【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば上記目的は、
利用者にドア開閉操作時の手掛け部を提供する握り部1を備えてドア2に固定されるハンドル本体3と、
前記ハンドル本体3に初期回転位置と作動回転位置との間で回転操作可能に連結されて握り部の裏面に位置するレバーハンドル4と、
回路基板部8、および検出電極6を備えて利用者の接近を検出する静電容量センサ5とを有し、
前記握り部1には、裏面に向けて開口し、前記レバーハンドル4が進退する空隙部7が形成されるとともに、
前記静電容量センサ5は、前記回路基板部8を含む検出ユニット本体部11をハンドル本体4の前記空隙部7の天井面に固定してハンドル本体3に固定され、
前記検出電極6は、検出ユニット本体部11をハンドル本体4に固定した状態において前記空隙部7の対向する両内壁面に沿って配置されてハンドル本体4の側壁に位置する車両のドアハンドルを提供することにより達成される。
【0008】
ドアハンドルは、ハンドル本体3と、ハンドル本体3に対して回転操作可能なレバーハンドル4とを有して構成され、レバーハンドル4を初期回転位置から作動回転位置に回転操作することによりドア2内のドア2ロック装置を操作することができる。
【0009】
回転操作部品であるレバーハンドル4をハンドル本体3に連結した本発明は、それ自体回転操作部品となるために、支持部材であるハンドルベースを要する従来例とは異なり、ドアハンドルを直接ドア2に固定することが可能になるために、別途外部カバーを装着する必要がなく、デザインの自由度を高めることができる。
【0010】
また、ドアハンドルへの利用者の接近を検出するための静電容量センサ5を固定部材であるハンドル本体3に装着することにより、可動部分であるレバーハンドル4を軽量化することができる。レバーハンドル4の軽量化により、車両に側面衝突荷重が負荷された際にレバーハンドル4に発生する慣性力によって該レバーハンドル4が作動回転位置方向に回転するのを防止するためのカウンタウエイトを設定する場合には、該カウンタウエイトの重量も軽量にすることが可能になるために、車両の軽量化にも資することができる。
【0011】
さらに、静電容量センサ5の検出電極6をハンドル本体3の握り部1の側壁に配置することにより、ハンドル本体3の握り部1に手を掛けてドア2を操作する動作が行われた際、握り部1に手が掛けられる前の手のハンドル本体3への接近時にいち早くドア開閉操作を検出することができる。
【0012】
静電容量センサ5からの検出信号は、一般に車両に搭載した認証装置から利用者が所持する携帯器へのID要求信号を出力するためのトリガ信号として利用され、ID要求信号に応答して携帯器から出力されるID信号の認証装置における認証成立を条件に解錠動作が行われる。
【0013】
したがって、ハンドル本体3への接近を早期に検知することが可能な本発明において、認証動作完了までの時間を短縮することができるために、利用者によるレバーハンドル4への操作が行われた際に未だに認証動作が未完了で、レバーハンドル4への操作のやり直しが必要になる等の不都合を防止することができる。
【0014】
また、前記握り部1には、裏面に向けて開口し、前記レバーハンドル4が進退する空隙部7が形成されるとともに、前記静電容量センサ5は、該静電容量センサ5の検出回路が実装された回路基板部8が前記空隙部7の天井面に固定され、かつ、回路基板部8から引き出される前記検出電極6が空隙部7の対向する両内壁面に配置される。
【0015】
ハンドル本体3の握り部1に形成される空隙部7は、レバーハンドル4の操作スペースを提供しており、該レバーハンドル4の初期回転位置におけるハンドル本体3からの突出寸法を操作上必要な量に制限することを可能にする。
【0016】
また、空隙部7の天井壁を回路基板部8の固定面として利用することにより該空隙部7を静電容量センサ5の収容スペースとして利用することが可能になり、ハンドル本体3の握り部1の断面積を利用者が握り易い寸法に設定することが可能になる。
【0017】
さらに、静電容量センサ5の検出電極6は空隙部7の対向する両内壁面に配置されているために、ハンドル本体3が車長方向に沿って取り付けられた場合を例に取ると、握り部1とドア2との間のスペースに上下いずれの方向から手を入れても進入方向に対応する検出電極6により早急な検出を行うことが可能になる。
【0018】
さらに、上記目的を達成するための本発明の他の態様として、
前記レバーハンドル4には、作動回転位置において前記回路基板部8を格納可能な格納スペース9が形成される車両のドアハンドルを構成することができる。
【0019】
本態様において、レバーハンドル4を作動回転位置まで回転操作した際、すなわち、レバーハンドル4がハンドル本体3の空隙部7内に進入した際の回路基板部8の収容スペースを提供するために、握り部1内のスペースを有効利用することができる。
【0020】
また、上記目的を達成するための本発明の他の態様として、
前記空隙部7の天井壁24に、利用者が所持する携帯器との交信用アンテナ10が収容される車両のドアハンドルを構成することができる。
【0021】
本態様において、上記空隙部7は交信用アンテナ10の収容スペースとして利用されるために、握り部1内のスペースを有効利用することができる。
【0022】
さらに、上記目的を達成するための本発明の他の態様として、
前記検出ユニット本体部11は、利用者が所持する携帯器との交信用アンテナ10とともに前記回路基板部8を一体化して形成される車両のドアハンドルを構成することができる。
【0023】
本態様において、静電容量センサ5の回路基板部8と交信用アンテナ10は予めモールド樹脂等を使用してユニット化されているために、ハンドル本体3への組み付け作業が容易になる。
【0024】
この場合、前記検出ユニット本体部11は、利用者の接近を検知した際に施錠動作開始信号を出力する第2静電容量センサ12を含む車両のドアハンドルを構成することもできる。