特許第6438525号(P6438525)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ファナック株式会社の特許一覧

特許6438525物品の重さを測定する重さ測定システムおよび方法
<>
  • 特許6438525-物品の重さを測定する重さ測定システムおよび方法 図000004
  • 特許6438525-物品の重さを測定する重さ測定システムおよび方法 図000005
  • 特許6438525-物品の重さを測定する重さ測定システムおよび方法 図000006
  • 特許6438525-物品の重さを測定する重さ測定システムおよび方法 図000007
  • 特許6438525-物品の重さを測定する重さ測定システムおよび方法 図000008
  • 特許6438525-物品の重さを測定する重さ測定システムおよび方法 図000009
  • 特許6438525-物品の重さを測定する重さ測定システムおよび方法 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6438525
(24)【登録日】2018年11月22日
(45)【発行日】2018年12月12日
(54)【発明の名称】物品の重さを測定する重さ測定システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/52 20060101AFI20181203BHJP
   B25J 13/00 20060101ALI20181203BHJP
   B25J 19/02 20060101ALI20181203BHJP
【FI】
   G01G19/52 Z
   B25J13/00 Z
   B25J19/02
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-104897(P2017-104897)
(22)【出願日】2017年5月26日
【審査請求日】2018年7月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(72)【発明者】
【氏名】平 雄二
【審査官】 細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−056402(JP,A)
【文献】 特開2017−019100(JP,A)
【文献】 特開2002−210685(JP,A)
【文献】 特開2007−094864(JP,A)
【文献】 特開2013−003103(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0314507(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 19/52
B25J 13/00
B25J 19/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットアームと、
前記ロボットアームに取り付けられる重さ測定器と、
前記重さ測定器に取り付けられる複数のハンド移動機構と、
前記複数のハンド移動機構の各々の動作により個々に移動する複数のハンドと、を備え、
前記重さ測定器は、第1の前記ハンド移動機構の動作により移動した第1の前記ハンドが把持した第1の物品の重さと、第2の前記ハンド移動機構の動作により移動した第2の前記ハンドが把持した第2の物品の重さとを測定する、重さ測定システム。
【請求項2】
前記重さ測定器は、前記第1のハンドが前記第1の物品を把持した状態で、前記第2の物品の重さを測定する、請求項1に記載の重さ測定システム。
【請求項3】
前記重さ測定器は、前記第1の物品の重さを先に測定し、次に前記第1の物品と前記第2の物品との合計重さを測定し、
前記合計重さと前記第1の物品の重さとの差として前記第2の物品の重さを測定する、請求項2に記載の重さ測定システム。
【請求項4】
前記重さ測定器は、
前記第1のハンド移動機構の動作が終了した時点から予め定められた時間が経過した後に、前記第1の物品の重さを測定し、
前記第2のハンド移動機構の動作が終了した時点から予め定められた時間が経過した後に、前記第2の物品の重さを測定する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の重さ測定システム。
【請求項5】
前記第1のハンド移動機構は第1のエアシリンダを有し、前記第2のハンド移動機構は第2のエアシリンダを有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の重さ測定システム。
【請求項6】
前記第1のハンドおよび前記第2のハンドの各々は、物品を吸着可能な吸着面を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の重さ測定システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の重さ測定システムによって物品の重さを測定する方法であって、
前記第1のハンド移動機構を動作させて前記第1のハンドによって前記第1の物品を把持することと、
前記第1のハンドが把持した前記第1の物品の重さを測定することと、
前記第1の物品を前記第1のハンドに把持した状態で、前記第2のハンド移動機構を動作させて前記第2のハンドによって前記第2の物品を把持することと、
前記第1の物品と前記第2の物品との合計重さを測定することと、
前記合計重さと前記第1の物品の重さとの差として、前記第2の物品の重さを測定することと、を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の重さを測定する重さ測定システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物品を把持して該物品の重さを測定する重さ測定システムが知られている(例えば、特許文献1および2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−094424号公報
【特許文献2】特開2016−156707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、複数の物品を把持して該複数の物品の重さを測定する技術が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において、重さ測定システムは、ロボットアームと、ロボットアームに取り付けられる重さ測定器と、重さ測定器に取り付けられる複数のハンド移動機構と、複数のハンド移動機構の各々の動作により個々に移動する複数のハンドとを備え、重さ測定器は、第1のハンド移動機構の動作により移動した第1のハンドが把持した第1の物品の重さと、第2のハンド移動機構の動作により移動した第2のハンドが把持した第2の物品の重さとを測定する。
【0006】
上述の重さ測定システムによって物品の質量を測定する方法は、第1のハンド移動機構を動作させて第1のハンドによって第1の物品を把持することと、第1のハンドが把持した第1の物品の重さを測定することと、第1の物品の重さを測定した後に、第2のハンド移動機構を動作させて第2のハンドによって第2の物品を把持することと、第1のハンドが把持している第1の物品の重さと、第2のハンドが把持している第2の物品の重さとの合計重さを測定することと、合計重さから第1の物品の重さを除算することによって、第2の物品の重さを算出することとを備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様によれば、物品を重さによって選別するようなアプリケーションに適用した場合において、物品の選別作業をより迅速に実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る重さ測定システムの図である。
図2図1に示す重さ測定器およびエンドエフェクタの拡大斜視図である。
図3図2に示すエンドエフェクタにおいて、第1のハンドが第1の物品を把持した状態を示す。
図4図2に示すエンドエフェクタにおいて、第1および第2のハンドが、第1および第2の物品をそれぞれ把持した状態を示す。
図5】他の実施形態に係る重さ測定システムの図である。
図6図5に示す重さ測定システムの動作フローの一例を示すフローチャートである。
図7図6中のステップS3のフローの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する種々の実施形態において、同様の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下の説明においては、便宜上、図中の左方、右方、上方、および下方を、左方、右方、上方、および下方としてそれぞれ言及する。
【0010】
図1図4を参照して、一実施形態に係る重さ測定システム10について説明する。重さ測定システム10は、後述する物品AおよびA図3図4)を把持して、これら物品AおよびAの重さを測定するためのシステムである。
【0011】
図1に示すように、重さ測定システム10は、ロボット12、重さ測定器14、およびエンドエフェクタ16を備える。本実施形態においては、ロボット12は、パラレルリンクロボットである。具体的には、ロボット12は、ベース部18およびロボットアーム19を備える。
【0012】
ロボットアーム19は、可動部20、第1リンク機構22、第2リンク機構24、および第3リンク機構26を有する。可動部20は、第1リンク機構22、第2リンク機構24、および第3リンク機構26を介して、ベース部18に可動に支持されている。本実施形態においては、可動部20は、中心軸線Oを有する略円錐台形の部材である。
【0013】
第1リンク機構22は、第1駆動リンク28と、一対の受動リンク30および32とを有する。第1駆動リンク28は、ベース部18に回動可能に連結されている。一対の受動リンク30および32の各々は、その基端部が第1駆動リンク28の先端部に回動可能に連結され、その先端部が可動部20に回動可能に連結されている。
【0014】
第2リンク機構24は、第1リンク機構22と同様の構成を有している。具体的には、第2リンク機構24は、ベース部18に回動可能に連結された第2駆動リンク34と、一対の受動リンク36および38とを有する。一対の受動リンク36および38の各々は、その基端部が第2駆動リンク34の先端部に回動可能に連結され、その先端部が可動部20に回動可能に連結されている。
【0015】
第3リンク機構26は、第1リンク機構22と同様の構成を有している。具体的には、第3リンク機構26は、ベース部18に回動可能に連結された第3駆動リンク(図示せず)と、一対の受動リンク40および42とを有する。一対の受動リンク40および42の各々は、その基端部が、第3駆動リンクの先端部に回動可能に連結され、その先端部が可動部20に回動可能に連結されている。
【0016】
ロボットアーム19は、第1駆動リンク28を回動させる第1リンク駆動部(図示せず)と、第2駆動リンク34を回動させる第2リンク駆動部(図示せず)と、第3駆動リンクを回動させる第3リンク駆動部(図示せず)とをさらに有する。
【0017】
第1リンク駆動部、第2リンク駆動部、および第3リンク駆動部が、それぞれ、第1駆動リンク28、第2駆動リンク34、および第3駆動リンクを個別に回動させることによって、可動部20を直交座標系の3軸方向へ移動することができる。
【0018】
ロボットアーム19は、補助駆動部44および補助シャフト46をさらに有する。本実施形態においては、補助駆動部44は、受動リンク36および38の間に配置されている。補助駆動部44は、その基端部が第2駆動リンク34に連結され、その下端部が、取付具48を介して受動リンク36および38に摺動可能に連結されている。
【0019】
補助シャフト46は、その基端部が補助駆動部44に連結され、その先端部が可動部20に回動可能に連結されており、受動リンク36および38と平行となるように、補助駆動部44と可動部20との間で延在している。
【0020】
補助駆動部44は、補助シャフト46を、受動リンク36および38の延在方向に沿って進退させる。補助駆動部44は、補助シャフト46を進退することによって、可動部20の姿勢を変化させる。
【0021】
重さ測定器14は、可動部20の先端部20aに取り付けられている。図2に示すように、重さ測定器14は、略円柱状のハウジング14aと、該ハウジング14aに内蔵されたセンサ素子(図示せず)とを有する。
【0022】
ハウジング14aは、その基端部14bが可動部20の先端部20aに固定されている。本実施形態においては、重さ測定器14(具体的には、ハウジング14a)は、その中心軸線が可動部20の中心軸線Oと略一致するように、可動部20と同心に配置されている。
【0023】
センサ素子は、歪みゲージまたは荷重センサ等であって、エンドエフェクタ16および該エンドエフェクタ16が把持する物品A、A図3図4)の重さに応じて重さ測定器14に作用する力を検出する。重さ測定システム10は、センサ素子の検出値から、エンドエフェクタ16の重さに起因する成分を除去することによって、エンドエフェクタ16が把持する物品A、A図3図4)の重さを測定することができる。
【0024】
エンドエフェクタ16は、ベース50、第1のハンド52、第2のハンド54、第1のハンド移動機構56、および第2のハンド移動機構58を有する。本実施形態においては、ベース50は、重さ測定器14(具体的には、ハウジング14a)の先端部14cに固定されている。
【0025】
本実施形態においては、ベース50は、略直方体状の部材であって、その中心軸線が可動部20および重さ測定器14の中心軸線Oと略一致するように、可動部20および重さ測定器14と同心に配置されている。
【0026】
第1のハンド移動機構56は、重さ測定器14と第1のハンド52との間に配置され、ベース50を介して重さ測定器14の先端部14cに取り付けられている。本実施形態においては、第1のハンド移動機構56は、エアシリンダであって、シリンダ本体56aおよびシリンダシャフト56b(図3)を有する。
【0027】
シリンダ本体56aは、中空であって、ベース50の右側の側面50aに固定されている。シリンダシャフト56bは、シリンダ本体56aに進退可能に収容され、該シリンダ本体56aから軸線Oに沿って下方へ延出する。
【0028】
シリンダ本体56aには、重さ測定システム10の外部に設けられたエア供給装置(図示せず)が接続され、該エア供給装置は、シリンダ本体56aの圧力を増減させる。シリンダシャフト56bは、シリンダ本体56aの圧力に応じて軸線Oに沿って進退する。
【0029】
具体的には、シリンダ本体56aの圧力がLOWとなっているとき、シリンダシャフト56bは、図2に示す後退位置に配置され、これにより、第1のハンド52も後退位置に配置される。
【0030】
図2に示す状態から、エア供給装置によってシリンダ本体56aの圧力をHighにすると、シリンダシャフト56bは下方へ押し出され、図3に示す前進位置に配置される。これにより、第1のハンド52も前進位置に配置される。ここで、前進位置とは、後退位置よりもベース50から離反した位置である。このようにして、第1のハンド移動機構56は、第1のハンド52を軸線Oに沿って進退させる。
【0031】
第2のハンド移動機構58は、重さ測定器14と第2のハンド54との間に配置され、ベース50を介して重さ測定器14の先端部14cに取り付けられている。第2のハンド移動機構58は、第1のハンド移動機構56と同様の構成を有し、軸線Oを基準として第1のハンド移動機構56と対称に配置されている。
【0032】
具体的には、第2のハンド移動機構58は、エアシリンダであって、ベース50の左側の側面50bに固定された中空のシリンダ本体58aと、該シリンダ本体58aに進退可能に収容され、軸線Oに沿って延びるシリンダシャフト58b(図4)とを有する。
【0033】
シリンダ本体58aには、外部に設けられたエア供給装置(図示せず)が接続され、該エア供給装置は、シリンダ本体58aの圧力を増減させる。シリンダ本体58aの圧力がLOWとなっているとき、シリンダシャフト58bは、図2に示す後退位置に配置され、これにより、第2のハンド54も後退位置に配置される。
【0034】
図2に示す状態から、エア供給装置によってシリンダ本体58aの圧力をHighにすると、シリンダシャフト58bは下方へ押し出され、図4に示す前進位置に配置され、これにより、第2のハンド54も前進位置に配置される。このようにして、第2のハンド移動機構58は、第2のハンド54を軸線Oに沿って進退させる。
【0035】
第1のハンド52は、第1のハンド移動機構56のシリンダシャフト56bの先端部に固定されている。第1のハンド52は、ブラケット60、負圧発生装置62、および吸着部64を有する。
【0036】
ブラケット60は、平坦な板状部材であって、その左端部60aがシリンダシャフト56bの先端部に固定されている。ブラケット60は、シリンダシャフト56bから右方へ延出するように配置されている。
【0037】
負圧発生装置62は、円筒状であって、ブラケット60から下方へ突出するように、ブラケット60の右端部60bに固定されている。吸着部64は、円環状であって、負圧発生装置62の先端部62aに固定されている。
【0038】
本実施形態においては、負圧発生装置62および吸着部64は、互いに一致した中心軸線Oを有し、互いに同心に配置されている。軸線Oは、軸線Oと略平行であり、該軸線Oから右方へ離隔している。
【0039】
吸着部64の内部は、負圧発生装置62の内部と連通している。吸着部64は、その先端に吸着面64aを有する。吸着面64aには、少なくとも1つの通気孔(図示せず)が形成されている。
【0040】
負圧発生装置62には、外部に設けられたエア供給装置(図示せず)が接続されている。エア供給装置が負圧発生装置62にエアを送り込み該負圧発生装置62内の圧力をHighにすると、負圧発生装置62は、吸着部64の内部に負圧を生じさせる。
【0041】
これにより、吸着面64aに形成された通気孔から吸着部64内に流入する気流が発生し、図3に示すように、第1の物品Aを吸着面64aに吸着することができる。このようにして、第1のハンド52は、第1の物品Aを把持することができる。
【0042】
第2のハンド54は、第1のハンド52と同様の構成を有し、軸線Oを基準として第1のハンド52と対称に配置されている。具体的には、第2のハンド54は、第2のハンド移動機構58のシリンダシャフト58bの先端部に固定されており、ブラケット66、負圧発生装置68、および吸着部70を有する。
【0043】
ブラケット66は、平坦な板状部材であって、その右端部66aがシリンダシャフト58bの先端部に固定されている。ブラケット66は、シリンダシャフト58bから左方へ延出するように配置されている。
【0044】
負圧発生装置68は、円筒状であって、ブラケット66から下方へ突出するように、ブラケット66の左端部66bに固定されている。吸着部70は、円環状であって、負圧発生装置68の先端部68aに固定されている。
【0045】
本実施形態においては、負圧発生装置68および吸着部70は、互いに一致した中心軸線Oを有し、互いに同心に配置されている。軸線Oは、軸線Oと略平行であり、該軸線Oから左方へ離隔している。
【0046】
吸着部70の内部は、負圧発生装置68の内部と連通している。吸着部70は、その先端に吸着面70aを有する。吸着面70aには、少なくとも1つの通気孔(図示せず)が形成されている。
【0047】
負圧発生装置68には、エア供給装置(図示せず)が接続されている。エア供給装置が負圧発生装置68にエアを送り込み該負圧発生装置68内の圧力をHighにすると、負圧発生装置68は、吸着部70の内部に負圧を生じさせる。
【0048】
これにより、吸着面70aに形成された通気孔から吸着部70内に流入する気流が発生し、図4に示すように、第2の物品Aを吸着面70aに吸着することができる。このようにして、第2のハンド54は、第2の物品Aを把持することができる。なお、第1の物品Aおよび第2の物品Aは、食品(例えば菓子)またはICチップ等である。
【0049】
重さ測定器14は、第1のハンド移動機構56の動作により移動した第1のハンド52が把持した第1の物品Aの重さWと、第2のハンド移動機構58の動作により移動した第2のハンド54が把持した第2の物品Aの重さWとを測定する。そして、重さ測定システム10は、重さWおよびWの各々を測定するように構成されている。
【0050】
一例として、重さ測定システム10は、まず、図3に示すように第1のハンド52で第1の物品Aを把持し、重さ測定器14によって第1の物品Aの重さWを先に測定する。次いで、重さ測定システム10は、図4に示すように、第1のハンド52が第1の物品Aを把持した状態で第2のハンド54によって第2の物品Aを把持し、重さ測定器14によって第1の物品Aの重さWと、第2の物品Aの重さWとの合計重さW(=W+W)を測定する。
【0051】
そして、重さ測定システム10は、合計重さWから、第1の物品Aの重さWを除算することによって、第2の物品Aの重さWを算出する。このようにして、重さ測定システム10は、重さWおよび重さWの各々を測定することができる。
【0052】
他の例として、重さ測定システム10は、まず、図4に示すように第1のハンド52および第2のハンド54で、第1の物品Aおよび第2の物品Aをそれぞれ把持し、重さ測定器14によって第1の物品Aの重さWと、第2の物品Aの重さWとの合計重さWを測定する。
【0053】
次いで、重さ測定システム10は、第2のハンド54から第2の物品Aを解放し、重さ測定器14によって第1の物品Aの重さWを測定する。そして、重さ測定システム10は、合計重さWから、第1の物品Aの重さWを除算することによって、第2の物品Aの重さWを算出する。このようにして、重さ測定システム10は、重さWおよび重さWの各々を測定することができる。
【0054】
以上のように、本実施形態によれば、複数のハンド52および54で複数の物品AおよびAを把持し、該複数の物品AおよびAの各々の重さWおよびWを測定することができる。
【0055】
この構成によれば、例えば、物品A、Aを重さW、Wによって選別するようなアプリケーションに重さ測定システム10を適用した場合において、物品の選別作業をより迅速に実行することが可能となる。
【0056】
なお、本実施形態においては、エンドエフェクタ16が、計2個のハンド52および54と、計2個のハンド移動機構56および58とを備える場合について述べた。しかしながら、これに限らず、エンドエフェクタ16は、計n個(nは、3以上の整数)のハンドと、計n個のハンド移動機構とを備えていてもよい。第nのハンド移動機構は、第nのハンドを移動し、第nのハンドは、第nの物品Aを把持する。
【0057】
例えば、図2に示すエンドエフェクタ16は、ベース50の前面(図2の紙面表側の面)に固定された第3のハンド移動機構と、該第3のハンド移動機構の動作により移動する第3のハンドと、ベース50の後面(図2の紙面裏側の面)に固定された第4のハンド移動機構と、該第4のハンド移動機構の動作により移動する第3のハンドとをさらに備えてもよい。
【0058】
この場合において、第3のハンド移動機構および第4のハンド移動機構は、上述のハンド移動機構56および58と同様の構成を有してもよい。また、第3のハンドおよび第4のハンドは、上述のハンド52および54と同様の構成を有してもよい。
【0059】
次に、図5を参照して、他の実施形態に係る重さ測定システム100について説明する。重さ測定システム100は、コンベア108によって搬送される物品Aを把持し、該物品Aの重さを測定するためのシステムである。
【0060】
重さ測定システム100は、制御部102、視覚センサ104、計時部106、ロボット12、重さ測定器14、およびエンドエフェクタ16を備える。制御部102は、CPUおよびメモリ(図示せず)を有し、視覚センサ104、ロボット12、重さ測定器14、およびエンドエフェクタ16を直接的または間接的に制御する。
【0061】
視覚センサ104は、例えば3次元視覚センサであって、コンベア108の鉛直上方に設置されている。視覚センサ104は、コンベア108によって搬送される物品Aを撮像し、撮像した物品Aの画像を制御部102へ送信する。
【0062】
制御部102は、視覚センサ104から受信した物品Aの画像に基づいて、コンベア108上の各物品Aの位置および姿勢を取得する。計時部106は、制御部102からの指令に応じて、予め定められた時点からの経過時間tを計時する。
【0063】
次に、図6を参照して、重さ測定システム100の動作について説明する。図6に示すフローは、制御部102が、使用者または上位コントローラから運転開始指令を受け付けたときに、開始する。
【0064】
例えば、使用者または上位コントローラは、コンベア108の動作を開始したときに、運転開始指令を制御部102へ送信する。コンベア108の動作が開始された後、物品Aは、コンベア108の上流端に連続的に載置される。
【0065】
ステップS1において、制御部102は、第nのハンド移動機構および第nのハンドを特定する番号「n」を「1」にセットする。本実施形態においては、n=1、2である。
【0066】
ステップS2において、制御部102は、視覚センサ104による物品Aの撮像を開始する。具体的には、制御部102は、視覚センサ104に撮像開始指令を送信する。視覚センサ104は、撮像開始指令を受信すると、コンベア108によって搬送される物品Aを連続的に(例えば、周期τで)撮像し、撮像した物品Aの画像を制御部102に送信する。制御部102は、視覚センサ104から受信した画像に基づいて、各物品Aの位置および姿勢を取得する。
【0067】
ステップS3において、制御部102は、第nの物品Aの重さを測定するプロセスを実行する。以下、図7を参照して、ステップS3について説明する。
【0068】
ステップS11において、制御部102は、第nのハンドを、コンベア108上の物品Aのうちの第nの物品Aに対して位置決めする。具体的には、制御部102は、ステップS2で取得した、コンベア108上の物品Aのうちの第nの物品Aの位置および姿勢に基づいてロボット12を制御し、第nのハンド(52または54)の吸着部(64または70)が、第nの物品Aの上方の位置で該第nの物品Aを追随するように、可動部20を移動させる。
【0069】
仮に、現時点でn=1にセットされている場合、制御部102は、コンベア108上の第1の物品Aの位置および姿勢に基づいてロボット12を制御し、第1のハンド52の吸着部64が第1の物品Aを追随するように、可動部20を移動させる。
【0070】
ステップS12において、制御部102は、第nのハンド移動機構(56または58)を動作させて、第nのハンド(52または54)を前進位置へ移動させる。具体的には、制御部102は、エア供給装置に指令を送り、第nのハンド移動機構のシリンダ本体(56aまたは58a)の圧力をLowからHighにする。
【0071】
これにより、第nのハンド移動機構は、第nのハンドを後退位置から前進位置へ移動させる。仮に、現時点でn=1にセットされている場合、制御部102は、第1のハンド移動機構56を動作させて、第1のハンド52を前進位置へ移動させる。
【0072】
このステップS12を実行したとき、第nのハンドの吸着面が第nの物品Aの上面に軽く接触するか、または該第nの物品Aの直上に隣接して配置されるように、ロボット12は、可動部20を第nの物品Aに対して位置決めする。
【0073】
ステップS13において、制御部102は、第nのハンドで第nの物品Aを把持する。具体的には、制御部102は、エア供給装置に指令を送り、第nのハンド(52または54)の負圧発生装置(62または68)に、エアを送り込む。
【0074】
これにより、負圧発生装置は、吸着部(64または70)の内部に負圧を生じさせ、その結果、第nの物品Aは、吸着面(64aまたは70a)に吸着される。仮に、現時点でn=1にセットされている場合、制御部102は、第1のハンド52の負圧発生装置62を動作させて、吸着部64に第1の物品Aを吸着させる。
【0075】
ステップS14において、制御部102は、第nのハンドが第nの物品Aを適切に把持したか否かを判定する。一例として、制御部102は、第nのハンド(52、54)の負圧発生装置(62、68)内の圧力を監視し、該圧力が予め定められた閾値を超えて変動した場合に、第nの物品Aが第nのハンド(52、54)の吸着面(64a、70a)に適切に吸着されて把持されたものと判定する。
【0076】
また、他の例として、制御部102は、重さ測定器14が検出する重さを監視し、該重さが予め定められた閾値を超えて増加した場合に、第nの物品Aが第nのハンド(52、54)の吸着面(64a、70a)に適切に吸着されて把持されたものと判定する。
【0077】
制御部102は、第nのハンドが第nの物品Aを適切に把持した(すなわち、YES)と判定した場合、ステップS15へ進む。一方、制御部102は、第nのハンドが第nの物品Aを適切に把持していない(すなわち、NO)と判定した場合、ステップS14をループする。
【0078】
ステップS15において、制御部102は、第nのハンド移動機構を動作させて、第nのハンドを後退位置へ移動させる。具体的には、制御部102は、エア供給装置に指令を送り、第nのハンド移動機構(56または58)のシリンダ本体(56aまたは58a)の圧力をHighからLowにする。これにより、第nのハンド移動機構は、第nのハンド(52または54)を前進位置から後退位置へ移動させる。
【0079】
仮に、現時点でn=1にセットされている場合、制御部102は、第1のハンド移動機構56を動作させて、第1のハンド52を後退位置へ移動させる。その結果、第1のハンド52は、第1の物品Aを、コンベア108から上方に離隔した位置で保持する。
【0080】
一方、仮に、現時点でn=2にセットされている場合(すなわち、第2回目のステップS3を実行している場合)、制御部102は、第2のハンド移動機構58を動作させて、第2のハンド54を後退位置へ移動させる。その結果、第1のハンド52が第1の物品Aを把持した状態で、第2のハンド54は、第2の物品Aを、コンベア108から上方に離隔した位置で保持する。
【0081】
ステップS16において、制御部102は、計時部106による経過時間tの計時を開始する。具体的には、制御部102は、計時部106に計時指令を送信する。計時部106は、制御部102から計時指令を受信した時点からの経過時間tを計時する。
【0082】
一例として、制御部102は、ステップS15で第nのハンド移動機構(56、58)の動作が終了したか否かを判定し、該第nのハンド移動機構の動作が終了したと判定したときに、計時部106に計時指令を送信する。
【0083】
この場合において、第nのハンド移動機構は、シリンダシャフト(56b、58b)の移動ストロークの基端(後退位置に相当)に設けられた近接センサ(図示せず)を有し、該近接センサは、シリンダシャフト(56b、58b)が後退位置に移動したことを検出してもよい。制御部102は、近接センサによってシリンダシャフト(56b、58b)が後退位置に移動したことを検出されたときに、第nのハンド移動機構の動作が終了したと判定し、計時部106に計時指令を送信する。
【0084】
他の例として、制御部102は、ステップS15の開始時点(具体的には、ステップS15で制御部102がエア供給装置に指令を送信した時点)から予め定められた時間が経過したときに、計時指令を計時部106に送信してもよい。この予め定められた時間は、ステップS15で第nのハンド移動機構の動作が終了するのに十分な時間として定められる。
【0085】
ステップS17において、制御部102は、ステップS16の開始時点から予め定められた時間が経過したか否かを判定する。具体的には、制御部102は、計時部106が計時する経過時間tが、予め定められた時間tに達したか否かを判定する。この時間tは、使用者によって予め定められ、制御部102のメモリに記憶される。
【0086】
制御部102は、計時部106が計時する経過時間tが時間tに達した(すなわちYES)と判定した場合、ステップS18へ進む。一方、制御部102は、計時部106が計時する経過時間tが時間tに達していない(すなわちNO)と判定した場合、ステップS17をループする。
【0087】
このステップS17でYESと判定したとき、第nのハンド(52または54)の移動が完全に終了して該第nのハンドが静止した状態となっている。換言すれば、上記の時間tは、ステップS15を実行後に第nのハンドが静止するのに十分な時間として、設定され得る。
【0088】
ステップS18において、制御部102は、エンドエフェクタ16が把持する物品Aの重さWを測定する。具体的には、制御部102は、重さ測定器14に指令を送り、重さ測定器14は、エンドエフェクタ16が把持する物品Aの重さWを測定する。
【0089】
仮に、n=1にセットされているときにステップS18を実行した場合、エンドエフェクタ16は、図3に示すように第1の物品Aのみを把持しているので、このステップS18で重さ測定器14が測定する重さWは、物品Aの重さWとなる。
【0090】
一方、n=2にセットされているときにステップS18を実行した場合は、エンドエフェクタ16は、図4に示すように、物品AおよびAを把持することになる。したがって、このステップS18で重さ測定器14が測定する重さWは、第1の物品Aの重さWと、第2の物品Aの重さWとの合計重さWとなる。合計重さWは、以下の式1で表される。
【0091】
【数1】
【0092】
ステップS19において、制御部102は、番号「n」が「1」にセットされているか否かを判定する。制御部102は、n=1にセットされている(すなわち、YES)と判定した場合、ステップS20へ進む。一方、制御部102は、番号「n」が「1」以外にセットされている(すなわち、NO)と判定した場合、ステップS23へ進む。
【0093】
ステップS20において、制御部102は、第1の物品Aの重さWを測定する。具体的には、制御部102は、直近のステップS18で測定した重さWを、第1の物品Aの重さWとして取得する。
【0094】
一方、ステップS19にてNOと判定した場合、ステップS23において、制御部102は、エンドエフェクタ16が把持している物品Aの重さWの合計重さWを測定する。具体的には、制御部102は、直近のステップS18で測定した重さWを、合計重さWとして取得する。
【0095】
ステップS24において、制御部102は、第nの物品Aの重さWを測定する。具体的には、制御部102は、直近のステップS23で算出した合計重さWから、現時点までに取得した各物品A〜An−1の総重さWS−1を除算することによって、第nの物品Aの重さWを測定する。ここで、総重さWS−1は、以下の式で表される。
【0096】
【数2】
【0097】
仮に、現時点でn=2にセットされている場合、制御部102は、ステップS23で測定した合計重さW(=W+W)から、ステップS20で測定した第1の物品Aの重さWを除算することによって、第2の物品Aの重さWを測定する。このように、本実施形態においては、制御部102は、合計重さWと第1の物品Aの重さWとの差(=W−W)として、第2の物品Aの重さWを測定する。
【0098】
ステップS21において、制御部102は、ステップS20またはS24で取得した重さWが、予め定められた許容範囲[α,β]内であるか否かを判定する。この許容範囲[α,β]は、使用者によって予め定められ、制御部102のメモリに記憶される。制御部102は、重さWが許容範囲内(すなわち、α≦W≦β)である場合、YESと判定し、図6中のステップS4へ進む。
【0099】
一方、制御部102は、重さWが、予め定められた許容範囲外(すなわち、W<αまたはβ<W)である場合、NOと判定し、ステップS22へ進む。この許容範囲[α,β]は、適正な物品Aの重さを規定するものであって、許容範囲外の重さを有する物品Aは、不良品として選別される(後述するステップS22)。
【0100】
ステップS22において、制御部102は、ステップS21でNOと判定された第nの物品Aを、所定の不良品保管場所へ運搬する。この不良品保管場所は、不良品の物品Aを保管するための場所である。
【0101】
制御部102は、ロボット12を動作させて、ステップS21でNOと判定された第nの物品Aを不良品保管場所の上方まで運搬する。そして、エア供給装置に指令を送り、第nのハンド(52、54)の負圧発生装置(62、68)からエアを抜く。これにより、負圧発生装置(62、68)が生じていた負圧が消滅し、第nの物品Aは、吸着面(64a、70a)から解放されて不良品保管場所に収容される。
【0102】
再度、図6を参照して、ステップS4において、制御部102は、番号「n」を、1だけインクリメント(すなわち、n=n+1)する。仮に現時点でn=1にセットされている場合、制御部102は、番号「n」を、「1」から「2」にインクリメントする。
【0103】
ステップS5において、制御部102は、番号「n」が、γよりも大きい値になったか否かを判定する。このγは、ハンド52、54(すなわち、ハンド移動機構56、58)の個数と同じ値として設定される。本実施形態においては、ハンド52、54(すなわち、ハンド移動機構56、58)の個数は、2個であるので、γ=2として設定される。
【0104】
制御部102は、n>γである(すなわちYES)と判定した場合、ステップS6へ進む。一方、制御部102は、n≦γである(すなわちNO)と判定した場合、ステップS3へ戻る。こうして、制御部102は、ステップS5でYESと判定するまで、ステップS3〜S5をループする。
【0105】
ステップS6において、制御部102は、エンドエフェクタ16が把持している物品A(すなわち、物品AおよびA)を、所定の合格品保管場所へ運搬する。この合格品保管場所は、合格品の物品Aを保管するための場所である。
【0106】
制御部102は、ロボット12を動作させて、エンドエフェクタ16が把持している物品AおよびAを、合格品保管場所の上方まで運搬する。そして、エア供給装置に指令を送り、全てのハンド52および54の負圧発生装置62および68からエアを抜く。これにより、負圧発生装置62および68が生じていた負圧が消滅し、物品AおよびAは、吸着面64aおよび70aから解放されて合格品保管場所に収容される。
【0107】
ステップS7において、制御部102は、使用者または上位コントローラから運転終了指令を受け付けたか否かを判定する。制御部102は運転終了指令を受け付けた(すなわち、YES)と判定した場合、図6に示すフローを終了する。一方、制御部102は運転終了指令を受け付けていない(すなわち、NO)と判定した場合、ステップS1へ戻る。
【0108】
以上に述べたように、本実施形態においては、制御部102は、エンドエフェクタ16によって複数の物品AおよびAを把持し(ステップS13)、これら物品AおよびAの各々の重量WおよびWを測定することができる(ステップS20、S24)。この構成によれば、製造ラインにおいて、重さWによって物品Aの合否を判定する作業を効率的に行うことができる。
【0109】
また、本実施形態においては、制御部102は、エンドエフェクタ16が把持する複数の物品Aの重さの合計重さWを取得し(ステップS23)、該合計重さWの取得前に実行したステップS20およびS24で算出した物品A〜An−1の総重さWS−1を該合計重さWから除算することによって、第nの物品Aの重さWを算出している(ステップS24)。この構成によれば、エンドエフェクタ16が把持する複数の物品A〜Aの各々の重量W〜Wを、比較的に簡単なアルゴリズムで、迅速且つ高精度に測定することができる。
【0110】
また、本実施形態においては、制御部102は、ステップS15にて第nのハンド移動機構(56または58)の動作が終了した後、予め定められた時間tが経過した(ステップS17でYESと判定した)ときに、物品Aの重さWを測定している(ステップS18)。この構成によれば、ステップS15の実行後に第nのハンドが完全に静止したときに、物品Aの重さWを測定できるので、重さWをより高精度に測定することができる。
【0111】
また、本実施形態においては、第1のハンド移動機構56および第2のハンド移動機構58の各々は、エアシリンダである。この構成によれば、第1のハンド移動機構56および第2のハンド移動機構58を軽量化できるので、エンドエフェクタ16のイナーシャを低減することができる。
【0112】
また、本実施形態においては、制御部102は、許容範囲外の重さを有する物品Aを不良品保管場所へ搬送している(ステップS22)一方、許容範囲内の重さを有する物品Aを、合格品保管場所に搬送している(ステップS6)。この構成によれば、物品Aを合格品と不良品とに選別し、それぞれ別の場所に保管できる。
【0113】
なお、エンドエフェクタ16が計n個(nは3以上の整数)のハンドと計n個のハンド移動機構とを備えている場合でも、制御部102は、図6および図7に示すフローを実行することによって、物品A〜Aをエンドエフェクタ16で順次把持し、これら物品A〜Aの重さW〜Wの各々を測定できる。
【0114】
なお、上述の実施形態においては、ハンド52および54が、負圧発生装置62および68を有する場合について述べた。しかしながら、これに限らず、ハンド52または54は、負圧発生装置62または68の代わりに、中空部材を有してもよい。
【0115】
この場合、この中空部材には、重さ測定システム100の外部に設けられたエア吸引装置が接続され、該エア吸引装置が中空部材の内部の気圧を低下させることによって、吸着部64または70の内部に負圧を生じさせてもよい。
【0116】
また、第1のハンド52または54は、負圧発生装置62または68、および吸着部64または70の代わりに、電磁石、吸盤、または粘着材等を有し、これら要素によって物品Aを把持してもよい。または、第1のハンド52または54は、開閉可能な複数の指部を有し、該指部によって物品Aを把持してもよい。
【0117】
また、上述の実施形態においては、ハンド移動機構56,58が、エアシリンダである場合について述べた。しかしながら、これに限らず、ハンド移動機構56,58は、例えばサーボモータ、またはリニアモータであってもよいし、または、ハンド52,54を移動可能な他の如何なる装置であってもよい。
【0118】
また、上述の実施形態においては、ロボット12がパラレルリンクロボットである場合について述べた。しかしながら、これに限らず、ロボット12は、例えば垂直多関節ロボットであってもよい。この場合、重さ測定器14の基端部14bは、垂直多関節ロボットの手首部の先端部に設けられ得る。または、ロボット12は、ローダ等のロボットであってもよい。
【0119】
以上、実施形態を通じて本開示を説明したが、上述の実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0120】
10,100 重さ測定システム
12 ロボット
14 重さ測定器
16 エンドエフェクタ
52,54 ハンド
56,58 ハンド移動機構
102 制御部
104 視覚センサ
【要約】
【課題】従来、複数の物品を把持して該複数の物品の各々の重量を測定する技術が求められている。
【解決手段】重さ測定システムは、ロボットアームと、ロボットアームに取り付けられる重さ測定器14と、重さ測定器14に取り付けられる複数のハンド移動機構56,58と、複数のハンド移動機構56,58の各々の動作により個々に移動する複数のハンド52,54とを備え、重さ測定器は、第1のハンド移動機構56の動作により移動した第1のハンド52が把持した第1の物品の重さと、第2のハンド移動機構58の動作により移動した第2のハンド54が把持した第2の物品の重さとを測定する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7