【実施例】
【0029】
(実施例1)
図5は、実施例1に係る発光装置10を、保持部材20とともに示す斜視図である。
図6は発光装置10を裏面側から見た図である。本図に示す例において、発光装置10は保持部材20に取り付けられる。
【0030】
保持部材20は、例えば電源レールであり、
図5に示すように、複数の給電部材202を有している。給電部材202は板状の部材であり、磁性材料、例えば鉄(必要な元素を添加したものを含む)もしくはコバルト(必要な元素を添加したものを含む)などの金属、又は合金によって形成されている。給電部材202は、好ましくは端子部150の板部材180と同じ材料で形成されている。本図に示す例において、保持部材20は給電部材202を3つ有している。一つの給電部材202は+の電源電位を伝達するための部材であり、他の一つの給電部材202は接地電位を伝達するための部材である。また残りの一つの給電部材202は、制御信号を伝達するための部材である。そして、給電部材202は、保持部材20のベース210から露出している。また、3つの給電部材202は、いずれも制御部30に接続されている。制御部30は、電源回路及び制御回路を含んでいる。
【0031】
また保持部材20は、長尺になっており、複数の発光装置10が取り付けられるようになっている。
【0032】
図6に示すように、発光装置10は、発光面とは逆側面に、実施形態に示した端子160を3つ有している。3つの端子160は、いずれも面光源140を収容する収容部材120から露出している。端子160の一つは正極端子であり、端子160の他の一つは負極端子である。また残りの一つの端子160は、制御信号用の端子である。そして複数の端子160は、その端子160の磁力によって、互いに異なる給電部材202に固定され、かつ電気的に接続されている。なお、3つの端子部150の構成は、いずれも実施形態と同様である。
【0033】
図7は、発光装置10を背面側から見た分解斜視図である。本実施形態において、発光装置10は複数の面光源140及び収容部材120を有している。
【0034】
複数の面光源140は、いずれも発光パネルであり、それぞれ発光素子及び駆動回路142を有している。そして駆動回路142は、面光源140のうち発光面とは逆側の面に配置されている。
【0035】
また、面光源140のち駆動回路142が配置されている面には、3つの配線144が設けられている。配線144の一つは+の電圧を伝達するための配線であり、配線144の他の一つは接地電圧を伝達するための配線である。また配線144の残りの一つは、制御信号を伝達するための配線である。3つの駆動回路142は、互いに並列に配線144に接続している。これら3つの配線144は、互いに異なる導電部材170を介して、互いに異なる端子160に接続している。
【0036】
また、複数の面光源140は、一つの収容部材120の中に収容されている。収容部材120は、カバー部材122及びベース部材124を有している。カバー部材122は面光源140の発光面を露出するための開口を有している。またベース部材124は、実施形態に示した開口126を有している。そして、ベース部材124の上に複数の面光源140を配置した状態で、カバー部材122の縁がベース部材124の縁に固定されることにより、複数の面光源140は収容部材120の中に収容される。
【0037】
なお、本図に示す例において、発光装置10の平面形状は長方形である。そして複数の端子160は、発光装置10の重心又はその近く、例えば発光装置10の長辺に沿った場合において発光装置10の中央部に配置されている。このため、発光装置10を保持部材20に固定したとき、発光装置10のバランスが崩れることを抑制できる。
【0038】
図8は、保持部材20の構成を示す断面図であり、
図5のA−A断面に対応している。保持部材20はベース210を有している。ベース210は、例えば樹脂などの絶縁性の材料によって形成されている。ベース210には、3つの凹部212が形成されている。そして3つの凹部212のそれぞれに、給電部材202が嵌めこまれている。なお、凹部212の上部の幅は給電部材202の幅よりも狭くなっている。このため、給電部材202がベース210から抜け落ちることを防止できる。ただし凹部212の上部の幅は、端子160の幅よりも広い。このため、端子160は給電部材202に接触することができる。
【0039】
図9は、端子160が給電部材202に固定された状態の端子部150を示す断面図である。上記したように、端子160は、端子160の磁力によって給電部材202に固定される。ここで、板部材180も磁性材料で形成されているため、板部材180が存在していない場合と比較して、給電部材202に対する端子160の吸着力は弱くなってしまう。特に本実施例では、端子160のうち給電部材202に接触する面には凹部164が形成されているため、端子160のうち給電部材202に接触する面が小さくなる。従って、給電部材202に対する端子160の吸着力は特に弱くなる。
【0040】
これに対して本実施形態では、給電部材202の厚さt
2を板部材180の厚さt
1よりも厚くしている。これにより、板部材180を設けても、給電部材202に対する端子160の吸着力は必要な大きさに維持される。
【0041】
以上、本実施例によっても、実施形態と同様に、端子160に熱が伝わることをさらに抑制できる。また、端子160からの磁界が面光源140の制御回路に影響を与えることを抑制できる。
【0042】
(実施例2)
図10は、実施例2に係る発光装置10の要部の構成を示す図であり、実施例1における
図9に対応している。
図11は、端子部150の構成を収容部材120の内側から見た斜視図である。本実施例に係る発光装置10は、以下の点を除いて、実施形態又は実施例1に係る発光装置10と同様の構成である。
【0043】
まず、端子部150の端子160及び板部材180は、ベース部材124の厚さ方向に移動可能になっている。
【0044】
そして、端子部150はストッパー部材130を備えている。ストッパー部材130は収容部材120の中に設けられており、一部が板部材180を挟んで収容部材120とは逆側に位置している。このため、端子部150の端子160が収容部材120の内側に押し込められた場合、板部材180がストッパー部材130に当たることにより、端子160が収容部材120の内側に押し込められることを防止できる。
【0045】
ここで、板部材180の厚さと端子160の高さの和h
2は、ストッパー部材130のうち板部材180に対向する面からベース部材124の外面までの距離h
1よりも大きい。このようにすると、板部材180がストッパー部材130に当接した状態においても、端子160の一部はベース部材124の外部に位置することができる。
【0046】
本実施例において、端子部150は2つのストッパー部材130を有している。2つのストッパー部材130は、いずれも長方形(又は正方形)の板状の部材の一辺をベース部材124に固定し、かつ、この一辺とは逆側の辺を含む領域を、板部材180を覆う方向に折り曲げた形状を有している。ただし、ストッパー部材130の形状は本図に示す例に限定されない。
【0047】
なお、端子部150が上記の構成を有している場合、端子部150は以下のようにして組み立てられる。ベース部材124には、予めストッパー部材130が取り付けられている。
【0048】
まず、板部材180をベース部材124に対して平行に移動させることにより、ストッパー部材130とベース部材124の間に板部材180を差し込む。次いで、収容部材120の外側の面から、ベース部材124の開口に端子160を差し込み、第2貫通孔182と端子160とを重ねる。
【0049】
なお、板部材180より先に、ベース部材124の開口126に端子160を差し込んでもよい。この場合、端子160は、収容部材120の内側の面及び外側の面のいずれから差し込まれてもよい。ただし、端子160が
図4に示す形状を有している場合、端子160は、収容部材120の内側の面から開口126に差し込まれる。
【0050】
次いで、端子160の凹部164側から固定部材190の第1部材192を差し込み、さらに第1部材192の他端部192bに第2部材194を取り付ける。
【0051】
図12(a)及び(b)は、発光装置10を保持部材20に固定する方法を説明するための断面図である。製造ばらつきなどに起因して、ベース部材124の厚さ方向における端子160の位置は、設計値からずれる可能性がある。この場合、端子部150の端子160が収容部材120に固定されていると、端子160と給電部材202の間で接続不良が発生する可能性が出てくる。また、保持部材20に凹凸がある場合も、端子160と給電部材202の間で接続不良が発生する可能性が出てくる。
【0052】
特に
図12に示す例では、発光装置10は、複数の端子部150を有している。ここで、製造ばらつきなどに起因して、発光装置10の厚さ方向における複数の端子部150の相対位置が設計値からずれる可能性がある。この場合、端子部150の端子160が収容部材120に固定されていると、いずれかの端子160と給電部材202の間で接続不良が発生する可能性が出てくる。
【0053】
これに対して本実施例では、端子160及び板部材180は、発光装置10の厚さ方向に移動可能になっている。従って、複数の端子部150の相対位置が設計値からずれても、端子160と給電部材202の間で接続不良が発生することを抑制できる。
【0054】
以上、本実施例によっても、実施形態と同様に、端子160に熱が伝わることをさらに抑制できる。また、端子160からの磁界が面光源140の制御回路に影響を与えることを抑制できる。また、端子160及び板部材180は、発光装置10の厚さ方向に移動可能になっている。従って、端子部150の位置が設計値からずれても、端子160と給電部材202の間で接続不良が発生することを抑制できる。さらに、端子部150はストッパー部材130を有しているため、端子160が収容部材120の内部に押し込まれすぎることを防止できる。
【0055】
(実施例3)
図13は、実施例3に係る発光装置10の構成を、保持部材20とともに示す図である。本実施例において、端子部150は、実施形態又は実施例2のいずれの構造を有していてもよい。本図は、実施例2に示した構造を有する場合を示している。また保持部材20は、第1の方向に沿って湾曲している。第1の方向は、発光装置10の端子160が並んでいる方向(
図13におけるx方向)である。そして発光装置10の収容部材120のうち少なくとも開口126が形成されている面は、第1の方向に湾曲している。ここで、収容部材120そのものが湾曲していてもよい。また面光源140は、湾曲しているか、又は可撓性を有している。
【0056】
このような場合、端子160と給電部材202の間で接続不良は特に生じやすくなる。これに対して本実施例では、実施例2と同様に、端子160及び板部材180は、発光装置10の厚さ方向に移動可能になっている。従って、端子160と給電部材202の間で接続不良が発生することを抑制できる。
【0057】
なお、保持部材20が電源レールである場合、複数の端子部150は、保持部材20が延在する方向に並んでいる場合もある。例えば、一つの給電部材202に対して複数の端子部150が設けられる場合もあり得る。さらに、保持部材20が延在する方向に保持部材20が湾曲している場合もあり得る。このような場合においても、本実施例によれば、端子160と給電部材202の間で接続不良が発生することを抑制できる。
【0058】
以上、図面を参照して実施形態及び実施例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。