特許第6437290号(P6437290)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6437290
(24)【登録日】2018年11月22日
(45)【発行日】2018年12月12日
(54)【発明の名称】発光装置及び発光システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/06 20060101AFI20181203BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20181203BHJP
【FI】
   H05B33/06
   H05B33/14 A
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-246208(P2014-246208)
(22)【出願日】2014年12月4日
(65)【公開番号】特開2016-110793(P2016-110793A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2017年11月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】荒井 和明
【審査官】 大竹 秀紀
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−532896(JP,A)
【文献】 特開2012−114084(JP,A)
【文献】 特開2011−243431(JP,A)
【文献】 特開平8−273830(JP,A)
【文献】 実開昭58−128884(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 33/06
H01L 51/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
面光源と、
前記面光源を電源または制御回路に電気的に接続する端子部と、
を備え、
前記端子部は、
第1面が前記面光源に対向している導電性の板部材と、
前記板部材と前記面光源とを電気的に接続する導電部材と、
前記板部材に接しており、永久磁石である端子と、
を備え、
前記板部材の幅は、前記端子の幅よりも大きい発光装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発光装置において、
前記導電部材は電線である発光装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の発光装置において、
前記板部材は磁性材料を用いて形成されている発光装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の発光装置において、
前記端子は前記板部材の第2面に接している発光装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の発光装置において、
前記端子に前記板部材を機械的に固定する固定部材を備える発光装置。
【請求項6】
請求項5に記載の発光装置において、
前記端子には第1貫通孔が形成されており、
前記板部材のうち前記第1貫通孔と重なる部分には第2貫通孔が形成されており、
前記固定部材は、
一端部の幅が前記第1貫通孔よりも大きく、他端部の幅が前記第1貫通孔の幅及び前記第2貫通孔の幅よりも狭く、前記第1貫通孔から差し込まれていて前記第2貫通孔を貫通している第1部材と、
前記第1部材の他端部に固定され、前記第2貫通孔よりも大きい第2部材と、
を備え、
前記端子のうち前記板部材とは逆側の面には、凹部が形成されており、
前記第1貫通孔は前記凹部の底部に位置しており、
前記凹部の深さは、前記第1部材の前記一端部の高さよりも大きい発光装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の発光装置と、
前記発光装置を保持するとともに、前記発光装置に電気的に接続する給電部材と、
を備え、
前記給電部材は、磁性材料からなり、前記端子の磁力によって前記端子に固定される発光システム。
【請求項8】
請求項7に記載の発光システムにおいて、
前記給電部材は、前記板部材と同じ材料によって形成されている発光システム。
【請求項9】
請求項8に記載の発光システムにおいて、
前記給電部材は板状の部材であり、
前記給電部材の厚さは前記板部材の厚さよりも厚い発光システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置及び発光システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、例えば、有機EL素子(Organic Electro−Luminescence)素子又はLED(Light Emitting Diode) を用いた発光パネルが開発されている。そしてこのような発光パネルを壁や天井などの面に設置する構造が検討されている。
【0003】
例えば特許文献1には、面光源の端子の表面に磁性体をめっきし、この端子に接続する給電端子の内部に電磁石を配置することが記載されている。特許文献1において、面光源の端子と給電端子は磁力によって互いに取り付けられる。
【0004】
また特許文献2には、面光源の電極(端子)に磁性材を混ぜ、かつ、この電極に接続する給電端子を永久磁石で構成することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−76387号公報
【特許文献2】特開2012−527727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
面光源の端子を永久磁石で構成し、かつこの端子に接続する給電端子を大きく又は長くすると、面光源を取り付ける位置の自由度が向上する。しかし、永久磁石は一般的に熱に弱い。このため、半田付けなどの加熱工程における熱や、発光部や制御回路で発生した熱が、端子となる永久磁石に伝熱しにくくする必要がある。
【0007】
本発明が解決しようとする課題としては、面光源の端子を永久磁石で形成した場合において、端子に伝熱しにくくするが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、面光源と、
前記面光源を電源または制御回路に電気的に接続する端子部と、
を備え、
前記端子部は、
第1面が前記面光源に対向している導電性の板部材と、
前記板部材と前記面光源とを電気的に接続する導電部材と、
前記板部材に接しており、永久磁石である端子と、
を備え、
前記板部材の幅は、前記端子の幅よりも大きい発光装置である。
【0009】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発光装置と、
前記発光装置を保持するとともに、前記発光装置に電気的に接続する給電部材と、
を備え、
前記給電部材は、磁性材料からなり、前記端子の磁力によって前記端子に固定される発光システムである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る発光装置の構成を示す断面図である。
図2】板部材の幅a、端子の幅の最大値b、及び収容部材の開口の幅の大小関係を説明するための図である。
図3図2のy方向から見た平面図である。
図4図2の変形例を示す図である。
図5】実施例1に係る発光装置を、保持部材とともに示す斜視図である。
図6】発光装置を裏面側から見た図である。
図7】発光装置を背面側から見た分解斜視図である。
図8】保持部材の構成を示す断面図である。
図9】給電部材に固定された状態の端子部を示す断面図である。
図10】実施例2に係る発光装置の要部の構成を示す図である。
図11】端子部の構成を収容部材の内側から見た斜視図である。
図12】(a)及び(b)は、発光装置を保持部材に取り付ける方法を説明するための図である。
図13】実施例3に係る発光装置の構成を、保持部材とともに示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0012】
図1は、実施形態に係る発光装置10の構成を示す断面図である。発光装置10は、面光源140及び端子部150を備えている。端子部150は面光源140を、電源及び制御回路の少なくとも一方に電気的に接続する。詳細には、端子部150は、端子160、導電部材170、及び板部材180を有している。板部材180は導電性を有しており、また、板部材180の第1面は面光源140に対向している。導電部材170は板部材180を面光源140に電気的に接続している。端子160は永久磁石であり、板部材180に接している。そして、板部材180の幅は端子160の幅よりも大きい。端子160は、例えば正極端子、負極端子、又は制御信号用の端子である。以下、詳細に説明する。
【0013】
面光源140は、例えば発光パネルであり、基板と、この基板に形成された発光素子と、発光素子を制御する制御回路とを有している。この発光素子は、例えば有機EL素子である。そして、面光源140には、この発光素子に電気的に接続する端子が設けられている。導電部材170の一端は、この端子に接続されている。
【0014】
導電部材170の他端は板部材180に接続している。導電部材170は、例えば電線である。なお、導電部材170はリードやFPC(フレキシブルプリント基板)であってもよい。このとき、導電部材170を板部材180に半田付けなどにより接続することがある。この場合、半田付け時の熱が端子160へ伝わる可能性がある。本実施形態では、詳細を後述するように、この伝熱を抑制できる。
【0015】
板部材180は板状の部材であり、導電材料、好ましくは磁性材料によって形成されている。この磁性材料は、例えば鉄(必要な元素を添加したものを含む)もしくはコバルト(必要な元素を添加したものを含む)などの金属、又は合金である。板部材180の幅は端子160の幅よりも大きくなっている。このため、板部材180を厚くしなくても、板部材180の体積を大きくして、板部材180の熱容量を大きくすることができる。板部材180の厚さは、例えば0.1mm以上2.0mm以下である。従って、発光装置10が厚くなることを抑制できる。
【0016】
また、板部材180の面積は、端子160のうち板部材180と接触する側の端部の面積よりも大きい。そして、端子160は板部材180の第2面(面光源140とは逆側の面)に接しており、また、端子160の全面は板部材180によって覆われている。このため、板部材180は端子160からの磁界をシールドすることができる。このため、端子160からの磁界が面光源140の回路(例えば実施例における駆動回路142)に影響を与えることを抑制できる。
【0017】
端子160は、永久磁石、例えばネオジウム磁石によって形成されている。端子160の一端面は他の導電部材(例えば実施形態に示す給電部材202)に接触する。この接触部に起因した電気抵抗を小さくするために、端子160の一端面は平面になっているのが好ましい。また端子160の他端は板部材180に接触する。この接触部に起因した電気抵抗を小さくするために、端子160の他端面も平面になっているのが好ましい。
【0018】
端子160の一端は、面光源140を収容する収容部材120に設けられた開口126から、収容部材120の外部に突出している。このようにするために、端子160の一端側の幅は、開口126の幅よりも狭くなっている。
【0019】
本図に示す例において、端子160と板部材180は、固定部材190を用いて互いに機械的に固定されている。詳細には、端子160には第1貫通孔162が形成されており、板部材180のうち第1貫通孔162と重なる部分には第2貫通孔182が形成されている。そして、固定部材190は第1部材192及び第2部材194を有している。
【0020】
第1部材192は例えばネジである。第1部材192の一端部192a(例えばネジの頭部)の幅は、第1貫通孔162の幅よりも大きくなっている。また第1部材192の他端部192b(例えばネジの本体部)の幅は、第1貫通孔162の幅及び第2貫通孔182の幅よりも小さくなっている。他端部192bは、第1貫通孔162から差し込まれていて第2貫通孔182を貫通している。
【0021】
第2部材194は第1部材192の他端部192bに固定されている。第2部材194の幅は第2貫通孔182の幅よりも大きい。このため、端子160と板部材180は、第1部材192の一端部192aと第2部材194の間で挟まれ、その結果、互いに機械的に固定されている。これにより、端子部150の信頼性は高くなる。
【0022】
また、端子160のうち板部材180とは逆側の面(すなわち収容部材120の外側に突出する面)は、凹部164を有している。第1貫通孔162は凹部164の底部に形成されている。そして、第1部材192の一端部192aは、凹部164の中に位置している。これにより、一端部192aが端子160から突出することを抑制できる。特に本図に示す例では、凹部164の深さは一端部192aの高さよりも大きい。従って、一端部192aは端子160から突出しない。
【0023】
図2は、板部材180の幅a、端子160の幅の最大値b、及び収容部材120の開口126の幅cの大小関係を説明するための図である。上記したように、端子160の幅の最大値bは、開口126の幅cよりも小さくなっている。これにより、端子160は開口126を通り抜けることができる。また、板部材180の幅aは、開口126の幅bよりも大きくなっている。このため、板部材180がストッパーとして機能し、端子部150が開口126から抜け落ちることを防止できる。
【0024】
図3は、端子部150及び収容部材120を図2のy方向から見た平面図である。図2及び図3に示すように、平面視において、端子160のうち少なくとも板部材180とは逆側の端部(他端部)は開口126と重なっており、かつ、開口126の内側に位置している。このため、端子160は開口126を通ることができる。一方、板部材180は開口126よりも大きい。このため、上記したように板部材180は端子部150のストッパーとして機能する
【0025】
図4は、図2の変形例を示す図である。本図に示す例において、端子160のうち板部材180に接する側の端部161は、端子160の他の部分よりも太くなっており、その幅dは、開口126の幅cよりも大きくなっている。このため、端子160を開口126に差し込んでも、端子160が開口126から抜け落ちることを防止できる。なお、幅dは、板部材180の幅aよりも小さい。
【0026】
本実施形態において、面光源140が発光すると、面光源140の発光部又は制御回路から熱が発生する。この熱が端子160に伝熱して端子160の温度が上がると、端子160の磁力が低下することがある。これに対して本実施形態では、面光源140と端子160の間に、導電部材170及び板部材180を設けている。このため、面光源140から端子160に熱が伝わることを抑制できる。さらに本実施形態では、板部材180の幅は端子160の幅よりも大きくなっている。このため、板部材180を厚くしなくても、板部材180の体積を大きくして、板部材180の熱容量を大きくすることができる。このため、端子160に熱が伝わることをさらに抑制できる。また、端子160からの磁界が面光源140の制御回路に影響を与えることを抑制できる。
【0027】
特に本実施形態では、導電部材170として電線を用いている。このため、導電部材170の熱抵抗は大きくなる。従って、導電部材170を介して面光源140から板部材180に伝熱することを抑制できる。
【0028】
なお、上記した実施形態において、板部材180と端子160の間の磁力による吸着力が大きい場合は、第1貫通孔162、凹部164、第2貫通孔182、及び固定部材190を設けなくてもよい。
【実施例】
【0029】
(実施例1)
図5は、実施例1に係る発光装置10を、保持部材20とともに示す斜視図である。図6は発光装置10を裏面側から見た図である。本図に示す例において、発光装置10は保持部材20に取り付けられる。
【0030】
保持部材20は、例えば電源レールであり、図5に示すように、複数の給電部材202を有している。給電部材202は板状の部材であり、磁性材料、例えば鉄(必要な元素を添加したものを含む)もしくはコバルト(必要な元素を添加したものを含む)などの金属、又は合金によって形成されている。給電部材202は、好ましくは端子部150の板部材180と同じ材料で形成されている。本図に示す例において、保持部材20は給電部材202を3つ有している。一つの給電部材202は+の電源電位を伝達するための部材であり、他の一つの給電部材202は接地電位を伝達するための部材である。また残りの一つの給電部材202は、制御信号を伝達するための部材である。そして、給電部材202は、保持部材20のベース210から露出している。また、3つの給電部材202は、いずれも制御部30に接続されている。制御部30は、電源回路及び制御回路を含んでいる。
【0031】
また保持部材20は、長尺になっており、複数の発光装置10が取り付けられるようになっている。
【0032】
図6に示すように、発光装置10は、発光面とは逆側面に、実施形態に示した端子160を3つ有している。3つの端子160は、いずれも面光源140を収容する収容部材120から露出している。端子160の一つは正極端子であり、端子160の他の一つは負極端子である。また残りの一つの端子160は、制御信号用の端子である。そして複数の端子160は、その端子160の磁力によって、互いに異なる給電部材202に固定され、かつ電気的に接続されている。なお、3つの端子部150の構成は、いずれも実施形態と同様である。
【0033】
図7は、発光装置10を背面側から見た分解斜視図である。本実施形態において、発光装置10は複数の面光源140及び収容部材120を有している。
【0034】
複数の面光源140は、いずれも発光パネルであり、それぞれ発光素子及び駆動回路142を有している。そして駆動回路142は、面光源140のうち発光面とは逆側の面に配置されている。
【0035】
また、面光源140のち駆動回路142が配置されている面には、3つの配線144が設けられている。配線144の一つは+の電圧を伝達するための配線であり、配線144の他の一つは接地電圧を伝達するための配線である。また配線144の残りの一つは、制御信号を伝達するための配線である。3つの駆動回路142は、互いに並列に配線144に接続している。これら3つの配線144は、互いに異なる導電部材170を介して、互いに異なる端子160に接続している。
【0036】
また、複数の面光源140は、一つの収容部材120の中に収容されている。収容部材120は、カバー部材122及びベース部材124を有している。カバー部材122は面光源140の発光面を露出するための開口を有している。またベース部材124は、実施形態に示した開口126を有している。そして、ベース部材124の上に複数の面光源140を配置した状態で、カバー部材122の縁がベース部材124の縁に固定されることにより、複数の面光源140は収容部材120の中に収容される。
【0037】
なお、本図に示す例において、発光装置10の平面形状は長方形である。そして複数の端子160は、発光装置10の重心又はその近く、例えば発光装置10の長辺に沿った場合において発光装置10の中央部に配置されている。このため、発光装置10を保持部材20に固定したとき、発光装置10のバランスが崩れることを抑制できる。
【0038】
図8は、保持部材20の構成を示す断面図であり、図5のA−A断面に対応している。保持部材20はベース210を有している。ベース210は、例えば樹脂などの絶縁性の材料によって形成されている。ベース210には、3つの凹部212が形成されている。そして3つの凹部212のそれぞれに、給電部材202が嵌めこまれている。なお、凹部212の上部の幅は給電部材202の幅よりも狭くなっている。このため、給電部材202がベース210から抜け落ちることを防止できる。ただし凹部212の上部の幅は、端子160の幅よりも広い。このため、端子160は給電部材202に接触することができる。
【0039】
図9は、端子160が給電部材202に固定された状態の端子部150を示す断面図である。上記したように、端子160は、端子160の磁力によって給電部材202に固定される。ここで、板部材180も磁性材料で形成されているため、板部材180が存在していない場合と比較して、給電部材202に対する端子160の吸着力は弱くなってしまう。特に本実施例では、端子160のうち給電部材202に接触する面には凹部164が形成されているため、端子160のうち給電部材202に接触する面が小さくなる。従って、給電部材202に対する端子160の吸着力は特に弱くなる。
【0040】
これに対して本実施形態では、給電部材202の厚さtを板部材180の厚さtよりも厚くしている。これにより、板部材180を設けても、給電部材202に対する端子160の吸着力は必要な大きさに維持される。
【0041】
以上、本実施例によっても、実施形態と同様に、端子160に熱が伝わることをさらに抑制できる。また、端子160からの磁界が面光源140の制御回路に影響を与えることを抑制できる。
【0042】
(実施例2)
図10は、実施例2に係る発光装置10の要部の構成を示す図であり、実施例1における図9に対応している。図11は、端子部150の構成を収容部材120の内側から見た斜視図である。本実施例に係る発光装置10は、以下の点を除いて、実施形態又は実施例1に係る発光装置10と同様の構成である。
【0043】
まず、端子部150の端子160及び板部材180は、ベース部材124の厚さ方向に移動可能になっている。
【0044】
そして、端子部150はストッパー部材130を備えている。ストッパー部材130は収容部材120の中に設けられており、一部が板部材180を挟んで収容部材120とは逆側に位置している。このため、端子部150の端子160が収容部材120の内側に押し込められた場合、板部材180がストッパー部材130に当たることにより、端子160が収容部材120の内側に押し込められることを防止できる。
【0045】
ここで、板部材180の厚さと端子160の高さの和hは、ストッパー部材130のうち板部材180に対向する面からベース部材124の外面までの距離hよりも大きい。このようにすると、板部材180がストッパー部材130に当接した状態においても、端子160の一部はベース部材124の外部に位置することができる。
【0046】
本実施例において、端子部150は2つのストッパー部材130を有している。2つのストッパー部材130は、いずれも長方形(又は正方形)の板状の部材の一辺をベース部材124に固定し、かつ、この一辺とは逆側の辺を含む領域を、板部材180を覆う方向に折り曲げた形状を有している。ただし、ストッパー部材130の形状は本図に示す例に限定されない。
【0047】
なお、端子部150が上記の構成を有している場合、端子部150は以下のようにして組み立てられる。ベース部材124には、予めストッパー部材130が取り付けられている。
【0048】
まず、板部材180をベース部材124に対して平行に移動させることにより、ストッパー部材130とベース部材124の間に板部材180を差し込む。次いで、収容部材120の外側の面から、ベース部材124の開口に端子160を差し込み、第2貫通孔182と端子160とを重ねる。
【0049】
なお、板部材180より先に、ベース部材124の開口126に端子160を差し込んでもよい。この場合、端子160は、収容部材120の内側の面及び外側の面のいずれから差し込まれてもよい。ただし、端子160が図4に示す形状を有している場合、端子160は、収容部材120の内側の面から開口126に差し込まれる。
【0050】
次いで、端子160の凹部164側から固定部材190の第1部材192を差し込み、さらに第1部材192の他端部192bに第2部材194を取り付ける。
【0051】
図12(a)及び(b)は、発光装置10を保持部材20に固定する方法を説明するための断面図である。製造ばらつきなどに起因して、ベース部材124の厚さ方向における端子160の位置は、設計値からずれる可能性がある。この場合、端子部150の端子160が収容部材120に固定されていると、端子160と給電部材202の間で接続不良が発生する可能性が出てくる。また、保持部材20に凹凸がある場合も、端子160と給電部材202の間で接続不良が発生する可能性が出てくる。
【0052】
特に図12に示す例では、発光装置10は、複数の端子部150を有している。ここで、製造ばらつきなどに起因して、発光装置10の厚さ方向における複数の端子部150の相対位置が設計値からずれる可能性がある。この場合、端子部150の端子160が収容部材120に固定されていると、いずれかの端子160と給電部材202の間で接続不良が発生する可能性が出てくる。
【0053】
これに対して本実施例では、端子160及び板部材180は、発光装置10の厚さ方向に移動可能になっている。従って、複数の端子部150の相対位置が設計値からずれても、端子160と給電部材202の間で接続不良が発生することを抑制できる。
【0054】
以上、本実施例によっても、実施形態と同様に、端子160に熱が伝わることをさらに抑制できる。また、端子160からの磁界が面光源140の制御回路に影響を与えることを抑制できる。また、端子160及び板部材180は、発光装置10の厚さ方向に移動可能になっている。従って、端子部150の位置が設計値からずれても、端子160と給電部材202の間で接続不良が発生することを抑制できる。さらに、端子部150はストッパー部材130を有しているため、端子160が収容部材120の内部に押し込まれすぎることを防止できる。
【0055】
(実施例3)
図13は、実施例3に係る発光装置10の構成を、保持部材20とともに示す図である。本実施例において、端子部150は、実施形態又は実施例2のいずれの構造を有していてもよい。本図は、実施例2に示した構造を有する場合を示している。また保持部材20は、第1の方向に沿って湾曲している。第1の方向は、発光装置10の端子160が並んでいる方向(図13におけるx方向)である。そして発光装置10の収容部材120のうち少なくとも開口126が形成されている面は、第1の方向に湾曲している。ここで、収容部材120そのものが湾曲していてもよい。また面光源140は、湾曲しているか、又は可撓性を有している。
【0056】
このような場合、端子160と給電部材202の間で接続不良は特に生じやすくなる。これに対して本実施例では、実施例2と同様に、端子160及び板部材180は、発光装置10の厚さ方向に移動可能になっている。従って、端子160と給電部材202の間で接続不良が発生することを抑制できる。
【0057】
なお、保持部材20が電源レールである場合、複数の端子部150は、保持部材20が延在する方向に並んでいる場合もある。例えば、一つの給電部材202に対して複数の端子部150が設けられる場合もあり得る。さらに、保持部材20が延在する方向に保持部材20が湾曲している場合もあり得る。このような場合においても、本実施例によれば、端子160と給電部材202の間で接続不良が発生することを抑制できる。
【0058】
以上、図面を参照して実施形態及び実施例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0059】
10 発光装置
20 保持部材
120 収容部材
126 開口
130 ストッパー部材
140 面光源
150 端子部
160 端子
161 端部
162 第1貫通孔
164 凹部
170 導電部材
180 板部材
182 第2貫通孔
190 固定部材
192 第1部材
192a 一端部
192b 他端部
194 第2部材
202 給電部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13