(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る放熱部材を有する照明装置について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態により放熱部材30の用途が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0011】
(実施形態)
まず、
図1〜
図5を用いて、照明装置1の構成の概要を説明する。
図1は、実施形態に係る照明装置を示す斜視図(透視図)である。具体的には、
図1は、照明装置1の光源10や基板11を除いた透視図である。
図2及び
図3は、実施形態に係る照明装置を示す斜視図である。具体的には、
図2は、放熱部材30が立設される側の照明装置1の構成を示す斜視図である。また、
図3は、光源10が配置される側の照明装置1の構成を示す斜視図である。また、
図4は、実施形態に係る照明装置を示す平面図である。また、
図5は、実施形態に係る照明装置を示す側面図である。以下では、
図4中の放熱フィン31の左右方向を幅方向とし、放熱フィン31の上下方向を厚み方向とする。また、
図5中の放熱フィン31の上下方向を立設方向(高さ方向)とする。すなわち、
図1〜
図5に示す例においては、X軸方向を放熱フィン31の幅方向とし、Y軸方向を放熱フィン31の立設方向とし、Z軸方向を放熱フィン31の厚み方向とする。
【0012】
照明装置1は、光源10と、平板状の基部20と、放熱部材30とを有する。光源10は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の所定の光源が用いられる。また、光源10は矩形板状の基板11上に設けられ、基板11が基部20の一面21の中央部に設けられた円板状の載置部12に配置される。なお、照明装置1は、光源10の種類によっては、基板11を有さず、光源10が載置部12に直接載置されてもよい。
【0013】
例えば、基部20は、矩形板状に形成される。また、照明装置1においては、基部20と放熱部材30とは一体に形成されてもよい。この場合、基部20は、放熱フィン31と同じ材料により形成され、例えばアルミニウムや銅等の熱伝導性の高い材料により形成される。なお、基部20は、所望の熱伝導率を有していれば、どのような材料が用いられてもよい。基部20のサイズは、取り付けられる光源10等に応じて適宜設定されてもよい。例えば、基部20は、長手方向(X軸方向)の長さが100mmであり、短手方向(Z軸方向)の長さが50mmであってもよい。
【0014】
放熱部材30は、所定の方向に並ぶ複数(7枚)の放熱フィン31−1〜31−7を有する。なお、放熱フィン31−1〜31−7を区別しない場合、放熱フィン31と記載する。放熱フィン31は、例えばアルミニウムや銅等の熱伝導性の高い材料により形成される。なお、放熱フィン31は、所望の熱伝導率を有していれば、どのような材料が用いられてもよい。
【0015】
また、放熱フィン31は、基部20の一面21の反対面22から立設される。例えば、放熱フィン31は、放熱フィン31の厚み方向(Z軸方向)に沿って並べて基部20の反対面22から立設される。
【0016】
なお、放熱フィン31の厚みは、高さ(立設方向の長さ)や幅(幅方向の長さ)等に応じて適宜設定されてもよい。例えば、放熱フィン31の厚みは、2mmであってもよい。また、放熱フィン31の高さは、適宜設定されてもよく、例えば130mmであってもよい。また、放熱フィン31は、放熱フィン31のサイズ等に応じて適宜設定される距離だけ放熱フィン31間を離間させて並ぶ。例えば、放熱フィン31は、放熱フィン31間を6mmだけ離間させて並ぶ。すなわち、放熱フィン31は、6.2mm間隔で放熱フィン31の厚み方向に沿って並ぶ。また、照明装置1は、放熱フィン31の幅方向(X軸方向)の中央を通り、放熱フィン31の厚み方向(Z軸方向)に沿う軸を中心として回動するものとする。例えば、照明装置1は、基部20が
図9に示すようなアーム部材220等の所定の回動機構を有する取付機構230により、天井や壁面に取り付けられる。
【0017】
放熱部材30は、複数の放熱フィン31の対向する対向面の各々に連続し、放熱フィン31の立設方向(Y軸方向)の一部に設けられる複数のリブ32a−11〜32a−34、32b−11〜32b−34を有する。なお、詳細は後述するが、リブ32a−11〜32a−34、32b−11〜32b−34は、放熱フィン31の立設方向(Y軸方向)に対する傾斜の向きに応じて、第1リブ32a11−32a34と第2リブ32b−11〜32b−34とに分けられる。以下では、第1リブ32a−11〜32a−34を区別しない場合、第1リブ32aとし、第2リブ32b−11〜32b−34を区別しない場合、第2リブ32bとする。また、第1リブ32aと第2リブ32bとを区別しない場合、単にリブ32と記載する場合がある。例えば、リブ32は、四角柱状(矩形棒状)に形成される。なお、リブ32のサイズは、放熱フィン31のサイズや放熱フィン31間の間隔等に応じて適宜設定されてもよい。例えば、リブ32の長さは、28mmであってもよい。
【0018】
ここから、第1リブ32aと第2リブ32bとの各々について説明する。まず、放熱フィン31−1と放熱フィン31−2との間に設けられる第1リブ32aに基づいて、第1リブ32aについて説明する。
【0019】
例えば、
図1や
図5に示すように、放熱フィン31−1と放熱フィン31−2との間には、4つの第1リブ32a−11〜32a−14が設けられる。なお、第1リブ32a11〜32a−14を区別しない場合、第1リブ32a−1とする。例えば、放熱部材30は、放熱フィン31−1において放熱フィン31−2と対向する対向面31−11と、放熱フィン31−2において放熱フィン31−1と対向する対向面31−21との間に、4つの第1リブ32a−1を有する。
図1に示す例では、放熱フィン31−1の対向面31−11と、放熱フィン31−2の対向面31−21との間には、基部20の反対面22側から第1リブ32a−11〜32a−14の順に設けられる。
【0020】
ここで、第1リブ32a−1は、放熱フィン31の立設方向に対して傾斜して設けられる。
図4中においては、第1リブ32a−1は、左側に位置する端部から右側に位置する端部へ向かうにつれて基部20の反対面22から距離を広げるように傾斜して設けられる。
図4中においては、第1リブ32a−1の左右方向の中心部は、放熱フィン31の幅方向の中心部と、放熱フィン31の幅方向における位置が重なる。第1リブ32aが傾斜する方向を第1の方向とする場合がある。このように、一対の対向面31−11、31−21間の複数のリブ32(第1リブ32a)は、放熱フィン31の立設方向に対して傾斜する向きを揃えて設けられる。
【0021】
また、放熱フィン31−3と放熱フィン31−4との間には、4つの第1リブ32a−21〜32a−24が設けられる。なお、第1リブ32a21〜32a24を区別しない場合、第1リブ32a−2とする。例えば、放熱部材30は、放熱フィン31−3において放熱フィン31−4と対向する対向面と、放熱フィン31−4において放熱フィン31−3と対向する対向面との間に、4つの第1リブ32a−2を有する。また、第1リブ32a−2は、放熱フィン31の立設方向に対して第1の方向に傾斜して設けられる。
【0022】
また、放熱フィン31−5と放熱フィン31−6との間には、4つの第1リブ32a−31〜32a−34が設けられる。なお、第1リブ32a−31〜32a−34を区別しない場合、第1リブ32a−3とする。例えば、放熱部材30は、放熱フィン31−5において放熱フィン31−6と対向する対向面と、放熱フィン31−6において放熱フィン31−5と対向する対向面との間に、4つの第1リブ32a−3を有する。また、第1リブ32a−3は、放熱フィン31の立設方向に対して第1の方向に傾斜して設けられる。
【0023】
このように、第1リブ32aは、放熱フィン31の立設方向に離間して複数設けられる。例えば、
図5に示すように、第1リブ32a−11と第1リブ32a−12との間には、放熱フィン31の立設方向に所定の間隔が開けられる。また、第1リブ32a−12と第1リブ32a−13との間には、放熱フィン31の立設方向に所定の間隔が開けられる。また、第1リブ32a−13と第1リブ32a−14との間には、放熱フィン31の立設方向に所定の間隔が開けられる。このように、放熱フィン31の各対向面間に設けられる第1リブ32a間に立設方向に所定の間隔が開けられることにより、例えば、放熱部材30の製造が容易になる。
【0024】
次に、放熱フィン31−2と放熱フィン31−3との間に設けられる第2リブ32bに基づいて、第2リブ32bについて説明する。
【0025】
例えば、
図1や
図5に示すように、放熱フィン31−2と放熱フィン31−3との間には、4つの第2リブ32b−11〜32b−14が設けられる。なお、第2リブ32b−11〜32b−14を区別しない場合、第2リブ32b−1とする。例えば、放熱部材30は、放熱フィン31−2において放熱フィン31−3と対向する対向面31−22と、放熱フィン31−3において放熱フィン31−2と対向する対向面31−31との間に、4つの第2リブ32b−1を有する。
図1に示す例では、放熱フィン31−2の対向面31−22と、放熱フィン31−3の対向面31−31との間には、基部20の反対面22側から第2リブ32b−11〜32b−14の順に設けられる。
【0026】
ここで、第2リブ32b−1は、放熱フィン31の立設方向に対して傾斜して設けられる。
図4中においては、第2リブ32b−1は、右側に位置する端部から左側に位置する端部へ向かうにつれて基部20の反対面22から距離を広げるように傾斜して設けられる。
図4中においては、第2リブ32b−1の左右方向の中心部は、放熱フィン31の幅方向の中心部と、放熱フィン31の幅方向における位置が重なる。第2リブ32bが傾斜する方向を第2の方向とする場合がある。このように、一対の対向面31−22、31−31間の複数のリブ32(第2リブ32b)は、放熱フィン31の立設方向に対して傾斜する向きを揃えて設けられる。
【0027】
また、放熱フィン31−4と放熱フィン31−5との間には、4つの第2リブ32b−21〜32b−24が設けられる。なお、第2リブ32b−21〜32b−24を区別しない場合、第2リブ32b−2とする。例えば、放熱部材30は、放熱フィン31−4において放熱フィン31−5と対向する対向面と、放熱フィン31−5において放熱フィン31−4と対向する対向面との間に、4つの第2リブ32b−2を有する。また、第2リブ32b−2は、放熱フィン31の立設方向に対して第2の方向に傾斜して設けられる。
【0028】
また、放熱フィン31−6と放熱フィン31−7との間には、4つの第2リブ32b−31〜32b−34が設けられる。なお、第2リブ32b−31〜32b−34を区別しない場合、第2リブ32b−3とする。例えば、放熱部材30は、放熱フィン31−6において放熱フィン31−7と対向する対向面と、放熱フィン31−7において放熱フィン31−6と対向する対向面との間に、4つの第2リブ32b−3を有する。また、第2リブ32b−3は、放熱フィン31の立設方向に対して第2の方向に傾斜して設けられる。
【0029】
このように、第2リブ32bは、放熱フィン31の立設方向に離間して複数設けられる。例えば、
図5に示すように、第2リブ32b−11と第2リブ32b−12との間には、放熱フィン31の立設方向に所定の間隔が開けられる。また、第2リブ32b−12と第2リブ32b−13との間には、放熱フィン31の立設方向に所定の間隔が開けられる。また、第2リブ32b−13と第2リブ32b−14との間には、放熱フィン31の立設方向に所定の間隔が開けられる。このように、放熱フィン31の各対向面間に設けられる第2リブ32b間に立設方向に所定の間隔が開けられることにより、例えば、放熱部材30の製造が容易になる。
【0030】
また、
図1に示すように、第2の方向は、第1の方向とは反対の向きに傾斜する。すなわち、放熱フィン31の対向面の各々に設けられるリブ32は、放熱フィン31の立設方向に対して第1の方向に傾斜して設けられる第1リブ32a群と、放熱フィン31の立設方向に対して第1の方向とは反対向きの第2の方向に傾斜して設けられる第2リブ32b群とを含む。
【0031】
例えば、第1の方向が、放熱フィン31の平面視において、放熱フィン31の幅方向の中央を通る立設方向に沿う仮想線に対して、一方に所定の角度(以下、「傾斜角度」ともいう)だけ傾斜する場合、第2の方向は、その仮想線に対して、他方に所定の角度(傾斜角度)だけ傾斜する。具体的には、第1の方向が、放熱フィン31の平面視において、放熱フィン31の幅方向の中央を通る立設方向に沿う仮想線に対して、右側に45°だけ傾斜する場合、第2の方向は、その仮想線に対して、左側に45°だけ傾斜する。なお、傾斜角度は、45°に限らず、例えば30°等、様々な角度に設定されてもよい。例えば、傾斜角度は、0°より大きく90°未満の範囲内において適宜設定されてもよい。
【0032】
上述した例においては、複数の放熱フィン31は、奇数設けられる。放熱部材30は、7枚の放熱フィン31−1〜31−7を有する。これにより、放熱フィン31における対向面の組み合わせが6つとなる。そのため、放熱フィン31−1〜31−7の間には、3つの群の第1リブ32a−1、32a−2、32a−3と、3つの群の第2リブ32b−1、32b−2、32b−3とが設けられる。例えば、各第1リブ32a−1、32a−2、32a−3は、各々4つのリブ32を含むため、第1リブ32aは、12個設けられる。また、例えば、各第2リブ32b−1、32b−2、32b−3は、各々4つのリブ32を含むため、第2リブ32bは、12個設けられる。すなわち、放熱フィン31を奇数枚設けることにより、第1リブ32a群と第2リブ32b群とは同数になる。
【0033】
これにより、照明装置1の傾く向き(水平方向のいずれ側に向くか)によらず、放熱効果の低下を抑制することができる。この点について、
図6及び
図7を用いて説明する。
図6は、実施形態に係る照明装置の向きと第1リブとの関係を示す図である。
図7は、実施形態に係る照明装置の向きと第2リブとの関係を示す図である。
図6及び
図7を用いて、照明装置1の向きを変更した場合における放熱の状態を説明する。
【0034】
図6は、照明装置1の向きと第1リブ32aとの関係を示す図である。
図6に示す照明装置1−11〜1−13は、照射方向の向き毎の照明装置1を示す。なお、照明装置1−11〜1−13を区別しない場合、照明装置1と記載する。
図6に示す照明装置1は、
図5におけるA−A断面を平面視した場合を示す。具体的には、
図6に示す照明装置1は、放熱フィン31−2において、放熱フィン31−1に対向する対向面31−21を平面視した場合を示す。
【0035】
例えば、照明装置1−11は、照射方向が下向き(直下方向)である場合を示す。以下では、
図6の照明装置1−11における基部20の一面21が臨む向きを下とし、照明装置1−11における基部20の反対面22が臨む向きを上とする。また、照明装置1−12は、照射方向が下向きから45°傾斜した向き(斜め方向)である場合を示す。また、照明装置1−13は、照射方向が横向き(水平方向)、具体的には左向きである場合を示す。照明装置1は、照明装置1−11〜照明装置1−13における位置を自由に回動可能である。
【0036】
図6に示す照明装置1の放熱部材30に重なる点線は、放熱部材30における空気の流れを示す。
図6に示す点線は、放熱部材30における熱によって暖められた空気が流れる状態を仮想的に示すものである。
【0037】
例えば、照明装置1−11においては、光源10から基部20へ伝達された熱は、基部20から離れる上向き、すなわち放熱部材30の立設方向へ上昇する。例えば、照明装置1−11においては、光源10から基部20へ伝達された熱によって暖められた空気は、第1リブ32aの傾斜に沿って、基部20から離れる上向き、すなわち放熱部材30の立設方向へ上昇する。例えば、照明装置1−13においては、光源10から基部20へ伝達された熱は、上方へ上昇する。例えば、照明装置1−13においては、光源10から基部20へ伝達された熱によって暖められた空気は、第1リブ32aの傾斜に沿って、基部20から離れる向き、すなわち上方へ上昇する。
【0038】
また、例えば、照明装置1−12の第1リブ32aより上側に位置する部分においては、光源10から基部20へ伝達された熱によって暖められた空気は、基部20から離れる向き、すなわち上方へ上昇する。また、例えば、照明装置1−12の第1リブ32aより下側に位置する部分においては、上側に第1リブ32aが幅方向を水平方向に沿わせて位置するため、光源10から基部20へ伝達された熱によって暖められた空気は、第1リブ32aにより影響を受けるが、第1リブ32a間に間隔が開けられているため、第1リブ32a間を通って、基部20から離れる向き、すなわち上方へ上昇する。すなわち、各対向面間の第1リブ32a−1〜32a−3が、放熱フィン31の立設方向の全体に亘って設けられず、一部に設けられるため、第1リブ32aが幅方向を水平方向に沿わせて位置する場合、すなわち第1リブ32aが熱によって暖められた空気の上昇方向と交差する位置にあっても、第1リブ32a間を通って、基部20から離れる向き、すなわち上方へ上昇する。このように、照明装置1−12においては、他の照射方向の向きに対応する照明装置1−11、1−13よりも放熱効率が低下するものの、従来例の照明装置100−3のように、中央リブ132が放熱フィン131の立設方向の全体に亘って形成される場合よりも、熱によって暖められた空気が上方へ抜けやすいため、向きの変動による放熱への影響を抑制することができる。
【0039】
図7は、照明装置1の向きと第2リブ32bとの関係を示す図である。
図7に示す照明装置1−21〜1−23は、照射方向の向き毎の照明装置1を示す。なお、照明装置1−21〜1−23を区別しない場合、照明装置1と記載する。
図7に示す照明装置1は、
図5におけるB−B断面を平面視した場合を示す。具体的には、
図7に示す照明装置1は、放熱フィン31−3において、放熱フィン31−2に対向する対向面31−31を平面視した場合を示す。なお、照明装置1−21の照射方向の向きは、
図6中の照明装置1−11の照射方向の向きに対応する。また、照明装置1−22の照射方向の向きは、
図6中の照明装置1−12の照射方向の向きに対応し、照明装置1−23の照射方向の向きは、
図6中の照明装置1−13の照射方向の向きに対応する。
【0040】
例えば、照明装置1−21は、照射方向が下向き(直下方向)である場合を示す。以下では、
図7の照明装置1−21における基部20の一面21が臨む向きを下とし、照明装置1−21における基部20の反対面22が臨む向きを上とする。また、照明装置1−22は、照射方向が下向きから45°傾斜した向き(斜め方向)である場合を示す。また、照明装置1−23は、照射方向が横向き(水平方向)、具体的には左向きである場合を示す。
【0041】
図7に示す照明装置1の放熱部材30に重なる点線は、放熱部材30における空気の流れを示す。
図7に示す点線は、放熱部材30における熱によって暖められた空気が流れる状態を仮想的に示すものである。
【0042】
例えば、照明装置1−21においては、光源10から基部20へ伝達された熱は、基部20から離れる上向き、すなわち放熱部材30の立設方向へ上昇する。例えば、照明装置1−21においては、光源10から基部20へ伝達された熱によって暖められた空気は、第2リブ32bの傾斜に沿って、基部20から離れる上向き、すなわち放熱部材30の立設方向へ上昇する。例えば、照明装置1−23においては、光源10から基部20へ伝達された熱は、上方へ上昇する。例えば、照明装置1−23においては、光源10から基部20へ伝達された熱によって暖められた空気は、第2リブ32bの傾斜に沿って、基部20から離れる向き、すなわち上方へ上昇する。
【0043】
また、例えば、照明装置1−22の第2リブ32bより上側に位置する部分においては、光源10から基部20へ伝達された熱によって暖められた空気は、基部20から離れる向き、すなわち上方へ上昇する。また、例えば、照明装置1−22の第2リブ32bより下側に位置する部分においては、上側に第2リブ32bが幅方向を上下方向に沿わせて位置するため、光源10から基部20へ伝達された熱によって暖められた空気は、第2リブ32bの影響をほぼ受けずに、第2リブ32b間を通って、基部20から離れる向き、すなわち上方へ上昇する。すなわち、第2リブ32bの幅方向が熱の上昇方向に沿って位置するため、効率的に熱によって暖められた空気が第2リブ32b間を通って、基部20から離れる向き、すなわち上方へ上昇する。このように、照明装置1−22においては、他の照射方向の向きに対応する照明装置1−21、1−23よりも放熱効率がさらに向上する。
【0044】
ここで、
図10〜14に示す従来例に係る照明装置100を用いて、従来の放熱部材の構成例を示す。照明装置100は、光源110と、平板状の基部120と、放熱部材130とを有する。光源110は、例えばLED等が用いられる。また、光源110は基板111上に設けられ、基板111が基部120の一面121に設けられた載置部112に配置される。
【0045】
また、照明装置100においては、所定の方向に並ぶ複数(7枚)の放熱フィン131−1〜131−7を有する放熱部材130が用いられる。なお、放熱フィン131−1〜131−7を区別しない場合、放熱フィン131と記載する。放熱フィン131は、放熱フィン131の厚み方向に沿って並べられ、照明装置100は、放熱フィン131の厚み方向に沿う軸を中心として回動するものとする。照明装置100においては、基部120と放熱部材130とは一体に形成され、放熱フィン131は、基部120の一面121の反対面122から立設される。また、放熱部材130は、放熱フィン131間を連結する中央リブ132を有する。
図10や
図13に示すように、中央リブ132は、放熱フィン131の幅方向の中央部を連結するように、放熱フィン131の立設方向の全体に亘って形成される。また、
図10や
図12に示すように、中央リブ132は、放熱フィン131−1から放熱フィン131−7まで連続する。
【0046】
次に、
図14を用いて、照明装置100の向きを変更した場合における放熱の状態を説明する。
図14は、従来例に係る照明装置の向きと中央リブとの関係を示す図である。
図14に示す照明装置100−1〜100−3は、照射方向の向き毎の照明装置100を示す。なお、照明装置100−1〜100−3を区別しない場合、照明装置100と記載する。
図14に示す照明装置100は、
図13におけるC−C断面を平面視した場合を示す。具体的には、
図14に示す照明装置100は、放熱フィン131−2において放熱フィン131−1に対向する対向面131−21を平面視した場合を示す。
【0047】
例えば、照明装置100−1は、照射方向が下向き(直下方向)である場合を示す。以下では、
図14の照明装置100−1における基部120の一面121が臨む向きを下とし、照明装置100−1における基部120の反対面122が臨む向きを上とする。また、照明装置100−2は、照射方向が下向きから45°傾斜した向き(斜め方向)である場合を示す。また、照明装置100−3は、照射方向が横向き(水平方向)、具体的には左向きである場合を示す。照明装置100は、照明装置100−1〜照明装置100−3における位置を自由に回動可能である。
【0048】
図14に示す照明装置100の放熱部材130に重なる点線は、放熱部材130における空気の流れを示す。
図14に示す点線は、放熱部材130における熱によって暖められた空気が流れる状態を仮想的に示すものである。
【0049】
例えば、照明装置100−1においては、光源110から基部120へ伝達された熱によって暖められた空気は、基部120から離れる上向き、すなわち放熱部材130の立設方向へ上昇する。また、例えば、照明装置100−2の中央リブ132より上側に位置する部分においては、光源110から基部120へ伝達された熱によって暖められた空気は、基部120から離れる向き、すなわち上方へ上昇する。また、例えば、照明装置100−2の中央リブ132より下側に位置する部分においては、光源110から基部120へ伝達された熱によって暖められた空気は、中央リブ132に沿って、基部120から離れる向き、すなわち上方へ上昇する。
【0050】
しかしながら、照明装置100−3の中央リブ132より下側に位置する部分においては、中央リブ132が上側に位置するため、光源110から基部120へ伝達された熱によって暖められた空気が影響を受けることから、効率的に放熱することが難しい。
【0051】
一方で、本実施形態に係る照明装置1は、上述したように、照明装置1−12の状態においては、第1リブ32aの放熱効率が低下するものの、その状態(照明装置1−22の状態)において第2リブ32bの放熱効率が他の照射方向の向きの場合よりも放熱効果が向上する。そのため、照明装置1は、全体として他の照射方向の向きの場合の放熱効果と同等となることにより、向きの変動による放熱への影響を抑制することができる。
【0052】
また、照明装置1は、照射方向を右向きに変更することも可能であるが、右向きの場合、斜め方向において第1リブ32a間を空気が通りやすくなり、第2リブ32b間を空気が通りにくくなる。すなわち、上述した照射方向を左向きに変更する場合の例における第1リブ32aと第2リブ32bとを読み替えた場合に対応する。
【0053】
したがって、照明装置1は、例えば、右向きの斜め方向の状態においては、第2リブ32bの放熱効率が低下するものの、その状態において第1リブ32aの放熱効率が他の照射方向の向きの場合よりも放熱効果が向上する。そのため、照明装置1は、全体として他の照射方向の向きの場合の放熱効果と同等となることにより、向きの変動による放熱への影響を抑制することができる。
【0054】
ここで、
図8を用いて本実施形態における放熱部材30の放熱効果と従来例における放熱部材130の放熱効果との比較結果を示す。
図8は、実施形態と従来例の比較を示す図である。具体的には、
図8は、実施形態に係る照明装置1や従来例に係る照明装置100を照射方向の向き(照射角度)を0°〜90°まで変更した場合における、光源10、110として用いられるLEDの温度の変化を示す。例えば、照射方向の向き(照射角度)が0°とは、照射方向が下向き(直下方向)である場合に対応し、
図6中の照明装置1−11や
図14中の100−1に対応する。また、照射方向の向き(照射角度)が45°とは、照射方向が下向きから45°傾斜した向き(斜め方向)である場合に対応し、
図6中の照明装置1−12や
図14中の100−2に対応する。また、照射方向の向き(照射角度)が90°とは、照射方向が横向き(水平方向)、具体的には左向きである場合に対応し、
図6中の照明装置1−13や
図14中の100−3に対応する。
【0055】
図8に示す線LN11は、照明装置1における光源10であるLEDの温度変化を示す。また、
図8に示す線LN12は、照明装置100における光源110であるLEDの温度変化を示す。
図8に示す結果では、照射方向の向き(照射角度)が0°〜45°位までの範囲では、照明装置1と照明装置100ともにLEDの温度は105℃前後である。一方、照射方向の向き(照射角度)が50°以上になると、照明装置100のLEDの温度が上昇し始めるが、照明装置1のLEDの温度は低下し始める。そして、照射方向の向き(照射角度)が90°においては、照明装置1のLEDの温度は102℃前後になり、照明装置100のLEDの温度は123℃前後になる。このように、照射方向の向き(照射角度)が大きくなるにつれて、照明装置100のLEDの温度は上昇するが、照明装置1のLEDの温度は略均一になる。このように、照明装置1は、従来の照明装置100に比べて、照射方向の向き(照射角度)の変動による放熱への影響を抑制することができる。
【0056】
また、上述した照明装置1において、一の放熱フィン31における第1面に連続するリブ32(第1リブ32a)と、一の放熱フィン31における第1面の反対面である第2面に連続するリブ32(第2リブ32b)とは、一の放熱フィン31の平面視において、放熱フィン31の幅方向の中央を通る立設方向に沿う仮想線を軸とする線対称に設けられる。具体的には、放熱フィン31−4における第1面に連続するリブ32(第1リブ32a−2)と、放熱フィン31−4における第1面の反対面である第2面に連続するリブ32(第2リブ32b−2)とは、放熱フィン31の平面視において、放熱フィン31の幅方向の中央を通る立設方向に沿う仮想線を軸とする線対称に設けられる。
【0057】
また、一のリブ32と、他のリブ32とは、放熱フィン31の立設方向に沿う中心線(図示せず)であって、所定の方向(Z軸方向)の両端の放熱フィン31間の中央及び放熱フィン31の幅方向の中央を通る中心線に対して線対称に設けられる。例えば、照明装置1において、中心線は、放熱フィン31−4の厚み方向の中央及び幅方向の中央を通り放熱フィン31の立設方向に沿って延びる。例えば、放熱部材30において、第2リブ32b−14と、第1リブ32a−34とは、放熱フィン31の厚み方向の両端の放熱フィン31−1、31−7間の中央及び放熱フィン31の幅方向の中央を通る中心線に対して線対称に設けられる。
【0058】
また、対向面の各々に設けられるリブ32は、一のリブ32と、一のリブ32と放熱フィン31の立設方向の高さが同一であり、かつ、放熱フィン31の幅方向に直交し、放熱フィン31の厚み方向の中央を通る断面からの距離が同一である他のリブ32とを含む。例えば、放熱部材30において、第1リブ32a−13と、第1リブ32a−13と放熱フィン31の立設方向の高さが同一であり、かつ、放熱フィン31の幅方向に直交し、放熱フィン31の厚み方向の中央を通る断面からの距離が同一である第2リブ32b−33とを含む。
【0059】
また、上述した例においては、各対向する放熱フィン31間に放熱フィン31の立設方向にリブ32を一列に並べて設ける場合を示したが、向きの変動による放熱への影響を抑制することができれば、どのような態様で各対向する放熱フィン31間にリブ32を設けてもよい。例えば、各対向する放熱フィン31間に放熱フィン31の立設方向にリブ32を複数列に並べて設けてもよい。例えば、各対向する放熱フィン31間に放熱フィン31の立設方向にリブ32を2列に並べて設けてもよい。
【0060】
例えば、放熱部材30は、
図9に示すような照明装置2に用いられてもよい。
図9は、実施形態に係る放熱部材を用いた他の照明装置を示す斜視図である。例えば、
図9に示す照明装置2は、いわゆるスポットライトとして用いられる照明装置である。
図9に示すように、照明装置2は、筐体200内に所定の光源部210と放熱部材30とを有してもよい。また、
図9の例では、照明装置2は、アーム部材220を有する取付機構230により回動可能に天井に取り付けられる。なお、上述した照明装置2は一例であり、放熱部材30は、ダウンライト(ユニバーサル)等の種々の照明装置に用いられてもよい。また、放熱部材30は、適用可能な装置であれば、どのような装置に適用されてもよい。
【0061】
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。