特許第6438800号(P6438800)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6438800
(24)【登録日】2018年11月22日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】塗布容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/20 20060101AFI20181210BHJP
   B65D 47/44 20060101ALI20181210BHJP
【FI】
   B65D47/20 110
   B65D47/20 210
   B65D47/44
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-37956(P2015-37956)
(22)【出願日】2015年2月27日
(65)【公開番号】特開2016-159912(P2016-159912A)
(43)【公開日】2016年9月5日
【審査請求日】2017年9月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(72)【発明者】
【氏名】阿部 孝之
【審査官】 加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−095310(JP,A)
【文献】 特開2005−212851(JP,A)
【文献】 特開2009−292507(JP,A)
【文献】 特開2014−108787(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0173456(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/20
B65D 47/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被塗布部に塗布する内容物が収容される容器本体と、
前記容器本体の口部に装着され、前記容器本体内に連通する連通孔を有する中栓部材と、
前記中栓部材との間に、前記連通孔を通して前記容器本体内に連通する計量室を形成する計量筒部材と、
先端部が前記計量筒部材から外部に突出するとともに、前記計量室内に連通する吐出孔を有する塗布栓と、
先端部が前記吐出孔を通して外部に突出するとともに、前記塗布栓に連設された先行突起と、を備え、
前記先行突起は、前記先行突起の外周面と前記吐出孔の内周面との間に形成される吐出路を通して、前記計量室内と外部とを連通し、
前記塗布栓は、
前記計量室内と外部との連通を遮断し、かつ前記計量室内と前記容器本体内とを連通させる計量位置と、
容器軸方向において前記計量位置よりも前記容器本体の底部側に位置するとともに、前記計量室内と前記容器本体内との連通を遮断し、かつ前記計量室内と外部とを連通させる塗布位置と、の間を容器軸方向に移動自在に配設され、
前記先行突起は、前記吐出路の流路断面積を変化させながら、前記先行突起の先端面を容器軸方向に沿う前記容器本体の底部側に向けて弾性変位可能に形成され
前記吐出孔の内周面と前記先行突起の外周面との間には、前記吐出孔の周方向に沿って複数配置され、前記吐出孔の内周面と前記先行突起の外周面とを連結する弾性連結片が設けられていることを特徴とする塗布容器。
【請求項2】
前記先行突起の先端面が容器軸方向に弾性変位したときに係合し合い、前記先端面の更なる弾性変位を規制する規制部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の塗布容器。
【請求項3】
前記計量筒部材の周壁部は、
前記計量室の内周面を形成し、外部から前記計量室内を視認可能に形成された本体筒部と、
前記本体筒部より大径に形成されるとともに、前記本体筒部の外周面から容器軸方向に沿う前記容器本体の底部側に向けて延び、前記口部および前記中栓部材のうちの少なくとも一方に装着される被着筒部と、を備え、
前記被着筒部は、前記計量室の底面よりも容器軸方向に沿う前記容器本体の底部側に位置することを特徴とする請求項1または2に記載の塗布容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、人体の頭皮等の被塗布部に対して薬液等の内容物を塗布する塗布容器が知られている。この種の塗布容器は、内容物が収容される有底筒状の容器本体と、容器本体の口部に装着され、容器本体内に連通する連通孔を有する中栓部材と、中栓部材との間に、連通孔を通して容器本体内に連通する計量室を形成する計量筒部材と、計量筒部材から外部に突出するとともに、計量室内に連通する吐出孔を有する弁部材と、を備えている(例えば、下記特許文献1参照)。
【0003】
また、上述した弁部材は、弁部材の吐出孔を通した外部と計量室内との連通を遮断し、かつ計量室内と容器本体内とを連通させる計量位置と、容器軸方向における計量位置よりも容器本体の底部側に位置するとともに、計量室内と容器本体内との連通を遮断し、かつ計量室内と外部とを連通させる塗布位置と、の間を容器軸方向に移動自在に配設されている。
【0004】
上述した塗布容器において、内容物を被塗布部に塗布するには、まず弁部材を計量位置に移動させた状態で塗布容器を倒立姿勢にし、容器本体内の内容物を計量室内に流入させる。これにより、計量室に所定量の内容物が計量される。この状態で、弁部材の先端部を被塗布部に押し付ける。すると、弁部材が塗布位置に移動することで、計量室内の内容物が弁部材の吐出孔を通して吐出される。これにより、被塗布部に内容物が塗布される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3759428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の塗布容器では、塗布位置において、弁部材の吐出孔を通して吐出される内容物の吐出量を制御することが難しく、吐出精度を高めることに改善の余地があった。
【0007】
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、吐出精度の向上を図ることができる塗布容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る塗布容器は、被塗布部に塗布する内容物が収容される容器本体と、前記容器本体の口部に装着され、前記容器本体内に連通する連通孔を有する中栓部材と、前記中栓部材との間に、前記連通孔を通して前記容器本体内に連通する計量室を形成する計量筒部材と、先端部が前記計量筒部材から外部に突出するとともに、前記計量室内に連通する吐出孔を有する塗布栓と、先端部が前記吐出孔を通して外部に突出するとともに、前記塗布栓に連設された先行突起と、を備え、前記先行突起は、前記先行突起の外周面と前記吐出孔の内周面との間に形成される吐出路を通して、前記計量室内と外部とを連通し、前記塗布栓は、前記計量室内と外部との連通を遮断し、かつ前記計量室内と前記容器本体内とを連通させる計量位置と、容器軸方向において前記計量位置よりも前記容器本体の底部側に位置するとともに、前記計量室内と前記容器本体内との連通を遮断し、かつ前記計量室内と外部と連通させる塗布位置と、の間を容器軸方向に移動自在に配設され、前記先行突起は、前記吐出路の流路断面積を変化させながら、前記先行突起の先端面を容器軸方向に沿う前記容器本体の底部側に向けて弾性変位可能に形成され、前記吐出孔の内周面と前記先行突起の外周面との間には、前記吐出孔の周方向に沿って複数配置され、前記吐出孔の内周面と前記先行突起の外周面とを連結する弾性連結片が設けられていることを特徴とする。
【0009】
このような特徴により、塗布栓が計量位置にある状態で、塗布容器を先行突起が下向きの例えば倒立姿勢等にすると、容器本体内の内容物が、連通孔を通して計量室内に流入する一方、この内容物の外部への流出は防止されている。そのため、計量室内に所定量の内容物が計量される。
その後、前記倒立姿勢等のままで塗布栓を塗布位置に移動させると、計量室内の内容物を、先行突起の外周面と吐出孔の内周面との間に形成される吐出路を通して被塗布部に吐出することができる。
ここで、塗布栓が塗布位置にある状態において、先行突起の先端面を被塗布部に押し当てると、その押付力に応じて先行突起の先端面が弾性変位する。すると、吐出路の流路断面積が変化することで、吐出路を通して被塗布部に吐出される内容物の流量が変化する。このように、先行突起の押付力、つまり先行突起の先端面の変位量を調整することで、吐出路を通して吐出される内容物の流量を制御することができる。その結果、吐出精度の向上を図ることができる。
また、容器軸方向に弾性変位可能な先行突起の先端面を被塗布部に押し付けるので、塗布時において、被塗布部に及ぼされる衝撃や外力等が先行突起のクッション作用により緩和されることになる。そのため、柔らかな塗布感触を得ることができるとともに、不快さや心地悪さを低減し、快適で心地よい塗布を行うことができる。
【0011】
この場合、吐出孔の内周面と先行突起の外周面との間に、弾性連結片が設けられているので、先行突起の先端面が被塗布部に押し当てられたときに、弾性連結片を弾性変形させることで、先行突起の先端面を先行突起の全体と一体に弾性変位させながら、吐出路の流路断面積を変化させることができる。これにより、吐出路の流路断面積を安定して変化させることが可能になり、吐出精度の更なる向上を図ることができる。
また、弾性連結片が弾性変形する前の状態が最小の流路断面積となるように設定することで、当該状態における吐出路からの液漏れを抑制することができる。
【0012】
前記先行突起の先端面が容器軸方向に弾性変位したときに係合し合い、前記先端面の更なる弾性変位を規制する規制部を備えていてもよい。
【0013】
この場合、先行突起の先端面の弾性変位量を規制する規制部が設けられているので、先行突起の先端面の過度な容器軸方向への変位を規制することができる。これにより、先行突起の先端面の弾性変位に伴って変形する変形部に大きな負荷がかかるのを抑えることが可能になり、吐出路の流路断面積を、長期間にわたって安定して変化させることができる。
【0014】
前記計量筒部材の周壁部は、前記計量室の内周面を形成し、外部から前記計量室内を視認可能に形成された本体筒部と、前記本体筒部より大径に形成されるとともに、前記本体筒部の外周面から容器軸方向に沿う前記容器本体の底部側に向けて延び、前記口部および前記中栓部材のうちの少なくとも一方に装着される被着筒部と、を備え、前記被着筒部は、前記計量室の底面よりも容器軸方向に沿う前記容器本体の底部側に位置してもよい。
【0015】
この場合、被着筒部が、計量室の底面よりも容器軸方向に沿う容器本体の底部側に位置しているので、本体筒部を通して計量室内の内容物を視認するときに、被着筒部により視認が阻害されることなく、内容物の残量を容易に確認することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、吐出精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態に係る塗布容器(オーバーキャップが装着状態で、かつ塗布栓が塗布位置)を示す部分断面図である。
図2図1に示す塗布容器の要部の拡大断面図である。
図3】実施形態に係る塗布容器(塗布栓が計量位置で、かつ塗布容器が正立姿勢)の動作説明図である。
図4図3に示す塗布容器の要部の側面図である。
図5】実施形態に係る塗布容器(塗布栓が中間位置で、かつ塗布容器が倒立姿勢)の動作説明図である。
図6】実施形態に係る塗布容器(塗布栓が塗布位置で、かつ塗布容器が倒立姿勢、さらに先行突起が被塗布部に押し当てられている状態)の動作説明図である。
図7】実施形態に係る塗布容器(塗布栓が塗布位置で、かつ塗布容器が倒立姿勢)の動作説明図である。
図8】実施形態に係る塗布容器(塗布栓が塗布位置で、かつ塗布容器が正立姿勢)の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図1から図8を参照し、本発明の実施形態を説明する。
図1および図2に示すように、塗布容器10は、容器本体11と、中栓部材12と、計量筒部材13と、塗布栓14と、先行突起15と、オーバーキャップ16と、を備えている。なお、容器本体11は有底筒状に形成され、中栓部材12、計量筒部材13およびオーバーキャップ16は有頂筒状に形成されている。さらに、塗布栓14は筒状に形成され、先行突起15は棒状に形成されている。
【0019】
ここで容器本体11、中栓部材12、計量筒部材13、塗布栓14、先行突起15およびオーバーキャップ16は、それぞれの中心軸が共通軸上に位置している。以下、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸Oに沿う容器本体11側を単に下側、オーバーキャップ16側を単に上側という。さらに、容器軸O方向から見た平面視において、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0020】
容器本体11内には、人体の頭皮等の被塗布部S(図5図6参照)に塗布される育毛剤や薬液等の内容物Mが収容されている。容器本体11の口部11aは、口部11a以外の部位(胴部や底部、肩部)よりも小径とされるとともに、上部が下部に比べて外径が小さくなっている。図2に示すように、口部11aのうち、下部の外周面には雄ねじ部が形成され、上部の外周面には径方向の外側に向けて突出する突起部が周方向に沿って延設されている。
【0021】
中栓部材12は、容器本体11の口部11aに装着され、容器本体11内に連通する連通孔21を有する。中栓部材12は、口部11aの開口縁上に配設された受け座22と、受け座22の下端部に連設されるとともに、口部11a内に嵌合されるシール筒23と、シール筒23に対して径方向の内側に位置する受け部24と、を備えている。
【0022】
受け座22は、容器軸O方向に沿って延びる筒状とされ、受け座22の外径は、口部11aの上部の外径とほぼ同等とされている。受け座22には、径方向の外側に向けて突出する突起部が周方向に沿って延設されている。
受け部24は、シール筒23に連設された外筒25と、外筒25に対して径方向の内側に位置する内筒26と、外筒25及び内筒26の下端部同士を連結する連結板27と、内筒26内を閉塞する閉塞板28と、を有している。
【0023】
外筒25は、上端部同士が接続された二重筒状に形成されている。外筒25の外径は、シール筒23の外径よりも小さく、外筒25の外周面の下端部は、シール筒23の上端部に連結されている。連結板27は、容器軸O方向から見た平面視で環状を呈し、外筒25の下端部から径方向の内側に向けて突出している。内筒26は、連結板27の内周縁から上方に向けて突出し、内筒26の上端部は、外筒25の上端部よりも上方に位置している。閉塞板28は、内筒26内に、かつ、外筒25の上端面よりも下側に配置されている。
【0024】
受け部24には、上述した連通孔21が周方向に間隔をあけて複数形成されている。各連通孔21は、容器軸O方向に沿う縦断面視でU字状を呈し、受け部24のうち外筒25、連結板27および内筒26の間を跨るように形成されている。連通孔21において内筒26に形成されている部分は、内筒26において閉塞板28よりも下側に位置する部分に配置されている。
【0025】
計量筒部材13は、中栓部材12との間に、連通孔21を通して容器本体11内に連通する計量室29を形成する。計量筒部材13は、容器本体11の口部11aおよび中栓部材12に装着されている。
計量筒部材13の周壁部31は、容器軸Oと同軸に配置された多段筒状に形成されている。周壁部31は、被着筒部32と、本体筒部33と、を備えていて、これらの被着筒部32および本体筒部33が、この順に小径になっている。
【0026】
被着筒部32は、容器本体11の口部11aおよび中栓部材のうちの少なくとも一方に装着されている。本実施形態では、被着筒部32は、容器本体11の口部11aの上部、および中栓部材12の受け座22の両方に外嵌されている。被着筒部32には、径方向の内側に向けて突出する突起部が周方向に沿って延設されている。突起部は、容器軸O方向に間隔をあけて2つ配置されていて、これら2つの突起部のうち、一方の突起部は、容器本体11の口部11aにおける前述した突起部に下方から係止され、他方の突起部は、受け座22の前述した突起部に下方から係止されている。これにより、被着筒部32が口部11aおよび中栓部材12にそれぞれアンダーカット嵌合されている。
【0027】
本体筒部33は、被着筒部32に径方向の内側から連結されている。本実施形態では、本体筒部33における容器軸O方向の中間部が、被着筒部32の上端部に連結されていて、被着筒部32が、本体筒部33の外周面から下方に向けて延びている。本体筒部33において中間部よりも下側に位置する部分は、受け座22の内周面と受け部24における外筒25の外周面との間に嵌合されている。
【0028】
計量筒部材13の頂部34は、上側に向けて膨出していて、径方向の外側から内側に向かうに従い漸次上側に向けて延びている。頂部34には、上側に向けて突出する装着筒35が設けられていて、この装着筒35の内部が、塗布栓14が挿通される装着孔36となっている。装着孔36および装着筒35は、容器軸Oと同軸に配置されている。
【0029】
塗布栓14の先端部は、装着孔36を通して外部(上方)に突出するとともに、計量室29内に連通する吐出孔41を有する。塗布栓14は、計量室29内に、計量筒部材13に対して容器軸O方向に沿って移動自在に設けられ、装着孔36内に、容器軸O方向に摺動自在に液密に嵌合されている。塗布栓14は、下側から上側に向けて段状に縮径する多段筒状に形成されている。塗布栓14は、下側の大径部42と、上側の小径部43と、大径部42および小径部43を連結する連結段部44と、を備えている。
【0030】
大径部42は、中栓部材12の受け部24の内筒26に、径方向の外側から液密に嵌合されている。大径部42は、内筒26に容器軸O方向に摺動自在に嵌合されている。大径部42の下端部には、受け部24の外筒25内に液密に嵌合されたシール部45が形成されている。シール部45は、外筒25において連通孔21が形成された部分よりも上側に位置する部分に嵌合される。シール部45は、大径部42よりも薄肉の筒状とされ、弾性変形可能とされている。シール部45は、下方に向かうに従い径方向の外側に向けて延びるテーパ状を呈している。
【0031】
連結段部44は、内筒26の上端面に上側から当接しており、塗布栓14の下方に向けた移動を規制している。
小径部43は、装着孔36内に、容器軸O方向に摺動自在に液密に嵌合され、計量筒部材13の頂部34から上方に向けて突出している。小径部43の上部内が、上述した吐出孔41とされている。吐出孔41内には、径方向の内側に向けて突出する第1係止部41aが周方向に沿って延設されている。
【0032】
計量室29は、中栓部材12と、計量筒部材13と、塗布栓14と、の間に形成されている。計量室29は、本体筒部33を内周面とし、かつ中栓部材12の前述した外筒25の上端面を底面とする環状の空間とされていて、容器軸Oと同軸に配置されている。計量室29の底面は、計量筒部材13の被着筒部32の上端面よりも上側に位置している。計量室29と連通孔21との連通は、塗布栓14のシール部45により遮断されている。計量室29と吐出孔41とは、塗布栓14に設けられた貫通孔46を通して連通している。貫通孔46は、塗布栓14の小径部43に設けられている。貫通孔46は、周方向に間隔をあけて複数配置されている。
【0033】
先行突起15の先端部は、吐出孔41を通して外部に突出する。先行突起15は、上端部の外周面が全周にわたって凸曲面状に面取りされた棒状に形成されている。先行突起15は、吐出孔41よりも小径に形成され、吐出孔41内に挿通されている。
先行突起15は、先行突起15の先端面を下方(容器軸O方向に沿う容器本体11の底部側)に向けて弾性変位可能に形成されている。本実施形態では、先行突起15は、下方に向けて弾性変位可能に、塗布栓14に連設されていて、先行突起15の全体の容器軸O方向への弾性変位に伴って、先行突起15の先端面を容器軸O方向に弾性変位させる。
【0034】
吐出孔41の内周面と先行突起15の外周面との間に、先行突起15を容器軸O方向に弾性変位させる弾性連結片51が設けられている。弾性連結片51は、周方向に沿って複数配置されていて、吐出孔41の内周面と先行突起15の外周面とを連結している。弾性連結片51は、周方向に延びていて、弾性連結片51の周方向の両端部は、吐出孔41の内周面と先行突起15の外周面とに各別に連結されている。弾性連結片51は、前述した第1係止部41aよりも下方に配置されている。
【0035】
先行突起15は、先行突起15の外周面と吐出孔41の内周面との間に形成される吐出路52を通して、計量室29内と外部(塗布容器10の外部)とを連通する。本実施形態では、吐出路52は、吐出孔41の内周面と、先行突起15の外周面と、弾性連結片51の外周縁と、の間の隙間により形成される。吐出路52の流路断面積(前述の隙間の大きさ)は、先行突起15の先端面の容器軸O方向への変位に伴って変化する。
【0036】
先行突起15は、先行突起15が容器軸O方向に弾性変位したときに係合し合う規制部53によって、先行突起15の更なる弾性変位を規制される。規制部53は、中栓部材12に設けられた第1規制部53aと、先行突起15に設けられた第2規制部53bと、を備えている。第1規制部53aおよび第2規制部53bはいずれも、容器軸Oと同軸に配置された棒状に形成されていて、容器軸O方向に対向している。第1規制部53aは、閉塞板28から上方に向けて突出している。
【0037】
オーバーキャップ16は、容器本体11の口部11aに着脱自在に装着されて計量筒部材13および塗布栓14を覆う。オーバーキャップ16は、容器本体11の口部11aからの離脱に伴って塗布栓14を上昇させる。オーバーキャップ16は、容器本体11の口部11a、計量筒部材13および塗布栓14を径方向の外側から取り囲む周壁部61と、周壁部61の上端開口部を閉塞する天壁部62と、を有している。
【0038】
周壁部61の下部内周面には、雌ねじ部が形成されており、オーバーキャップ16は、口部11aの雄ねじ部に螺着されている。なおオーバーキャップ16は、例えば、アンダーカット嵌合により口部11aに装着される等して、容器本体11に対して容器軸O回りに回転させることなく着脱される構成であってもよい。
【0039】
天壁部62には、下方に向けて延びる係止筒63が配設されている。係止筒63は、容器軸Oと同軸に配置されている。係止筒63は、先行突起15を径方向の外側から取り囲むとともに、係止筒63の下端部は、吐出孔41内に嵌合されている。係止筒63の下端部には、装着孔36の前述した第1係止部41aに、係脱可能に係止される第2係止部63aが形成されている。
【0040】
次に、上述した塗布容器10の作用について説明する。なお以下の説明では、図1および図2に示すような、オーバーキャップ16が容器本体11の口部11aに装着された状態を初期状態とする。初期状態の塗布容器10では、塗布栓14が、計量室29内と容器本体11内との連通孔21を通した連通を遮断し、かつ吐出路52を通して計量室29内と外部とを連通させる塗布位置P2に位置している。
【0041】
初期状態の塗布容器10において、容器本体11の口部11aとオーバーキャップ16との螺着を解除し、オーバーキャップ16を取り外す。オーバーキャップ16と容器本体11とを螺着が解除される方向に相対回転させると、この相対回転に伴いオーバーキャップ16が容器本体11に対して上方移動する。このときオーバーキャップ16が、係止筒63、第2係止部63aおよび第1係止部41aを介して塗布栓14に係止されているため、オーバーキャップ16の上方移動に伴い、塗布栓14が引き上げられる。
【0042】
またこのとき塗布栓14は、図3に示すように、連結段部44が計量筒部材13の頂部34に当接して更なる上方移動が規制されるまで、オーバーキャップ16とともに引き上げられる。この状態で、オーバーキャップ16と容器本体11とを螺着が解除される方向にさらに相対回転させると、塗布栓14に対してオーバーキャップ16が上方移動することで、第1係止部41aと第2係止部63aとが互いに乗り越える。これにより、オーバーキャップ16と塗布栓14との係止が解除され、オーバーキャップ16のみが上方移動することで、オーバーキャップ16と容器本体11の螺着が解除され、オーバーキャップ16が取り外される。
【0043】
このとき塗布栓14のシール部45は、中栓部材12の外筒25から離脱されていて、中栓部材12の連通孔21と計量室29内とは、シール部45の下端と外筒25の上端との間を通して連通されている。一方、図3および図4に示すように、塗布栓14の小径部43において貫通孔46よりも下側に位置する部分が、装着孔36内に液密に嵌合されており、貫通孔46と計量室29との連通が遮断され、これにより計量室29と吐出孔41との連通が遮断されている。このように塗布栓14は、オーバーキャップ16を取り外した直後には、吐出路52を通した計量室29内と外部との連通を遮断し、かつ計量室29内と容器本体11内とを連通孔21を通して連通させる計量位置P1に位置する。
【0044】
次に、容器本体11内の内容物Mを計量室29内に流入させる。塗布栓14が計量位置P1にある状態で、塗布容器10を先行突起15が下向きとなる倒立姿勢とする。すると、容器本体11内の内容物Mが、連通孔21を通して計量室29内に流入する。一方、計量位置P1においては、塗布栓14の貫通孔46と計量室29内との連通が遮断されているため、貫通孔46を通した吐出孔41内への内容物Mの流入が防止されている。これにより、計量室29内に所定量の内容物Mが計量される。なお、倒立姿勢では、塗布容器10の上下が反転するため、容器軸O方向に沿う塗布栓14側が下側、容器本体11側が上側となる。
【0045】
続いて、図5に示すように、塗布容器10を倒立姿勢に維持した状態で、先行突起15および塗布栓14を被塗布部Sに押し付ける。
このとき、はじめに先行突起15の先端面が被塗布部Sに押し当てられ、先行突起15が上方に向けて押し込まれる。すると、弾性連結片51が容器軸O方向に弾性変形して吐出路52の流路断面積が増大する。
【0046】
その後、先行突起15とともに塗布栓14が被塗布部Sに押し当てられる。塗布栓14が被塗布部Sに押し当てられると、塗布栓14が計量筒部材13に対して上方に向けて移動する。このときまず、塗布栓14のシール部45が中栓部材12の外筒25内に嵌合される前に、塗布栓14の貫通孔46と計量室29内との連通の遮断が解除される中間位置P3に移動する。なお、シール部45が外筒25内に嵌合された後に、貫通孔46と計量室29内との連通の遮断が解除されるように構成してもよい。
【0047】
その後、図6に示すように、塗布栓14のシール部45が受け部24の外筒25内に嵌合される塗布位置P2まで塗布栓14を移動させる。なおこのとき、塗布栓14の連結段部44が受け部24の内筒26に下方から当接することで、塗布栓14の上方移動が規制される。また、規制部53が互いに係合し合うことで、先行突起15全体(先行突起15の先端面)の容器軸O方向への更なる弾性変位が規制される。
塗布栓14が塗布位置P2に移動すると、計量室29内の内容物Mが貫通孔46を通して吐出孔41内に流入する。吐出孔41内に流入した内容物Mは、吐出路52を通して被塗布部S上に吐出される。
【0048】
ここで、塗布栓14が塗布位置P2にある状態において、先行突起15の先端面を被塗布部Sに押し当てると、図6および図7に示すように、その押付力に応じて先行突起15が弾性変位する。すると、吐出路52の流路断面積が変化することで、吐出路52を通して被塗布部Sに吐出される内容物Mの流量が変化する。これにより、被塗布部Sに吐出される内容物Mの吐出量を調整することができる。
【0049】
なお、本体筒部33が計量室29内を外部から視認可能に形成され、具体的には、本体筒部33が透明や半透明等に形成(例えば、可視光線が透過可能に形成)されている場合には、図8に示すように、塗布容器10を一旦、正立姿勢に戻すことで、計量室29内の内容物Mの残量を確認することができる。図示の例では、計量室29の底面(中栓部材12の外筒25の上端面)が、被着筒部32の上端面よりも上側に位置しているので、被着筒部32により内容物Mの視認が阻害されることなく、計量室29の内容物Mの残量を容易に確認することができる。
【0050】
以上説明したように、本実施形態に係る塗布容器10によれば、吐出路52の流路断面積が、先行突起15の容器軸O方向への変位に伴って変化するので、先行突起15の押付力、つまり先行突起15の変位量(先行突起15の先端面の変位量)を調整することで、吐出路52を通して吐出される内容物Mの流量を制御することができる。その結果、吐出精度の向上を図ることができる。
なお本実施形態では、先行突起15の先端面が弾性変位していない状態では、吐出路52の流路断面積が小さく、内容物Mの予期せぬ流出が阻害されている一方、先行突起15の先端面が弾性変位すると、吐出路52の流路断面積が増大して内容物Mが吐出し易くなる。したがって、先行突起15の先端面の弾性変位および復元変位を繰り返すことで、内容物Mを複数回に分けて小出しにすることができる。
【0051】
また、容器軸O方向に弾性変位可能な先行突起15の先端面を被塗布部Sに押し付けるので、塗布時において、被塗布部Sに及ぼされる衝撃や外力等が先行突起15のクッション作用により緩和されることになる。そのため、柔らかな塗布感触を得ることができるとともに、不快さや心地悪さを低減し、快適で心地よい塗布を行うことができる。
【0052】
また、吐出孔41の内周面と先行突起15の外周面との間に、弾性連結片51が設けられているので、先行突起15の先端面が被塗布部Sに押し当てられたときに、弾性連結片51を弾性変形させることで、先行突起15の先端面を先行突起15の全体と一体に弾性変位させながら、吐出路52の流路断面積を変化させることができる。これにより、吐出路52の流路断面積を安定して変化させることが可能になり、吐出精度の更なる向上を図ることができる。
また、弾性連結片51が弾性変形する前の状態が最小の流路断面積となるように設定することで、当該状態における吐出路52からの液漏れを抑制することができる。
【0053】
さらに、先行突起15の先端面の弾性変位量を規制する規制部53が設けられているので、先行突起15の先端面の過度な容器軸O方向への変位を規制することができる。これにより、弾性連結片51(先行突起15の先端面の弾性変位に伴って変形する変形部)に大きな負荷がかかるのを抑えることが可能になり、吐出路52の流路断面積を、長期間にわたって安定して変化させることができる。
【0054】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0055】
例えば、前記実施形態で示した塗布容器10を用いて被塗布部S上に内容物Mを塗布するに際し、先行突起15の先端部を被塗布部Sに当接させた状態で、被塗布部Sに対して塗布容器10を移動させる等することも可能である。
【0056】
また、規制部53がなくてもよい。
また、弾性連結片51として、弾性変形する前の状態で吐出孔41の内周面と先行突起15の外周面との間に隙間を設ける構成を採用したが、この隙間がない構成を採用することも可能である。
【0057】
上述した実施形態では、先行突起15自身が変形することなく、先行突起15と塗布栓14との接続部分が変形することで、先行突起15全体が容器軸O方向に弾性変位し、この弾性変位に伴って先行突起15の先端面も弾性変位したが、本発明はこれに限られない。例えば、先行突起15が弾性変形可能に形成されていて、先行突起15自身が変形することで、先行突起15の先端面が容器軸O方向に弾性変位する構成を採用してもよい。
【0058】
また先行突起15が、塗布栓14に連設された他の形態に適宜変更することも可能である。部品数低減の観点からは、上述した実施形態のように、塗布栓14と先行突起15とが一体成形されていることが好ましいが、先行突起15を塗布栓14と別体成形し、これらを互いに組み付けることも可能である。
【0059】
また、容器本体11は、上述した実施形態に示すような自立可能な底部を有する形状に限らず適宜変更可能であり、容器の横断面形状等も種々のものを採用することができる。
【0060】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0061】
10 塗布容器
11 容器本体
11a 口部
12 中栓部材
13 計量筒部材
14 塗布栓
15 先行突起
16 オーバーキャップ
21 連通孔
29 計量室
32 被着筒部
33 本体筒部
41 吐出孔
51 弾性連結片
52 吐出路
53 規制部
M 内容物
O 容器軸
P1 計量位置
P2 塗布位置
S 被塗布部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8