特許第6437296号(P6437296)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6437296シートパッドの成形型およびシートパッドの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6437296
(24)【登録日】2018年11月22日
(45)【発行日】2018年12月12日
(54)【発明の名称】シートパッドの成形型およびシートパッドの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 33/14 20060101AFI20181203BHJP
   B29C 44/58 20060101ALI20181203BHJP
   B29C 39/24 20060101ALI20181203BHJP
   B29K 105/04 20060101ALN20181203BHJP
   B29L 31/58 20060101ALN20181203BHJP
【FI】
   B29C33/14
   B29C44/58
   B29C39/24
   B29K105:04
   B29L31:58
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-256931(P2014-256931)
(22)【出願日】2014年12月19日
(65)【公開番号】特開2016-117177(P2016-117177A)
(43)【公開日】2016年6月30日
【審査請求日】2017年9月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】東洋ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】特許業務法人しんめいセンチュリー
(72)【発明者】
【氏名】山田 強
(72)【発明者】
【氏名】内田 悠太
(72)【発明者】
【氏名】茂木 学
【審査官】 酒井 英夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−020417(JP,A)
【文献】 実開平05−026322(JP,U)
【文献】 特開昭62−083114(JP,A)
【文献】 実開平03−031524(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 39/00−39/44,44/58,
33/12,33/14,
B29L 31/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡樹脂から形成されるパッド本体と、前記パッド本体に埋設されるフレームと、前記パッド本体の外側へ突出するフックと、前記フックと前記フレームとを繋ぐ脚部とを備えるシートパッドを成形する成形型であって、
下型と、
前記下型との間に前記パッド本体を成形するキャビティを形成する上型と、
前記キャビティを形成する前記上型の成形面に開口部が形成されると共に、前記成形面に前記フレームが固定された状態で、前記フレームに設けられた前記フックを前記開口部から受け入れる凹部と、
前記成形面に形成された前記開口部の周囲を囲み、前記成形面から突出する堰と、
前記堰の突端から前記成形面へ向かって前記堰の一部を切り欠いて形成されると共に、前記成形面に前記フレームが固定された状態で、前記フレームに設けられた前記脚部が挿入される溝部と
前記堰の突端から前記成形面へ向かって前記堰の外周側の一部を切り欠いて形成されると共に、前記成形面に前記フレームが固定された状態で前記フレームの一部が配置される切欠部と、を備え、
前記フックは、前記脚部に対してL字状に屈曲して形成され、前記フレームは、前記フックの曲げ方向に面する前記脚部の所定箇所に固着され、
前記堰は、前記成形面に前記フレームが固定された状態で、前記成形面の面内方向に前記フレームが隣接する位置に設けられていることを特徴とする成形型。
【請求項2】
前記溝部は、前記堰に複数形成され、
前記溝部は、複数の前記溝部に挿入された複数の前記脚部を前記成形面の面内方向に延長して得られる複数の仮想直線が非平行となる位置に形成されていることを特徴とする請求項記載の成形型。
【請求項3】
発泡樹脂から形成されるパッド本体と、前記パッド本体に埋設されるフレームと、前記パッド本体の外側へ突出するフックと、前記フックと前記フレームとを繋ぐ脚部とを備えるシートパッドを成形する成形型を用いるシートパッドの製造方法であって、
前記成形型は、下型と、
前記下型との間に前記パッド本体を成形するキャビティを形成する上型と、
前記キャビティを形成する前記上型の成形面に開口部が形成されると共に、前記成形面に前記フレームが固定された状態で、前記フレームに設けられた前記フックを前記開口部から受け入れる凹部と、
前記成形面に形成された前記開口部の周囲を囲み、前記成形面から突出する堰と、
前記堰の突端から前記成形面へ向かって前記堰の一部を切り欠いて形成されると共に、前記成形面に前記フレームが固定された状態で、前記フレームに設けられた前記脚部が挿入される溝部と
前記堰の突端から前記成形面へ向かって前記堰の外周側の一部を切り欠いて形成されると共に、前記成形面に前記フレームが固定された状態で前記フレームの一部が配置される切欠部と、を備え、
前記切欠部に前記フレームの一部を配置しつつ前記成形面に前記フレームを固定し、前記フレームに設けられた前記フックを前記凹部に受け入れつつ、前記フレームに設けられた前記脚部を、前記開口部の周囲に設けられた前記堰の前記溝部に挿入する挿入工程と、
前記下型と前記上型とを型閉じし、液状の発泡原料を前記キャビティ内で発泡硬化する発泡硬化工程とを備え
前記フックは、前記脚部に対してL字状に屈曲して形成され、前記フレームは、前記フックの曲げ方向に面する前記脚部の所定箇所に固着され、
前記堰は、前記成形面に前記フレームが固定された状態で、前記成形面の面内方向に前記フレームが隣接する位置に設けられていることを特徴とするシートパッドの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシートパッドの成形型およびシートパッドの製造方法に関し、特にフックを精度良く配置できるシートパッドの成形型およびシートパッドの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発泡樹脂から形成されるパッド本体と、パッド本体に埋設されるフレームと、フレームに設けられるフックとを備えるシートパッドが知られている。このシートパッドは、パッド本体の外側に突出するフックが、車両や船舶、航空機等の乗物に設置されたシートフレーム等に固定される。固定に使われるフックに発泡樹脂が付着するのを防ぐため、上型の成形面に堰で囲まれた凹部を形成し、その凹部にフックを収容しつつ成形面にフレームを固定した後、パッド本体を成形する技術がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−20417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上述した技術では、凹部内のフックの位置は成形面に固定されるフレームの位置に左右されるので、パッド本体から突出するフックの位置にばらつきが生じ易いという問題点がある。
【0005】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、パッド本体にフックを精度良く配置できるシートパッドの成形型およびシートパッドの製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
この目的を達成するために請求項1記載のシートパッドの成形型によれば、発泡樹脂から形成されるパッド本体にフレームが埋設され、パッド本体の外側へフックが突出し、フックとフレームとが脚部によって繋がれるシートパッドが成形される。成形型は下型と上型との間にパッド本体を成形するキャビティが形成される。キャビティを形成する上型の成形面にフレームが固定された状態で、フレームに設けられたフックが、成形面に形成された開口部から凹部に受け入れられる。成形面に形成された開口部は、成形面から突出する堰で周囲が囲まれる。成形面にフレームが固定された状態で、堰の突端から成形面へ向かって堰の一部を切り欠いて形成される溝部に、フレームに設けられた脚部が挿入される。溝部によって堰に対してフックを位置決めできるので、パッド本体から突出するフックの位置にばらつきを生じ難くできる。よって、パッド本体にフックを精度良く配置できる効果がある。
【0007】
ックは、脚部に対してL字状に屈曲して形成され、フレームは、フックの曲げ方向に面する脚部の所定箇所に固着される。堰は、成形面にフレームが固定された状態で、成形面の面内方向にフレームが隣接する位置に設けられているので、成形面から突出する堰をフレームの固定位置の目安にできる。よって成形面へのフレームの取付作業性を向上できる効果がある。
堰の突端から成形面へ向かって堰の外周側の一部を切り欠いて形成される切欠部には、成形面にフレームが固定された状態でフレームの一部が配置される。これにより、堰の位置によってフレームの形状を変えずに済み、堰の位置よりフレームの形状を優先できるので、パッド本体の剛性向上や型崩れ等を防ぐフレームの設計の自由度を確保できる。
【0008】
請求項記載のシートパッドの成形型によれば、溝部は、堰に複数形成され、複数の溝部に挿入された複数の脚部を成形面の面内方向に延長して得られる複数の仮想直線が非平行となる位置に溝部が形成されている。脚部が非平行となる位置に複数の溝部を配置することにより、溝部に挿入された脚部の移動を規制できる。よって、請求項の効果に加え、パッド本体に配置されたフックの位置精度をさらに向上できる効果がある。
【0009】
請求項記載のシートパッドの製造方法によれば、発泡樹脂から形成されるパッド本体にフレームが埋設され、パッド本体の外側へフックが突出し、フックとフレームとが脚部によって繋がれるシートパッドが成形される。シートパッドを成形する成形型は、下型と上型との間にパッド本体を成形するキャビティが形成される。キャビティを形成する上型の成形面にフレームが固定された状態で、フレームに設けられたフックが、成形面に形成された開口部から凹部に受け入れられる。成形面に形成された開口部は、成形面から突出する堰で周囲が囲まれる。挿入工程により、成形面にフレームが固定され、フレームに設けられたフックが凹部に受け入れられる。堰の突端から成形面へ向かって堰の一部を切り欠いて形成される溝部に、フレームに設けられた脚部が挿入される。溝部によって堰に対してフックを位置決めした状態で、発泡硬化工程により、下型と上型とが型閉じされ、液状の発泡原料がキャビティ内で発泡硬化される。パッド本体から突出するフックの位置にばらつきを生じ難くできるので、パッド本体にフックを精度良く配置できる効果がある。
フックは、脚部に対してL字状に屈曲して形成され、フレームは、フックの曲げ方向に面する脚部の所定箇所に固着される。堰は、成形面にフレームが固定された状態で、成形面の面内方向にフレームが隣接する位置に設けられているので、成形面から突出する堰をフレームの固定位置の目安にできる。よって、成形面へのフレームの取付作業性を向上できる効果がある。
堰の突端から成形面へ向かって堰の外周側の一部を切り欠いて形成される切欠部には、成形面にフレームが固定された状態でフレームの一部が配置される。これにより、堰の位置によってフレームの形状を変えずに済み、堰の位置よりフレームの形状を優先できるので、パッド本体の剛性向上や型崩れ等を防ぐフレームの設計の自由度を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施の形態におけるシートパッドの斜視図である。
図2図1のIIで示す部分を拡大して示したシートパッドの斜視図である。
図3】成形型およびフレームの斜視図である。
図4】凹部を拡大して示した上型、及び、フレームに設けたフックを示す部分斜視図である。
図5】フレームが固定された成形型の部分平面図である。
図6図5のVI−VI線における成形型の断面図である。
図7図5のVII−VII線における成形型の断面図である。
図8】第2実施の形態における成形型の斜視図である。
図9】凹部を拡大して示した上型、及び、フレームに設けたフックを示す部分斜視図である。
図10】フレームが固定された上型の部分平面図である。
図11】第3実施の形態における成形型、及び、フレームに設けたフックを示す部分斜視図である。
図12】第4実施の形態における成形型、及び、フレームに設けたフックを示す部分斜視図である。
図13】第5実施の形態における成形型、及び、フレームに設けたフックを示す部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は底面側から見た第1実施の形態におけるシートパッド10の斜視図であり、図2図1のIIで示す部分を拡大して示したシートパッド10の斜視図である。シートパッド10は、乗物に搭載されるシートの基材であり、軟質ウレタンフォーム等の発泡樹脂から形成される横長のパッド本体11と、パッド本体11の底面側に埋設されるフレーム12と、フレーム12に固定されてパッド本体11の底面から突出するフック15とを備えている。
【0012】
フレーム12は、パッド本体11の剛性向上や型崩れ等を防ぐためにパッド本体11の底面の外縁に沿って埋設される部材であり、金属ワイヤ等の線材を屈曲して長円状に形成されている。フレーム12は、パッド本体11の前後の縁(長辺)に沿ってそれぞれ埋設される一対の直線状の第1部13と、第1部13の両端を繋いでパッド本体11の左右の縁(短辺)に沿ってそれぞれ埋設される一対の円弧状の第2部14とを備えている。
【0013】
フック15は、パッド本体11を乗物に取り付けるための部位であり、金属製の線材を略U字形に屈曲して形成される。脚部16は、フック15をフレーム12(第1部13)に取り付けるための一対の部位であり、フック15を形成する線材の両端部を同じ方向へ略90°屈曲して形成されている。脚部16をフレーム12(第1部13)に溶接等により接合することで、フック15がフレーム12に固定される。
【0014】
次に図3を参照して、シートパッド10を製造するための成形型20について説明する。図3は成形型20及びフレーム12の斜視図である。成形型20は、下型30と、下型30に対して型閉じ可能に設けられた上型40とを備えている。下型30は、上方へ開口する凹状の成形面31が形成され、上型40は、下型30の成形面31との間でキャビティ49(図6参照)を作る凹状の成形面41が形成されている。成形面41は、フレーム12を固定する固定部42と、フレーム12に設けられたフック15が挿入される凹部43とを備えている。
【0015】
固定部42は、成形面41と隙間を設けて上型40にフレーム12を固定するための部位であり、成形面41の外縁(一対の長辺)に沿って互いに間隔をあけて複数箇所に設けられており、成形面41から突出している。本実施の形態では、固定部42の突端に永久磁石が設けられており、固定部42は、その磁力によってフレーム12を吸着して固定する。
【0016】
次に図4から図7を参照して上型40の構造を詳細に説明する。図4は凹部43を拡大して示した上型40、及び、フレーム12に設けたフック15を示す部分斜視図であり、図5はフレーム12が固定された成形型20(上型40)の部分平面図であり、図6図5のVI−VI線における成形型20の断面図であり、図7図5のVII−VII線における成形型20の断面図である。なお、図6及び図7は、下型30と上型40とを閉じた状態が図示されている。
【0017】
図4に示すように、フック15は脚部16に対してL字状に屈曲して形成されており、フレーム12(第1部13)はフック15の曲げ方向に面する脚部16の所定箇所に接合されている。凹部43は、上型40の成形面41に固定部42によってフレーム12が固定されたときにフック15が挿入される窪みである。凹部43が成形面41に凹設されることで、成形面41に開口する開口部44が成形面41に形成されている。本実施の形態では、凹部43は、成形面41の一対の長辺(外縁)の内の一方(下型30と上型40とを繋ぐヒンジ側)の長辺の両側2箇所に形成されている。
【0018】
図4から図7に示すように、凹部43及び開口部44は遊びのある状態でフック15が挿入される大きさに設定されている。本実施の形態では、凹部43は、開口部44が成形面41に矩形状に開口すると共に、この開口形状と同一形状で成形面41から所定深さまで閉塞状態に形成される有底の窪みである。開口部44は、横長の長円状の成形面41に合せて、横長の矩形状となるように形成されている。開口部44は、周囲が堰45によって囲まれている。
【0019】
堰45は、凹部43への発泡樹脂の流入および凹部43からのガスの流出を防ぐための部位であり、成形面41から突出している。堰45は、矩形状の開口部44の一対の長辺に沿って設けられる一対の第1堰46と、開口部44の一対の短辺に沿って設けられる一対の第2堰47とを備えている。第1堰46及び第2堰47によって開口部44の周囲が全長に亘って囲まれる。
【0020】
堰45は、溝部48が設けられている。溝部48は、第1堰46の突端46aから成形面41へ向かうと共に第1堰46の厚さ方向に亘って切り欠かれる部位である。本実施の形態では、溝部48は脚部16の数に合わせて2本が形成されている。溝部48は、幅および突端46aからの深さが、脚部16の直径より僅かに大きく設定されている。これにより、凹部43にフック15が挿入されると、脚部16(フック15と第1部13との間の部分)が溝部48に収容される。その結果、成形面41に対する第1堰46の長手方向(第1部13(フレーム12)の長手方向)のフック15の位置決めを行うことができる。
【0021】
図6及び図7に示すように、成形面41から突端46a,47aまでの堰45の高さは、脚部16の直径と第1部13(フレーム12)の直径とを合計した寸法より大きく設定されている。これにより、堰45の外側に配置された第1部13(フレーム12)と成形面41との間に隙間を設けることができる。成形面41と第1部13(フレーム12)との間に発泡樹脂を侵入させられるので、第1部13(フレーム12)をパッド本体11に埋め込むことができる。
【0022】
図7に示すように、堰45(第1堰46)は、成形面41にフレーム12が固定された状態で、成形面41に沿った成形面41の面内方向(図7左右方向)にフレーム12(第1部13)が隣接する位置に設けられている。よって、上型40の成形面41にフレーム12を固定するときに、成形面41から突出する堰45(第1堰46)をフレーム12の固定位置の目安にできる。その結果、成形面41へのフレーム12の取付作業性を向上できる。
【0023】
次に成形型20を使用したシートパッド10の製造方法について説明する。まず、図3に示すように上型40を下型30から開放して、フック15が設けられたフレーム12を、上型40の成形面41に設けられた固定部42に固定する。このときに、フレーム12に設けられたフック15を、成形面41に形成された凹部43へ挿入し、フレーム12に設けられた脚部16を、堰45(第1堰46)に形成された溝部48へ挿入する。溝部48により、成形面41の長手方向(図5矢印L方向)に対するフレーム12の位置決めが行われ、固定部42により、成形面41の短手方向(図5矢印S方向)に対するフレーム12の位置決めが行われる。
【0024】
上型40にフレーム12を固定した後、下型30の成形面31に所定量の発泡原料(発泡樹脂の液状原料)を注入し、発泡原料の注入が完了したら上型40と下型30とを型閉めする。上型40の成形面41及び下型30の成形面31により形成されたキャビティ49(図6及び図7参照)内で、発泡原料を反応・発泡させる。発泡中の液状原料は、キャビティ49内で膨張しながら上昇し、上型40の成形面41に到達する前に堰45の突端46a,47aに接触する。発泡中の発泡原料が堰45の突端46a,47a全周に亘って接触すると、凹部43は下方から蓋をした密閉状態となり、凹部43の内部に空気やガスが閉じ込められる。
【0025】
発泡中の発泡原料は、堰45の突端46a,47aに接触した後も膨張を続け、上型40の成形面41に接触する。上型40の成形面41に接触した発泡原料は、凹部43内に閉じ込められた空気やガスにより凹部43内への侵入が規制された状態で徐々に硬化する。なお、堰45(第1堰46)に形成された溝部48は脚部16によって塞がれるので、溝部48から凹部43に発泡原料が流入したり、溝部48から凹部43内のガスが流出したりすることを抑制できる。
【0026】
これにより、キャビティ49内で発泡原料が硬化してパッド本体11の成形が完了したときに、パッド本体11の一部(発泡樹脂)がフック15に付着せずに済む。発泡樹脂が付着しない状態でフック15をパッド本体11から突出させることができるので、フック15を使ってシートパッド10の取り付けを容易に行うことができる。また、成形後にフック15に付着した発泡樹脂をむしり取ったり、発泡樹脂が付着しないように成形前にフック15にシール材(付着防止材)を取り付けたりする作業を不要にできる。
【0027】
また、遊びを設けた状態で凹部43にフック15が挿入されるので、フック15と開口部44の内周との間に隙間ができる。そのため、フック15と開口部44との間にできる隙間を伝う毛管現象によって発泡原料が凹部43に侵入することを防ぐことができる。
【0028】
さらに、溝部48により、成形面41の長手方向(図5矢印L方向)に対するフレーム12及びフック15の位置決めが行われるので、成形されたパッド本体11から突出するフック15の位置精度(特にパッド本体11の長手方向に対する位置精度)を向上できる。
【0029】
また、溝部48に脚部16が挿入されることで、成形面41の面内方向(図7左右方向)において、第1堰46(堰45)と第1部13(フレーム12)とが隣接するので、第1堰46によって、成形面41の面内方向(特にパッド本体11の短手方向(矢印S方向))に沿う第1部13の移動を制限できる。よって、パッド本体11の短手方向に対するフック15の位置精度も確保できる。
【0030】
なお、フレーム12が成形面41に固定された状態において、第1堰46(堰45)の外周と第1部13(フレーム12)とが接触している必要はない。第1堰46と第1部13とが接触していなくても、成形面41にフレーム12を固定するときに、成形面41から突出する堰45(第1堰46)をフレーム12の固定位置の目安にできるからである。但し、フレーム12が成形面41に固定された状態において第1堰46の外周と第1部13とが接触すると、第1堰46によって、成形面41の短手方向(矢印S方向)に沿う第1部13の移動を規制できるので好ましい。
【0031】
仮に、堰45(第1堰46)に溝部48が形成されていない場合、パッド本体11の長手方向に対するフック15の位置は、凹部43に挿入されたフック15と凹部43(開口部44の長手方向)との遊びの分だけばらつく。その遊びの分だけパッド本体11から突出するフック15の位置にばらつきが生じる。フック15は、乗物に設置されたシートフレーム等に固定される部位なので、フック15の位置がばらつくことで、乗物のシートフレーム等に固定されるパッド本体11の取付精度(位置精度)が低下する。これに対し本実施の形態によれば、堰45(第1堰46)に形成される溝部48によって脚部16及びフック15の位置が規制されるので、パッド本体11から突出するフック15の位置精度(特にパッド本体11の長手方向に対する位置精度)を向上できる。
【0032】
次に図8から図10を参照して第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、堰45に形成された溝部48によってパッド本体11の長手方向に対してフック15を位置規制する場合について説明した。これに対し第2実施の形態では、パッド本体11の長手方向だけでなく短手方向に対してもフック15を位置規制する場合について説明する。なお、第1実施の形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付与して以下の説明を省略する。図8は第2実施の形態における成形型120の斜視図であり、図9は凹部143を拡大して示した上型140及びフレーム12に設けたフック115を示す部分斜視図である。図10はフレーム12が固定された上型140の部分平面図である。なお、図10はフレーム12の第2部14の中間部分の図示を省略している。
【0033】
図8及び図9に示すように、フック115は金属製の線材を略U字形に屈曲して形成されており、フック115を形成する線材の両端部が同じ方向へL字状に屈曲され、脚部116が形成されている。脚部116をフレーム12(第2部14)に溶接等により接合することで、フック115がフレーム12に固定される。
【0034】
成形型120は、下型30と、下型30に対して型閉じ可能に設けられた上型140とを備えている。上型140は、下型30の成形面31との間でキャビティ(図示せず)を作る凹状の成形面41が形成されている。成形面41は、フレーム12を固定する固定部42と、フレーム12に設けられたフック15,115が挿入される凹部43,143とを備えている。
【0035】
図9及び図10に示すように凹部143は、上型40の成形面41に固定部42によってフレーム12が固定されたときにフック115が挿入される窪みであり、凹部143が成形面41に凹設されることで、成形面41に開口する開口部144が成形面41に形成されている。凹部43,143は、成形面41の短辺の両側2箇所に形成されており、凹部143及び開口部144は、遊びのある状態でフック115が挿入される大きさに設定されている。本実施の形態では、開口部144は、横長の長円状の成形面41に対して、縦長の矩形状となるように形成されている。開口部144は、周囲が堰145によって囲まれている。
【0036】
堰145は、凹部143への発泡樹脂の流入および凹部143からのガスの流出を防ぐための部位であり、成形面41から突出している。堰145は、矩形状の開口部144の一対の長辺に沿って設けられる一対の第1堰146と、開口部144の一対の短辺に沿って設けられる一対の第2堰147とを備えている。第1堰146及び第2堰147によって開口部144の周囲が全長に亘って囲まれる。
【0037】
堰145は、溝部148及び切欠部149が設けられている。溝部148は、第1堰146の突端146aから成形面41へ向かうと共に第1堰146の厚さ方向に亘って切り欠かれる部位である。溝部148は、脚部116の数に合わせて2本が形成されている。溝部148は、幅および突端からの深さが、脚部116の直径より僅かに大きく設定されている。
【0038】
切欠部149は、第1堰146及び第2堰147の突端146a,147aから成形面41へ向かうと共に、第1堰146と第2堰147とが交わる部分の一部が斜めに除去される部位である。切欠部149は、第2部14(フレーム12)が堰145を横切って配置される位置に形成される。堰145は、切欠部149と開口部144とを連通する通路(堰145を厚さ方向に貫く溝部148のような通路)は形成されていない。
【0039】
これにより、凹部143にフック115が挿入されると、脚部116が溝部148に収容される。その結果、成形面41に対する第1堰146の長手方向(第2部14(フレーム12)の長手方向、即ちパッド本体11の短手方向)のフック15,115の位置決めを行うことができる。
【0040】
堰145は、切欠部149に第2部14(フレーム12)が配置され成形面41にフレーム12が固定された状態で、成形面41に沿った成形面41の面内方向(図10紙面平行方向)にフレーム12(第1部14)が隣接する位置に設けられている。よって、上型40の成形面41にフレーム12を固定するときに、成形面41から突出する堰145(切欠部149)をフレーム12の固定位置の目安にできる。その結果、成形面41へのフレーム12の取付作業性を向上できる。
【0041】
また、堰145に切欠部149が形成されているので、堰145の位置によってフレーム12(第2部14)の形状を変えずに済む。堰145の位置よりフレーム12(第2部14)の形状を優先できるので、パッド本体11の剛性向上や型崩れ等を防ぐフレーム12の設計の自由度を確保できる。
【0042】
溝部148は、溝部48,148に挿入された脚部16,116を成形面41の面内方向に延長して得られる複数の仮想直線L1,L2が非平行となる位置に形成されている。本実施の形態では、仮想直線L1,L2が略直交する位置に溝部48,148が形成されている。その結果、溝部48,148に挿入された脚部16,116が、成形面41の短手方向(図10矢印S方向)及び長手方向(図10矢印L方向)へ移動することを規制できる。溝部48,148により、成形面41の短手方向(矢印S方向)及び長手方向(矢印L方向)に対するフレーム12及びフック15,115の位置決めが行われるので、成形されたパッド本体11から突出するフック15,115の位置精度(パッド本体11の長手方向および短手方向に対する位置精度)を向上できる。
【0043】
次に図11を参照して第3実施の形態について説明する。第2実施の形態では、上型140の成形面41に形成された凹部43,143の第1堰46,146にそれぞれ溝部48,148を形成することで、成形面41の短手方向および長手方向に対してフレーム12及びフック15,115を位置決めする場合について説明した。これに対し第3実施の形態では、上型240の成形面41に形成された凹部243の堰245(第1堰246及び第2堰247)に溝部248を形成することで、成形面41の短手方向および長手方向に対してフレーム12及びフック215を位置決めする場合について説明する。なお、第1実施の形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付与して以下の説明を省略する。図11は第3実施の形態における成形型(上型240)及びフレーム12に設けたフック215を示す部分斜視図である。
【0044】
図11に示すように、フック215は金属製の線材を略U字形に屈曲して形成されており、フック215を形成する線材の一方の端部がL字状に屈曲されて脚部216が形成される。フック215の他方の端部が、一方の端部に対して直交する方向へ屈曲され、さらに脚部216と平行となるように略90°屈曲されることで、脚部217が形成されている。脚部216,217は、フック215と直交する仮想の平面内に位置する。脚部216,217をフレーム12(第1部13)に溶接等により接合することで、フック215がフレーム12に固定される。
【0045】
凹部243は、フック215が挿入される窪みであり、上型240の成形面41に形成されている。成形面41に開口する凹部243の開口部244は、周囲が堰245によって囲まれている。堰245は、矩形状の開口部244の一対の長辺に沿って設けられる一対の第1堰246と、開口部244の一対の短辺に沿って設けられる一対の第2堰247とを備え、第1堰246及び第2堰247にそれぞれ溝部248,249が形成されている。溝部248は脚部216が挿入される部位であり、溝部249は脚部217が挿入される部位である。
【0046】
溝部248,249に脚部216,217が挿入されると、溝部248,249によって、第1部13(フレーム12)と平行な方向および第1部13と直交する方向への脚部216,217の移動が規制される。成形面41に対して配置されるフック215の位置精度を溝部248,249によって向上できるので、パッド本体(図示せず)にフック215を精度良く配置できる。
【0047】
次に図12を参照して第4実施の形態について説明する。第1から第3実施の形態では、同じ方向を向いて伸びる脚部16,116,216,217にフレーム12が固定される場合について説明した。これに対し第4実施の形態では、相反する方向へ伸びる脚部316,317に第1部13及び連結材313が固定される場合について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図12は第4実施の形態における成形型(上型340)及びフレーム312に設けたフック315を示す部分斜視図である。
【0048】
図12に示すように、フック315は金属製の線材を略U字形に屈曲して形成されており、フック315を形成する線材の一方の端部がL字状に屈曲されて脚部316が形成される。フック315の他方の端部が、一方の端部に対して平行かつ相反する方向へL字状に屈曲されることで、脚部317が形成されている。脚部316,317は、フック315と直交する仮想の平面内に位置する。
【0049】
フレーム312は、直線状の第1部13と、第1部13と略平行に配置されると共に円弧状の第2部14(図示せず)に両端が溶接等により固定される連結材313とを備えている。脚部316,317を第1部13及び補強材313に溶接等によりそれぞれ接合することで、フック315がフレーム312に固定される。
【0050】
凹部343は、フック315が挿入される窪みであり、上型340の成形面41に形成されている。成形面41に開口する凹部343の開口部344は、周囲が堰345によって囲まれている。堰345は、矩形状の開口部344の一対の長辺に沿って設けられる一対の第1堰346と、開口部344の一対の短辺に沿って設けられる一対の第2堰347とを備え、一対の第1堰346にそれぞれ溝部348,349が形成されている。溝部348は脚部316が挿入される部位であり、溝部349は脚部317が挿入される部位である。
【0051】
溝部348,349に脚部316,317が挿入されると、溝部348,349によって、第1部13と平行な方向への脚部316,317の移動が規制される。成形面41に対して配置されるフック315の位置精度を溝部348,349によって向上できるので、パッド本体(図示せず)にフック315を精度良く配置できる。
【0052】
次に図13を参照して第5実施の形態について説明する。第1から第4実施の形態では、フック15,115,215,315が脚部16,116,216,217,316,317を介してフレーム12,312に溶接等によって接合される場合について説明した。これに対し第5実施の形態では、フレーム412を構成する線材を屈曲してフック415が形成される場合について説明する。なお、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図13は第5実施の形態における成形型(上型440)及びフレーム412に設けたフック415を示す部分斜視図である。
【0053】
図13に示すようにフック415は、フレーム412の直線状の第1部413を構成する金属製の線材を略U字形に屈曲して形成されている。本実施の形態では、第1部413のフック415近傍の部分が脚部を構成する。
【0054】
凹部443は、フック415が挿入される窪みであり、上型440の成形面41に形成されている。成形面41に開口する凹部443の開口部444は、周囲が堰445によって囲まれている。堰445は、矩形状の開口部444の一対の長辺に沿って設けられる一対の第1堰446と、開口部444の一対の短辺に沿って設けられる一対の第2堰447とを備え、一対の第2堰447にそれぞれ溝部448が形成されている。溝部448は、第1部413のフック415近傍の部分(脚部)が挿入される部位である。
【0055】
溝部448に第1部413が挿入されると、溝部448によって、第1部413と直交する方向へのフック415の移動が規制される。成形面41に対して配置されるフック415の位置精度を溝部448によって向上できるので、パッド本体(図示せず)にフック415を精度良く配置できる。
【0056】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記実施の形態で挙げた各部材の形状は一例であり、各部材を他の形状に変形することは当然可能である。
【0057】
上記各実施の形態では、上型40,140,240,340,440の成形面41に設けた固定部42の磁力によってフレーム12,312,412を吸着して固定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、固定部42の突端に設けた永久磁石に代えて、フレーム12,312,412(線材)が嵌挿される溝を固定部42の突端に設け、その溝にフレーム12,312,412を係合し固定することは当然可能である。
【0058】
また、成形面41に設けた固定部42に代えて(固定部42を省略して)、堰45,145,245,345,445に設けた溝部48,148,248,249,348,349,448を用いてフレーム12,312,412を固定することは当然可能である。その場合、堰45,145,245,345,445に設けた溝部48,148,248,249,348,349,448に脚部16,116,216,217,316,317が嵌挿されるように、溝部48,148,248,249,348,349,448の幅と脚部16,116,216,217,316,317の外径とを設定しておく。溝部の数や配置は、脚部16,116,216,217,316,317を保持してフレーム12,312,412を固定できるように適宜設定できる。
【0059】
また、成形面41に設けた固定部42に代えて(固定部42を省略して)、フレーム12,312,412のもつ弾性を利用して凹部43,143,243,343,443にフック15,115,215,315,415を嵌め込み、上型40,140,240,340,440にフレーム12,312,412を固定することは当然可能である。
【0060】
上記第2実施の形態および第3実施の形態では、溝部48,148,248,249に挿入された脚部16,116,216,217が互いに直交する方向に配置される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。溝部に脚部が挿入された状態で成形面41の面内方向のフック15,115の移動を規制できれば良いので、溝部48,148,248,249に挿入された脚部16,116,216,217の位置関係(脚部を通る仮想直線の位置関係)は、互いに非平行であれば良い。非平行であれば、複数の仮想直線L1,L2が同一平面内に位置する必要はなく、複数の仮想直線がねじれの位置にあってもよい。
【0061】
上記第1実施の形態および第4実施の形態では、2本の脚部16,316,317が互いに平行に配置される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。2本の脚部16,316,317を互いに非平行となるように配置し、脚部16,316,317が遊びのない状態で挿入されるように溝部48,348,349を形成することは当然可能である。これにより、第1部13と平行な方向へのフック15,315の移動を規制できるだけでなく、第1部13と直交する方向へのフック15,315の移動も規制できる。
【0062】
上記各実施の形態では、全ての凹部の周りに堰が形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。堰は、フックに発泡樹脂が付着する問題が生じる凹部に設けられていれば良い。また、全ての凹部の周りの堰に溝部が形成されている必要はなく、上型の成形面に対するフレームの位置規制を行うのに有効な堰(例えば成形面の外縁付近に位置する2〜4箇所程度の堰)に溝部が形成されていれば良い。
【符号の説明】
【0063】
10 シートパッド
11 パッド本体
12,312,412 フレーム
15,115,215,315,415 フック
16,116,216,217,316,317 脚部
20 成形型
30 下型
40,140,240,340,440 上型
41 成形面
43,143,243,343,443 凹部
44,144,244,344,444 開口部
45,145,245,345,445 堰
46,146,246,346,446 第1堰(堰の一部)
46a,146a 突端
47,147,247,347,447 第2堰(堰の一部)
47a,147a 突端
48,148,248,249,348,349,448 溝部
49 キャビティ
149 切欠部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13