【実施例】
【0048】
比較実施例A〜Dにおいて、発泡体は、純粋なポリエチレンペレットから調製される。本明細書において使用される際、純粋なポリエチレンは、別のポリマーとブレンドまたはグラフト化されていない高密度または低密度ポリエチレンのいずれも指す。本明細書において使用される際、純粋なポリエチレンは、微量の他の成分を含み得るが、好ましくは、99%超のポリエチレンを含有する。ペレットは、表Iで識別される樹脂を、反対方向に回転する2つのシグマロータを有する50立方センチメートルのHaake混合器(HAAKE Polylab OSとしてThermo Scientificから入手可能)に添加することによって調製される。混合器は、材料を、180℃で8分間、60rpmでブレンドする。得られる材料を、混合器から取り出し、ペレット状に切断する。これらの実施例に従って形成されるペレットを、その後、ポリマープレート状に、次いで、本明細書において説明されるような発泡体状に形成する。
【0049】
【表I】
【0050】
比較実施例E〜Hにおいて、発泡体は、高密度ポリエチレンと、重合シロキサンとのブレンドから調製される。ペレットは、表IIに識別されるポリマー樹脂ブレンド(パーセンテージは、重量による)を、反対方向に回転する2つのシグマロータを有する50立方センチメートルのHaake混合器(HAAKE Polylab OSとしてThermo Scientificから入手可能)に添加することによって調製される。これらの実施例において使用されるHDPEは、表Iに説明されるような比較実施例A〜Dにおいて使用されるものと同じである。混合器は、材料を、180℃で8分間、60rpmでブレンドする。得られる材料を、混合器から取り出し、ペレット状に切断する。これらの実施例に従って形成されるペレットを、その後、ポリマープレート状に、次いで、本明細書において説明されるような発泡体状に形成する。
【0051】
【表II】
【0052】
比較実施例I及びJにおいて、発泡体は、高密度ポリエチレンと、ペルオキシドL−101とのブレンドから調製される。ペレットは、表IIIに識別される材料(パーセンテージは、重量による)を、反対方向に回転する2つのシグマロータを有する50立方センチメートルのHaake混合器(HAAKE Polylab OSとしてThermo Scientificから入手可能)に添加することによって調製される。これらの実施例において使用されるHDPEは、表Iに説明されるような比較実施例A〜Dにおいて使用されるものと同じである。混合器は、材料を、180℃で8分間、60rpmでブレンドする。得られる材料を、混合器から取り出し、ペレット状に切断する。これらの実施例に従って形成されるペレットを、その後、ポリマープレート状に、次いで、本明細書において説明されるような発泡体状に形成する。
【0053】
【表III】
【0054】
実施例A〜Dにおいて、発泡体は、重合シロキサングラフト化高密度ポリエチレンから調製される。ペレットは、表IVに識別される材料(パーセンテージは、重量による)を、反対方向に回転する2つのシグマロータを有する50立方センチメートルのHaake混合器(HAAKE Polylab OSとしてThermo Scientificから入手可能)に添加することによって調製される。これらの実施例において使用されるHDPEは、表Iに説明されるような比較実施例A〜Dにおいて使用されるものと同じである。これらの実施例において使用されるL−101は、表IIIに説明されるような比較実施例I及びJにおいて使用されるものと同じである。混合器は、材料を、180℃で8分間、60rpmでブレンドし、それによって、重合シロキサンとグラフト化された高密度ポリエチレンを生成する。得られる材料を、混合器から取り出し、ペレット状に切断する。これらの実施例に従って形成されるペレットを、その後、ポリマープレート状に、次いで、本明細書において説明されるような発泡体状に形成する。
【0055】
【表IV】
【0056】
実施例E及びFにおいて、発泡体は、重合シロキサングラフト化高密度ポリエチレンと、高密度ポリエチレンとのブレンドから調製される。ペレットは、表Vに識別される材料(パーセンテージは、重量による)を、反対方向に回転する2つのシグマロータを有する50立方センチメートルのHaake混合器(HAAKE Polylab OSとしてThermo Scientificから入手可能)に添加することによって調製される。これらの実施例において使用されるHDPEは、表Iに説明されるような比較実施例A〜Dにおいて使用されるものと同じである。これらの実施例において使用されるHDPE−g−MCR−M17は、表IVに説明されるような実施例Aにおいて使用されるものと同じである。混合器は、材料を、180℃で8分間、60rpmでブレンドし、それによって、重合シロキサングラフト化高密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンとのブレンドを生成する。得られる材料を、混合器から取り出し、ペレット状に切断する。これらの実施例に従って形成されるペレットを、その後、ポリマープレート状に、次いで、本明細書において説明されるような発泡体状に形成する。
【0057】
【表V】
【0058】
ポリマーペレットの所与のサンプルは、以下の手順に従って、ポリマープレートへと調製される。いくつかの実施例のうちの1つに従って形成される50gのペレットを、ホットプレート圧縮成形機(Guangzhou NO.1 Rubber & Plastic Equipment Co.Ltd.によって製造されるPlaten Vulcanizing Press)内の鋳型に配置し、150℃で5分間保持する。次いで、ペレットを15MPaの圧力下に10分間配置して、15mm×10mm×1mmの寸法を有するポリマープレートを生成する。ポリマープレートは、成形された中間体の例である。
【0059】
ポリマープレートは、以下の手順に従って、発泡体へと調製される。いくつかの実施例のうちの1つに従って形成されるポリマープレートを、アルミニウムプラグの頂部上にあるガラスウールの薄層上の圧力容器内の端部上に静置する。圧力容器を、145℃まで30分間加熱する。次に、圧力容器を、発泡温度まで1時間加熱する(それぞれのポリマープレートに対する発泡温度は、表VIに列記される)。次いで、圧力容器内の圧力を、容器に、発泡剤(それぞれのポリマープレートに対する発泡剤は、表VIに列記される)を含む加圧雰囲気で充填することによって33.1MPaまで増加させ、この圧力、及び発泡温度で、2時間保持する。圧力容器を素早く換気し、それによって、圧力容器を減圧し、発泡されたサンプルを圧力容器から収集する。
【0060】
先行実施例に従って調製されるポリマープレートは、以下の手順に従って、発泡体へと調製される。ポリマープレートを、アルミニウムプラグの頂部上にあるガラスウールの薄層上の圧力容器内の端部上に静置する。次に、圧力容器を、145℃まで30分間加熱する。次に、圧力容器を、発泡温度まで1時間加熱する(それぞれのポリマープレートに対する発泡温度は、表VIに列記される)。次いで、圧力容器内の圧力を、容器を、発泡剤(それぞれのポリマープレートに対する発泡剤は、表VIに列記される)を含む加圧雰囲気で充填することによって、飽和圧力(それぞれのポリマープレートに対する飽和圧力は、表VIに列記される)まで増加させ、この飽和圧力、及び発泡温度で、2時間保持する。圧力容器を素早く換気し、それによって、圧力容器を減圧し、それによって、発泡されたサンプルを調製し、これを圧力容器から収集する。
【0061】
発泡体サンプルのセルサイズは、液体窒素での冷却後、発泡体を破砕することによって計算される。破砕された発泡体は、イリジウムでコーティングされ、画像を、走査電子顕微鏡法(SEM)を使用して得る。平均セルサイズは、MediaCybernetics,Inc.から入手可能なImage−Pro Plusソフトウェアを使用して画像を分析することによって、計算される。平均セルサイズは、表VIに列記される。
【0062】
【表VI】
【0063】
表VIに提示されるデータは、実施例に従って調製される発泡体が、比較実施例と比較して、多孔性及びセルサイズの改善された組み合わせを有するということを例解する。例えば、比較実施例のいずれも、<15μmよりも良好なセルサイズを達成しなかった一方、実施例の全てが、<10μmのセルサイズを達成した。実施例は、ポリエチレングラフト化ポリマーシロキサンから調製される発泡体が、純粋なポリエチレン、またはポリマーシロキサンとポリエテンとのブレンドから調製される発泡体と比較して、より高い多孔性及びより小さいセルサイズを提供するということを例解する。
【0064】
表VIにおいて、多孔性は、方程式ф=1−ρ/ρ
0に従って、発泡された樹脂の密度、及び発泡される前の樹脂の密度に基づいて計算され、式中、фは、多孔性であり、ρは、発泡体密度であり、ρ
0は、発泡される前の樹脂の密度である。密度は、ASTM規格D792−00等のポリマー発泡体の密度を測定するための既知の慣例に従って測定した。
本願発明には以下の態様が含まれる。
項1.
発泡体であって、
ポリエチレングラフト化重合シロキサンを含むポリマーマトリクスと、
前記ポリマーマトリクス内に形成され、かつ二酸化炭素を含む発泡剤を含有する、複数のセルと、を含む、発泡体。
項2.
前記ポリエチレンが、低密度ポリエチレンである、項1に記載の発泡体。
項3.
前記ポリエチレンが、高密度ポリエチレンである、項1に記載の発泡体。
項4.
前記重合シロキサンが、式(I)のものであり、
【化1】
式中、
R
1=CH
3、またはC
2H
5であり、
R
2=CH
3、またはC
2H
5であり、
m=80〜500であり、
n=80〜500である、項1〜3のいずれか1項に記載の発泡体。
項5.
前記重合シロキサンが、式(II)のものであり、
【化2】
式中、
R
1=CH
3、またはC
2H
5であり、
R
2=CH
3、またはC
2H
5であり、
R
3=CH=CH
2、C
4H
9、C
2H
5、または
【化3】
であり、
【化4】
であり、
m=80〜500であり、
n=80〜500である、項1〜3のいずれか1項に記載の発泡体。
項6.
前記重合シロキサンが、式(III)を有する、ビニル終端ジエチルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマーであり、
【化5】
式中、
m=77〜185であり、
n=17〜52であり、
ジエチルシロキサンのモルパーセントが、18〜22パーセントである、項1−3のいずれか1項に記載の発泡体。
項7.
前記重合シロキサンが、式(IV)を有する、モノメタクリルオキシプロピル終端ポリジメチルシロキサンであり、
【化6】
式中、
n=9〜124である、項1〜3のいずれか1項に記載の発泡体。
項8.
前記重合シロキサンが、式(V)を有する、モノビニル終端ポリジメチルシロキサンであり、
【化7】
式中、
n=67〜445である、項1〜3のいずれか1項に記載の発泡体。
項9.
前記重合シロキサンが、式(VI)を有する、非対称モノメタクリルオキシプロピル終端ポリジメチルシロキサンであり、
【化8】
式中、
n=60である、項1〜3のいずれか1項に記載の発泡体。
項10.
前記重合シロキサンが、式(VII)を有する、対称メタクリルオキシプロピル終端ポリジメチルシロキサンであり、
【化9】
式中、
n=8〜130であり、
【化10】
であり、
【化11】
である、項1〜3のいずれか1項に記載の発泡体。
項11.
前記発泡体が、75パーセント超の多孔性を有する、項1〜10のいずれか1項に記載の発泡体。
項12.
重合シロキサンのモルパーセントが、0.5〜10パーセントである、項1〜11のいずれか1項に記載の発泡体。
項13.
前記ポリマーマトリクスが、ポリエチレンとポリエチレングラフト化重合シロキサンとのブレンドを含む、項1〜12のいずれか1項に記載の発泡体。
項14.
発泡体を作製する方法であって、
a.重合シロキサンをポリエチレンにグラフト化して、グラフト化された中間体を形成することと、
b.前記グラフト化された中間体を成形して、成形された中間体を形成することと、
c.高圧CO
2を使用して、前記成形された中間体を発泡させて、前記発泡体を形成することと、を含む、方法。
項15.
前記重合シロキサンが、式(I)のものであり、
【化12】
式中、
R
1=CH
3、またはC
2H
5であり、
R
2=CH
3、またはC
2H
5であり、
m=80〜500であり、
n=80〜500である、項14に記載の方法。