【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 毎日新聞 平成27年3月27日付朝刊、第26面にて、資源回収システム(発明における廃棄物回収場所)を掲載した。 西日本新聞 平成27年4月4日付朝刊、第28面にて、資源回収システム(発明における廃棄物回収場所)を掲載した。 株式会社コミュニティジャーナルが、ラジオ局であるえびすFMの平成27年6月24日12時(正午)から放送したFUN倶楽部・よかかんた〜という番組にて、資源回収システムを公開した。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1の資源回収システムは、資源として回収される一般廃棄物の品目(例えば、ペットボトル)が限られており利用者の利便性が悪い。また、近年ではより一層環境保護や資源保護への認識が高くなりつつあり、このため、一般家庭で発生する一般廃棄物の中から再生資源を回収してリサイクル可能な多種類の一般廃棄物を効率よく回収し、再生資源としてリサイクルすることができる資源回収システムの提供が求められている。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために、一般家庭で発生した複数種類の一般廃棄物のうち、廃棄物廃棄者が任意の時間に所定の回収場所へ一般廃棄物を持ち込むことができるように廃棄物回収場所を設定し、廃棄物回収場所を設置管理すると共に回収業者によりその場所で再生資源としてリサイクル可能な一般廃棄物を分別して効率よく回収し、一般廃棄物から回収した再生資源をリサイクル者に提供することにより、環境保護や資源保護を図ることができる資源回収システムを提供することを目的とする。特に、廃棄物回収場所を各種大型店舗の敷地内等の集客し易い場所に設定し、一般廃棄物の持込み量分別等の識別や回収、リサイクルの業態をデータによる一元管理して、システムとして便利な資源回収が行えるようにしたことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、場所設定者が各種大型店舗の敷地或いはその近郊の土地を廃棄物回収場所として取得する場所取得手段と、コンテナ設定者が前記廃棄物回収場所に廃棄物廃棄者により廃棄される一般廃棄物を種類別に分別回収するためのコンテナを設置するコンテナ設置手段と、廃棄物回収者が前記コンテナに分別して廃棄収納された一般廃棄物を回収する廃棄物回収手段と、資源回収者が前記廃棄物回収手段により回収した一般廃棄物から再生資源を回収する資源回収手段と、前記資源回収手段により回収した再生資源を前記資源回収者によりリサイクル者に売却する資源販売手段と、により構成すると共に、上記各手段の管理をするために、前記廃棄物回収場所に設置された前記コンテナに廃棄収納された一般廃棄物を管理する資源管理者のシステムサーバと、コンテナ設定者により前記廃棄物回収場所に設置された回収場所端末と、前記廃棄物回収手段を実施する前記廃棄物回収者が操作する廃棄物回収端末と、前記資源回収手段を実施する前記資源回収者が操作する資源回収端末と、を公衆通信回線網により相互に通信可能に構成した資源回収システムとし、資源回収システムの前記システムサーバは、前記回収場所端末から少なくとも前記廃棄物回収場所のコンテナに廃棄された一般廃棄物の量の情報を含む回収場所情報を受信する場所情報受信手段と、前記廃棄物回収手段を実施するために、前記廃棄物回収者の廃棄物回収端末へ廃棄物回収指示を送信する廃棄物回収指示手段と、前記廃棄物回収場所から回収した種類別の一般廃棄物の重量を、前記廃棄物回収端末から受信する廃棄物重量受信手段と、前記資源回収者が前記資源販売手段により再生資源としてリサイクル者に販売した際の販売価格を、前記資源回収端末から受信する販売価格受信手段と、を有し、前記回収場所端末は、少なくとも前記廃棄物回収場所のコンテナに廃棄された一般廃棄物の量の情報を含む回収場所情報を前記システムサーバに送信する場所情報送信手段と、を有し、前記廃棄物回収端末は、前記システムサーバからの廃棄物回収指示を受信する廃棄物回収指示受信手段と、前記廃棄物回収場所から種類別に回収した一般廃棄物の重量を前記システムサーバに送信する廃棄物重量送信手段と、を有し、前記資源回収端末は、前記資源回収手段により一般廃棄物から回収した再生資源を、前記資源販売手段によりリサイクル者に販売した販売価格を前記システムサーバに送信する販売価格送信手段と、を有
し、前記システムサーバは、前記販売価格受信手段により受信した再生資源の販売価格を1年度の月単位で管理し、前記資源管理者は、再生資源の販売価格を、所定の配分で当該資源回収システムを構成する前記場所設定者、前記コンテナ設定者、前記資源管理者、前記廃棄物回収者及び前記資源回収者に分配し、前記コンテナ設定者による前記コンテナ設置手段は、前記廃棄物回収場所に、当該廃棄物回収場所を撮像する撮像手段と、当該廃棄物回収場所を訪れた廃棄物廃棄者の数をカウントするカウント手段と、をさらに設置し、前記回収場所端末は、前記撮像手段で撮像した画像情報と、前記カウント手段でカウントした廃棄物廃棄者の数と、を前記システムサーバに前記回収場所情報として送信し、前記システムサーバでは、前記回収場所情報に含まれる前記廃棄物廃棄者の数の増減を分析し、実績データとして前記各種大型店舗に設置された前記廃棄物回収場所の集客状況を把握し、前記各種大型店舗の集客率の向上を行うように構成したことを特徴とする資源回収システムとした。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の資源回収システムにおいて、前記コンテナ設定者による前記コンテナ設置手段は、前記廃棄物回収場所に、資源となる一般廃棄物を種類別に分別回収するための一般廃棄物の種類に応じた大きさと形状が異なる複数種類のコンテナを設置可能とし、当該廃棄物回収場所の立地状況に応じて、前記複数種類のコンテナの中から設置するコンテナの種類や個数を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、場所設定者が場所取得手段により取得した廃棄物回収場所に、コンテナ設定者がコンテナ設置手段により一般廃棄物を種類別に分別回収するためのコンテナを設置している。このため、不要な一般廃棄物を処分したい廃棄物廃棄者(つまり、廃棄物回収場所の利用者)が、廃棄物回収場所に設置されたコンテナに、いつでも任意のタイミングで一般廃棄物を持ち込んで分別して廃棄することができるので、廃棄物廃棄者にとって無料で一般廃棄物を処分できる利便性の高い廃棄物回収場所を提供することが可能となる。なお、本発明の廃棄物回収場所は、各種大型店舗の敷地(例えば、駐車場の一角)或いはその近郊の土地に複数個所設置されており、各種大型店舗を利用する利用客が買い物のついでに不要な一般廃棄物を処分できるのでさらに利便性が高い。また、不要な一般廃棄物を処分したい廃棄物廃棄者が一般廃棄物の処分のついでに廃棄物回収場所が設置された各種大型店舗で買い物をする場合もあるので、本発明の資源回収システムにおける廃棄物回収場所の設置は、設置した各種大型店舗の集客にも貢献できることになる。
【0012】
ここで、本発明における一般廃棄物とは、主に家庭で発生する所謂ゴミと呼称される廃棄物であるが、これに限定されるものではなく、工場や事業所において発生する産業廃棄物を除く事業系一般廃棄物等が含まれる場合もある。また、本発明における各種大型店舗とは、例えば、郊外型のショッピングセンター、ショッピングモール、家電量販店等の大規模な商業施設のことであるが、これに限定されるものではなく、本発明の廃棄物回収場所を設置可能なスペースを有する施設であれば、商業施設に限らず他の業種(例えば、貸倉庫、コインランドリー等)の店舗でもよい。
【0013】
また、本発明によれば、廃棄物回収者がコンテナに分別して廃棄収納された一般廃棄物を回収する廃棄物回収手段と、資源回収者が廃棄物回収手段により回収した一般廃棄物から再生資源を回収する資源回収手段と、資源回収手段により回収した再生資源を資源回収者によりリサイクル者に売却する資源販売手段と、により構成されている。このため、廃棄物回収場所にコンテナに分別して廃棄収納された一般廃棄物は、廃棄物回収者により回収され資源回収者に搬送される。そして、搬送された一般廃棄物から資源回収者により再生資源が回収され、回収された再生資源はリサイクル者の工場(例えば、ペットボトルの製造工場や古紙の再生工場等)に再生資源として売却される。このように、再生資源の売却による収益が資源回収システムにおける収益となるため、本発明の資源回収システムを構成する各業者(場所設定者、コンテナ設定者、廃棄物回収者及び資源回収者等)に収益を分配することで資源回収システムが事業として成立することになる。
【0014】
また、本発明によれば、上述した各手段の管理をするために、廃棄物回収場所に設置されたコンテナに廃棄収納された一般廃棄物を管理する資源管理者のシステムサーバと、コンテナ設定者により前記廃棄物回収場所に設置された回収場所端末と、前記廃棄物回収手段を実施する前記廃棄物回収者が操作する廃棄物回収端末と、前記資源回収手段を実施する前記資源回収者が操作する資源回収端末と、を公衆通信回線網により相互に通信可能に構成した資源回収システムである。そして、資源回収システムのシステムサーバは、前記回収場所端末から少なくとも前記廃棄物回収場所のコンテナに廃棄された一般廃棄物の量の情報を含む回収場所情報を受信する場所情報受信手段と、廃棄物回収手段を実施するために、廃棄物回収者の廃棄物回収端末へ廃棄物回収指示を送信する廃棄物回収指示手段と、廃棄物回収場所から運搬した種類別の一般廃棄物の重量を、廃棄物回収端末から受信する廃棄物重量受信手段と、資源回収者が前記資源販売手段により再生資源としてリサイクル者に販売した際の販売価格を、資源回収端末から受信する販売価格受信手段と、を有し、回収場所端末は、少なくとも廃棄物回収場所のコンテナに廃棄された一般廃棄物の量の情報を含む回収場所情報をシステムサーバに送信する場所情報送信手段と、を有し、廃棄物回収端末は、システムサーバからの廃棄物回収指示を受信する廃棄物回収指示受信手段と、廃棄物回収場所から種類別に搬送した一般廃棄物の重量をシステムサーバに送信する廃棄物重量送信手段と、を有し、資源回収端末は、資源回収手段により一般廃棄物から回収した再生資源を、資源販売手段によりリサイクル者に販売した販売価格を前記システムサーバに送信する販売価格送信手段と、を有している。
【0015】
回収場所端末の場所情報送信手段は、少なくとも廃棄物回収場所のコンテナに廃棄された一般廃棄物の量の情報を含む回収場所情報をシステムサーバに送信する。この回収場所端末による回収場所情報のシステムサーバへの送信のタイミングは、例えば、定期的(10分間隔)で回収場所端末からシステムサーバへ送信してもよいし、また、システムサーバが定期的(10分間隔)で回収場所端末に回収場所情報の送信を要求するようにし、このシステムサーバからの回収場所情報の送信の要求に応じて、回収場所端末からシステムサーバへ送信してもよい。
【0016】
システムサーバの場所情報受信手段は、回収場所端末から廃棄物回収場所の情報を受信する。この廃棄物回収場所の情報は、廃棄物回収場所に設置されたコンテナに種類別に分別回収された一般廃棄物の量等の情報を少なくとも含んでいる。そして、システムサーバは、廃棄物回収場所のコンテナに種類別に分別回収された一般廃棄物の量等の情報からコンテナに収納された一般廃棄物の量が所定量であると判断すると、廃棄物回収指示手段により、廃棄物回収者の廃棄物回収端末に廃棄物回収場所からの一般廃棄物の回収を廃棄物回収指示として送信する。この廃棄物回収指示は、具体的には、廃棄物回収者が複数の廃棄物回収場所から効率よく一般廃棄物を種類別に回収して、一般廃棄物の種類別に対応した資源回収者へ回収した一般廃棄物を搬送する指示である。なお、システムサーバによる廃棄物回収者への廃棄物回収指示の送信の回収のタイミングは、上述したように、廃棄物回収場所のコンテナに種類別に分別回収された一般廃棄物の量等の情報に基づいてもよいし、或いは、所定間隔(例えば、一週間の所定の曜日)毎に定期的に行ってもよい。
【0017】
廃棄物回収指示受信手段によりシステムサーバからの廃棄物回収指示を廃棄物回収端末に受信した廃棄物回収者は、複数の廃棄物回収場所から一般廃棄物を種類別に回収して、回収した一般廃棄物を一般廃棄物の種類別に対応した資源回収者に搬送する。この時、廃棄物回収者は、回収した一般廃棄物の種類別の重量を複数の廃棄物回収場所毎に計測して、廃棄物重量送信手段により廃棄物回収端末からシステムサーバへ送信する。システムサーバは、廃棄物重量受信手段により廃棄物回収端末からの複数の廃棄物回収場所毎に回収した一般廃棄物の種類別の重量を受信して記憶しておく。これにより、システムサーバを運用する資源管理者は、複数の廃棄物回収場所毎に回収効率の良い一般廃棄物の種類を把握することができる。
【0018】
廃棄物回収者は、回収した種類別の一般廃棄物を、対応する資源回収者へ搬送する。すなわち、本発明においては、資源として再生可能な一般廃棄物を複数種類回収可能としている。ここで、資源として再生可能な一般廃棄物の種類は、例えば、古紙(新聞、雑誌、段ボール等)、衣類、家庭金物(鍋、フライパン等)、空き缶(アルミ缶、スチール缶等)、ペットボトル、小物家電(炊飯器、掃除機、電子レンジ、オーブン、ポット、ミシン、ゲーム機、携帯電話等)、オーディオ類(DVDプレーヤ、CDプレーヤ、レコードプレーヤ、ビデオデッキ、アンプ、スピーカ等)、小型バイク(例えば、原付)、自転車、小型農機具、OA機器(パソコン、プリンタ等)、カメラ、アルミホイール、金属屑等である。なお、再生資源を回収可能な一般廃棄物の種類は、上記の一般廃棄物の種類に限定されるものではない。但し、一般廃棄物でも大型冷蔵庫や大型テレビ、工場や事業所からの事業系一般廃棄物以外の産業廃棄物等は専用の特殊な廃棄処理が必要なため、本発明の資源回収システムにおいては回収対象外となる。
【0019】
そして、廃棄物回収者は、回収した一般廃棄物の種類に応じて、例えば、古紙の場合は古紙処理業者、ペットボトルの場合はペットボトル処理業者、家庭用小物家電の場合は家電処理業者というように専門の資源回収者に搬送する。搬送された種類別の一般廃棄物に応じた専門の資源回収者(古紙処理業者、ペットボトル処理業者、家電処理業者等)は、資源回収手段により搬送された一般廃棄物から再生資源(つまり、リサイクルの原料となる資源)を回収する。そして、回収された再生資源は、再生資源から製品を生産するリサイクル工場を営むリサイクル者に出荷販売される。この時の再生資源の販売価格は、販売価格送信手段により資源回収端末からシステムサーバに送信される。本発明においては、この再生資源の販売価格が資源回収システムにおける収益となり、この収益が所定の配分で資源回収システムを構成する各業者(場所設定者、コンテナ設定者、資源管理者、廃棄物回収者及び資源回収者)に分配されることになる。
【0020】
上述したように、本発明においては、場所設定者により一般廃棄物を回収するための土地が廃棄物回収場所として取得される。この廃棄物回収場所に、コンテナ設定者により一般廃棄物を種類別に分別回収するためのコンテナが設置される。資源管理者は、コンテナに無料で分別回収された一般廃棄物の量(例えば、一般廃棄物の容量又は重量等)を監視し、コンテナに廃棄された一般廃棄物を種類別に回収して専門の資源回収者に搬送する指示(廃棄物回収指示)を廃棄物回収者に指示する。廃棄物回収者は、廃棄物回収指示に応じて廃棄物回収場所から一般廃棄物を種類別に回収して専門の資源回収者に搬送する。資源回収者は、廃棄物回収者により搬送された一般廃棄物から再生資源を回収して、回収した再生資源をリサイクル者に販売する。この再生資源の販売による収益が本発明の資源回収システムの収益となり、本発明の資源回収システムは、独立した事業として成り立つとともに、無駄に廃棄される再生可能な資源を大きく減らすことができ、環境保護や資源保護に貢献することができる。また、一般に各市町村等の自治体は、回収した一般廃棄物の処理(例えば、焼却等)に莫大な経費(税金)を投入している。本発明の資源回収システムによれば、上述したように、一般家庭において不要になった資源として再生可能な一般廃棄物を無料で回収する為、各自治体が回収する一般廃棄物の減量に繋がり、一般廃棄物の処理に係る経費を節約することが可能となる。
【0021】
また、コンテナ設定者によるコンテナ設置手段は、廃棄物回収場所に、資源となる一般廃棄物を種類別に分別回収するための一般廃棄物の種類に応じた大きさと形状が異なる複数種類のコンテナを設置可能としている。そして、廃棄物回収場所の立地状況(廃棄物回収場所の設置場所や専有面積等)に応じて、複数種類のコンテナの中から設置するコンテナの種類や個数が決定されることになる。この複数種類のコンテナは、上面に開口部を有し、大きさ(回収容量)の異なる金属製の網籠型のコンテナが好適に用いられる。また、再生資源の回収効率が高い一般廃棄物(アルミ缶等)や回収した一般廃棄物の飛散防止を図るために、前面に一般廃棄物の飛散及び盗難防止のためのシャッター(開閉装置)付きのコンテナや上面に開閉可能な蓋を有する大型の密封性の高いコンテナが好適に用いられる。すなわち、回収する一般廃棄物の種類に応じて様々な大きさと形状のコンテナが用いられる。
【0022】
これにより、コンテナが設置される廃棄物回収場所の立地状況に応じて、例えば、郊外型の各種大型店舗の駐車場やその近傍に廃棄物回収場所を設置する場合は、この各種大型店舗の利用客を見込んで、一般家庭から発生する一般廃棄物(古紙、ペットボトル、空き缶、衣類、家庭金物等)を回収するコンテナを重点的に設置し、さらに、複数種類のコンテナの中から回収容量の大きいコンテナを設置することで、効率よく一般家庭から発生する一般廃棄物を回収することができる。なお、コンテナは、廃棄物廃棄者が分別した一般廃棄物を入れ間違えないように回収する一般廃棄物の種類(古紙、衣類、アルミ缶、ペットボトル等)を明記したパネルが、廃棄物廃棄者が視認し易い場所(例えば、コンテナの前面や上面)に掲示されている。
【0023】
また、コンテナ設定者によるコンテナ設置手段は、廃棄物回収場所を撮像する撮像手段と、廃棄物回収場所を訪れた廃棄物廃棄者の数をカウントするカウント手段と、をさらに備え、回収場所端末は、撮像手段で撮像した画像情報と、カウント手段でカウントした廃棄物廃棄者の数と、をシステムサーバに回収場所情報として送信する。システムサーバの場所情報受信手段は、受信した回収場所情報を解析することにより、当該廃棄物回収場所に設置されたコンテナの状態(例えば、廃棄された一般廃棄物の種類や量)や廃棄物回収場所に訪れた廃棄物廃棄者の数を把握することができる。
【0024】
本発明における廃棄物回収場所は、通常無人で年中無休で24時間一般開放することが望ましいため、一般廃棄物の分別を守らない廃棄物廃棄者や、回収対象とならない産業廃棄物等が不当に廃棄される虞がある。このため、廃棄物回収場所に撮像手段としてのカメラを設置し、24時間体制で撮像した画像情報を回収場所端末からシステムサーバに回収場所情報として送信することで、資源管理者が廃棄物回収場所を監視することを可能としている。そして、資源管理者が一般廃棄物の分別を守らない廃棄物廃棄者や不法投棄を行う廃棄物廃棄者を発見した場合は、契約している警備会社に速やかに通報することで、廃棄物廃棄者の乗用車(トラック等)のナンバープレート等から不当な廃棄物廃棄者を特定することを可能としている。
【0025】
また、本発明における廃棄物回収場所端末は、当該廃棄物回収場所を利用する廃棄物廃棄者の数をカウント手段によりカウントしてシステムサーバに回収場所情報として送信する。これにより、各種大型店舗の敷地(具体的には駐車場等)に廃棄物回収場所を設置した場合に、この廃棄物回収場所を訪れた廃棄物廃棄者の数を把握することで、各種大型店舗の廃棄物回収場所の集客状況を把握することができる。また、廃棄物回収場所を訪れた廃棄物廃棄者が設置された各種大型店舗を利用する場合もあるので、廃棄物回収場所を設置した各種大型店舗の集客に貢献することができる。
【0026】
また、コンテナ設定者によるコンテナ設置手段は、廃棄物回収場所に消費電力の少ないLED照明を設置し、夜間の廃棄物廃棄者の安全を図ることもできる。これにより、上記撮像手段の画像もより鮮明に撮像することができる。さらに、廃棄物回収場所に火災検知器や消火設備(スプリンクラー等)を設置することもできる。すなわち、回収する一般廃棄物に古紙や衣類等の発火し易いものが含まれている場合は、上記撮像手段の他に火災検知器としての熱や煙の検知手段をさらに備え、火災を検出した場合は消火設備を作動させるとともに、廃棄物回収場所端末から火災の発生をシステムサーバや近傍の消防署に速やかに通報することで、消火活動を速やかに実行することができる。これにより、廃棄物回収場所を設置した各種大型店舗及び廃棄物廃棄者、近隣の住宅にとってもより安全な廃棄物回収場所を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本実施形態に係る資源回収システムの一例について、図面を参照して説明する。
【0029】
[資源回収システムの概要]
まず、本実施形態における資源回収システムの概要を、
図1を参照して説明する。本実施形態における資源回収システム1は、
図1に示すように、場所設定者50、コンテナ設定者60、複数の廃棄物回収場所20、資源管理者10、複数の廃棄物回収者30、複数の資源回収者40から構成されている。なお、図中の破線の矢印(1)及び(2)は、本実施形態における場所取得手段及びコンテナ設置手段をそれぞれ示し、図中の白矢印(A)〜(D)は、再生資源の回収素となる一般廃棄物及び再生資源の流れを示し、図中の黒矢印(a)〜(d)は、資源管理者10と、廃棄物回収場所20、廃棄物回収者30及び資源回収者40との間の情報の流れを示している。
【0030】
場所設定者50は、複数の廃棄物回収場所20としての土地を取得するために、例えば、各種大型店舗70の土地保有者(又は、管理者)から土地を所定の年数(例えば、3年)の間賃貸契約等により借地する(図中の破線の矢印(1))。コンテナ設定者60は、場所設定者50が取得した複数の廃棄物回収場所20に、立地状況に応じて回収する一般廃棄物の種類別に形状や大きさ等の種類の異なる複数のコンテナ21を設置する(図中の破線の矢印(2))。また、複数の廃棄物回収場所20には、撮像装置としての監視カメラ22、LED照明23、廃棄物廃棄者80の数を感知するカウント手段としてのカウントセンサ25、図示しない火災検知器や消火設備等が設置されている。また、複数の廃棄物回収場所20には、当該廃棄物回収場所20の状態、例えば、監視カメラ22で撮像した映像、カウントセンサ25により検出した廃棄物廃棄者80の数、複数のコンテナ21に回収された一般廃棄物の量等の情報(以下、回収場所情報という。)をシステムサーバに11に送信するための回収場所端末24がそれぞれ設置されている。
【0031】
ここで、本実施形態における複数の廃棄物回収場所20に設置される複数種類のコンテナ21の構造の一例を、
図9を参照して説明する。コンテナ21は、
図9(a)に示すように、収納した一般廃棄物を外から視認できるように、上面を開口部とし、金属製の縦棒及び横棒で格子状に形成された4側面を有する網籠型のコンテナが好適に用いられる。また、廃棄収納された一般廃棄物(例えば、古紙や衣類)が風で飛散したり雨に濡れたりするのを防止するために、
図9(b)に示すように、上面に開閉可能な蓋部21aを有する箱型のコンテナが好適に用いられる。また、再生資源の回収効率が高い一般廃棄物(例えば、アルミ缶等)の飛散や盗難を防止するために、
図9(c)に示すように、前面にシャッター21b(開閉装置)付きの倉庫型のコンテナが好適に用いられる。また、上記複数種類のコンテナ21は、夫々大きさ(一般廃棄物を収納する容量)の異なる複数種類のコンテナ21で構成されている。なお、
図9に示すように、廃棄物回収場所20に設置されるコンテナ21は、廃棄物廃棄者80の数をカウントするカウントセンサ25をコンテナ21の側面に、収納された一般廃棄物の重量を計測する重量センサ21cをコンテナ21の底面下に設けることもできる。
【0032】
なお、設置される監視カメラ22、LED照明23、カウントセンサ25の数は、廃棄物回収場所20に設置される複数のコンテナ21の数に応じてそれぞれ複数個設置することができる。また、廃棄物廃棄者80の数を感知するカウントセンサ25としては、赤外線や超音波等で人を検知する周知の人感センサ等が、一般廃棄物の重量を検知する重量センサ21cとしては、周知の感圧センサ等が好適に用いられる。さらに、複数の廃棄物回収場所20は、廃棄物廃棄者80の利便性を考慮して廃棄物廃棄者80が自家用車81で一般廃棄物を持ち込めるように駐車場を備えていることが望ましい。
【0033】
資源管理者10はシステムサーバ11を備えている。このシステムサーバ11は、詳細は後述するが、複数の廃棄物回収場所20を管理するとともに、廃棄物回収場所20のコンテナ21に廃棄された一般廃棄物から再生資源を回収するために、コンテナ21に廃棄された一般廃棄物の廃棄物回収者30による回収及び資源回収者40への搬送を計画的に実行する。
【0034】
複数の廃棄物回収者30はそれぞれ廃棄物回収端末31を備えている。この廃棄物回収端末31は、システムサーバ11からの廃棄物回収指示を受信するとともに、受信した廃棄物回収指示に従って、搬送用のトラック32により複数の廃棄物回収場所20から種類別に一般廃棄物を回収して、種類別の一般廃棄物から再生資源を回収できる専門の資源回収者40に搬送する。
【0035】
複数の資源回収者40はそれぞれ資源回収端末41を備えている。資源回収者40は、廃棄物回収者30により搬送された一般廃棄物から再生資源を回収し、所定量(例えば、1t、100kgの重量単位)の再生資源は、再生資源の種類別に対応した工場、例えば、回収した再生資源が古紙の場合は製紙工場、ペットボトルの場合はペットボトル製造工場、空き缶の場合は空き缶製造工場等のリサイクル者90が営むリサイクル工場(以下、単にリサイクル者90という。)に出荷販売される。
【0036】
上述した構成の資源回収システム1において、廃棄物廃棄者80は、自家用車81等で処分したい一般廃棄物を廃棄物回収場所20に持ち込み、分別した一般廃棄物を複数のコンテナ21の中から対応したコンテナ21に廃棄投入する(図中(A))。廃棄物回収場所20の回収場所端末24は、複数のコンテナ21毎に回収された一般廃棄物の量(容量や重量)等の情報を、回収場所情報としてシステムサーバ11に送信する(図中(a))。この処理が本実施形態における場所情報受信手段として機能する。
【0037】
この複数のコンテナ21に回収された一般廃棄物の量を検出は、例えば、複数のコンテナ21それぞれに一般廃棄物の量が所定量を超えたことを検出するリミットスイッチや重量センサ(
図9参照)等を設け、コンテナ21に回収された一般廃棄物の量(容量や重量)が所定量に達したことを検出し、廃棄物回収場所20にそれぞれ設置されている回収場所端末24により一般廃棄物の回収要求信号としてシステムサーバ11に送信してもよい。また、廃棄物回収場所20に設置された監視カメラ22によりコンテナ21を撮像し、撮像した画像を回収場所端末24によりシステムサーバ11に送信することで、システムサーバ11側でコンテナ21に蓄積された一般廃棄物の量が回収する量に達したか否かを判断してもよい。
【0038】
システムサーバ11は、複数の廃棄物回収場所20からの一般廃棄物の回収を決定すると、複数の廃棄物回収者30の中から廃棄物回収場所20に廃棄された一般廃棄物の種類別に回収に適した廃棄物回収者30を決定すると共に、複数の資源回収者40の中から一般廃棄物の種類別に再生資源を回収可能な資源回収者40を決定する。そして、決定した廃棄物回収者30の廃棄物回収端末31に、廃棄物回収場所20に廃棄された一般廃棄物の回収指示、及び、廃棄物回収者30が回収した種類別の一般廃棄物を決定した資源回収者40への搬送指示を、廃棄物回収指示として送信する(図中(b))。この処理が本実施形態における廃棄物回収指示手段として機能する。
【0039】
システムサーバ11から廃棄物回収端末31への廃棄物回収指示は、複数の廃棄物回収場所20の場所(住所等)や回収した一般廃棄物の搬送先である資源回収者40の場所(住所等)に基づいて、複数の廃棄物回収者30毎に、効率よく一般廃棄物の回収及び搬送が行えるように、移動経路等をスケジューリングして廃棄物回収者30の廃棄物回収端末31に送信することが望ましい。これにより、廃棄物回収指示を受けた廃棄物回収者30は、効率よく一般廃棄物を回収して資源回収者40に搬送することができる。
【0040】
システムサーバ11から廃棄物回収指示を受けた廃棄物回収者30は、搬送用のトラック32により複数の廃棄物回収場所20(回収する一般廃棄物の量が多い場合には、1箇所の廃棄物回収場所20)から一般廃棄物を種類別に回収する(図中(B))。この時、廃棄物回収者30は、回収した種類別ごとの一般廃棄物の重量を、複数の廃棄物回収場所20毎に計測して、廃棄物回収端末31によりシステムサーバ11に送信する(図中(c))。この処理が本実施形態における廃棄物重量送信手段として機能する。一般廃棄物の回収を終えた廃棄物回収者30は、回収した一般廃棄物を資源回収者40の作業所(又は、工場等)に搬送する(図中(C))。
【0041】
システムサーバ11は、廃棄物重量送信手段により廃棄物回収端末31から受信した複数の廃棄物回収場所20毎の一般廃棄物の種類別の重量を内部メモリ(例えば、ハードディスク等)に記憶しておく。この処理が本実施形態における廃棄物重量受信手段として機能する。これにより、システムサーバ11を運用する資源管理者10は、複数の廃棄物回収場所20毎に回収効率の良い一般廃棄物の種類を把握することができ、例えば、回収量の多い(言い換えると、廃棄物廃棄者80の持ち込みが多い)一般廃棄物の種類別に対応したコンテナ21の容量を大きくすることができ、さらに、廃棄物回収場所20における一般廃棄物の回収効率の向上を図ることができる。また、複数の廃棄物回収場所20毎に回収した一般廃棄物の種類別の重量を把握することにより、一般廃棄物の種類によっては回収した一般廃棄物の重量から再生資源の回収量が大まかに推定できるため、再生資源の販売価格等も予測できる。このように、回収した一般廃棄物の種類別の重量を把握することで、回収した一般廃棄物の横流し等の不正を管理することもできる。
【0042】
資源回収者40は、廃棄物回収者30が搬送した一般廃棄物から再生資源を回収する。そして、回収された再生資源は、上述した再生資源のリサイクル者90に出荷販売される(図中(D))。この再生資源の販売価格は、資源回収者40の資源回収端末41からシステムサーバ11に送信される(図中(d))。この処理が本実施形態における販売価格送信手段として機能する。再生資源の販売価格を受信したシステムサーバ11は、この再生資源の販売価格を資源回収システム1における収益(売上)として内部メモリ(例えば、ハードディスク等)に記憶しておく。この処理が本実施形態における販売価格受信手段として機能する。そして、収益を所定の配分で資源回収システム1を構成する場所設定者50、コンテナ設定者60、資源管理者10、廃棄物回収者30及び資源回収者40に分配する。この収益の分配は、例えば、1箇月毎(月締め)に行われ、現金、電子マネー、手形等で決済される。
【0043】
このように、本実施形態の資源回収システム1によれば、廃棄物廃棄者80が廃棄物回収場所20に持ち込んだ一般家庭から排出される一般廃棄物を、再生資源として無料で回収することができる。さらに、一般廃棄物を処分したい廃棄物廃棄者80が一般廃棄物を種類別に分別して、廃棄物回収場所20に設置されている複数のコンテナ21に入れるので、一般廃棄物を分別する手間を省くことができる。そして、回収した一般廃棄物は、廃棄物回収者30により廃棄物回収場所20から一般廃棄物の種類別に専門の資源回収者40に搬送され、資源回収者40は、搬送された一般廃棄物から回収した再生資源をリサイクル者90に販売して収益を得ることできるので、本実施形態の資源回収システム1は、独立した事業として成り立つとともに、無駄に廃棄される再生可能な資源を大きく減らすことができ、環境保護や資源保護に貢献することができる。
【0044】
[資源回収システムの構成]
本実施形態における資源回収システム1の通信の構成を、
図2を参照して説明する。
図2に示すように、本実施形態における資源回収システム1は、資源管理者10のシステムサーバ11と、複数の廃棄物回収場所20にそれぞれ設置された回収場所端末24と、複数の廃棄物回収者30がそれぞれ有する廃棄物回収端末31と、複数の資源回収者40がそれぞれ有する資源回収端末41とが公衆通信回線網100により相互に通信可能に接続されている。なお、公衆通信回線網100は、周知の携帯電話通信回線、電話回線、インターネット回線等である。
【0045】
資源管理者10のシステムサーバ11、廃棄物回収者30の廃棄物回収端末31、資源回収者40の資源回収端末41、廃棄物回収場所20の回収場所端末24としては、周知のコンピュータ(デスクトップ型、ノート型等のパソコンと称される汎用コンピュータ)が好適に用いられる。なお、廃棄物回収場所20の回収場所端末24としては、マイコン等で通信を制御する周知の通信制御端末等を用いることもできる。
【0046】
そして、上述した
図1に示す黒矢印(a)〜(d)の情報の通信は、資源管理者10のシステムサーバ11、廃棄物回収場所20の回収場所端末24、廃棄物回収者30の廃棄物回収端末31、資源回収者40の資源回収端末41との間で公衆通信回線網100(例えば、インターネット回線)を介して実行される。
【0047】
上記構成の資源回収システム1において、システムサーバ11は、廃棄物回収場所20に設置されている回収場所端末24からの回収場所情報に基づいて、複数のコンテナ21に種類別に分別して廃棄された一般廃棄物の量(容量又は重量等)を検出し、廃棄物回収場所20からの廃棄物回収指示を、一般廃棄物の種類別に応じた廃棄物回収者30の廃棄物回収端末31に送信する。この時、廃棄物回収端末31に送信される廃棄物回収指示には、搬送する一般廃棄物の種類別に応じた資源回収者40が、複数の資源回収者40の中から選択されて搬送先として指示される。
【0048】
回収場所端末24からシステムサーバ11へ送信される回収場所情報には、廃棄物回収場所20の複数のコンテナ21に種類別に分別して廃棄された一般廃棄物の量だけではなく、廃棄物回収場所20を訪れた廃棄物廃棄者80の数が含まれている。そして、システムサーバ11は、廃棄物回収場所20を訪れた廃棄物廃棄者80の数の増減を分析することで、各種大型店舗に設置された廃棄物回収場所20の集客状況を把握することができる。さらに、廃棄物回収場所20を訪れた廃棄物廃棄者が設置された各種大型店舗を利用する場合もあるので、廃棄物回収場所20を設置することで、各種大型店舗の集客率の向上に貢献することもできるので、場所設定者50による場所取得手段を容易にするために、廃棄物回収場所20を訪れた廃棄物廃棄者80の数を実績データとして活用することもできる。
【0049】
システムサーバ11から一般廃棄物の搬送指示を受信した廃棄物回収者30は、複数の廃棄物回収場所20から搬送指示された一般廃棄物を種類別に回収し、指示された資源回収者40に搬送する。廃棄物回収者30は、複数の廃棄物回収場所20毎に回収した種類別ごとの一般廃棄物の重量を計測して、廃棄物回収端末31によりシステムサーバ11に送信する。資源回収者40は、廃棄物回収者30により搬送された一般廃棄物から再生資源を回収する。資源回収者40により回収された再生資源は、リサイクル者90に出荷販売される。この再生資源の販売価格は、資源回収端末41からシステムサーバ11に送信される。
【0050】
このように、リサイクル者90に再生資源を販売して収益とし、この収益を所定の配分で資源回収システムを構成する場所設定者50、コンテナ設定者60、資源管理者10、廃棄物回収者30及び資源回収者40に分配することで、本実施形態の資源回収システム1は、独立した事業として成立している。
【0051】
[システムサーバの構成]
以下、
図3を参照して、本実施形態の資源管理者10におけるシステムサーバ11の構成を説明する。システムサーバ11は、記憶部111、入出力制御部112、制御部113、外部通信制御部114などから構成されている。
【0052】
記憶部111は、HDD(Hard Disk Draive)などにより構成され、複数の廃棄物回収場所20毎に回収した一般廃棄物の重量(回収した種類別の一般廃棄物の重量)や複数の資源回収者40がリサイクル者90に出荷した再生資源の販売価格(つまり、収益)などの各種情報が蓄積されて記憶される。
【0053】
入出力制御部112は、システムサーバ11に接続されている液晶表示装置115や、キーボード/マウス116などの入出力装置を制御する。
【0054】
制御部113は、図示しないCPU(中央演算装置)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなどで構成されている。また、この制御部113のCPUは、ROM及び記憶部111に予め記憶されている各種プログラムを実行することにより、後述の場所情報受信手段、廃棄物回収指示手段、廃棄物重量受信手段、販売価格受信手段等として機能することになる。
【0055】
外部通信制御部114は、外部の公衆通信回線網100と接続され、制御部113の指示に基づいて、資源回収システム1における複数の廃棄物回収場所20にそれぞれ設置された回収場所端末24、複数の廃棄物回収者30の廃棄物回収端末31、複数の資源回収者40の資源回収端末41との通信を制御する。外部通信制御部114は、詳細は後述するが、制御部113の指示に基づいて、廃棄物回収端末31へ廃棄物回収指示の送信、廃棄物回収端末31からの廃棄物回収場所20から種類別に運搬した一般廃棄物の重量の受信、資源回収端末41からの再生資源の販売価格を受信する制御を行う。また、ここで受信された各種データは、記憶部111に記憶されることになる。
【0056】
[資源回収システム処理]
以下、
図4を参照して、本実施形態の資源回収システム1における資源回収システム処理を説明する。なお、この資源回収システム処理は上述した資源回収システム1を構成する場所設定者50、コンテナ設定者60、資源管理者10のシステムサーバ11において実行される処理である。
【0057】
図4に示すように、場所設定者50は、各種大型店舗70(
図1参照)の土地保有者(又は、管理者)から土地を所定の年数(例えば、3年)の間賃貸契約等により借地して、複数の廃棄物回収場所20を取得する(ステップS10)。なお、廃棄物回収場所20としては、廃棄物廃棄者80が自家用車等で一般廃棄物を搬入できるように、駐車場のスペースが同時に設けられている。この処理が、本実施形態における場所取得手段として機能する。
【0058】
コンテナ設定者60は、場所設定者50が取得した複数の廃棄物回収場所20に、立地状況に応じて回収する一般廃棄物の種類別に形状や大きさ等の種類の異なる複数のコンテナ21を設置する(ステップS11)。この処理が、本実施形態におけるコンテナ設置手段として機能する。
【0059】
各種大型店舗70においては、自家用車での来客を見込んで、大型の駐車場を有していることが一般的である。このため、この駐車場の一角を間借りして、廃棄物回収場所20とすることで、集客が見込める土日祝日等に、廃棄物廃棄者80は買い物ついでに不要な一般廃棄物を処分することができるので、一般廃棄物の回収効率の向上が見込める。但し、この場合は、駐車場の利用時間の制限等があるので24時間稼働は見込めないが、近年では深夜に及ぶ時間帯(例えば、PM11:00等)まで営業する店舗も多いため、廃棄物廃棄者80の利便性を損なうことには繋がらない。なお、廃棄物回収場所20の設置場所は、上述した各種大型店舗70の駐車場に限らず、例えば、各種大型店舗70近傍の空き地に設置することもできる。
【0060】
また、近年では、各種大型店舗70においては、資源回収の為にペットボトルや白色トレイ(肉、魚等の梱包材)を自主的に回収するために回収ボックス(回収用のコンテナ)を設置している店舗が増加している。このため、このような店舗の駐車場に廃棄物回収場所20を設置する場合は、コンテナ設定者60は、店舗が回収する一般廃棄物の種類が廃棄物回収場所20で回収する一般廃棄物の種類とかぶらないように考慮して、廃棄物回収場所20に設置する一般廃棄物回収用のコンテナ21の種類を決定することが望ましい。
【0061】
さらに、廃棄物回収場所20は、
図1に示すように、当該廃棄物回収場所20の撮像手段としての複数の監視カメラ22、複数のLED照明23、廃棄物廃棄者80の数を感知するカウント手段としてのカウントセンサ25、熱や煙を検出して火災を検知する設備(火災検知装置、図示せず)、火災を検知した場合の消火設備(スプリンクラー、図示せず)、回収場所端末24が設置されている。このように、本実施形態における廃棄物回収場所20は、複数種類の一般廃棄物のコンテナ21を備えるだけではなく、当該廃棄物回収場所20の安全を管理するための各種装置が設置されている。
【0062】
資源管理者10は、上述した廃棄物回収場所20設置された各種装置を用いて、複数の廃棄物回収場所20を管理する(ステップS12)。すなわち、上記各種装置で検出した情報(例えば、監視カメラ22で撮像した映像等)は、廃棄物回収場所20に設置された回収場所端末24により回収場所情報として資源管理者10のシステムサーバに11に送信される。そして、資源管理者10は、システムサーバ11で受信した回収場所情報に基づいて、複数のコンテナ21に回収された一般廃棄物の量を検出するとともに、24時間体制で複数の廃棄物回収場所20を監視し、一般廃棄物の不法投棄や火災の発生等に速やかに対処する。これにより、廃棄物廃棄者80にとっても近隣の住宅にとってもより安全な廃棄物回収場所20を提供することが可能となる。この処理が、本実施形態における場所情報受信手段として機能する。
【0063】
資源管理者10は、複数の廃棄物回収場所20に廃棄された一般廃棄物の回収及び搬送を廃棄物回収指示として廃棄物回収者30に指示する(ステップS13)。すなわち、資源管理者10は、廃棄物回収場所20に設置された各種装置で検出されシステムサーバに11に送信された情報(回収場所情報)に基づいて、複数のコンテナ21に回収された一般廃棄物の量が所定量に達したか否かを判断して、所定量に達したと判断すると、廃棄物回収者30に、廃棄物回収場所20に廃棄された一般廃棄物の回収と、資源回収者40への搬送を廃棄物回収者30に指示する。この処理が、本実施形態における廃棄物回収指示手段として機能する。
【0064】
具体的には、資源管理者10のシステムサーバ11は、複数の廃棄物回収者30の中から回収する一般廃棄物の種類に適した廃棄物回収者30を決定すると共に、複数の資源回収者40の中から、一般廃棄物の種類別に対応した資源回収者40を決定し、決定した資源回収者40に廃棄物回収者30が回収した一般廃棄物を搬送する指示を、廃棄物回収者30の廃棄物回収端末31に廃棄物回収指示として送信する。
【0065】
資源管理者10は、複数の廃棄物回収場所20から回収された一般廃棄物の量(重量)を管理する(ステップS14)。この処理では、一般廃棄物の廃棄物回収指示を受けた廃棄物回収者30が、複数の廃棄物回収場所20毎に回収した一般廃棄物の量(重量)を計測して、廃棄物回収者30の廃棄物回収端末31により資源管理者10のシステムサーバ11に送信する。廃棄物回収者30により回収された一般廃棄物の量(重量)を受信した資源管理者10は、複数の廃棄物回収場所20毎に、一般廃棄物の種類別に回収された一般廃棄物の重量を管理する。この処理が、本実施形態における廃棄物重量受信手段として機能する。
【0066】
具体的には、
図7に示すように、複数の廃棄物回収場所20(図中B:廃棄物回収場所AAA、廃棄物回収場所ZZZ等)毎に回収した一般廃棄物の種類別毎(図中C)の一般廃棄物の回収量(
図7では、1kg単位の重量)を、1年度を月別、上半期(4月〜9月)及び下半期(10月〜3月)に区分して管理している。また、図中Aは、廃棄物回収者30の廃棄物回収端末31からシステムサーバ11が受信した一般廃棄物の種類別毎の重量の最終年月日である。なお、図中D及びEは上半期及び下半期における一般廃棄物の種類別毎の重量の合計である。また、図中Fは、1年度における一般廃棄物の種類別毎の重量の合計である。
【0067】
このように、複数の廃棄物回収場所20毎に回収した一般廃棄物の種類別毎の一般廃棄物の量を、1年度の月単位で管理することで、複数の廃棄物回収場所20毎に一般廃棄物の回収量の変化を知ることができるので、例えば、廃棄物回収場所20において回収量の少ない一般廃棄物の種類を変更するなどして、複数の廃棄物回収場所20毎に最適な回収する一般廃棄物の種類を決定することができる。すなわち、システムサーバ11を運用する資源管理者10は、複数の廃棄物回収場所毎の回収実績に基づいて、廃棄物回収場所20における一般廃棄物の回収効率の向上を図ることができる。
【0068】
資源管理者10は、複数の資源回収者40からリサイクル者90に再生資源として出荷販売される再生資源の販売価格を管理する(ステップS15)。すなわち、リサイクル者90に出荷販売される再生資源の販売価格は、資源回収者40の資源回収端末41からシステムサーバ11に送信される。システムサーバ11が受信した再生資源の販売価格は、資源管理者10により一括管理されて本実施形態の資源回収システム1の主な収益となる。この処理が、本実施形態における販売価格受信手段として機能する。
【0069】
具体的には、
図8に示すように、複数の廃棄物回収場所20(図中B:廃棄物回収場所AAA、廃棄物回収場所ZZZ等)毎に、回収した一般廃棄物の種類別毎(図中C)に、回収した再生資源の販売価格(1円単位)を、1年度を月別、上半期(4月〜9月)及び下半期(10月〜3月)に区分して管理している。また、図中Aは、再生資源の販売価格を資源回収者40の資源回収端末41からシステムサーバ11が受信した最終年月日である。図中D及びEは上半期及び下半期における一般廃棄物の種類別毎の再生資源の販売価格の合計である。また、図中Fは、1年度における一般廃棄物の種類別毎の再生資源の販売価格の合計である。
【0070】
このように、複数の廃棄物回収場所20毎に回収した一般廃棄物から回収した再生資源の販売価格を、1年度の月単位で管理することで、複数の廃棄物回収場所20毎に一般廃棄物の回収量に応じた再生資源の販売価格の変化を知ることができるので、例えば、回収量の少ない一般廃棄物の種類を変更するなどして、複数の廃棄物回収場所20毎に最適な回収する一般廃棄物の種類を決定することができる。すなわち、システムサーバ11を運用する資源管理者10は、複数の廃棄物回収場所毎の回収した一般廃棄物から回収した再生資源の販売価格の実績に基づいて、廃棄物回収場所20における一般廃棄物の回収効率の向上を図ることができる。
【0071】
資源管理者10は、複数の資源回収者40からリサイクル者90に再生資源として出荷販売される再生資源の販売価格(資源回収システム1における主な収益)を、所定の配分で資源回収システム1を構成する場所設定者50、コンテナ設定者60、資源管理者10、廃棄物回収者30及び資源回収者40に分配する(ステップS16)。この収益の分配は、例えば、1箇月毎に月締め翌月5日払い等で行われ、現金、電子マネー、手形等で決済される。
【0072】
上述してきたように、本実施形態の資源回収システム1によれば、複数の廃棄物回収場所20に回収された一般廃棄物から再生資源を回収してリサイクル者90に再生資源として販売して収益を上げることできるので、本実施形態の資源回収システム1は、独立した事業として成り立つとともに、無駄に廃棄される再生可能な資源を大きく減らすことができ、環境保護や資源保護に貢献することができる。さらに、廃棄物回収場所20における一般廃棄物の種類別の持込み重量やリサイクルのために販売した再生資源の販売価格を、資源管理者10のシステムサーバ11においてデータによる一元管理(例えば、
図7及び
図8参照)しているので、システムとして利便性の高い資源回収システム1とすることができる。
【0073】
[廃棄物回収処理]
以下、
図5を参照して、本実施形態の資源回収システム1における廃棄物回収処理を説明する。なお、この廃棄物回収処理は上述した複数の廃棄物回収者30において実行される処理である。この処理が、本実施形態における廃棄物回収手段として機能する。
【0074】
図5に示すように、廃棄物回収者30は、資源管理者10のシステムサーバ11から廃棄物回収者30の廃棄物回収端末31で受信した廃棄物回収指示に基づいて、複数の廃棄物回収場所20に回収された一般廃棄物の回収を行う(ステップS20)。このシステムサーバ11から受信した廃棄物回収指示は、複数の廃棄物回収者30毎に、効率よく一般廃棄物の回収が行えるように、複数の廃棄物回収場所20間の移動経路等がスケジューリングされている。さらに、廃棄物回収指示には回収した一般廃棄物の種類別に応じて搬送先の資源回収者40の情報(例えば、事業者名や住所等)も含まれている。この処理が、本実施形態における廃棄物回収指示受信手段として機能する。
【0075】
廃棄物回収者30は、複数の廃棄物回収場所20毎に回収した一般廃棄物の種類別毎の重量を計測する(ステップS21)。そして、複数の廃棄物回収場所20毎に回収した一般廃棄物の種類別毎の重量を廃棄物回収者30の廃棄物回収端末31により資源管理者10のシステムサーバ11に送信する(ステップS22)。ここで送信された複数の廃棄物回収場所20毎に回収した一般廃棄物の種類別毎の重量は、上述したように、資源管理者10のシステムサーバ11において廃棄物回収場所別一般廃棄物回収量(
図7参照)として管理されることになる。この処理が、本実施形態における廃棄物重量送信手段として機能する。
【0076】
廃棄物回収者30は、複数の廃棄物回収場所20毎に一般廃棄物の種類別毎に回収した一般廃棄物を廃棄物回収指示で指示された資源回収者40の作業所(又は、工場)へ搬送する(ステップS23)。すなわち、本実施形態の資源回収システム1における複数の廃棄物回収者30は、資源管理者10のシステムサーバ11からの廃棄物回収指示に応じて、上述したステップS20〜ステップS23を繰り返し実行することになる。
【0077】
[資源回収処理]
以下、
図6を参照して、本実施形態の資源回収システム1における資源回収処理を説明する。なお、この資源回収処理は上述した複数の資源回収者40において実行される処理である。この処理が、本実施形態における資源回収手段として機能する。
【0078】
図6に示すように、資源回収者40は、廃棄物回収者30が搬送した一般廃棄物を受入れる(ステップS30)。そして、受入れた一般廃棄物から再生資源を回収する(ステップS31)。この処理では、受入れた一般廃棄物の種類別に応じて、例えば、受入れた一般廃棄物が古紙の場合は、新聞、雑誌及び段ボール等の古紙の種類別に区分して回収する。また、受入れた一般廃棄物が小物家電の場合は、金属(主に鉄)、プラスチック、レアメタル等一般廃棄物に含まれる再生資源を種類別に区分して回収する。このように、回収した一般廃棄物の種類別に応じて、再生資源の回収方法が異なるため、本実施形態の資源回収システム1においては、例えば、古紙の場合は古紙処理業者、ペットボトルの場合はペットボトル処理業者、家庭用小物家電の場合は家電処理業者というように、業種の異なる複数の資源回収者40により構成されている。
【0079】
資源回収者40は、回収した再生資源を出荷用に梱包する(ステップS32)。資源回収者40により回収された再生資源は、例えば、古紙の場合は、古紙の種類別毎に一定の重量(例えば、1t単位)で梱包される。また、金属、プラスチック、レアメタル等の場合は、再生資源ごとに一定の重量(例えば、10kg単位)で梱包される。
【0080】
梱包された再生資源は、資源回収者40の倉庫に保管される(ステップS33)。そして、ある程度の数量の再生資源が倉庫に保管されると、この保管された再生資源をリサイクル者90が営むリサイクル工場に出荷販売する(ステップS34)。出荷販売された再生資源の販売価格は、資源回収者40の資源回収端末41から資源管理者10のシステムサーバ11に送信される(ステップS35)。ここで送信された再生資源の販売価格は、上述したように、資源管理者10のシステムサーバ11において廃棄物回収場所別再生資源売上(
図8参照)として管理されることになる。この処理が、本実施形態における販売価格送信手段として機能する。
【0081】
上述したように、本実施形態の資源回収システム1における複数の資源回収者40は、上述したステップS30〜テップS35を繰り返し実行することで、資源管理者10のシステムサーバ11からの廃棄物回収指示に応じて廃棄物回収者30から受入れた一般廃棄物から再生資源を回収して、まとまった量の再生資源をリサイクル者90に出荷販売することで、資源回収システム1の収益を確保することになる。
【0082】
なお、上述してきた実施形態における資源回収システム1は、廃棄物回収場所20としての土地を取得する場所設定者50、廃棄物回収場所20にコンテナ21やその他の設備を設置するコンテナ設定者60、資源管理者10、複数の廃棄物回収者30、複数の資源回収者40から構成しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、資源管理者10が場所設定者50及びコンテナ設定者60の業務を兼ねることもできる。また、複数の廃棄物回収者30のうちの一つの廃棄物回収者30が、場所設定者50及びコンテナ設定者60の業務を兼ね、さらに、システムサーバ11を運用することで資源管理者10の業務を兼ねることもできる。さらには、複数の資源回収者40のうちの一つの資源回収者40が、場所設定者50及びコンテナ設定者60の業務を兼ね、さらに、システムサーバ11を運用することで資源管理者10の業務を兼ねることもできる。つまり、夫々の業種の異なる業者が、他の業者の業務を兼務することで、様々な形態の資源回収システム1を構成することができる。
【0083】
以上、上記実施例を通して本発明を説明してきたが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、上述した各効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。