の外側スリーブ140と第2の内側ハウジング146との間に延びておりかつ第2の外側スリーブ140および第2の内側ハウジング146と接触した固定されたスペーサ154を有する隔離部材152を有していてもよい。第2の外側スリーブ140および第2の内側ハウジング146は、溶接を介してスペーサ154に取り付けられていてもよい。
【0032】
図1Aおよび
図1Bに示すように、第2の外側スリーブ140は、スペーサ154の表面の周囲のプラグ溶接などの溶接を介してスペーサ154に取り付けられてもよい、第1の部分140bおよび第2の部分140aを有していてもよい。スペーサ154は、第2の冷却チャンバ156を第1の冷却サブチャンバ156aと第2の冷却サブチャンバ156bとに分割していてもよい。第1および第2の冷却サブチャンバ156a,156bは、例えばスペーサ154におけるまたは複数のスペーサ154の間の流体ポート157を介して流体通流可能に接続されていてもよい。しかしながら、例示された実施の形態では、スペーサ154は流体ポートを有さず、第1および第2の冷却サブチャンバ156a,156bは、このような流体ポートを通じて流体通流可能に接続されていない。
【0033】
少なくとも1つの実施の形態では、
図1Aおよび
図1Bに示すように、第2の外側スリーブ140の第2の端部144は、第2の内側ハウジング146の第2の端部150を超えて延びていてもよく、第1の管102の雄型部分を収容するように構成された雌型部分を有していてもよい。第2の外側スリーブ140の第2の端部144は、第1の管102と第2の管106との相対移動を許容するための滑り継手を形成するように、第1の内側ハウジング128の第2の端部132を摺動可能に収容するように構成されていてもよい。第1の内側ハウジング128の第2の端部132が第2の外側スリーブ140の第2の端部144によって収容されると、第1の内側ハウジング128の第2の端部132の外面160と、第2の外側スリーブ140の第2の端部144の内面164との間に、第3の冷却チャンバ174が形成される。1つまたは複数の隔離部材は、第1の内側ハウジング128の外縁および第2の外側スリーブ140の内縁に沿って配置されていてもよい。隔離部材170は、第2の外側スリーブ140の第2の端部144を第1の内側ハウジング128の第2の端部132から半径方向にずらすように設けられていてもよい。隔離部材170は、第3の冷却チャンバ174を維持するように構成された1つまたは複数のスペーサ172から形成されていてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、第3の冷却チャンバは、一貫した幅を有していてもよい。スペーサ172は、第1の内側ハウジング122または第2の外側スリーブ140に形成されていてもよく、リング、カラー、半径方向突出部または同様のものを備えてもよい。
【0034】
図1Aおよび
図1Bに示すように、くぼみを有する複数のスペーサ172が、第2の管106にその縁部の周囲に形成されていてもよい。1つまたは複数のスペーサ172が第1の内側ハウジング128または第2の外側スリーブ140の一方または両方に配置されていてもよいが、複数のスペーサ172は、第2の外側スリーブ140の内面164に配置されていてもよく、第1の内側ハウジング128の隣接する外面158と摺動可能に接触するように構成されていてもよい。これにより、隔離部材170は、一貫した幅を備える第3の冷却チャンバ174を維持するように構成された1つまたは複数のダイナミックスペーサ172から形成されたダイナミック隔離部材170であってもよく、第1の管102と第2の管106とのほぼ長手方向の移動および第3の冷却チャンバ174の長手方向長さの対応する変化を可能にしてもよい。
【0035】
複数のスペーサ172が設けられている場合、スペーサ172は、間を空けてまたはその他必要に応じて配置されてもよい。スペーサ172は、スペーサの間に流体ポート176または流体通路が画定され、これにより、外部環境から第3の冷却チャンバ174内へ流体が流れることを可能にするように、配置されていてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、1つまたは複数のスペーサ172は、環状のリングまたはカラーを備えてもよい。環状のリングまたはカラーは、第1および第2の管102,104の間に完全なまたは部分的なシールを提供してもよい。幾つかのこのような実施の形態では、1つまたは複数の流体ポート176が、スペーサ172に隣接して第2の外側スリーブ140に画定されていてもよい。1つの実施の形態では、外部環境と第3の冷却チャンバ174との間に入口流体通路を提供するようにスペーサ172の間に様々な流体ポート176が画定されている。
図1Aおよび
図1Bに示すように、スペーサ172は、第2の外側スリーブ140に形成された1つまたは複数のくぼみを備えてもよい。スペーサ172は、あらゆる幾何学的、非幾何学的、規則的または不規則的な形状などの、しかしながらそれらに限定されないあらゆる適切な形状を有していてもよい。
【0036】
図1Aおよび
図1Bに示すように、第2の外側スリーブ140の第2の端部は、冷却または流体流れをさらに増大させてもよい拡開したリップ180であってもよい。1つの実施の形態では、第2の外側スリーブ140は、第1の内側ハウジング128の外面158に沿って第1の外側スリーブ122の第2の端部126まで延びているかまたは摺動可能に延長可能であってもよい。別の構成では、第2の外側スリーブ140は、火炎伝播管100の一部に沿って三重壁構成を形成するように第1の外側スリーブ122の第2の端部126を摺動可能に収容してもよい。スペーサ172は、第3の冷却チャンバ174が2つの流体連通可能に接続された第3の冷却サブチャンバ174a,174bに分割されるように配置されていてもよい。第2の冷却サブチャンバ174bは、外部環境から第2の冷却チャンバ174bまで流体ポート176を形成する入口182を有していてもよい。第1のサブチャンバ174aは、火炎伝播管100の内面への出口184を有していてもよい。しかしながら、少なくとも1つの実施の形態では、スペーサ172は、第3の冷却チャンバ174が第1および第2の管102,106の境界面に沿って設けられるように設けられていてもよい。
【0037】
1つまたは複数の流体ポート176は、第1または第2の外側スリーブ122,140の外部環境と、内側ハウジング128,146と外側スリーブ122,140との間に画定された第1、第2および第3の冷却チャンバとの間に流体通路を提供するように、第1または第2の管102,106に配置されていてもよい。例えば、差圧が、ガス流を外部環境から第1、第2および第3の冷却チャンバ138,156,174内へ駆動してもよく、例えば、より低温のシェル空気の流れを管内へ駆動してもよい。冷却流体は、第1、第2および第3の冷却チャンバ138,156,174から、内側ハウジング128,146内の内側チャンバ内へ、および燃焼器1,2内へ排出されてもよい。第1および第2の外側スリーブ122,140は、1つまたは複数の流体ポート176を有していてもよい。このような流体ポート176は、火炎伝播管100に関して半径方向に向けられていてもよい。
【0038】
少なくとも1つの実施の形態では、それぞれの第1、第2および第3の冷却チャンバ138,156,174はそれぞれ、第1、第2および第3の冷却チャンバ138,156,174を外部環境、例えば、冷却空気流に接続するための少なくとも1つの流体ポート176または流体通路を有していてもよい。様々な実施の形態では、フランジ114,120または燃焼器1,2に隣接した第1および第2の冷却チャンバ138,156は、それぞれのフランジ114,120およびフランジ領域における管102,106の過熱を減じるために、燃焼器1,2、燃焼器フランジ3,4または関連する燃焼通路への出口177を有していてもよい。
【0039】
図2A〜
図3に示すように、火炎伝播管100は、第3の管190を備えてもよい。第3の管190は、第1の管102または第2の管106、またはその両方に関して可動に関連させられるように構成されていてもよい。第3の管190は、第1および第2の管102,106を一緒に接続してもよい。例えば、第3の管190は、第1の管102を収容するかまたは第1の管102によって収容されるように構成された第1の端部192と、第2の管106を収容するかまたは第2の管106によって収容されるように構成された第2の端部194とを有していてもよい。1つの実施の形態では、
図2Aおよび
図2Bに示すように、第3の管190は、第1および第2の管102,106のそれぞれの雌型端部によって収容されるように構成された2つの雄型端部を有していてもよい。別の実施の形態では、
図3に示すように、第3の管190は、第1および第2の管102,106のそれぞれの雄型端部を収容するように構成された2つの雌型端部を有していてもよい。別の実施の形態では、第3の管190は、第1の管102の雌型端部によって収容されるように構成された雄型端部と、第2の管106の雄型端部を収容するように構成された雌型端部を有していてもよく、またはその逆であってもよい。少なくとも1つの実施の形態では、第1の管102、第2の管106および第3の管190は、第1の構成部材102が、第2の管106または第3の構成部材190、またはその両方に対して移動し、第2の管106および第3の構成部材190が互いに対して移動するように、相対移動するように構成されていてもよい。
【0040】
図2Aおよび
図2Bに示すように、火炎伝播管100は、第1の端部192および第2の端部194を有する第3の管190を備えてもよい。第3の管190は、付加的なフレキシビリティを提供する自由浮動中間管であってもよい。第3の管190の位置は、第3の管190の回転を制限しかつ長手方向軸線Lに沿った浮動可能な移動を制限する、スロット198内に配置された1つまたは複数のピン196によって制御されてもよい。耐摩耗コーティングおよびTBCは、例えば、
図1Aおよび
図2Bに関連して上記で説明した実施の形態と同様に使用されてもよい。冷却およびくぼみのための二重壁構成が同様に採用されてもよい。
【0041】
火炎伝播管100は、火炎伝播管100の第1の端部104に配置された第1の管110と、火炎伝播管100の第2の端部108に配置された第2の管とを有していてもよい。第1の管110は、第1の端部110から第2の端部112まで延びていてもよい。第1の端部110は、火炎伝播管100の第1の端部104を第1の燃焼器1に接続するためのフランジ114を有していてもよい。第2の管106は、第1の端部116から第2の端部118まで延びていてもよい。第1の端部116は、火炎伝播管100の第2の端部108を第2の燃焼器2に接続するためのフランジ120を有していてもよい。
【0042】
火炎伝播管100は、さらに、第3の管190を備えてもよい。第3の管190は、第1の管110と第2の管106との間に滑り継手を形成するように第1の管110および第2の管106と結合するように構成されていてもよい。第1および第2の管110,106に結合させられると、第3の管190は、第1および第2の管110,106のうちの一方または両方に対するほぼ長手方向の移動を行うように構成されていてもよい。第3の管190は、第3の管190が第1の管110と第2の管106との間でL1の方向での第1の長手方向位置からL2の方向での第2の長手方向位置まで浮動するように、第1の管110および第2の管106に接続されていてもよい。例えば、第1の管110の第2の端部112は、第3の管190の第1の端部192と結合するように構成されていてもよく、第2の管106の第2の端部118は、第3の管190の第2の端部118と結合するように構成されていてもよい。
【0043】
図2Aおよび
図2Bに示すように、第1の管110の第2の端部112は、雄型継手を有していてもよい第3の管190の第1の端部192を収容するように構成された雌型継手を有していてもよい。第2の管106の第2の端部118は、雌型継手を有していてもよく、雄型継手を有していてもよい第3の管190の第2の端部194を収容するように構成されていてもよい。第1および第2の管110,106の第2の端部112,118は、第3の管190の第1の端部192および第2の端部194の外径よりも大きな内径を有していてもよい。滑り継手を形成するために、第1の管110の第2の端部112は、その内径内に第3の管190の第1の端部192を収容してもよく、第2の管106の第2の端部118は、その内径内に第3の管190の第2の端部194を収容してもよい。係合させられると、第1の管110と第2の管106とは長手方向に摺動してもよく、第3の管190はそれらの間で浮動してもよい。長手方向摺動または浮動は、ガスタービンの作動中に火炎伝播管100が熱膨張を補償することを可能にしてもよい。
【0044】
上記で紹介したように、第3の管190は、第1および第2の管110,106の間で、L1の方向での第1の長手方向位置と、L2の方向での第2の長手方向位置との間を浮動するように構成されている。第3の管190が長手方向に浮動してもよい距離は、第1のストッパ101と第2のストッパ103との間に規定されていてもよい。第3の管190が浮動してもよい長手方向距離または範囲を規定するあらゆる形式が使用されてもよいが、例示された実施の形態では、移動を制限するために位置制御システム199が使用されてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、位置制御システム199は、1つまたは複数のスロット198内に配置された1つまたは複数のピン196から形成されていてもよい。特に、第3の管190の第1の端部192および第2の端部194はそれぞれ、少なくとも1つのピン196を有していてもよく、第1および第2の管110,106の第2の端部112,118はそれぞれ、ピン196を収容するように構成された少なくとも1つのスロット198を有していてもよい。第3の管190が方向L1に第1の位置に向かって浮動してもよい距離または範囲は第1のストッパ101によって制限されており、第3の管190が方向L2に第2の位置に向かって浮動してもよい距離は第2のストッパ103によって制限されている。各スロット198は、ピン196の並進、ひいては、第3の管190が方向L1およびL2に浮動してもよい長手方向距離を制限するために、ストッパ101,103を有していてもよい。各スロット198は1つまたは複数のストッパ101,103を有していてもよいか、または、ストッパ101,103は、全てよりも少ないスロット198に設けられていてもよい。
図2Aおよび
図2Bに示すように、ピン196が、第2の管106の少なくとも1つのスロット198の端部に配置された第2のストッパ103に到達したとき、第3の管190は、L2の方向で第2の位置にある。
【0045】
火炎伝播管100は、例えば燃焼器1,2または関連するフィッティングが軸方向で整列していないときに火炎伝播管100が燃焼器1,2と整列することを可能にするために、第1および第2の管110,106の第1の端部110,116のうちの一方または両方がそれぞれの燃焼器1,2に対して上下にシフトし得るように構成されていてもよい。上記に説明したように、例えば、火炎伝播管100は、組立て公差を補償するように小さなサイズのフランジ114,120を有していてもよい。
【0046】
図2Aおよび
図2Bに示すように、第1の外側スリーブ122の第2の端部126が第3の管190の第1の端部192を収容したとき、第3の冷却チャンバ105は、第1の内側ハウジング128の第2の端部132の外縁と、第3の管190の第1の端部192との間に配置されてもよい。第2の外側スリーブ140の第2の端部が第3の管190の第2の端部194を収容したとき、第4の冷却チャンバ107は、第2の内側ハウジング146の第2の端部150の外縁と、第3の管190の第2の端部194との間に配置されてもよい。第1の内側ハウジング128の第1の端部130および第2の内側ハウジング146の第1の端部150は、長手方向軸線に沿って、第1および第2の外側スリーブ122,140の第1の端部124,144ならびにフランジ114,120を超えた位置まで延びてもよい。様々な実施の形態では、第1および第2の冷却チャンバ138,156は内側ハウジング128,146の間に配置されてもよく、外側スリーブ122,140は、一方の第1の端部において燃焼器1,2または関連するフィッティング内へ開口しておりかつ第2の端部においてスペーサ136,154まで延びていてもよい。
【0047】
第1および第2の外側スリーブ122,140の第2の端部126,144は、第1および第2の内側ハウジング128,146の第2の端部132,141を超えて延びてもよく、第3の管190の第1および第2の端部192,194に配置された雄型部分を摺動可能に収容するように構成された雌型部分を有していてもよく、これにより、第3の管190は、リミッタによって規定されたようにそれらの間で長手方向に浮動してもよい。隔離部材109,111は、第3の管190の第1および第2の端部192,194の外縁と、第1および第2の外側スリーブ122,140の第2の端部126,144の内縁とに沿って配置されていてもよい。隔離部材109,111は、第3および第4の冷却チャンバ105,107を支持するように構成された1つまたは複数のスペーサ113,115から形成されていてもよい。
図2Aおよび
図2Bにおいて、1つまたは複数のスペーサ113,115が、第3の管190と、第1および第2の外側スリーブ122,140との一方または両方に配置されてもよいが、スペーサ113,115は、第1および第2の端部192,194に沿って第3の管190の外面117に配置されてもよく、第1および第2の外側スリーブ122,140の隣接する内面162,164に摺動可能に接触するように構成されていてもよい。これにより、隔離部材109,111は、L1の方向での第1の位置と、L2の方向での第2の位置との間の第3の管190の浮動可能な長手方向移動、第1および第2の管110,106の拡張、およびスペーサ113,115によって維持された環状のスペーサ105,107の長手方向長さの対応する変化をも可能にしながら、第3および第4の冷却チャンバ105,107を維持するように構成された1つまたは複数のダイナミックスペーサ113,115を有するダイナミック隔離部材109,111から形成されていてもよい。複数のスペーサ113,115が設けられている場合、スペーサ113,115は、間を空けてまたはその他必要に応じて配置されてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、1つまたは複数のスペーサ113,115は、環状のリングまたはカラーから形成されていてもよい。環状のリングまたはカラーは、第1および第2の管110,106の間に完全なまたは部分的なシールを提供してもよい。幾つかのこのような実施の形態では、1つまたは複数の流体ポートが、例えばスペーサ113,115に隣接した外側スリーブ122,140に画定されていてもよい。
図2Aおよび
図2Bに示すように、スペーサ109,111は、第3の管190の第1および第2の端部192,194に形成された1つまたは複数の円錐形または円弧状のくぼみを備えてもよい。くぼみは、隣接する面との制限された表面積接触のために構成された係合面を有していてもよい。様々な実施の形態では、スペーサ109,111、例えばくぼみは、あらゆる幾何学的、非幾何学的、規則的または不規則的な形状を有していてもよい。スペーサは、スペーサの間に流体ポートが配置されることを可能にするために所定の間を空けて配置されていてもよい。
【0048】
第1および第2の外側スリーブ122,140の第2の端部126,144は、第1および第2の部分に対して利用可能な冷却または流体流れをさらに増大してもよい拡開したリップ119,121を有していてもよい。
図1Aおよび
図2Bに関して上記で説明した実施の形態と同様に、第3の管190が第1および第2の外側スリーブ122,140の第2の端部126,144によって収容されると、第3および第4の冷却チャンバ105,107が、第3の管190の外面117と、第1および第2の外側スリーブ122,140の第2の端部126,144の内面162との間に画定されてもよい。上記で説明したようにスペーサ113,115を含む隔離部材109,111は、第2の端部126,144を第3の管190から離間させるために設けられていてもよい。第3および第4の冷却チャンバ105,107のそれぞれは、外部環境へ開放した入口123,125と、火炎伝播管100の内部へ開放した出口127,129とを有していてもよい。しかしながら、少なくとも1つの実施の形態では、スペーサ113,115は、1つの第3または第4の冷却チャンバ105,107が第1および第2の管110,106および第3の管190の境界面に沿って設けられるように設けられていてもよい。
【0049】
第1および第2の外側スリーブ122,144の第2の端部126,144は、第1および第2の内側ハウジング128,146の第2の端部132,150を超えて延びていてもよい。この部分に沿って、外側スリーブ122,140は、第3の管190を収容するために体積を増大させるように外方へ拡開していてもよい。例えば、
図2Aおよび
図2Bに示すように、第2の外側スリーブ140は、例えば溶接を介してスペーサ154に取り付けられてもよい第1の部分140aおよび第2の部分140bを有していてもよい。1つの実施の形態では、第1または第2の外側スリーブ122,140は、より少ないまたはより多くの部分を有していてもよく、これに関して制限されない。第1の外側スリーブ122は、例えば溶接を介してスペーサ136に取り付けられてもよい第1の部分122aおよび第2の部分122bを有していてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、第2の部分122bは、第1の部分122aの内径よりも大きな内径を有していてもよい。別の実施の形態では、外側スリーブ122,140は拡開されていなくてもよい。第3の管190の第1および第2の端部192,194も、直径が減少するように示されているが、少なくとも1つの実施の形態では、第1および第2の端部192,194は、一貫した直径を維持してもよい。
【0050】
図2Aおよび
図2Bの火炎伝播管100と同様に、
図3に示した火炎伝播管100も第3の管190を有する。第3の管190は、L1の方向での第1の長手方向位置と、L2の方向での第2の長手方向位置との間を浮動するように構成されていてもよい。第3の管190が浮動してもよい範囲は、
図2Aおよび
図2Bに関連して上記で説明した実施の形態と同様のリミッタ構成によって規定されてもよい。例えば、1つまたは複数のピン196およびスロット198は、第3の管190の回転を防止または規定し、かつ長手方向軸線Lに沿った第3の管190の移動を規定するために使用されてもよい。
図3に示すように、隔離部材131,133はそれぞれ、第3および第4の冷却チャンバ147,149を形成するために1つまたは複数のスペーサ139を含む。第3および第4の冷却チャンバ147,149は、あらゆる適切な構成を有していてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、第3および第4の冷却チャンバ147,149は、第3の管190に対して同心状であってもよい。スペーサ139は、第3の管190が浮動してもよい長手方向距離を制限してもよい。第3の管190は、浮動可能な回転のために構成されてもよい。耐摩耗コーティングおよびTBCは、例えば、
図1Aおよび
図2Bに関連して上記で説明した実施の形態と同様に使用されてもよい。
【0051】
火炎伝播管100の第1および第2の管102,106は、
図3の第1および第2の管102,106も二重壁構成を有していてもよいという点において、
図1A〜
図2Bに関連して上記で説明した実施の形態の第1および第2の管102,106と同様であってもよい。つまり、第1および第2の管102,106のそれぞれは、少なくとも1つの第1および第2の冷却チャンバ138,156(図示せず)を規定する外側スリーブ122,140および内側ハウジング128,146(図示せず)をそれぞれ有していてもよい。
図1A〜
図2Bと同様に、第1および第2のフランジ114,120のうちの一方または両方は、組立て公差の補償を可能にするために、それらが接続される燃焼器フランジ3,4に対してサイズが小さくてもよい。
【0052】
第3の管190は、第3の管190の内面151と第1および第2の管102,106の外面153,155との間に配置されたスペーサ139,143から形成された隔離部材131,133による付加的な冷却のための二重壁構成を形成してもよい。スペーサ139,143は、第3の管190の内面151と、第1および第2の外側スリーブ122,140の両外面153,155との間に環状の空間147,149を維持するように、隣接する面に対して移動するように構成されていてもよい。第1および第2の外側スリーブ122,140の第2の端部126,144は、第1および第2の端部192,194に配置された第3の管190の配置された雌型部分を摺動可能に収容するように構成された雄型部分を有していてもよく、これにより、第3の管190は、長手方向軸線Lに関してそれらの間で長手方向に浮動してもよい。第3の管190は、第1および第2の外側スリーブ122,144の外縁の周囲で回転可能であってもよい。しかしながら、別の実施の形態では、回転は、例えば、上記で説明したようにピンおよびスロット構成によって、または、スペーサ139,143によってまたはスペーサ139,143の間に画定された溝を備えてもよい管102,106,190の表面に画定された溝を介したスペーサ139,143の案内可能な浮動によって、制限されてもよい。
【0053】
スペーサ139,143は、間を空けてまたはその他必要に応じて配置されてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、スペーサ139,143は、環状のリングまたはカラーを備えてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、1つまたは複数の流体ポート176は、隣接するスペーサ139,143の間、または、第3の管190の外面117または第1または第2の外側スリーブ122,140の内面162,164に形成された溝の間に画定されていてもよい。
図3に示すように、第1および第2の外側スリーブ122,140は、第1および第2の外側スリーブ122,140の外縁に沿って間を空けて配置された半径方向に延びる突出部から形成されたスペーサ139を有していてもよい。しかしながら、様々な実施の形態では、スペーサ139は、あらゆる幾何学的、非幾何学的、規則的または不規則的な形状を有していてもよい。
【0054】
第3の管190が第1および第2の外側スリーブ122,140を収容すると、流体ポート176がスペーサ139の間に画定されてもよい。流体ポート176は、冷却流体の通過のための略長手方向の流体流路を提供するために、
図3に示すように長手方向に向けられていてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、スペーサ139は、第3および第4の冷却チャンバ147,149および流体ポート176を画定するように、複数の列またはコラムで配置されていてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、流体ポート176は、第3の管190を通じて画定されていてもよい。第3および第4の冷却チャンバ147,149は、外部環境から、空気などの、しかしながら空気に限定されない冷却流体を受け入れるための少なくとも1つの入口を有していてもよく、例えば、第3および第4の冷却チャンバ147,149は、流体ポート176を通じて冷却空気流へ、外部環境と流体連通していてもよい。第3の管190の第1および第2の端部192,194は、増大した流体利用可能性のために拡開されていてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、差圧が、ガス流を外部環境から第3および第4の冷却チャンバ147,149内へ駆動してもよく、例えば、より低温のシェルまたはケーシング空気の流れを火炎伝播管100内へ駆動してもよい。冷却空気は、第3および第4の冷却チャンバ147,149を通って燃焼器1,2内へ通過してもよい。
【0055】
図3に示すように、火炎伝播管100は、第1および第2の管102,106に対する第3の管190の移動を制限するための位置制御システム199を有していてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、第3の管190は、くぼみ形状を有する半径方向に延びるスペーサ143を有していてもよい。しかしながら、様々な実施の形態では、スペーサ143は、あらゆる幾何学的、非幾何学的、規則的または不規則的な形状を有していてもよい。より少ないまたは付加的なスペーサ143が設けられてもよい。
図2Aおよび
図2Bの火炎伝播管100は、第3の管190が浮動してもよい長手方向距離を制限するためにピンおよびスロット配列を有するのに対し、
図3に示した火炎伝播管100は、スペーサ139,143を使用して第3の管190の長手方向浮動を制限してもよい。例えば、
図3における第3の管190は、L1の方向で、第1の管102の第1の端部に向かう第1の位置と、L2の方向で、第2の管106の第1の端部に向かう第2の位置との間の中間位置に示されている。リッジ状のスペーサ139の間に画定された流体ポート176は、くぼみ状スペーサ143の通過を防止するように寸法決めされている。すなわち、第3の管190が、方向L1で第1の位置に向かって浮動すると、第3の管190の第1の端部192に形成されたくぼみ状スペーサ143が、第1の管102に画定されたリッジ状スペーサ139と係合し、これにより、第1の管102の第1の端部110に向かう第3の管190のさらなる長手方向浮動を防止する。同様に、第3の管190が、L2の方向で第2の位置に向かって浮動すると、第3の管190の第2の端部194に形成されたくぼみ状スペーサ143が、第2の管106に画定されたリッジ状スペーサ139と係合するように構成されており、これにより、第2の管106の第1の端部116に向かう第3の管190のさらなる長手方向浮動を防止する。
【0056】
スペーサ139,143は、第3の管190または第1および第2の外側スリーブ122,140のうちのいずれかまたは両方に配置されていてもよい。
図3に示すように、スペーサ139,143は、第1および第2の外側スリーブ122,140のそれぞれの第1および第2の端部192,194および外面153,155に沿って、第3の管190の内面151に配置されていてもよい。スペーサ139,143は、隣接する内面または外面151,153,155と摺動可能に接触するように構成されていてもよい。これにより、隔離部材131,133および関連するスペーサ139,143は、第3および第4の冷却チャンバ147,149を支持するようにダイナミックに構成されていてもよい。少なくとも1つの実施の形態では、スペーサ139,143は、L1の方向での第1の位置と、L2の方向での第2の位置との間の第3の管190の浮動可能な長手方向移動、第1および第2の管102,106の拡張、および第3および第4の冷却チャンバ147,149の長手方向長さの対応する変化を含むダイナミック環境において、第3および第4の冷却チャンバ147,149の一貫した幅を維持してもよい。
【0057】
第1、第2および第3の管102,106,190または隔離部材131,133の対面する部分の外径および内径は、様々なサイズの環状の空間147,149を提供しかつ付属品を制御するように寸法決めされていてもよい。例えば、
図3に示した火炎伝播管100は、第1および第2の外側スリーブ122,140の第2の端部126,144および第3の管190の第1および第2の端部192,194の隣接する面との係合のための円弧状寸法を有する、くぼみ状スペーサ143およびリッジ状スペーサ139を有していてもよい。くぼみ状スペーサ143は、リッジ状スペーサ139が第1及び第4の冷却チャンバ147,149内へ延びる半径方向距離よりも小さな半径方向距離だけ、第3および第4の冷却チャンバ147,149内へ延びていてもよい。つまり、くぼみ状スペーサ143と、第1および第2の外側スリーブ122,140の第2の端部126,144の隣接する外面153,155との間の連続的な係合は、必要とされなくてもよい。
図3に示すように、第1および第2の外側スリーブ122,140との第3の管190の付属品は、第1の管102および第2の管106の整列に関して機械的遊びを提供するように第3の管190がずれていることを許容してもよい。例えば、第1の管102と第2の管106との半径方向不整列は、1つまたは複数のくぼみ状スペーサ143が外面153,155に係合するように1つまたは複数のくぼみ状スペーサ143と第1または第2の外側スリーブ122,140の隣接する外面153,155との間の間隙が減じられるまで、第3の管190の内面151をリッジ状スペーサ139の円弧状係合面に沿ってロールさせてもよい。1つまたは複数のくぼみ状スペーサ143が外側スリーブ122,144の隣接する面153,155と係合させられるように第3の管190がずれている場合でさえも、環状空間147,149の一貫して最小の半径方向距離および体積が維持される。第1および第2の外側スリーブ122,140の外径または第3の管190の第1および第2の端部192,194の内径は、第1および第2の管102,106の整列に関して第3の管190の浮動性または利用可能な機械的遊びを制御するために滑り継手に沿ってはめ合いのきつさを増大または減少するように変更されてもよい。
【0058】
上記説明は、本発明を例示、説明および記述するという目的で提供されている。これらの実施の形態に対する変更および適応は、当業者に明らかになるであろうし、本発明の範囲または思想から逸脱することなく成し得るものである。