(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
表面から照射された光を遮光する遮光エリアを有し、貼り合わせ面に光硬化性材料が塗られたワークに、照射装置の光を前記ワークの表面の側から照射して前記光硬化性材料を硬化させる光硬化システムにおいて、
前記ワークを前記照射装置の直下を通して搬送する搬送装置と、
前記照射装置の直下に固定配置された第1反射体と、を備え、
前記照射装置は、
前記搬送装置の搬送方向の横断方向に延びる線状光源を有し、前記線状光源の光を前記第1反射体に照射し、
前記第1反射体は、
前記線状光源に平行に、かつ前記ワークよりも長く延びる第1反射面を有し、当該第1反射面が前記照射装置の直下方向に対して所定入射角度以上の反射光を前記搬送装置に搬送されている前記ワークに照射する
ことを特徴とする光硬化システム。
前記第1反射面から入射する反射光を、前記照射装置の直下方向に対して斜めに反射し前記搬送装置に搬送されている前記ワークに照射する第2反射体を備えることを特徴とする請求項1に記載の光硬化システム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係る光硬化システム1の説明図であり、
図2は光硬化システム1の側面図である。
光硬化システム1は、光硬化性樹脂が塗布されたワークに光を照射することで光硬化性樹脂を硬化させる光硬化処理を行うシステムである。この光硬化システム1は、
図1、及び
図2に示すように、ワークの一例たるタッチパネルディスプレイ2を搬送路3に沿って一方向に搬送する搬送装置4と、この搬送装置4の搬送路3の上に配置され、当該搬送路3の上側から光を照射する照射システム6とを備えている。
【0017】
図3はタッチパネルディスプレイ2の説明図であり、
図3(A)は分解斜視図、
図3(B)は斜視図である。
タッチパネルディスプレイ2は、
図3(A)に示すように、液晶ディスプレイの表示パネル8と、タッチパネル10とを備え、
図3(B)に示すように、これらを上下に重ねて貼り合せて製造される。なお、本実施形態の説明では、タッチパネルディスプレイ2において、タッチパネル10の側を表面の側と定義し、液晶ディスプレイの表示パネル8の側を裏面の側と定義する。
【0018】
表示パネル8は、薄い板状のモジュールであり、表示面8Aを構成する矩形のパネル部12と、当該パネル部12に接続されたフレキシブル基板14とを備えている。
パネル部12は、図示を省略するが、表裏の2枚の矩形の透明電極基板と、その間に封止された液晶材料とを有する。このパネル部12の製造工程について簡単に説明すると、2枚の透明電極基板は、その縁部の全周に光硬化性樹脂がシール剤として塗布されて重ねられ、表面、或いは裏面の一方から光が照射されることで光硬化性樹脂が硬化し封止され、その後に、2枚の透明電極基板の間に液晶材料が注入される。
このパネル部12のシールに用いられる光硬化性樹脂は、一般に紫外線硬化型シール剤であり、照射光は紫外線である。また透明電極基板の材料には紫外線を透過する材料が用いられ、例えばガラス基板が用いられる。
【0019】
フレキシブル基板14は、柔軟性を有したプリント基板であり、フレキシブルプリント基板とも称される部材である。フレキシブル基板14には、パネル部12を駆動する駆動信号等の各種信号を伝送する複数の信号線が設けられている。このフレキシブル基板14は、矩形状のパネル部12の一つの辺15(図示例では短辺)に、当該辺15の全長に亘って設けられている。なお、フレキシブル基板14に代えて任意の配線基板、或いは配線ケーブルを用いることもできる。
【0020】
タッチパネル10は、パネル表面のタッチ操作を検出するデバイスである。
このタッチパネル10は、
図3(A)に示すように、表示パネル8を覆い隠せる程度の寸法の矩形状に形成され、操作者が視認することが可能であり、指又はタッチペン等のデバイスで触れることができるアクティブエリア16と、このアクティブエリア16を周むように環状に形成された額縁エリア18とを有している。
アクティブエリア16には、タッチ操作を検出するセンサ(図示せず)がマトリクス状に配設され、このアクティブエリア16の周囲には、センサに電気的に接続された取出配線が設けられている。また額縁エリア18は、上記取出配線や表示パネル8の縁部8Bなどを覆い隠すエリアであり、タッチパネル10の縁の全周に亘ってアクティブエリア16を囲んで形成されている。
【0021】
タッチパネル10の構造について更に説明すると、タッチパネル10は、上記アクティブエリア16、及び上記取出配線が形成された透明基板モジュールと、この透明基板モジュールを覆う透明なガラス材で形成されたカバーガラスとを備え、このカバーガラスに上記額縁エリア18が設けられている。
透明基板モジュールの基板、及びカバーガラスの材料には、紫外線を透過するガラス材料が用いられており、少なくとも上記アクティブエリア16は紫外線を透過する透過部となっている。
一方、額縁エリア18には、裏面側の電気配線の視認性を低下させ操作者から隠すために不透明に成されている。不透明の態様は、電気配線や内部機構の視認性、及び意匠性に基づいて決められており、また不透明化の手段は公知の任意の手段が用いられる。また、額縁エリア18は、この不透明化の手段によって紫外線を遮蔽する不透過部となっている。
【0022】
このタッチパネルディスプレイ2は、表示パネル8の上にタッチパネル10を重ねた状態で貼り合わせて製造される。
図3(A)に示すように、表示パネル8がタッチパネル10と貼り合わせられる貼り合せ面9の全面に亘って光硬化性樹脂39が塗布され、
図3(B)に示すように、このタッチパネル10が表示パネル8に重ねられ、その表面の側から光を照射することにより光硬化性樹脂39を硬化させて貼り合わせられる。その際、タッチパネル10の額縁エリア18の裏側の全周に亘って遮光される表示パネルの縁部8Bに従来の光硬化システムでは光硬化性樹脂39に硬化不良を生じた硬化不良部が現れる。
この光硬化システム1では、従来の光硬化システムで生じていた硬化不良部を含め、貼り合せ面9の全面に亘って硬化不良を生じさせることが無く、タッチパネル10と表示パネル8の貼り合わせるために用いられる。
【0023】
次いで、光硬化システム1の各部を前掲
図1、及び
図2を参照しながら詳述する。
搬送装置4は、搬送路3を形成するコンベアベルト21と、コンベアベルト21を駆動するベルトドライブ22とを備えた、いわゆるベルトコンベアである。
コンベアベルト21による搬送路3は、少なくとも照射装置24の直下において当該直下方向Zと直交する方向(以下、「搬送方向」と称し符号Aを付す)に直線状に延びる経路を含んでいる。この搬送路3は、搬送方向Aに直交する方向(以下、「幅方向」と称し符号Bを付す)の幅Waが平置きのタッチパネルディスプレイ2がはみ出ることがない長さ(すなわち、タッチパネルディスプレイ2よりも幅広)に成されている。また、搬送路3は、
図2に示すように、所定数のタッチパネルディスプレイ2が搬送方向Aに所定間隔で配置できるだけの搬送路長Laを有し、当該所定間隔ごとに、タッチパネルディスプレイ2を保持するワーク保持ステージ42が設けられている。
なお、搬送装置4はベルトコンベアに限られるものではなく、例えばワークが載置されるステージと、当該ステージを搬送方向Aに直動する直動機構とを備えた移動ステージ装置や、搬送方向Aに直動するアームを有したロボットアームでも良い。
【0024】
照射システム6は、タッチパネルディスプレイ2に塗布された光硬化性樹脂39を硬化させる光を照射するものであり、照射装置24と、この照射装置24の直下に配設された第1反射体26と、照射装置24を挟んだ両側に配設された2つの第2反射体27、27と、を備えている。
【0025】
図4は、照射装置24、及び当該照射装置24の直下の構成を示す図である。なお、この
図4は搬送方向Aを含む面をみた図である。
照射装置24は、光硬化性樹脂39を硬化させる波長の光を線状に放射する線状光源28と、線状光源28を配光制御する反射鏡29と、これらを収めた箱状のケース体31と、備えている。
線状光源28には、例えば直管型の高出力な紫外線ランプが用いられる。この線状光源28は、搬送路3の搬送方向Aに横断して延びる姿勢で配置され、搬送方向Aの発光長Lb(
図1)は、搬送路3の幅Waの全長に亘って均一に光を照射できる長さに成されている。なお、線状光源28は、複数の光源を列状(直線状)に並べて構成することもできる。この光源には例えばショートアーク光源を用いることができる。
反射鏡29は、線状光源28を直下方向Zに集光する配光制御体であり、この照射装置24では、線状光源28を包囲し、かつ当該線状光源28に沿って延びる楕円鏡が用いられている。この反射鏡29の焦点Fは、直下の搬送路3の搬送面3Aの上方であり、さらに第1反射体26の上方に設定されている。換言すれば、第1反射体26には、焦点Fから搬送方向Aの両側に拡がる照射光H1が入射される。
【0026】
また、この照射システム6は、照射装置24の直下方向Zに当該照射装置24に近接配置された波長制限フィルタ33を備えている。この波長制限フィルタ33は、硬化対象の光硬化性樹脂39の光硬化に寄与しない波長の光をカットするものであり、照射装置24から焦点Fの間に配置され、ケース体31の照射開口31A(
図1)の全体を覆う寸法形状に形成されている。
【0027】
第1反射体26、及び第2反射体27は、搬送面3Aに斜めから光を照射する反射部材である。
詳述すると、タッチパネルディスプレイ2は、上記のとおり、額縁エリア18の裏側に硬化対象の光硬化性樹脂39が塗布されている。したがって、タッチパネルディスプレイ2の表面の側から光を照射すると、額縁エリア18が光を遮る遮光エリア(不透過部)として作用し、額縁エリア18の遮光によって硬化不良が生じる。
特に、タッチパネルディスプレイ2では、
図3(A)、及び
図3(B)に示すように、この額縁エリア18には、比較的幅が広い辺も含むため、この幅が広い辺の裏側の光硬化性樹脂に硬化不良が発生し易い。この場合、タッチパネルディスプレイ2を裏返して表示パネル8の側(すなわち、裏面の側)から、再度、光照射を実施することで硬化不良を低減できるものの、そうすると、少なくとも2回の照射が必要となることからスループットが悪くなる、また、ワークを裏返して照射を行っても電気的接続配線や実装部品により照射光が届かない箇所がある、という問題がある。
【0028】
そこで、この光硬化システム1は、搬送装置4によるワンパスの照射によって硬化不良を抑えた光硬化処理を実現するために、次のように構成されている。
すなわち、光硬化システム1は、搬送されているタッチパネルディスプレイ2に、上記照射装置24の光を直接的に照射するのではなく、
図4に示すように、当該照射装置24の直下方向Zに配置され、照射装置24の照射光H1が入射する第1反射体26を備え、この第1反射体26が照射光H1を搬送方向Aに向けて反射し、この反射による反射光D1をタッチパネルディスプレイ2に照射している。
なお、この光硬化システム1における光線は、搬送方向Aにおいて照射装置24の光軸Cに対し鏡像の関係を有している。換言すれば、光硬化システム1の光学系は、搬送方向Aにおいて照射装置24の光軸Cに対し対称な構成を有している。この照射装置24において光軸Cは線状光源28の中心Oから直下方向Zに延びる軸で定義される。
また第1反射体26は、照射装置24との間の相対的な位置ズレが生じないように、照射装置24の直下方向Zに、図示せぬ固定部材によって固定されて配置されている。
【0029】
更に詳述すると、第1反射体26は、搬送面3Aに対して所定の角度で傾斜した斜入射反射面40を有し、直上の照射装置24から入射した照射光H1を、この第1反射体26から搬送路3の遠方に向けて反射する。
斜入射反射面40は、線状光源28と平行に、ワークたるタッチパネルディスプレイ2よりも長く延びる形状を成している。
【0030】
図5、及び
図6は、タッチパネルディスプレイ2の搬送時の光の照射態様を示す説明図である。なお、
図5では、搬送方向Aを含む面でタッチパネルディスプレイ2を切った断面図を示している。
上述のとおり、タッチパネルディスプレイ2が備える表示パネル8の縁部8Bには、光硬化性樹脂39が塗布され、この上側がタッチパネル10の額縁エリア18によって覆われている。このタッチパネルディスプレイ2は、タッチパネル10の側(表面の側)を上にして搬送路3のワーク保持ステージ42に保持されて搬送される。
また、このワーク保持ステージ42には、タッチパネルディスプレイ2が、
図6に示すように、矩形枠状の額縁エリア18の2つの辺18Aが搬送方向Aに平行となり、他の2つの辺18Bが搬送方向Aに直交する姿勢で保持され、搬送される。
【0031】
光硬化システム1の搬送面3Aには、上述のとおり、第1反射体26によって搬送方向Aの遠方に向かうように反射された反射光D1が照射される。この反射光D1は、搬送面3Aに斜めから入射することから、
図5に示すように、タッチパネルディスプレイ2の透過部であるアクティブエリア16に斜めから入射し、額縁エリア18の裏面の光硬化性樹脂39に到達し、この反射光D1によって当該光硬化性樹脂39が光硬化されることとなる。
【0032】
ところで、このタッチパネルディスプレイ2では、タッチパネル10が表示パネル8よりも大きく構成されている。このため
図5に示すように、タッチパネル10の額縁エリア18が表示パネル8の縁部8Bよりも搬送路3に延び出て、表側から照射される光に対して、いわゆる庇のような作用をする。このため額縁エリア18の外周側の縁である外縁18Tの側からタッチパネルディスプレイ2に入射した反射光D1は当該額縁エリア18によって遮蔽され、光硬化性樹脂39には届かない。
換言すれば、光硬化性樹脂39の光硬化は、専ら、タッチパネルディスプレイ2のアクティブエリア16から(すなわち、額縁エリア18の内周側の縁部である内縁18Vの側から)斜めに入射した反射光D1の照射によって生じる。しかしながら、光硬化性樹脂39が額縁エリア18の内縁18Vを基準(x=0)として外縁18Tの方向に深い位置(x=Wb)まで塗布されている場合には、この外縁18Tの側で照射光量が不足して硬化不良が生じ易くなる。
特に、このタッチパネルディスプレイ2では、外縁18Tの側から入射する反射光D1が上述のとおり額縁エリア18で遮蔽されることから硬化不良の問題は顕著となる。
【0033】
そこで、この光硬化システム1では、外縁18Tの側の光硬化性樹脂39の塗布位置Wbまで内縁18Vの側から入射した反射光D1が到達するように、当該反射光D1の入射角度θが設定されている。この入射角度θは、光硬化性樹脂39の厚みである硬化材厚bと、塗布位置Wbと、アクティブエリア16(すなわち透過部)の屈折率とに基づいて大凡の値が算出される。発明者らは、このタッチパネルディスプレイ2の貼り合せにおいては、入射角度θが約80度であれば塗布位置Wbまで十分に紫外線が到達するとの知見を得ている。そこで、この光硬化システム1では、入射角度θ=80度の光成分が反射光D1に所定割合以上含むように斜入射反射面40が光学設計されている。
これにより、額縁エリア18の外縁18Tが庇のように延出し、当該外縁18Tの側から斜めに入射する反射光D1が遮蔽されてしまう場合でも、内縁18Vの側(すなわち透過部)から入射する反射光D1が光硬化性樹脂39の外縁18Tの側まで十分に到達するため、硬化不良が抑えられる。
【0034】
ところで、前掲
図6に示すように、タッチパネルディスプレイ2の搬送状態において、額縁エリア18の辺18Aは搬送方向Aに延び、第1反射体26の斜入射反射面40に対しては直交して延びる。このため、第1反射体26から搬送方向Aに略平行に進行する反射光D1では、この辺18Aの裏側に十分には入り込まず、辺18Aの裏側の光硬化性樹脂39が硬化不良を生じる。
そこで、この光硬化システム1では、
図6に示すように、反射光D1が搬送方向Aに平行に進行する光成分D1aに加え、当該搬送方向Aに対し0〜90度の角度を有して進行する(すなわち、斜入射反射面40から搬送面3Aの幅方向Bに向かう)光成分D1bを含むように構成されている。
【0035】
詳述すると、この光硬化システム1では、
図6に示すように、照射装置24の光源が搬送方向Aに直交して延びる線状光源28であるとともに、斜入射反射面40が線状光源28に平行に(すなわち幅方向Bに)、少なくとも搬送状態におけるタッチパネルディスプレイ2の幅方向Bの幅Wcよりも長く(すなわち幅広に)延びるように構成されている。
【0036】
斜入射反射面40が搬送路3の幅方向Bに延びることで、線状光源28から直下方向Zに進行する照射光H1aだけでなく、直下方向Zに対して角度α(α>0)で進行する照射光H1bを反射させることができる。この照射光H1bを反射した反射光D1の光成分D1bは、照射光H1bの角度αに応じた角度で搬送路3の幅方向Bに(すなわち搬送面3Aの側端3A1に向かって)進行する。
この光成分D1bがタッチパネルディスプレイ2に照射されることで、搬送方向Aに延びる辺18Aにおいても内縁18Vの側から光成分D1bが入射することから、この辺18Aの裏側に塗布されている光硬化性樹脂39を光成分D1bによって十分に光硬化させることができる。
また、この光成分D1bには、搬送方向Aに進行する反射光D1の光成分D1aと同様に、上述した入射角度θの光も含まれることから、辺18Aにおいても光成分D1bが光硬化性樹脂39の外縁18Tの側まで到達し、硬化不良が十分に抑えられることとなる。
【0037】
ここで、このタッチパネルディスプレイ2の額縁エリア18は、
図3(A)、及び
図3(B)に示すように、辺18Bの幅が辺18Aよりも幅広になされている。
【0038】
次いで前掲
図1、及び
図2に戻り、光硬化システム1が備える第2反射体27について説明する。
第2反射体27は、第1反射体26を挟んで搬送方向Aの両側に設けられ、それぞれが第1反射体26による反射光D1を反射し、額縁エリア18の内縁18Vの側からタッチパネルディスプレイ2に斜めに入射する反射光を得るものである。
具体的には、それぞれの第2反射体27は、天面反射面45、一対の側面反射面46、46、及び対向反射面47を備え、
図1に示すように、これらが箱形に組まれて構成されている。なお、2つの第2反射体27は、いずれも同一の構成、及び光学的機能を有している。
【0039】
図7は光硬化システム1の光線図である。この
図7では、搬送方向Aを含む断面の光線を示している。
天面反射面45は、第1反射体26による反射光D1のうち、上記入射角度θが90度以上の光成分D1mを反射する。入射角度θが90度以上の光成分D1mは、搬送面3Aから上方に離れる方向に進行する光である。この天面反射面45は、搬送面3Aの上側を覆うように当該搬送面3Aに対面配置され、
図1に示すように、当該搬送面3Aに平行な矩形板状に形成されている。この天面反射面45に光成分D1mが入射すると、当該光成分D1mが搬送面3Aの側に向けて反射され、その反射光D2mは、少なくとも入射角度θが90度よりも小さくなる。また、この反射光D2mは、第1反射体26からみて搬送路3の遠方に進行してタッチパネルディスプレイ2に斜めに入射するため、額縁エリア18の辺18Bのうち、第1反射体26から遠い方の辺に、その内縁18Vの側から斜めに入射し、当該辺18Bの裏側の光硬化性樹脂39の光硬化が補われる。
【0040】
一対の側面反射面46、46は、第1反射体26による反射光D1のうち、搬送面3Aの側端3A1に進行する上記光成分D1b(
図6)を反射する。これら一対の側面反射面46、46は、
図1に示すように、搬送面3Aを挟んで対面配置され、当該搬送面3Aと平行に延びる矩形板状に形成されている。これら一対の側面反射面46、46に上記光成分D1bが入射すると、搬送面3Aの内側に向けて反射される。その反射光は、搬送方向Aに交差する方向からタッチパネルディスプレイ2に入射するため、額縁エリア18の辺18Aに、その内縁18Vの側から斜めに入射し、当該辺18Aの裏側の光硬化性樹脂39の光硬化が補われる。
【0041】
対向反射面47は、第1反射体26による反射光D1、及び上記天面反射面45による反射光D2mのうち、第1反射体26(より正確には線状光源28の直下)から搬送方向Aに所定の距離Lcよりも遠方に到達する光成分D1nを、当該所定の距離Lcで折り返す方向に反射する。この対向反射面47は、
図7に示すように、線状光源28の直下位置Xaから上記所定の距離Lcだけ離れた位置に、第1反射体26の斜入射反射面40に対向配置され、少なくとも搬送路3の幅Waと同等以上に亘って延びた矩形状に形成されている。この対向反射面47に上記光成分D1nが入射すると、第1反射体26の側に向かって折り返すように反射される。この反射による反射光D2nは、額縁エリア18の辺18Bのうち、第1反射体26に近い方の辺に、その内縁18Vの側から斜めに入射し、当該辺18Bの裏側の光硬化性樹脂39の光硬化が補われる。
【0042】
このように、額縁エリア18の辺18Bのうち、第1反射体26から遠い方の辺、近い方の辺、及び辺18Aのそれぞれに、天面反射面45の反射光D2m、対向反射面47の光成分D1n、及び側面反射面46、46の反射光が斜めに入射することから、額縁エリア18に斜めに入射する光量が増大して光硬化が補われ、硬化不良をより抑えることができる。
【0043】
また、光硬化システム1が対向反射面47を備えることで、タッチパネルディスプレイ2に光が照射される範囲を、照射装置24の直下位置Xaから距離Lcの範囲に短縮される。このように光の照射範囲が短縮されることで、光硬化処理のタクト時間が短縮され、これに加え、第1反射体26の直下には、搬送面3Aとの間に、タッチパネルディスプレイ2を通過させるための隙間δが設けられており、この隙間δには対向反射面47の反射光D2nが到達して照らされる。これにより、照射装置24の直下に第1反射体26が配置されていても、当該第1反射体26による搬送面3Aの影が反射光D2nの照射によって解消され、当該第1反射体26の直下でも光硬化が継続して行うことができる。さらに、搬送面3Aの影が打ち消されることで、搬送時におけるタッチパネルディスプレイ2の温度変化が抑えられる。
【0044】
なお、この光硬化システム1では、第2反射体27の天面反射面45、側面反射面46、46、及び対向反射面47のそれぞれの反射面形状を平面としたが、これに限らず、反射面形状は、例えば曲面や、複数の平面を含む多面などの任意の面で構成であっても良い。
【0045】
この光硬化システム1における光学系の好適な具体的寸法の一例を、
図7を参照して説明する。
ワークたるタッチパネルディスプレイ2は250(mm)×200(mm)のサイズの矩形状であり、長辺を搬送路3の幅方向Bに合せた姿勢で搬送される。
搬送路3の幅Waは500(mm)であり、第1反射体26の幅は550(mm)であり、第2反射体27の幅は560(mm)である。なお、第2反射体27の幅は、一対の側面反射面46、46の幅方向Bの離間距離、或いは、対向反射面47、又は天面反射面45の幅方向Bの長さであり、例えば、これらのうちの最も短いものに相当する。
【0046】
照射装置24の直下位置Xaから対向反射面47の距離Lcは475(mm)であり、側面反射面46、46、及び天面反射面45の搬送方向Aの長さLdは400(mm)である。第1反射体26を平面視したときの搬送方向Aの長さの半値Leは97.5(mm)である。
この第1反射体26の斜入射反射面40の下端40Bの側は、側面視において、側面反射面46、46、及び天面反射面45にオーバーラップし、当該オーバーラップ量δaは22.5mmである。
【0047】
また、照射装置24の線状光源28の中心Oから搬送路3の搬送面3Aまでの距離Haは200(mm)であり、第1反射体26の直下と搬送面3Aとの間の隙間δは10(mm)である。
第1反射体26の斜入射反射面40は、直下方向Zとの間で成す角θ1が54度であり、斜入射反射面40に沿った上端40Aから下端40Bまでの長さMが120.5(mm)である。
照射装置24の照射開口31A(反射鏡29の出射側の先端)から斜入射反射面40の上端40Aまでの距離Hbは70(mm)である。
また対向反射面47、及び一対の側面反射面46、46の直下方向Zの長さHcは80(mm)である。
【0048】
第1反射体26、及び第2反射体27の相対的な位置ズレを防止するために、これらは反射体ユニット90として一体にユニット化されている。
図8は、反射体ユニット90の構成を示す斜視図である。
反射体ユニット90は、4本の棒状フレーム91が矩形枠状に組まれた支持枠92を備えている。支持枠92の幅方向Bの両側には、第1反射体26を支持する一対の支持体94、94が固定されている。一対の支持体94は、幅方向Bに延びる2本のシャフト95、95で連結されている。第1反射体26は、これら2本のシャフト95を幅方向Bに挿通させて支持体94に支持され、第1反射体26に熱膨張などが生じた場合でも斜入射反射面40に歪みが発生し難くなっている。
【0049】
また一対の支持体94、94は、幅方向Bに延びる棒状の第2反射体支持フレーム93の端部93Aを固定する固定部94Aを一体に備え、この固定部94Aに固定された第2反射体支持フレーム93と支持枠92によって第2反射体27が支持される。
第2反射体27を支持する第2反射体支持フレーム93が、第1反射体26を支持する支持体94に固定されることで、第2反射体27と第1反射体26の位置ズレが防止される。この支持体94には、照射装置24を固定する図示せぬ固定部材が連結されており、第1反射体26、第2反射体27、及び照射装置24の位置ズレが防止されている。
また、一対の支持体94、94には、幅方向Bに貫通する通気口96が開口し、幅方向Bから通気口96を通じて冷却風を第1反射体26に送風し、空冷できるようになっている。
係る反射体ユニット90は、照射装置24とともに、搬送装置4の上方に図示せぬ支持部材によって支持されて固定配置される。
【0050】
図9は搬送面3Aの照度を計測する照度計70の構成を示す斜視図であり、
図10は照度計70の断面を示す斜視図である。
この光硬化システム1においては、額縁エリア18の裏面の側の光硬化性樹脂39は、上記所定の入射角度θ以上の光によって硬化される。したがって、光硬化システム1の性能評価においては、この入射角度θ以上の光量の計測が重要である。
しかしながら、一般的な照度計は、検出面に入射する光を入射角度θに関係なく取り込む構成となっているため、所定の入射角度θ以上の光量のみを計測することができない。
【0051】
そこで、この照度計70は、所定の入射角度θ以上の光量のみを計測するために、
図9、及び
図10に示すように、照度計本体71と、この照度計本体71に後付けされる入射角度制限装着アタッチメント72と、を備えている。
照度計本体71は、搬送面3Aに載置される板状のベース体73の表面に光の検出面74を備えている。このベース体73の厚みは、搬送面3Aから検出面74までの高さをワークの表面の高さに合わせるために、ワークの厚み、或いはワークとワーク保持ステージ42の厚みの合計に相当する厚みに形成されている。
検出面74には、
図10に示すように、ピンホール状の光取込部75が設けられている。この光取込部75の底部には、図示せぬ光センサが配設されており、光取込部75から取り込まれた光の光量が光センサによって検出される。この光センサは光量に応じた検出信号を出力し、当該検出信号に基づいて光量が計測される。
なお、照度計本体71には、光取込部75の構造が同じであれば、既存の照度計を用いても良い。
【0052】
入射角度制限装着アタッチメント72は、光取込部75に入射する光の入射角度θを制限する部材であり、装着パーツ77と、光制限パーツ78とを備えている。
装着パーツ77は、照度計本体71に装着自在に係合するパーツである。また、この装着パーツ77の表面77Aは、照度計本体71の検出面74の表面を光取込部75、及びその近傍を除いて覆う平面に形成されている。
光制限パーツ78は、検出面74を覆う装着パーツ77の表面77Aとの間に隙間Pを設けて配置される平面視円板状の入射角度制限板79と、当該隙間Pに入射した光を光取込部75に導光する導光体80とを備え、上記隙間Pが光取込口81となっている。
【0053】
図11は、照度計70における光制限の説明図である。
入射角度制限板79は、装着パーツ77の対向面となる裏面79Aの中心に上記導光体80が配置され、この裏面79Aが導光体80を頂点としたテーパー面に形成され、いわゆる円錐状に形成されている。このテーパー面の傾斜角度βは、検出対象の光Qの入射角度θと略等しく形成されており、この隙間Pでは、当該入射角度θよりも小さな光を遮蔽する。これにより、光取込口81から隙間Pに進入した光のうち、入射角度θ以上の光Qのみが導光体80に到達することとなる。
導光体80は、光Qを光取込部75に導光する光学部材であり、具体的には、先端80Aが光取込部75に位置する棒状を成し、側方の外周面80Bに入射した光を先端80Aに導き光取込部75に入射する。この照度計70では、導光体80にはコーンミラーが用いられている。
【0054】
図12は、照度計70の検出感度特性を示す図である。
照度計70の光センサは、入射角度θが小さいほど検出感度が高くなる特性を有する。
このため、
図12に示すように、入射角度制限装着アタッチメント72を付けず、光取込部75に到達する光の入射角度θを制限せずに計測した場合には、入射角度θが例えば80度以上において検出感度が相対的に低くなり、入射角度θが80度以上の光を計測することができない。
これに対し、入射角度制限装着アタッチメント72を装着し、光取込部75に到達する光の入射角度θを例えば80度以上に制限した場合、入射角度θが0〜80度の光は遮蔽されて見かけ上の検出感度はゼロとなる。これにより、入射角度θが80度以上の光のみに検出感度を持たせ、当該光を正確に計測することができる。
【0055】
また、上述のとおり、額縁エリア18が環状である場合、額縁エリア18の外縁18Tの側から斜めに入射する光は遮蔽されるため、額縁エリア18の裏側の光硬化性樹脂39は、内縁18Vの側から入射した光によって主に光硬化される。
この照度計70では、額縁エリア18の外縁18Tの側から入射する光の相当分を遮光し、内縁18Vの側から入射する光の相当分のみを光取込口81から取り込むために、
図13(A)、及び
図13(B)に示すように、導光体80の周囲に360度に亘って開口する光取込口81に係合し、0〜180度の範囲(すなわち半周分)を塞ぐ遮光部材85を着脱自在に備えている。遮光部材85は、光取込口81に係合する半環状の部材であり、この遮光部材85によって遮光される光が額縁エリア18の外縁18Tの側から斜めに入射する光に相当する。
【0056】
図13(A)に示すように、遮光部材85を装着した状態の照度計70によって照度を測ることで、環状の額縁エリア18の裏面に塗布された光硬化性樹脂39の硬化に寄与する光の成分を正確に計測できる。
またワークの額縁エリア18の裏面に全方位から光が入射する場合には、
図13(B)に示すように、遮光部材85を照度計70から取り外した状態で照度を計測することで、光硬化性樹脂39の硬化に寄与する光の成分を正確に計測できる。
なお、遮光部材85が光取込口81を塞ぐ範囲は、額縁エリア18の裏側に入射する光の範囲に応じて適宜に変更される。
【0057】
以上説明したように、本実施形態の光硬化システム1によれば、照射装置24の直下位置Xaに配置された第1反射体26、を備え、照射装置24が搬送方向Aの直交方向(幅方向B)に延びる線状光源28を有し、この線状光源28の光を第1反射体26に照射し、この第1反射体26が、線状光源28に平行に、かつワークたるタッチパネルディスプレイ2よりも長く延びる斜入射反射面40を有し、当該斜入射反射面40が所定の入射角度θ以上の反射光D1をタッチパネルディスプレイ2に照射する構成とした。
【0058】
これにより、反射光D1が額縁エリア18に斜めに入射することとなり、この額縁エリア18の裏側の光硬化性樹脂39を光硬化できる。
また、斜入射反射面40による反射光D1は、搬送面3Aの側端3A1に向かって進行する光成分D1bを含むため、額縁エリア18のうち、搬送方向Aに延びる辺18Aにおいても内縁18Vの側から光成分D1bが入射し、この辺18Aの裏側に塗布されている光硬化性樹脂39を光成分D1bによって十分に光硬化させることができる。
【0059】
第1反射体26は照射装置24からの照射光の配光制御性を向上させるため、直下位置Xaに固定配置された構成である。この構成によって、ワークにおける硬化不良が発生し得る額縁エリア18の裏面の側に到達する入射角θの光を、第1反射体26の反射光D1によって効率よくワークに照射できる。
【0060】
また本実施形態の光硬化システム1によれば、斜入射反射面40から搬送方向Aの遠方に向かう光を斜入射反射面40の側に反射する対向反射面47を備える構成とした。
この構成によれば、対向反射面47による反射光D2nを、額縁エリア18の辺18Bのうち、第1反射体26に近い方の辺に、その内縁18Vの側から斜めに入射させ、当該辺18Bの裏側の光硬化性樹脂39を光硬化させることができる。
また、タッチパネルディスプレイ2に光が照射される範囲が対向反射面47によって短縮されるため、光硬化処理のタクト時間が短縮される。
【0061】
また本実施形態の光硬化システム1によれば、対向反射面47が、第1反射体26の下の搬送面3Aに光を反射する構成とした。
この構成により、第1反射体26による搬送面3Aの影が対向反射面47の反射光D2nの照射によって解消され、当該第1反射体26の直下でも光硬化が継続して行うことができる。さらに、搬送面3Aの影が打ち消されることで、搬送時におけるタッチパネルディスプレイ2の温度変化が抑えられる。
【0062】
また本実施形態の光硬化システム1によれば、側面反射面46が、斜入射反射面40から搬送面3Aの側方に向かう光を搬送面3Aの内側に向けて反射する構成とした。
この側面反射面46の反射光は、搬送方向Aに交差する方向からタッチパネルディスプレイ2に入射するため、額縁エリア18の辺18Aに、その内縁18Vの側から斜めに入射し、光硬化性樹脂39を光硬化させることができる。
【0063】
また本実施形態の光硬化システム1によれば、天面反射面45が斜入射反射面40から搬送面3Aの上方に向かう光を搬送面3Aの側に向けて反射する構成とした。
この天面反射面45の反射光D2mは、第1反射体26からみて搬送路3の遠方に進行してタッチパネルディスプレイ2に斜めに入射するため、額縁エリア18の辺18Bのうち、第1反射体26から遠い方の辺に、その内縁18Vの側から斜めに入射し、当該辺18Bの裏側の光硬化性樹脂39を光硬化させることができる。
【0064】
また本実施形態の照度計70によれば、入射角度制限板79の裏面に配置され、外周面80Bに入射した光を光取込部75に導光する導光体80を備え、入射角度制限板79の裏面79Aを、導光体80を中心に検出対象の光Qの入射角度θに応じた角度βで傾斜するテーパー面とした。
この構成によれば、入射角度θより小さな光Qは入射角度制限板79によって遮蔽され、入射角度θ以上の光Qのみが導光体80の側方の外周面80Bに到達し、当該導光体80から光取込部75に導光される。これにより、入射角度θ以上の光Qの光量のみを検出し計測できる。
【0065】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を例示したものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
【0066】
上述した実施形態において、第1反射体26の斜入射反射面40の形状は、平面に限らず、搬送面3Aへの配光、及び入射角度θに応じて適宜に変更可能である。
図14、及び
図15は、斜入射反射面40の変形例を示す図である。
例えば、
図14(A)に示すように、反射光D1の拡散角度が異なる複数(図示例では3つ)の平面の反射面140A、140B、140Cを斜入射反射面140が備えた第1反射体126としても良い。
また例えば、
図14(B)に示すように、放物面の斜入射反射面240を備えた第1反射体226としても良い。
また例えば、
図14(C)に示すように、楕円面の斜入射反射面340を備えた第1反射体326としても良い。
【0067】
また例えば、
図15(A)に示すように、長焦点楕円面の斜入射反射面440を備えた第1反射体426としても良い。斜入射反射面440の形状を長焦点楕円面とすることで、反射光D1の入射角度を所定の入射角度θに集中させることができる。ただし、照射面積が広くなるため、
図15(B)に示すように、対向反射面47を設け、反射光D1を折り返すように反射することが望ましい。
【0068】
上述した実施形態において、額縁エリア18は、一部が開いた環状であっても良い。また環状であれば矩形枠状に限定されるものではない。さらに、額縁エリア18の各辺18A、18Bが必ずしも繋がっている必要はない。
【0069】
上述した実施形態において、照射装置24の線状光源28、及び第1反射体26を搬送路3の搬送方向Aに直交させて配置した。しかしながら、これに限らず、
図16に示すように、線状光源28、及び第1反射体26を搬送方向Aに対して所定の角度γを持って斜めに傾けて配置しても良い。線状光源28、及び第1反射体26が搬送方向Aに対して傾くことで、額縁エリア18の裏側の光硬化性樹脂39への光照射を維持したまま、裏側への照射光量を1/cosγ程度増加させることができる。
また、照射装置24の線状光源28、及び第1反射体26を搬送路3の搬送方向Aに対して傾斜させる場合、
図16に示すように、一対の第2反射体27、27は、両者の間に、照射装置24を搬送方向Aに対して斜めに配置するスペースを形成するために、平面視台形状に形成されている。
【0070】
上述した実施形態において、光硬化システム1が硬化させる材料は、光硬化性の樹脂に限らず、光照射によって硬化する材料であれば任意の光硬化性材料を用いることができる。また光硬化性材料は紫外線によって硬化する材料に限らず、他の所定の波長の光によって硬化する材料を用いることができる。
【0071】
また本発明は、液晶ディスプレイとタッチパネルの貼り合せに用いられるシステムであり、液晶ディスプレイ自体の構造、及び製造方法、並びに、タッチパネル自体の構造、及び製造方法によって限定されるものではない。
また一般に、タッチパネルは、タッチ操作の検出原理の違いに基づき、投影型静電容量方式、抵抗膜方式、表面型静電容量方式、超音波方式、及び赤外線方式に分類され、それぞれ毎に構造が異なっているものの、本発明は、この構造の相違に限定されるものではない。
【0072】
また上述した実施形態において、水平、及び垂直等の方向、各種の数値、及び形状は、特段の断りがなされていない限り、これらの方向、及び数値の周辺の範囲、並びに近似の形状を意識的に除外するものではなく、同一の作用効果を奏し、また数値にあっては臨界的意義を逸脱しない限りにおいて、その周辺の範囲、並びに近似の形状(いわゆる、均等の範囲)を含むものである。