(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記搬送装置および前記スライド機構が同期して駆動され、前記搬送装置は搬送方向に各トレイをトレイ1つ分ずつ間歇駆動させ、前記搬送装置の各トレイが搬送方向にトレイ1つ分間歇駆動される毎に、前記スライド機構の移動部材が前記搬送装置側に移動し、前記スライド機構の移動部材が前記搬送装置に最接近したのち、前記スライド機構の移動部材が待機点に後退することを特徴とする請求項1に記載の二枚貝穿孔機。
前記第2ガイド部材と前記第1押圧手段の最下流側に配置されたばね部材が、前記穿孔位置に配置された二枚貝よりも下流側へ張り出して形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の二枚貝穿孔機。
前記第1押圧手段を構成する複数のばね部材のうち最下流側に配置されたばね部材が、他のばね部材よりも強い弾性力をもって二枚貝を付勢していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の二枚貝穿孔機。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下、本発明に係る二枚貝穿孔機の一例としての帆立貝穿孔機を図面に示す実施形態により説明する。
【0051】
本第1実施形態の帆立貝穿孔機1は、
図1に示すように、フレーム体2に、帆立貝を直立させて搬送する搬送装置3と、前記搬送装置3の搬送方向における下流側に配置され、前記搬送装置3に対して移動部材28を往復移動させるスライド機構25とが配設されており、前記スライド機構25の移動部材28には、前記搬送装置3の穿孔位置3bに搬送された帆立貝Sの耳状突起部Eに穿孔する穿孔ドリル31が配設されている。また、前記フレーム体2には、前記搬送装置3、前記スライド機構25および前記穿孔ドリル31の駆動を制御する制御装置(図示せず)と、前記制御装置による帆立貝穿孔機1の起動および停止、各制御の設定を行う操作盤42が配設されている。なお、帆立貝Sの耳状突起部Eは、具体的には殻が1枚のみとされている部位に穿孔するのが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0052】
前記搬送装置3は、
図1ないし
図3に示すように、モータ4により駆動される同軸配置された1対の駆動プーリ5と、前記各駆動プーリ5と水平方向に間隔を隔てて同軸配置された1対の従動プーリ6とに、前記駆動プーリ5および前記従動プーリ6の各軸方向に間隔をもって2本のチエーンベルト7,7が巻回されており、前記各チエーンベルト7,7間には、搬送方向における上流側に固定されて配設された固定片9と、前記固定片9に対して搬送方向における下流側から接離自在に回動するように配設され、挿入された帆立貝を前記固定片9とともに挟持する可動片10と、前記固定片9と前記可動片10の間の下方に配設され、挿入された帆立貝の穿孔側の耳状突起部Eの下縁に当接して帆立貝の耳状突起部Eの位置決めを行う駒11とからなる複数のトレイ8が搬送方向に間隔をもって配設されている。なお、前記駒11には、搬送方向における下流側から上流側へ向かってトレイ8の内側から外側へかけて上方へ傾斜する傾斜部11aが形成されており、トレイ8に挿入された帆立貝の耳状突起部Eが搬送方向に直交する水平方向に傾斜部11aにより位置決めされる。そして、前記可動片10は、図示しない錘の作用により自由状態において固定片9側に回動して固定片9とともに帆立貝Sを仮押さえするために挟持するようになっている。通常、前記錘は、穿孔位置の手前まで、作用しないようになっている。そして、前記錘は、トレイ8の進行に伴って穿孔位置の手前まで近づくと、下向きのテーパの作用でその重量が作用するようになり、可動片10が固定片9方向へ回動して帆立貝Sを挟持するようになっている。
【0053】
そして、穿孔後、帆立貝Sは前記搬送装置3の下方に自重により自由落下される。なお、前記搬送装置3の下方には予め収容容器(図示せず)が設置され、穿孔された帆立貝Sはこの収容容器に収容される。
【0054】
また、
図2、
図4および
図5に示すように、帆立貝Sの搬送方向に直交する方向への位置決めを行う第1ガイド部材12,12が設けられている。これらの第1ガイド部材12,12は、帆立貝Sの搬送方向における上流側の前記各チエーンベルト7,7の外側にそれぞれ前記各トレイ8側に下降するように傾斜面が形成されて配置され、貝投入位置3aにおいて挿入される帆立貝Sを前記各トレイ8内にそれぞれ案内するとともに、前記各トレイ8内に挿入され貝投入位置3aから下流側へ搬送される帆立貝Sを前記トレイ8内において搬送方向と直交する水平方向の位置決めを概略的に行うようになっている。
【0055】
さらに、前記搬送装置3には、各帆立貝Sの位置決めを行う第2ガイド部材13,13が設けられている。これらの各第2ガイド部材13は、前記各第1ガイド部材12の下流側の一方の側方に配設され、前記各トレイ8に挿入されて搬送される帆立貝Sの耳状突起部Eの側縁の最上部位に当接して各帆立貝Sの位置決めを行うようになっている。ここで、帆立貝Sの耳状突起部Eは、長方形状に突出している部位を指称しており、また、この耳状突起部Eの側縁の最上部位には貝殻の円周方向に膨出する膨出部が連接されている。ここで、帆立貝Sを位置決めするためには耳状突起部Eの側縁の最上部位と膨出部Bの交点を所定の位置に位置決めするのが重要である。なお、帆立貝Sの厚さ方向は位置決めには関与しない。
【0056】
さらにまた、前記搬送装置3には、帆立貝Sを前記各第2ガイド部材13側にそれぞれ付勢する第1押圧手段14が設けられている。この第1押圧手段14は、前記第2ガイド部材13と対向する側方に搬送方向に間隔を隔てて配設され、前記各トレイ8に挿入されて搬送される帆立貝Sの耳状突起部Eに当接して各帆立貝Sを前記第2ガイド部材13側へそれぞれ付勢する複数(本実施形態においては3本)のばね部材15A,15B,15Cから構成されている。
【0057】
また、前記搬送装置3には、帆立貝Sをその搬送方向と逆方向に付勢する弾性を有する第2押圧手段17が設けられている。この第2押圧手段17は、前記第2ガイド部材13上に配設され、前記搬送装置3の最下流位置である穿孔位置3bに搬送された帆立貝Sの前記膨出部Bにおける最膨出位置よりも下方に当接して穿孔位置3bに搬送された各帆立貝Sを搬送方向と逆方向に付勢するようになっている。このように、本実施形態においては、第2押圧手段17は、前記第2ガイド部材13上に配設されているが、必ずしも、第2押圧手段17が、第2ガイド部材13上に配設されていなくともよい。
【0058】
なお、本実施形態の前記各ばね部材15A,15B,15Cは、それぞれ前記搬送装置3のチエーンベルト7の外側に立設された取付板16に固定されている平板状の取付部15aと、前記取付部15aから搬送方向の下流側に向かうに従い前記トレイ8に近接するようほぼ水平面内において傾斜配置されるとともに、先端部が外側に反り返るようにほぼ円弧状に形成され前記トレイ8に挿入されて搬送される帆立貝Sの耳状突起部Eの側方に当接する傾斜部15bとから形成されている。
【0059】
また、前記各ばね部材15のうち搬送方向における最下流側に配設された前記ばね部材15Cは他のばね部材15A,15Bよりも強い弾性力をもって各帆立貝Sを付勢するように形成されており、本実施形態においては、他のばね部材15A,15Bと同じ材料で、厚みが2〜3倍(本実施形態においては2倍)に形成されている。
【0060】
さらに、前記第2ガイド部材13と前記第1押圧手段14の最下流側に配設されたばね部材15Cは、前記搬送装置3の穿孔位置3bに搬送された帆立貝Sよりも下流側へ8mmから10mm程度突出するように形成されており、穿孔位置3bに搬送された帆立貝Sの両側縁を支持し、穿孔位置3bにおいて表面の付着物の付着具合によって穿孔前に帆立貝Sが前記トレイ8内から落下してしまうことを防止するようになっている。
【0061】
また、
図1および
図2に示すように、前記搬送装置3の搬送方向における最上流側の端面3cには、貝投入位置3aに配置された前記トレイ8よりも上流側の上面を覆うR形状のカバー18と、帆立貝Sの表面に付着した付着物を削ぎ取る付着物除去部材19(本実施形態においては前記カバー18の外側に立設された平板)が配設されており、前記カバー18は、作業者が貝投入位置3aに配置された前記トレイ8に帆立貝Sを挿入する際の投入位置の目安となるとともに、前記付着物除去部材19により帆立貝Sから削ぎ取られた付着物等が前記搬送装置3内に落下して噛み込みにより前記搬送装置3の駆動に不具合が生じてしまうことを防止するようになっている。
【0062】
さらに、
図1ないし
図3に示すように、前記搬送装置3の貝投入位置3aには、貝投入位置3aに配置された前記トレイ8内の帆立貝Sの有無を検出するセンサ20が配設されており、前記センサ20により前記トレイ8内に帆立貝Sが検出されると予め設定された所定のタイミングで前記搬送装置3の駆動プーリ5が駆動されて前記各トレイ8が搬送方向にトレイ1つ分(以下、『1コマ』と記す)進められ、貝投入位置3aにつぎの空のトレイ8が配置されるようになっている。なお、前記センサ20としては例えば光センサ等が採用されるが、前記トレイ8内の帆立貝Sの有無を検出できるセンサであれば適宜変更可能である。
【0063】
前記スライド機構25は、前記搬送装置3の搬送方向における下流側に前記搬送装置3と対向するように前記フレーム体2に固定されたスライド軸26と、このスライド軸26にモータ27により前記搬送装置3に対して接離自在に往復移動するように配設された移動部材28とから構成されており、前記移動部材28には、前記搬送装置3の穿孔位置3bに搬送された帆立貝Sの耳状突起部Eに穿孔する穿孔ドリル31と、穿孔の際に穿孔位置3bに配置された前記トレイ8の固定片9に当接して前記トレイ8内に挿入された帆立貝Sの固定を補助するコイルばね29Aに付勢された屈曲板状の第3押圧手段29が配設されている。そして、前記移動部材28は前記搬送装置3と同期して駆動され、前記搬送装置3の各トレイ8が1コマ進められると前記移動部材28が前記搬送装置3に対して往復移動するように制御されるようになっている。このとき、前記移動部材28は、待機点から前記搬送装置3の穿孔位置3bに搬送された帆立貝Sに対して任意に設定される加工開始点まで高速で移動し、加工開始点から帆立貝Sの穿孔が終了して待機点に戻る地点である加工終了点まで減速された加工速度(切削送り)で移動し、加工終了点から待機点までは再び高速で移動するように制御されるようになっている。
【0064】
前記穿孔ドリル31は、モータ32にドリル本体33が配設されて構成されており、前記スライド機構25の移動部材28の移動に伴い前記搬送装置3の穿孔位置3bに搬送された帆立貝Sに対して接離自在に往復移動して帆立貝Sの耳状突起部Eに穿孔するようになっている。また、前記穿孔ドリル31は、穿孔処理される最初の帆立貝Sの穿孔処理が始まる前から穿孔処理されるすべての帆立貝Sの穿孔工程が終了するまでの間、連続的に回転駆動されるようになっている。これは、1枚の帆立貝Sの穿孔作業ごとに回転駆動をいちいち停止させると、回転駆動と停止にかなりの時間を要するため、穿孔効率が低下するためである。
【0065】
前記操作盤42には、本実施形態においては、
図6に示すように、手動−自動切り替えスイッチ43、動作選択スイッチ44、起動スイッチ45、停止/待機点戻スイッチ46、運転選択スイッチ47、加工開始点選択スイッチ48、加工長スイッチ49および運転速度選択スイッチ50がそれぞれ配設されている。
【0066】
前記手動−自動切り替えスイッチ43は、各工程を個別に選択して行う『手動制御』と一連の工程サイクルを連続して行う『自動制御』の切り替えを行うものである。
【0067】
前記動作選択スイッチ44は、前記手動−自動切り替えスイッチ43により『手動制御』が選択された際に個別に実行する工程の選択を行うスイッチであり、前記搬送装置3の各トレイ8を1コマ分だけ駆動させる『搬送送り駆動』、前記穿孔ドリル31のドリル本体33を回転駆動させる『ドリル駆動』、および前記穿孔ドリル31のドリル本体33を回転駆動させるとともに前記スライド機構25の移動部材28を往復移動させる『加工駆動』の選択を行うようになっている。
【0068】
前記起動スイッチ45は、前記手動−自動切り替えスイッチ43により選択された制御の開始または一時停止の制御を行い、前記手動−自動切り替えスイッチ43により『手動制御』が選択されている場合には、前記動作選択スイッチ44により選択された工程の駆動の制御を行い、前記手動−自動切り替えスイッチ43により『自動制御』が選択されている場合には、一連の工程サイクルの開始または一時停止の制御を行うようになっている。
【0069】
前記停止/待機点戻スイッチ46は、前記手動−自動切り替えスイッチ43により『手動制御』が選択されている場合には、前記動作選択スイッチ44によりドリル駆動が停止可能にされており、前記スライド機構25の移動部材28が移動していた場合には前記移動部材28を待機点に戻す制御を行い、前記手動−自動切り替えスイッチ43により『自動制御』が選択されている場合には、一連の工程サイクルの中で現在実行されている工程を停止させるとともに、前記スライド機構25の移動部材28が移動していた場合には前記移動部材28を待機点に戻す制御を行うようになっている。
【0070】
前記運転選択スイッチ47は、前記手動−自動切り替えスイッチ43により『自動制御』が選択されている場合において、前記搬送装置3の各トレイ8を1コマずつ連続して駆動するとともに、前記搬送装置3の駆動に同期させて前記スライド機構25を駆動することにより連続して穿孔を行う『連続駆動制御』と、前記センサ20により前記搬送装置3の貝投入位置3aに配置されたトレイ8内に帆立貝Sが検出された場合に前記搬送装置3の各トレイ8を1コマ前進させるとともに、前記搬送装置3の駆動に同期させて前記スライド機構25を1サイクル駆動させて穿孔を行う『センサ駆動制御』の選択を行うようになっている。
【0071】
前記加工開始点選択スイッチ48は、前記スライド機構25の移動部材28により待機点から高速移動(本実施形態においては、一例として780mm/sとする)される前記穿孔ドリル31が穿孔の際の切削送りとして移動速度が減速される加工開始点を設定するスイッチであり、加工開始点は穿孔される帆立貝Sの厚みに応じて設定され、帆立貝Sの厚みが厚くなるほど前記トレイ8内において前記固定片9と前記可動片10との間に挟持された帆立貝Sの耳状突起部Eは搬送方向に対して後方に位置するようになるので加工開始点は前記穿孔ドリル31の待機点から離れる方向に移動し、本実施形態においては、『0』〜『9』までの目盛を切り替えることにより各目盛毎に設定された加工開始点が選択され、例えば、前記スライド機構25の移動部材28の前記搬送装置3から最も離れた位置(待機点)から最も接近した位置までの移動ストロークが100mmである場合、前記移動部材28が待機点に配置された際の前記穿孔ドリル31のドリル本体33の先端位置を0mm地点として、『0』〜『9』の目盛毎に1mm間隔で84.0mm地点から93.0mm地点まで加工開始点が設定されるようになっている。
【0072】
前記加工長スイッチ49は、前記加工開始点選択スイッチ48により設定された加工開始点から帆立貝Sに対する穿孔が終了して前記穿孔ドリル31を待機点に後退させる加工終了点までの前記穿孔ドリル31が切削送りされる距離と、切削送り時の前記穿孔ドリル31の移動速度を設定するスイッチであり、加工終了点もまた加工開始点と同様に穿孔される帆立貝Sの厚みに応じて設定され、本実施形態においては、『0』〜『9』までの目盛にそれぞれ設定された切削送り距離および前記穿孔ドリル31(移動部材28)の移動速度が選択され、例えば、『0』〜『4』までの目盛にはそれぞれ1mm間隔で5mm〜9mmの切削送り距離と40mm/sの移動速度が設定され、『5』〜『9』までの目盛にはそれぞれ1mm間隔で5mm〜9mmの切削送り距離と30mm/sの移動速度が設定されるようになっている。
【0073】
前記運転速度選択スイッチ50は、前記手動−自動切り替えスイッチ43により『自動制御』が選択されている場合において前記搬送装置3の各トレイ8の移動速度を設定するスイッチであり、本実施形態では、『1』〜『7』までの目盛を切り替えてそれぞれの目盛に設定された移動速度に切り替えるようになっている。そして、前記手動−自動切り替えスイッチ43により『自動制御』が選択され、また、前記運転選択スイッチ47により『連続駆動制御』が選択されている場合には、1コマずつ連続して駆動される前記各トレイ8の移動速度が設定されることになる。一方、前記手動−自動切り替えスイッチ43により『自動制御』が選択され、また、前記運転選択スイッチ47により『センサ駆動制御』が選択されている場合には、前記センサ20により貝投入位置3aに配置された前記トレイ8内に帆立貝Sが検出されて1コマ駆動される際の各トレイ8の移動速度が設定されることになる。
【0074】
つぎに、前述した構成からなる本第1実施形態の帆立貝穿孔機1の動作について説明する。
【0075】
まず、穿孔する複数の帆立貝Sの中から最も厚みのある帆立貝Sを選び、この帆立貝Sの厚みに応じて加工開始点選択スイッチ48により加工開始点を設定するとともに、加工長スイッチ49により穿孔ドリル31が切削送りされる加工開始点から帆立貝Sへの穿孔が終了して穿孔ドリル31が後退されるまでの距離(加工終了点)と、切削送り時の穿孔ドリル31の移動速度を設定する。
【0076】
つぎに、操作盤42の手動−自動切り替えスイッチ43により『手動制御』と『自動制御』の切り替えを行う。ここでは、一連の工程サイクルを連続して行う『自動制御』を選択する。なお、『手動制御』を選択した場合には、動作選択スイッチ44により『搬送送り駆動』、『ドリル駆動』、あるいは『加工駆動』の個別動作の選択を行う。
【0077】
そして、操作盤42の運転選択スイッチ47により『連続駆動制御』と『センサ駆動制御』の切り替えを行う。ここでは、搬送装置3の貝投入位置3aに配置されたトレイ8内に帆立貝Sが検出された場合に各トレイ8を1コマ前進させる『センサ駆動制御』を選択する。
【0078】
このような状態において、起動スイッチ45により装置を起動する。本実施形態においては、手動−自動切り替えスイッチ43により『自動制御』を選択し、運転選択スイッチ47により『センサ駆動制御』を選択しているので、装置は待機状態となる。
【0079】
なお、手動−自動切り替えスイッチ43により『手動制御』が選択されている場合には、動作選択スイッチ44により選択された個別の動作が即時開始されることになる。このとき、穿孔ドリル31は回転駆動を開始され、この状態は穿孔される最後の帆立貝Sの穿孔処理が終了するまで継続される。また、作動させる準備段階として、第2ガイド部材13を水平方向と鉛直方向の両方向において実際に穿孔される帆立貝Sの形状に合わせて微調整して、耳状突起部Eの側縁の最上端部から水平方向と鉛直方向の両方向において穿孔部がそれぞれ1.5から2.0mmの範囲内にあるように位置決めする。
【0080】
そして、搬送装置3に配設された付着物除去部材19により表面に付着した付着物を削ぎ取った帆立貝Sを貝投入位置3aに配置されたトレイ8に挿入する。その際、帆立貝Sは各第1ガイド部材12,12によりトレイ8内における搬送方向と直交する水平方向のほぼ中央に案内されて挿入される。
【0081】
ところで、センサ20により貝投入位置3aに配置されたトレイ8内に帆立貝Sが検出されると、各トレイ8が搬送方向における下流側へ1コマ間歇駆動されるとともに、各トレイ8が1コマ駆動されたタイミングでスライド機構25の移動部材28と穿孔ドリル31のドリル本体33が駆動され、穿孔ドリル31が搬送装置3の穿孔位置3bに配置されたトレイ8に対して往復移動される。なお、この時点では、搬送装置3の穿孔位置3bまでは帆立貝Sが搬送されていないので、駆動された穿孔ドリル31は穿孔位置3bに配置されたトレイ8に対して空駆動されることになる。
【0082】
そして、貝投入位置3aにおいてトレイ8に挿入された帆立貝Sは、後方のトレイ8に帆立貝Sが挿入されるたびに1コマずつ下流側へ搬送され、搬送装置3の上流側においては各第1ガイド部材12により搬送方向と直交する水平方向の大まかな位置決めが行われ、各第1ガイド部材12の下流側においては第1押圧手段14の各ばね部材15A,15B,15Cにより第2ガイド部材13側へ間歇的に付勢されることによりトレイ8内における搬送方向と直交する水平方向の位置決めが確実に行われる。
【0083】
その後、帆立貝Sが挿入されたトレイ8が搬送装置3の穿孔位置3bまで移動されると、トレイ8の可動片10が固定片9側へ回動して帆立貝Sが挟持され、第1押圧手段14の搬送方向における最下流側に配置されたばね部材15Cによりトレイ8内の帆立貝Sが強力に第2ガイド部材13側へ付勢され、さらに、第2ガイド部材13上に配設された第2押圧手段17が帆立貝Sの膨出部Bにおける最膨出位置よりも下方に当接して帆立貝Sを搬送方向に抗する方向に付勢することにより、穿孔位置3bに配置されたトレイ8内において位置決めされた帆立貝Sが強固に保持される。なお、本発明の帆立貝穿孔機1においては、第2ガイド部材13と第1押圧手段14の搬送方向における最下流側に配置されたばね部材15Cが、穿孔位置3bに搬送された帆立貝Sよりも下流側へ突出するように形成されているので、帆立貝Sの表面に付着物が付着した状態であっても穿孔位置3bに配置されたトレイ8から帆立貝Sが落下してしまうことが防止され、確実に帆立貝Sが保持される。
【0084】
そして、搬送装置3の穿孔位置3bまで帆立貝Sが搬送されると、搬送装置3の駆動と同期して駆動されるスライド機構25の移動部材28が穿孔位置3bに配置されたトレイ8側へ移動し、加工開始点から減速されて切削送りされ、移動部材7に配設された第3押圧手段29がトレイ8の固定片9に当接して帆立貝Sの固定を補助すると同時に穿孔ドリル31の回転駆動されたドリル本体33が帆立貝Sの耳状突起部Eに当接して耳状突起部Eに穿孔される。帆立貝Sの耳状突起部Eに穿孔して切削送りにより加工終了点に到達した穿孔ドリル31は、再びスライド機構25の移動部材28が高速移動して待機点に戻される。
【0085】
このようにして、穿孔位置3bにおいて穿孔された帆立貝Sは、貝投入位置3aに配置されたトレイ8に帆立貝Sが投入され搬送装置3が駆動されると穿孔位置3bよりもさらに下流側へ移動され、この移動により穿孔位置3bにおいて搬送方向に抗する方向に付勢していた第3押圧手段29をそれぞれ押しのけるとともに、可動片10の錘が作用しなくなりトレイ8の可動片10が固定片9から離間する方向へ回動して帆立貝Sが自重により落下される。
【0086】
前述したようにして用意した複数の帆立貝Sを順次穿孔していき、新たに投入する帆立貝Sがなくなった時点で操作盤42の停止/待機点戻スイッチ46を操作することにより、連続駆動されていた搬送装置3が停止され、スライド機構25の移動部材28が待機点に戻されるとともに穿孔ドリル31の駆動が停止され、装置の駆動が全停止される。すなわち、停止/待機点戻スイッチ46を押すことによりセンサ駆動から連続駆動に切り替わり、すべての帆立貝Sを加工終了後、スライド機構25の移動部材28を待機点へ戻し、穿孔ドリル31の駆動が停止され、装置の駆動が全停止される。
【0087】
以上説明した本第1実施形態の帆立貝穿孔機1によれば、各第1ガイド部材12,12、第2ガイド部材13、第1押圧手段14、第2押圧手段17および第3押圧手段29によりトレイ8内における帆立貝Sの位置決めを確実に行うことができるとともに、穿孔位置3bに搬送された帆立貝Sを第2ガイド部材13、第1押圧手段14、第2押圧手段17および第3押圧手段29により強固に保持して穿孔の際に帆立貝Sがトレイ8内においてずれること防止して帆立貝Sの耳状突起部Eの所定位置に正確に穿孔することができる。
【0088】
また、搬送装置3の貝投入位置3aにトレイ8内の帆立貝Sの有無を検出するセンサ20を配設し、貝投入位置3aに配置されたトレイ8内に帆立貝Sが検出されてから搬送装置3を駆動させ、搬送装置3の駆動に同期させてスライド機構25および穿孔ドリル31を駆動させて穿孔を行うように制御することにより、従来の連続駆動する搬送装置に貝を投入する装置と比べ格段に作業者の負担を軽減することができる。
【0089】
つぎに、本発明に係る帆立貝穿孔機の第2実施形態について説明する。なお、本第1実施形態の帆立貝穿孔機1と同じ構成である箇所については同じ符号を用いて、詳細な説明は省略する。
【0090】
本第2実施形態の帆立貝穿孔機61は、
図7および
図8に示すように、フレーム体2に、水平方向に平行に配置された2本の搬送装置3,3と、前記各搬送装置3の下流側に配置され、前記各搬送装置3に対して移動部材28を往復移動させるスライド機構25とが配設されており、前記スライド機構25の移動部材28には、前記各搬送装置3の穿孔位置3bに搬送された各帆立貝Sの耳状突起部Eにそれぞれ穿孔する2つの穿孔ドリル31,31と、穿孔の際に穿孔位置3bに配置された各トレイ8の固定片9にそれぞれ当接して前記各トレイ8内に挿入された帆立貝Sの固定を補助する2つの第3押圧手段29,28が配設されている。なお、本実施形態においては、前記各搬送装置3,3の一方を左側搬送装置3L、他方を右側搬送装置3Rと称し、共通する『搬送装置』については単に『3』と記す。また、前記フレーム体2には、前記各搬送装置3、前記スライド機構25および前記各穿孔ドリル31の駆動を制御する制御装置と、前記制御装置による帆立貝穿孔機61の起動および停止、各制御の設定を行う操作盤62が配設されている。なお、搬送装置3を複数列配設する場合には、付着物除去部材19は少なくとも1つの搬送装置3に配設されていればよく、必ずしも全ての搬送装置3に配設する必要はない。
【0091】
前記各搬送装置3L,3R、前記スライド機構25および前記各穿孔ドリル31,31はそれぞれ同期して駆動され、前記各搬送装置3L,3Rの各トレイ8が揃って1コマ進められると前記移動部材28が前記各搬送装置3L,3Rに対して往復移動するとともに、前記各穿孔ドリル31,31の各ドリル本体33が回転駆動するように制御される。
【0092】
本第2実施形態の操作盤62には、
図9に示すように、本第1実施形態の操作盤42と同様の手動−自動切り替えスイッチ43、動作選択スイッチ44、起動スイッチ45、停止/待機点戻スイッチ46、運転選択スイッチ47、加工開始点選択スイッチ48、加工長スイッチ49および運転速度選択スイッチ50に加え、前記各搬送装置3L,3Rにそれぞれ配設された前記各センサ20の制御を設定するセンサ選択スイッチ63が配設されている。
【0093】
前記センサ選択スイッチ63は、前記運転選択スイッチ47によりセンサ駆動制御が選択されている場合において、前記左側搬送装置3Lのセンサ20(以下、『センサ20L』と記し、共通する『センサ』については単に『センサ20』と記す)のみを駆動し、前記センサ20Lにより前記左側搬送装置3Lの貝投入位置3aに配置されたトレイ8内に帆立貝Sが検出された場合に両搬送装置3L,3Rの各トレイ8をそれぞれ1コマ前進させる『左センサ駆動』、前記右側搬送装置3Rのセンサ20(以下、『センサ20R』と記し、共通する『センサ』については単に『センサ20』と記す)のみを駆動し、前記センサ20Rにより前記右側搬送装置3Rの貝投入位置3aに配置されたトレイ8内に帆立貝Sが検出された場合に両搬送装置3L,3Rの各トレイ8をそれぞれ1コマ前進させる『右センサ駆動』、さらには前記各搬送装置3L,3Rの各センサ20L,18Rの両方を駆動し、前記各センサ20L,18Rにより前記各搬送装置3L,3Rの貝投入位置3aに配置された各トレイ8内にそれぞれ帆立貝Sが検出された場合に両搬送装置3L,3Rの各トレイ8をそれぞれ1コマ前進させる『両センサ駆動』とを切り替えるスイッチである。そして、『左センサ駆動』あるいは『右センサ駆動』が選択された場合には、予め作業者が帆立貝Sを投入する前記搬送装置3L,3Rの順番を決めておき、センサ20の駆動が選択された前記搬送装置3Lあるいは3Rへの帆立貝Sの投入を後にすることにより、両搬送装置3L,3Rの貝投入位置3aに配置された各トレイ8内にそれぞれ帆立貝Sが投入されたタイミングで前記各搬送装置3L,3Rを駆動させることができ、『両センサ駆動』が選択された場合には、前記各搬送装置3L,3Rに帆立貝Sを投入する順番に関係なく、前記各搬送装置3L,3Rの貝投入位置3aに配置された各トレイ8内にそれぞれ帆立貝Sが投入されてそれぞれ検出されたタイミングで両搬送装置3L,3Rを駆動させることができる。
【0094】
つぎに、前述した構成からなる本第2実施形態の帆立貝穿孔機61の動作について説明する。
【0095】
まず、本第1実施形態と同様に、穿孔する複数の帆立貝Sの中から最も厚みのある帆立貝Sを選び、この帆立貝Sの厚みに応じて加工開始点選択スイッチ48により加工開始点を設定するとともに、加工長スイッチ49により穿孔ドリル31が切削送りされる加工開始点から帆立貝Sへの穿孔が終了して穿孔ドリル31が後退されるまでの距離(加工終了点)と、切削送り時の穿孔ドリル31の移動速度を設定する。
【0096】
つぎに、操作盤62の手動−自動切り替えスイッチ43により『手動制御』と『自動制御』の切り替えを行う。ここでは、一連の工程サイクルを連続して行う『自動制御』を選択する。なお、『手動制御』を選択した場合には、動作選択スイッチ44により『搬送送り駆動』、『ドリル駆動』、あるいは『加工駆動』の個別動作の選択を行う。
【0097】
さらに、操作盤62の運転選択スイッチ47により『連続駆動制御』と『センサ駆動制御』の切り替えを行う。ここでは、搬送装置3の貝投入位置3aに配置されたトレイ8内に帆立貝Sが検出された場合に各トレイ8を1コマ前進させる『センサ駆動制御』を選択する。
【0098】
そこで、操作盤62のセンサ選択スイッチ63により『左センサ駆動』、『右センサ駆動』あるいは『両センサ駆動』の切り替えを行う。ここでは、左側搬送装置3Lのセンサ20Lのみを駆動して左側搬送装置3Lの貝投入位置3aに配置されたトレイ8内に帆立貝Sが検出されたタイミングで各搬送装置3L,3Rを駆動させる『左センサ駆動』を選択する。
【0099】
つぎに、起動スイッチ45により装置を起動する。本実施形態では、手動−自動切り替えスイッチ43により『自動制御』を選択し、運転選択スイッチ47により『センサ駆動制御』を選択しているので、装置は待機状態となる。なお、手動−自動切り替えスイッチ43により『手動制御』が選択されている場合には、動作選択スイッチ44により選択された個別の動作が起動スイッチ45の起動により開始される。
【0100】
そこで、各搬送装置3L,3Rに配設された付着物除去部材19により表面に付着した付着物を削ぎ取った帆立貝Sを右側搬送装置3R、左側搬送装置3Lの順にそれぞれの貝投入位置3aに配置された各トレイ8内に挿入する。その際、各帆立貝Sは各搬送装置3L,3Rにおいてそれぞれ各第1ガイド部材12,12により各トレイ8内における搬送方向と直交する水平方向のほぼ中央に案内されて挿入される。
【0101】
そして、左側搬送装置3Lのセンサ20Lにより左側搬送装置3Lの貝投入位置3aに配置されたトレイ8内に帆立貝Sが検出されると、各搬送装置3L,3Rの各トレイ8がそれぞれ搬送方向における下流側へ1コマ駆動されるとともに、各搬送装置3L,3Rの各トレイ8が1コマ駆動されたタイミングでスライド機構25の移動部材28と穿孔ドリル31,31の各ドリル本体33が駆動され、各穿孔ドリル31,31が各搬送装置3L,3Rのそれぞれの穿孔位置3bに配置された各トレイ8,7に対して往復移動される。なお、この時点では、各搬送装置3L,3Rのそれぞれ穿孔位置3bまでは帆立貝Sが搬送されていないので、駆動された穿孔ドリル31,31はそれぞれの穿孔位置3bに配置された各トレイ8に対して空駆動されることになる。
【0102】
さらに、各搬送装置3L,3Rの貝投入位置3aにおいて各トレイ8にそれぞれ挿入された帆立貝Sは、後方の各トレイ8に帆立貝Sが挿入される毎に1コマずつ下流側へ搬送され、各搬送装置3L,3Rのそれぞれの上流側においては各第1ガイド部材12により搬送方向と直交する水平方向の大まかな位置決めが行われ、各第1ガイド部材12の下流側においては第1押圧手段14の各ばね部材15A,15B,15Cにより第2ガイド部材13側へ間歇的に付勢されることにより各トレイ8内における搬送方向と直交する水平方向の位置決めが確実に行われる。
【0103】
その後、それぞれ帆立貝Sが挿入された各トレイ8が各搬送装置3L,3Rの穿孔位置3bまで移動されると、各トレイ8の可動片10が固定片9側へ回動して各帆立貝Sがそれぞれ挟持され、それぞれ第1押圧手段14の搬送方向における最下流側に配置されたばね部材15Cにより各トレイ8内の各帆立貝Sが強力に第2ガイド部材13側へ付勢されるとともに各帆立貝Sの穿孔側の耳状突起部Eの下縁に当接した駒11の傾斜部11aにより各帆立貝Sの高さが調整され、さらに、第2ガイド部材13上に配設された第2押圧手段17が各帆立貝Sの膨出部Bの最膨出位置よりも下方にそれぞれ当接して各帆立貝Sを搬送方向に抗する方向に付勢することにより、穿孔位置3bに配置された各トレイ8内において位置決めされた帆立貝Sがそれぞれ強固に保持される。なお、本第2実施形態の帆立貝穿孔機61においては、各搬送装置3L,3Rの第2ガイド部材13と第1押圧手段14の搬送方向における最下流側に配置されたばね部材15Cが、穿孔位置3bに搬送された帆立貝Sよりも下流側へ突出するように形成されているので、帆立貝Sの表面に付着物が付着した状態であっても穿孔位置3bに配置されたトレイ8から帆立貝Sが落下してしまうことが防止され、確実に帆立貝Sが保持される。
【0104】
そして、各搬送装置3L,3Rの穿孔位置3bまでそれぞれ帆立貝Sが搬送されると、各搬送装置3L,3Rの駆動と同期して駆動されるスライド機構25の移動部材28が穿孔位置3bに配置された各トレイ8側へ移動し、加工開始点から減速されて切削送りされ、移動部材7に配設された各第3押圧手段29,28が各トレイ8の固定片9にそれぞれ当接して各帆立貝Sの固定を補助すると同時に各穿孔ドリル31,31の回転駆動されたドリル本体33が各帆立貝Sの耳状突起部Eにそれぞれ当接して各耳状突起部Eに穿孔される。各帆立貝Sの耳状突起部Eにそれぞれ穿孔して切削送りにより加工終了点に到達した各穿孔ドリル31,31は、再びスライド機構25の移動部材28が高速移動して待機点に戻されるとともに、各ドリル本体33の回転が停止される。
【0105】
このようにして、穿孔位置3bにおいてそれぞれ穿孔された各帆立貝Sは、貝投入位置3aに配置された各トレイ8にそれぞれ帆立貝Sが投入され各搬送装置3L,3Rが駆動されると穿孔位置3bよりもさらに下流側へそれぞれ移動され、この移動により穿孔位置3bにおいて搬送方向に抗する方向に付勢していた各第3押圧手段29をそれぞれ押しのけ、トレイ8の可動片10が固定片9から離間する方向へ回動して各帆立貝Sが自重により落下する。
【0106】
そして、用意した帆立貝Sを穿孔していき、新たに投入する帆立貝Sがなくなった時点で操作盤42の停止/待機点戻スイッチ46を押す。すると、一連の工程サイクルを連続駆動させることにより各搬送装置3L,3Rの各トレイ8内に残された各帆立貝Sの穿孔を行い、各搬送装置3L,3Rの各トレイ8内に残されたすべての帆立貝Sの穿孔が終了した後、連続駆動されていた各搬送装置3L,3Rが停止され、スライド機構25の移動部材28が待機点に戻されるとともに各穿孔ドリル31,31の駆動が停止され、装置の駆動が全停止される。
【0107】
以上説明した本第2実施形態の帆立貝穿孔機61によれば、各搬送装置3L,3Rに配設された各第1ガイド部材12,12、第2ガイド部材13、第1押圧手段14、第2押圧手段17および第3押圧手段29により各搬送装置3L,3Rのトレイ8内における帆立貝Sの位置決めを確実に行うことができるとともに、穿孔位置3bに搬送された各帆立貝Sをそれぞれ第2ガイド部材13、第1押圧手段14、第2押圧手段17および第3押圧手段29により強固に保持して穿孔の際に各帆立貝Sが各トレイ8内においてずれること防止して帆立貝Sの耳状突起部Eの所定位置に正確に穿孔することができる。
【0108】
また、各搬送装置3L,3Rの貝投入位置3aに各トレイ8内の帆立貝Sの有無を検出するセンサ20をそれぞれ配設し、貝投入位置3aに配置されたトレイ8内に帆立貝Sが検出されてから各搬送装置3L,3Rを駆動させ、各搬送装置3L,3Rの駆動に同期させてスライド機構25および各穿孔ドリル31,31を駆動させて穿孔を行うように制御することにより、従来の連続駆動する搬送装置に貝を投入する装置と比べ格段に作業者の負担を軽減することができる。
【0109】
なお、本発明は、前述した2つの実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0110】
例えば、本第2実施形態においては、搬送装置3、穿孔ドリル31および第3押圧手段29をそれぞれ2つずつ備える構成としているが、それぞれをさらに多数列備える構成としてもよい。その際、センサ選択スイッチ63は、いずれかの搬送装置3のセンサ20を駆動させ、このセンサ20により帆立貝Sが検出された場合に全ての搬送装置3を同期させて駆動させる個別のセンサ駆動と、全ての搬送装置3のセンサ20を駆動させ、全てのセンサ20により帆立貝Sが検出された場合に全ての搬送装置3を同期させて駆動させる全センサ駆動とを選択できるようにすればよい。