特許第6438245号(P6438245)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6438245通信装置およびその制御方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6438245
(24)【登録日】2018年11月22日
(45)【発行日】2018年12月12日
(54)【発明の名称】通信装置およびその制御方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20181203BHJP
   H04M 1/73 20060101ALI20181203BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20181203BHJP
   H04N 101/00 20060101ALN20181203BHJP
【FI】
   H04M1/00 U
   H04M1/73
   H04N5/232 411
   H04N101:00
【請求項の数】18
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2014-181594(P2014-181594)
(22)【出願日】2014年9月5日
(65)【公開番号】特開2016-58791(P2016-58791A)
(43)【公開日】2016年4月21日
【審査請求日】2017年8月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(72)【発明者】
【氏名】替地 修也
【審査官】 松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−039868(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/149816(WO,A1)
【文献】 特開2008−016022(JP,A)
【文献】 特開2014−131108(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K17/00
H04B7/24−7/26
H04M1/00
1/24−1/82
99/00
H04N5/222−5/257
101/00
H04W4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置と近接無線通信することができる近接無線通信手段と、
前記近接無線通信手段が前記外部装置からの電磁波を受けた場合、通信装置の電力供給の制御を開始する電力制御手段と、
前記電力制御手段により制御される各部への電力を低減させるためのシャットダウン処理を実行する制御手段とを有し、
前記シャットダウン処理を実行する場合、前記制御手段は前記シャットダウン処理を開始する前に前記近接無線通信手段を無効にすることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記近接無線通信手段は、前記外部装置から受けた電磁波によって生じる電力を用いて動作することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記近接無線通信手段が前記外部装置からの電磁波を受けた場合、前記近接無線通信手段は前記電力制御手段へ信号を送信し、前記電力制御手段は前記近接無線通信手段からの信号に応じて前記通信装置の各部への電力供給の制御を開始し、
前記近接無線通信手段が無効である場合、前記外部装置からの電磁波を受けたとしても、前記近接無線通信手段から前記電力制御手段へ信号が送信されないことを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記近接無線通信手段が前記外部装置からの電磁波を受けた場合、前記近接無線通信手段は前記外部装置へ応答を送信し、
前記近接無線通信手段が無効である場合、前記外部装置からの電磁波を受けたとしても、前記近接無線通信手段から前記外部装置へ応答が送信されないことを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項5】
前記制御手段は、ユーザによって電源ボタンが操作されたことに応じて前記シャットダウン処理を開始することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記制御手段は、電池残量が所定量以下になったことに応じて前記シャットダウン処理を開始することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記シャットダウン処理が完了した場合、前記近接無線通信手段は有効になることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項8】
電池残量が所定量以下である場合、前記シャットダウン処理が完了しても、前記近接無線通信手段は有効にならないことを特徴とする請求項7に記載の通信装置。
【請求項9】
前記近接無線通信手段は、前記近接無線通信手段の有効/無効を設定するための情報を記録する記録領域を有し、該記録領域には有効であることを示す情報が初期値として記録されており、
前記制御手段は前記記録領域に情報を記録することで、前記近接無線通信手段の有効/無効を制御し、
前記近接無線通信手段への電力の供給が停止されると、前記記録領域に記録された情報が初期値にリセットされることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項10】
前記通信装置の電源電圧を検出する検出手段をさらに有し、
前記制御手段は、前記電源電圧に応じて、前記近接無線通信手段の動作を有効または無効に制御することを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項11】
前記電源電圧が前記通信装置の特定の機能を実行できない電圧である場合、前記制御手段は、前記近接無線通信手段の動作を無効に制御し、
前記電源電圧が前記通信装置の特定の機能を実行できる電圧である場合、前記制御手段は、前記近接無線通信手段の動作を有効に制御することを特徴とする請求項10に記載の通信装置。
【請求項12】
前記近接無線通信手段とは異なる通信手段をさらに有し、
前記近接無線通信手段が前記外部装置と通信したことに応じて、前記制御手段は、前記通信手段を用いた前記外部装置との通信を確立するための処理を開始するよう制御することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項13】
被写体を撮像して画像データを生成する撮像手段をさらに有することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項14】
外部装置と近接無線通信することができる近接無線通信手段と、
通信装置の各部への電力供給の制御を開始する電力制御手段と、
前記電力制御手段により制御される各部への電力を低減させるためのシャットダウン処理を実行する制御手段とを有し、
前記近接無線通信手段が前記外部装置からの電磁波を受けた場合、前記近接無線通信手段は前記電力制御手段へ信号を送信し、前記電力制御手段は前記近接無線通信手段からの信号に応じて前記通信装置の各部への電力供給の制御を開始し、
前記シャットダウン処理を実行する場合、前記制御手段は前記シャットダウン処理を開始する前に前記近接無線通信手段から前記電力制御手段へ信号が送信されないよう制御することを特徴とする通信装置。
【請求項15】
前記制御手段は前記シャットダウン処理を開始する前に、前記外部装置に対して応答しないよう前記近接無線通信手段を制御することを特徴とする請求項14に記載の通信装置。
【請求項16】
外部装置と近接無線通信することができる近接無線通信手段を有する通信装置の制御方法であって、
前記近接無線通信手段が前記外部装置からの電磁波を受けた場合、前記通信装置の電力供給の制御を開始する電力制御ステップと、
前記電力制御ステップにより制御される各部への電力を低減させるためのシャットダウン処理を実行する制御ステップとを有し、
前記シャットダウン処理を実行する場合、前記制御ステップでは前記シャットダウン処理を開始する前に前記近接無線通信手段を無効にすることを特徴とする制御方法。
【請求項17】
外部装置と近接無線通信することができる近接無線通信手段を有する通信装置の制御方法であって、
前記通信装置の各部への電力供給の制御を開始する電力制御ステップと、
前記電力制御ステップにより制御される各部への電力を低減させるためのシャットダウン処理を実行する制御ステップとを有し、
前記近接無線通信手段が前記外部装置からの電磁波を受けた場合、前記近接無線通信手段は前記電力制御ステップのための信号を送信し、前記電力制御ステップでは前記近接無線通信手段からの信号に応じて前記通信装置の各部への電力供給の制御を開始し、
前記シャットダウン処理を実行する場合、前記制御ステップでは前記シャットダウン処理を開始する前に前記近接無線通信手段から前記電力制御ステップのための信号が送信されないよう制御することを特徴とする制御方法。
【請求項18】
コンピュータを、請求項1から15のいずれか1項に記載の通信装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナを介して無線通信可能な通信装置における通信制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線通信可能な携帯装置に非接触ICを搭載し、無線通信のための設定を簡単にする、いわゆるハンドオーバー技術が実現されている。例えば、特許文献1には、NFC(Near Field Communication)を用いて無線LAN接続に必要な通信パラメータ(SSIDやパスワード)を機器同士で共有し、無線LAN接続を簡単に確立するシステムが開示されている。この場合、一方は非接触ICタグを搭載し、もう一方は、非接触ICタグと通信するためのリーダーライターを搭載する。
【0003】
非接触ICは、内部メモリにデータを格納することができ、リーダーライター装置は非接触ICの内部メモリからデータを読み出す動作や内部メモリにデータを書き込む動作を行うことができる。
【0004】
なお、非接触ICは、リーダーライター装置から受けた電磁波を電力として無線通信動作を行うことが可能である。このため、非接触ICを搭載した無線通信装置の電源がOFFの場合であっても、リーダーライター装置から非接触ICに対するデータの書き込みや読み出しの動作が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−157736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように非接触ICは、非接触ICを搭載する装置からの電源供給がなくとも動作可能である。このことは非接触ICの利点である一方で、不都合が生じる場合も考えられる。例えば、ユーザが非接触ICによる無線通信を望まない場合でも、ユーザの意思に反して無線通信が行われてしまう場合が考えられる。例えば、装置がユーザから受け付けた電源OFF操作等により、非接触ICチップへの電力供給が停止されてから非接触ICチップの電源電圧が動作不可能な電圧まで低下するまでの期間は、非接触ICチップが有効なままである。すなわち、リーダーライター装置が近づいた場合に無線通信動作を行ってしまう可能性がある。この結果、例えば非接触ICを搭載する機器が電源OFFとなる一方で、リーダーライター装置はハンドオーバーしようとしてしまうという不都合が生じ得る。また、リーダーライター装置が近づいたことで、ハードウェア的に非接触ICを搭載する機器の電源がONとなり、ソフトウェアのシャットダウン処理との整合性がとれなくなってしまう虞がある。この場合、ハードウェアが動作しているので電池を消耗してしまう。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、ユーザの意図しないタイミングで非接触通信の機能が有効となる可能性を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明の通信装置は、外部装置と近接無線通信することができる近接無線通信手段と、前記近接無線通信手段が前記外部装置からの電磁波を受けた場合、前記通信装置の電力供給の制御を開始する電力制御手段と、前記電力制御手段により制御される各部への電力を低減させるためのシャットダウン処理を実行する制御手段とを有し、前記シャットダウン処理を実行する場合、前記制御手段は前記シャットダウン処理を開始する前に前記近接無線通信手段を無効にする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザの意図しないタイミングで非接触通信の機能が有効となる可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態1の無線通信装置の構成を示すブロック図。
図2】実施形態1の無線通信装置の動作状態と無線通信動作の真理値表を示す図。
図3】実施形態1の無線通信装置のソフトウェアによる制御手順を示すフローチャート。
図4】実施形態1の無線通信装置のハードウェアによる動作手順を示すフローチャート。
図5】実施形態2の無線通信装置の構成を示すブロック図。
図6】実施形態2の無線通信装置の動作状態と無線通信動作の真理値表を示す図。
図7】実施形態2の無線通信装置のソフトウェアによる制御手順を示すフローチャート。
図8】実施形態2の無線通信装置のハードウェアによる動作手順を示すフローチャート。
図9】実施形態3の無線通信装置の構成を示すブロック図。
図10】実施形態3の無線通信装置の動作状態と無線通信動作の真理値表を示す図。
図11】実施形態3の無線通信装置のハードウェアによる動作手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、本発明を実現するための一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。また、後述する各実施形態の一部を適宜組み合わせて構成してもよい。
【0012】
以下、本発明の無線通信装置としてのデジタルカメラと外部無線通信装置(リーダーライター装置)としてのスマートフォンが無線通信可能なシステムについて説明する。
【0013】
本実施形態では、例えば、デジタルカメラとスマートフォンが非接触の第1の通信規格(NFC(近接無線通信)など)で無線通信を行い、それをトリガとしてペアリング情報を交換することにより第2の通信規格(Wi−Fiなど)に切り替えて無線通信を開始する連携動作(ハンドオーバー機能)を行う。
【0014】
なお、本実施形態では、無線通信装置としてデジタルカメラを想定しているが、カメラ付き携帯電話やスマートフォン、タブレット端末、ゲーム機などにも適用可能である。
【0015】
また、本実施形態では、外部無線通信装置として携帯電話の一種であるスマートフォンを想定しているが、他のカメラ付き携帯電話やタブレット端末などの携帯型電子機器にも適用可能である。また、カメラ付きのパーソナルコンピュータなどの情報処理装置であっても良い。
【0016】
[実施形態1]
実施形態1では、無線通信装置の非接触ICに動作用の電力が供給されている場合にのみ無線通信動作を行うことが可能な非接触ICを搭載した無線通信装置について説明する。
【0017】
本実施形態では、非接触ICの無線通信は国際標準規格であるISO/IEC21481に対応しているものとする。
【0018】
<装置構成>まず、図1を参照して、本発明に係る実施形態の無線通信装置の構成および機能の概略について説明する。
【0019】
なお、図1では、本実施形態の説明に不要なブロックへの電源接続の記載は省略している。
【0020】
図1において、アンテナ102は、外部無線通信装置201からの電磁波を受信する。非接触IC103は、無線通信装置101の内部において非接触IC103のVDD端子に電源が供給されている場合、外部無線通信装置201から送信される電磁波をアンテナ102で受信し、無線通信動作を行うことが可能である。すなわち、非接触IC103は、アンテナ102が受けた電磁波から電力を生成し、生成した電力を無線通信動作を行うために供給する電力供給機能を有さず、無線通信動作を行う内部回路を動作させるために電源電圧VDDが必要である。
【0021】
外部無線通信装置201は、無線通信装置101の非接触IC103に対するリーダー/ライター機能を備えている。アンテナ202は、無線通信装置101のアンテナ102と通信し、外部無線通信装置201の不図示のリーダー/ライター部が無線通信装置101の非接触IC103に対してデータの読み出し/書き込み動作を行う。
【0022】
なお、本実施形態では、外部無線通信装置201の内部構成について図示及び説明を省略する。
【0023】
以下の説明では、無線通信装置101に搭載されている非接触IC103は、外部無線通信装置201の非接触ICリーダーライターとの間で無線通信動作を行うものとする。また、非接触ICリーダーライターの機能および動作の説明は省略し、非接触IC103は外部無線通信装置201からの電磁波を受けて無線通信動作を行うものとして説明する。
【0024】
本実施形態の非接触IC103は、アンテナ102を介して外部無線通信装置201から電磁波および通信情報(ペアリング情報など)を受信するとRF端子からRF検出信号を出力する機能を持つ。RF端子はON時に導通状態になり、OFF時に高インピーダンス状態となるオープンドレインまたはオープンコレクタのトランジスタ負論理信号出力とする。
【0025】
無線通信装置101は、非接触IC103の有線インターフェースであるIC_I/F端子を通じて無線通信動作を行う場合は電源電圧VDDが必要となる。電源電圧VDDが供給されている状態では、非接触IC103は、IC_I/F端子を通じて制御部としてのCPU153により制御され、非接触IC103の無線通信動作、内部回路によるデータの書き込み/読み出しが可能となる。
【0026】
また、CPU153は、非接触IC103のIC_I/F端子を通じて非接触IC103の無線通信動作を有効または無効に切り替え可能である。以下では、非接触IC103の無線通信動作を有効にすることを「ENABLE」、無効にすることを「DISABLE」と呼ぶ。非接触IC103は、DISABLEが設定されているか、ENABLEが設定されているかを参照することで、外部装置からの無線通信に対してレスポンスを返して、通信を成立させるかどうかを切り替える。すなわち、ENABLEが設定されている場合、非接触IC103は外部装置からの無線通信に対してレスポンスを返す。そして、DISABLEが設定されている場合、非接触IC103は外部装置からの無線通信に対してレスポンスを返さない。
【0027】
トランジスタ104はRF検出信号の論理を反転するトランジスタである。抵抗105はトランジスタ104のベース抵抗、抵抗106はトランジスタ104のベースエミッタ抵抗である。以下、トランジスタをTRと略称する。
【0028】
TR108は非接触IC103のRF検出信号の論理を更に反転してCPU153へ伝達する。抵抗109はTR108のベース抵抗、抵抗110はTR108のベースエミッタ抵抗である。抵抗111は後述するCPU153の入力1のプルアップ抵抗である。
【0029】
非接触IC103のRF検出信号がONになった場合、TR104とTR108とがONとなり、入力1にRF検出信号が伝達される。
【0030】
TR112は電源部としての電池151の電圧をCPU153のAD入力に印加するためのスイッチング動作を行う。抵抗113はTR112のベース抵抗、抵抗114はTR112のベースエミッタ抵抗である。抵抗118と抵抗119はTR112がONの場合にAD入力に電池151の電圧を分圧して入力するための分圧抵抗である。TR115はCPU153の出力1の論理を反転する。抵抗116はTR115のベース抵抗、抵抗117はTR115のベースエミッタ抵抗である。
【0031】
CPU153の出力1をHIGHにした場合、TR115とTR112とがONとなり、AD入力に分圧された電池151の電圧が印加される。
【0032】
電池151は、電源IC152の制御により無線通信装置101の内部に電力を供給する。電源IC152は、CPU153からのEN信号によってVOUT端子から電圧を出力する。電源IC152のEN端子はCPU153の出力2と抵抗122を介して接続され、CPU153により制御可能である。
【0033】
CPU153の出力2をHIGHにした場合、電源IC152がONとなり、電源IC152はVOUT端子から電圧を出力する。
【0034】
CPU153は、無線通信装置101の全体の動作を司る中央演算処理装置である。RAM154は、CPU153のワークエリアとして使用される揮発性メモリである。ROM155は、CPU153の制御手順を記述したソフトウェアを記憶するメモリであり、例えばフラッシュメモリなどの書き換えが可能な不揮発性メモリが用いられる。
【0035】
表示部158は、例えばLCDパネルが用いられ、画像データや操作情報などを表示する。操作部159は、無線通信装置101の各種操作を受け付け、操作情報をCPU153へ伝達する。操作部159は、例えば電源ボタンスイッチを含む複数のボタンスイッチで構成される。
【0036】
記録媒体160は、デジタルデータの書き込み、読み込みを行うことができるメモリーカードなどである。
【0037】
撮像部161は、レンズや駆動回路などで構成される光学系と撮像素子を含む。
【0038】
無線通信部165は、アンテナ166を介して外部機器と無線通信を行う。無線通信部165は、WLAN規格であるIEEE802.11など、非接触IC103とは異なる無線通信規格に対応している。
【0039】
ここで、本実施形態の非接触IC103の周辺回路の動作を説明する。
【0040】
以下の説明において、無線通信装置101(の装置本体)がOFFの状態とは、電源IC152のVOUT端子から電圧が出力されておらず、CPU153がOFFの状態で、CPU153での制御が行われていない状態とする。また、無線通信装置101がONの状態とは、電源IC152のVOUT端子から電圧が出力されており、CPU153がONの状態で、CPU153での制御が行われている状態とする。
【0041】
まずは、無線通信装置101がOFFの状態で、非接触IC103が外部無線通信装置201から電磁波および通信情報を受けた場合の動作を説明する。
【0042】
無線通信装置101がOFFの状態では、非接触IC103が外部無線通信装置201から電磁波および通信情報を受けても、非接触IC103に対して電源電圧VDDが供給されていないため、外部無線通信装置201に応答することができず何も起こらない。
【0043】
次に、無線通信装置101がONの状態で、非接触IC103が外部無線通信装置201からの電磁波および通信情報を受信した場合の動作を説明する。
【0044】
無線通信装置101がONの状態では、非接触IC103は、電源電圧VDDが供給されているため、外部無線通信装置201から電磁波および通信を受信すると、RF検出信号を出力する。非接触IC103から出力されるRF検出信号はTR104で論理反転、TR108で更に論理反転され、CPU153の入力1に伝達される。CPU153は入力1への入力信号を検出することで外部無線通信装置201と非接触IC103との間で無線通信が行われたことを判定できる。
【0045】
図2は、実施形態1の無線通信装置101の非接触IC103の周辺回路の状態と非接触IC103の無線通信動作に関する真理値表を示している。
【0046】
電源IC152の最低動作電圧がVb1とすると、電池151の電池電圧Vbattが0≦Vbatt<Vb1である場合は電源IC152は動作不能なため、CPU153はOFFである。CPU153がOFFの場合、非接触IC103の無線通信動作は「DISABLE」のみである。
【0047】
電池151の電池電圧VbattがVb1≦Vbattである場合は電源IC152は動作可能であるため、CPU153はONとOFFのいずれの状態もとり得る。CPU153がOFFの場合は、非接触IC103の無線通信動作は「DISABLE」であるが、CPU153がONの場合は、CPU153の制御により非接触IC103の無線通信動作は「DISABLE」と「ENABLE」のいずれかに設定可能である。
【0048】
<動作説明>次に、図3および図4を参照して、実施形態1の無線通信装置101のソフトウェアおよびハードウェアによる動作について説明する。
【0049】
まず、図3のソフトウェアによる制御手順を説明する。
【0050】
なお、図3に示す制御手順を実行するためのソフトウェアは、無線通信装置101の操作部159に含まれる電源ボタンスイッチがONされ、電源IC152のVOUT端子からCPU153および非接触IC103に電圧が印加されると起動が開始される。なお、この時点では、無線通信装置101のソフトウェアの起動は一部しか完了しておらず、ソフトウェアの制御による一部の機能、例えば撮像部161、表示部158、無線通信部165は動作していないものとする。
【0051】
ステップS301では、CPU153は、出力1を「HIGH」に制御してTR115とTR112をONにすることにより電池151の電池電圧を検出する。
【0052】
ステップS302では、CPU153は電池151の電池電圧が閾値以下であるかを判定する。電池電圧の閾値は、例えば無線通信装置101のソフトウェア制御による一部の機能の正常な動作が保証されている電圧値に設定されている。
【0053】
ステップS302でCPU153は電池電圧が閾値以下であると判定した場合、処理はステップS303に進む。
【0054】
ステップS303では、CPU153は、表示部158に電池電圧警告を表示する。
【0055】
ステップS304では、CPU153は、ソフトウェアを終了するシャットダウン処理を行う。
【0056】
ステップS305では、CPU153は、電源IC152をオフにする処理を行い、本処理を終了する。
【0057】
ステップS302でCPU153は電池電圧が閾値を超えると判定した場合、処理はステップS306に進む。
【0058】
ステップS306では、CPU153は、ソフトウェアの起動を完了し、動作していなかった一部の機能を動作可能にした後、表示部158に起動画面を表示する。
【0059】
ステップS307では、CPU153は、有線インターフェースであるIC_I/F端子を通じて非接触IC103の無線通信動作を「ENABLE」に設定し、非接触IC103の内部回路のレジスタ(記憶部)に記憶する。
【0060】
本実施形態では、ステップS307でCPU153が非接触IC103の無線通信動作を「ENABLE」にするためのレジスタ設定をする前、非接触IC103の無線通信動作の初期値は「DISABLE」の状態であるものとする。
【0061】
ステップS307でCPU153が非接触IC103の無線通信動作を「ENABLE」にするためのレジスタ設定を行った後は、非接触IC103は外部無線通信装置201から電磁波および通信情報の受信に対して応答する状態になる。
【0062】
なお、非接触IC103が外部無線通信装置201から電磁波および通信情報を受信した場合、非接触IC103のRF検出信号がCPU153の入力1に入力される。CPU153は、それをトリガとして無線通信部165を制御し、ハンドオーバー機能によりWi−Fiなどの異なる通信規格で外部無線通信装置201と通信する連携動作を開始することができる。なお、本実施形態では、無線通信装置101が、アクセスポイントの機能を担う。すなわち、非接触IC103が外部無線通信装置201から電磁波および通信情報を受信したことをトリガとして、無線通信装置101がネットワークを生成する。また、非接触IC103の応答を受信したことをトリガとして外部無線通信装置201は、無線通信装置101が生成するネットワークに参加する。
【0063】
ステップS307でCPU153が非接触IC103の無線通信動作を有効にするためのレジスタ設定を行った後は、CPU153は電池151の電池電圧、操作部159に含まれる電源ボタンスイッチ、他のソフトウェア処理のエラー監視を繰り返す。
【0064】
ステップS308では、CPU153は出力1を「HIGH」に制御して、TR115とTR112をONにすることにより電池151の電池電圧を検出する。
【0065】
ステップS309では、CPU153は電池151の電池電圧が閾値以下であるかを判定する。この電池電圧の閾値はステップS302と同じ値に設定されているものとする。
【0066】
ステップS309でCPU153は電池電圧が閾値以下であると判定した場合、処理はステップS310に進む。
【0067】
ステップS310では、CPU153は表示部158に電池電圧警告を表示し、処理はステップS311に進む。
【0068】
ステップS311では、CPU153は、シャットダウン処理を行う前に、非接触IC103のIC_I/F端子を通じて非接触IC103の無線通信動作を「DISABLE」にするためのレジスタ設定を行う。
【0069】
その後、CPU153は、ステップS304のシャットダウン処理、ステップS305の電源オフ処理を行い、本処理を終了する。
【0070】
ステップS311でCPU153が非接触IC103の無線通信動作を「DISABLE」にするためのレジスタ設定を行った後は、非接触IC103は外部無線通信装置201からの電磁波および通信情報の受信に対して応答しない状態になる。また、この状態では、非接触IC103は、外部無線通信装置201から電磁波および通信情報を受信しても、RF検出信号をCPU153に出力しない。
【0071】
このように、シャットダウン処理によって実際に電源をオフにして非接触IC103を含めた、無線通信装置101の各部の動作を停止させることに先立って、非接触IC103の動作を無効にする。これによって、シャットダウン処理中に近接してきた外部無線通信装置201が無駄にハンドオーバーしようとすることを防ぐことができる。
【0072】
非接触IC103のレジスタ設定は非接触IC103の電源電圧VDDが供給されている場合に保持され、電源電圧VDDの供給が停止されるとレジスタ設定はクリアされる。
【0073】
一方、ステップS309でCPU153は電池電圧が閾値以上であると判定した場合、処理はステップS312に進む。
【0074】
ステップS312では、CPU153は操作部159に含まれる電源ボタンスイッチからの操作入力の有無を検出する。
【0075】
ステップS313では、CPU153は操作部159に含まれる電源ボタンスイッチが押下されたか否かを判定する。
【0076】
ステップS313でCPU153は電源ボタンスイッチが押下されたと判定した場合、処理はステップS311に進む。
【0077】
一方、ステップS313でCPU153は電源ボタンスイッチが押下されていないと判定した場合、処理はステップS314に進む。
【0078】
ステップS314では、CPU153は無線通信装置101のハードウェアおよびソフトウェアのエラーを検出する。
【0079】
ステップS315では、CPU153は無線通信装置101のハードウェアおよびソフトウェアのエラーが発生したか否かを判定する。
【0080】
ステップS315でCPU153は無線通信装置101のハードウェアおよびソフトウェアのエラーが発生したと判定した場合、処理はステップS316に進む。
【0081】
ステップS316では、CPU153は表示部158にエラーを表示し、処理はステップS311に進む。
【0082】
一方、ステップS315で、CPU153は無線通信装置101のハードウェアおよびソフトウェアのエラーが発生していないと判定した場合、処理はステップS308に戻る。
【0083】
次に、図4のハードウェアによる動作手順を説明する。
【0084】
ステップS401では、非接触IC103は非接触IC103の電源電圧VDDが印加されているか否かを判定する。
【0085】
ステップS401で非接触IC103は電源IC152から電源電圧VDDが供給されていると判定した場合、処理はステップS402に進む。
【0086】
ステップS402では、非接触IC103は無線通信動作のレジスタ設定が「ENABLE」であるか否かを判定する。
【0087】
ステップS402で、非接触IC103は無線通信動作のレジスタ設定が「ENABLE」であると判定した場合、外部無線通信装置201からの電磁波および通信情報の受信に対して応答する状態を維持したまま、本処理を終了する。
【0088】
一方、ステップS402で、非接触IC103は無線通信動作のレジスタ設定が「DISABLE」であると判定した場合、外部無線通信装置201からの電磁波および通信情報の受信に対して応答しない状態のまま、処理はステップSS403に戻る。
【0089】
ステップS401で、非接触IC103は電源電圧VDDが供給されていないと判定した場合、処理はステップS403に進む。
【0090】
ステップS403では、非接触IC103は無線通信動作のレジスタ設定をクリアする。
【0091】
ステップS404では、非接触IC103は無線通信動作のレジスタ設定を初期値である「DISABLE」の状態にして、本処理を終了する。
【0092】
以上が、本実施形態の無線通信装置101の動作の説明である。
【0093】
上述のように、本実施形態におけるCPU153は無線通信装置101のソフトウェアのシャットダウン処理を実行する前に、非接触IC103の無線通信動作を「DISABLE」に設定する。すなわち、シャットダウン処理の前に、非接触IC103による、外部信号に対する応答を行わないようにする。これにより、シャットダウン処理中の近接によって、意図しない通信が行われることを防ぎ、結果として、意図しないタイミングの通信をトリガとして外部無線通信装置201が無駄にハンドオーバーしようとすることを防ぐことができる。
【0094】
[実施形態2]
実施形態1では、非接触IC103に電源電圧DDが印加されている場合にのみ無線通信動作が可能であり、非接触IC103の無線通信動作の初期値は「DISABLE」に設定されていた。これに対して、実施形態2の非接触IC503は電源電圧DDまたは外部装置からの電磁波を電力として無線通信動作することが可能であり、非接触IC503の無線通信動作の初期値は「ENABLE」に設定される。
【0095】
本実施形態でも、実施形態1と同様に非接触ICの無線通信は国際標準規格であるISO/IEC21481に対応しているものとする。
【0096】
<装置構成>まず、図5および図6を参照して、実施形態2の無線通信装置の構成および機能の概略について説明する。
【0097】
なお、以下では、図5において、図1と同様の構成には同一の符号を付して示し、実施形態1との相違点を中心に説明する。また、本実施形態の説明に使用するブロック図においては、本実施形態の説明に不要なブロックへの電源接続の記載は省略している。
【0098】
図5において、ダイオード511、512が抵抗122を介して電源IC152のEN端子に接続され、非接触IC503とCPU153の双方から出力される、電源IC152の制御信号をOR入力する。
【0099】
本実施形態の非接触IC503の機能は、実施形態1の非接触IC103の機能とは異なっている。すなわち、
図1の非接触IC103は、アンテナ102が受信した電磁波から無線通信のための電力を生成する電力供給機能を有しておらず、無線通信を行う内部回路を動作させるために電源電圧VDDが必要である。
【0100】
これに対して、図5の非接触IC503は、アンテナ102が受信した電磁波から無線通信のための電力を生成する電力供給機能を有し、電源電圧VDDの供給の有無に関わらず、外部無線通信装置201からの電磁波のみで無線通信が可能である。そして、本実施形態では、非接触IC503の無線通信動作の初期値は「ENABLE」の状態である。
【0101】
ここで、本実施形態の非接触IC503の周辺回路の動作を説明する。
【0102】
まず、無線通信装置501がOFFの場合に、非接触IC503が外部無線通信装置201から電磁波および通信を受信する場合の動作を説明する。
【0103】
無線通信装置501がOFFの場合、非接触IC503は、外部無線通信装置201から電磁波および通信情報を受信するとRF検出信号を出力する。非接触IC503のRF検出信号はTR104で論理反転され、一方は電源IC152のEN端子に入り、電源IC152を駆動する。そして、電源IC152のVOUT端子からの出力電圧でCPU153が動作を開始する。CPU153が動作を開始した後はソフトウェア制御によりCPU153は出力2をHIGHにして電源IC152の駆動を継続する。TR104で論理反転された非接触IC503のRF検出信号の他方は、TR108で更に論理反転され、CPU153の入力1に入力する。CPU153は入力1の信号を検出することで外部無線通信装置201と非接触IC503との無線通信が行われたことを判定することができる。
【0104】
次に、無線通信装置501がONの場合に、非接触IC503が外部無線通信装置201から電磁波および通信情報を受信する場合の動作を説明する。
【0105】
無線通信装置501がONの場合、OFFの場合と同様に外部無線通信装置201から電磁波および通信情報を受信するとRF検出信号を出力する。非接触IC503のRF検出信号はTR104で論理反転され、TR108で更に論理反転され、CPU153の入力1に入力する。CPU153は入力1の信号を検出することで外部無線通信装置201と非接触IC503との無線通信が行われたことを判定することができる。
【0106】
図6は、実施形態2の無線通信装置501の非接触IC503の周辺回路の状態と非接触IC503の無線通信動作に関する真理値表を示している。
【0107】
電源IC152の最低動作電圧がVb1とすると、電池151の電池電圧Vbattが0≦Vbatt<Vb1である場合は電源IC152が動作不能であるため、CPU153はOFFである。非接触IC503は電源電圧VDDの供給の有無に関わらず、外部無線通信装置201から電磁波のみで無線通信が可能であるので、CPU153がOFFであっても非接触IC503の無線通信動作は「ENABLE」である。
【0108】
電池151の電池電圧VbattがVb1≦Vbattである場合は、電源IC152が動作可能であるため、CPU153はONとOFFのいずれの状態もとり得る。CPU153がOFFの場合は非接触IC503の無線通信動作は「ENABLE」であるが、CPU153がONの場合はCPU153の制御により非接触IC503の無線通信動作は「DISABLE」と「ENABLE」のいずれにも設定可能である。
【0109】
<動作説明>次に、図7および図8を参照して、実施形態2の無線通信装置501の非接触IC503のソフトウェアおよびハードウェアによる動作について説明する。
【0110】
まず、図7のソフトウェアによる制御手順を説明する。
【0111】
なお、図7に示す制御手順を実行するためのソフトウェアは、無線通信装置501の操作部159に含まれる電源ボタンスイッチがオンされた場合、または、外部無線通信装置201から電磁波および通信情報を受信した場合に、電源IC152からCPU153および非接触IC503に電圧が印加されると起動を開始する。この時点では、無線通信装置501のソフトウェアの起動は一部しか完了しておらず、ソフトウェアの制御による一部の機能、例えば撮像部161、表示部158、無線通信部165は動作していない状態とする。
【0112】
ステップS701では、CPU153は電源ONの要因を検出する。具体的には、操作部159に含まれる電源ボタンスイッチと入力1の論理を検出する。
【0113】
ステップS702では、CPU153はステップS501で検出した電源ONの要因が操作部159に含まれる電源ボタンスイッチであるか、非接触IC503のRF検出信号であるかを判定する。ここで、非接触IC503のRF検出信号がCPU153の入力1に入力されていない場合、CPU153の入力1の論理はHIGHであるので、電源ONの要因が操作部159に含まれる電源ボタンスイッチであると判定できる。また、非接触IC503のRF検出信号がCPU153の入力1に入力されていた場合は、CPU153の入力1の論理はLOWであるので、電源ONの要因が非接触IC503のRF検出信号であると判定できる。
【0114】
ステップS702でCPU153は電源ONの要因が操作部159に含まれる電源ボタンスイッチであると判定した場合、処理はステップS703に進む。
【0115】
ステップS703では、CPU153は、無線通信装置501を第1の動作モードに設定する。
【0116】
一方、ステップS702でCPU153は電源ONの要因が非接触IC503のRF検出信号であると判定した場合、処理はステップS704に進む。
【0117】
ステップS704では、CPU153は、無線通信装置501を第2の動作モードに設定する。
【0118】
第1の動作モードと第2の動作モードとで、CPU153は以降の無線通信装置501の動作を変更しても良い。例えばステップS302やステップS309での電池151の電池電圧の閾値を動作モードにより変更しても良い。また、無線通信装置501の機能のうち有効とする機能の一部を変更したり、表示部158に表示する内容や表示方法を変えても良い。
【0119】
ステップS301以降の処理は図3と同様であるため、説明を省略するが、実施形態2では、ステップS307で非接触IC503の無線通信動作を「ENABLE」にするためのレジスタ設定をする前、非接触IC503の無線通信動作の初期値は「ENABLE」の状態であるので、設定する前後で非接触IC503の無線通信動作の状態は変わらない。
【0120】
また、本実施形態における非接触IC503の無線通信動作の初期値は「ENABLE」ではあるが、ステップS311では、実施形態1と同様に、シャットダウン処理に入る前に、一時的「DISABLE」に設定する。この状態では、非接触IC03は、外部無線通信装置201から電磁波および通信情報を受信したとしても、RF検出信号を電源IC152に出力しない。
【0121】
なお、本実施形態において、このようにするのは実施形態1のステップS311の説明で述べた理由に加えて、以下の理由に拠る。すなわち、シャットダウン処理では、各部への電圧が所定値以下となることによってハードウェアリセットを行う。この処理の最中に電源IC152により電力の供給が開始されてしまうと、ハードウェアリセットされる閾値まで電圧が下がらず、無駄な電池の消費と、ハードウェアリセットが完了しないことによるフリーズが生じてしまう。この場合、電源ボタンの押下による再起動を行わなければ、この状態を解消することはできなくなってしまう。このような状況が生じることを防ぐために、実際に電源OFFする前に、電源OFFにするための準備中(すなわちシャットダウン処理中)になる際に、予め応答しないように設定する。
【0122】
非接触IC503のレジスタ設定は非接触IC503への電源電圧VDDの供給またはアンテナ102への電磁波の供給がされている場合に保持され、電源電圧VDDまたはアンテナ102への電磁波の供給が停止されるとレジスタ設定はクリアされる。
【0123】
次に、図8のハードウェアによる動作手順を説明する。
【0124】
ステップS801では、非接触IC503は外部無線通信装置201から電磁波が供給されているかを判定する。
【0125】
ステップS801で非接触IC503は外部無線通信装置201から電磁波が供給されていると判定した場合は、処理はステップS402に進む。
【0126】
ステップS402では、非接触IC503は無線通信動作のレジスタ設定が「ENABLE」であるかを判定する。
【0127】
ステップS402で非接触IC503は無線通信動作のレジスタ設定が「ENABLE」であると判定した場合、処理はステップS802に進む。
【0128】
ステップS802では、非接触IC503は無線通信動作がレジスタ設定値に従い「ENABLE」の状態になる。
【0129】
一方、ステップS402で、非接触IC503は無線通信動作のレジスタ設定が「DISABLE」であると判定した場合、外部無線通信装置201からの電磁波および通信情報の受信に対して応答しない状態のまま、ステップS801に戻る。
【0130】
ステップS801で、非接触IC503は外部無線通信装置201から電磁波が供給されていないと判定した場合は、処理はステップS401に進む。
【0131】
ステップS401、S402、S403の処理は図4と同様であるため、説明を省略する。
【0132】
ステップS803では、非接触IC503は外部無線通信装置201からの通信があるかを判定する。
【0133】
ステップS803で、非接触IC503は外部無線通信装置201からの通信があったと判定した場合、処理はステップS804に進む。
【0134】
ステップS804では、非接触IC503はRF検出信号を出力し、本処理を終了する。
【0135】
CPU153にRF検出信号が入力されると、電源IC152のVOUT端子から電圧が出力され、無線通信装置501がONの状態となる。
【0136】
一方、ステップS803で、非接触IC503は外部無線通信装置201からの通信がなかったと判定した場合、通信があるまで待機する。
【0137】
このように、本実施形態では、非接触IC503は電源電圧VDDの供給の有無に関わらず外部無線通信装置201に応答することが可能である。非接触IC503の無線通信動作の初期値は「ENABLE」である。
【0138】
そして、CPU153が電池151の電池電圧Vbattの電圧によって、非接触IC503の無線通信動作を「DISABLE」と「ENABLE」のいずれにも設定可能である。
【0139】
電池151の電池電圧Vbattが無線通信装置501の第1の機能、例えば無線通信部165を通じた無線通信動作を提供することができない電圧である場合、CPU153は非接触IC503の無線通信動作を「DISABLE」に設定することができる。また、電池151の電池電圧Vbattが無線通信装置501の第1の機能、例えば無線通信部165を通じた無線通信動作を提供することができる電圧である場合、CPU153は非接触IC503の無線通信動作を「ENABLE」に設定することができる。
【0140】
そして、CPU153は無線通信装置501のソフトウェアをシャットダウン処理して電源OFFする前に、非接触IC503の無線通信動作を「DISABLE」に設定する。
【0141】
本実施形態によれば、ソフトウェア制御によるシャットダウン処理から実際に非接触IC503の電源電圧VDDが動作不可能な電圧まで低下するまでの期間、および外部無線通信装置201から電磁波の供給がなくなるまで、外部無線通信装置201から電磁波および通信情報の受信に対して応答しない。そしてこの場合、電源IC152に対するRF検出信号の出力も行わないことになる。この結果、無線通信装置501がシャットダウン処理を行っている場合に、電源IC152が駆動され、無線通信装置501が再起動可能な電源OFF状態まで達しないという電源状態を防止し、ハードウェアが動作することによる電池の消耗も低減できる。
【0142】
[実施形態3]
実施形態1では、非接触IC103に電源電圧DDが供給されている場合にのみ無線通信動作が可能であり、非接触IC103の無線通信動作の初期値は「DISABLE」に設定されていた。また、実施形態2では、非接触IC503は電源電圧DDまたは外部からの電磁波を電力として無線通信動作することが可能であり、非接触IC503の無線通信動作の初期値は「ENABLE」に設定されていた。これに対して、実施形態3では、実施形態2の非接触ICの機能に加え、非接触IC503のIC_I/F端子を通じた制御とは別に、外部からの信号により非接触IC903の無線通信動作の「DISABLE」と「ENABLE」を設定可能としたものである。
【0143】
実施形態3でも、上記実施形態1、2と同様に非接触ICの無線通信は国際標準規格であるISO/IEC21481に対応しているものとする。
【0144】
<装置構成>まず、図9を参照して、実施形態3の無線通信装置の構成および機能の概略について説明する。
【0145】
なお、図9において、図5と同様の構成には同一の符号を付して示し、実施形態2との相違点を中心に説明する。また、本実施形態の説明に使用するブロック図においては、本実施形態の説明に不要なブロックへの電源接続の記載は省略している。
【0146】
図9において、電圧検出回路910は、電池151の電池電圧を検出し、電圧閾値Vt1未満であればLOWを出力し、電圧閾値Vt1以上であればHIGHを出力する。電圧検出回路910は電池151が電源であるので、無線通信装置901の動作に関わらず機能する。電源IC152の最低動作電圧Vb1、電圧検出回路910の電圧閾値Vt1との関係は、Vb1<Vt1とする。なお、電圧検出回路910の電圧閾値Vt1は、例えば無線通信装置901のソフトウェアによる諸機能の正常な動作が保証されている電圧値に設定されているとする。
【0147】
ダイオード911が電圧検出回路910のVOUT端子から非接触IC903のRF_EN端子に接続され、ダイオード912がCPU153の出力1から非接触IC903のRF_EN端子に接続されている。ダイオード911、912は、電圧検出回路910とCPU153の双方から出力される、非接触IC903の無線通信動作を制御するRF_EN信号をOR入力する。非接触IC903のRF_EN信号の動作については後述する。
【0148】
本実施形態の非接触IC903の機能は、実施形態2の非接触IC503の機能とは異なっている。すなわち、
図5の非接触IC503は、アンテナ102が受けた電磁波から無線通信のための電力を生成する電力供給機能を有しており、電源電圧VDDの供給の有無に関わらず、外部無線通信装置201からの電磁波のみで無線通信が可能である。
【0149】
これに対して、図9の非接触IC903は、非接触IC503の機能に加え、外部からのRF_EN信号により非接触IC903の無線通信動作を「DISABLE」と「ENABLE」のいずれかに設定可能である。非接触IC903のRF_EN信号がLOWの場合は非接触IC903の無線通信動作は「DISABLE」、HIGHの場合は非接触IC903の無線通信動作は「ENABLE」である。
【0150】
非接触IC903のRF_EN信号と無線通信動作を「DISABLE」と「ENABLE」のいずれかに設定する回路は非接触IC903の内部回路として備えていても良いし、外部回路で構成されていても良い。
【0151】
実施形態3では、実施形態2と同様に非接触IC903の無線通信動作の初期値は「ENABLE」の状態である。
【0152】
ここで、非接触IC903の周辺回路の動作を説明する。
【0153】
まず、無線通信装置901がOFFの場合に、非接触IC903が外部無線通信装置201から電磁波および通信情報を受信する場合の動作を説明する。
【0154】
無線通信装置901がOFFの場合は、電圧検出回路910が電池151の電池電圧を検出し、電池電圧が閾値Vt1以上ならばHIGHを出力し、電池電圧が閾値Vt1未満ならばLOWを出力する。
【0155】
無線通信装置901がOFFであって電圧検出回路910の出力がLOWの場合は、非接触IC903の無線通信動作は「DISABLE」であるため、外部無線通信装置201から電磁波および通信情報を受けても応答せず何も起こらない。
【0156】
無線通信装置901がOFFであって電圧検出回路910の出力がHIGHの場合は、非接触IC903の無線通信動作は「ENABLE」であるため、外部無線通信装置201から電磁波および通信情報を受信するとRF検出信号を出力する。
【0157】
非接触IC903のRF検出信号はTR104で論理反転され、一方は電源IC152のEN端子に入り、電源IC152を駆動する。そして、電源IC152のVOUT端子からの出力電圧でCPU153が動作を開始する。CPU153が動作を開始した後はソフトウェア制御によりCPU153は出力2をHIGHにして電源IC152の駆動を継続する。CPU153が動作を開始した後はソフトウェア制御によりCPU153は出力1をHIGHにすると、電圧検出回路910の動作に関わらず、非接触IC903の無線通信動作を「ENABLE」にすることが可能である。
【0158】
また、非接触IC903のRF_EN信号がHIGHの場合、CPU153は非接触IC903のIC_I/F端子を通じてレジスタ設定を行うことで非接触IC903の無線通信動作を「DISABLE」と「ENABLE」のいずれにも設定可能である。
【0159】
次に、無線通信装置901がONの場合に、非接触IC903が外部無線通信装置201から電磁波および通信情報を受信する場合の動作を説明する。
【0160】
無線通信装置901がONの場合、無線通信装置901の装置本体がOFFの場合と同様に電圧検出回路910が電池151の電池電圧を検出し、電圧が閾値Vt1以上であればHIGHを出力し、電圧が閾値Vt1未満であればLOWを出力する。
【0161】
無線通信装置901がONであって電圧検出回路910の出力がLOW、CPU153の出力1がLOWの場合は、非接触IC903の無線通信動作は「DISABLE」である。よって、外部無線通信装置201から電磁波および通信情報を受けても応答せず何も起こらない。
【0162】
無線通信装置901がONであって電圧検出回路910の出力がLOW、CPU153の出力1がHIGHの場合は、非接触IC903の無線通信動作は「ENABLE」である。よって、外部無線通信装置201から電磁波および通信情報を受信するとRF検出信号を出力する。
【0163】
非接触IC903のRF検出信号はTR104で論理反転され、TR108で更に論理反転され、CPU153の入力1に入力する。CPU153は入力1の信号を検出することで外部無線通信装置201と非接触IC903との間で無線通信が行われたことを判定することができる。
【0164】
図10は、実施形態3の無線通信装置901の非接触IC903の周辺回路の状態と非接触IC903の無線通信動作に関する真理値表を示している。
【0165】
電源IC152の最低動作電圧がVb1とすると、電池151の電池電圧Vbattが0≦Vbatt<Vb1である場合は電源IC152が動作不能なため、CPU153はOFFである。また、電源IC152の最低動作電圧Vb1と電圧検出回路910の電圧閾値Vt1との関係は、Vb1<Vt1であるので、非接触IC903の無線通信動作は電圧検出回路910のLOW出力に従い、「DISABLE」である。
【0166】
電池151の電池電圧VbattがVb1≦Vbatt<Vt1である場合は、電源IC152が動作可能なため、CPU153はONとOFFのいずれの状態もとり得る。CPU153がOFFである場合は非接触IC903の無線通信動作は電圧検出回路910のLOW出力に従い、「DISABLE」である。CPU153がONの場合は、CPU153の制御により非接触IC903の無線通信動作は「DISABLE」と「ENABLE」のいずれにも設定可能である。
【0167】
電池151の電池電圧VbattがVt1≦Vbattである場合は、電源IC152が動作可能なため、CPU153はONとOFFのいずれの状態もとり得る。CPU153がOFFである場合は非接触IC903の無線通信動作は電圧検出回路910のHIGH出力に従い、「ENABLE」である。CPU153がONである場合はCPU153の制御により非接触IC903の無線通信動作は「DISABLE」と「ENABLE」のいずれにも設定可能である。
【0168】
<動作説明>次に、図11を参照して、実施形態3の無線通信装置901の非接触IC903のハードウェアによる動作について説明する。
【0169】
なお、実施形態3の無線通信装置901の非接触IC903のソフトウェアによる動作は、実施形態2の図7と同様であるので説明は省略する。
【0170】
ただし、ステップS302で、CPU153は電池151の電池電圧が閾値以下であるかを判定する場合、閾値は、電圧検出回路910の閾値よりも低い電圧値に設定しても良い。
【0171】
電圧検出回路910はソフトウェアが起動していない状態でも電圧値の判定を行うため、無線通信装置901のソフトウェアによる諸機能の正常な動作が保証されている電圧値に対し、多くの余裕を取るような閾値に設定することが望ましい。しかし、ソフトウェア起動時は上記電圧値に対し、より必要十分な余裕を取るように電圧検出回路910よりも低い閾値を設定しても良い。
【0172】
また、ステップS307において、CPU153は、非接触IC903の無線通信動作を「ENABLE」にするために、非接触IC903のIC_I/F端子を通じたレジスタ設定を行わず、CPU153の出力1をHIGHに制御するだけでも良い。
【0173】
非接触IC903のレジスタ設定は非接触IC903の電源電圧VDDまたはアンテナ102へ電磁波が供給されている場合に保持され、電源電圧VDDまたはアンテナ102への電磁波の供給がなくなるとレジスタ設定はクリアされる。
【0174】
図11において、ステップS801からS804、ステップS401からS403までの処理は図8と同様であるので、説明は省略する。
【0175】
ステップS1101では、非接触IC903は電圧検出回路910の出力がHIGHであるかを判定する。なお、ステップS1101では、電圧検出回路910の出力が所定のレベル以下であるかを判定してもよい。
【0176】
ステップS1101で非接触IC903は電圧検出回路910の出力がLOWであると判定した場合、処理はステップS1102に進む。
【0177】
ステップS1102では、非接触IC903は無線通信動作のレジスタ設定を「DISABLE」の状態にする。
【0178】
ステップS1102で非接触IC903の無線通信動作のレジスタ設定を「DISABLE」の状態にした後、非接触IC903は外部無線通信装置201から電磁波および通信情報を受信して応答する動作が不可能な状態のまま、ステップS1101に戻る。
【0179】
ステップS1101で非接触IC903は電圧検出回路910の出力がHIGHであると判定した場合、処理はステップS802に進む。
【0180】
このように、本実施形態では、非接触IC903は電源電圧VDDの供給の有無に関わらず外部無線通信装置201から電磁波および通信情報を受信して応答することが可能である。
【0181】
非接触IC903の無線通信動作の初期値は「ENABLE」であるが、電池151の電池電圧Vbattを電圧検出回路910で検出することによって「DISABLE」と「ENABLE」のいずれかに設定される。
【0182】
CPU153は電池151の電池電圧Vbattの値によって、非接触IC903の無線通信動作を「DISABLE」と「ENABLE」のいずれにも設定可能である。
【0183】
電池151の電池電圧Vbattが無線通信装置901の第1の機能、例えば無線通信部165を用いた無線通信動作を提供することができない電圧である場合、CPU153は非接触IC903の無線通信動作を「DISABLE」に設定することができる。
【0184】
電池151の電池電圧Vbattが無線通信装置901の第1の機能、例えば無線通信部165を用いた無線通信動作を提供することができる電圧である場合、CPU153は非接触IC903の無線通信動作を「ENABLE」に設定することができる。
【0185】
CPU153は無線通信装置901のソフトウェアをシャットダウン処理して電源OFFする前に、非接触IC903の無線通信動作を「DISABLE」とする。
【0186】
本実施形態によれば、ソフトウェア制御によるシャットダウン処理から実際に非接触IC903の電源電圧VDDが動作不可能な電圧まで低下するまでの期間、および外部から電磁波の供給が停止されるまで、外部無線通信装置201から電磁波および通信情報の受信に対して応答しない状態となる。このようにすることで、無線通信装置901はシャットダウン処理を行っているが再起動可能な電源OFF状態まで達していない場合に、非接触IC903が外部無線通信装置201から電磁波および通信情報を受信して応答してしまうという、動作状態の不一致を防止し、ハードウェアが動作することによる電池の消耗も低減できる。
【0187】
さらに、非接触IC903が外部無線通信装置201から電磁波および通信情報を受信して応答し、RF検出信号により電源IC152が駆動され、無線通信装置901が再起動可能な電源OFF状態まで達しないという電源状態の不都合を防止することができる。
【0188】
[変形例]
上述した各実施形態では、非接触ICの周辺回路の構成として、信号のスイッチおよび論理反転を行う素子としてバイポーラトランジスタを用いた構成を説明した。しかしながら、本実施形態に適用可能なスイッチは、バイポーラトランジスタに限ったものでない。例えば、FETのようなユニポーラトランジスタでも適用可能である。つまり、スイッチONで導通状態になり、OFFで高インピーダンス状態となる素子であれば良い。
【0189】
また、上述した各実施形態では、非接触ICの周辺回路の構成として、信号のスイッチおよび論理反転を行う素子としてバイポーラトランジスタ、バイアス回路に抵抗を用いた構成を説明した。しかしながら、本実施形態に適用可能なスイッチおよびバイアス回路は、バイポーラトランジスタおよび抵抗に限ったものでない。例えば、FETやICを組み合わせて同様の動作を実現した場合でも適用可能である。
【0190】
また、上述した各実施形態では、非接触ICの無線通信は国際標準規格であるISO/IEC21481に対応しているものとして説明した。しかしながら、本実施形態に適用可能な非接触ICの無線通信規格は、ISO/IEC21481に限ったものでない。例えば、外部からの電磁波を電力として動作する非接触ICであればどのような規格であっても適用可能である。電磁波の周波数で説明すると、ISO/IEC21481の13.56MHzでなくても、ISO/IEC18000の各パートの周波数kHz帯〜GHz帯でも適用可能である。
【0191】
また、上述の各実施形態に加えて、非接触ICのメモリに、無線通信装置101、501、901が現在、ハンドオーバー可能であるか否かを示す情報を記録しておくようにしてもよい。このようにした場合、外部無線通信装置201は、このハンドオーバー可能であるか否かを示す情報を参照することで、ハンドオーバー処理を実行すべきかどうかを判断することができる。
【0192】
また、本発明は、上述した特定の実施形態に限られるものではなく、上述した各実施形態の周辺回路や制御方法を適宜組み合わせても良い。非接触ICおよびその周辺回路は、外部から電磁波および通信情報を受けた場合に、非接触ICの無線通信動作を行い、それをトリガに装置本体の機能と連携動作を行うような構成であれば、いかなる形態であっても本発明を適用可能である。
【0193】
[他の実施形態]
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0194】
101、501、901…無線通信装置、102…アンテナ、103…非接触IC、152…電源IC、153…CPU、201…外部無線通信装置、202…アンテナ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
図11