特許第6438748号(P6438748)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社SCREENホールディングスの特許一覧
<>
  • 特許6438748-塗布方法および塗布装置 図000002
  • 特許6438748-塗布方法および塗布装置 図000003
  • 特許6438748-塗布方法および塗布装置 図000004
  • 特許6438748-塗布方法および塗布装置 図000005
  • 特許6438748-塗布方法および塗布装置 図000006
  • 特許6438748-塗布方法および塗布装置 図000007
  • 特許6438748-塗布方法および塗布装置 図000008
  • 特許6438748-塗布方法および塗布装置 図000009
  • 特許6438748-塗布方法および塗布装置 図000010
  • 特許6438748-塗布方法および塗布装置 図000011
  • 特許6438748-塗布方法および塗布装置 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6438748
(24)【登録日】2018年11月22日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】塗布方法および塗布装置
(51)【国際特許分類】
   B05D 1/26 20060101AFI20181210BHJP
   B05D 3/04 20060101ALI20181210BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20181210BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20181210BHJP
   B05C 13/02 20060101ALI20181210BHJP
   B05C 11/06 20060101ALI20181210BHJP
【FI】
   B05D1/26 Z
   B05D3/04 Z
   B05D7/24 301K
   B05C5/00 101
   B05C13/02
   B05C11/06
【請求項の数】12
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-241954(P2014-241954)
(22)【出願日】2014年11月28日
(65)【公開番号】特開2016-101563(P2016-101563A)
(43)【公開日】2016年6月2日
【審査請求日】2017年6月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 要
(72)【発明者】
【氏名】小椋 浩之
【審査官】 伊藤 寿美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−122857(JP,A)
【文献】 特開2006−198485(JP,A)
【文献】 特開平05−259050(JP,A)
【文献】 特開2008−060462(JP,A)
【文献】 特開平11−162808(JP,A)
【文献】 特開2005−028227(JP,A)
【文献】 特開昭60−171115(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D 1/00− 7/26
B05C 5/00−21/00
G03C 3/00,
7/00− 7/18
H01L 21/30,21/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円形の基板の中心部から前記基板の外縁部の一方向に延びるように長手に配置されたスリット開口部であって、長手方向の長さが前記基板の半径又はそれ未満で構成された前記スリット開口部を有するスリットノズルにより、基板上に薬液を吐出する工程と、
前記スリットノズルにより薬液を吐出する際に、薬液吐出用回転部により、前記基板と前記スリットノズルとを前記基板の中心部周りに相対的に回転させる工程と、
薬液の吐出終了後、薬液吐出の始点と終点の間の薬液膜の重なり部分または隙間に少なくとも向けて、前記基板の上方の気体ノズルから気体を吹き付けることにより、前記基板上に形成された前記薬液膜の重なり部分または隙間を平坦化させる工程と、
を備えていることを特徴とする塗布方法。
【請求項2】
請求項に記載の塗布方法において、
前記気体は、溶剤の蒸気を含む気体であることを特徴とする塗布方法。
【請求項3】
請求項またはに記載の塗布方法において、
前記気体ノズルにより気体を吹き付ける際に、気体ノズル移動部により、前記気体ノズルを前記基板の半径方向に移動させる工程を更に備えていることを特徴とする塗布方法。
【請求項4】
請求項からのいずれかに記載の塗布方法において、
前記気体ノズルにより気体を吹き付ける際に、気体吹付用回転部により、前記気体ノズルと前記基板とを前記基板の中心部周りに相対的に回転させる工程を更に備えていることを特徴とする塗布方法。
【請求項5】
請求項1からのいずれかに記載の塗布方法において、
前記スリット開口部は、前記基板の外縁部側の端部が前記基板の外縁部よりも内側に位置するように構成されていることを特徴とする塗布方法。
【請求項6】
請求項1からのいずれかに記載の塗布方法において、
前記スリット開口部は、前記基板の中心部側の端部が前記基板の中心部よりも外側に位置するように構成されていることを特徴とする塗布方法。
【請求項7】
請求項1からのいずれかに記載の塗布方法において、
前記スリット開口部は、前記基板の中心部から前記基板の外縁部に向かうにつれて、幅が大きいことを特徴とする塗布方法。
【請求項8】
請求項1からのいずれかに記載の塗布方法において、
前記スリットノズルは、前記基板の中心部から前記基板の外縁部に向かうにつれて、供給される薬液量が多くなるように構成されていることを特徴とする塗布方法。
【請求項9】
請求項またはに記載の塗布方法において、
前記スリットノズルは、前記基板の中心部から前記基板の外縁部に向かうにつれて、前記スリット開口部と前記基板の表面との隙間が大きくなるように構成されていることを特徴とする塗布方法。
【請求項10】
請求項1からのいずれかに記載の塗布方法において、
前記薬液吐出用回転部による回転は、360度未満であることを特徴とする塗布方法。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の塗布方法において、
前記薬液の粘度は、300cP以上10000cP以下であることを特徴とする塗布方法。
【請求項12】
円形の基板の中心部から前記基板の外縁部の一方向に延びるように長手に配置されたスリット開口部であって、長手方向の長さが前記基板の半径又はそれ未満で構成された前記スリット開口部を有して、基板上に薬液を吐出するスリットノズルと、
前記スリットノズルにより薬液を吐出する際に、前記スリットノズルと前記基板とを前記基板の中心部周りに相対的に回転させる薬液吐出用回転部と、
薬液の吐出終了後、薬液吐出の始点と終点の間の薬液膜の重なり部分または隙間に少なくとも向けて、前記基板の上方から気体を吹き付けることにより、前記基板上に形成された前記薬液膜の重なり部分または隙間を平坦化させる気体ノズルと、
を備えていることを特徴とする塗布装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板、液晶表示用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等の円形(円盤状)の基板に、高粘度の薬液を塗布する塗布方法および塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、塗布装置は、基板を略水平姿勢で保持して回転させる回転保持部と、レジスト等の薬液を基板に吐出するノズルとを備えている(例えば、特許文献1参照)。塗布装置は、ノズルから基板の中心部に薬液を供給し、基板保持部で基板を高速回転させる。これにより、基板全面に薬液が広がり、薬液の膜が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−162808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来装置の場合には、次のような問題がある。すなわち、スピン塗布方式の場合、回転により薬液を基板全面に広げるため、薬液を基板外へ無駄に捨ててしまう。特に、粘度が高くなるほど薬液を基板全面に広げにくく、多量の薬液が必要になり、多量の薬液を基板外へ無駄に捨ててしまう。その結果、高価な薬液を使用する際など、コスト的に不利となる。
【0005】
また、スピン塗布方式では、厚膜を形成する際に、回転により成膜する性質上、厚膜の目標値よりも薄くなる。この場合、例えば、2回塗布して2層の膜を形成する。そのため、薬液を更に無駄に捨ててしまい、また、処理時間が長くなってしまう。
【0006】
一方、スピン塗布しない方式として、図10のように、角基板(矩形状基板)の上方をスリットノズル103で一方向に移動させつつ、薬液を塗布するスキャン塗布方式がある。この方式で円形基板Wに塗布する場合、図10の斜線のように、無駄に薬液を捨てる領域SHが発生する。
【0007】
また、スキャン塗布方式では、スリットノズル103の吐出口と円形の基板Wとの隙間が均一に保てないことにより、特に、高粘度の薬液を基板Wに均一な厚みで塗布できない。すなわち、角基板Wの場合、図11(a)のように、吐出開始時にカーテン状に良好な液柱が形成され、また、それが維持されるので、均一な厚みで塗布できる。これに対し、円形の基板Wの場合は、図11(b)のように、吐出開始時に、円形の基板Wの外縁部Eの1点でしか接液しないので、カーテン状に良好な液柱が形成されない。そのため、均一な厚みの膜が形成されず、塗布ムラが発生する。
【0008】
また、特許文献1のように、スリットノズルを基板中心部の上方に配置して、基板を回転させて塗布した場合には、無駄に捨てる薬液は抑えられる。しかし、基板中心部に薬液を吐出する場合、その部分に形成された薬液の膜は厚くなり易く、薬液の跳ね返りで、スリットノズルが汚れる問題が生じる。スリットノズルが薬液で汚れ、その薬液が固化して残ると、パーティクルとなって基板を汚染する不具合が生じるおそれがある。その他の部分に付着したり、汚れた部分により均一な厚みで塗布できなかったりする。なお、特許文献1で使用される薬液の粘度は、11cP(centipoise)である。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、無駄な薬液を抑えつつ、円形の基板上に良好に薬液を塗布することが可能な塗布方法および塗布装置を提供することを目的とする。また、スリットノズルの汚れを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係る塗布方法は、円形の基板の中心部から前記基板の外縁部の一方向に延びるように長手に配置されたスリット開口部であって、長手方向の長さが前記基板の半径又はそれ未満で構成された前記スリット開口部を有するスリットノズルにより、基板上に薬液を吐出する工程と、前記スリットノズルにより薬液を吐出する際に、薬液吐出用回転部により、前記基板と前記スリットノズルとを前記基板の中心部周りに相対的に回転させる工程と、薬液の吐出終了後、薬液吐出の始点と終点の間の薬液膜の重なり部分または隙間に少なくとも向けて、前記基板の上方の気体ノズルから気体を吹き付けることにより、前記基板上に形成された前記薬液膜の重なり部分または隙間を平坦化させる工程と、を備えていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明に係る塗布方法によれば、スリットノズルのスリット開口部は、円形の基板の中心部から基板の外縁部に一方向に延びるように長手に配置され、また、長手方向の長さが基板の半径又はそれ未満で構成されている。このようなスリットノズルにより基板上に薬液を吐出するが、この際に、薬液吐出用回転部により、基板とスリットノズルとを基板の中心部周りに相対的に回転させる。それにより、スリットノズルから吐出された薬液が全て基板上に着液して良好な液柱を形成し、円形の基板の外縁部に沿って基板略全面に薬液の膜が形成される。そのため、無駄な薬液を抑えつつ、基板上に良好に薬液を塗布することができる。
【0012】
また、本発明に係るスリットノズルにより吐出して形成された薬液の膜は、薬液吐出の始点と終点との繋ぎ目部分を1つにすることができるので、膜厚が大きくなるおそれのある部分を少なくすることができる。また、スリットノズルの長手方向の長さが短いほど、汚れにくく、また、メンテナンスし易い。
【0013】
また、塗布方法は、薬液の吐出終了後、薬液吐出の始点と終点の間の薬液膜の重なり部分または隙間に少なくとも向けて、前記基板の上方の気体ノズルから気体を吹き付けることにより、前記基板上に形成された前記薬液膜の重なり部分または隙間を平坦化させる工程を更に備えている。これにより、薬液の膜を平坦化させることができる。
【0014】
また、上述の塗布方法において、前記気体は、溶剤の蒸気を含む気体であることが好ましい。溶剤の蒸気を含んでいない気体を薬液の膜に吹き付けると、吹き付けた部分で薬液中の溶剤が気化して薬液を乾燥させてしまうおそれがある。しかし、気体に溶剤の蒸気が含まれているので、この気体を薬液の膜に吹き付けても、薬液中の溶剤が気化して乾燥することを抑えることができる。
【0015】
また、上述の塗布方法において、前記気体ノズルにより気体を吹き付ける際に、気体ノズル移動部により、前記気体ノズルを前記基板の半径方向に移動させる工程を更に備えていることが好ましい。これにより、気体ノズルを基板の半径方向に移動させながら、薬液の膜に気体を吹き付けることができる。例えば、スリットノズルによる吐出の始点と終点の重なり部分で薬液の膜厚が大きくなってしまうが、この部分を平らにすることができる。
【0016】
また、上述の塗布方法において、前記気体ノズルにより気体を吹き付ける際に、気体吹付用回転部により、前記気体ノズルと前記基板とを前記基板の中心部周りに相対的に回転させる工程を更に備えていることが好ましい。これにより、基板と気体ノズルとを基板の中心部周りに相対的に回転させながら、薬液の膜に気体を吹き付けることができる。また、気体ノズルの半径方向の移動と組み合わせれば、基板内のあらゆる位置に気体ノズルを移動させることができる。
【0017】
また、上述の塗布方法において、前記スリット開口部は、前記基板の外縁部側の端部が前記基板の外縁部よりも内側に位置するように構成されていることが好ましい。基板の外縁部まで、薬液の膜が形成されていると、基板搬送時に、基板搬送機構のアームが汚れてしまう問題が生じる。しかし、外縁部Eまで薬液の膜Fが形成されないので、基板搬送機構のアームの汚れを抑えることができる。また、エッジカットリンスおよびバックサイドリンスが不要となる。また、基板の外縁部まで回転により薬液を広げないので、プリウェット処理が不要となる。そのため、各処理を省略できる。これにより、各処理液を使用しないので、処理液の排出量を削減させることができる。
【0018】
また、上述の塗布方法において、前記スリット開口部は、前記基板の中心部側の端部が前記基板の中心部よりも外側に位置するように構成されていることが好ましい。基板の中心部に薬液を吐出すると、薬液の膜が盛り上がりやすい。そのため、盛り上がった膜が原因で、例えば、吐出した薬液が跳ね返ってスリットノズルを汚してしまうおそれがある。しかし、基板の中心部に薬液を吐出しないので、薬液の膜の盛り上がりを抑えることができる。
【0019】
また、上述の塗布方法において、前記スリット開口部の一例は、前記基板の中心部から前記基板の外縁部に向かうにつれて、幅が大きい。スリット開口部の幅を変えることにより、単位面積当たりの吐出量を揃えることができ、基板の半径方向における塗布ムラを抑えることができる。
【0020】
また、上述の塗布方法において、前記スリットノズルの一例は、前記基板の中心部から前記基板の外縁部に向かうにつれて、供給される薬液量が多くなるように構成されている。スリットノズルに供給される薬液量を変えることにより、単位面積当たりの吐出量を揃えることができ、基板の半径方向における塗布ムラを抑えることができる。
【0021】
また、上述の塗布方法において、前記スリットノズルは、前記基板の中心部から前記基板の外縁部に向かうにつれて、前記スリット開口部と前記基板の表面との隙間が大きくなるように構成されていることが好ましい。基板の中心部よりも基板の外縁部の方が薬液の吐出量が多いので、吐出量に合った最適な高さにすることで、膜厚を均一に形成することができる。また、跳ね返り等によるスリットノズルの汚れを防止できる。
【0022】
また、上述の塗布方法において、前記薬液吐出用回転部による回転の一例は、360度未満である。これにより、スリットノズルによる薬液吐出の始点と終点との間に隙間を設けることができる。そのため、薬液の膜が重なって薬液の膜厚が大きくなり、吐出した薬液の跳ね返り等によるスリットノズルの汚れを防止できる。
【0023】
また、上述の塗布方法において、前記薬液の粘度は、300cP以上10000cP以下であることが好ましい。これにより、高粘度の薬液について、無駄な薬液を抑えつつ、円形の基板上に良好に薬液を塗布することができる。
【0024】
また、本発明に係る塗布装置は、円形の基板の中心部から前記基板の外縁部の一方向に延びるように長手に配置されたスリット開口部であって、長手方向の長さが前記基板の半径又はそれ未満で構成された前記スリット開口部を有して、基板上に薬液を吐出するスリットノズルと、前記スリットノズルにより薬液を吐出する際に、前記スリットノズルと前記基板とを前記基板の中心部周りに相対的に回転させる薬液吐出用回転部と、薬液の吐出終了後、薬液吐出の始点と終点の間の薬液膜の重なり部分または隙間に少なくとも向けて、前記基板の上方から気体を吹き付けることにより、前記基板上に形成された前記薬液膜の重なり部分または隙間を平坦化させる気体ノズルと、を備えていることを特徴とするものである。
【0025】
本発明に係る塗布装置によれば、スリットノズルのスリット開口部は、円形の基板の中心部から基板の外縁部に一方向に延びるように長手に配置され、また、長手方向の長さが基板の半径又はそれ未満で構成されている。このようなスリットノズルにより基板上に薬液を吐出するが、この際に、薬液吐出用回転部により、基板とスリットノズルとを基板の中心部周りに相対的に回転させる。それにより、スリットノズルから吐出された薬液が全て基板上に着液して良好な液柱を形成し、円形の基板の外縁部に沿って基板略全面に薬液の膜が形成される。そのため、無駄な薬液を抑えつつ、基板上に良好に薬液を塗布することができる。
【0026】
また、本発明に係るスリットノズルにより吐出して形成された薬液の膜は、薬液吐出の始点と終点との繋ぎ目部分を1つにすることができるので、膜厚が大きくなるおそれのある部分を少なくすることができる。また、スリットノズルの長手方向の長さが短いほど、汚れにくく、また、メンテナンスし易い。
また、塗布装置は、薬液の吐出終了後、薬液吐出の始点と終点の間の薬液膜の重なり部分または隙間に少なくとも向けて、前記基板の上方から気体を吹き付けることにより、前記基板上に形成された前記薬液膜の重なり部分または隙間を平坦化させる気体ノズルを更に備えている。これにより、薬液の膜を平坦化させることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る塗布方法および塗布装置によれば、スリットノズルのスリット開口部は、円形の基板の中心部から基板の外縁部に一方向に延びるように長手に配置され、また、長手方向の長さが基板の半径又はそれ未満で構成されている。このようなスリットノズルにより基板上に薬液を吐出するが、この際に、薬液吐出用回転部により、基板とスリットノズルとを基板の中心部周りに相対的に回転させる。それにより、スリットノズルから吐出された薬液が全て基板上に着液して良好な液柱を形成し、円形の基板の外縁部に沿って基板略全面に薬液の膜が形成される。そのため、無駄な薬液を抑えつつ、基板上に良好に薬液を塗布することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】実施例1に係る塗布装置の概略構成図である。
図2】(a)は、スリットノズルおよびスリット開口部の配置を示す平面図であり、(b)は、薬液塗布の動作を説明するための平面図である。
図3】(a)は、スリットノズルの長手方向の縦断面図であり、(b)は、スリットノズルの横断面図であり、(c)は、スリットノズルの幅方向の縦断面図であり、(d)は、スリット開口部の形状を示す図である。
図4】スリット開口部の長手方向の両端を示す図である。
図5】実施例2に係る塗布装置の概略構成図である。
図6】薬液の膜に気体を吹き付ける平坦化処理を説明するための図である。
図7】スリット開口部と基板との隙間に係る構成を説明するための図である。
図8】(a)は、変形例に係るスリットノズルの長手方向の縦断面図であり、(b)は、変形例に係るスリットノズルの横断面図であり、(c)は、変形例に係るスリット開口部の形状を示す図であり、(d)は、変形例に係るスリットノズルの長手方向の縦断面図である。
図9】変形例に係るスリットノズルおよびスリット開口部の配置を示す図である。
図10】基板を一方向に横切るスキャン方式の課題を説明するための図である。
図11】(a)および(b)は、基板を一方向に横切るスキャン方式の課題を説明するための図である。
【実施例1】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。図1は、実施例1に係る塗布装置1の概略構成図である。図2(a)は、スリットノズル3およびスリット開口部21の配置を示す平面図であり、図2(b)は、薬液塗布の動作を説明するための平面図である。
【0030】
図1を参照する。塗布装置1は、基板Wを略水平姿勢で保持して回転させる回転保持部2と、基板W上に薬液を吐出するスリットノズル3とを備えている。薬液は、接着剤や、平坦化膜形成用薬液、レジストなどの高粘度の薬液が用いられる。薬液の粘度は、例えば、300cP(centipoise)以上10000cP以下である。
【0031】
回転保持部2は、回転軸AX1周りに回転可能に基板Wを保持するスピンチャック4と、スピンチャック4を回転軸AX1周りに回転させる駆動を行う回転駆動部5とを備えている。スピンチャック4は、例えば、基板Wの裏面を真空吸着することにより基板Wを略水平姿勢で保持する。回転駆動部5は、モータ等により構成されている。なお、回転保持部2が本発明の薬液吐出用回転部に相当する。また、回転軸AX1と基板Wの中心部CTは、略一致する。
【0032】
回転保持部2の側方には、回転保持部2を囲うカップ7が設けられている。カップ7は、図示しない駆動部により、上下方向に移動するように構成されている。
【0033】
スリットノズル3は、アーム9により支持されている。また、アーム9に支持されたスリットノズル3は、スリットノズル移動部11により、カップ7の外側に配置された待機ポット(図示しない)と基板Wの上方の所定位置との間で移動されるように構成されている。スリットノズル移動部11は、スリットノズル3を、X方向(第1の水平方向)、Y方向(第2の水平方向)およびZ方向(上下方向)の少なくともいずれかに移動させる。なお、スリットノズル移動部11は、スリットノズル3を回転軸AX2周りに回転させるように構成されていてもよい。また、スリットノズル移動部11は、例えばモータやガイドレール等で構成されている。
【0034】
スリットノズル3には、薬液供給源13から薬液が供給される。薬液供給源13からの薬液は、薬液配管15を通じてスリットノズル3に供給される。薬液配管15には、薬液の供給およびその停止を行う開閉弁V1、およびポンプP等が介在して設けられている。
【0035】
また、塗布装置1は、中央演算処理装置(CPU)などで構成され、塗布装置1の各構成を制御する制御部17と、ハードディスク等で構成され、塗布装置1の動作条件等を記憶する記憶部(図示しない)と、表示部および入力部を有する操作部19とを備えている。操作部19の表示部は、液晶モニタ等で構成され、入力部は、ジョイスティック、マウス、キーボードおよびボタン等で構成されている。
【0036】
次に、スリットノズル3について詳しく説明する。図1および図2(a)のように、スリットノズル3は、スリット開口部21を備えている。スリット開口部21は、円形の基板Wの中心部CTから基板Wの外縁部Eに一方向に延びるように長手に配置されている。また、スリット開口部21は、長手方向の長さが基板Wの半径未満で構成されている。例えば、直径300mmの基板Wであれば、スリット開口部21の長手方向の長さは、150mm未満で構成されている。スリット開口部21は、中心部CTの上方を通過しないように構成されている。
【0037】
このようなスリット開口部21を有するスリットノズル3により、基板W上に薬液を吐出するが、この際、回転保持部2により、基板Wがその中心部CT(回転軸AX1)周りに回転される(図2(b)参照)。すなわち、基板Wの中心部CT周りに、スリットノズル3と基板Wとを相対的に回転させつつ、スリットノズル3により薬液が吐出される。そして、吐出開始後、略1回転した時点で薬液の吐出を停止する。それにより、円形の基板Wの外縁部Eに沿って基板W略全面に薬液の膜Fが形成(塗布)される。
【0038】
図3(a)〜図3(d)は、スリットノズル3の構造を示す図である。図3(a)〜図3(c)のように、スリットノズル3は、薬液を流通させる内部通路23と、内部通路23の一方に設けられ、内部通路23に薬液を供給するための複数の供給口25と、内部通路23の他方に設けられ、薬液を吐出するスリット開口部21とを備えている。
【0039】
スリット開口部21は、図3(d)のように、基板Wの中心部CTから基板Wの外縁部Eに向かうにつれて幅WDが大きくなるように構成されている。これにより、基板Wの中心部CTから外縁部Eに向かうにつれて、基板Wに吐出する薬液の吐出量を多くすることができる。すなわち、スリット開口部21の幅WDを変えることにより、単位面積当たりの吐出量を揃えることができ、基板Wの半径方向RDにおける塗布ムラを抑えることができる。なお、複数の供給口25の開口径(開口面積)Sは、本実施例では同じである。
【0040】
なお、図3(b)では、内部通路23は、スリット開口部21と同様に、基板Wの中心部CTから外縁部Eに向かうにつれて、幅WDが大きくなるように構成されている。この点、次のような構成であってもよい。すなわち、内部通路23は、複数の供給口25側では、基板Wの中心部CTから基板Wの外縁部Eにかけて幅WDが一定であって、複数の供給口25側からスリット開口部21に向かうにつれて、図3(d)のスリット開口部21の幅WDのように絞ってもよい。また、内部通路23は、基板Wの中心部CTから基板Wの外縁部Eにかけて幅WDが一定であって、スリット開口部21付近で図3(d)のような形状に絞ってもよい。
【0041】
また、スリット開口部21は、図4のように、基板Wの外縁部E側の端部21aが基板Wの外縁部Eよりも内側に位置するように構成されている。例えば、直径300mmの円形の基板Wの場合、スリット開口部21の端部21aは、外縁部Eよりも2mm程度内側に位置する。この場合、距離G1は2mm程度である。
【0042】
また、スリット開口部21は、図4のように、基板Wの中心部CT側の端部21bが基板Wの中心部CTよりも外側に位置するように構成されている。例えば、直径300mmの円形の基板Wの場合、スリット開口部21の端部21bは、中心部CTよりも0.5mm〜1mm程度離れた、すなわち中心部CTの外側に位置する。この場合、距離G2は、0.5mm〜1mm程度である。なお、本実施例において、中心部CTの上方にはスリット開口部21は設けられていない。
【0043】
次に、塗布装置1の動作について説明する。
【0044】
図1を参照する。図示しない基板搬送機構により、基板Wが回転保持部2に搬送される。回転保持部2のスピンチャック4は、基板Wを保持する。また、カップ7が所定高さに上昇する。
【0045】
基板Wの搬送後、スリットノズル3は、スリットノズル移動部11により、待機ポット(図示しない)から基板Wの上方の予め設定された所定位置に移動される。スリットノズル3が所定位置に移動されると、スリットノズル3のスリット開口部21は、図1および図2(a)のように、円形の基板Wの中心部CTから基板Wの外縁部Eに一方向に延びるように半径方向RDに沿って長手に配置される。この状態で、スリットノズル3により基板W上に薬液を吐出する。
【0046】
スリットノズル3により薬液を吐出する際、すなわち、薬液の吐出開始から吐出終了までの間、回転保持部2は、保持する基板Wを中心部CT(回転軸AX1)周りに略1回転させる。これにより、スリットノズル3と基板Wとを基板Wの中心部CT周りに相対的に略1回転させている。なお、薬液の吐出開始前から基板Wを回転させてもよく、薬液の吐出終了後も引き続き基板Wを回転させてもよい。
【0047】
薬液の吐出中、スリットノズル3から吐出された薬液が全て基板W上に着液するので良好な液柱を形成する。また、円形の基板Wの外縁部Eに沿って、円を描くように、基板W略全面に薬液の膜Fが形成される。そのため、図10のように、円形の基板Wの外側に薬液を吐出しないので、無駄な薬液を抑えられる。また、図11(a)のように、良好な液柱を形成しながら、薬液の膜Fが形成されるので、基板W上に良好に薬液を塗布することができる。
【0048】
また、薬液を吐出する際に、回転保持部2による基板Wの回転は、基板W上に着液した薬液が遠心力で基板W外にこぼれない回転数(回転速度)で行われる。すなわち、基板Wは、ゆっくり低速で回転される。そのため、基板Wの外側に薬液が排出されないので、薬液の無駄を更に抑えることができる。また、スピン塗布方式のように高速回転させないので、薬液等によるミストが発生しない。そのため、スピン塗布方式の場合よりもカップ7内の排気量を抑えることができる。その結果、装置の稼働エネルギーを削減することができる。
【0049】
薬液の膜Fが形成された後、スリットノズル3は、スリットノズル移動部11により、基板W上方の所定位置から待機ポット(図示しない)に移動される。また、回転保持部2は、基板Wが回転している場合は回転を停止し、基板Wの保持を解除する。また、カップ7を下降させる。そして、基板搬送機構(図示しない)によりスピンチャック4上の基板Wが搬送される。
【0050】
本実施例によれば、スリットノズル3のスリット開口部21は、円形の基板Wの中心部CTから基板Wの外縁部Eに一方向に延びるように長手に配置され、また、長手方向の長さが基板Wの半径未満で構成されている。このようなスリットノズル3により基板W上に薬液を吐出するが、この際に、回転保持部2により、スリットノズル3と基板Wとを基板Wの中心部CT周りに相対的に回転させる。それにより、スリットノズル3から吐出された薬液が全て基板W上に着液して良好な液柱を形成しながら、円形の基板Wの外縁部Eに沿って基板W略全面に薬液の膜Fが形成される。そのため、無駄な薬液を抑えつつ、基板W上に良好に薬液を塗布することができる。
【0051】
また、本実施例に係るスリットノズル3により吐出して形成された薬液の膜Fは、薬液吐出の始点と終点との繋ぎ目部分(図6の重なり部分OL参照)を1つにすることができるので、膜厚が大きくなるおそれのある部分を少なくすることができる。また、スリットノズル3の長手方向の長さが短いほど、汚れにくく、また、メンテナンスし易い。
【0052】
また、基板Wの外縁部Eまで、薬液の膜Fが形成されていると、基板搬送時に、基板搬送機構のアーム(ハンドとも呼ぶ)が汚れてしまう問題が生じる。しかし、図4の距離G1のように、スリット開口部21は、基板Wの外縁部E側の端部21aが基板Wの外縁部Eよりも内側に位置するように構成されている。そのため、外縁部Eまで薬液の膜Fが形成されないので、基板搬送機構のアームの汚れを抑えることができる。また、外縁部Eまで薬液の膜Fが形成されないので、エッジカットリンスおよびバックサイドリンスが不要となる。また、基板Wの外縁部Eまで回転により薬液を広げないので、プリウェット処理が不要となる。そのため、各処理を省略できる。これにより、各処理液を使用しないので、処理液の排出量を削減させることができる。
【0053】
また、図4の距離G2のように、スリット開口部21は、基板Wの中心部CT側の端部21bが基板Wの中心部CTよりも外側に位置するように構成されている。基板Wの中心部CTに薬液を吐出すると、薬液の膜Fが盛り上がりやすい。そのため、盛り上がった膜Fが原因で、例えば、吐出した薬液が跳ね返ってスリットノズル3を汚してしまうおそれがある。しかし、基板Wの中心部CTに薬液を吐出しないので、薬液の膜Fの盛り上がりを抑えることができる。
【0054】
また、薬液の粘度は、300cP以上10000cP以下である。これにより、高粘度の薬液について、無駄な薬液を抑えつつ、円形の基板W上に良好に薬液を塗布することができる。
【実施例2】
【0055】
次に、図面を参照して本発明の実施例2を説明する。なお、実施例1と重複する説明は省略する。図5は、実施例2に係る塗布装置1の概略構成図である。図6は、薬液の膜Fに気体を吹き付ける平坦化処理を説明するための図である。
【0056】
実施例1では、薬液の吐出終了後、基板搬送機構により基板Wを搬出していたが、本実施例では、薬液の吐出終了後、基板W上に吐出されて形成された薬液の膜Fを平坦化する処理を行う。
【0057】
図5を参照する。塗布装置1は、図1の構成に加えて更に、薬液の吐出終了後、基板Wの上方から基板W上に形成した薬液の膜Fに向けて、気体を吹き付ける気体ノズル31を備えている。なお、図5において、スリットノズル3は、図示しない待機ポットに位置している。
【0058】
気体ノズル31は、アーム33により支持されている。また、アーム33に支持された気体ノズル31は、気体ノズル移動部35により、カップ7の外側に配置された待機位置と基板Wの上方の予め設定された所定位置との間で移動されるようになっている。気体ノズル移動部35は、気体ノズル31を、X方向(第1の水平方向)、Y方向(第2の水平方向)およびZ方向(上下方向)の少なくともいずれかに移動させる。なお、気体ノズル移動部35は、気体ノズル31を回転軸AX3周りに回転させるように構成されてもよい。また、気体ノズル移動部35は、例えばモータやガイドレール等で構成されている。
【0059】
気体ノズル31には、気体配管37を通じて気体供給源39から気体が供給される。気体配管37には、気体の吹き付けおよびその停止を行う開閉弁V2等が介在して設けられている。気体ノズル移動部35および開閉弁V2等は、制御部17により制御される。
【0060】
薬液の膜Fに吹き付ける気体は、窒素などの不活性ガス、空気、およびその他気体が用いられる。また、気体は、溶剤の蒸気(気化した溶剤)を含む気体であってもよい。溶剤は、例えば、薬液中に含まれる溶剤と同じ物質で構成される。溶剤の蒸気を含んでいない例えば窒素のみを、薬液の膜Fに吹き付けると、吹き付けた部分で薬液中の溶剤が気化して薬液を乾燥させてしまうおそれがある。しかし、気体に溶剤の蒸気が含まれているので、この気体を薬液の膜Fに吹き付けても、薬液中の溶剤が気化して乾燥することを抑えることができる。
【0061】
次に、本実施例の塗布装置1の動作について説明する。
【0062】
図2(b)のように、基板Wが略1回転する間にスリットノズル3から薬液が吐出される。これにより、基板W上には、薬液の膜Fが形成される。しかし、図6のように、スリットノズル3による吐出の始点と終点で重なり部分OLが発生する。重なり部分OLは、盛り上がって凸形状になっている。その重なり部分OLを平坦化するために、気体を吹き付けて平らにする処理を行う。スリットノズル3は、待機ポットに移動される。
【0063】
図6のように、気体ノズル31は、気体ノズル移動部35により、吐出の始点と終点の重なり部分OL又はその延長線の上方に位置する。気体を吹き付ける際に、気体ノズル移動部35により、気体ノズル31を基板Wの半径方向RDに向けて移動させる。これにより、気体ノズル31を半径方向RDに移動させながら、重なり部分OL(薬液の膜F)に気体を吹き付けることができる。そのため、重なり部分OLの凸形状を平らにすることができる。なお、気体ノズル31の半径方向RDの移動は、中心部CTから外縁部Eに向けて行ってもよいし、外縁部Eから中心部CTに向けて行ってもよい。また、気体ノズル31の半径方向RDの移動は、1回又は複数回、往復させてもよい。
【0064】
また、気体の吹き付けは、気体ノズル31を半径方向RDに移動しつつ、回転支持部2により、基板Wを回転させてもよい。これにより、気体ノズル31と基板Wとを基板Wの中心部CT周りに相対的に回転させながら、薬液の膜Fに気体を吹き付けることができる。また、気体ノズル31の半径方向RDの移動と回転とを組み合わせれば、基板W内のあらゆる位置に気体ノズル31を移動させることができる。また、図6において、気体ノズル31は、略水平姿勢の基板Wに対して、真下に向けて気体を吹き付けている。この点、図6の破線のように、気体ノズル31が移動する半径方向RDの外側(外縁部E)に向けて気体を吹き付けてもよい。なお、回転支持部2が本発明の気体吹付用回転部に相当する。
【0065】
気体の吹き付けの一例を説明する。気体ノズル31による気体の吹き付け方向は、半径方向RDの外側に向いており、斜め下に気体を吹き付けるようになっている。基板Wを低回転させながら、中心部CTから外縁部Eへ、気体ノズル31による気体の吹き付け方向に気体ノズル31を移動させる。これにより、薬液を流動させて膜を平坦化させる。なお、基板Wの回転は、基板Wを薬液が流動しない、例えば、薬液が基板W外に遠心力で基板W外にこぼれない回転数(回転速度)で行われる。
【0066】
薬液の膜Fの平坦化処理後、気体ノズル31は、気体ノズル移動部35により、カップ7の外側の待避位置に移動する。また、基板Wが回転している場合は、回転保持部2による基板Wの回転を停止させ、スピンチャック4による基板Wの保持を解除する。また、カップ7を下降させる。そして、基板搬送機構によりスピンチャック4上の基板Wが搬送される。
【0067】
本実施例によれば、基板W上に吐出されて形成した薬液の膜Fに向けて基板Wの上方から、気体ノズル31により気体を吹き付ける。これにより、薬液の膜Fを平坦化させることができる。
【0068】
なお、本実施例において、気体ノズル31は、図5では、気体の吹き付け口31aが単体で構成されている。この点、例えば、吹き付け口が複数(多穴)であってもよく、スリット状であってもよい。
【0069】
なお、本実施例において、気体ノズル31を半径方向RDに移動させていた。しかし、必要に応じて、気体を吹き付ける際に、気体ノズル31を半径方向RDに固定させてもよい。例えば、スリット状等のように、半径方向RDに長手に気体を吹き付けることができれば、気体ノズル31を半径方向RDに移動させる動作を省くことができる。
【0070】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0071】
(1)上述した実施例2では、薬液の吐出後、基板W上に形成された薬液の膜Fを平坦化する処理を、薬液の膜Fに気体を吹き付けることで行っていた。この点、例えば、回転保持部2で基板Wを中心部CT(回転軸AX1)周りに回転させることで行ってもよい。この場合、基板Wの回転は、基板W上の薬液が遠心力で基板W外にこぼれない回転数(回転速度)で行われる。これにより、気体ノズル31等の気体を吹き付けるための構成を設けなくてよいので、構成を簡単にすることができる。なお、この平坦化処理の回転数は、薬液吐出時と異なる回転数であってもよい。
【0072】
(2)上述した各実施例および変形例(1)では、スリットノズル3のスリット開口部21と基板Wの表面との隙間G3は、図4のように、基板Wの中心部CT側から外縁部Eにかけて同一であった。しかし、スリットノズル3は、図7のように、基板Wの中心部CTから基板Wの外縁部Eに向かうにつれて、スリット開口部21と基板Wの表面との隙間G3が大きくなるように構成されてもよい。基板Wの中心部CTよりも基板Wの外縁部Eの方が薬液の吐出量が多いので、吐出量に合った最適な高さにすることで、膜厚を均一に形成することができる。また、跳ね返り等によるスリットノズル3の汚れを防止できる。
【0073】
(3)上述した各実施例および各変形例では、図3(d)のように、スリット開口部21は、基板Wの中心部CTから外縁部Eに向かうにつれて、幅WDが大きくなるように構成されていた。この点、スリットノズル3は、基板Wの中心部CTから外縁部Eに向かうにつれて、スリットノズル3に供給される薬液量が多くなるように構成されてもよい。それにより、基板Wの中心部CTから外縁部Eに向かうにつれて基板Wに吐出する薬液の吐出量を多くし、単位面積当たりの吐出量を揃えることができ、基板Wの半径方向RDにおいて塗布ムラを抑えることができる。
【0074】
図8(a)のように、複数の供給口25が設けられているが、供給口25は、中心部CTから外縁部Eに向けて、開口径Sが大きくなるように構成されている。図8(b)のように、内部通路23の幅WDは、中心部CTから外縁部Eにかけて同一である。スリット開口部51の幅WDも、図8(c)のように、中心部CTから外縁部Eにかけて同一である。なお、図3(a)において、図8(a)のように、中心部CTから外縁部Eに向かうにつれて、スリットノズル3に供給される薬液量が多くなるように構成されてもよい。
【0075】
また、図8(a)の構成に代えて、例えば、図8(d)のように、各供給口25の開口径Sは同径とする一方、基板Wの中心部CT側から外縁部側Eに向かうにつれて、各供給口25間のピッチPTが狭くなっていくように、各供給口25を配置してもよい。すなわち、スリットノズル3は、基板Wの中心部CTから外縁部Eに向かうにつれて、スリットノズル3に供給される薬液量が多くなるように構成されてもよい。
【0076】
(4)上述した各実施例および各変形例において、基板Wを略1回転させて、基板W上への薬液吐出の終了時(薬液切れ時)に、スリットノズル移動部11により、スリットノズル3を上方向へ僅かに移動させてもよい。これにより、スリットノズル3の汚れを防止することができる。
【0077】
(5)上述した各実施例および各変形例において、スリットノズル3により薬液を吐出する際に、回転支持部2により、スリットノズル3に対して基板Wを、中心部CT周りに回転させていた。この点、例えば、スリットノズル移動部11により、基板Wに対してスリットノズル3を、中心部CT(回転軸AX1)周りに回転させてもよい。この場合も同様に、スリットノズル3の回転は、基板W上に着液した薬液が遠心力で基板W外にこぼれない回転数(回転速度)で行われる。
【0078】
(6)上述した各実施例および各変形例において、気体ノズル31により気体を吹き付ける際に、回転支持部2により、気体ノズル31に対して基板Wを、中心部CT(回転軸AX1)周りに回転させていた。この点、例えば、気体ノズル移動部35により、基板Wに対して気体ノズル31を、中心部CT(回転軸AX1)周りに回転させてもよい。
【0079】
(7)上述した各実施例および各変形例において、基板W上に薬液を吐出する際に、スリットノズル3と基板Wとを中心部CT周りに相対的に略1回転させていた。基板保持部2等による回転は、360°未満であってもよい。これにより、スリットノズル3による薬液吐出の始点と終点の間に隙間を設けることができる。そのため、図6の重なり部OLのように、薬液の膜Fが重なって薬液の膜厚が大きくなり、吐出した薬液の跳ね返り等によるスリットノズル3の汚れを防止できる。なお、薬液吐出の始点と終点の隙間は、気体を吹き付ける等の平坦化処理により補われる。
【0080】
(8)上述した各実施例および各変形例において、スリットノズル3は、単体で構成されたが、図9のように、複数(2つ以上)で構成され、複数のスリットノズル3が基板Wの略中心部CTを基準に環状に配置するように構成されてもよい。例えば、図9のように、スリットノズル3が2つで構成される場合、薬液を吐出する際に、回転保持部3等による回転は、略半回転(略180°)で済む。しかし、図6の重なり部分OLが2箇所となり、平坦化処理する部分が増える問題がある。
【0081】
また、図9の2つのスリットノズル3は、単体で構成され、基板Wの中心部CTに薬液を吐出しないように、2つのスリット開口部21を備えるものであってもよい。また、基板Wの中心部CT上の薬液の膜Fの膜厚を小さく抑えることができれば、2つのスリット開口部21は、1つにつながっていてもよい。
【0082】
(9)上述した各実施例および各変形例において、スリットノズル3から基板W上に薬液を吐出する際に、基板Wを略1回転させていた。しかし、例えば、回転は、2回転以上であってもよい。この場合、スリットノズル3が汚れないように高さ等が調整されて配置される。
【0083】
(10)上述した各実施例および各変形例において、スリット開口部21の長手方向の長さが半径未満で構成されていたが、その長さは、半径であってもよい。例えば、直径300mmの基板Wであれば、スリット開口部21の長手方向の長さは、150mmである。
【0084】
(11)上述した各実施例および各変形例では、基板Wを上方から見た際に、スリット開口部21の中心部CT側を延長すると中心部CTの上方を通過する。この点、スリット開口部21の中心部CT側を延長しても中心部CTの上方を通過しないように傾斜していてもよい。
【符号の説明】
【0085】
1 … 塗布装置
2 … 回転保持部
3 … スリットノズル
11 … スリットノズル移動部
17 … 制御部
21,51… スリット開口部
21a … 外縁部側の端部
21b … 中心部側の端部
23 … 内部通路
25 … 供給口
31 … 気体ノズル
35 … 気体ノズル移動部
CT … 中心部
E … 外縁部
F … 薬液の膜
OL … 重なり部分
S … 開口径
WD … 幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11