特許第6438570号(P6438570)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6438570フレキシブルな直交周波数分割多重PHY伝送データフレームプリアンブルの動的な構成
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6438570
(24)【登録日】2018年11月22日
(45)【発行日】2018年12月12日
(54)【発明の名称】フレキシブルな直交周波数分割多重PHY伝送データフレームプリアンブルの動的な構成
(51)【国際特許分類】
   H04L 27/26 20060101AFI20181203BHJP
   H04J 13/22 20110101ALI20181203BHJP
【FI】
   H04L27/26 114
   H04L27/26 420
   H04J13/22
【請求項の数】20
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-508042(P2017-508042)
(86)(22)【出願日】2015年8月25日
(65)【公表番号】特表2017-531359(P2017-531359A)
(43)【公表日】2017年10月19日
(86)【国際出願番号】US2015046719
(87)【国際公開番号】WO2016033059
(87)【国際公開日】20160303
【審査請求日】2017年10月11日
(31)【優先権主張番号】62/041,478
(32)【優先日】2014年8月25日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517031959
【氏名又は名称】ワン メディア,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】シェルビー,ケヴィン,エー.
(72)【発明者】
【氏名】サイモン,マイケル,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】アーンショウ,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ラザ,ザーヒル,ジャファー
【審査官】 原田 聖子
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−541898(JP,A)
【文献】 特開2012−114835(JP,A)
【文献】 特表2010−536297(JP,A)
【文献】 Han Wang et al.,A Novel Synchronization Algorithm for OFDM Systems with Weighted CAZAC Sequence,Journal of Computational Information Systems,Binarry Information Press,2012年 3月,Vol.8, 6,2275-2283,URL,http://www.jofcis.com/publishedpapers/2012_8_6_2275_2283.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H04J 13/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信デバイスを動作させて受信デバイスと通信するための方法であって、
前記送信デバイスが、ルートインデックス値のセットからルートインデックス値を選択することと、
前記送信デバイスが、前記選択されたルートインデックス値に基づいて周波数領域の定振幅零自己相関(CAZAC)系列を生成することと、
前記送信デバイスが、疑似雑音(PN)系列によって前記周波数領域のCAZAC系列を変調して、複素系列を生成することと、
前記送信デバイスが、前記複素系列を複数のサブキャリアにマッピングすることによって、直交周波数分割多重(OFDM)シンボルを生成することと、
前記送信デバイスが、前記受信デバイスに対するフレームのプリアンブルの初期OFDMシンボルとして、前記OFDMシンボルを送信することと、
前記送信デバイスが、前記プリアンブルの後続するOFDMシンボルを生成することと、を含み、
前記プリアンブルの後続するOFDMシンボルを生成することは、
前記周波数領域のCAZAC系列にそれぞれのサイクリックシフトを適用することであって、前記それぞれのサイクリックシフトの各々が、それぞれのフレーム構成情報に基づいてサイクリックシフトのセットから選択される、適用することと、
前記フレームの前記プリアンブルの前記後続するOFDMシンボルを送信することと
を含む、
方法。
【請求項2】
前記初期OFDMシンボルが、初期同期を提供するように構成されたフレーム制御シンボルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記CAZAC系列がザドフ−チュー(ZC)系列を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記周波数領域のCAZAC系列が、サービスタイプのセットから、前記フレームによって提供されるサービスタイプを表示する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記フレームの前記プリアンブルの前記後続するOFDMシンボルが、前記フレームのコンテンツを表すように構成されたコンテンツ制御シンボルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記送信デバイスが、前記後続するOFDMシンボルを送信する前に、前記後続するOFDMシンボルのうちの少なくとも1つに位相反転動作を適用することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記後続するOFDMシンボルのうちのOFDMシンボルによって信号伝達されたフレーム構成情報が、前記後続するOFDMシンボルのうちの先のOFDMシンボルによって信号伝達された先のフレーム構成情報に基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
受信デバイスを動作させて送信デバイスと通信するための方法であって、
前記受信デバイスが、前記送信デバイスによって送信された信号のサンプルのセットを受信することと、
前記受信デバイスが、疑似雑音(PN)系列によって変調された複数の周波数領域定振幅零自己相関(CAZAC)系列のそれぞれに対して前記サンプルのセットを相関させて、前記送信された信号のフレームのプリアンブルの初期直交周波数分割多重(OFDM)シンボルを検出することであって、前記複数の周波数領域CAZAC系列が別個のルートインデックス値にそれぞれ対応し、および前記PN系列がPNシード値に基づいている、検出することと、
前記受信デバイスが、前記複数の周波数領域CAZAC系列の中から特定の周波数領域CAZAC系列を識別することであって、前記特定の周波数領域CAZAC系列が最大の相関応答に対応する、識別することと、
前記受信デバイスが、前記特定の周波数領域CAZAC系列に基づいて、前記プリアンブルの後続するOFDMシンボルを得ることであって、前記後続するOFDMシンボルがシンボルデータセットを含む、得ることと
を含む方法。
【請求項9】
前記複数の周波数領域CAZAC系列がそれぞれザドフ−チュー系列を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記特定の周波数領域CAZAC系列が、前記フレームに対するサービスタイプを表示する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記後続するOFDMシンボルのうちのOFDMシンボルによって信号伝達されたフレーム構成情報が、前記後続するOFDMシンボルのうちの先のOFDMシンボルによって信号伝達された先のフレーム構成情報に基づいており、前記後続するOFDMシンボルのうちの前記OFDMシンボルが、前記後続するOFDMシンボルうちの前記先のOFDMシンボルの後である、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
送信デバイスと受信デバイスとの間で通信するための方法であって、
疑似雑音(PN)系列によって定振幅零自己相関(CAZAC)系列を変調して、複素系列を生成することと、
前記複素系列を複数のサブキャリアにマッピングして、初期直交周波数分割多重(OFDM)シンボルの第1のサブキャリア値を生成することと、
前記CAZAC系列にサイクリックシフトを適用して、サイクリックシフトされたCAZAC系列を生成することと、
前記PN系列によって、前記サイクリックシフトされたCAZAC系列を変調して、第2の複素系列を生成することと、
前記第2の複素系列を前記複数のサブキャリアにマッピングして、後続するOFDMシンボルの第2のサブキャリア値を生成することと、
フレームプリアンブルの前記初期OFDMシンボルおよび前記後続するOFDMシンボルを送信することと
を含む方法。
【請求項13】
線形フィードバックシフトレジスタを用いて前記PN系列を生成することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記後続するOFDMシンボルが前記フレームプリアンブルの最終のOFDMシンボルに対応するときに、前記第2の複素系列を反転することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のサブキャリア値に逆高速フーリエ変換(IFFT)を適用して、前記初期OFDMシンボルを生成することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
送信デバイスであって、
プログラム命令を記憶するメモリと、
プロセッサであって、前記プログラム命令を実行すると、
ルートインデックス値のセットからルートインデックス値を選択することと、
前記選択されたルートインデックス値に基づいて周波数領域の定振幅零自己相関(CAZAC)系列を生成することと、
疑似雑音(PN)系列によって前記周波数領域のCAZAC系列を変調して、複素系列を生成することと、
前記複素系列を複数のサブキャリアにマッピングして、フレームプリアンブルの初期直交周波数分割多重(OFDM)シンボルのサブキャリア値を決定することと、
前記CAZAC系列にサイクリックシフトを適用して、サイクリックシフトされたCAZAC系列を生成することであって、前記サイクリックシフトされたCAZAC系列が前記PN系列によって変調されて、第2の複素系列を生成する、生成することと、
前記第2の複素系列を前記複数のサブキャリアにマッピングして、前記フレームプリアンブルの後続するOFDMシンボルの後続するサブキャリア値を生成することと
を行うように構成されたプロセッサと
を含む送信デバイス。
【請求項17】
前記プロセッサが、前記プログラム命令を実行すると、
前記サブキャリア値に逆高速フーリエ変換(IFFT)を適用して、前記初期OFDMシンボルを生成することと、
前記初期OFDMシンボルを受信デバイスに送信することと
を行うようにさらに構成されている、請求項16に記載の送信デバイス。
【請求項18】
前記CAZAC系列がザドフ−チュー(ZC)系列を含む、請求項16に記載の送信デバイス。
【請求項19】
前記プロセッサが、前記命令を実行すると、前記後続するOFDMシンボルが前記フレームプリアンブルの最終のOFDMシンボルに対応するときに、前記第2の複素系列を反転するようにさらに構成されている、請求項16に記載の送信デバイス。
【請求項20】
フレームプリアンブルの初期直交周波数分割多重(OFDM)シンボルの検出を強化するための方法であって、
ルートインデックス値のセットから選択されたルートインデックス値を用いて、ザドフ−チュー(ZC)系列を生成することと、
疑似雑音(PN)系列によって前記ZC系列を変調して、複素系列を生成することと、
前記複素系列に基づいて前記初期OFDMシンボルを生成することと、
前記フレームプリアンブルの第1のシンボル期間において、レシーバに前記初期OFDMシンボルを送信することと、
前記ZC系列をサイクリックシフトして、サイクリックシフトされたZC系列を生成することと、
前記PN系列によって、前記サイクリックシフトされたZC系列を変調して、第2の複素系列を生成することと、
前記第2の複素系列に基づいて後続するOFDMシンボルを生成することと、
前記第1のシンボル期間に隣接する前記フレームプリアンブルの第2のシンボル期間において、前記レシーバに前記後続するOFDMシンボルを送信することと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2014年8月25日に出願された米国特許出願第62/041478号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み入みこまれる。
【0002】
開示の分野
本開示は、無線通信の分野に関し、より詳細には、直交周波数分割多重(「OFDM」)物理的伝送フレームプリアンブルを動的に構築して、ブロードキャストネットワークにおける強固な信号検出およびサービス発見を可能にするための機構に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
今日の世界では、電子デバイスの多くは、接続している他のデバイスからデータを受信するために無線接続性に依存する。典型的な無線展開では、データを送信する1つまたは複数の無線アクセスポイントが存在し、無線アクセスポイントからデータを受信する1つまたは複数のデバイスが存在し得る。
【0004】
このようなシナリオでは、デバイスによって伝播チャネル特性が異なることがあり、同一の無線アクセスポイントからの無線データの受信にも影響を及ぼし得る。例えば、無線アクセスポイントの近くにあるデバイスおよび/または固定位置を有する(もしくは低速で移動している)デバイスは、高速で移動しているデバイスおよび/または無線アクセスポイントから遠く離れているデバイスよりも伝播チャネルの状態が良好であり得る。第1のデバイスは、(高い前方向誤り訂正(FEC)符号化率、高い変調レベル、および/または直交周波数分割多重(以下、「OFDM」と呼ぶ)方式における小さいサブキャリア間隔などの)パラメータの1つのセットを用いて符号化され、送信されたデータを受信することが可能なデバイスの群に分類することができる。一方、第2のデバイスは、(低いFEC符号化率、低い変調レベル、および/またはOFDM方式における広いサブキャリア間隔などの)パラメータの第2のセットを用いてデータが符号化され、送信されることが必要なデバイスの群に分類することができる。
【0005】
多数のデバイスがすべて共通のソースから同一のデータを受信することを望み得る多くのシナリオが存在する。このような1つの例としてはテレビジョン放送があり、テレビジョン放送では、様々な家庭にある多数のテレビジョン装置のすべてが、関心のある番組を伝達する共通のブロードキャスト信号を受信する。このようなシナリオでは、同じデータを各デバイスに個別にシグナリングするよりもむしろ、データをこのようなデバイスにブロードキャストするか、またはマルチキャストすることがはるかにより効率的である。しかしながら、(例えば、高解像度ビデオ、標準画質ビデオなどの)様々な品質レベルの番組を様々な伝播チャネル特性を有する様々なデバイス群に送信することが必要であり得る。他のシナリオでは、デバイス固有のデータを特定のデバイスに送信することが望ましいことがあり、こうしたデータを符号化および送信するために用いられるパラメータは、デバイスの所在地および/または伝播チャネルの状態に依存し得る。
【0006】
上述のように、送信されたデータの異なるセットは、同時にまたは時間マルチプレックス式で(またはその両方で)、異なる符号化パラメータおよび送信パラメータを用いて送信することが必要であり得る。特定のデータセット中の送信されるべきデータの量、ならびに/またはこうしたデータセットに対する符号化パラメータおよび送信パラメータは時間とともに変動し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
同時に、高速無線データに対する需要が高まり続けており、(無線スペクトルの特定の部分などの)利用可能な無線リソースの最も効率的な使用を場合により時間変動ベースで可能にすることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
概要
送信デバイスを動作させて受信デバイスと通信するための方法が本明細書に記載されている。本方法は、送信デバイスが、ルートインデックス値のセットからルートインデックス値を選択するステップを含む。本方法は、送信デバイスが、選択されたルートインデックス値に基づいて周波数領域の定振幅零自己相関系列を生成するステップをさらに含む。本方法は、送信デバイスが、疑似雑音系列によって定振幅零自己相関系列を変調するステップをさらに含む。本方法は、送信デバイスが、直交周波数分割多重シンボルを生成するステップであって、疑似雑音系列によって変調された周波数領域の定振幅零自己相関系列が、直交周波数分割多重シンボルのサブキャリア値を定義する、ステップをさらに含む。本方法は、送信デバイスが、受信デバイスに対するフレームのプリアンブルの初期直交周波数分割多重シンボルとして、直交周波数分割多重シンボルを送信するステップをさらに含む。
【0009】
受信デバイスを動作させて送信デバイスと通信するための方法が本明細書に記載されている。本方法は、受信デバイスが、送信機によって送信された信号のサンプルのセットを受信するステップを含む。本方法は、受信デバイスが、疑似雑音系列によって変調された複数の定振幅零自己相関系列のそれぞれに対してサンプルセットを相関させて、送信された信号のフレームのプリアンブルの初期直交周波数分割多重シンボルを検出するステップであって、定振幅零自己相関系列が別個のルートインデックス値にそれぞれ対応し、および疑似雑音系列が疑似雑音シード値に基づいている、ステップをさらに含む。本方法は、受信デバイスが、プリアンブルの後続する直交周波数分割多重シンボルに対応するシンボルデータセットの取得を同期させるステップであって、取得の同期が、複数の定振幅零自己相関系列の中で最大の相関応答を与える特定の定振幅零自己相関系列に関連付けられた相関ピークに基づいている、ステップをさらに含む。
【0010】
送信デバイスと受信デバイスとの間で通信するための方法が本明細書に記載されている。本方法は、送信デバイスがフレームのプリアンブルに対して直交周波数分割多重シンボルの系列を生成するステップであって、系列の初期直交周波数分割多重シンボルを生成することを含む、ステップを含む。疑似雑音系列の初期部分によって変調された定振幅零自己相関系列に基づいて、初期直交周波数分割多重シンボルのサブキャリア値が決定される。送信デバイスが直交周波数分割多重シンボルの系列を生成するステップは、初期直交周波数分割多重シンボルの後に複数の直交周波数分割多重シンボルを生成することをさらに含む。これは、疑似雑音系列の対応する非初期部分によって変調された定振幅零自己相関系列に基づいて、直交周波数分割多重シンボルのサブキャリア値を決定し、直交周波数分割多重シンボルのサブキャリア値に対応するサイクリックシフトを適用し、およびサブキャリア値を逆変換して、直交周波数分割多重シンボルの時間領域サンプルを得ることを含む。本方法は、送信デバイスが、直交周波数分割多重シンボルの系列を送信するステップをさらに含む。
【0011】
図面の簡単な説明
添付の図面において、以下の詳細な説明とともに、特許請求される本発明の例示的な実施形態を説明する構造が図示されている。同じ要素は同じ参照番号で識別されている。単一の構成要素として示される要素は、複数の構成要素に置き換えられ得、また、複数の構成要素として示される要素は、単一の構成要素に置き換えられ得ることを理解されたい。各図面は縮尺通りではなく、特定の要素の比率は説明目的で誇張されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ブロードキャストネットワークの一例を図示する。
図2】ブロードキャストフレームの一例を図示する。
図3】ブロードキャストフレームの次元の一例を図示する。
図4】フレーム制御チャネルの一例を発生させるためのシステムの一例である。
図5A】フレーム制御構成の例を図示する。
図5B】フレーム制御構成の例を図示する。
図6】PN系列発生部の一例を図示する。
図7】フレーム制御サブキャリアマッピングの例を図示する。
図8】フィールド終了シグナリングの例を図示する。
図9】パーティションを含むフレームの一例を図示する。
図10】送信デバイスを動作させるための方法の一例である。
図11】受信デバイスを動作させるための方法の一例を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細な説明
本明細書で説明するのは、拡張可能なPHY層のシグナリングフレームワーク、および特に強固な検出およびサービス発見、システム同期、ならびにレシーバ構成を可能にする、関連するプリアンブル信号設計である。PHYは、同期/検出およびシステム構成を可能にする、あらゆる送信フレームに一体化された部分として送られるプリアンブルに依存している。後述するように、プリアンブル設計は、ブロードキャストレシーバにフレーム構成およびコンテンツ制御情報を伝えるフレキシブルなシグナリングアプローチを含む。信号設計は、物理媒体上で信号パラメータを変調する機構を表す。シグナリングプロトコルは、送信フレーム構成を決定するパラメータ選択を通信するのに用いられる特定の符号化を表す。これにより、共通のフレーム構造からの進化するシグナリングニーズに対処するための拡張性を提供しつつ、信頼性の高いサービス発見が可能になる。具体的には、プリアンブル設計は、チャネル帯域幅とは無関係に汎用的な信号の発見を可能にする。プリアンブルは、時間分散およびマルチパスフェージング、ドップラーシフト、ならびにキャリア周波数オフセットなどの様々なチャネル障害が存在する状態で信頼性の高い検出も可能にする。加えて、信号の発見の間、モード検出に基づいて複数のサービスコンテキストがアクセス可能であり、システム構成において幅広いフレキシブル性が可能になる。プリアンブルはさらに、拡張を容易にし、階層的シグナリング構造に基づき、進行中のサービス能力の進化に対処する。さらに、検出されたサービスモード/タイプに基づいて解釈された再使用可能なビットフィールドにより、与えられた拡張性のレベルにもかかわらず、ビット効率の高いシグナリングが可能になる。
【0014】
図1は、本明細書に記載されたプリアンブル設計の例を用いる一例であるブロードキャストネットワーク100を図示する。ブロードキャストネットワーク100は、ベースステーションBS,BS,...BSによって例示的に示唆された複数のベースステーション101a,101b...101n(以下、ベースステーション101と呼ぶ)を含むことができる。ブロードキャストゲートウェイ(「BG」)102は、様々な通信媒体のいずれかを通してベースステーション101に結合することができる。例えば、1つの実施形態では、ブロードキャスゲートウェイ102は、インターネットを介して、またはさらに一般的にはコンピュータネットワークを介して、ベースステーション101に結合することができる。各ベースステーション101は、1つまたは複数のユーザデバイス103に情報を無線送信する(各ユーザデバイスUDは、黒色で塗り潰された丸で表されている)。ユーザデバイス103のうちのいくつかは、テレビジョンおよびデスクトップコンピュータなどの固定デバイスとすることができる。ユーザデバイス103のうちの他のいくつかは、タブレットコンピュータまたはラップトップコンピュータなどのノマディックデバイス(nomadic device)とすることができる。ユーザデバイス103のうちの他のいくつかは、携帯電話、車載デバイス、飛行機搭載デバイスなどといった移動体デバイスとすることができる。
【0015】
ブロードキャストネットワーク100のオペレータ(「Op」)104は、(例えば、インターネットを介して)ブロードキャストゲートウェイ102にアクセスし、ゲートウエイ102にネットワーク構成または動作命令を提供することができる。例えば、オペレータ104は、以下:ベースステーションのうちの1つまたは複数に対するユーザデバイスの移動性の予測される分布、ベースステーションのうちの1つまたは複数のセルサイズ、ブロードキャストネットワークまたはネットワークのサブセットを単一周波数ネットワーク(SFN)として動作させるか、または多周波数ネットワーク(MFN)として動作させるかの選択、様々なサービス(例えば、テレビコンテンツストリーム)を様々なタイプのユーザデバイスにどのように割り当てるかの指定、および対応する期間中にブロードキャストネットワークが使用しない帯域幅の部分の識別のうちの1つまたは複数の項目などの情報を提供することができる。
【0016】
ブロードキャストゲートウェイ102は、ネットワーク構成または動作命令に基づいて、ブロードキャストネットワーク100の1つまたは複数のベースステーション101に対する伝送制御情報を決定することができる。所与のベースステーションに対して、ブロードキャストゲートウェイ102は、以下:伝送サンプルレート、パーティションの数、パーティションのサイズ、各パーティションのFFTサイズおよびサイクリックプレフィックスサイズを決定することができる。ブロードキャストゲートウェイ102は、ベースステーション101に伝送制御情報を送ることで、ベースステーション101がこの伝送制御情報に従ってフレームを構築および送信できるようにし得る。他の実施形態では、ゲートウエイ102自体が、各ゲートウエイ102によって伝送されるフレームを生成し、このフレームをベースステーション101に送ることができる。さらに他の実施形態では、ゲートウエイ102は、ベースステーション101に対するフレームの構築についての低レベル命令(例えば、物理層命令)を生成し、それらの命令をベースステーション101に送ることで、それらの命令に基づいて容易にフレームを生成することができる。
【0017】
フレーム構造
図2は、一例であるブロードキャストフレーム200を図示する。フレーム200は、周囲の無線通信伝送との連携を容易にする基礎となるフレーム構成とは無関係に、指定された持続時間を占める。この例では、フレーム200は、1秒の持続時間を有する。しかしながら、フレーム200は、他の適切な持続時間を有してもよいことを認識されたい。一例では、フレームの長さは、動的に信号伝達することができる。ブロードキャストフレーム200は、任意選択的な補助終了信号(ATS)フィールド208が後続するプリアンブル領域204およびペイロード領域206に分割することができる。示されている例では、プリアンブル領域204およびATS領域208は、フレーム202の開始および終了の網掛けした区分で表示されている。各領域の時間の相対的な長さ(横軸)およびシンボルの数は、この例示的な図では縮尺通りに示されていない。
【0018】
プリアンブル204は、フレーム制御領域210(以下、「PFCCH」と呼ぶ)およびコンテンツ制御領域212(以下、「PCCCH」と呼ぶ)にさらに細分することができる。2つの領域の役割は、以下のように要約することができる。PFCCH210は、フレーム構成を受信端子に信号伝達するために用いられる。PFCCH210は、信号設計および基礎となるシグナリングプロトコルを表す。フレーム構成は、プリアンブルの長さ、フレームの長さ、信号帯域幅およびサンプリングレート、PCCCH210に適用される変調および符号化、ならびにATSの存在のうちの1つまたは複数の組み合わせを含むことができる。PFCCH210は、さらに初期同期を提供し、フレーム動作モードを確立する。PFCCH210は、チャネル推定および初期キャリア周波数オフセット(CFO)評価も可能にする。
【0019】
PCCCH212は、ペイロード構成をレシーバに信号伝達するために用いられる。特に、PCCCH212は、パーティションの数、および各パーティションにおいて適用されるFFTサイズおよびCP持続時間など、信号の次元を含むペイロード領域のコンテンツを表す。PCCCH212は、各パーティションに、変調、符号化スキームおよびインタリーバ深度を含むデータストリームのマッピングも信号伝達する。
【0020】
特定のプリアンブルを検出することで、残りのプリアンブルシンボルが解釈されるコンテキストを設定する。例えば、ブロードバンドサービスによるスペクトルを用いれば、ブロードキャストプリアンブルにおいて信号伝達される別個のコンテキストに対して「プライベート(private)」としてマッピングすることになる。ブロードバンドのオペレータは、他のフィールドを定義することを選択して、ブロードキャストユーザに対して広告することができる。例えば、フィールドは、伝送がどの程度の長さの時間およびいずれの信号帯域幅を占めるかを定義することができる。ブロードキャストレシーバは、それ以外の場合には、それを受信するためにブロードキャストデバイスが装備されているサービスコンテキスト以外のものに属するとして現在のフレームを無視するように指示される。
【0021】
様々なチャネル障害が存在する状態において信頼性の高い検出を行うために、特定のサービス要件が必要な場合があることを認識されたい。例えば、加法性白色ガウス雑音(「AWGN」)の検出漏れ(「MD」)および偽警報(「FA」)の確率およびマルチパスフェージングの確率を低くするために、最大ドップラーシフトおよび最大遅延拡散許容度を課す場合がある。一例では、3kHzのサブキャリア間隔を用いたFFTであるとして、最大ドップラーシフトは、700MHzで288MPH(463KPH)、または2100MHzで96MPH(154KPH)とすることができる。一例では、遅延拡散許容度は167μsまたは31MI(50KM)とすることができる。同じ間隔でサブキャリアをスキップ(すなわちゼロを挿入)して信号帯域幅を維持することにより、検出の信頼性およびシグナリング能力を犠牲にして、所与のキャリア周波数に対してドップラー許容度を大きくし得ることを認識されたい。
【0022】
PFCCH
PFCCH210は、ブロードキャストレシーバに対する汎用的なサービス入口点を提供する。PFCCH210は、すべての受信デバイスに既知の固定の構成を用いる。特に、PFCCH210の構成は、すべての受信デバイスに既知のサンプリングレート、信号帯域幅、サブキャリア間隔、およびガード区間を含むことができる。PFCCH210は、各フレーム期間の開始時に配置された同期シンボルによって開始され、サービス発見、粗同期および初期チャネル推定を可能にする。PCCCH212で用いられるシンボル構成を含むフレーム構造を決定するパラメータは、残りのPFCCH210のシンボル期間に信号伝達される。
【0023】
レシーバの複雑性を最小限にするために、PFCCH210を固定された周波数でサンプリングしてもよい。一例では、PFCCHは、6.144Ms/sでサンプリングしてもよい。信号を最小帯域幅に制限して、割り当てられたチャネル帯域幅とは無関係にあらゆるレシーバによる受信を可能にする。一例では、信号を最小4.5MHzの帯域幅に制限することができる。図3は、例示的なPFCCH210の次元302を示す。FFTの次元304を選択して、必要なサブキャリア間隔を確保する。サイクリックプレフィックス(CP)306を挿入して、プリアンブルシンボル間の適切な遅延拡散許容度を確保する。したがって、本例では、次式のように示される。
【数1】
【0024】
図4は、PFCCH210を発生させるためのシステム400として図示する。PFCCH210は、系列発生部410により、周波数領域において疑似雑音(「PN」)系列404によってザドフ−チュー(「ZC」)系列402が変調されて発生する。PN系列は、図5Aに図示された、元のZC系列の望ましい定振幅零自己相関波形(「CAZAC」)特性を保持する個々の複素サブキャリアを位相回転させる。位相回転の追加は、図5Bに図示された、PN系列変調を加えないZC系列を用いて観察されるスプリアスの自己相関応答を抑える、同一のルート系列のサイクリックシフト間の信号分離を大きくすることを意図するものである。
【0025】
ZCは、理想的なサイクリック自己相関を特徴とする優れた検出特性を示すCAZAC系列を構成する。例えば、それ自体のサイクリックシフトされたバージョンとの相関はデルタ関数を返す。ZC系列は、周波数領域の対応するラグを生成する時間領域におけるルート系列のルート、q、およびサイクリックシフトによって定義される。
【数2】

ここで、ZCのルートインデックス、q∈{1,...,Nzc−1}、n=0,1,...,Nzc−1である。
【0026】
ルート系列のサイクリックシフトは、上記の式(2)中のnを、特定の値n−mに置き換えることにより導き出すことができる。ここでmは、意図される時間シフトを表す。ルート系列は、m=0に相当する。その結果生じる系列は、次のように計算される。
【数3】

ここで、q∈{1,...,Nzc−1}、n=0,1,...,Nzc−1、mは割り当てられたサイクリックシフトを表す。
【0027】
PN系列は、系列ルートによっては観察されることがあるスプリアスのオフピーク応答を抑える役割を果たす。PN系列を追加することにより、PFCCH210の後続するシンボルから同期検出するように意図された初期シンボルを区別する信頼性の高い手段を提供する。PN系列をそのまま進行させ、プリアンブルの冒頭においてリセットすることにより、同期検出シンボルの遅延レプリカと相関する可能性を排除する。それは、バーストノイズ、シャドーイングまたは深いチャネルフェーディングにより初期のプリアンブルシンボルが見落とされる場合に、誤検出の可能性も最小限にする。
【0028】
図6は、一例である系列発生部410を図示する。PN系列発生部410は、線形フィードバックシフトレジスタ(LFSR)602から派生している。その動作は、LFSRフィードバック経路でタップを指定する生成多項式604によって支配され、系列の出力608に寄与する要素を指定するマスク606がこの後に続く。生成多項式の特定化、レジスタのマスクおよび初期状態は、シードを代表するものである。例えば、シード=f(g,m,rinit)である。
【0029】
図4を再び参照すると、システム400は、系列発生部410の出力を逆高速フーリエ変換(「IFFT」)408の入力にマッピングするためのサブキャリアマッピングモジュール412を含む。CPモジュール406は、CPをIFFT408の出力に加えるように構成されている。
【0030】
一例では、PN系列は、実信号成分および虚信号成分(すなわちI、Q)を独立して変調するIFFT408の入力においてルートZC系列に対して、1つのサブキャリア当たり{±π/4,±3π/4}回転を提供する4相位相偏移キーイング(「QPSK」)シンボルにマッピングされる。一例では、I信号およびQ信号がもはや独立して変調されないのであれば、おそらくより狭い間隔で{0,π}回転を提供する2相位相偏移キーイング(「BPSK」)変調を同様に用いることができる。
【0031】
PFCCHシンボル210は、利用可能な信号帯域幅を最大限に使用するように構成されている。サブキャリアマッピングはさらに、素数長のZC系列の使用を可能にするように制限される。したがって、次式になる。
【数4】
【0032】
複素系列発生部410の出力は、サブキャリアマッピングモジュール412によって、DCサブキャリアのいずれかの側のIFFT408の入力にマッピングされる。奇数長の系列であれば、1つの追加のサブキャリアが負の周波数にマッピングされる。これにより、正の周波数がDCを含む等しい数のサブキャリアが正および負の周波数にマッピングされるようになる。
【0033】
IFFT408の出力は、チャネル遅延拡散に対応するためにCPモジュール406によって循環的に拡散される。CP長は、最大予想遅延拡散許容度を超過するように選択される。したがって、次式になる。
【数5】
【0034】
図7は、PFCCH410シンボルコンテンツを通した、プリアンブル204のPCCCH412コンテンツまでの進行の一例を図示する。第1番目の送信されたPFCCHシンボル708は、同期検出およびモード選択を提供する。それは、チャネル推定にも用いられる。一例では、同期検出は、ZC系列の多数の規定されたルートのうちの1つ(ゼロサイクリックシフト)に対する相関に基づいている。一例では、PN変調を含む検出されたルート系列は、フレームにおいて行われるサービスタイプ/モードを決定する。例えば、サービスタイプ/モードは、ONE Media Standalone Transmission、ブロードキャスト管理交換(BMX)の構成制御下でのONE Media Transmission、ONE Media BMX Beacon、Private Use、または別の適切なサービスタイプ/モードを含むことができる。ルート系列はさらに、別個のサービスクラス、動作モード、送信機/サービスオペレータ等を識別することも可能である。
【0035】
一例では、チャネル推定は、レシーバにおいて、PN変調を含む検出されたルート系列のローカルコピーとの相互相関に基づいて実行される。チャネル推定は、残りのPCCCHシンボル412を復号する前に、チャネル効果、特に時間分散を補償する際に用いられる。
【0036】
初期の同期検出に続いて、すなわち第2期シンボル期間に、検出されたルート系列のサイクリックシフトがシンボル710に適用され、フレーム構成を伝える。一例では、観察または推定されたサイクリックシフトは、割り当てられたビットフィールドにマッピングされる。その意味は、同期検出シンボルへの近接度のなど、現在のシンボル期間に特有であり、検出されたサービスモードによって設定されたコンテキストに対して解釈される。
【0037】
一例では、第2期シンボル期間中の解釈はさらに、先行するシンボル期間中に設定されたコンテキストに依存することもあり得る。例えば、送信機は、所与のシンボル期間中の許容可能なサイクリックシフトを細分して、別個のコンテキストを確立することにより、検出されたサービスタイプを下回る複数のレベルまでシグナリング階層を拡張することも可能である。
【0038】
一例では、第2期シンボル期間中に信号伝達されたパラメータは、フレームカウント、フレーム持続時間、PCCCHだけでなくフレームペイロードで使用される信号帯域幅、PCCCHのFFTサイズおよびCP長、PCCCH変調、ならびに符号化率のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0039】
一例では、第2期のシンボルごとにCPとの遅延相関が計算され、周波数オフセット推定の精度を高め、それに対する補償が次のシンボル期間に適用される。
【0040】
図9に図示されるように、最終のシンボル期間に送信された系列は、反転されて(すなわち180°回転して)PFCCH410の終了を信号伝達している。一例では、最終のPFCCH410シンボルは、上述したようなパラメータ選択を伝えるのに必要とされるようなサイクリックシフトを含む。一例では、系列の位相を反転することにより、必要に応じてシグナリング能力を増大させるようにPFCCH410の長さを拡張可能にしつつ、次のシンボル期間のPCCCH412の開始を表示する効率的な手段がもたらされる。
【0041】
PCCCH
PCCCH412は、端子がフレームペイロードを復号し、関心のある部分または番組を抽出するのに必要な情報を含んでいる。一例では、PCCCH412は、フレームパーティションの数を含む。
【0042】
一例では、PCCCH412は、各パーティションに対して、こうしたパーティションに配分された物理リソースを含む。これは、いずれの特定のシンボルがこうしたパーティションに配分されるかだけでなく、こうしたパーティションに配分されたOFDMシンボルの数を含むことができる。別個のパーティションが互いにインターリーブされ得ることを認識されたい。PCCCH412は、各パーティションに対してFFTサイズおよびサイクリックプレフィックス長も含むことができる。一例では、PCCCH412は、フレームのパーティションの数も含むことができる。
【0043】
一例では、PCCCH412は、各サービスデータストリームに対して、こうしたストリームに関連付けられたサービス、こうしたストリームに配分された物理リソース、こうしたストリームに用いられる変調、およびバイトで表したトランスポートブロックサイズを含む。
【0044】
一例では、PCCCH412は、送信機ID、位置/所在地情報、不連続受信等が可能になるように用いられる、補助終了シンボル(ATS)の存在/不在を含む。
【0045】
PCCCHは、従来のOFDMシンボルを用いて行われ、その帯域幅、FFTサイズ、およびCP長は、PFCCHの一部として通信されるパラメータ設定に従って設定されることを認識されたい。
【0046】
変調、符号化率、およびパイロット密度もPFCCH内で送られたパラメータに従って設定される。意図しているのは、ペイロードシンボルの信頼度をちょうど超過するようにシグナリングを供給することである。例えば、相対的に高い符号化率(すなわち最小の冗長性)で送られた、256−QAMのペイロードを含んでいるフレームであれば、シグナリングするために非常に低い符号化率でQPSKを使用する利点はない。その代わりに、シグナリングのためだけでなく、オーバーヘッドを最小にするためにもより高位の変調およびより高い符号化率が用いられる。
【0047】
一例では、様々なチャネル状態に遭遇する可能性に対応するように、場合により様々なサービス配備ごとにPCCCHのパーティショニングが導入される。様々なチャネル状態は、例えば、移動体状態か固定状態かだけでなく、同一の伝送内に移動体状態と固定状態とが混在する可能性も含むことがある。
【0048】
図9は、パーティション902に分割されたPFCCH210およびPCCCH212を含む一例である、フレーム900を図示する。歩行者速度などの低速の移動性の下での受信は、短期間の周波数全体にわたる著しい信号減衰を特徴とする平坦フェージングが厄介な問題となっている。深いフェージングが数十マイクロ秒(μs)続き、割り当てられた変調次数および符号化率に関係なく全シンボル期間にわたってデータ保全性を損なうおそれがある。データ損失は、データ受信だけでなくシグナリングにも影響する可能性がある。PFCCH210は、ペイロードデータ受信要件を十分下回るSNRレベルで堅牢性を提供する実質的な信号処理利得の恩恵を得ている。一方、PCCCH212は、構成成分がフレームペイロードに近いことにより、この種のフェージングに対して等しく脆弱になっている。このため、PCCCH212をパーティション902に分割することにより、様々な配備シナリオに対処するように符号化する様々な方法が可能になる。
【0049】
一例では、PFCCHにおいて信号伝達されるようにパーティショニングすることにより、時間ダイバーシチが向上し、PCCCH受信の信頼性が増すことを認識されたい。
【0050】
一例では、良好なチャネル(固定チャネル/ライス(Ricean)チャネル)は、符号化、変調、および時間ダイバーシチのうちの1つの方法を用い、歩行者チャネル(ローリー(Raleigh)チャネル/平坦フェージングチャネル)であれば、符号化、変調、および時間ダイバーシチの代替法を用いることになる。
【0051】
一例では、スケジューラが、プロビジョニングの役割を果たす。
【0052】
一例では、符号化は、時間的に密集した、帯域の周波数の最も中心部分にわたる信号を示す。この種のシグナリングは、平坦フェージングに遭遇する可能性がほぼ存在しない固定受信に適切であり得る。別の例では、代替符号化は、帯域端に配置されたリソースを占める多数のシンボル期間にわたって信号を、場合により周波数ダイバーシチを追加するためにシンボル期間ごとに交番させて、拡散することができる。この構成は、平坦フェージングに起因して複数のシンボル期間が損なわれるおそれがある移動体受信により適切であり得る。時間および周波数ダイバーシチが追加されれば、信号回復の可能性を大幅に高めることができる。
【0053】
2つの符号化を周波数で分ける方法であれば、両方の信号符号化を同時に、すなわち1つは移動体受信に最も適した方法で、および1つは固定受信に最も適した方法で送る可能性が存在する。一例では、固定されたシグナリング方法のコンテンツであれば、監視すべきフレームのパーティションおよび対応するペイロードシンボルの周期性など、固定レシーバに必要なコンテンツに制限されることがある。同様に、移動体のシグナリング方法のコンテンツは、移動サービスに対応するパーティションおよびシンボル期間に限定されることがある。
【0054】
図10は、送信デバイスを動作させるための方法の一例を図示する。ステップ1002において、送信デバイスがインデックス値のセットからルートインデックス値を選択する。ステップ1004において、送信デバイスは、選択されたルートインデックス値に基づいて周波数領域のCAZAC系列を生成する。ステップ1006において、送信デバイスは、PN系列によってCAZAC系列を変調する。ステップ1008において、送信デバイスは、PN系列によって変調されたCAZAC系列により定義されたOFDMシンボルを生成する。ステップ1010において、送信デバイスは、プリアンブルの初期OFDMシンボルとして、OFDMシンボルを送信する。
【0055】
図11は、受信デバイスを動作させるための方法の一例を図示する。ステップ1102において、受信デバイスが、送信機によって送信された信号のサンプルのセットを受信する。ステップ1104において、受信デバイスは、P−N系列によって変調された複数のCAZAC系列のそれぞれに対して、サンプルセットを相関させ、送信された信号のフレームのプリアンブルの初期OFDMシンボルを検出する。ここでCAZAC系列は、別個のルートインデックス値にそれぞれ対応し、P−N系列は、P−Nシード値に基づいている。ステップ1106において、受信デバイスは、プリアンブルの後続するOFDMシンボルに対応するシンボルデータセットの取得を同期させる。ここで取得の同期は、複数のCAZAC系列の中で最大の相関応答を与える特定のCAZAC系列に関連付けられた相関ピークに基づいている。
【0056】
本明細書に記載された様々な実施形態のいずれもが、例えば、コンピュータ実装型の方法として、コンピュータ可読メモリ媒体として、コンピュータシステムとしてなど、様々な形態のいずれかにおいて実現することができる。システムは、特定用途向け集積回路(ASIC)などの1つまたは複数の専用設計のハードウェアデバイスによって、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの1つまたは複数のプログラマブルハードウェア要素によって、記憶されているプログラム命令を実行する1つまたは複数のプロセッサによって、または上記の任意の組み合わせによって実現することができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読メモリ媒体は、プログラム命令および/またはデータを記憶するように構成することができ、このプログラム命令は、コンピュータシステムによって実行された場合に、コンピュータシステムに、例えば、本明細書に記載の方法の実施形態のいずれか、または本明細書に記載の方法の実施形態の任意の組み合わせ、または本明細書に記載の方法の実施形態のいずれかの任意のサブセット、またはこのようなサブセットの任意の組み合わせである方法を実行させる。
【0058】
いくつかの実施形態では、コンピュータシステムは、プロセッサ(またはプロセッサのセット)およびメモリ媒体を含むように構成することができ、メモリ媒体はプログラム命令を記憶し、プロセッサは、メモリ媒体からのプログラム命令を読み出して実行するように構成され、プログラム命令は、本明細書に記載の様々な方法の実施形態のいずれか(または本明細書に記載の方法の実施形態の任意の組み合わせ、または本明細書に記載の方法の実施形態のいずれかの任意のサブセット、またはこのようなサブセットの任意の組み合わせ)を実施するように実行可能である。コンピュータシステムは、様々な形態のいずれにおいても実現可能である。例えば、コンピュータシステムは、(その様々な実現形態のいずれにおいても)パーソナルコンピュータ、ワークステーション、カード上のコンピュータ、ボックス内の特定用途向けコンピュータ、サーバコンピュータ、クライアントコンピュータ、ハンドヘルドデバイス、移動体デバイス、ウェアラブルコンピュータ、感知デバイス、テレビジョン、ビデオ取得デバイス、生体埋め込み型コンピュータなどであってもよい。コンピュータシステムは、1つまたは複数のディスプレイデバイスを含んでもよい。本明細書で開示されている様々な計算結果はいずれも、ディスプレイデバイスを介して表示することができ、あるいはそうでない場合はユーザインタフェースデバイスを介して出力として表すことができる。
【0059】
用語「含む(includes)」または「含んでいる(including)」が本明細書または請求項で使用される限りにおいて、用語「含んでいる(comprising)」は、請求項の連結詞としてこの用語が用いられる場合に解釈されるように、包括的であることが意図される。さらに、用語「または」が用いられる限りにおいて(例えば、AまたはB)、「AもしくはBまたは両方」を意味することが意図される。本出願人が、「AもしくはBのみであるが、両方ではない」を表示することを意図するときには、用語「AもしくはBのみであるが、両方ではない」を用いることになる。したがって、本明細書における用語「または」の使用は包括的使用であり、排他的使用ではない。Bryan A. Garner, A Dictionary of Modern Legal Usage 624 (2d. Ed. 1995)を参照されたい。また、用語「〜内において」または「〜内へと」が本明細書または請求項で使用される限りにおいて、さらに「〜上において」または「〜上へと」を意味することが意図される。さらに、用語「接続する」が本明細書または請求項で使用される限りにおいて、「直接的に接続する」を意味するだけではなく、1つまたは複数の別の構成要素を介して接続されるような「間接的に接続する」も意味することが意図される。
【0060】
本出願は、本出願の実施形態の説明によって例示されており、実施形態は、かなり詳細に説明されているが、添付の特許請求の範囲をこのような詳細内容に限定するかまたは何らかの方法で制限することは、本出願人らの意図することではない。追加の利点および修正形態は、当業者であれば容易に想到されるであろう。したがって、本出願は、その広範な態様において、特定の詳細内容に限定されず、代表的な装置および方法ならびに代表的な例が示され、説明される。したがって、本出願人の全体的な発明概念の趣旨または範囲から逸脱することなく、このような詳細内容からの逸脱を行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11