特許第6438568号(P6438568)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6438568ポリジメチルシロキサングラフト化ポリエチレン発泡体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6438568
(24)【登録日】2018年11月22日
(45)【発行日】2018年12月12日
(54)【発明の名称】ポリジメチルシロキサングラフト化ポリエチレン発泡体
(51)【国際特許分類】
   C08J 9/12 20060101AFI20181203BHJP
   C08L 23/08 20060101ALI20181203BHJP
   C08L 55/00 20060101ALI20181203BHJP
   C08L 83/10 20060101ALI20181203BHJP
   C08F 290/06 20060101ALI20181203BHJP
【FI】
   C08J9/12CES
   C08J9/12CFH
   C08L23/08
   C08L55/00
   C08L83/10
   C08F290/06
【請求項の数】17
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-505794(P2017-505794)
(86)(22)【出願日】2014年8月15日
(65)【公表番号】特表2017-530212(P2017-530212A)
(43)【公表日】2017年10月12日
(86)【国際出願番号】CN2014084473
(87)【国際公開番号】WO2016023218
(87)【国際公開日】20160218
【審査請求日】2017年8月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128484
【弁理士】
【氏名又は名称】井口 司
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】チェ・ドゥ
(72)【発明者】
【氏名】チェン・チェン
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィット・ホン・フェイ・グオ
(72)【発明者】
【氏名】ダチャオ・リー
(72)【発明者】
【氏名】ガンウェイ・サン
(72)【発明者】
【氏名】ジャンシン・ジャン
【審査官】 加賀 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−102283(JP,A)
【文献】 特開昭61−296040(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 9/12
C08F 290/06
C08L 23/08
C08L 55/00
C08L 83/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合シロキサンをポリエチレンにグラフト化してなるポリエチレングラフト化重合シロキサンを含むポリマーマトリクスと、
前記ポリマーマトリクス内に形成され、かつ二酸化炭素を含む発泡剤を含有する、複数のセルと、を含む、発泡体であって、
前記重合シロキサンが、式(II)のものであり、
【化2】
式中、
=CH、またはCであり、
=CH、またはCであり、
=CH=CH、C、C、または
【化3】
であり、
【化4】
であり、
m=80〜500であり、
n=80〜500である、発泡体
【請求項2】
前記ポリエチレンが、低密度ポリエチレンである、請求項1に記載の発泡体。
【請求項3】
前記ポリエチレンが、高密度ポリエチレンである、請求項1に記載の発泡体。
【請求項4】
前記重合シロキサンが、式(III)を有する、ビニル終端ジエチルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマーであり、
【化5】
式中、
m=77〜185であり、
n=17〜52であり、
ジエチルシロキサンのモルパーセントが、18〜22パーセントである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡体。
【請求項5】
前記重合シロキサンが、式(IV)を有する、モノメタクリルオキシプロピル終端ポリジメチルシロキサンであり、
【化6】
式中、
n=9〜124である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡体。
【請求項6】
前記重合シロキサンが、式(V)を有する、モノビニル終端ポリジメチルシロキサンであり、
【化7】
式中、
n=67〜445である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡体。
【請求項7】
前記重合シロキサンが、式(VI)を有する、非対称モノメタクリルオキシプロピル終端ポリジメチルシロキサンであり、
【化8】
式中、
n=60である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡体。
【請求項8】
前記重合シロキサンが、式(VII)を有する、対称メタクリルオキシプロピル終端ポリジメチルシロキサンであり、
【化9】
式中、
n=8〜130であり、
【化10】
であり、
【化11】
である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡体。
【請求項9】
前記発泡体が、75パーセント超の多孔性を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の発泡体。
【請求項10】
重合シロキサンのモルパーセントが、0.5〜10パーセントである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の発泡体。
【請求項11】
前記ポリマーマトリクスが、ポリエチレンとポリエチレングラフト化重合シロキサンとのブレンドを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の発泡体。
【請求項12】
発泡体を作製する方法であって、
a.重合シロキサンをポリエチレンにグラフト化して、グラフト化された中間体を形成することと、
b.前記グラフト化された中間体を成形して、成形された中間体を形成することと、
c.高圧COを使用して、前記成形された中間体を発泡させて、前記発泡体を形成することと、を含む、発泡体を作製する方法であって、
前記重合シロキサンが、式(II)のものであり、
【化2】
式中、
=CH、またはCであり、
=CH、またはCであり、
=CH=CH、C、C、または
【化3】
であり、
【化4】
であり、
m=80〜500であり、
n=80〜500である、方法
【請求項13】
前記重合シロキサンが、式(III)を有する、ビニル終端ジエチルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマーであり、
【化5】
式中、
m=77〜185であり、
n=17〜52であり、
ジエチルシロキサンのモルパーセントが、18〜22パーセントである、請求項12に記載の方法
【請求項14】
前記重合シロキサンが、式(IV)を有する、モノメタクリルオキシプロピル終端ポリジメチルシロキサンであり、
【化6】
式中、
n=9〜124である、請求項12に記載の方法
【請求項15】
前記重合シロキサンが、式(V)を有する、モノビニル終端ポリジメチルシロキサンであり、
【化7】
式中、
n=67〜445である、請求項12に記載の方法
【請求項16】
前記重合シロキサンが、式(VI)を有する、非対称モノメタクリルオキシプロピル終端ポリジメチルシロキサンであり、
【化8】
式中、
n=60である、請求項12に記載の方法
【請求項17】
前記重合シロキサンが、式(VII)を有する、対称メタクリルオキシプロピル終端ポリジメチルシロキサンであり、
【化9】
式中、
n=8〜130であり、
【化10】
であり、
【化11】
である、請求項12に記載の方法
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発泡体は、様々な用途を有する。一例において、無線周波数ケーブル(本明細書において、RFケーブルと称される)は、ケーブル性能を改善するために絶縁体を含む。RFケーブルの1つのタイプは、内部導体と外部導体との間に絶縁体を含む、同軸ケーブルである。一例において、この絶縁体は、発泡体である。
【0002】
電気通信産業において、最近の傾向は、RFケーブル上で伝送されるデータ周波数が、経時的に増加しているということである。現在、2.5〜2.6GHzの周波数を使用してデータを伝送することが一般的であり、これは、4Gスペクトルに対応する。周波数が経時的に増加し続けるということが予想される。
【0003】
RFケーブル上でデータを伝送するとき、エネルギーの損失率は、散逸係数(DF)と称される。RFケーブルの絶縁体の多孔性を増加させることは、DFを低減させる一方法である。多孔性は、絶縁体における空隙、または空きスペースの尺度であり、空隙の容積対発泡体の総容積の比として一般的に測定される。
【0004】
DFを低減させる一方法は、可能な限り純粋であるポリマー樹脂で作製される高度に発泡された誘電体から形成されるもの等の、高い多孔性を有する絶縁体を提供することであり、該発泡体は、ポリマーに結合された最小限の極性基、及び最少の極性添加剤を含む。
【0005】
発泡体は、典型的に、発泡剤を使用して形成される。発泡剤は、ポリマー材料において気泡を形成する役割を果たす。一部の発泡剤は、ポリマー材料の中へ浸出し、発泡体において不純物になる。一部の発泡剤は、ハロ炭化水素等の有害な環境的影響を有する。一部の発泡剤は、気泡形成を促進させるために、核形成剤の使用を必要とし、これらの核形成剤は、発泡体において不純物になり得、発泡体を生成する費用を増加させ得る。
【0006】
低いDFを有する発泡体が所望される。かかる発泡体は、好ましくは、最小限の不純物を有する。かかる発泡体は、好ましくは、発泡体に不純物を付加せず、かつ核形成剤をほとんど、または全く必要としない、発泡剤と、適合性がある。
【発明の概要】
【0007】
一態様において、ポリエチレングラフト化重合シロキサンを含むポリマーマトリクスと、ポリマーマトリクス内に形成され、かつ二酸化炭素を含む発泡剤を含有する、複数のセルと、を含む、発泡体が提供される。
【0008】
別の態様において、Haakeまたは押出を使用して、重合シロキサンをポリエチレンにグラフト化して、グラフト化された中間体を形成することと、グラフト化された中間体をPE樹脂とブレンドして、ブレンドされた中間体を形成することと、ブレンドされた中間体を成形して、成形された中間体を形成することと、高圧COを使用して、成形された中間体を発泡させて、発泡体を形成することと、を含む、発泡体を作製する方法が提供され、発泡体は、75%超の多孔性を有する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書において使用される際、別途示されない限り、ポリマーの分子量は、重量平均分子量を指す。
【0010】
本開示は、改善された発泡体、及びそれを作製する方法を説明する。発泡体は、媒体中に気体のポケットを閉じ込めることによって形成される物質であり、気体のポケットは、本明細書において更に詳細に説明されるように、発泡剤によって提供される。本明細書において使用される際、媒体は、好ましくは、本明細書において更に詳細に説明されるように、ポリマーマトリクスから形成される。好ましくは、発泡体は、閉鎖セル発泡体である。閉鎖セル発泡体は、気体のポケットが、ポリマーマトリクスから形成される個々のセルにおいて包囲される、発泡体である。セルは、ポリマーマトリクスから形成される壁によって画定され、気体は、セルにおいて捕捉される。
【0011】
ポリマーマトリクスは、好ましくは、ポリエチレングラフト化重合シロキサンから形成される。重合シロキサンは、本明細書において使用される際、式(I)に基づく繰り返し単位を有する、様々なシロキサン系ポリマーを指し、
【0012】
【化1】
【0013】
式中、
=CH、またはCであり、
=CH、またはCであり、
m=0〜500であり、
n=0〜500である。
【0014】
一例において、式(I)の重合シロキサンは、式(II)によって詳述されるような末端単位を含み、
【0015】
【化2】
【0016】
式中、
=CH=CH、C、C、または
【0017】
【化3】
【0018】
であり、
【0019】
【化4】
【0020】
である。
【0021】
一例において、好適な重合シロキサンは、式(III)を有する、ビニル終端ジエチルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマーであり、
【0022】
【化5】
【0023】
式中、
m=77〜185であり、
n=17〜52である。
【0024】
式(III)のジエチルシロキサンのモルパーセントは、18〜22パーセントであり、比重は、0.953であり、Gelest,Inc.からEDV−2022という名称の下で入手可能である一例において、ジエチルシロキサンの分子量は、8000〜20000である。
【0025】
別の例において、好適な重合シロキサンは、式(IV)を有する、モノメタクリルオキシプロピル終端ポリジメチルシロキサンであり、
【0026】
【化6】
【0027】
式中、
n=9〜124である。
式(IV)の重合シロキサンは、1000〜10000の分子量、及び0.96〜0.97の比重を有し、Gelest,Inc.からMCR−M07−M22という名称の下で入手可能である。
【0028】
別の例において、好適な重合シロキサンは、式(V)を有する、モノビニル終端ポリジメチルシロキサンであり、
【0029】
【化7】
【0030】
式中、
n=67〜445である。
【0031】
式(V)の重合シロキサンは、5500〜35000の分子量、及び0.97〜0.98の比重を有し、Gelest,Inc.からMCR−V21−V41という名称の下で入手可能である。
【0032】
別の例において、好適な重合シロキサンは、式(VI)を有する、非対称モノメタクリルオキシプロピル終端ポリジメチルシロキサンであり、
【0033】
【化8】
【0034】
式中、
n=60である。
【0035】
式(VI)の重合シロキサンは、5000の分子量、及び0.97の比重を有し、Gelest,Inc.からMCR−M17という名称の下で入手可能である。
【0036】
別の例において、好適な重合シロキサンは、式(VII)を有する、対称メタクリルオキシプロピル終端ポリジメチルシロキサンであり、
【0037】
【化9】
【0038】
式中、
n=8〜130であり、
【0039】
【化10】
【0040】
であり、
【0041】
【化11】
【0042】
である。
【0043】
式(VII)の重合シロキサンは、1000〜10000の分子量、及び0.98の比重を有し、Gelest,Inc.からDMS−R18という名称の下で入手可能である。
【0044】
重合シロキサンは、ポリエチレンにグラフト化されて、ポリエチレングラフト化重合シロキサンを形成する。低密度または高密度ポリエチレンのいずれも、ポリエチレンとして使用に好適である。多くの商業的に入手可能なポリエチレンが、本明細書における使用に好適である。一例において、0.965g/cmの密度、8.0g/10分のメルトマスフローレート、及び133℃の溶融温度を有する、高密度ポリエチレンが選択され、The Dow Chemical Companyから商標DGDA−6944の下で入手可能である。一例において、0.919g/cmの密度、1.8g/10分のメルトマスフローレート、及び110℃の溶融温度を有する、低密度ポリエチレンが選択され、The Dow Chemical Companyから商標DFDA−1253の下で入手可能である。グラフトポリマーは、1つのポリマーから形成される骨格、及び別のポリマーから形成される分岐を有する、コポリマーである。一例において、ポリエチレンは、骨格として選択され、重合シロキサンは、分岐として選択される。高密度ポリエチレン等の分岐ポリエチレンが、分岐がグラフト化される骨格として選択されてもよいということが理解される。一例において、ポリマーマトリクスは、重量で0.5〜10モルパーセントの重合シロキサンである。一例において、ポリマーマトリクスは、重量で1〜5モルパーセントの重合シロキサンである。一部の例において、グラフト化は、他の組み合わせ技術と比較して、得られる発泡体において異なる特性を生成する。
【0045】
ポリマーマトリクスは、発泡剤の使用を通じて、発泡体の中へ形成される。好ましくは、発泡剤は、二酸化炭素(CO)である。一例において、ポリマーマトリクスは、周辺を上回る温度、及び周辺を上回る圧力において、COを有する容器に、ポリマーマトリクスを入れ、続いて、容器の圧力を素早く低下させることによって、発泡させる。一例において、発泡剤は、超臨界COである。COに対する臨界圧力は、7.4MPaである。一例において、容器内の所望される圧力は、25〜35MPaである。一例において、容器内の所望される温度は、ポリマーマトリクスに対して95℃〜105℃であり、ここで、低密度ポリエチレンが骨格へと形成される。一例において、容器内の所望される温度は、ポリマーマトリクスに対して111℃〜130℃であり、ここで、高密度ポリエチレンが骨格へと形成される。一例において、得られる発泡体は、70パーセント超の多孔性を有する。一例において、得られる発泡体は、75パーセント超の多孔性を有する。一例において、得られる発泡体は、80パーセント超の多孔性を有する。一例において、発泡体のセルサイズは、15μm未満である。一例において、発泡体のセルサイズは、10μm未満である。
【0046】
別の態様において、Haakeまたは押出を使用して、重合シロキサンをポリエチレンにグラフト化して、グラフト化された中間体を形成することと、グラフト化された中間体をポリエチレン樹脂とブレンドして、ブレンドされた中間体を形成することと、ブレンドされた中間体を成形して、成形された中間体を形成することと、高圧COを使用して、成形された中間体を発泡させて、発泡体を形成することと、を含む、発泡体を作製する方法が提供される。
【0047】
別の態様において、Haakeまたは押出を使用して、重合シロキサンをポリエチレンにグラフト化して、グラフト化された中間体を形成することと、グラフト化された中間体を成形して、成形された中間体を形成することと、高圧COを使用して成形された中間体を発泡させて、発泡体を形成することと、を含む、発泡体を作製する方法が提供される。
【実施例】
【0048】
比較実施例A〜Dにおいて、発泡体は、純粋なポリエチレンペレットから調製される。本明細書において使用される際、純粋なポリエチレンは、別のポリマーとブレンドまたはグラフト化されていない高密度または低密度ポリエチレンのいずれも指す。本明細書において使用される際、純粋なポリエチレンは、微量の他の成分を含み得るが、好ましくは、99%超のポリエチレンを含有する。ペレットは、表Iで識別される樹脂を、反対方向に回転する2つのシグマロータを有する50立方センチメートルのHaake混合器(HAAKE Polylab OSとしてThermo Scientificから入手可能)に添加することによって調製される。混合器は、材料を、180℃で8分間、60rpmでブレンドする。得られる材料を、混合器から取り出し、ペレット状に切断する。これらの実施例に従って形成されるペレットを、その後、ポリマープレート状に、次いで、本明細書において説明されるような発泡体状に形成する。
【0049】
【表I】
【0050】
比較実施例E〜Hにおいて、発泡体は、高密度ポリエチレンと、重合シロキサンとのブレンドから調製される。ペレットは、表IIに識別されるポリマー樹脂ブレンド(パーセンテージは、重量による)を、反対方向に回転する2つのシグマロータを有する50立方センチメートルのHaake混合器(HAAKE Polylab OSとしてThermo Scientificから入手可能)に添加することによって調製される。これらの実施例において使用されるHDPEは、表Iに説明されるような比較実施例A〜Dにおいて使用されるものと同じである。混合器は、材料を、180℃で8分間、60rpmでブレンドする。得られる材料を、混合器から取り出し、ペレット状に切断する。これらの実施例に従って形成されるペレットを、その後、ポリマープレート状に、次いで、本明細書において説明されるような発泡体状に形成する。
【0051】
【表II】
【0052】
比較実施例I及びJにおいて、発泡体は、高密度ポリエチレンと、ペルオキシドL−101とのブレンドから調製される。ペレットは、表IIIに識別される材料(パーセンテージは、重量による)を、反対方向に回転する2つのシグマロータを有する50立方センチメートルのHaake混合器(HAAKE Polylab OSとしてThermo Scientificから入手可能)に添加することによって調製される。これらの実施例において使用されるHDPEは、表Iに説明されるような比較実施例A〜Dにおいて使用されるものと同じである。混合器は、材料を、180℃で8分間、60rpmでブレンドする。得られる材料を、混合器から取り出し、ペレット状に切断する。これらの実施例に従って形成されるペレットを、その後、ポリマープレート状に、次いで、本明細書において説明されるような発泡体状に形成する。
【0053】
【表III】
【0054】
実施例A〜Dにおいて、発泡体は、重合シロキサングラフト化高密度ポリエチレンから調製される。ペレットは、表IVに識別される材料(パーセンテージは、重量による)を、反対方向に回転する2つのシグマロータを有する50立方センチメートルのHaake混合器(HAAKE Polylab OSとしてThermo Scientificから入手可能)に添加することによって調製される。これらの実施例において使用されるHDPEは、表Iに説明されるような比較実施例A〜Dにおいて使用されるものと同じである。これらの実施例において使用されるL−101は、表IIIに説明されるような比較実施例I及びJにおいて使用されるものと同じである。混合器は、材料を、180℃で8分間、60rpmでブレンドし、それによって、重合シロキサンとグラフト化された高密度ポリエチレンを生成する。得られる材料を、混合器から取り出し、ペレット状に切断する。これらの実施例に従って形成されるペレットを、その後、ポリマープレート状に、次いで、本明細書において説明されるような発泡体状に形成する。
【0055】
【表IV】
【0056】
実施例E及びFにおいて、発泡体は、重合シロキサングラフト化高密度ポリエチレンと、高密度ポリエチレンとのブレンドから調製される。ペレットは、表Vに識別される材料(パーセンテージは、重量による)を、反対方向に回転する2つのシグマロータを有する50立方センチメートルのHaake混合器(HAAKE Polylab OSとしてThermo Scientificから入手可能)に添加することによって調製される。これらの実施例において使用されるHDPEは、表Iに説明されるような比較実施例A〜Dにおいて使用されるものと同じである。これらの実施例において使用されるHDPE−g−MCR−M17は、表IVに説明されるような実施例Aにおいて使用されるものと同じである。混合器は、材料を、180℃で8分間、60rpmでブレンドし、それによって、重合シロキサングラフト化高密度ポリエチレンと高密度ポリエチレンとのブレンドを生成する。得られる材料を、混合器から取り出し、ペレット状に切断する。これらの実施例に従って形成されるペレットを、その後、ポリマープレート状に、次いで、本明細書において説明されるような発泡体状に形成する。
【0057】
【表V】
【0058】
ポリマーペレットの所与のサンプルは、以下の手順に従って、ポリマープレートへと調製される。いくつかの実施例のうちの1つに従って形成される50gのペレットを、ホットプレート圧縮成形機(Guangzhou NO.1 Rubber & Plastic Equipment Co.Ltd.によって製造されるPlaten Vulcanizing Press)内の鋳型に配置し、150℃で5分間保持する。次いで、ペレットを15MPaの圧力下に10分間配置して、15mm×10mm×1mmの寸法を有するポリマープレートを生成する。ポリマープレートは、成形された中間体の例である。
【0059】
ポリマープレートは、以下の手順に従って、発泡体へと調製される。いくつかの実施例のうちの1つに従って形成されるポリマープレートを、アルミニウムプラグの頂部上にあるガラスウールの薄層上の圧力容器内の端部上に静置する。圧力容器を、145℃まで30分間加熱する。次に、圧力容器を、発泡温度まで1時間加熱する(それぞれのポリマープレートに対する発泡温度は、表VIに列記される)。次いで、圧力容器内の圧力を、容器に、発泡剤(それぞれのポリマープレートに対する発泡剤は、表VIに列記される)を含む加圧雰囲気で充填することによって33.1MPaまで増加させ、この圧力、及び発泡温度で、2時間保持する。圧力容器を素早く換気し、それによって、圧力容器を減圧し、発泡されたサンプルを圧力容器から収集する。
【0060】
先行実施例に従って調製されるポリマープレートは、以下の手順に従って、発泡体へと調製される。ポリマープレートを、アルミニウムプラグの頂部上にあるガラスウールの薄層上の圧力容器内の端部上に静置する。次に、圧力容器を、145℃まで30分間加熱する。次に、圧力容器を、発泡温度まで1時間加熱する(それぞれのポリマープレートに対する発泡温度は、表VIに列記される)。次いで、圧力容器内の圧力を、容器を、発泡剤(それぞれのポリマープレートに対する発泡剤は、表VIに列記される)を含む加圧雰囲気で充填することによって、飽和圧力(それぞれのポリマープレートに対する飽和圧力は、表VIに列記される)まで増加させ、この飽和圧力、及び発泡温度で、2時間保持する。圧力容器を素早く換気し、それによって、圧力容器を減圧し、それによって、発泡されたサンプルを調製し、これを圧力容器から収集する。
【0061】
発泡体サンプルのセルサイズは、液体窒素での冷却後、発泡体を破砕することによって計算される。破砕された発泡体は、イリジウムでコーティングされ、画像を、走査電子顕微鏡法(SEM)を使用して得る。平均セルサイズは、MediaCybernetics,Inc.から入手可能なImage−Pro Plusソフトウェアを使用して画像を分析することによって、計算される。平均セルサイズは、表VIに列記される。
【0062】
【表VI】
【0063】
表VIに提示されるデータは、実施例に従って調製される発泡体が、比較実施例と比較して、多孔性及びセルサイズの改善された組み合わせを有するということを例解する。例えば、比較実施例のいずれも、<15μmよりも良好なセルサイズを達成しなかった一方、実施例の全てが、<10μmのセルサイズを達成した。実施例は、ポリエチレングラフト化ポリマーシロキサンから調製される発泡体が、純粋なポリエチレン、またはポリマーシロキサンとポリエテンとのブレンドから調製される発泡体と比較して、より高い多孔性及びより小さいセルサイズを提供するということを例解する。
【0064】
表VIにおいて、多孔性は、方程式ф=1−ρ/ρに従って、発泡された樹脂の密度、及び発泡される前の樹脂の密度に基づいて計算され、式中、фは、多孔性であり、ρは、発泡体密度であり、ρは、発泡される前の樹脂の密度である。密度は、ASTM規格D792−00等のポリマー発泡体の密度を測定するための既知の慣例に従って測定した。
本願発明には以下の態様が含まれる。
項1.
発泡体であって、
ポリエチレングラフト化重合シロキサンを含むポリマーマトリクスと、
前記ポリマーマトリクス内に形成され、かつ二酸化炭素を含む発泡剤を含有する、複数のセルと、を含む、発泡体。
項2.
前記ポリエチレンが、低密度ポリエチレンである、項1に記載の発泡体。
項3.
前記ポリエチレンが、高密度ポリエチレンである、項1に記載の発泡体。
項4.
前記重合シロキサンが、式(I)のものであり、
【化1】
式中、
=CH、またはCであり、
=CH、またはCであり、
m=80〜500であり、
n=80〜500である、項1〜3のいずれか1項に記載の発泡体。
項5.
前記重合シロキサンが、式(II)のものであり、
【化2】
式中、
=CH、またはCであり、
=CH、またはCであり、
=CH=CH、C、C、または
【化3】
であり、
【化4】
であり、
m=80〜500であり、
n=80〜500である、項1〜3のいずれか1項に記載の発泡体。
項6.
前記重合シロキサンが、式(III)を有する、ビニル終端ジエチルシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマーであり、
【化5】
式中、
m=77〜185であり、
n=17〜52であり、
ジエチルシロキサンのモルパーセントが、18〜22パーセントである、項1−3のいずれか1項に記載の発泡体。
項7.
前記重合シロキサンが、式(IV)を有する、モノメタクリルオキシプロピル終端ポリジメチルシロキサンであり、
【化6】
式中、
n=9〜124である、項1〜3のいずれか1項に記載の発泡体。
項8.
前記重合シロキサンが、式(V)を有する、モノビニル終端ポリジメチルシロキサンであり、
【化7】
式中、
n=67〜445である、項1〜3のいずれか1項に記載の発泡体。
項9.
前記重合シロキサンが、式(VI)を有する、非対称モノメタクリルオキシプロピル終端ポリジメチルシロキサンであり、
【化8】
式中、
n=60である、項1〜3のいずれか1項に記載の発泡体。
項10.
前記重合シロキサンが、式(VII)を有する、対称メタクリルオキシプロピル終端ポリジメチルシロキサンであり、
【化9】
式中、
n=8〜130であり、
【化10】
であり、
【化11】
である、項1〜3のいずれか1項に記載の発泡体。
項11.
前記発泡体が、75パーセント超の多孔性を有する、項1〜10のいずれか1項に記載の発泡体。
項12.
重合シロキサンのモルパーセントが、0.5〜10パーセントである、項1〜11のいずれか1項に記載の発泡体。
項13.
前記ポリマーマトリクスが、ポリエチレンとポリエチレングラフト化重合シロキサンとのブレンドを含む、項1〜12のいずれか1項に記載の発泡体。
項14.
発泡体を作製する方法であって、
a.重合シロキサンをポリエチレンにグラフト化して、グラフト化された中間体を形成することと、
b.前記グラフト化された中間体を成形して、成形された中間体を形成することと、
c.高圧COを使用して、前記成形された中間体を発泡させて、前記発泡体を形成することと、を含む、方法。
項15.
前記重合シロキサンが、式(I)のものであり、
【化12】
式中、
=CH、またはCであり、
=CH、またはCであり、
m=80〜500であり、
n=80〜500である、項14に記載の方法。