特許第6438498号(P6438498)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6438498
(24)【登録日】2018年11月22日
(45)【発行日】2018年12月12日
(54)【発明の名称】磁性板の積層体及びモータ
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/26 20060101AFI20181203BHJP
   H02K 1/18 20060101ALI20181203BHJP
【FI】
   H01F27/26 130K
   H02K1/18 B
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-3610(P2017-3610)
(22)【出願日】2017年1月12日
(65)【公開番号】特開2017-143251(P2017-143251A)
(43)【公開日】2017年8月17日
【審査請求日】2018年8月24日
(31)【優先権主張番号】特願2016-23039(P2016-23039)
(32)【優先日】2016年2月9日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515317466
【氏名又は名称】株式会社東北マグネットインスティテュート
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】牧野 彰宏
(72)【発明者】
【氏名】西山 信行
(72)【発明者】
【氏名】西川 幸男
(72)【発明者】
【氏名】小島 徹
(72)【発明者】
【氏名】小川 登史
【審査官】 竹下 翔平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−099158(JP,A)
【文献】 特開2010−233291(JP,A)
【文献】 特開2008−131696(JP,A)
【文献】 特開2007−311652(JP,A)
【文献】 特開平04−171171(JP,A)
【文献】 特開平03−032007(JP,A)
【文献】 特開平02−303336(JP,A)
【文献】 実開昭57−021236(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 27/24−27/26
41/00−41/04
41/08
41/10
H02K 1/00−1/16
1/18−1/26
1/28−1/34
15/00−15/02
15/04−15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された複数の軟磁性薄帯からなる積層部と、
前記積層部の積層方向の上面及び下面から前記積層部を挟む第1及び第2の金属板と、
前記第1及び第2の金属板と、前記積層部と、を貫き、前記第1及び第2の金属板によって前記積層部を締結する締結機構と、
を有し、
前記第1及び第2の金属板は、2枚以上の複数の金属板を積層することを特徴とする磁性板の積層体。
【請求項2】
積層された複数の軟磁性薄帯からなる積層部と、
前記積層部の積層方向の上面及び下面から前記積層部を挟む第1及び第2の金属板と、
前記第1及び第2の金属板と、前記積層部と、を貫き、前記第1及び第2の金属板によって前記積層部を締結する締結機構と、
を有し、
前記締結機構は、前記積層部を貫く穴に、カラーが入っていることを特徴とする磁性板の積層体。
【請求項3】
前記複数の軟磁性薄帯の各軟磁性薄帯は、それぞれ互いに局部的に接すると共に、前記各軟磁性薄帯の互いに接する箇所の間には間隙を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性板の積層体。
【請求項4】
前記積層部に占める軟磁性薄帯の体積%である占積率は、70%以上であって、残部は間隙である、請求項に記載の磁性板の積層体。
【請求項5】
前記軟磁性薄帯の厚さは、0.01mm以上、0.1mm以下であることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の磁性板の積層体。
【請求項6】
前記第1及び第2の金属板は、軟磁性であることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の磁性板の積層体。
【請求項7】
前記第1及び第2の金属板は、非磁性であることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の磁性板の積層体。
【請求項8】
前記第1及び第2の金属板の板厚は、軟磁性薄帯の6倍以上であって、前記積層体の厚さの20%以下であることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の磁性板の積層体。
【請求項9】
さらに、前記積層部内に設けられた第3の金属板を有することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の磁性板の積層体。
【請求項10】
回転子と、
請求項1から9のいずれか一項に記載の磁性板の積層体からなり、前記回転子を回転可能に内部に格納する固定子と、
を備えたモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軟磁性薄帯を積層した磁性板の積層体及び該磁性板の積層体を固定子として用いたモータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のモータ用の鉄心(固定子)の磁性板の積層体としては、純鉄や電磁鋼板が用いられている。また、より効率化を目的としたモータでは、非晶質やナノ結晶粒を有する薄帯を鉄心に用いたものもある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図5は、特許文献1に記載された従来のモータの構造を示す図である。このモータに用いられた固定子鉄心は、まず、単ロール法、双ロール法等の液体急冷法により作製された非晶質合金薄帯を巻回、切断、打ち抜き、エッチング等の方法で所定の形状に加工し、次に積層等を行って形成されている。
【0004】
これに対して、特許文献2では、積層材27を接着剤が塗布された複数枚の非晶質合金薄帯28と電磁鋼板29とを重ね合わせ、加熱圧着して製造している。図6にアモルファス積層材27の斜視図を示す。これにより取り扱いが容易になるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−145917号公報
【特許文献2】特開2007−311652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記図5の従来の構成では、非晶質あるいは結晶化した軟磁性薄帯を積層して鉄心等の部品を製作する際、積層体の剛性が低いため単体での取り扱いが難しかった。また、積層体を締結して固定する際に、締結部以外の拘束されていない部分は剛性が低いために空気が残り、たわんで隙間が生じる。
図7は、従来の構造による積層体の締結状態を示している。図7(a)は、側面図であり、(b)は、上面図であり、(c)は、拡大した側面図である。軟磁性薄帯の積層部21がワッシャ22を介してボルト23で基板24に取り付けられている。拘束されていない部分(c)を拡大すると、軟磁性薄帯25のたわみにより、軟磁性薄帯25間に隙間26が生じ、占積率が悪くなる。その結果、単位体積あたりの磁性体の比率が低くなり、積層体としての軟磁気特性は低下するだけでなく、形状が不安定になる。
【0007】
また、図6の構成では、非晶質薄帯の層間に接着剤が入るため占積率が悪くなり、モータ効率が悪くなるという課題を有している。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、剛性確保や、締結固定時の磁気特性の安定化を可能とする磁性板の積層体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る磁性板の積層体は、積層された複数の軟磁性薄帯からなる積層部と、
前記積層部の積層方向の上面及び下面から前記積層部を挟む第1及び第2の金属板と、
前記第1及び第2の金属板と、前記積層部と、を貫き、前記第1及び第2の金属板によって前記積層部を締結する締結機構と、
を有する。
【0010】
本構成によって、剛性が高い金属板で軟磁性薄帯の積層部全体を積層方向について拘束することができる。これによって、積層体の剛性を確保し、また積層体を表面全体で押さえ込むことになるので積層部内の軟磁性薄帯のたわみも防ぎ、磁気特性を安定化させることができる。
【発明の効果】
【0011】
以上のように、本発明の磁性板の積層体によれば、積層体の剛性確保や、締結固定時の磁気特性を安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】(a)は、実施の形態1に係る磁性板の積層体を用いたモータの側面図であり、(b)は、上面図であり、(c)は、積層部の拡大図である。
図2】実施の形態2に係る磁性板の積層体の構成を示す側面図である。
図3】実施の形態3に係る磁性板の積層体の構成を示す側面図である。
図4】実施の形態4に係る磁性板の積層体の構成を示す側面図である。
図5】特許文献1に記載された従来のモータの構造を示す図である。
図6】特許文献2に記載された従来の磁性板の積層体を示す図である。
図7】(a)は、従来の構造による積層体を用いたモータの側面図であり、(b)は、上面図であり、(c)は、積層部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
第1の態様に係る磁性板の積層体は、積層された複数の軟磁性薄帯からなる積層部と、
前記積層部の積層方向の上面及び下面から前記積層部を挟む第1及び第2の金属板と、
前記第1及び第2の金属板と、前記積層部と、を貫き、前記第1及び第2の金属板によって前記積層部を締結する締結機構と、
を有する。
【0014】
第2の態様に係る磁性板の積層体は、上記第1の態様において、前記複数の軟磁性薄帯の各軟磁性薄帯は、それぞれ互いに局部的に接すると共に、前記各軟磁性薄帯の互いに接する箇所の間には間隙を有してもよい。
【0015】
第3の態様に係る磁性板の積層体は、上記第2の態様において、前記積層部に占める軟磁性薄帯の体積%である占積率は、70%以上であって、残部は間隙であってもよい。
【0016】
第4の態様に係る磁性板の積層体は、上記第1から第3のいずれかの態様において、前記軟磁性薄帯の厚さは、0.01mm以上、0.1mm以下であってもよい。
【0017】
第5の態様に係る磁性板の積層体は、上記第1から第4のいずれかの態様において、前記第1及び第2の金属板は、軟磁性であってもよい。
【0018】
第6の態様に係る磁性板の積層体は、上記第1から第4のいずれかの態様において、前記第1及び第2の金属板は、非磁性であってもよい。
【0019】
第7の態様に係る磁性板の積層体は、上記第1から第6のいずれかの態様において、前記第1及び第2の金属板の板厚は、軟磁性薄帯の6倍以上であって、前記積層体の厚さの20%以下であってもよい。
【0020】
第8の態様に係る磁性板の積層体は、上記第1から第7のいずれかの態様において、前記第1及び第2の金属板は、2枚以上の複数の金属板を積層してもよい。
【0021】
第9の態様に係る磁性板の積層体は、上記第1から第8のいずれかの態様において、さらに、前記積層部内に設けられた第3の金属板を有してもよい。
【0022】
第10の態様に係るモータは、回転子と、
上記第1から第9のいずれかの態様の前記磁性板の積層体からなり、前記回転子を回転可能に内部に格納する固定子と、
を備える。
【0023】
以下、実施の形態に係る磁性板の積層体及びモータについて、添付図面を参照しながら説明する。なお、図面において実質的に同一の部材については同一の符号を付している。
【0024】
(実施の形態1)
図1(a)〜(c)は、実施の形態1における磁性板の積層体を用いたモータの構成を示す図であって、具体的にはブラシレスモータについて示している。図1(a)は磁性板の積層体3を用いたモータの側面図であり、図1(b)は上面図であり、図1(c)は積層部1の拡大図である。なお、図1(a)において、巻き線部分の突出部は省略している。
図1(a)〜(c)に示すように、この磁性板の積層体3は、非晶質あるいはナノ結晶粒を含有する軟磁性金属薄帯9が積層された積層部1と、その積層方向の上下面から積層部1を挟む2枚の金属板である非磁性のオーステナイト系ステンレス鋼板2a、2bと、2枚の金属板2a、2bと、積層部1と、を貫き、2枚の金属板(第1及び第2の金属板)2a、2bによって積層部1を締結する締結機構4、5と、を備える。この軟磁性金属薄帯9の積層部1では、各軟磁性金属薄帯9の間を接着剤を用いることなく積層している。この積層体3では、軟磁性金属薄帯9を積層して積層部1を形成する際に、接着剤を用いていないので、界面に接着剤が介在しないために軟磁性金属薄帯の体積分率である占積率を高めることができる。占積率が小さいと、必要な磁気特性を得るために磁性材の量を確保するための積層部1の厚さが厚くなる。その結果、積層部1に巻かれる巻線7が長くなり、巻線7の銅線に発生するジュール熱である銅損が大きくなり、モータ効率は低下する。モータ効率や積層部1の形状維持の観点から、積層部1における軟磁性金属薄帯の体積分率である占積率は、70%以上が好ましい。
また、積層体3には、軟磁性金属薄帯及びステンレス鋼板2に4箇所設けられた締結用穴に図では見えない円筒形のカラーが入っており、ボルト4とワッシャ5からなる締結機構で金属基板6に固定されている。この円筒形のカラーによって軟磁性薄帯及びステンレス鋼板2の平面方向の位置決めと高さの規制ができる。さらに、巻線7が施されており、中央には回転子8が回転可能に設置されている。
【0025】
積層体3の形状は製品に応じて異なるが、図1(a)〜(c)は、冷蔵庫やエアコンに使用されるハーメチックモータ用で、最大外径は80mm、高さ30mmの場合を示している。軟磁性薄帯(軟磁性金属薄帯)の厚さは0.03mm、ステンレス鋼板2の厚さは3mmである。積層体3の上下に設けられたステンレス鋼板2を除いた積層部1の厚さは24mmである。ここに、例えば、厚さ0.03mmの軟磁性薄帯をボルト4で締結することにより680枚積層した場合には、積層部1に占める軟磁性薄帯の体積分率である占積率は85%である。締結時に薄帯にかかる負荷を小さくしたい場合では、占積率は75%以上であった。ステンレス鋼板2は、積層方向に垂直な方向について、軟磁性薄帯の積層部1よりもやや広めであってもよい。これにより巻線7を積層部1から間隔を空けて巻きつけることができるので、軟磁性薄帯を保護できる。軟磁性薄帯の厚さ範囲は、実用的には0.01mm以上、0.1mm以下であってもよい。さらに、0.01mm以上、0.06mm以下であってもよい。ステンレス鋼板2a、2bの板厚は、軟磁性薄帯の10倍以上あれば単体のたわみ量が3桁以下になるので十分である。しかし、過剰に厚いと、巻線7が施される積層体3における積層部1の比率が小さくなる。その結果、磁性材の量が減り、巻線7が長くなって銅損だけが大きくなり、モータ効率が低下する。ステンレス鋼板2a、2bの厚さを、最大でも積層体3の厚さの20%以下とすることで、積層体3に占める積層部1の比率が60%以上となり、モータ効率の点から好ましい。
【0026】
図1(c)の積層部1の拡大図に示すように、この積層部1では、各軟磁性薄帯9同士の間、あるいは軟磁性薄帯9とステンレス鋼板2との間には、軟磁性薄帯9の板厚偏差、あるいは積層時に層間に入った空気により隙間(間隙)10が存在する。ステンレス鋼板2で積層部1を積層方向に圧縮しているので、図7で述べたような、たわみによる隙間の発生原因は解決されている。一方、軟磁性薄帯9の製作は、溶融状態の原材料合金を回転するドラム状の冷却装置に落下させることで、連続した非晶質薄帯として得られる。この非晶質薄帯は、製作状態の変動に起因して、幅方向や走行方向において0.5μm以上の板厚偏差を有している。また、板厚偏差以下の大きさであるが、凝固に伴う凹凸の表面荒れや微小な空隙も存在する。ナノ結晶粒を生じさせるためには、非晶質薄帯を熱処理するが、この処理の後には熱ひずみに起因した微小なシワなども発生する。したがって、非晶質薄帯やナノ結晶粒を含む薄帯を積層すると、層間に隙間10が生じる。非晶質薄帯の幅方向に起因する板厚偏差を軽減するには、軟磁性薄帯9の形状を中央部に対して回転対称とし、軟磁性薄帯9の向きを回転させて積層することで、特定方向に積層厚さの差を軽減できる。また、軟磁性薄帯9の表面には非晶質薄帯であれナノ結晶粒を含む薄帯であれ酸化層が存在する。各軟磁性薄帯9の間には、接着剤はなく、これらの隙間10や酸化層が存在する。このため、軟磁性薄帯9を直接積層して局部的には相互に接することがあっても、大きな磁気特性の低下を起こさずに、接着剤を介する場合よりも占積率を高めることができ、モータを効率的に駆動させることができる。
【0027】
(実施の形態2)
図2は、実施の形態2に係る磁性板の積層体3aの構成図である。図2に示すように、実施の形態2に係る磁性板の積層体3aは、実施の形態1と対比すると、積層部1を挟む金属板として、電磁鋼板11a、11bを用いた点で相違する。電磁鋼板11a、11bとしては、例えば金属薄帯と同じく軟磁性材料である珪素鋼を用いることができる。また、電磁鋼板11a、11bは、その板厚が0.15〜0.5mmの範囲のものを用いることができる。また、電磁鋼板11a、11bの厚さは、積層部1を構成する軟磁性薄帯9の厚さよりも厚いことが好ましい。普及的な板厚の薄い組合せは、電磁鋼板が0.15mm、薄帯が0.025mmなので、板厚の比は6倍以上である。この軟磁性の電磁鋼板11a、11bを第1及び第2の金属板として用いることによって、この磁性板の積層体3aを用いたモータの磁気特性損失は、図1の場合に比べ、小さくすることができる。
【0028】
(実施の形態3)
図3は、実施の形態3に係る磁性板の積層体3bの構成図である。図3に示すように、実施の形態3に係る磁性板の積層体3bは、実施の形態1及び実施の形態2に係る磁性板の積層体と対比すると、積層部1の上下に電磁鋼板11a、11bを各2枚設けた点で相違する。電磁鋼板11a、11bは、うず電流損失を小さくするため板厚は薄いものが多いので、2枚以上の複数の電磁鋼板11a、11bを設けることで、板厚が厚い場合と同様に剛性を一層高めることができる。剛性を確保するには、複数の電磁鋼板の少なくとも一部が接合されていることが望ましく、層間面が接合されているとなお好ましい。接合方法は、接着、溶接やカシメなどのいずれの方法であってもよい。
また、複数の電磁鋼板11a、11bの一部を非磁性の金属板に置き換えても良い。
【0029】
(実施の形態4)
図4は、実施の形態4に係る磁性板の積層体3cの構成図である。図4に示すように、実施の形態4に係る磁性板の積層体3cは、実施の形態1及び実施の形態2に係る磁性板の積層体と対比すると、積層部1の上下面の第1及び第2の金属板11a、11bだけでなく、積層部1内にも第3の電磁鋼板11cを設けている点で相違する。このように積層部1内に電磁鋼板11cを設けた構造により、積層体3cの剛性はより一層高くなる。
【0030】
なお、本開示においては、前述した様々な実施の形態及び/又は実施例のうちの任意の実施の形態及び/又は実施例を適宜組み合わせることを含むものであり、それぞれの実施の形態及び/又は実施例が有する効果を奏することができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明に係る磁性板の積層体によれば、鉄心の剛性確保及び締結固定時の形状安定化が可能となる。そこで、本発明に係る磁性板の積層体は、モータの固定子として有用である。さらに、本発明に係る磁性板の積層体は、モータ以外にトランス等の磁気応用した電子部品の用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0032】
1 積層部
2a、2b オーステナイト系ステンレス鋼板
3 積層体
4 ボルト
5 ワッシャ
6 金属基板
7 巻線
8 回転子
9 軟磁性金属薄帯
10 間隙(隙間)
11a、11b、11c 電磁鋼板
21 積層部
22 ワッシャ
23 ボルト
24 基板
25 軟磁性薄帯
26 隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7