特許第6437890号(P6437890)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ グリー株式会社の特許一覧

特許6437890プログラム、サーバ装置、及びゲーム制御方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6437890
(24)【登録日】2018年11月22日
(45)【発行日】2018年12月12日
(54)【発明の名称】プログラム、サーバ装置、及びゲーム制御方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/847 20140101AFI20181203BHJP
   A63F 13/48 20140101ALI20181203BHJP
   A63F 13/822 20140101ALI20181203BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20181203BHJP
【FI】
   A63F13/847
   A63F13/48
   A63F13/822
   G06F13/00 353C
【請求項の数】12
【全頁数】46
(21)【出願番号】特願2015-130310(P2015-130310)
(22)【出願日】2015年6月29日
(62)【分割の表示】特願2014-531024(P2014-531024)の分割
【原出願日】2013年12月20日
(65)【公開番号】特開2015-226792(P2015-226792A)
(43)【公開日】2015年12月17日
【審査請求日】2016年10月20日
【審判番号】不服2017-11714(P2017-11714/J1)
【審判請求日】2017年8月4日
(31)【優先権主張番号】特願2012-280120(P2012-280120)
(32)【優先日】2012年12月21日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2012-280132(P2012-280132)
(32)【優先日】2012年12月21日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2012-280139(P2012-280139)
(32)【優先日】2012年12月21日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2013-15924(P2013-15924)
(32)【優先日】2013年1月30日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2013-15930(P2013-15930)
(32)【優先日】2013年1月30日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100164471
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 大和
(74)【代理人】
【識別番号】100195534
【弁理士】
【氏名又は名称】内海 一成
(72)【発明者】
【氏名】ゴールド・ロバート・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 亮
(72)【発明者】
【氏名】福田 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】古賀 雄一
【合議体】
【審判長】 尾崎 淳史
【審判官】 藤本 義仁
【審判官】 吉村 尚
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−5306(JP,A)
【文献】 特開2011−182818(JP,A)
【文献】 特開2012−182744(JP,A)
【文献】 特表2012−525659(JP,A)
【文献】 特表2012−528411(JP,A)
【文献】 特開2009−201854(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24,13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の携帯端末にゲームを提供するサーバ装置に、
前記ゲームにおける対戦に参加するための第1の要求を前記サーバ装置に対して送信した複数の第1の携帯端末との接続をウェブソケットの通信規格に従ってそれぞれ確立し、前記第1の要求を前記対戦の開始後に前記サーバ装置に対して送信した携帯端末との接続を確立しない第1ステップと、
前記対戦を指定した応援に参加するための第2の要求を前記サーバ装置に対して送信した複数の第2の携帯端末との接続をウェブソケットの通信規格に従ってそれぞれ確立し、前記第2の要求を前記対戦の開始後に前記サーバ装置に対して送信した携帯端末とも接続を確立する第2ステップと、
前記第1ステップにおいて前記対戦の開始までの所定期間内に接続を確立した全ての第1の携帯端末の各ユーザを、前記対戦が行われる間の一時的な1つのグループとして前記対戦に参加させる第3ステップと、
前記対戦に参加しているいずれかのユーザの第1の携帯端末からイベント情報を受信した場合に、当該イベント情報を、ウェブソケットの通信規格に従って、前記対戦に参加している他のユーザの第1の携帯端末に送信する第4ステップと
を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記イベント情報は、前記ユーザの操作を示すアクション情報と、所定の期間を示す期間情報とを含み、
前記第4ステップは、前記イベント情報を当該イベント情報に含まれる期間情報が示す期間内に、前記他のユーザの第1の携帯端末に送信するステップを含む、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記複数の第1の携帯端末のうちの少なくとも2つの第1の携帯端末それぞれから前記ユーザの操作に応じたイベント情報を受信した場合に、当該イベント情報それぞれを受け付けたイベント情報受付時間が所定の期間内にあるか否かを判定するステップと、
前記判定の結果、前記イベント情報受付時間が前記所定の期間内にある場合、連続攻撃を前記対戦における敵に加えるステップとをさらに含む、請求項1記載のプログラム。
【請求項4】
前記対戦における敵に関連付けられた、前記対戦を行うときの優劣関係が巡回的に定められた複数の属性のうちのいずれかの属性を示す属性情報を含む敵属性データと、前記対戦に参加しているいずれかのユーザの第1の携帯端末に関連付けられた、前記複数のうちのいずれかの属性を示す属性情報を含む端末属性データとに基づいて、前記対戦を制御するステップをさらに含む、請求項1記載のプログラム。
【請求項5】
記第2の要求を受付けた数に関連付けられた第1のインセンティブを当該対戦に参加したユーザに付与するステッ
さらに含む、請求項1記載のプログラム。
【請求項6】
続を確立した前記第2の携帯端末が送信したイベント情報を受付けるステップと、
前記イベント情報を受け付けた数に基づくパラメータが所定の条件を満たしている場合、当該対戦に参加したユーザに対して第2のインセンティブを付与するステップをさらに含む、請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記対戦の実行期間中、当該対戦の制限時間から所定時間前になっても前記パラメータが目標値より少ない場合に、前記イベント情報の送信を促すメッセージを前記第2の携帯端末に送信するステップをさらに含む、請求項6記載のプログラム。
【請求項8】
前記対戦の終了時に、当該対戦に参加したユーザに対して、当該対戦に参加したユーザの数に応じた第3のインセンティブを付与するステップをさらに含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記第1ステップは、
前記対戦の参加募集期間中、前記複数の携帯端末それぞれから前記第1の要求を受信するステップと、
当該第1の要求の送信元の携帯端末のユーザのレベルが、前記対戦に参加しているユーザ数に応じたレベルよりも高い場合には、前記送信元の携帯端末との接続を確立するステップとを含む、請求項8記載のプログラム。
【請求項10】
前記複数の第1の携帯端末のうちのいずれかの第1の携帯端末から前記ユーザの操作に応じたイベント情報を受信したことを示すログ情報に基づいて、前記第3のインセンティブを当該第1の携帯端末に送信するステップをさらに含む、請求項9記載のプログラム。
【請求項11】
複数の携帯端末にゲームを提供するサーバ装置であって、
前記ゲームにおける対戦に参加するための第1の要求を前記サーバ装置に対して送信した複数の第1の携帯端末との接続をウェブソケットの通信規格に従ってそれぞれ確立し、前記第1の要求を前記対戦の開始後に前記サーバ装置に対して送信した携帯端末との接続を確立しない第1手段と、
前記対戦を指定した応援に参加するための第2の要求を前記サーバ装置に対して送信した複数の第2の携帯端末との接続をウェブソケットの通信規格に従ってそれぞれ確立し、前記第2の要求を前記対戦の開始後に前記サーバ装置に対して送信した携帯端末とも接続を確立する第2手段と、
前記第1手段において前記対戦の開始までの所定期間内に接続を確立した全ての第1の携帯端末の各ユーザを、前記対戦が行われる間の一時的な1つのグループとして前記対戦に参加させる第3手段と、
前記対戦に参加しているいずれかのユーザの第1の携帯端末からイベント情報を受信した場合に、当該イベント情報を、ウェブソケットの通信規格に従って、前記対戦に参加している他のユーザの第1の携帯端末に送信する第4手段と
を備える、サーバ装置。
【請求項12】
複数の携帯端末にゲームを提供するサーバ装置に実行させるゲーム制御方法であって、
前記ゲームにおける対戦に参加するための第1の要求を前記サーバ装置に対して送信した複数の第1の携帯端末との接続をウェブソケットの通信規格に従ってそれぞれ確立し、前記第1の要求を前記対戦の開始後に前記サーバ装置に対して送信した携帯端末との接続を確立しない第1ステップと、
前記対戦を指定した応援に参加するための第2の要求を前記サーバ装置に対して送信した複数の第2の携帯端末との接続をウェブソケットの通信規格に従ってそれぞれ確立し、前記第2の要求を前記対戦の開始後に前記サーバ装置に対して送信した携帯端末とも接続を確立する第2ステップと、
前記第1ステップにおいて前記対戦の開始までの所定期間内に接続を確立した全ての第1の携帯端末の各ユーザを、前記対戦が行われる間の一時的な1つのグループとして前記対戦に参加させる第3ステップと、
前記対戦に参加しているいずれかのユーザの第1の携帯端末からイベント情報を受信した場合に、当該イベント情報を、ウェブソケットの通信規格に従って、前記対戦に参加している他のユーザの第1の携帯端末に送信する第4ステップと
を含む、ゲーム制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、サーバ装置、及びゲーム制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ゲーム業界では、複数のユーザが参加可能なソーシャルアプリケーションを用いたゲームが普及してきている。この種のソーシャルアプリケーションは、端末にダウンロードされ、当該端末にインストールされて利用されるネイティブアプリケーションと、ウェブサーバ上で動作し、端末のウェブブラウザに利用されるウェブアプリケーションとに大別できる。
【0003】
ネイティブアプリケーションは、スマートフォンのiPhone(登録商標)端末やAndroid(登録商標)端末といった端末のOSに依存するアプリケーションである。例えば、サーバ装置は、Objective-Cを搭載したiPhoneアプリケーション、又はJava(登録商標)を搭載したAndroidアプリケーション等のネイティブアプリケーションをプラットフォームから各端末に配信している。ユーザは、プラットフォームから端末に配信されたネイティブアプリケーション(例:RPG(role playing game)、バトル、恋愛等のゲームを含む)を楽しんでいる。
【0004】
但し、ネイティブアプリケーションは、iPhone端末に対応したプログラミング言語「Objective-C」と、Android端末に対応したプログラミング言語「Java」との2種類で開発する必要がある。このため、ネイティブアプリケーションは、端末のプラットフォーム特有の言語を使ったコーディング処理を介した後に、公式のマーケットプレイスを通して公開する必要がある。
【0005】
一方、ウェブアプリケーションは、両プラットフォームに向けてHTML5(Hyper Text Markup Language 5)、JavaScript(登録商標)、CSS3(Cascading Style Sheets 3)等の言語をベースにしたクロス開発が可能であり、公開に当たって公式のマーケットプレイスを通す必要がない。また、ウェブアプリケーションは、端末のOSに依存しない。
【0006】
ここで、JavaScriptとは、オブジェクト指向スクリプト言語である。主にウェブブラウザなどのクライアントサイドで実装され、動的なウェブサイトの構築や、RIA(rich Internet application)などの高度なユーザインタフェースの開発に用いられる。JavaScriptはプロトタイプベースのオブジェクト指向プログラミング言語である。
【0007】
JavaScriptは、多くの場合、C言語に似た手続き型言語のようなスタイルで書かれるが、第一級関数をサポートしている(関数を第一級オブジェクトとして扱える)など、関数型言語の性質も持ち合わせるように設計されている。JavaScriptは、そのような柔軟な設計から、いくつかのアプリケーションではマクロ言語としても採用されている。また、マークアップ言語(例:HTML(hypertext markup language)、PHP(PHP: Hypertext Preprocessor))での通信方式は、リクエスト&レスポンス方式を採用している。
【0008】
リクエスト&レスポンス方式では、ユーザによるクライアント装置の操作に応じて、クライアント装置からサーバ装置にリクエストが送信され、サーバ装置からクライアント端末にレスポンスが返信される。また、リクエスト&レスポンス方式では、サービスに応じてシステムを動的に形成する際に、サービス実行に必要な機能群を待機させ、状況に応じて機能群を選択してサービスを実行する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
図29はリクエスト&レスポンス方式を用いたバトルゲームを提供するゲームシステムの構成を示す模式図である。この種のバトルゲームとしては、携帯端末のユーザの操作により敵とのバトルを行うゲームであればよく、ここでは、敵であるレイドボスとのバトルを行うレイドバトルゲームを例に挙げて述べる。このレイドバトルゲームでは、通常のボス(boss)よりも強いレイドボス(raid boss)をサーバ装置Svが仮想空間に出現させる。なお、「強い」とは、例えば、HP(体力)が高いことや、攻撃によるダメージを受けにくいことを意味する。第1〜第3ユーザは、iPhone端末又はAndroid端末といった第1〜第3クライアント装置CL1〜CL3のタッチパネルを連続的にタップする等の操作により、このレイドボスとバトル(battle)する。例えば、制限時間内にレイドボスを退治できた場合にはユーザの勝ちであり、他の場合にはユーザの負けである。
【0010】
具体的には、サーバ装置Svは、バトル開始時から制限時間までの間、経過時間を計測する。各クライアント装置CL1〜CL3は、各ユーザの操作に応じたリクエストをサーバ装置Svに送信する。サーバ装置Svは、リクエストに応じてレイドボスのHPを減少させる処理やレイドボスが防御する処理などを実行し、処理結果をレスポンスとして各クライアント装置CL1〜CL3に返信する。
【0011】
しかしながら、各クライアント装置CL1〜CL3から大量のリクエストがサーバ装置Svに送信されると、サーバ装置Svに著しく処理負荷がかかる。このため、リクエスト&レスポンス方式では、サーバ装置Svと接続できるクライアント装置CL1〜CL2の数を制限し、他のクライアント装置CL3を強制的にロックする通信方式を用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2004−70845号公報(段落0015−0017、要約書 )
【発明の概要】
【0013】
一方、以上のような通信方式では、ロックされたクライアント装置CL3は、サーバ装置Svからロックが解除された後でなければ、正常な処理を実行できないという不都合がある。
【0014】
また、リクエスト&レスポンス方式では、サーバ装置Svとクライアント装置CL1〜CL3間でマークアップ言語を送受信する場合、サーバ装置Svとクライアント装置CL1〜CL3間で複数ページに渡るヘッダ情報を送受信する必要がある。これにより、通信毎にヘッダ情報がサーバ装置Svに蓄積されるため、サーバ装置Svと接続できるクライアント装置CL1〜CL2の数が制限されている。
【0015】
本発明は上記実情を考慮してなされたもので、クライアント装置の数を制限せずに、複数のクライアント装置をウェブサーバ装置に接続でき、バトルゲームを実現し得るプログラム、サーバ装置、及びゲーム制御方法を提供することを目的とする。
【0016】
本発明の第1の観点は、複数の携帯端末にゲームを提供するサーバ装置に、前記ゲームの一部を構成する対戦に参加するための第1の要求を前記サーバ装置に対して送信した複数の第1の携帯端末との接続をウェブソケットの通信規格に従ってそれぞれ確立し、前記第1の要求を前記対戦の開始後に前記サーバ装置に対して送信した携帯端末との接続を確立しない第1ステップと、前記対戦を指定した応援に参加するための第2の要求を前記サーバ装置に対して送信した複数の第2の携帯端末との接続をウェブソケットの通信規格に従ってそれぞれ確立し、前記第2の要求を前記対戦の開始後に前記サーバ装置に対して送信した携帯端末とも接続を確立する第2ステップと、前記第1ステップにおいて前記対戦の開始までの所定期間内に接続を確立した全ての第1の携帯端末の各ユーザを、前記対戦が行われる間の一時的な1つのグループとして前記対戦に参加させる第3ステップと、前記対戦に参加しているいずれかのユーザの第1の携帯端末から対戦中のイベント情報を受信した場合に、当該イベント情報を、ウェブソケットの通信規格に従って、前記対戦に参加している他のユーザの第1の携帯端末に送信する第4ステップとを実行させるプログラムである。
【0017】
本発明によれば、クライアント装置の数を制限せずに、複数のクライアント装置をサーバ装置に接続でき、バトルゲームを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1の実施形態に係るゲーム制御方法が適用されたゲームシステム及びその周辺構成の一例を示す模式図である。
図2】同第1の実施形態におけるウェブサーバ装置の機能ブロック構成の一例を示す模式図である。
図3】同第1の実施形態における携帯端末の機能ブロック構成の一例を示す模式図である。
図4】同第1の実施形態におけるウェブサーバ装置と携帯端末間の接続アーキテクチャの概念を示す模式図である。
図5】同第1の実施形態における動作を説明するためのシーケンス図である。
図6】同第1の実施形態における動作を説明するための模式図である。
図7】同第1の実施形態における動作を説明するための模式図である。
図8】同第1の実施形態における動作を説明するための模式図である。
図9】同第1の実施形態における動作を説明するための模式図である。
図10】同第1の実施形態における動作を説明するための模式図である。
図11】第2の実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。
図12】同第2の実施形態におけるログ情報の一例を示す模式図である。
図13】同第3の実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。
図14】同第3の実施形態におけるレイドボス属性データの一例を示す模式図である。
図15】同第3の実施形態における属性の優劣関係の一例を説明するための模式図である。
図16】同第3の実施形態における属性のHPの一例を説明するための模式図である。
図17】同第3の実施形態における端末属性データの一例を示す模式図である。
図18】同第4の実施形態に係るゲーム制御方法が適用されたゲームシステム及びその周辺構成の一例を示す模式図である。
図19】同第4の実施形態における携帯端末の用途の一例を示す模式図である。
図20】同第4の実施形態における応援データの一例を示す模式図である。
図21】同第4の実施形態におけるログ情報の一例を示す模式図である。
図22】同第4の実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。
図23】同第4の実施形態における動作の一例を説明するためのフローチャートである。
図24】同第4の実施形態における動作の一例を説明するためのフローチャートである。
図25】同第5の実施形態におけるギャザリングデータの一例を示す模式図である。
図26】同第5の実施形態におけるログ情報の一例を示す模式図である。
図27】同第5の実施形態における動作を説明するためのフローチャートである。
図28】同第5の実施形態における動作の一例を説明するためのフローチャートである。
図29】一般的なリクエスト&レスポンス方式を用いたバトルゲームを提供するゲームシステムの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1の実施の形態>
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、以下の各装置は、それぞれハードウェア構成、又はハードウェア資源とソフトウェアとの組合せ構成のいずれでも実施可能となっている。組合せ構成のソフトウェアとしては、予めネットワーク又は情報記録媒体から各装置のコンピュータにインストールされ、対応する装置の機能を実現させるためのプログラムが用いられる。
【0020】
図1は本発明の第1の実施の形態に係るゲーム制御方法が適用されたゲームシステムの構成例を示す模式図である。インターネットなどを含むネットワーク1に対し、ウェブサーバ装置2が接続されると共に、本システムでユーザが使用するクライアント装置となる、複数、例えば3台の携帯端末4A〜4Cが、無線LANのアクセスポイント(AP)5、あるいは基地局6を介して接続される。
【0021】
ウェブサーバ装置2は、バトルゲームを実現するためのゲーム制御プログラム及びイベント情報を携帯端末4A〜4Cに提供するコンピュータである。このウェブサーバ装置2は、例えばSNS(Social Networking Service)を運営する企業が、サービスの一環としてオンラインゲームのサービスを提供するべく設置するものであり、ネットワーク1に接続される。
【0022】
一方、クライアント側の携帯端末4A〜4Cは、それぞれスマートフォン、フィーチャー・フォンなどを含み、例えば、Android又はiOSなどのOS(Operating System)上で動作する携帯電話であっても良いし、さらにはノートブック型のパーソナルコンピュータ、モバイルコンピュータなどであっても良い。以下の実施形態では、説明を簡略化するために、携帯端末4A〜4Cはいずれもタッチパネルを有するスマートフォンであるものとして説明する。
【0023】
携帯端末4A〜4Cは、上記基地局6を介してのネットワーク1との接続に加えて、例えばIEEE802.11a/b/g/n規格の無線LAN(Local Area Network)であるWi−Fi(登録商標)を優先的に選択可能として、上記アクセスポイント5と相互接続が可能であるものとする。
【0024】
また、携帯端末4A〜4Cは、例えば、近距離無線通信規格であるBluetooth(登録商標)技術により相互に無線接続が可能となっている。
【0025】
携帯端末4A〜4Cとしては、その機種固有のハードウェア構成、採用しているOS、インストールされているアプリケーション等が多岐にわたるものとし、ウェブサーバ装置2はそれら多様な携帯端末4A〜4Cに対応した各種アプリケーションプログラムをそれぞれに配信可能であるものとする。
【0026】
上記ウェブサーバ装置2と携帯端末4A〜4Cそれぞれの機能ブロック構成について図2及び図3を参照して述べる。
【0027】
ウェブサーバ装置2は、図2に示すように、記憶装置21、メモリ22、プロセッサ23及び通信部24を備えている。
【0028】
記憶装置21は、バトルゲームを実現するためのゲーム制御プログラムp_s3等を記憶するものであり、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、光ディスクドライブ、DVD、MOなどの大容量記憶装置である。この記憶装置21には、OS(オペレーティングシステム)p_s0、サーバ側JS実行環境プログラムp_s1、A社フレームワークプログラムp_s2及びゲーム制御プログラムp_s3が記憶されている。
【0029】
OS p_s0、は、ウェブサーバ装置2の基本的な機能を実現するためのプログラムで
ある。
【0030】
サーバ側JS実行環境プログラムp_s1は、プロセッサ23により実行され、後述するサーバ側JS実行環境S1を実現するためのプログラムである。
【0031】
A社フレームワークプログラムp_s2は、プロセッサ23により実行され、後述するA社フレームワークS2を実現するためのプログラムである。
【0032】
ゲーム制御プログラムp_s3は、プロセッサ23により実行され、本発明の実施の形態に係るバトルゲームを実現するためのプログラムである。補足すると、ゲーム制御プログラムp_s3は、複数の携帯端末4A〜4Cが敵をそれぞれ表示し、各携帯端末4A〜4Cのユーザの操作により敵とのバトルを行うバトルゲームを当該各携帯端末に実行させるためのプログラムである。
【0033】
ここで、敵は、例えば、イベント情報によるアタック(攻撃)を受けるレイドボスとしてもよく、バトルゲームは、当該レイドボスとバトルを行うレイドバトルゲームとしてもよい。以下の説明では、敵がレイドボスであり、バトルゲームがレイドバトルゲームである場合を例に挙げて述べる。この場合、レイドバトルゲームは、例えば、バトル開始時から制限時間内にレイドボスを退治できるか否かで勝敗が決まる方式や、制限時間なしにレイドボスを退治できるか否かで勝敗が決まる方式のいずれでも実施可能である。バトル開始時は、レイドバトルゲーム開始時又はレイドボス出現時のいずれでもよい。また、「退治」とは、HP(体力)値をゼロにする方式、ダメージ値を目標値まで蓄積する方式、又は所定の弱点を攻撃する方式のいずれでも実施可能である。なお、レイドボスの設定(例、応戦する/応戦しない、HP値、ダメージ値の目標値、所定の弱点など)は、レイドバトルゲームの方式等に応じて若干変わるが、通常のボスよりも強い(=退治しにくい)ボスであることに変わりはない。
【0034】
また、ゲーム制御プログラムp_s3は、レイドバトルゲームの様々な方式に基づくゲーム機能の他に、以下の機能(f1)〜(f3)をプロセッサ23に実現させるためのプログラムを含んでいる。
【0035】
(f1) 各携帯端末4A〜4Cからハンドシェイク要求を受けると、当該各携帯端末4A〜4Cとの接続を確立してハンドシェイク応答を返信し、各携帯端末4A〜4Cにバトルを開始させる接続確立機能。
【0036】
(f2) 各携帯端末4A〜4Cのうちのいずれかの携帯端末(例、4A)からユーザの操作に応じたイベント情報を受けると、当該イベント情報をウェブソケットの通信規格に従って当該いずれかの携帯端末(例、4A)以外の他の携帯端末(例、4B,4C)に送信するウェブソケット通信機能。
【0037】
ここで、当該イベント情報は、ユーザの操作を示すアクション情報と、当該操作された時点から所定の期間を示す期間情報とを含んでもよい。また、当該ウェブソケット通信機能(f2)においては、プロセッサ23が、イベント情報を当該イベント情報に含まれる期間情報が示す期間内に他の携帯端末(例、4B,4C)に送信するものとしてもよい。
【0038】
(f3) イベント情報又は制限時間に基づいてバトルを終了させると、各携帯端末4A〜4Cとの接続を切断する接続切断機能。
【0039】
メモリ22は、ゲーム制御プログラムp_s3等を実行する際に必要とされるワークエリアなどとして使用される。
【0040】
プロセッサ23は、記憶装置21に記憶されたゲーム制御プログラムp_s3と協働して、本発明の実施の形態に係るバトルゲームを行なう他、ウェブサーバ装置2全体の制御を司るものである。
【0041】
通信部24は、ネットワーク1を介した携帯端末4A〜4Cなどの外部装置との通信の制御を司る。
【0042】
各携帯端末4A〜4Cの機能ブロック構成は、互いに同一のため、ここでは携帯端末4Aの機能ブロック構成を代表例に挙げて述べる。
【0043】
携帯端末4Aは、図3に示すように、記憶装置41A、メモリ42A、プロセッサ43A、通信部44A、電子コンパス45A、カメラ46A、表示部47A及びタッチパネル48Aを備えている。各部41A〜48Aの説明は、符号の末尾AをB又はCに読み替えることにより、他の携帯端末4Bの各部41B〜48Bの説明又は他の携帯端末4Cの各部41C〜48Cの説明として読み替え可能となっている。
【0044】
記憶装置41Aは、バトルゲームを実現するためのクライアントサイドのゲーム制御プログラムp_c4等を記憶するものであり、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)などの大容量記憶装置である。この記憶装置41Aには、OS(オペレーティングシステム)p_c0、アプリケーション実行環境プログラムp_c1、A社DB接続キットプログラムp_c2、A社フレームワークプログラムp_c3及びゲーム制御プログラムp_c4が記憶されている。
【0045】
OS p_c0は、携帯端末4Aの基本的な機能を実現するためのプログラムである。
【0046】
アプリケーション実行環境プログラムp_c1は、プロセッサ43Aにより実行され、後述するアプリケーション実行環境C1を実現するためのプログラムである。
【0047】
A社DB接続キットプログラムp_c2は、プロセッサ43Aにより実行され、後述するA社DB接続キットC2を実現するためのプログラムである。
【0048】
A社フレームワークプログラムp_c3は、プロセッサ43Aにより実行され、後述するA社フレームワークC3を実現するためのプログラムである。
【0049】
ゲーム制御プログラムp_c4は、プロセッサ43Aにより実行され、本発明の実施の形態に係るバトルゲームのクライアント側の処理を制御するプログラムである。
【0050】
メモリ42Aは、クライアントサイドのゲーム制御プログラムp_c4を実行する際に必要とされるワークエリアなどとして使用される。
【0051】
プロセッサ43Aは、記憶装置41Aに記憶されたゲーム制御プログラムp_c4と協働して、本発明の実施の形態に係るバトルゲームを行なう他、携帯端末4A全体の制御を司るものである。
【0052】
通信部44Aは、ネットワーク1を介したウェブサーバ装置2などの外部装置との通信の制御を司る。また、通信部43は、無線LAN、ブルートゥース(登録商標)、WiFiなどの無線通信機能をも有する。
【0053】
電子コンパス45Aは、地磁気センサを有し、方位を測定する。
【0054】
カメラ46Aは、撮像機能を有し、撮像した画像を記憶装置41Aに格納する。
【0055】
表示部47Aは、タッチパネル48Aが取り付けられたディスプレイ装置である。
【0056】
タッチパネル48Aは、ユーザの操作に応じて、操作データを入力する機能をもっている。
【0057】
上記ウェブサーバ装置2と携帯端末4A〜4Cそれぞれの機能ブロック構成に対応する電子回路のハードウェア構成自体は、きわめて一般的で周知であるものとして、その記載及び説明を省略する。
【0058】
図4は、本実施形態に係るウェブサーバ装置2と携帯端末4A〜4C間の接続アーキテクチャの概念を示す模式図である。同図に示すように、A社が提供するオンラインのゲームプログラム又はアプリケーションプログラムを実行するに当たり、携帯端末4A〜4Cには、例えばAIR(登録商標)などで記述された、当該ゲームプログラム又はアプリケーションプログラムのためのアプリケーション実行環境C1が実装されると共に、当該A社のデータベースに接続して課金処理等を行うためのA社データベース接続キットC2が組込まれる。
【0059】
これと共に、携帯端末4A〜4Cがウェブサーバ装置2との通信を行う部分に関しては、A社が開発した(ソフトウェア)クライアントサイドのフレームワークC3がインストールされる。
【0060】
一方のウェブサーバ装置2では、オンラインゲーム及びアプリケーションを実行するための、例えばNode.js(登録商標)で記述されたサーバ側JavaScript(登録商標)実行環境S1が設けられると共に、携帯端末4A〜4Cとの通信を行う部分には、上記フレームワークC3と対応するA社(ソフトウェア)サーバサイドのフレームワークS2が設けられる。
【0061】
携帯端末4A〜4CのフレームワークC3と、ウェブサーバ装置2のフレームワークS2との間では、HTML5に関連した規格であるウェブソケット(WebSocket)を基盤としてアイテムの情報等が送受される。
【0062】
ウェブソケットによれば、サーバクライアント間でHTTP(hypertext transfer protocol)を使用して1回ハンドシェイクを行い、サーバクライアント間で接続が確立すると、HTTP(リクエスト&レスポンス方式)を使用せずに、ウェブソケット専用のプロトコルで双方向通信が実行される。ウェブソケットによる双方向通信は、長時間の接続を前提としており、サーバ又はクライアントにより切断されるまで継続して実行される。また、ウェブソケットによる通信は、HTTP通信よりもヘッダ情報及び処理負荷(オーバーヘッド)が小さい利点もある。さらに、ウェブソケットによる通信は、接続状態にある全ての装置が同じデータをリアルタイムで送受信して共有できる利点もある。また、ウェブソケットでは、クライアント側とサーバ側のいずれからでも送信が可能であり、例えば、サーバ側からクライアント側にデータをプッシュ配信することが可能である。
【0063】
このように、ウェブソケットによれば、処理負荷が小さいリアルタイム通信を実現できるので、従来とは異なり、クライアント装置の数を制限せずに、複数のクライアント装置をサーバ装置に接続でき、バトルゲームを実現できる。
【0064】
上記フレームワークC3、S2は、OSに依存しないスクリプト言語として、例えばJavaScriptを用いて記述されている。そのため、携帯端末4A〜4CのOSがAndroid及びiOSなどのいずれのOSであっても同一接続環境を構築できる。
【0065】
次に、以上のように構成されたゲームシステムの動作について図5のシーケンス図及び図6乃至図10の模式図を用いて説明する。なお、以下の説明では、ウェブサーバ装置2には、予め図2に示した各プログラムp_s1〜p_s3がインストールされているものとする。同様に、各携帯端末4A〜4Cには、最初にA社からサービス提供を受けた際に、図3に示した各プログラムp_c1〜p_c4がインストールされたものとする。また、以下の説明では、記載を簡潔にする観点から、送受信に通信部24、44A〜44Cを介在させている旨の記載を省略する。
【0066】
始めに、ウェブサーバ装置2では、各携帯端末4A〜4Cからハンドシェイク要求を受けると、当該各携帯端末4A〜4Cとの接続を確立してハンドシェイク応答を返信し、各携帯端末4A〜4Cにバトルを開始させる(時刻t0;接続確立工程)。例えば、ウェブサーバ装置2では、ほぼ同時刻にハンドシェイク要求を受け付けた各携帯端末4A〜4Cを1つのグループとしてレイドバトルゲームに参加させるものとする。
【0067】
次に、例えば携帯端末4Aでは、ユーザがタッチパネル48Aに対し、レイドボスのHP(体力)を「−10」させる攻撃に相当するタップ操作を行った場合、図5及び図6に示すように、プロセッサ43Aが、当該タップ操作を示すアクション情報actAと、当該タップ操作された時点(t11)から所定の期間1(=t11〜t19)を示す期間情報とを含むイベント情報ivAを作成する(時刻t11)。なお、期間1の値“1”としては、例えば、タップ操作された時点t11から+1ずつカウントアップしてt19に至るまでの間の十の位を示す値“1”が使用可能となっている。これは他の期間の値も同様である。また、カウントアップの時間間隔は任意であるが、リアルタイムでゲーム上の処理を実行する観点から、短い方が好ましい。
【0068】
また、携帯端末4Aでは、プロセッサ43Aが、このイベント情報ivAによるアタックをレイドボスに加え、このイベント情報ivAに応じたゲーム上の処理(レイドボスのHPを−10させる処理)を実行すると共に、このイベント情報ivAを含むリクエストをウェブサーバ装置2に送信する。なお、レイドボスのHPを−10させる処理は、アタックによりレイドボスがダメージを受けることに相当する。このことは、以下の説明でも同様である。
【0069】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、図5及び図7に示すように、このイベント情報ivAをウェブソケットの通信規格に従って他の携帯端末4B、4Cに送信する(時刻t12;ウェブソケット通信工程)。このとき、プロセッサ23は、プッシュ動作により、イベント情報ivAを当該イベント情報ivAに含まれる期間情報が示す期間内に他の携帯端末4B、4Cに送信する。
【0070】
他の携帯端末4B、4Cでは、プロセッサ43B、43Cが、このイベント情報ivAによるアタックをレイドボスに加え、このイベント情報ivAに応じたゲーム上の処理(レイドボスのHPを−10させる処理)を実行する。
【0071】
また同様に、例えば携帯端末4Bでは、ユーザがタッチパネル48Bに対し、レイドボスのHP(体力)を「−10」させる攻撃に相当するタップ操作を行った場合、図5及び図8に示すように、プロセッサ43Bが、当該タップ操作を示すアクション情報actBと、当該タップ操作された時点(t21)から所定の期間2(=t21〜t29)を示す期間情報とを含むイベント情報ivBを作成する(時刻t21)。
【0072】
また、携帯端末4Bでは、プロセッサ43Bが、このイベント情報ivBによるアタックをレイドボスに加え、このイベント情報ivBに応じたゲーム上の処理(レイドボスのHPを−10させる処理)を実行すると共に、このイベント情報ivBを含むリクエストをウェブサーバ装置2に送信する。
【0073】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、図5及び図9に示すように、このイベント情報ivBをウェブソケットの通信規格に従って他の携帯端末4A、4Cに送信する(時刻t22;ウェブソケット通信工程)。このとき、プロセッサ23は、プッシュ動作により、イベント情報ivBを当該イベント情報ivBに含まれる期間情報が示す期間内に他の携帯端末4A、4Cに送信する。
【0074】
他の携帯端末4A、4Cでは、プロセッサ43A、43Cが、このイベント情報ivBによるアタックをレイドボスに加え、このイベント情報ivBに応じたゲーム上の処理(レイドボスのHPを−10させる処理)を実行する。
【0075】
更に同様に、他の携帯端末4Cでは、ユーザがタッチパネル48Cに対し、レイドボスのHP(体力)を「−10」させる攻撃に相当するタップ操作を行った場合、図5及び図10に示すように、プロセッサ43Cが、当該タップ操作を示すアクション情報actCと、当該タップ操作された時点(t31)から所定の期間3(=t31〜t39)を示す期間情報とを含むイベント情報ivCを作成する(時刻t31)。
【0076】
また、携帯端末4Cでは、プロセッサ43Cが、このイベント情報ivCによるアタックをレイドボスに加え、このイベント情報ivCに応じたゲーム上の処理(レイドボスのHPを−10させる処理)を実行すると共に、このイベント情報ivCを含むリクエストをウェブサーバ装置2に送信する。
【0077】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、このイベント情報ivCをウェブソケットの通信規格に従って他の携帯端末4A、4Bに送信する(時刻t32;ウェブソケット通信工程)。このとき、プロセッサ23は、プッシュ動作により、イベント情報ivCを当該イベント情報ivCに含まれる期間情報が示す期間内に他の携帯端末4A、4Bに送信する。
【0078】
他の携帯端末4A、4Bでは、プロセッサ43A、43Cが、このイベント情報ivBによるアタックをレイドボスに加え、このイベント情報ivCに応じたゲーム上の処理(レイドボスのHPを−10させる処理)を実行する。
【0079】
続いて、以上のようなイベント情報ivA、ivB、ivC、…に基づいてゲーム状況が進行し、例えばレイドボスのHPがゼロ値になったとする。
【0080】
このとき、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、イベント情報ivA、ivB、ivC、…に基づいてバトルを終了させる。なお、バトルの終了は、レイドボスのHPがゼロになった場合に限らず、例えば制限時間内にレイドボスのHPがゼロにならなかった場合でもよい。
【0081】
いずれにしても、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、バトルを終了させると、各携帯端末4A〜4Cとの接続を切断する(時刻tn;接続切断工程)。
【0082】
これにより、1回のレイドバトルゲームが完了する。すなわち、1回の接続確立工程と、複数回のウェブソケット通信工程と、1回の接続切断工程とにより、1回のレイドバトルゲームが完了する。
【0083】
上述したように本実施形態によれば、ウェブサーバ装置2が、いずれかの携帯端末からユーザの操作に応じたイベント情報を受けると、当該イベント情報をウェブソケットの通信規格に従って他の携帯端末に送信する構成により、ウェブソケットの通信規格に従い、処理負荷が小さいリアルタイム通信を実現できるので、クライアント装置としての携帯端末の数を制限せずに、複数のクライアント装置としての複数の携帯端末4A〜4Cをウェブサーバ装置2に接続でき、バトルゲームを実現することができる。
【0084】
また、本実施形態によれば、リクエスト&レスポンス形式で通信を行わず、HTML5に関連したウェブソケットの通信規格を使用したバトルゲームを実現することができる。
【0085】
<第2の実施の形態>
レイドバトルゲームでは、レイドボスが強いという設定のため、各クライアント装置CL1〜CL3の操作によって、レイドボスに大きなダメージを与えることが困難となっている。とはいえ、レイドボスが強すぎてユーザがほぼ負けるゲームは、ユーザの支持を得られない。本発明者の検討によれば、格闘ゲームの分野におけるコンボアタック(combo attack:組合せ攻撃、連続攻撃)をレイドバトルゲームに適用すると、レイドボスの強さと各ユーザの強さとが均衡し、ユーザの支持を得やすいと考えられる。なお、コンボアタックは、複数のアタックの攻撃力の合計よりも大きい攻撃力を有している。このようなコンボアタックを用いる場合、例えば、各ユーザが各クライアント装置CL1〜CL3のタッチパネルを連続的にタップする等の連携攻撃を表す操作を実行し、各ユーザの操作に応じた大量のリクエストをサーバ装置Svに送信すればよい。
【0086】
しかしながら、各クライアント装置CL1〜CL3から大量のリクエストがサーバ装置Svに送信されると、サーバ装置Svに著しく処理負荷がかかる。このため、リクエスト&レスポンス方式では、サーバ装置Svと接続できるクライアント装置CL1〜CL2の数を制限し、他のクライアント装置CL3を強制的にロックする通信方式を用いている。
【0087】
すなわち、リクエスト&レスポンス方式では、サーバ装置Svに著しく処理負荷がかかるために、コンボアタックを用いたレイドバトルゲームの実現が困難となっている。
【0088】
以上説明したように、リクエスト&レスポンス方式では、コンボアタックを用いたレイドバトルゲームの実現が困難であるという不都合がある。また、リクエスト&レスポンス方式では、ロックされたクライアント装置CL3は、サーバ装置Svからロックが解除された後でなければ、正常な処理を実行できないという不都合もある。
【0089】
さらに、リクエスト&レスポンス方式では、サーバ装置Svとクライアント装置CL1〜CL3間でマークアップ言語を送受信する場合、サーバ装置Svとクライアント装置CL1〜CL3間で複数ページに渡るヘッダ情報を送受信する必要がある。これにより、通信毎にヘッダ情報がサーバ装置Svに蓄積されるため、サーバ装置Svと接続できるクライアント装置CL1〜CL2の数が制限されている。
【0090】
本発明の第2の実施形態では、クライアント装置の数を制限せずに、複数のクライアント装置をウェブサーバ装置に接続でき、コンボアタックを用いたバトルゲームを実現し得るゲーム制御方法を提供する。
【0091】
本発明の第2の実施の形態においては、ゲーム制御プログラムp_s3は、レイドバトルゲームの様々な方式に基づくゲーム機能の他に、以下の機能(f1)〜(f7)をプロセッサ23に実現させるためのプログラムを含んでいる。
【0092】
(f1) 互いに異なる各携帯端末4A〜4Cの操作に応じた複数のイベント情報をコンボアタックとして受け付けるコンボ受付期間を含むコンボデータをメモリに設定するコンボデータ設定機能。
【0093】
(f2) 各携帯端末4A〜4Cからハンドシェイク要求を受けると、当該各携帯端末4A〜4Cとの接続を確立してハンドシェイク応答を返信し、各携帯端末4A〜4Cにバトルを開始させる接続確立機能。
【0094】
(f3) 各携帯端末4A〜4Cのうちのいずれかの携帯端末(例、4A)からユーザの操作に応じたイベント情報を受けると、このイベント情報を受け付けたイベント情報受付時間とこのイベント情報の送信元を表す端末識別情報とを含むログ情報をメモリに書込むログ書込機能。
【0095】
(f4) 当該いずれかの携帯端末(例、4A)から受けたイベント情報をウェブソケットの通信規格に従って当該いずれかの携帯端末(例、4A)以外の他の携帯端末(例、4B,4C)に送信するウェブソケット通信機能。
【0096】
ここで、当該イベント情報は、ユーザの操作を示すアクション情報と、当該操作された時点から所定の期間を示す期間情報とを含んでもよい。また、当該ウェブソケット通信機能(f4)においては、プロセッサ23が、イベント情報を当該イベント情報に含まれる期間情報が示す期間内に他の携帯端末(例、4B,4C)に送信するものとしてもよい。
【0097】
(f5) ログ情報に含まれる複数の端末識別情報が互いに異なるか否かを判定すると共に、当該ログ情報に含まれる複数のイベント情報受付時間がコンボ受付期間内にあるか否かを判定するコンボ判定機能。
【0098】
(f6) 当該判定の結果、当該複数の端末識別情報が互いに異なり且つ当該複数のイベント情報受付時間が当該コンボ受付期間内にある場合、コンボアタックをレイドボスに加えるコンボアタック機能。
【0099】
(f7) イベント情報、コンボアタック又は制限時間に基づいてバトルを終了させると、各携帯端末4A〜4Cとの接続を切断する接続切断機能。
【0100】
次に、以上のように構成されたゲームシステムの動作について説明する。
【0101】
コンボアタックを用いない場合の動作は、図5において説明した動作と同じであるので、コンボアタックを用いる場合の動作について説明する。
【0102】
(コンボアタックを用いる場合;図11
コンボアタックを用いる場合、ウェブサーバ装置2は、図5に示した動作に並行して、図11に示すように、各ステップST1〜ST8等を実行する。
【0103】
始めに、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、互いに異なる各携帯端末4A〜4Cの操作に応じた複数のイベント情報をコンボアタックとして受け付けるコンボ受付期間を含むコンボデータをメモリ22に設定する(ST1;コンボデータ設定工程)。この設定により、コンボアタックを用いたレイドバトルゲームが実行可能となる。なお、この設定は、例えば、ゲームステージの難易度などに応じてコンボデータが更新設定されるようにしてもよく、常に同じコンボデータが設定されるようにしてもよい。難易度に応じて更新設定される場合、例えば難易度が高いほど、コンボ受付時間を短く設定すればよい。また、コンボデータは、コンボアタックを構成するイベント情報の個数を更に含んでもよい。
【0104】
続いて、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、前述同様に、接続確立工程を実行する(時刻t0)。これにより、レイドバトルゲームが開始される。
【0105】
次に、例えば携帯端末4Aでは、ユーザによるタッチパネル48Aのタップ操作に応じて、前述同様に、プロセッサ43Aが、イベント情報ivAを作成し(時刻t11)、このイベント情報ivAに応じたゲーム上の処理を実行すると共に、このイベント情報ivAを含むリクエストをウェブサーバ装置2に送信する。
【0106】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、このリクエストの情報をメモリ22に書込む(ST2)。具体的には、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、携帯端末4Aからユーザの操作に応じたイベント情報ivAを受けると、図12に示す如き、このイベント情報ivAを受け付けたイベント情報受付時間“tr1”とこのイベント情報ivAの送信元を表す端末識別情報“4A”とを含むログ情報Lをメモリ22に書込む(ST2;ログ書込工程)。
【0107】
また、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、当該携帯端末4Aから受けたイベント情報ivAをウェブソケットの通信規格に従って他の携帯端末4B、4Cに送信する(時刻t12;ウェブソケット通信工程)。ステップST2と時刻t12とは、どちらが先でもよい。
【0108】
また同様に、例えば携帯端末4Bでは、ユーザによるタッチパネル48Bのタップ操作に応じて、前述同様に、プロセッサ43Bが、イベント情報ivBを作成し(時刻t21)、このイベント情報ivBに応じたゲーム上の処理を実行すると共に、このイベント情報ivBを含むリクエストをウェブサーバ装置2に送信する。
【0109】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、このリクエストの情報をメモリ22に書込む(ST3)。具体的には、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、携帯端末4Bからユーザの操作に応じたイベント情報ivBを受けると、図12に示した如き、このイベント情報ivBを受け付けたイベント情報受付時間“tr2”とこのイベント情報ivBの送信元を表す端末識別情報“4B”とを含むログ情報Lをメモリ22に書込む(ST3;ログ書込工程)。
【0110】
また、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、当該携帯端末4Bから受けたイベント情報ivBをウェブソケットの通信規格に従って他の携帯端末4A、4Cに送信する(時刻t22;ウェブソケット通信工程)。ステップST3と時刻t22とは、どちらが先でもよい。
【0111】
このとき、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、メモリ22内のログ情報L及びコンボデータに基づいて、コンボアタックが成立するか否かを判定する(ST4)。具体的には、プロセッサ23は、メモリ22内のログ情報Lに含まれる複数の端末識別情報 “4A”、“4B”が互いに異なるか否かを判定すると共に、当該ログ情報Lに含まれる複数のイベント情報受付時間“tr1”、“tr2”がコンボ受付期間内にあるか否かを判定する(ST4;コンボ判定工程)。例えば、イベント情報受付時間の差分の期間Δtr(=tr2−tr1)がコンボ受付期間内にあるか否かを判定すればよい。
【0112】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、当該判定の結果、当該複数の端末識別情報が互いに異なり且つ当該複数のイベント情報受付時間が当該コンボ受付期間内にある場合、コンボアタックをレイドボスに加える(ST5;コンボアタック工程)。また、ステップST4の判定の結果、否の場合、ステップST5は省略される。
【0113】
更に同様に、例えば携帯端末4Cでは、ユーザによるタッチパネル48Cのタップ操作に応じて、前述同様に、プロセッサ43Cが、イベント情報ivCを作成し(時刻t31)、このイベント情報ivCに応じたゲーム上の処理を実行すると共に、このイベント情報ivCを含むリクエストをウェブサーバ装置2に送信する。
【0114】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、このリクエストの情報をメモリ22に書込む(ST6)。具体的には、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、携帯端末4Cからユーザの操作に応じたイベント情報ivCを受けると、図12に示した如き、このイベント情報ivCを受け付けたイベント情報受付時間“tr3”とこのイベント情報ivCの送信元を表す端末識別情報“4C”とを含むログ情報Lをメモリ22に書込む(ST6;ログ書込工程)。
【0115】
また、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、当該携帯端末4Cから受けたイベント情報ivCをウェブソケットの通信規格に従って他の携帯端末4A、4Bに送信する(時刻t32;ウェブソケット通信工程)。ステップST6と時刻t32とは、どちらが先でもよい。
【0116】
このとき、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、メモリ22内のログ情報L及びコンボデータに基づいて、コンボアタックが成立するか否かを判定する(ST7)。具体的には、プロセッサ23は、メモリ22内のログ情報Lに含まれる複数の端末識別情報“4A”、“4B”、“4C”が互いに異なるか否かを判定すると共に、当該ログ情報Lに含まれる複数のイベント情報受付時間“tr1”、“tr2”、“tr3”がコンボ受付期間内にあるか否かを判定する(ST7;コンボ判定工程)。例えば、イベント情報受付時間の差分の期間Δtr(=tr3−tr1)がコンボ受付期間内にあるか否かを判定すればよい。
【0117】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、当該判定の結果、当該複数の端末識別情報が互いに異なり且つ当該複数のイベント情報受付時間が当該コンボ受付期間内にある場合、コンボアタックをレイドボスに加える(ST8;コンボアタック工程)。また、ステップST7の判定の結果、否の場合、ステップST8は省略される。
【0118】
続いて、以上のようなコンボアタックに基づいてゲーム状況が進行し、例えばレイドボスのHPがゼロ値になったとする。
【0119】
このとき、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、コンボアタックに基づいてバトルを終了させる。なお、バトルの終了は、コンボアタックに基づいてレイドボスのHPがゼロになった場合に限らず、例えば、イベント情報に基づいてレイドボスのHPがゼロになった場合や、制限時間内にレイドボスのHPがゼロにならなかった場合でもよい。
【0120】
いずれにしても、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、バトルを終了させると、各携帯端末4A〜4Cとの接続を切断する(時刻tn;接続切断工程)
これにより、コンボアタックを用いる場合の1回のレイドバトルゲームが完了する。すなわち、1回のコンボデータ設定工程と、1回の接続確立工程と、複数回のログ書込工程と、複数回のウェブソケット通信工程と、複数回のコンボ判定工程と、複数回のコンボアタック工程と、1回の接続切断工程とにより、1回のレイドバトルゲームが完了する。
【0121】
上述したように本実施形態によれば、ウェブサーバ装置2が、いずれかの携帯端末からユーザの操作に応じたイベント情報を受けると、当該イベント情報をウェブソケットの通信規格に従って他の携帯端末に送信する構成により、ウェブソケットの通信規格に従い、処理負荷が小さいリアルタイム通信を実現できるので、クライアント装置としての携帯端末の数を制限せずに、複数のクライアント装置としての複数の携帯端末4A〜4Cをウェブサーバ装置2に接続でき、バトルゲームを実現することができる。
【0122】
また、ウェブサーバ装置2が、いずれかの携帯端末からユーザの操作に応じたイベント情報を受けると、このイベント情報を受け付けたイベント情報受付時間とこのイベント情報の送信元を表す端末識別情報とを含むログ情報をメモリに書込み、ログ情報に含まれる複数の端末識別情報が互いに異なり且つ当該ログ情報に含まれる複数のイベント情報受付時間がコンボ受付期間内にある場合、コンボアタックを敵に加える構成により、コンボアタックを用いたバトルゲームを実現することができる。
【0123】
また、本実施形態によれば、リクエスト&レスポンス形式で通信を行わず、HTML5に関連したウェブソケットの通信規格を使用したバトルゲームを実現することができる。
【0124】
<第3の実施の形態>
レイドバトルゲームでは、レイドボスが強いという設定のため、レイドボスにほぼ勝てる熟練ユーザと、レイドボスにほぼ負ける初心者ユーザとの差が大きくなり易い。本発明者の検討によれば、熟練ユーザは得意な戦い方(得意な操作)が多いのに対し、初心者ユーザは得意な戦い方が少ない傾向がある。また、初心者ユーザは、それぞれ得意な戦い方(得意な操作)が大きく異なる傾向がある。簡単にいうと、あるユーザはタップ操作が得意であり、他のユーザはフリック操作が得意であり、更に他のユーザはスライド操作が得意である、といった傾向がある。本発明者の検討によれば、各ユーザがそれぞれ得意な戦い方があるからこそ、互いに仲間が必要で、仲間と協力する戦い方になるのに対し、現在のレイドバトルゲームでは、各ユーザの得意な戦い方が考慮されていない。
【0125】
なお、レイドボスに大きなダメージを与えるような操作が得意なユーザは、初心者ユーザであっても、レイドボスに勝てる場合が多い。すなわち、レイドボスとユーザとは相性があり、相性の良いユーザはレイドボスに勝ち易いが、相性の悪いユーザはレイドボスに負け易い状況にある。このため、従来のレイドバトルゲームは、レイドボスとの相性の悪いユーザに対し、プレイするモチベーション(意欲)を低下させてしまう。
【0126】
まとめると、従来のレイドバトルゲームは、サーバ装置Svに著しく処理負荷がかかる場合にロックがかかる不都合と、レイドボスとの相性によってはプレイするモチベーションを低下させる不都合とがある。
【0127】
以上説明したように、レイドバトルゲームでは、レイドボスとの相性によってはモチベーションを低下させてしまうという不都合がある。また、リクエスト&レスポンス方式によりロックされたクライアント装置CL3は、サーバ装置Svからロックが解除された後でなければ、正常な処理を実行できないという不都合もある。
【0128】
さらに、リクエスト&レスポンス方式では、サーバ装置Svとクライアント装置CL1〜CL3間でマークアップ言語を送受信する場合、サーバ装置Svとクライアント装置CL1〜CL3間で複数ページに渡るヘッダ情報を送受信する必要がある。これにより、通信毎にヘッダ情報がサーバ装置Svに蓄積されるため、サーバ装置Svと接続できるクライアント装置CL1〜CL2の数が制限されている。
【0129】
本発明の第3の実施形態では、クライアント装置の数を制限せずに、複数のクライアント装置をウェブサーバ装置に接続でき、且つ敵との相性によるモチベーションの低下を阻止したバトルゲームを実現し得るゲーム制御方法を提供する。
【0130】
レイドボスは、全てのユーザに対して強い訳ではなく、バトルを行うときの優劣関係が巡回的に定められた複数の属性(例、グー、チョキ、パー)のうち、レイドボスの属性(例、グー)よりも優等の属性(例、パー)を持つユーザとのバトルには弱くなるように設定される。
【0131】
本発明の第3の実施の形態において、ゲーム制御プログラムp_s3は、レイドバトルゲームの様々な方式に基づくゲーム機能の他に、以下の機能(f1)〜(f5)をプロセッサ23に実現させるためのプログラムを含んでいる。
【0132】
(f1) 各レイドボスを識別するレイドボス識別情報(敵識別情報)と、バトルを行うときの優劣関係が巡回的に定められた複数の属性のうちのいずれかの属性を示す属性情報とを含むレイドボス属性データ(敵属性データ)をメモリ22に設定するレイドボス属性設定機能(敵属性設定機能)。なお、レイドボス属性データは、各レイドボスの集合を識別するグループ属性情報を更に含んでもよい。
【0133】
(f2) 各携帯端末4A〜4Cからハンドシェイク要求を受けると、当該各携帯端末4A〜4Cとの接続を確立してハンドシェイク応答を返信し、各携帯端末4A〜4Cにバトルを開始させる接続確立機能。
【0134】
(f3) 各携帯端末4A〜4Cのうちのいずれかの携帯端末(例、4A)からユーザの操作に応じたイベント情報を受けると、このイベント情報の送信元を表す端末識別情報と、レイドボス属性データ内のいずれかの属性情報とを含む端末属性データをメモリ22に設定すると共に、このイベント情報をウェブソケットの通信規格に従って当該いずれかの携帯端末(例、4A)以外の他の携帯端末(例、4B、4C)に送信する端末属性設定機能。
【0135】
(f4) 端末属性データが設定された各携帯端末のうちのいずれかの携帯端末(例、4A)からユーザの操作に応じたイベント情報を受けると、当該イベント情報をウェブソケットの通信規格に従って当該いずれかの携帯端末(例、4A)以外の他の携帯端末(例、4B,4C)に送信するウェブソケット通信機能。
【0136】
ここで、当該イベント情報は、ユーザの操作を示すアクション情報と、当該操作された時点から所定の期間を示す期間情報とを含んでもよい。また、当該ウェブソケット通信機能(f4)においては、プロセッサ23が、イベント情報を当該イベント情報に含まれる期間情報が示す期間内に他の携帯端末(例、4B,4C)に送信するものとしてもよい。
【0137】
(f5) イベント情報又は制限時間に基づいてバトルを終了させると、各携帯端末4A〜4Cとの接続を切断する接続切断機能。
【0138】
次に、以上のように構成されたゲームシステムの動作について説明する。
【0139】
コンボアタックを用いない場合の動作は、図5において説明した動作と同じであるので、属性を用いる場合の動作について説明する。
【0140】
(属性を用いる場合;図13
属性を用いる場合、ウェブサーバ装置2は、図5に示した動作に並行して、図13に示すように、各ステップST11〜ST14等を実行する。
【0141】
始めに、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、図14に示す如き、各レイドボスを識別するレイドボス識別情報“RB1”、“RB2”、“RB3”、…と、バトルを行うときの優劣関係が巡回的に定められた複数の属性のうちのいずれかの属性を示す属性情報“水”、“火”、“風”、…とを含むレイドボス属性データRAをメモリ22に設定する(ST11;レイドボス属性設定工程)。なお、ここでは、グループ識別情報“G1”が更に設定されているが、グループ属性情報は省略してもよい。但し、例えば、ゲームステージの難易度などに応じてレイドボス属性データRAが更新設定される場合には、例えば難易度に応じてグループ識別情報、レイドボス識別情報及び属性を設定することが好ましい。また、「バトルを行うときの優劣関係が巡回的に定められた複数の属性」としては、例えば図15に示す如き、複数の属性“水”、“火”、“風”、“土”、“雷”が使用可能となっている。各属性は、図16に一例を示すように、各レイドボスのHP(ヒットポイント)が定められていてもよい。
【0142】
続いて、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、前述同様に、接続確立工程を実行する(時刻t0)。これにより、レイドバトルゲームが開始される。
【0143】
次に、例えば携帯端末4Aでは、ユーザによるタッチパネル48Aのタップ操作に応じて、前述同様に、プロセッサ43Aが、イベント情報ivAを作成し(時刻t11)、このイベント情報ivAに応じたゲーム上の処理を実行すると共に、このイベント情報ivAを含むリクエストをウェブサーバ装置2に送信する。
【0144】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、このリクエストの情報をメモリ22に書込む(ST12)。具体的には、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、携帯端末4Aからユーザの操作に応じたイベント情報ivAを受けると、図17に示す如き、このイベント情報ivAの送信元を表す端末識別情報“4A”と、レイドボス属性データRA内のいずれかの属性情報“雷”とを含む端末属性データTAをメモリ22に設定する(ST12)と共に、このイベント情報ivAをウェブソケットの通信規格に従って他の携帯端末4B、4Cに送信する(時刻t12;端末属性設定工程)。ステップST12と時刻t12とは、どちらが先でもよい。
【0145】
また同様に、例えば携帯端末4Bでは、ユーザによるタッチパネル48Bのタップ操作に応じて、前述同様に、プロセッサ43Bが、イベント情報ivBを作成し(時刻t21)、このイベント情報ivBに応じたゲーム上の処理を実行すると共に、このイベント情報ivBを含むリクエストをウェブサーバ装置2に送信する。
【0146】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、このリクエストの情報をメモリ22に書込む(ST13)。具体的には、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、携帯端末4Bからユーザの操作に応じたイベント情報ivBを受けると、図17に示した如き、このイベント情報ivBの送信元を表す端末識別情報“4B”と、レイドボス属性データRA内のいずれかの属性情報“水”とを含む端末属性データTAをメモリ22に設定する(ST13)と共に、このイベント情報ivBをウェブソケットの通信規格に従って他の携帯端末4A、4Cに送信する(時刻t22;端末属性設定工程)。ステップST13と時刻t22とは、どちらが先でもよい。
【0147】
更に同様に、例えば携帯端末4Cでは、ユーザによるタッチパネル48Cのタップ操作に応じて、前述同様に、プロセッサ43Cが、イベント情報ivCを作成し(時刻t31)、このイベント情報ivCに応じたゲーム上の処理を実行すると共に、このイベント情報ivCを含むリクエストをウェブサーバ装置2に送信する。
【0148】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、このリクエストの情報をメモリ22に書込む(ST14)。具体的には、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、携帯端末4Cからユーザの操作に応じたイベント情報ivCを受けると、図17に示した如き、このイベント情報ivCの送信元を表す端末識別情報“4C”と、レイドボス属性データRA内のいずれかの属性情報“火”とを含む端末属性データTAをメモリ22に設定する(ST14)と共に、このイベント情報ivCをウェブソケットの通信規格に従って他の携帯端末4A、4Bに送信する(時刻t32;端末属性設定工程)。ステップST14と時刻t32とは、どちらが先でもよい。
【0149】
このようにして、全ての携帯端末4A、4B、4C、…の端末属性データTAが設定されると、属性に応じたレイドボスとのバトルが可能となる。
【0150】
この例では、属性情報“水”をもつレイドボス“RB1”に対し、属性情報“雷”をもつ携帯端末4Aのユーザが優勢にバトルを行うことができる。
【0151】
また、属性情報“火”をもつレイドボス“RB2”に対し、属性情報“水”をもつ携帯端末4Bのユーザが優勢にバトルを行うことができる。
【0152】
同様に、属性情報“風”をもつレイドボス“RB3”に対し、属性情報“火”をもつ携帯端末4Cのユーザが優勢にバトルを行うことができる。
【0153】
よって、各ユーザは、複数のレイドボスのうち、ユーザの携帯端末の属性情報よりも劣勢な属性情報をもつレイドボスとバトルすればよい。このように、各ユーザがそれぞれ得意な戦い方があるからこそ、互いに仲間が必要で、仲間と協力する戦い方になる。本実施形態のレイドバトルゲームでは、バトルを行うときの優劣関係を巡回的に定めることにより、各ユーザの得意な戦い方が考慮されている。また、各ユーザは、あるレイドボスとの相性が悪いとしても、他のいずれかのレイドボスとの相性が良いので、モチベーションの低下が阻止されている。
【0154】
以下、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、端末属性データTAが設定された各携帯端末4A〜4Cのうちのいずれかの携帯端末4A、4B又は4Cからユーザの操作に応じたイベント情報ivA、ivB又はivCを受けると、当該イベント情報をウェブソケットの通信規格に従って当該いずれかの携帯端末以外の他の携帯端末“4B、4C”、“4A、4C”又は“4A、4B”に送信する(ウェブソケット通信工程)。
【0155】
また、各ユーザによる各携帯端末4A〜4Cの操作に応じてウェブソケット通信工程が繰り返し実行され、イベント情報ivA、ivB、ivC、…が各携帯端末4A〜4Cに共有される。
【0156】
続いて、以上のようなイベント情報ivA、ivB、ivC、…に基づいてゲーム状況が進行し、例えば各レイドボスのHPがゼロ値になったとする。
【0157】
このとき、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、イベント情報ivA、ivB、ivC、…に基づいてバトルを終了させる。なお、バトルの終了は、イベント情報ivA、ivB、ivC、…に基づいて各レイドボスのHPがゼロになった場合に限らず、例えば、制限時間内に各レイドボスのHPがゼロにならなかった場合でもよい。
【0158】
いずれにしても、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、バトルを終了させると、各携帯端末4A〜4Cとの接続を切断する(時刻tn;接続切断工程)
これにより、属性を用いる場合の1回のレイドバトルゲームが完了する。すなわち、1回のレイドボス属性データ設定工程と、1回の接続確立工程と、複数回の端末属性設定工程と、複数回のウェブソケット通信工程と、1回の接続切断工程とにより、1回のレイドバトルゲームが完了する。
【0159】
上述したように本実施形態によれば、ウェブサーバ装置2が、いずれかの携帯端末からユーザの操作に応じたイベント情報を受けると、当該イベント情報をウェブソケットの通信規格に従って他の携帯端末に送信する構成により、ウェブソケットの通信規格に従い、処理負荷が小さいリアルタイム通信を実現できるので、クライアント装置としての携帯端末の数を制限せずに、複数のクライアント装置としての複数の携帯端末4A〜4Cをウェブサーバ装置2に接続でき、バトルゲームを実現することができる。
【0160】
また、ウェブサーバ装置2が、バトルを行うときの優劣関係が巡回的に定められた属性を各レイドボス識別情報及び各端末識別情報に設定する構成により、各ユーザは、携帯端末の属性情報よりも劣勢な属性情報をもつレイドボスとバトルすれば勝ち易くなっている。これにより、敵(レイドボス)との相性によるモチベーションの低下を阻止したバトルゲームを実現することができる。
【0161】
また、本実施形態によれば、リクエスト&レスポンス形式で通信を行わず、HTML5に関連したウェブソケットの通信規格を使用したバトルゲームを実現することができる。
【0162】
<第4の実施の形態>
レイドバトルゲームでは、レイドボスが強いという設定のため、各クライアント装置CL1〜CL3の操作によって、レイドボスに大きなダメージを与えることが困難となっている。とはいえ、レイドボスが強すぎてユーザがほぼ負けるゲームは、ユーザの支持を得られない。一般にレイドバトルゲームは、バトルに参加するユーザが多いほど、レイドボスを倒しやすい傾向がある。そのため、例えば、レイドバトルゲームに多数のユーザを参加させ、これら多数のユーザが多数のクライアント装置CL1〜CL3、…のタッチパネルを連続的にタップする等の連携攻撃を表す操作を実行し、多数のユーザの操作に応じた大量のリクエストをサーバ装置Svに送信すればよい。
【0163】
しかしながら、多数のクライアント装置CL1〜CL3、…から大量のリクエストがサーバ装置Svに送信されると、サーバ装置Svに著しく処理負荷がかかる。このため、リクエスト&レスポンス方式では、サーバ装置Svと接続できるクライアント装置CL1〜CL2の数を制限し、他のクライアント装置CL3、…を強制的にロックする通信方式を用いている。
【0164】
すなわち、リクエスト&レスポンス方式では、サーバ装置Svに著しく処理負荷がかかるために、多数のユーザがバトルに参加可能なレイドバトルゲームの実現が困難となっている。
【0165】
以上説明したように、リクエスト&レスポンス方式では、多数のユーザがバトルに参加可能なレイドバトルゲームの実現が困難であるという不都合がある。また、リクエスト&レスポンス方式では、ロックされたクライアント装置CL3は、サーバ装置Svからロックが解除された後でなければ、正常な処理を実行できないという不都合もある。
【0166】
さらに、リクエスト&レスポンス方式では、サーバ装置Svとクライアント装置CL1〜CL3間でマークアップ言語を送受信する場合、サーバ装置Svとクライアント装置CL1〜CL3間で複数ページに渡るヘッダ情報を送受信する必要がある。これにより、通信毎にヘッダ情報がサーバ装置Svに蓄積されるため、サーバ装置Svと接続できるクライアント装置CL1〜CL2の数が制限されている。
【0167】
また、以上のようなリクエスト&レスポンス方式を用いる場合、本発明者の検討によれば、バトルに参加するユーザに限らず、バトルに参加するユーザを応援したいユーザにとっても、同様の理由により、多数のユーザが応援に参加可能なレイドバトルゲームの実現が困難となっている。
【0168】
本発明の第4の実施形態では、クライアント装置の数を制限せずに、複数のクライアント装置をウェブサーバ装置に接続でき、多数のユーザがバトル及び応援に参加可能なバトルゲームを実現し得るゲーム制御方法を提供する。
【0169】
図18は本発明の第4の実施の形態に係るゲーム制御方法が適用されたゲームシステムの構成例を示す模式図である。インターネットなどを含むネットワーク1に対し、ウェブサーバ装置2が接続されると共に、本システムでユーザが使用するクライアント装置となる、複数、例えば8台の携帯端末4A〜4Hが、無線LANのアクセスポイント(AP)5、あるいは基地局6を介して接続される。図19に一例を示すように、各携帯端末4A〜4Hのうち、3台の携帯端末4A〜4Cは、バトルを行う第1の携帯端末として用いられ、5台の携帯端末4D〜4Hは、応援を行う第2の携帯端末として用いられる。
【0170】
なお、応援を行う第2の携帯端末4D〜4Hとしては、例えば、バトルを行うために必要な体力値(HP)が無いか又は体力値に余裕が少ない状況の携帯端末を想定している。補足すると、各携帯端末4A〜4Hにおけるバトル参加又は応援参加といった用途は、固定的な用途ではない。例えば、第2の携帯端末4D〜4Hについては、今回のバトルゲームでは応援に参加するが、敵に勝った場合などに体力値が回復し、次回のバトルゲームではバトルに参加するといった状況があり得る。逆に、第1の携帯端末4A〜4Cについては、今回のバトルゲームではバトルに参加するが、敵に負けた場合などに体力値が減少し、次回のバトルゲームでは応援に参加するといった状況があり得る。
【0171】
ウェブサーバ装置2及び携帯端末4A〜4Hの構成については、上述の第1の実施の形態と同様なので、ここでは異なる点について説明する。
【0172】
本発明の第4の実施の形態において、ゲーム制御プログラムp_s3は、レイドバトルゲームの様々な方式に基づくゲーム機能の他に、以下の機能(f1)〜(f8)をプロセッサ23に実現させるためのプログラムを含んでいる。
【0173】
(f1) 第2の各携帯端末4D〜4Hの台数に相当する応援人数の範囲と、当該応援人数の範囲に応じて第1の各携帯端末4A〜4Cのユーザに与えることが可能なインセンティブデータとを関連付けて記述した応援データをメモリ22に設定する応援データ設定機能。
【0174】
なお、図20に一例を示すように、応援データSは、応援人数の範囲と、当該応援人数の範囲に応じたインセンティブデータと、第2の各携帯端末4D〜4Hによる応援の目標値と、当該目標値に応じた、前述のインセンティブデータとは異なる他のインセンティブデータとを関連付けて記述したデータとしてもよい(応援データSは、応援の目標値と、他のインセンティブデータとを更に含んでもよい。)。応援の目標値としては、例えば、第2の各携帯端末4D〜4Hから送信されたイベント情報の単位時間当たりの個数を表すパラメータが適宜使用可能となっている。
【0175】
インセンティブデータとしては、当該レイドバトルを含むRPG又は他のゲーム等で使用可能なデータであって、例えば、着せ替えアイテム、レアカード及びゲーム内通貨といった任意の種類のデータが適用可能となっている。
【0176】
また、この例では、応援人数の範囲の大きさに応じて、インセンティブデータのランクが上昇し、応援の目標値が上昇し、他のインセンティブデータのランクが上昇するように、応援データSが設定されている。ここで、応援人数の範囲の大きさに応じて、インセンティブデータのランクを上昇させた設定により、ユーザが多数の友人を応援に誘う動機づけを生じさせ、ソーシャル性の向上を図っている。なお、友人を誘う仕組みとしては、既存のプラットフォーム上にあるEメール等が適宜使用可能となっている。また、応援人数の範囲の大きさに応じて、応援の目標値を上昇させた設定により、応援人数の増加によって応援が極端に容易になることを防ぎ、応援する意欲の維持を図っている。また、応援の目標値に応じて、他のインセンティブデータを設定したことにより、敵に勝った場合のインセンティブデータとは別に、応援によるインセンティブデータを与えることができるので、応援する意欲の向上を図ることができる。すなわち、応援データSは、以上のような設定により、ソーシャル性の向上と、応援する意欲の維持・向上とを図っている。これに対し、従来は、バトルを応援する形態が無く、ユーザが所定の強さレベルのレイドボスとバトルを行い、勝った場合に所定のインセンティブを取得する方式であった。すなわち、従来のバトルゲームは、応援人数とは無関係の方式であった。
【0177】
(f2) バトルゲームへの参加募集期間中、第1の各携帯端末4A〜4Cからバトルへの参加を求める第1ハンドシェイク要求を受けると、当該第1ハンドシェイク要求に基づき、当該第1の各携帯端末4A〜4Cとの接続を確立して第1ハンドシェイク応答を返信し、当該第1の各携帯端末4A〜4Cにバトルへの参加を許可する第1接続確立機能。
【0178】
(f3) 当該参加募集期間中及び当該バトルの実行期間中、第2の各携帯端末4D〜4Hからバトルの応援への参加を求める第2ハンドシェイク要求を受けると、当該第2ハンドシェイク要求に基づき、当該第2の各携帯端末4D〜4Hとの接続を確立して第2ハンドシェイク応答を返信し、当該第2の各携帯端末4D〜4Hに応援への参加を許可する第2接続確立機能。
【0179】
(f4) 応援への参加を許可した第2の各携帯端末4D〜4Hの台数を応援人数として計数する応援人数計数機能。
【0180】
(f5) 第1及び第2の各携帯端末4A〜4Hのうちのいずれかの携帯端末(例、4A)からユーザの操作に応じたイベント情報を受けると、このイベント情報をウェブソケットの通信規格に従っていずれかの携帯端末(例、4A)以外の他の各携帯端末(4B〜4H)に送信するウェブソケット通信機能。
【0181】
ここで、当該イベント情報は、ユーザの操作を示すアクション情報と、当該操作された時点から所定の期間を示す期間情報とを含んでもよい。また、当該ウェブソケット通信機能(f5)においては、プロセッサ23が、イベント情報を当該イベント情報に含まれる期間情報が示す期間内に他の携帯端末(例、4B〜4H)に送信するものとしてもよい。
【0182】
また、ウェブソケット通信機能(f5)は、以下の各機能(f5−1)〜(f5−4)を含んでもよい。
【0183】
(f5−1) 第1及び第2の各携帯端末4A〜4Hのうち、第2の各携帯端末4D〜4Hのいずれかからユーザの操作に応じたイベント情報を受けると、図21に一例を示すように、このイベント情報の受付時間と、このイベント情報の送信元を表す端末識別情報を含むログ情報Lをメモリ22に書込むログ情報書込機能。
【0184】
(f5−2) 単位時間当たりの受付時間の個数を応援の計数値として計数する計数機能。
【0185】
(f5−3) 応援の計数値と応援の目標値とを比較し、応援の計数値が応援の目標値に到達すると、当該目標値に到達した時間を表す目標到達時間をメモリ22に書込む到達時間書込機能。
【0186】
(f5−4) 第2の各携帯端末4D〜4Hのいずれかから受けたイベント情報を応援の計数値と共に、ウェブソケットの通信規格に従って当該イベント情報の送信元以外の他の携帯端末に送信するイベント情報送信機能。
【0187】
(f6) バトルの終了時に、当該計数された結果を応援人数として確定する応援人数確定機能。
【0188】
(f7) 敵が負けた場合に、当該確定した応援人数に関連付けられたインセンティブデータを第1の各携帯端末4A〜4Cに送信し、当該第1の各携帯端末4A〜4Cとの接続を切断する第1接続切断機能。
【0189】
ここで、第1接続切断機能(f7)は、以下の各機能(f7−1)〜(f7−3)を含んでもよい。
【0190】
(f7−1) 敵が負けた場合に、当該確定した応援人数に関連付けられたインセンティブデータを第1の各携帯端末4A〜4Cに送信する第1データ送信機能。
【0191】
(f7−2) 敵が負けた場合で且つメモリ22内に目標到達時間がある場合には、更に、応援データS内の他のインセンティブデータを第1の各携帯端末4A〜4Cに送信する第2データ送信機能。
【0192】
(f7−3)第1及び第2データ送信機能の処理完了後、第1の各携帯端末4A〜4Cとの接続を切断する切断機能。
【0193】
(f8) バトルの終了後、体力値を回復させるデータを第2の各携帯端末4D〜4Hに送信し、当該第2の各携帯端末4D〜4Hとの接続を切断する第2接続切断機能。
【0194】
また、ゲーム制御プログラムp_s3は、以下の機能(f9)をプロセッサ23に実現させるためのプログラムを更に含んでいてもよい。
【0195】
(f9) バトルの実行期間中、当該バトルの制限時間から所定時間前になってもメモリ22内に目標到達時間が無い場合に、応援を促すメッセージを第2の各携帯端末4D〜4Hに送信するメッセージ送信機能。
【0196】
次に、以上のように構成されたゲームシステムの動作について説明する。応援を用いない場合の動作は、図5において説明した動作と同じであるので、応援を含む場合(第1及び第2の携帯端末4A〜4Hを含む場合)の動作について説明する。
【0197】
(応援を用いる場合;図22
応援を用いる場合、ウェブサーバ装置2は、図5に示した動作に並行して、図22に示すように、各ステップST22〜ST30等を実行する。
【0198】
始めに、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、第2の各携帯端末4D〜4Hの台数に相当する応援人数の範囲と、当該応援人数の範囲に応じて第1の各携帯端末4A〜4Cのユーザに与えることが可能なインセンティブデータとを関連付けて記述した応援データをメモリ22に設定する(ST21;応援データ設定工程)。この設定により、応援データを用いたレイドバトルゲームが実行可能となる。なお、この場合、応援データとしては、応援人数の範囲と、当該応援人数の範囲に応じたインセンティブデータとに加え、第2の各携帯端末4D〜4Hによる応援の目標値と、当該目標値に応じた、前述のインセンティブデータとは異なる他のインセンティブデータとを関連付けて記述したデータを設定してもよい。また、ステップST21は、例えば、ゲームステージの難易度などに応じて応援データが更新設定されるようにしてもよく、常に同じ応援データが設定されるようにしてもよい。難易度に応じて更新設定される場合、例えば、同一の応援人数の範囲に対し、難易度が高いほど、高いランクのインセンティブデータを設定すればよい。
【0199】
応援データの設定後、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、バトルゲームへの参加募集期間の計時を開始する。
【0200】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、参加募集期間中、第1の各携帯端末4A〜4Cからバトルへの参加を求める第1ハンドシェイク要求を受けると、当該第1ハンドシェイク要求に基づき、当該第1の各携帯端末4A〜4Cとの接続を確立して第1ハンドシェイク応答を返信し(時刻t0)、第1の各携帯端末4A〜4Cにバトルへの参加を許可する(ST22;第1接続確立工程)。
【0201】
ステップST22と並行して、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、参加募集期間中、第2の各携帯端末4D〜4Hからバトルの応援への参加を求める第2ハンドシェイク要求を受けると、当該第2ハンドシェイク要求に基づき、当該第2の各携帯端末4D〜4Hとの接続を確立して第2ハンドシェイク応答を返信し(時刻t0’)、第2の各携帯端末4D〜4Hに応援への参加を許可する(ST23;第2接続確立工程)。
【0202】
なお、参加募集期間は第1及び第2の各携帯端末4A〜4H間で同一(又は共通)であるが、時刻t0の値は第1の各携帯端末4A〜4Cにおける第1ハンドシェイク要求の送信時刻に応じて第1の各携帯端末4A〜4C毎に異なる。同様に、時刻t0’の値は第2の各携帯端末4D〜4Hにおける第2ハンドシェイク要求の送信時刻に応じて第2の各携帯端末4D〜4H毎に異なる。
【0203】
ウェブサーバ装置3では、プロセッサ23が、参加募集期間の終了後、所定の制限時間等に基づいてバトルゲームの実行を開始する(ST24)。なお、前述したステップST23と同様の第2接続確立工程は、バトルの実行期間中も継続して実行される(ST25;第2接続確立工程)。また、ウェブサーバ装置3では、プロセッサ23が、応援への参加を許可した第2の各携帯端末4D〜4Hの台数を応援人数として計数する(ST26;応援人数計数工程)。
【0204】
次に、ウェブサーバ装置3では、プロセッサ23が、第1及び第2の各携帯端末4A〜4Hのうちのいずれかの携帯端末からユーザの操作に応じたイベント情報を受けると、このイベント情報をウェブソケットの通信規格に従っていずれかの携帯端末以外の他の各携帯端末に送信する(ST27;ウェブソケット通信工程)。
【0205】
例えば第1の携帯端末4Aでは、ユーザによるタッチパネル48Aのタップ操作に応じて、前述同様に、プロセッサ43Aが、イベント情報ivAを作成し、このイベント情報ivAに応じたゲーム上の処理(レイドボスのHPを減少させる処理)を実行すると共に、このイベント情報ivAを含むリクエストをウェブサーバ装置2に送信する。
【0206】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、このイベント情報ivAに応じたゲーム上の処理(レイドボスのHPを減少させる処理)を実行し、当該イベント情報ivAをウェブソケットの通信規格に従って他の携帯端末4B〜4Hに送信する。
【0207】
他の携帯端末4B〜4Hでは、プロセッサ43B〜43Hが、このイベント情報ivAに応じたゲーム上の処理(レイドボスのHPを−10させる処理)を実行する。
【0208】
また同様に、例えば第2の携帯端末4Dでは、ユーザによるタッチパネル48Dのタップ操作に応じて、プロセッサ43Dが、イベント情報ivDを作成し、このイベント情報ivDに応じたゲーム上の処理(応援の計数値を増加させる処理)を実行すると共に、このイベント情報ivDを含むリクエストをウェブサーバ装置2に送信する。
【0209】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、このイベント情報ivDに応じたゲーム上の処理(応援の計数値を増加させる処理)を実行し、当該イベント情報ivDをウェブソケットの通信規格に従って他の携帯端末4A〜4C、4E〜4Hに送信する。
【0210】
他の携帯端末4A〜4C、4E〜4Hでは、プロセッサ43A〜43C、43E〜43Hが、このイベント情報ivDに応じたゲーム上の処理(応援の計数値を増加させる処理)を実行する。
【0211】
すなわち、ステップST7では、各携帯端末4A〜4Hから送信されたイベント情報ivA〜ivHが、ウェブソケット通信により、リアルタイムで他の各携帯端末4A〜4Hに共有される。
【0212】
なお、ステップST7のうち、応援を行う第2の携帯端末4D〜4Hに対して、ウェブサーバ装置2は、図23及び以下のステップST27−1〜ST27−4に示すように動作してもよい。
【0213】
すなわち、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、第1及び第2の各携帯端末4A〜4Hのうち、第2の各携帯端末4D〜4Hのいずれかからユーザの操作に応じたイベント情報を受けると、このイベント情報の受付時間と、このイベント情報の送信元を表す端末識別情報を含むログ情報Lをメモリ22に書込む(ST27−1;ログ情報書込工程)。
【0214】
また、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、単位時間当たりの受付時間の個数を応援の計数値として計数する(ST27−2;計数工程)。
【0215】
さらに、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、応援の計数値と応援の目標値とを比較し、応援の計数値が応援の目標値に到達すると、当該目標値に到達した時間を表す目標到達時間をメモリ22に書込む(ST27−3;到達時間書込工程)。なお、比較の結果、応援の計数値が応援の目標値に到達していなければ、プロセッサ23は、ステップST27−3を実行せず、ステップST27−4に移行する。
【0216】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、第2の各携帯端末4D〜4Hのいずれか(例、4D)から受けたイベント情報を応援の計数値と共に、ウェブソケットの通信規格に従って当該イベント情報の送信元(例、4D)以外の他の携帯端末(例、4A〜4C、4E〜4H)に送信する(ST27−4;イベント情報送信工程)。
【0217】
続いて、以上のようなイベント情報及び制限時間に基づいてゲーム状況が進行し、例えば制限時間の経過が近づいてきたとする。このとき、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、メッセージ送信機能(f9)を実行することができる。すなわち、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、バトルの実行期間中、当該バトルの制限時間から所定時間前になってもメモリ22内に目標到達時間が無い場合に、応援を促すメッセージを第2の各携帯端末4D〜4Hに送信してもよい。なお、応援を促すメッセージは送信しなくてもよい。
【0218】
また更に、前述したイベント情報及び制限時間に基づいてゲーム状況が進行し、例えばレイドボスのHPがゼロ値になったとする。
【0219】
このとき、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、イベント情報によるアタックに基づいてバトルを終了させる(ST28)。なお、バトルの終了は、イベント情報に基づいてレイドボスのHPがゼロになった場合(レイドボス(敵)が負けた場合)に限らず、例えば、制限時間内にレイドボスのHPがゼロにならなかった場合(レイドボス(敵)が勝った場合)でもよい。
【0220】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、バトル終了時に、ステップST6で計数された結果を応援人数として確定する(ST29;応援人数確定工程)。
【0221】
しかる後、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、敵が負けた場合に、当該確定した応援人数に関連付けられたインセンティブデータを第1の各携帯端末4A〜4Cに送信し、当該第1の各携帯端末4A〜4Cとの接続を切断する(ST30;時刻tn;第1接続切断工程)。但し、プロセッサ23は、敵が勝った場合にはインセンティブデータを送信せずに、各携帯端末4A〜4Cとの接続を切断する(時刻tn)。
【0222】
なお、ステップST30は、前述したステップST27−1〜ST27−4が実行された場合には、図24及び以下のステップST30−1〜ST30−3に示すように実行することができる。
【0223】
すなわち、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、敵が負けた場合に、当該確定した応援人数に関連付けられたインセンティブデータを第1の各携帯端末4A〜4Cに送信する(ST30−1;第1データ送信工程)。
【0224】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、敵が負けた場合で且つメモリ22内に目標到達時間がある場合には、更に、応援データS内の他のインセンティブデータを第1の各携帯端末4A〜4Cに送信する(ST30−2;第2データ送信工程)。なお、メモリ22内に目標到達時間がなければ、プロセッサ23は、ステップST30−2を実行せず、ステップST30−3に移行する。
【0225】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、ステップST30−1〜ST30−2の完了後、第1の各携帯端末4A〜4Cとの接続を切断する(ST10−3;切断工程)。
【0226】
一方、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、バトルの終了後、体力値を回復させるデータを第2の各携帯端末4D〜4Hに送信し、当該第2の各携帯端末4D〜4Hとの接続を切断する(ST31;時刻tn’;第2接続切断工程)。第2の各携帯端末4D〜4Hは、これにより体力値(HP)を回復できるので、次回以降のバトルに参加可能となることが期待できる。なお、ステップST30とST31とは、いずれを先に実行してもよい。
【0227】
いずれにしても、ステップST30とST31により接続が切断されると、図22に示した如き、1回のレイドバトルゲームが完了する。すなわち、応援データ設定工程によりレイドバトルゲームの設定が開始され、以降の各工程によりレイドバトルゲームが運営され、第1及び第2接続切断工程により、レイドバトルゲームが完了する。
【0228】
上述したように本実施形態によれば、ウェブサーバ装置2が、いずれかの携帯端末からユーザの操作に応じたイベント情報を受けると、当該イベント情報をウェブソケットの通信規格に従って他の携帯端末に送信する構成により、ウェブソケットの通信規格に従い、処理負荷が小さいリアルタイム通信を実現できる。これにより、クライアント装置としての携帯端末の数を制限せずに、複数のクライアント装置としての複数の携帯端末4A〜4Hをウェブサーバ装置2に接続でき、多数のユーザがバトル及び応援に参加可能なバトルゲームを実現することができる。
【0229】
また、ウェブサーバ装置2は、ステップST27−1〜ST27−4を実行する場合、第2の各携帯端末4D〜4Hから受けたイベント情報による応援の計数値と応援の目標値とを比較し、応援の計数値が応援の目標値に到達すると、当該目標値に到達した時間を表す目標到達時間をメモリ22に書込み、当該イベント情報を応援の計数値と共に、ウェブソケットの通信規格に従って当該イベント情報の送信元以外の他の携帯端末に送信する。これにより、応援の計数値(応援の度合い)を各携帯端末4A〜4Hで共有でき、各携帯端末4A〜4Hのユーザにおける士気の向上を図ることができる。
【0230】
また、ウェブサーバ装置2は、当該バトルの制限時間から所定時間前になってもメモリ22内に目標到達時間が無い場合であって、応援を促すメッセージを第2の各携帯端末4D〜4Hに送信する場合には、応援を促すメッセージにより応援のイベント情報が多数送信されることを促すため、制限時間の直前に応援の盛り上げとバトルの士気向上とを期待することができる。
【0231】
また、ウェブサーバ装置2は、ステップST30−1〜ST30−3を実行する場合、応援が目標値に達した場合には、通常のインセンティブデータとは別に、他のインセンティブデータを第1の各携帯端末4A〜4Cに送信するので、応援を行うユーザに対し、応援の意欲を高めることができる。
【0232】
また、本実施形態によれば、リクエスト&レスポンス形式で通信を行わず、HTML5に関連したウェブソケットの通信規格を使用したバトルゲームを実現することができる。
【0233】
<第5の実施の形態>
本発明の第5の実施形態では、クライアント装置の数を制限せずに、複数のクライアント装置をウェブサーバ装置に接続でき、多数のユーザが参加可能なバトルゲームを実現し得るゲーム制御方法を提供する。
【0234】
ウェブサーバ装置2及び携帯端末4A〜4Cの構成については、上述の第1の実施の形態と同様なので、ここでは異なる点について説明する。
【0235】
本発明の第5の実施の形態において、ゲーム制御プログラムp_s3は、レイドバトルゲームの様々な方式に基づくゲーム機能の他に、以下の機能(f1)〜(f7)をプロセッサ23に実現させるためのプログラムを含んでいる。
【0236】
(f1) バトルゲームの参加人数の範囲と、バトルの結果に基づいて各携帯端末4A〜4Cのユーザに与えることが可能なインセンティブデータと、敵の強さレベルを表す敵レベルデータと、バトルゲームの制限時間とを関連付けて記述したギャザリングデータをメモリに設定するギャザリングデータ設定機能。
【0237】
なお、図25に一例を示すように、ギャザリングデータGは、参加人数の範囲と、インセンティブデータと、敵レベルデータと、制限時間と、バトルゲームに参加可能な強さレベルを表す参加レベルデータとを関連付けて記述したデータとしてもよい(ギャザリングデータGは、参加レベルデータを含んでもよい。)。強さレベルとしては、例えば、HP(体力)や攻撃力などのように、バトルの勝敗に影響を与える数値パラメータが適宜使用可能であり、この例では、HP(体力)を用いている。
【0238】
また、この例では、参加人数の範囲の大きさに応じて、インセンティブデータのランクが上昇し、敵レベルデータの値が上昇し、制限時間が長くなり、参加レベルデータの値が上昇するように、ギャザリングデータGが設定されている。ここで、参加人数の範囲の大きさに応じて、敵レベルデータの値を上昇させた設定により、参加人数の増加によってバトルゲームが極端に容易になることを防ぎ、バトルゲームの面白さを維持している。また、敵レベルデータの値を上昇させた場合に制限時間を長くした設定により、敵レベルデータの上昇によってバトルゲームが極端に困難になることを防ぎ、バトルゲームの面白さを維持している。また、敵レベルデータの値を上昇させた場合に、参加レベルデータの値を上昇させた設定により、敵の強さレベルと、ユーザの強さレベルとのバランスをとり、バトルゲームの面白さを維持している。また、参加人数の範囲の大きさに応じて、インセンティブデータのランクを上昇させた設定により、ユーザに多数の友人を誘う動機づけを生じさせ、ソーシャル性の向上を図っている。すなわち、ギャザリングデータGは、以上のような設定により、参加人数の範囲の大きさに応じて、バトルゲームの面白さを維持しつつ、ソーシャル性の向上を図ることができる。これに対し、従来は、参加人数とは無関係に、所定の強さレベルのレイドボスとバトルを行い、所定のインセンティブをユーザ(勝者)が取得する方式であった。すなわち、従来は、参加人数が増えると、レイドボスが相対的に弱くなってバトルゲームが極端に容易になる傾向があった。また、従来は、多数の友人を誘っても誘わなくても、インセンティブデータが同じだったので、多数の友人を誘う動機づけに乏しい傾向があった。
【0239】
(f2) バトルゲームの参加募集期間中、各携帯端末4A〜4Cからハンドシェイク要求を受けると、当該ハンドシェイク要求に基づき、当該各携帯端末4A〜4Cとの接続を確立してハンドシェイク応答を返信し、各携帯端末4A〜4Cにバトルゲームへの参加を許可する接続確立機能。
【0240】
ここで、接続確立機能(f2)は、例えば、以下の各機能(f2−1)〜(f2−4)を含んでもよい。
【0241】
(f2−1) 参加募集期間中、各携帯端末4A〜4Cからハンドシェイク要求を受信する要求受信機能。
【0242】
(f2−2) 参加募集期間中、参加人数計数機能(f3)による現在の計数結果を現在の参加人数とし、現在の参加人数に基づいて、ギャザリングデータGから参加レベルデータを抽出する参加レベル抽出機能。
【0243】
(f2−3) 参加募集期間中、受信したハンドシェイク要求に基づき、当該ハンドシェイク要求の送信元の携帯端末のユーザの強さレベルが、抽出された参加レベルデータが表す強さレベルよりも高いか否かを判定する判定機能。
【0244】
(f2−4) 当該判定の結果、高い場合に、送信元の携帯端末との接続を確立してハンドシェイク応答を返信し、当該携帯端末にバトルゲームへの参加を許可する応答返信機能。
【0245】
ここで、接続確立機能(f2)が機能(f2−1)〜(f2−4)を含む場合、弱いプレイヤ(強さレベルが低いユーザ)でも、参加募集期間中の早い時点(参加レベルデータの低い時点)で参加し、友人をバトルゲームに誘って参加人数の範囲を増やすことにより、良いインセンティブデータ(高いランクのインセンティブデータ)をもらうことができる。従って、各機能(f2−1)〜(f2−4)によれば、友人をバトルゲームに誘う動機づけができるので、ソーシャル性を高めることができる。なお、友人を誘う仕組みとしては、既存のプラットフォーム上にあるEメール等が適宜使用可能となっている。
【0246】
(f3) バトルゲームへの参加を許可した各携帯端末4A〜4Cの台数を当該バトルゲームの参加人数として計数する参加人数計数機能。
【0247】
(f4) 参加募集期間の終了後、計数された結果を参加人数として確定する参加人数確定機能。
【0248】
(f5) 当該確定した参加人数に基づいて、ギャザリングデータからインセンティブデータ、敵レベルデータ及び制限時間を選択してメモリに設定し、当該設定した敵レベルデータ及び制限時間に基づいてバトルゲームを開始するゲーム開始機能。
【0249】
(f6) 各携帯端末4A〜4Cのうちのいずれかの携帯端末(例、4A)からユーザの操作に応じたイベント情報を受けると、このイベント情報をウェブソケットの通信規格に従っていずれかの携帯端末(例、4A)以外の他の携帯端末(例、4B、4C)に送信するウェブソケット通信機能。
【0250】
ここで、当該イベント情報は、ユーザの操作を示すアクション情報と、当該操作された時点から所定の期間を示す期間情報とを含んでもよい。また、当該ウェブソケット通信機能(f6)においては、プロセッサ23が、イベント情報を当該イベント情報に含まれる期間情報が示す期間内に他の携帯端末(例、4B,4C)に送信するものとしてもよい。
【0251】
また、ウェブソケット通信機能(f6)は、以下の各機能(f6−1)〜(f6−2)を含んでもよい。
【0252】
(f6−1) 各携帯端末4A〜4Cのうちのいずれかの携帯端末(例、4A)からユーザの操作に応じたイベント情報を受けると、このイベント情報の送信元を表す端末識別情報を含むログ情報をメモリ22に書込むログ情報書込機能。ここで、図26に一例を示すように、ログ情報Lは、端末識別情報に限らず、端末識別情報と、端末識別情報毎のイベント情報受付回数とを含んでもよい。また、ログ情報は、端末識別情報に限らず、端末識別情報と、端末識別情報毎のイベント情報受付日時(図示せず)とを含んでもよい。
【0253】
(f6−2) いずれかの携帯端末(例、4A)から受けたイベント情報をウェブソケットの通信規格に従って当該いずれかの携帯端末(例、4A)以外の他の携帯端末(例、4B、4C)に送信するイベント情報送信機能。
【0254】
(f7) イベント情報、設定された敵レベルデータ及び設定された制限時間に基づいてバトルを終了させると、当該バトルで敵に勝った場合に、ゲーム開始機能(f5)により設定されたインセンティブデータを各携帯端末4A〜4Cに送信し、各携帯端末4A〜4Cとの接続を切断する接続切断機能。ここで、接続切断機能(f7)は、ログ情報に含まれる端末識別情報に基いて、インセンティブデータを送信してもよい。言い換えると、ログ情報内の携帯端末識別情報に基いてインセンティブデータを送信する場合、ログ情報をメモリ22に書込むことにより、1回以上攻撃した携帯端末にインセンティブデータを受ける権利を付与することができる。インセンティブデータとしては、当該レイドバトルを含むRPG又は他のゲーム等で使用可能なデータであって、例えば、着せ替えアイテム、レアカード及びゲーム内通貨といった任意の種類のデータが適用可能となっている。また例えば、ログ情報L内のイベント情報受付回数に応じて、送信するインセンティブデータに差をつける場合、インセンティブデータの個数に差をつけてもよく、インセンティブデータの内容に差をつけてもよい。インセンティブデータの個数に差をつける場合、例えば、同一種類で異なる内容の複数のインセンティブデータを送信してもよく、異なる種類の複数のインセンティブデータを送信してもよい。なお、送信するインセンティブデータには差をつけなくてもよい。
【0255】
次に、以上のように構成されたゲームシステムの動作について説明する。ギャザリングデータを用いない場合の動作は、図5において説明した動作と同じであるので、ギャザリングデータを用いる場合の動作について説明する。
【0256】
(ギャザリングデータを用いる場合;図27
ギャザリングデータを用いる場合、ウェブサーバ装置2は、図5に示した動作に並行して、図27に示すように、各ステップST42〜ST51等を実行する。
【0257】
始めに、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、バトルゲームの参加人数の範囲と、バトルの結果に基づいて各携帯端末4A〜4Cのユーザに与えることが可能なインセンティブデータと、敵の強さレベルを表す敵レベルデータと、バトルゲームの制限時間とを関連付けて記述したギャザリングデータをメモリ22に設定する(ST41;ギャザリングデータ設定工程)。この設定により、ギャザリングデータを用いたレイドバトルゲームが実行可能となる。なお、この設定は、例えば、ゲームステージの難易度などに応じてギャザリングデータが更新設定されるようにしてもよく、常に同じギャザリングデータが設定されるようにしてもよい。難易度に応じて更新設定される場合、例えば難易度が高いほど、高い値の敵レベルデータを設定すればよい。
【0258】
ギャザリングデータの設定後、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、バトルゲームの参加募集期間の計時を開始する。
【0259】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、各携帯端末4A〜4Cからハンドシェイク要求を受けると、当該ハンドシェイク要求に基づき、当該各携帯端末4A〜4Cとの接続を確立してハンドシェイク応答を返信し(時刻t0)、各携帯端末4A〜4Cにバトルゲームへの参加を許可する(ST2;接続確立工程)。なお、参加募集期間は各携帯端末4A〜4C間で同一(又は共通)であるが、時刻t0の値は各携帯端末4A〜4Cにおけるハンドシェイク要求の送信時刻に応じて各携帯端末4A〜4C毎に異なる。
【0260】
このとき、ウェブサーバ装置2のプロセッサ23は、ステップST42を、例えば図28に示すように、以下のステップST42−1〜ST42−5を含むステップとして実行してもよい。
【0261】
すなわち、プロセッサ23は、参加募集期間中、各携帯端末4A〜4Cからハンドシェイク要求を受信する(ST42−1)。
【0262】
プロセッサ23は、参加募集期間中、後述するステップST43による現在の計数結果を現在の参加人数とし、現在の参加人数に基づいて、ギャザリングデータGから参加レベルデータを抽出する(ST42−2)。
【0263】
プロセッサ23は、参加募集期間中、受信したハンドシェイク要求に基づき、当該ハンドシェイク要求の送信元の携帯端末のユーザの強さレベルが、抽出された参加レベルデータが表す強さレベルよりも高いか否かを判定する(ST42−3)。
【0264】
プロセッサ23は、当該判定の結果、高い場合に、送信元の携帯端末との接続を確立してハンドシェイク応答を返信し、当該携帯端末にバトルゲームへの参加を許可する(ST42−4)。また、プロセッサ23は、ステップST42−3による判定の結果、否の場合に、送信元の携帯端末との接続を終了し、当該携帯端末のバトルゲームへの参加を拒否して処理を終了する(ST42−5)。
【0265】
ステップST42の終了後、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、バトルゲームへの参加を許可した各携帯端末4A〜4Cの台数をバトルゲームの参加人数として計数する(ST43;参加人数計数工程)。これらステップST42〜ST43は、参加募集期間中、ハンドシェイク要求を受ける毎に実行される(ST44)。
【0266】
ウェブサーバ装置3では、プロセッサ23が、参加募集期間の終了後、当該計数された結果を参加人数として確定する(ST45;参加人数確定工程)。
【0267】
ウェブサーバ装置3では、プロセッサ23が、当該確定した参加人数に基づいて、ギャザリングデータからインセンティブデータ、敵レベルデータ及び制限時間を選択してメモリに設定し、当該設定した敵レベルデータ及び制限時間に基づいてバトルゲームを開始する(ST46;ゲーム開始工程)。
【0268】
次に、例えば携帯端末4Aでは、ユーザによるタッチパネル48Aのタップ操作に応じて、前述同様に、プロセッサ43Aが、イベント情報ivAを作成し(時刻t11)、このイベント情報ivAに応じたゲーム上の処理を実行すると共に、このイベント情報ivAを含むリクエストをウェブサーバ装置2に送信する。
【0269】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、このイベント情報ivAに応じたゲーム上の処理を実行する。また、プロセッサ23は、このリクエストの情報をメモリ22に書込む(ST47)。例えば、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、携帯端末4Aからユーザの操作に応じたイベント情報ivAを受けると、このイベント情報ivAの送信元を表す端末識別情報“4A”を含むログ情報をメモリ22に書込む(ST47;ログ書込工程)。
【0270】
また、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、当該携帯端末4Aから受けたイベント情報ivAをウェブソケットの通信規格に従って他の携帯端末4B、4Cに送信する(時刻t12;ウェブソケット通信工程)。ステップST47と時刻t12とは、どちらが先でもよい。
【0271】
また同様に、例えば携帯端末4Bでは、ユーザによるタッチパネル48Bのタップ操作に応じて、前述同様に、プロセッサ43Bが、イベント情報ivBを作成し(時刻t21)、このイベント情報ivBに応じたゲーム上の処理を実行すると共に、このイベント情報ivBを含むリクエストをウェブサーバ装置2に送信する。
【0272】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、このイベント情報ivBに応じたゲーム上の処理を実行する。また、プロセッサ23は、このリクエストの情報をメモリ22に書込む(ST48)。例えば、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、携帯端末4Bからユーザの操作に応じたイベント情報ivBを受けると、このイベント情報ivBの送信元を表す端末識別情報“4B”を含むログ情報をメモリ22に書込む(ST48;ログ書込工程)。
【0273】
また、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、当該携帯端末4Bから受けたイベント情報ivBをウェブソケットの通信規格に従って他の携帯端末4A、4Cに送信する(時刻t22;ウェブソケット通信工程)。ステップST48と時刻t22とは、どちらが先でもよい。
【0274】
更に同様に、例えば携帯端末4Cでは、ユーザによるタッチパネル48Cのタップ操作に応じて、前述同様に、プロセッサ43Cが、イベント情報ivCを作成し(時刻t31)、このイベント情報ivCに応じたゲーム上の処理を実行すると共に、このイベント情報ivCを含むリクエストをウェブサーバ装置2に送信する。
【0275】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、このイベント情報ivCに応じたゲーム上の処理を実行する。また、プロセッサ23は、このリクエストの情報をメモリ22に書込む(ST49)。例えば、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、携帯端末4Cからユーザの操作に応じたイベント情報ivCを受けると、このイベント情報ivCの送信元を表す端末識別情報“4C”を含むログ情報をメモリ22に書込む(ST49;ログ書込工程)。
【0276】
また、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、当該携帯端末4Cから受けたイベント情報ivCをウェブソケットの通信規格に従って他の携帯端末4A、4Bに送信する(時刻t32;ウェブソケット通信工程)。ステップST49と時刻t32とは、どちらが先でもよい。
【0277】
続いて、以上のようなイベント情報、設定された敵レベルデータ及び設定された制限時間に基づいてゲーム状況が進行し、例えばレイドボスのHPがゼロ値になったとする。
【0278】
このとき、ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、イベント情報によるアタックに基づいてバトルを終了させる(ST50)。なお、バトルの終了は、イベント情報に基づいてレイドボスのHPがゼロになった場合(ユーザが敵に勝った場合)に限らず、例えば、制限時間内にレイドボスのHPがゼロにならなかった場合(ユーザが敵に負けた場合)でもよい。
【0279】
ウェブサーバ装置2では、プロセッサ23が、バトルを終了させると、当該バトルで敵に勝った場合に、ステップST46で設定されたインセンティブデータを各携帯端末4A〜4Cに送信し(ST51)、各携帯端末4A〜4Cとの接続を切断する(時刻tn;接続切断工程)。ここで、プロセッサ23は、ステップST51の際に、例えば、ログ情報に含まれる端末識別情報に基いて、インセンティブデータを送信してもよい。これにより、ステップST46〜ST50の間にレイドボスを攻撃した携帯端末(実質的にバトルに参加した携帯端末)のみにインセンティブデータを送信することができる。また、プロセッサ23は、ユーザが敵に負けた場合にはインセンティブデータを送信せずに、各携帯端末4A〜4Cとの接続を切断する(時刻tn)。
【0280】
いずれにしても、接続が切断されると、1回のレイドバトルゲームが完了する。すなわち、ギャザリングデータ設定工程によりレイドバトルゲームの設定が開始され、以降の各工程によりレイドバトルゲームが運営され、接続切断工程により、レイドバトルゲームが完了する。
【0281】
上述したように本実施形態によれば、ウェブサーバ装置2が、いずれかの携帯端末からユーザの操作に応じたイベント情報を受けると、当該イベント情報をウェブソケットの通信規格に従って他の携帯端末に送信する構成により、ウェブソケットの通信規格に従い、処理負荷が小さいリアルタイム通信を実現できる。これにより、クライアント装置としての携帯端末の数を制限せずに、複数のクライアント装置としての複数の携帯端末4A〜4Cをウェブサーバ装置2に接続でき、多数のユーザが参加可能なバトルゲームを実現することができる。
【0282】
また、ウェブサーバ装置2は、ステップST42−1〜ST42−4を実行する場合、ハンドシェイク要求の送信元の携帯端末のユーザの強さレベルが、現在の参加人数に基づく参加レベルデータが表す強さレベルよりも高いか否かを判定し、高い場合、送信元の携帯端末との接続を確立してハンドシェイク応答を返信し、当該携帯端末にバトルゲームへの参加を許可する。これにより、強さレベルが低いユーザでも、参加募集期間中の早い時点で参加し、友人をバトルゲームに誘って参加人数の範囲を増やすことにより、良いインセンティブデータをもらえるようにしたので、ユーザと友人との付き合いが深まり、ソーシャル性(社交性)を高めることができる。
【0283】
また、ウェブサーバ装置2は、ログ情報を用いる場合、いずれかの携帯端末からユーザの操作に応じたイベント情報を受けると、このイベント情報の送信元を表す端末識別情報を含むログ情報をメモリに書込み、ログ情報に含まれる端末識別情報に基いて、インセンティブデータを送信する。これにより、実質的にバトルに参加した携帯端末のみにインセンティブデータを送信することができる。
【0284】
また、本実施形態によれば、リクエスト&レスポンス形式で通信を行わず、HTML5に関連したウェブソケットの通信規格を使用したバトルゲームを実現することができる。
【0285】
なお、上記実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、光磁気ディスク(MO)、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納して頒布することもできる。
【0286】
なお、本願発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合せてもよい。以下に、本願の原出願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
複数の携帯端末と通信可能なプロセッサを有するサーバ装置において用いられ、前記各携帯端末が敵をそれぞれ表示し、前記各携帯端末のユーザの操作により前記敵とのバトルを行うバトルゲームを当該各携帯端末に実行させるためのゲーム制御方法において、
前記プロセッサが、前記各携帯端末から接続要求を受けると、当該各携帯端末との接続を確立し、前記接続要求に対する応答を返信することにより、前記各携帯端末に前記バトルを開始させる接続確立工程と、
前記プロセッサが、前記接続確立工程によって確立された各携帯端末との接続中に、前記各携帯端末のうちのいずれかの携帯端末からユーザの操作に応じたイベント情報を受けると、当該イベント情報を通信規格に従って前記いずれかの携帯端末以外の他の携帯端末に送信する通信工程と、
前記プロセッサが、前記イベント情報又は制限時間に基づいて前記バトルを終了させると、前記接続確立工程によって確立された前記各携帯端末との接続を切断する接続切断工程と、
を備える、ゲーム制御方法。
[2]
前記接続要求は、ハンドシェイク要求であり、前記接続要求に対する応答は、ハンドシェイク応答であり、前記通信規格は、ウェブソケットの通信規格である、上記[1]に記載のゲーム制御方法。
[3]
前記敵は、前記イベント情報によるアタックを受けるレイドボスであり、
前記イベント情報は、前記ユーザの操作を示すアクション情報と、前記操作された時点から所定の期間を示す期間情報とを含み、
前記通信工程においては、前記プロセッサが、前記イベント情報を当該イベント情報に含まれる期間情報が示す期間内に前記他の携帯端末に送信する、上記[1]に記載のゲーム制御方法。
[4]
前記プロセッサが、互いに異なる前記各携帯端末の操作に応じた複数のイベント情報を連続攻撃として受け付ける受付期間を含むデータを前記サーバ装置のメモリに設定するデータ設定工程と、
前記プロセッサが、前記各携帯端末のうちのいずれかの携帯端末からユーザの操作に応じたイベント情報を受けると、このイベント情報を受け付けたイベント情報受付時間とこのイベント情報の送信元を表す端末識別情報とを含むログ情報を前記メモリに書込むログ書込工程と、
前記プロセッサが、前記ログ情報に含まれる複数の端末識別情報が互いに異なるか否かを判定すると共に、前記ログ情報に含まれる複数のイベント情報受付時間が前記受付期間内にあるか否かを判定する判定工程と、
前記プロセッサが、前記判定の結果、前記複数の端末識別情報が互いに異なり且つ前記複数のイベント情報受付時間が前記受付期間内にある場合、前記連続攻撃を前記敵に加える連続攻撃工程とをさらに具備し、
前記接続切断工程は、前記プロセッサが、前記イベント情報、前記連続攻撃又は制限時間に基づいて前記バトルを終了させると、前記各携帯端末との接続を切断する、上記[1]に記載のゲーム制御方法。
[5]
前記プロセッサが、前記各敵を識別する敵識別情報と、前記バトルを行うときの優劣関係が巡回的に定められた複数の属性のうちのいずれかの属性を示す属性情報とを含む敵属性データを前記サーバ装置のメモリに設定する敵属性設定工程と、
前記プロセッサが、前記各携帯端末のうちのいずれかの携帯端末からユーザの操作に応じたイベント情報を受けると、このイベント情報の送信元を表す端末識別情報と、前記敵属性データ内のいずれかの属性情報とを含む端末属性データを前記メモリに設定すると共に、このイベント情報を前記通信規格に従って前記いずれかの携帯端末以外の他の携帯端末に送信する端末属性設定工程と、
前記プロセッサが、前記端末属性データが設定された前記各携帯端末のうちのいずれかの携帯端末からユーザの操作に応じたイベント情報を受けると、当該イベント情報を前記通信規格に従って前記いずれかの携帯端末以外の他の携帯端末に送信する通信工程とをさらに具備し、
前記接続切断工程は、前記プロセッサが、前記イベント情報又は制限時間に基づいて前記バトルを終了させると、前記各携帯端末との接続を切断する、
上記[1]に記載のゲーム制御方法。
[6]
前記各携帯端末は、第1及び第2の携帯端末を含み、前記サーバ装置は、前記第1及び第2の各携帯端末のうちの前記第1の各携帯端末のユーザの操作により前記敵とのバトルを行うバトルゲームを当該第1の各携帯端末に実行させ、前記バトルを行うユーザを応援するための前記第2の各携帯端末を当該応援に参加させ、
前記プロセッサが、前記第2の各携帯端末の台数に相当する応援人数の範囲と、前記応援人数の範囲に応じて前記第1の各携帯端末のユーザに与えることが可能なインセンティブデータとを関連付けて記述した応援データを前記メモリに設定し、
前記接続確立工程は、
前記プロセッサが、前記バトルゲームへの参加募集期間中、前記第1の各携帯端末から前記バトルへの参加を求める第1接続要求を受けると、当該第1接続要求に基づき、当該第1の各携帯端末との接続を確立し、第1接続応答を返信し、当該第1の各携帯端末に前記バトルへの参加を許可する第1接続確立工程と、
前記プロセッサが、前記参加募集期間中及び前記バトルの実行期間中、前記第2の各携帯端末から前記バトルの応援への参加を求める第2接続要求を受けると、当該第2接続要求に基づき、当該第2の各携帯端末との接続を確立し、第2接続応答を返信し、当該第2の各携帯端末に前記応援への参加を許可する第2接続確立工程とを具備し、
前記プロセッサが、前記応援への参加を許可した第2の各携帯端末の台数を前記応援人数として計数し、
前記通信工程は、前記プロセッサが、前記第1及び第2の各携帯端末のうちのいずれかの携帯端末からユーザの操作に応じたイベント情報を受けると、このイベント情報を前記通信規格に従って前記いずれかの携帯端末以外の他の各携帯端末に送信し、
前記プロセッサが、前記バトルの終了時に、前記計数された結果を前記応援人数として確定し、
前記接続切断工程は、
前記プロセッサが、前記敵が負けた場合に、前記確定した応援人数に関連付けられたインセンティブデータを前記第1の各携帯端末に送信し、当該第1の各携帯端末との接続を切断する第1接続切断工程と、
前記プロセッサが、前記バトルの終了後、体力値を回復させるデータを前記第2の各携帯端末に送信し、当該第2の各携帯端末との接続を切断する第2接続切断工程と、
を具備する上記[1]に記載のゲーム制御方法。
[7]
前記応援データは、前記応援人数の範囲と、前記応援人数の範囲に応じた前記インセンティブデータと、前記第2の各携帯端末による応援の目標値と、前記目標値に応じた、前記インセンティブデータとは異なる他のインセンティブデータとを関連付けて記述したデータであり、
前記応援の目標値は、前記第2の各携帯端末から送信された前記イベント情報の単位時間当たりの個数を表すパラメータであり、
前記通信工程は、
前記プロセッサが、前記第1及び第2の各携帯端末のうち、前記第2の各携帯端末のいずれかからユーザの操作に応じたイベント情報を受けると、このイベント情報の受付時間と、このイベント情報の送信元を表す端末識別情報を含むログ情報を前記メモリに書込むログ情報書込工程と、
前記プロセッサが、前記単位時間当たりの前記受付時間の個数を前記応援の計数値として計数する計数工程と、
前記プロセッサが、前記応援の計数値と前記応援の目標値とを比較し、前記応援の計数値が前記応援の目標値に到達すると、前記目標値に到達した時間を表す目標到達時間を前記メモリに書込む到達時間書込工程と、
前記プロセッサが、前記第2の各携帯端末のいずれかから受けたイベント情報を前記応援の計数値と共に、前記通信規格に従って当該イベント情報の送信元以外の他の携帯端末に送信するイベント情報送信工程と、
を含んでおり、
前記第1接続切断工程は、
前記プロセッサが、前記敵が負けた場合に、前記確定した応援人数に関連付けられた前記インセンティブデータを前記第1の各携帯端末に送信する第1データ送信工程と、
前記プロセッサが、前記敵が負けた場合で且つ前記メモリ内に前記目標到達時間がある場合には、更に、前記他のインセンティブデータを前記第1の各携帯端末に送信する第2データ送信工程と、
前記第1及び第2データ送信工程の完了後、前記第1の各携帯端末との接続を切断する切断工程と、
を含む上記[6]に記載のゲーム制御方法。
[8]
前記プロセッサが、前記バトルの実行期間中、当該バトルの制限時間から所定時間前になっても前記メモリ内に前記目標到達時間が無い場合に、前記応援を促すメッセージを前記第2の各携帯端末に送信するメッセージ送信工程と、
を更に備える上記[7]に記載のゲーム制御方法。
[9]
前記プロセッサが、前記バトルゲームの参加人数の範囲と、前記バトルの結果に基づいて前記各携帯端末のユーザに与えることが可能なインセンティブデータと、前記敵の強さレベルを表す敵レベルデータと、前記バトルゲームの制限時間とを関連付けて記述したギャザリングデータを前記メモリに設定し、
前記接続確立工程は、前記プロセッサが、前記バトルゲームの参加募集期間中、前記各携帯端末から接続要求を受けると、当該接続要求に基づき、当該各携帯端末との接続を確立し、接続応答を返信し、前記各携帯端末に前記バトルゲームへの参加を許可し、
前記プロセッサが、前記バトルゲームへの参加を許可した各携帯端末の台数を前記バトルゲームの参加人数として計数し、
前記プロセッサが、前記参加募集期間の終了後、前記計数された結果を前記参加人数として確定し、
前記プロセッサが、前記確定した参加人数に基づいて、前記ギャザリングデータから前記インセンティブデータ、前記敵レベルデータ及び前記制限時間を選択して前記メモリに設定し、当該設定した前記敵レベルデータ及び前記制限時間に基づいて前記バトルゲームを開始し、
前記接続切断工程は、前記プロセッサが、前記イベント情報、前記設定された敵レベルデータ及び前記設定された制限時間に基づいて前記バトルを終了させると、当該バトルで前記敵に勝った場合に、前記設定されたインセンティブデータを前記各携帯端末に送信し、前記各携帯端末との接続を切断する、
上記[1]に記載のゲーム制御方法。
[10]
前記ギャザリングデータは、前記参加人数の範囲と、前記インセンティブデータと、前記敵レベルデータと、前記制限時間と、前記バトルゲームに参加可能な強さレベルを表す参加レベルデータとを関連付けて記述したデータであり、
前記接続確立工程は、
前記プロセッサが、前記参加募集期間中、前記各携帯端末から接続要求を受信する要求受信工程と、
前記プロセッサが、前記参加募集期間中、前記参加人数計数工程による現在の計数結果を現在の参加人数とし、前記現在の参加人数に基づいて、前記ギャザリングデータから前記参加レベルデータを抽出する参加レベル抽出工程と、
前記プロセッサが、前記参加募集期間中、前記受信した接続要求に基づき、当該接続要求の送信元の携帯端末のユーザの強さレベルが、前記抽出された前記参加レベルデータが表す強さレベルよりも高いか否かを判定する判定工程と、
前記プロセッサが、当該判定の結果、前記高い場合に、前記送信元の携帯端末との接続を確立して接続応答を返信し、当該携帯端末に前記バトルゲームへの参加を許可する応答返信工程と、
を含む上記[9]に記載のゲーム制御方法。
[11]
前記通信工程は、
前記プロセッサが、前記各携帯端末のうちのいずれかの携帯端末からユーザの操作に応じたイベント情報を受けると、このイベント情報の送信元を表す端末識別情報を含むログ情報を前記メモリに書込むログ情報書込工程と、
を含んでおり、
前記接続切断工程においては、前記プロセッサが、前記ログ情報に含まれる端末識別情報に基いて、前記インセンティブデータを送信する、上記[10]に記載のゲーム制御方法。
[12]
複数の携帯端末が敵をそれぞれ表示し、前記各携帯端末のユーザの操作により前記敵とのバトルを行うバトルゲームを当該各携帯端末に実行させるためのサーバ装置において、
前記各携帯端末から接続要求を受けると、当該各携帯端末との接続を確立し、前記接続要求に対する応答を返信することにより、前記各携帯端末に前記バトルを開始させる接続確立手段と、
前記接続確立手段によって確立された各携帯端末との接続中に、前記各携帯端末のうちのいずれかの携帯端末からユーザの操作に応じたイベント情報を受けると、当該イベント情報を通信規格に従って前記いずれかの携帯端末以外の他の携帯端末に送信する通信手段と、
前記イベント情報又は制限時間に基づいて前記バトルを終了させると、前記接続確立手段によって確立された前記各携帯端末との接続を切断する接続切断手段と、
を備える、サーバ装置。
[13]
複数の携帯端末が敵をそれぞれ表示し、前記各携帯端末のユーザの操作により前記敵とのバトルを行うバトルゲームを当該各携帯端末に実行させるためのサーバ装置に用いられるゲーム制御プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記録媒体において、
前記ゲーム制御プログラムは、前記サーバ装置のプロセッサを、
前記各携帯端末から接続要求を受けると、当該各携帯端末との接続を確立し、前記接続要求に対する応答を返信し、前記各携帯端末に前記バトルを開始させる接続確立手段、
前記接続確立手段によって確立された各携帯端末との接続中に、前記各携帯端末のうちのいずれかの携帯端末からユーザの操作に応じたイベント情報を受けると、当該イベント情報を通信規格に従って前記いずれかの携帯端末以外の他の携帯端末に送信する通信手段、
前記イベント情報又は制限時間に基づいて前記バトルを終了させると、前記接続確立手段によって確立された前記各携帯端末との接続を切断する接続切断手段、
として機能させる。
【符号の説明】
【0287】
1…ネットワーク、2…ウェブサーバ装置、4A〜4C…携帯端末、5…アクセスポイント(AP)、6…基地局、21,41A…記憶装置、22,42A…メモリ、23,43A…プロセッサ、24,44A…通信部、45A…電子コンパス、46A…カメラ、47A…表示部、48A…タッチパネル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29