(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6437880
(24)【登録日】2018年11月22日
(45)【発行日】2018年12月12日
(54)【発明の名称】フィルムコンデンサ、連結型コンデンサ、インバータおよび電動車輌
(51)【国際特許分類】
H01G 4/32 20060101AFI20181203BHJP
H01G 4/252 20060101ALI20181203BHJP
H01G 4/228 20060101ALI20181203BHJP
H01G 2/02 20060101ALI20181203BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20181203BHJP
【FI】
H01G4/32 305B
H01G4/32 530
H01G4/252 C
H01G4/228 M
H01G2/02 101E
H02M7/48 Z
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-105550(P2015-105550)
(22)【出願日】2015年5月25日
(65)【公開番号】特開2016-219699(P2016-219699A)
(43)【公開日】2016年12月22日
【審査請求日】2017年10月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山崎 洋一
【審査官】
多田 幸司
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−303058(JP,A)
【文献】
特公昭35−016125(JP,B1)
【文献】
特開2005−093761(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/061213(WO,A1)
【文献】
特開2012−105541(JP,A)
【文献】
実開昭57−130421(JP,U)
【文献】
特公昭31−004577(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/32
H01G 2/02
H01G 4/228
H01G 4/252
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁材料からなる芯体に金属化フィルムを巻回してなる本体と、該本体の軸長方向の両端面にそれぞれ設けられた第1、第2端子電極とを具備するとともに、
前記芯体は、前記軸長方向に位置する第1端部、第2端部、および前記本体の径方向に位置する外周面を有するとともに、前記外周面に前記第1端部から前記軸長方向に延び、前記第2端部に達しない第1凹部が設けられており、
該第1凹部に前記第1端子電極と接続する第1アンカー部が設けられていることを特徴とするフィルムコンデンサ。
【請求項2】
前記第1アンカー部は、前記軸長方向に延びる溝状の前記第1凹部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフィルムコンデンサ。
【請求項3】
前記第1アンカー部は導電性材料からなり、前記金属化フィルムの電極膜に接続していることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルムコンデンサ。
【請求項4】
前記芯体の前記外周面に前記第2端部から前記軸長方向に延び、前記第1端部に達しないとともに前記第1凹部と離間した第2凹部が設けられており、
該第2凹部に前記第2端子電極と接続する第2アンカー部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
【請求項5】
前記芯体の前記第1端部の面には、前記第1アンカー部と接続する導電性材料からなる接続層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれかに記載のフィルムコンデンサ。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちいずれかに記載のフィルムコンデンサを、バスバーにより複数個接続してなることを特徴とする連結型コンデンサ。
【請求項7】
スイッチング素子により構成されるブリッジ回路と、該ブリッジ回路に接続された容量部とを備えているインバータであって、前記容量部が請求項1乃至5のうちいずれかに記載のフィルムコンデンサであることを特徴とするインバータ。
【請求項8】
スイッチング素子により構成されるブリッジ回路と、該ブリッジ回路に接続された容量部とを備えているインバータであって、前記容量部が請求項6に記載の連結型コンデンサ
であることを特徴とするインバータ。
【請求項9】
電源と、該電源に接続された請求項7または8に記載のインバータと、該インバータに接続されたモータと、該モータにより駆動する車輪と、を備えていることを特徴とする電動車輌。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムコンデンサ、連結型コンデンサ、インバータおよび電動車輌に関する。
【背景技術】
【0002】
フィルムコンデンサは、例えば、ポリプロピレン樹脂をフィルム化した誘電体フィルムと、この誘電体フィルムの表面に蒸着によって形成された電極膜とを有する金属化フィルムを、樹脂製の芯体に巻回してコンデンサ本体(以下、本体という)が構成されており、この本体の軸長方向の両端部には、メタリコンで形成された端子電極がそれぞれ設けられている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−138046号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のフィルムコンデンサでは、本体と端子電極との接合強度が未だ低いという問題があった。
【0005】
本発明は、本体と端子電極との接合強度を向上できるフィルムコンデンサ、連結型コンデンサ、インバータおよび電動車輌を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のフィルムコンデンサは、絶縁材料からなる芯体に金属化フィルムを巻回してなる本体と、該本体の前記芯体の軸長方向の両端面にそれぞれ設けられた第1、第2端子電極とを具備するとともに、
前記芯体は、前記軸長方向
に位置する第1端部、第2端部、および前記本体の径方向に位置する外周面を有するとともに、前記外周面に
前記第1端部から前記軸長方向に延び、前記第2端部に達しない第1凹部が設けられており、
該第1凹部に前記第1端子電極と接続する第1アンカー部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
本発明の連結型コンデンサは、上記のフィルムコンデンサを、バスバーにより複数個接続してなるものである。
【0008】
本発明のインバータは、スイッチング素子により構成されるブリッジ回路と、該ブリッジ回路に接続された容量部とを備えているインバータであって、前記容量部が上記のフィルムコンデンサまたは連結型コンデンサである。
【0009】
本発明の電動車輌は、電源と、該電源に接続された上記のインバータと、該インバータに接続されたモータと、該モータにより駆動する車輪と、を備えている。
【発明の効果】
【0010】
本発明のフィルムコンデンサによれば、芯体の
径方向の外周面に
、軸長方向に位置する第1端部から軸長方向に延び、第2端部に達しない第1凹部が設けられており、この
第1凹部に第1端子電極と接続する第1アンカー部が設けられているため、本体と端子電極との接合強度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】フィルムコンデンサの構成を模式的に示すもので、(a)は側面図、(b)は展開斜視図である。
【
図2】(a)はフィルムコンデンサの横断面図、(b)は芯体の軸長方向における一方側端部の外周面に第1アンカー部を有する状態を示す側面図、(c)は芯体の外周面の第1アンカー部と電極膜とが接続している状態を示す縦断面図である。
【
図3】芯体の端面に接続層を有する形態を示すもので、(a)は側面図、(b)は縦断面図である。
【
図4】芯体の両端部の外周面にアンカー部を有する形態を示すもので、(a)は側面図、(b)は縦断面図である。
【
図5】連結型コンデンサを模式的に示す斜視図である。
【
図6】インバータの構成を説明するための概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、フィルムコンデンサAの構成を示すもので、(a)は側面図、(b)は模式的に示す展開斜視図である。この
図1のフィルムコンデンサAは、誘電体フィルム1a、1bの主面にそれぞれ電極膜3a、3bを備えた2種類の金属化フィルム5a、5bを積層した状態で、絶縁材料からなる芯体6に巻回してなる本体9を具備している。芯体6の軸長方向Lにおける本体9の両端面には、それぞれ第1、第2端子電極11a、11bが設けられており、第1端子電極11aが電極膜3aに接続し、第2端子電極11bが電極膜3bに接続している。
【0013】
なお、
図1(b)は、理解を容易にするために、誘電体フィルム1a、1b、電極膜3a、3bの厚みを、手前ほど厚く記載している。また、
図1(b)では、第1、第2端子電極11a、11bの記載を省略した。
【0014】
誘電体フィルム1a上に、一部誘電体フィルム1aの露出部20aを形成するように電極膜3aを形成して金属化フィルム5aが構成され、誘電体フィルム1b上に、一部誘電体フィルム1bの露出部20bを形成するように電極膜3bを形成して金属化フィルム5bを構成し、これらを少し幅方向にずらして、
図1(b)に示すように芯体6に積層巻回されている。
【0015】
そして、金属化フィルム5a、5bを芯体6に積層巻回する際に、加圧され、
図2(c)に示すように、誘電体フィルム1a、1b間に隙間(露出部20a、20b)がある部分S1は、これらの誘電体フィルム1a、1b同士が接合して隙間を無くし、電極膜3a、3bの軸長方向Lの一方側が誘電体フィルム1a、1bで被覆され、電極膜3aと第2端子電極11bとが絶縁され、電極膜3bと第1端子電極11aとが絶縁されている。
【0016】
また、誘電体フィルム1a、1bと電極膜3a、3bとの間に隙間がある部分S2(金属化フィルム5a、5bの幅方向にずらした部分)は隙間が残存し、この隙間に第1、第2端子電極11a、11bを構成する材料が配されることにより、第1端子電極11aが電極膜3aに接続され、第2端子電極11bが電極膜3bに接続されている。
【0017】
そして、
図2に示すように、軸長方向Lにおける芯体6の一方側端部の外周面には、軸長方向Lに延びる第1アンカー部13が4本設けられ、これらの第1アンカー部13の軸長方向L側の端面は第1端子電極11aに接続している。
【0018】
図2(a)は、
図2(b)の2a−2a線に沿った断面図であり、
図2(c)においては、芯体6は側面で示し、芯体6の周囲は断面で示した図である。この
図2に示すように、芯体6は、例えば樹脂製で円柱状をしており、その軸長方向Lの端面は円形をなしている。なお、芯体6は、円筒状であっても良く、また、楕円柱状または楕円筒状であっても
良いことは勿論である。なお、
図2(c)の断面図では、電極膜3a、3bを合計で3層有するように金属化フィルム5a、5bを巻回しているが、4層以上であっても良いことは勿論である。
【0019】
第1アンカー部13は、芯体6の一方端部の外周面に所定間隔を置いて形成された、軸長方向Lに延びる4本の溝状の凹部7に、例えば、導電性材料である金属材料(合金を含む)を配置して構成されている。
【0020】
軸長方向Lに直交する方向における凹部7の断面は、
図2(a)に示すように、底部が凹曲面状であり、凹部7内の第1アンカー部13の断面形状は、凹部7の底面に対応した凸曲面状の内側面と、芯体6の外周面と連続する凸曲面状の外側面とで構成されている。凹部7の断面形状は特に限定されるものではないが、特に、外側面が、芯体6の外周面と連続する凸曲面状であることが、金属化フィルム5a、5bに応力が印加されにくいという点から望ましい。
【0021】
また、第1アンカー部13を、軸長方向Lに延びる溝状の凹部7に設けたが、凹部7は、軸長方向Lの長さよりも、芯体6の外周方向(軸長方向Lと直交する方向)の長さが長い凹部であっても良く、この場合、第1アンカー部13は凹部7形状に対応した形状となる。
【0022】
さらに、第1アンカー部13は、
図2(c)に示すように、金属化フィルム5aの電極膜3aに接続している。なお、4本の第1アンカー部13である必要はなく、第1アンカー部13は1本〜3本、5本以上であってもよく、さらに、芯体7の一方端部の外周面を取り巻くように全面に形成された環状体であっても良い。
【0023】
第1アンカー部13を構成する金属材料は、第1、第2端子電極11a、11bを構成する金属材料と同じであることが望ましい。第1、第2端子電極11a、11bは、例えば、亜鉛、アルミニウム、銅およびハンダから選ばれる1種の金属材料が好適である。
【0024】
次に、フィルムコンデンサAの製造方法について説明する。まず、例えば、誘電体フィルム1a、1bとなるポリアリレート系樹脂を用意する。ポリアリレート系樹脂をスラリ化するための溶媒として、例えば、シクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン、クロロホルムおよびテトラヒドロフランから選ばれる1種を用意する。
【0025】
誘電体フィルム1a、1bを形成する場合、例えば、基材としてPETフィルムを準備し、上記したポリアリレート系樹脂を特定の溶媒に溶解させてスラリ状に調製し、これをPETフィルム上に成膜し、乾燥工程を経て誘電体フィルム1a、1bを得る。なお、成膜には、ドクターブレード法、ダイコータ法およびナイフコータ法等から選ばれる一種の成形法を用いる。
【0026】
次に、得られた誘電体フィルム1a、1bの表面に亜鉛、アルミニウムなどの金属成分を蒸着することによって電極膜3a、3bを形成し、電極膜3a、3bを形成した誘電体フィルム1a、1bからなる金属化フィルム5a、5bを用意する。
【0027】
また、例えば、円柱状の樹脂製の芯体6を準備し、この芯体6の軸長方向Lの一方側端部に4本の凹部7を形成し、この凹部7内に、金属材料を蒸着して第1アンカー部13を形成する。この第1アンカー部13を有する芯体6に、金属化フィルム5a、5bを、
図1(b)に示すように巻回させて、フィルムコンデンサAの本体9を得る。
【0028】
次に、
図2(c)に示すように、本体9の電極膜3a、3bが露出した端面に第1、第
2端子電極11a、11bを形成する。第1、第2端子電極11a、11bの形成には、例えば、金属の溶射(メタリコン)、メッキ法などが好適である。次いで、第1、第2端子電極11a、11bを形成した本体9の表面を外装部材で囲うことによってフィルムコンデンサAを得ることができる。
【0029】
このようなフィルムコンデンサAでは、凹部7内に第1アンカー部13を有する芯体6の外周に金属化フィルム5a、5bを巻回してなる本体9の軸長方向Lの端面に、例えば、メタリコンからなる第1、第2端子電極11a、11bを形成することにより、電極膜3a、3bと第1、第2端子電極11a、11bとを接続するとともに、第1端子電極11aと第1アンカー部13とを接合し、第1端子電極11aと本体9(芯体6)との接合強度を向上できる。
【0030】
また、上記形態では、第1アンカー部13と電極膜3aとが接続しているため、従来のメタリコンからなる端子電極11aと電極膜3aとの電気的接続信頼性を向上できる。
【0031】
図3は、フィルムコンデンサAの他の形態を示すもので、この形態では、芯体6の軸長方向Lの一方側端面には、第1アンカー部13と接続する導電性材料からなる接続層15が設けられている。すなわち、芯体6の軸長方向Lの一方側端面には接続層15が設けられており、この接続層15は、第1アンカー部13の軸長方向Lの一方側端面を被覆し、接続している。
【0032】
この接続層15は、金属材料(合金を含む)の蒸着膜であり、接続層15を構成する金属材料は、第1アンカー部13を構成する金属材料と同じ、すなわち、第1、第2端子電極11a、11bの構成材料と同じであることが望ましい。
【0033】
このようなフィルムコンデンサAでは、メタリコンからなる端子電極11aは、樹脂からなる芯体6への接合力が低いため、予め芯体6の端面に蒸着で接続層15を形成しておき、この後の工程で、メタリコンからなる第1端子電極11aを、芯体6の一方側端面およびその近傍に形成することで、端子電極11aと本体6との接合強度を向上できる。
【0034】
なお、図示しなかったが、
図2、
図3の芯体6の一方側端面に軸長方向に凹部を形成し、この凹部内に蒸着で柱状導体を形成し、第1端子電極11a、もしくは接続層と接続するようにしても良い。言い換えれば、柱状導体を芯体6の一方側端面に埋設しても良い。この場合には、さらに、第1端子電極11aと本体9との接合強度を向上できる。
【0035】
図4は、フィルムコンデンサAのさらに他の形態を示すもので、この形態では、
図2に示すように、芯体6の軸長方向Lの一方側端部の外周面に、第1端子電極11aと接続する第1アンカー部13を具備するとともに、さらに、芯体6の軸長方向Lの他方側端部の外周面に、第2端子電極11bと接続する第2アンカー部17を具備している。第2アンカー部17は、電極膜3aに接続しないように、軸長方向Lの長さが短く調整されている。なお、第2アンカー部17の表面を絶縁膜で被覆し、電極膜3aとを絶縁しても良い。
【0036】
このようなフィルムコンデンサAでは、
図2のフィルムコンデンサAの効果に加え、さらに、メタリコンからなる端子電極11bと、第2アンカー部17とが接合し、端子電極11bと本体9との接合強度を向上できる。なお、この態様でも、
図3で示した接続層15を、第2アンカー部17と接続するように設けることができる。
【0037】
図5は、連結型コンデンサCの構成を模式的に示した斜視図である。
図5においては構成を分かりやすくするために、ケースならびにモールド用の樹脂を省略して記載している。本実施形態の連結型コンデンサCは、複数個のフィルムコンデンサAが一対のバスバー
21、23により並列接続された構成となっている。バスバー21、23は、外部接続用の端子部21a、23aとフィルムコンデンサAの端子電極11a、11bにそれぞれ接続される引出端子部21b、23bにより構成されている。
【0038】
連結型コンデンサCに上記したフィルムコンデンサAを適用すると、本体と端子電極との接合強度が高い連結型コンデンサCを得ることができる。
【0039】
なお、
図5に示した連結型コンデンサCは、フィルムコンデンサAの断面の長径の方向に配置したものであるが、この他に、フィルムコンデンサAを断面の短径の方向に積み上げた構造であっても同様の効果を得ることができる。
【0040】
図6は、インバータの構成を説明するための概略構成図である。
図6には、直流から交流を作り出すインバータDの例を示している。本実施形態のインバータDは、
図6に示すように、スイッチング素子(例えば、IGBT(Insulated gate Bipolar Transistor)
)とダイオードにより構成されるブリッジ回路31と、電圧安定化のためにブリッジ回路31の入力端子間に配置された容量部33とを備えた構成となっている。ここで、容量部33として上記のフィルムコンデンサAまたは連結型コンデンサCが適用される。
【0041】
なお、このインバータDは、直流電源の電圧を昇圧する昇圧回路35に接続されることになる。一方、ブリッジ回路31は駆動源となるモータジェネレータ(モータM)に接続されることになる。
【0042】
図7は、電動車輌を示す概略構成図である。
図7には、電動車輌Eとしてハイブリッド自動車(HEV)の例を示している。
【0043】
図7における符号41は駆動用のモータ、43はエンジン、45はトランスミッション、47はインバータ、49は電源(電池)、51a、51bは前輪および後輪である。
【0044】
この電動車輌Eは、駆動源としてモータ41またはエンジン43、もしくは両方の出力がトランスミッション45を介して左右一対の前輪51aに伝達される機能を主として備えており、電源49はインバータ47を介してモータ41に接続されている。
【0045】
また、
図7に示した電動車輌Eには、電動車輌E全体の統括的な制御を行う車輌ECU53が設けられている。車輌ECU53には、イグニッションキー55や図示しないアクセルペダル、ブレーキ等の電動車輌Eからの運転者等の操作に応じた駆動信号が入力される。この車輌ECU53は、その駆動信号に基づいて指示信号をエンジンECU57、電源49、および負荷としてのインバータ47に出力する。エンジンECU57は、指示信号に応答してエンジン43の回転数を制御し、電動車輌Eを駆動する。
【0046】
上記のフィルムコンデンサAまたは連結型コンデンサCを容量部33として適用したインバータDを、例えば、
図7に示すような電動車輌Eのインバータ47として用いると、フィルムコンデンサAまたは連結型コンデンサCが、接続信頼性の高いものであるため、電動車輌Eに搭載されたECUなどの制御装置の電流制御をより安定したものにすることができる。
【0047】
なお、本実施形態のインバータDは、上記のハイブリッド自動車(HEV)のみならず、電気自動車(EV)や燃料電池車、あるいは電動自転車、発電機、太陽電池など種々の電力変換応用製品に適用できる。
【符号の説明】
【0048】
1a、1b・・誘電体フィルム
3a、3b・・電極膜
5a、5b・・金属化フィルム
6・・・芯体
7・・・凹部
9・・・本体
11a・・・第1端子電極
11b・・・第2端子電極
13・・・第1アンカー部
15・・・接続層
17・・・第2アンカー部
L・・・軸長方向