(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
受光量に応じた撮像信号を生成して出力する複数の画素が二次元マトリクス状に配置されている画素部と、前記画素部を行単位で順次選択して前記撮像信号を読み出す垂直選択部と、を配置してなる画素チップと、
少なくとも電源部と、前記撮像信号を伝送ケーブルへ伝送する伝送部と、を配置してなる伝送チップと、
前記電源部における電源用のバイパスコンデンサとして機能する容量を有する容量チップと、
前記画素チップ、前記伝送チップおよび前記容量チップの各々を他のチップと電気的に接続する複数の接続部と、
を備え、
前記伝送チップは、前記画素部の受光面と直交する方向に沿って、前記画素チップにおける光の入射面の裏面側に前記接続部によって積層されて接続されており、
前記容量チップは、前記画素部の受光面と直交する方向に沿って、前記伝送チップにおける前記画素チップを積層した面の裏面側に複数積層されて接続されており、
前記接続部は、前記画素部の受光面と直交する方向から見て重なりあるように配置されることを特徴とする撮像素子。
前記複数の機能実行部は、前記複数の画素から所定の画素を順次選択し、該選択された画素から出力される前記撮像信号を読み出す読み出し部、前記読み出し部が前記選択された画素から出力される前記撮像信号を読み出すタイミングを制御するタイミング制御部、および前記画素チップから出力されるアナログの前記撮像信号に対してA/D変換を行うA/D変換部を含むことを特徴とする請求項2に記載の撮像素子。
前記画素部の受光面と直交する方向に沿って、前記プロービングパッドの位置を含む前記画素チップの表面に積層されたカバーガラスをさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の撮像素子。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態1に係る内視鏡システムの全体構成を模式的に示す概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施の形態1に係る内視鏡システムの要部の機能を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施の形態1に係る撮像素子の上面図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施の形態1に係る撮像素子の斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施の形態1に係る撮像素子の製造方法の概要を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、本発明の実施の形態1に係る撮像素子の動作を示すタイミングチャートである。
【
図10A】
図10Aは、本発明の実施の形態1の変形例に係る撮像素子を形成する第1チップを模式的に示す平面図である。
【
図10B】
図10Bは、本発明の実施の形態1の変形例に係る撮像素子を形成する第2チップを模式的に示す平面図である。
【
図10C】
図10Cは、本発明の実施の形態1の変形例に係る撮像素子を形成する第3チップを模式的に示す平面図である。
【
図10D】
図10Dは、本発明の実施の形態1の変形例に係る撮像素子を形成する第4チップを模式的に示す平面図である。
【
図11A】
図11Aは、本発明の実施の形態1の変形例に係る別の撮像素子を形成する第1チップを模式的に示す平面図である。
【
図11B】
図11Bは、本発明の実施の形態1の変形例に係る別の撮像素子を形成する第2チップを模式的に示す平面図である。
【
図11C】
図11Cは、本発明の実施の形態1の変形例に係る別の撮像素子を形成する第3チップを模式的に示す平面図である。
【
図11D】
図11Dは、本発明の実施の形態1の変形例に係る別の撮像素子を形成する第4チップを模式的に示す平面図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施の形態2に係る内視鏡システムの要部の機能を示すブロック図である。
【
図13A】
図13Aは、本発明の実施の形態2に係る撮像素子を形成する第1チップを模式的に示す平面図である。
【
図13B】
図13Bは、本発明の実施の形態2に係る撮像素子を形成する第2チップを模式的に示す平面図である。
【
図13C】
図13Cは、本発明の実施の形態2に係る撮像素子を形成する第3チップを模式的に示す平面図である。
【
図13D】
図13Dは、本発明の実施の形態2に係る撮像素子を形成する第4チップを模式的に示す平面図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施の形態2に係る撮像素子の動作を示すタイミングチャートである。
【
図15】
図15は、本発明の実施の形態3に係る内視鏡システムの要部の機能を示すブロック図である。
【
図16A】
図16Aは、本発明の実施の形態4に係る撮像素子の第1チップの平面図である。
【
図16B】
図16Bは、本発明の実施の形態4に係る撮像素子の第2チップの平面図である。
【
図16C】
図16Cは、本発明の実施の形態4に係る撮像素子の第3チップの平面図である。
【
図17】
図17は、本発明の実施の形態5に係る撮像素子の上面図である。
【
図19A】
図19Aは、本発明の実施の形態5に係る撮像素子の第1チップの平面図である。
【
図19B】
図19Bは、本発明の実施の形態5に係る撮像素子の第2チップの平面図である。
【
図19C】
図19Cは、本発明の実施の形態5に係る撮像素子の第3チップの平面図である。
【
図20】
図20は、本発明の実施の形態5に係る撮像素子の製造方法の概要を示すフローチャートである。
【
図22】
図22は、本発明の実施の形態5の変形例1に係る撮像素子の製造方法の概要を示すフローチャートである。
【
図24】
図24は、本発明の実施の形態5の変形例2に係る撮像素子の断面を示す模式図である。
【
図25】
図25は、本発明の実施の形態5の変形例2に係る撮像素子の製造方法の概要を示すフローチャートである。
【
図27A】
図27Aは、本発明の実施の形態5の変形例3に係る撮像素子の第1チップの平面図である。
【
図27B】
図27Bは、本発明の実施の形態5の変形例3に係る撮像素子の第2チップの平面図である。
【
図27C】
図27Cは、本発明の実施の形態5の変形例3に係る撮像素子の第3チップの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)として、撮像素子を被検体に挿入される挿入部の先端に設けた内視鏡を備えた内視鏡システムについて説明する。また、この実施の形態により、本発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付して説明する。さらにまた、図面は、模式的なものであり、各部材の厚みと幅との関係、各部材の比率等は、現実と異なることに留意する必要がある。また、図面の相互間においても、互いの寸法や比率が異なる部分が含まれている。
【0024】
(実施の形態1)
〔内視鏡システムの構成〕
図1は、本発明の実施の形態1に係る内視鏡システムの全体構成を模式的に示す概略図である。
図1に示す内視鏡システム1は、内視鏡2と、伝送ケーブル3と、コネクタ部5と、プロセッサ6(画像処理装置)と、表示装置7と、光源装置8と、を備える。
【0025】
内視鏡2は、伝送ケーブル3の一部である挿入部100を被検体の体腔内に挿入することによって、被検体の体内を撮像して撮像信号(画像データ)をプロセッサ6へ出力する。内視鏡2は、伝送ケーブル3の一端側であり、被検体の体腔内に挿入される挿入部100の先端101側に、体内画像の撮像を行う撮像素子20(撮像装置)が設けられている。また、内視鏡2は、挿入部100の基端102側に、内視鏡2に対する各種操作を受け付ける操作部4が設けられている。撮像素子20が撮像した画像の撮像信号は、例えば、数mの長さを有する伝送ケーブル3を通り、コネクタ部5に出力される。
【0026】
伝送ケーブル3は、内視鏡2とコネクタ部5とを接続するとともに、内視鏡2と光源装置8とを接続する。また、伝送ケーブル3は、撮像素子20が生成した撮像信号をコネクタ部5へ伝搬する。伝送ケーブル3は、ケーブルや光ファイバ等を用いて構成される。
【0027】
コネクタ部5は、内視鏡2、プロセッサ6および光源装置8と接続され、接続された内視鏡2が出力する撮像信号に所定の信号処理を施してプロセッサ6へ出力する。
【0028】
プロセッサ6は、コネクタ部5から入力される撮像信号に所定の画像処理を施して表示装置7へ出力する。プロセッサ6は、内視鏡システム1全体を統括的に制御する。例えば、プロセッサ6は、光源装置8が出射する照明光を切り替えたり、内視鏡2の撮像モードを切り替えたりする制御を行う。
【0029】
表示装置7は、プロセッサ6が画像処理を施した撮像信号に対応する画像を表示する。また、表示装置7は、内視鏡システム1に関する各種情報を表示する。表示装置7は、液晶や有機EL(Electro Luminescence)等の表示パネル等を用いて構成される。
【0030】
光源装置8は、コネクタ部5および伝送ケーブル3を経由して内視鏡2の挿入部100の先端101側から被写体に向けて照明光を照射する。光源装置8は、白色光を発する白色LED(Light Emitting Diode)および白色光の波長帯域より狭い波長帯域を有する狭帯域光の特殊光を発するLED等を用いて構成される。光源装置8は、プロセッサ6の制御のもと、内視鏡2を介して白色光または狭帯域光を被写体に向けて照射する。なお、本実施の形態1では、光源装置8を同時式で説明するが、赤色、緑色および青色それぞれの光を順次照射する面順次式であってもよい。
【0031】
図2は、内視鏡システム1の要部の機能を示すブロック図である。
図2を参照して、内視鏡システム1の各部構成の詳細および内視鏡システム1内の電気信号の経路について説明する。
【0032】
〔内視鏡の構成〕
まず、内視鏡2の構成について説明する。内視鏡2は、撮像素子20と、伝送ケーブル3と、コネクタ部5と、を備える。
【0033】
撮像素子20は、第1チップ21と、第2チップ22と、第3チップ23と、第4チップ24と、を有する。第1チップ21、第2チップ22、第3チップ23および第4チップ24は、互いに積層されて接続されている。また、撮像素子20は、伝送ケーブル3を介して後述するコネクタ部5の電源電圧生成部54によって生成された電源電圧VDDをグランドGNDとともに受け取る。
【0034】
第1チップ21は、CIS(CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor) Image Sensor)チップを用いて実現される。具体的には、第1チップ21は、二次元マトリクス状に配置されてなり、外部から光を受光し、受光量に応じた撮像信号を生成して出力する複数の画素211aが配置されてなる画素部211(受光部)を有する。
【0035】
画素部211は、光電変換素子(フォトダイオード)、転送トランジスタ、電荷電圧変換トランジスタおよび画素出力トランジスタ等を用いて実現される。なお、以下において、画素部211を1つの垂直転送線で2つの画素211aを読み出す2画素共有の例を説明するが、これに限定されず、例えば1つの垂直転送線で4つの画素211aを読み出す4画素共有のものや、1つの垂直転送線で8つの画素211aを読み出す8画素共有のものや、1つの垂直転送線で1つの画素211aを読み出すものであってもよい。
【0036】
第2チップ22は、ADC(Analog-to-Digital Converter)チップを用いて実現される。第2チップ22は、カラム読み出し部221と、タイミング制御部222と、A/D変換部223と、を有する。
【0037】
カラム読み出し部221は、タイミング制御部222から入力される信号に基づいて、画素部211における複数の画素211aから所定の画素を順次選択し、選択した画素から撮像信号を読み出してA/D変換部223へ出力する。
【0038】
タイミング制御部222は、コネクタ部5から入力される基準クロック信号および同期信号に基づいて、タイミング信号を生成し、このタイミング信号をカラム読み出し部221へ出力する。
【0039】
A/D変換部223は、カラム読み出し部221から入力されたアナログの撮像信号をデジタルの撮像信号に変換して後述する第3チップ23の伝送部231へ出力する。
【0040】
第3チップ23は、IF(interface)チップを用いて実現される。第3チップ23は、A/D変換部223から入力された多ビットのデジタルの撮像信号をパラレル−シリアル変換して差動方式で伝送ケーブル3へ伝送する伝送部231と、伝送部231を駆動する電源部232と、を有する。
【0041】
第4チップ24は、容量チップを用いて実現される。第4チップ24は、撮像素子20に供給される電源電圧VDDとグランドGNDとの間に設けられ、電源安定用のバイパスコンデンサ241を有する。なお、本実施の形態1では、第4チップが容量チップとして機能する。
【0042】
コネクタ部5は、受信部51と、撮像信号処理部52と、同期信号生成部53と、電源電圧生成部54と、を有する。
【0043】
受信部51は、撮像素子20から伝送された差動の撮像信号を受信し、シリアル‐パラレル変換して撮像信号処理部52へ出力する。
【0044】
撮像信号処理部52は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)により構成され、受信部51から入力されるデジタルの撮像信号に対して、ノイズ除去およびフォーマット変換処理等の処理を行ってプロセッサ6へ出力する。
【0045】
同期信号生成部53は、プロセッサ6から供給され、内視鏡2の各構成部の動作の基準となる基準クロック信号(例えば、27MHzのクロック信号)に基づいて、各フレームのスタート位置を表す同期信号を生成して、基準クロック信号とともに、伝送ケーブル3を介して撮像素子20のタイミング制御部222へ出力する。ここで、同期信号生成部53が生成する同期信号は、水平同期信号と垂直同期信号とを含む。
【0046】
電源電圧生成部54は、プロセッサ6から供給される電源から、第1チップ21、第2チップ22、第3チップ23および第4チップ24それぞれを駆動するのに必要な電源電圧を生成して第1チップ21、第2チップ22、第3チップ23および第4チップ24へ出力する。電源電圧生成部54は、レギュレーターなどを用いて第1チップ21、第2チップ22、第3チップ23および第4チップ24を駆動するのに必要な電源電圧を生成する。
【0047】
〔プロセッサの構成〕
次に、プロセッサ6の構成について説明する。プロセッサ6は、内視鏡システム1の全体を統括的に制御する制御装置である。プロセッサ6は、画像処理部61と、記録部62と、入力部63と、クロック生成部64と、電源部65と、プロセッサ制御部66と、を備える。
【0048】
画像処理部61は、撮像信号処理部52で信号処理が施されたデジタルの撮像信号に対して、同時化処理、ホワイトバランス(WB)調整処理、ゲイン調整処理、ガンマ補正処理、デジタルアナログ(D/A)変換処理、フォーマット変換処理等の画像処理を行って画像信号に変換し、この撮像信号を表示装置7(表示部)へ出力する。
【0049】
記録部62は、内視鏡システム1に関する各種情報や処理中のデータ等を記録する。記録部62は、FlashメモリやRAM(Random Access Memory)の記録媒体を用いて構成される。
【0050】
入力部63は、内視鏡システム1に関する各種操作の入力を受け付ける。例えば、入力部63は、光源装置8が出射する照明光の種別を切り替える指示信号の入力を受け付ける。入力部63は、例えば十字スイッチやプッシュボタン等を用いて構成される。
【0051】
クロック生成部64は、内視鏡システム1の各構成部の動作の基準となる基準クロック信号を生成し、この基準クロック信号を同期信号生成部53へ出力する。
【0052】
電源部65は、電源電圧VDDを生成し、この生成した電源電圧VDDをグランドGNDとともに、コネクタ部5の電源電圧生成部54へ供給する。
【0053】
プロセッサ制御部66は、内視鏡システム1を構成する各部を統括的に制御する。プロセッサ制御部66は、CPU(Central Processing Unit)等を用いて構成される。プロセッサ制御部66は、入力部63から入力された指示信号に応じて、光源装置8が出射する照明光を切り替える。
【0054】
〔撮像部の構造〕
次に、撮像素子20の詳細な構造について説明する。
図3は、撮像素子20の上面図である。
図4は、撮像素子20の斜視図である。
図5は、
図3のA−A線断面図である。
図6Aは、
図4のB−B線断面図である。
図6Bは、
図4のC−C線断面図である。
図6Cは、
図4のD−D線断面図である。
図6Dは、
図4のE−E線断面図である。
【0055】
図3〜
図5および
図6A〜
図6Dに示すように、撮像素子20は、第1チップ21における画素部211の面と直交する方向(
図5の紙面上下方向)に沿って、第4チップ24、第4多層配線層28、第3チップ23、第3多層配線層27、第2チップ22、第2多層配線層26、第1多層配線層25、第1チップ21およびカバーガラス30(カバーガラスウエハ)の順に積層されてなる。また、撮像素子20は、各層を電気的に接続するTSV32、34が形成されてなる。さらに、撮像素子20は、第1チップ21における受光面側に画像検査を行う検査用のプローブを接触させるプロ−ビングパッド213aが形成されている。さらにまた、撮像素子20は、各層を電気的に接続する電極31,33,35の各々が形成されてなる。
【0056】
第1チップ21は、
図6Aに示すように、矩形状をなす画素部211と、画素部211の左右両端に設けられ、画素部211における各画素211aから撮像信号を行単位で順次選択して垂直転送線(図示せず)に転送させる垂直選択部212(垂直選択回路)と、画素部211の上端側に配置され、第2チップ22と接続する矩形状をなす接続部213と、接続部213に設けられたプロ−ビングパッド213aと、を有する。さらに、プロ−ビングパッド213aは、画素部211の受光面側から見て接続部213と重なり合うように第1チップ21に形成されている。
【0057】
第2チップ22は、
図6Bに示すように、カラム読み出し部221(カラム読み出し回路)と、タイミング制御部222と、A/D変換部223と、カラム読み出し部221を選択して撮像信号を転送させる水平選択部224(水平選択回路)と、接続部225と、を有する。接続部225は、カラム読み出し部221の上端側に配置されている。
【0058】
第3チップ23は、
図6Cに示すように、伝送部231(ケーブル伝送回路)と、電源部232と、接続部233と、を有する。接続部233は、電源部232の上端側に配置されている。
【0059】
第4チップ24は、
図6Dに示すように、バイパスコンデンサ241と、接続部242と、を有する。接続部242は、バイパスコンデンサ241の上端側に配置されている。
【0060】
このように構成された撮像素子20は、接続部213、接続部225、接続部233および接続部242の各々が画素部211の受光面と直交する方向から見て重なり合うように各チップに配置されてなる。これにより、各チップの面積を小さくすることができるので、撮像素子20の小型化を行うことができる。
【0061】
〔撮像部の製造方法〕
次に、撮像素子20の製造方法について説明する。
図7は、撮像素子20の製造方法の概要を示すフローチャートである。
図8A〜
図8Nは、
図7の各製造工程における撮像素子20の断面を示す模式図である。なお、以下においては、周知の半導体製造装置を用いて撮像素子20を製造するため、半導体製造装置の構成については説明を省略する。
【0062】
図7に示すように、まず、半導体製造装置は、公知の半導体集積回路工程を用いて、Siウエハに半導体集積回路および容量素子を形成することによって、CISウエハ、ADCウエハ、IFウエハおよび容量ウエハを製造する(ステップS101)。この場合において、半導体製造装置は、各ウエハに絶縁層および導電層からなる多層配線層を形成する。例えば、
図8Aに示すように、半導体製造装置は、第1チップ21に第1多層配線層25を形成する。
【0063】
続いて、半導体製造装置は、CISウエハとADCウエハを積層して接続を行う(ステップS102)。具体的には、
図8Bに示すように、半導体製造装置は、第1チップ21の第1多層配線層25および第2チップ22の第2多層配線層26に対して平坦化を行い、絶縁層の最表面および導電層の最表面それぞれが略同じ高さとなるようにした後に、導電層によって形成された電極31によって第1チップ21の第1多層配線層25および第2チップ22の第2多層配線層26を貼り合わせる。これにより、絶縁層および導電層が一括で接合される(ハイブリッドボンディング)。
【0064】
その後、半導体製造装置は、ADCウエハの薄化を行う(ステップS103)。具体的には、半導体製造装置は、
図8Cに示すように、
図8Bの状態から第2チップ22を3μm〜50μm程度に薄化を行う。この場合、第1チップ21がサポートウエハとして機能するため、第2チップ22を薄化する際のハンドリングのために、別途サポートウエハを用いる必要がない。
【0065】
続いて、半導体製造装置は、ADCウエハとIFウエハを積層して接続を行う(ステップS104)。具体的には、
図8Dに示すように、半導体製造装置は、第2チップ22の薄化した面に形成した絶縁膜と第3チップ23の第3多層配線層27の絶縁膜それぞれを接合することによって積層する。
【0066】
その後、半導体製造装置は、IFウエハの薄化を行う(ステップS105)。具体的には、
図8Eに示すように、半導体製造装置は、第3チップ23の薄化を行う。
【0067】
続いて、半導体製造装置は、ADCウエハおよびIFウエハそれぞれに対してTSVの形成を行う(ステップS106)。具体的には、
図8Fに示すように、半導体製造装置は、第2チップ22および第3チップ23それぞれに対してTSV32を形成し、第2チップ22の第2多層配線層26と第3チップ23の第3多層配線層27とを接続する。この場合、半導体製造装置は、例えば周知のツインコンタクトまたはシェアードコンタクト等によって、第2チップ22の第2多層配線層26と第3チップ23の第3多層配線層27とを接続する。
【0068】
その後、半導体製造装置は、IFウエハと容量ウエハを積層して接続を行う(ステップS107)。具体的には、
図8Gに示すように、半導体製造装置は、第3チップ23の裏面に形成され、TSV32に接続する電極33と第4チップ24の第4多層配線層28をハイブリッドボンディングまたはバンプ等を介して接続することによって積層して接続を行う。
【0069】
続いて、半導体製造装置は、容量ウエハの薄化を行う(ステップS108)。具体的には、
図8Hに示すように、半導体製造装置は、第4チップ24を3μm〜50μm程度に薄化する。
【0070】
その後、半導体製造装置は、容量ウエハにTSVを形成する(ステップS109)。具体的には、
図8Iに示すように、半導体製造装置は、第4チップ24の第4多層配線層28に接続するTSV34を形成する。
【0071】
続いて、半導体製造装置は、容量ウエハにサポートウエハを接合し(ステップS110)、半導体製造装置は、CISウエハの薄化を行う(ステップS111)。具体的には、
図8Jに示すように、半導体製造装置は、第4チップ24の裏面にサポートウエハ36を仮接合した後に、第1チップ21の薄化を行う。
【0072】
その後、半導体製造装置は、CISウエハにプロービングパッドを開口する(ステップS112)。具体的には、
図8Kに示すように、半導体製造装置は、第1チップ21の第1多層配線層25の一部をパッドとして露出させるように、第1チップ21の接続部213(接続領域)におけるSi基板および絶縁層に対してエッチング処理を行うことによって、プロ−ビングパッド213aを形成する。
【0073】
続いて、半導体製造装置は、CISウエハにカラーフィルタまたはマイクロレンズ等のオンチップフィルタ(OCF)を形成する(ステップS113)。
【0074】
その後、図示しない検査装置は、積層ウエハを検査する(ステップS114)。具体的には、検査装置は、検査プローブをプロ−ビングパッド213aにプロ−ビングして撮像素子20(積層ウエハ)の画像検査を行う。
【0075】
続いて、半導体製造装置は、CISウエハにカバーガラスを接着する(ステップS115)。具体的には、
図8Lに示すように、半導体製造装置は、第1チップ21のOCF上にカバーガラス30(カバーガラスウエハ)を接着する。
【0076】
その後、半導体製造装置は、サポートウエハの剥離を行う(ステップS116)。具体的には、
図8Mに示すように、半導体製造装置は、第4チップ24の裏面のサポートウエハ36を剥離する。
【0077】
続いて、半導体製造装置は、IFウエハの裏面に電極を形成する(ステップS117)。具体的には、
図8Nに示すように、半導体製造装置は、第4チップ24の裏面に対して外部接続用の電極35を形成する。このように半導体製造装置は、本実施の形態1に用いる撮像素子20を製造し、本処理を終了する。
【0078】
ここでは一例として、CISウエハの薄化(ステップS111)の前段階で容量ウエハの薄化(ステップS108)および容量ウエハへのTSV形成(ステップS109)を行う方法を説明したが、容量ウエハの薄化(ステップS108)および容量ウエハへのTSV形成(ステップS109)の前に、CISウエハの薄化(ステップS111)、CISウエハへのプロービングパッド開口(ステップS112)、CISウエハへのオンチップフィルタ(OCF)形成(ステップS113)、積層ウエハの検査(ステップS114)およびCISウエハへのカバーガラス接着(ステップS115)を行っても良い。この場合、CISウエハの薄化の際に薄化処理前の容量ウエハがサポートウエハとして機能するため、別途サポートウエハへの仮接合と剥離の工程を必要とせず、工程を簡略化することができる。
【0079】
〔撮像素子の動作〕
次に、撮像素子21の動作について説明する。
図9は、撮像素子21の動作を示すタイミングチャートである。
図9において、横軸が時間を示す。また、
図9の(a)が画素部221における水平ラインの読み出しタイミングを示し、
図9の(b)が第2チップ22のAD変換タイミングを示し、
図9の(c)が第3チップ23の伝送部231による伝送タイミングを示す。なお、
図9においては、画素部211におけるNラインとN+1ラインを一例として説明する。
【0080】
図9に示すように、タイミング制御部222は、画素部211におけるNラインの読み出しを開始し(時刻t1)、Oddカラムから読み出されたアナログの撮像信号をA/D変換してデジタルの撮像信号に変換し、このデジタルの撮像信号を伝送部231によって伝送ケーブル3に伝送させる(時刻t2〜時刻t3)。
【0081】
その後、タイミング制御部222は、水平ブランキング期間の後(時刻t4)、Evenカラムから読み出されたアナログの撮像信号をA/D変換してデジタルの撮像信号に変換し、このデジタルの撮像信号を伝送部231によって伝送ケーブル3に伝送させる(時刻t4〜時刻t5)。
【0082】
続いて、タイミング制御部222は、画素部211におけるN+1ラインの読み出しを開始する(時刻t5)。
【0083】
その後、タイミング制御部222は、水平ブランキング期間の後(時刻t6)、Oddカラムから読み出されたアナログの撮像信号をA/D変換してデジタルの撮像信号に変換し、このデジタルの撮像信号を伝送部231によって伝送ケーブル3に伝送させる(時刻t6〜時刻t7)。
【0084】
続いて、タイミング制御部222は、水平ブランキング期間の後(時刻t8)、Evenカラムから読み出されたアナログの撮像信号をA/D変換してデジタルの撮像信号に変換し、このデジタルの撮像信号を伝送部231によって伝送ケーブル3に伝送させる(時刻t8〜時刻t9)。
【0085】
このように、タイミング制御部222は、画素部211における水平ライン毎に、奇数列および偶数列の順に、デジタルの撮像信号を伝送ケーブル3へ直接伝送する。
【0086】
以上説明した本発明の実施の形態1によれば、第1チップ21、第2チップ22および第4チップ24(容量チップ)が有する接続部213、接続部225および接続部242は、画素部211の受光面と直交する方向から見て重なりあうように配置しているので、さらなる小型化を実現することができる。
【0087】
また、本発明の実施の形態1によれば、カラム読み出し部221、タイミング制御部222およびA/D変換部223および水平選択部224を同一の第2チップ22に配置することによって、チップ間のばらつきを調整するためのタイミング調整回路を省略することができるので、より撮像素子20を小型化することができる。
【0088】
さらに、本発明の実施の形態1によれば、画素部211を第1チップ21に、A/D変換部223を第2チップ22に、伝送部231を第3チップ23にそれぞれ配置したので、デジタル回路から画素部211へのノイズの回り込みを防止することができる。
【0089】
また、本発明の実施の形態1によれば、プロービングパッド213aを画素部211の受光面側から見て接続部213と重なり合うように第1チップ21に形成するので、撮像素子20のチップサイズを大きくすることなく、パッケージ前(ウエハからの切断前や内視鏡2に組み込む前)に画像検査を行いながら撮像素子20を製造することができる。
【0090】
なお、本発明の実施の形態1では、容量チップとしての第4チップ24が1つであったが、例えば、複数の容量チップを積層して接続してもよい。
【0091】
(実施の形態1の変形例)
次に、本発明の実施の形態1の変形例について説明する。上述した本実施の形態1では、バイパスコンデンサ241が第4チップ24に形成されていたが、バイパスコンデンサを形成する層を適宜変更することができる。
図10A〜
図10Dは、本実施の形態1の変形例に係る撮像素子を形成する各チップを模式的に示す平面図である。
図11A〜
図11Dは、本実施の形態1の変形例に係る別の撮像素子を形成する各チップを模式的に示す平面図である。なお、上述した実施の形態1に係る内視鏡システム1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0092】
図10A〜
図10Dに示すように、撮像素子20aは、第1チップ21と、第2チップ22aと、第3チップ23aと、第4チップ24aと、を有し、各チップが積層されている。さらに、撮像素子20aは、第2チップ22a上にバイパスコンデンサ241が形成され、第3チップ23aにカラム読み出し部221、タイミング制御部222、A/D変換部223および水平選択部224が形成され、第4チップ24aに伝送部231および電源部232が形成されている。
【0093】
また、
図11A〜
図11Dに示すように、撮像素子20bは、第1チップ21と、第2チップ22bと、第3チップ23bと、第4チップ24bと、を有し、各チップが積層されている。さらに、撮像素子20bは、第3チップ23b上にバイパスコンデンサ241が形成され、第4チップ24bに伝送部231および電源部232が形成されている。
【0094】
以上説明した本発明の実施の形態1の変形例1によれば、画素部211が形成された第1チップ21の近傍にバイパスコンデンサ241を積層することによって、画素部211への電源ノイズの回り込みをより低減することができる。
【0095】
さらに、本発明の実施の形態1の変形例1によれば、第1チップ21(CISチップ)と、熱源となる第3チップ23aおよび第2チップ22b(ADCチップ)または第4チップ24aおよび第4チップ24b(IFチップ)それぞれとの距離を離間することができるため、各画素211aの温度の不均一性に由来する画像のむらを防止することができる。
【0096】
なお、本発明の実施の形態1の変形例1では、CISチップとADCチップとの間、またはADCチップとIFチップとの間にバイパスコンデンサ241を配置してなる容量チップを積層して接続していたが、例えば各チップ間に容量チップを積層して接続してもよい。具体的には、CISチップとADCチップとの間、およびADCチップとIFチップとの間のそれぞれに容量チップを設けてもよい。もちろん、IFチップの裏面に一枚または複数枚の容量チップを積層して接続してもよい。
【0097】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態2は、上述した実施の形態1に係る撮像素子20と構成が異なる。具体的には、上述した実施の形態1に係る撮像素子20は、OddカラムおよびEvenカラムそれぞれから直接読み出して伝送ケーブル3へ伝送していたが、本実施の形態2では、OddカラムおよびEvenカラムそれぞれから読み出した撮像信号を一時的に記録して伝送ケーブル3へ伝送する。以下においては、本実施の形態2に係る撮像素子の構成を説明後、撮像素子の駆動タイミングについて説明する。なお、上述した実施の形態1に係る内視鏡システム1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0098】
図12は、本発明の実施の形態2に係る内視鏡システムの要部の機能を示すブロック図である。
図12に示す内視鏡システム1cは、上述した実施の形態1に係る内視鏡システム1の内視鏡2に換えて、内視鏡2cを備える。
【0099】
内視鏡2cは、上述した実施の形態1に係る内視鏡2の撮像素子20に換えて、撮像素子20cを備える。撮像素子20cは、第1チップ21と、第2チップ22cと、第3チップ23cと、第4チップ24cと、を備える。
【0100】
第2チップ22cは、カラム読み出し部221と、撮像素子20cを構成する各部の駆動を制御する駆動信号を生成する第1タイミング制御部222c(第1タイミング回路)と、A/D変換部223と、を有する。
【0101】
第3チップ23cは、Oddカラムから読み出された撮像信号を一時的に記録するOddメモリ231aと、Evenカラムから読み出された撮像信号を一時的に記録するEvenメモリ231bと、各種の演算を行う演算部232c(演算回路)と、を有する。
【0102】
第4チップ24cは、伝送部231と、電源部232と、を有する。
【0103】
〔撮像素子の構造〕
次に、上述した撮像素子20cの詳細な構造について説明する。
図13Aは、撮像素子20cを形成する第1チップ21を模式的に示す平面図である。
図13Bは、撮像素子20cを形成する第2チップ22cを模式的に示す平面図である。
図13Cは、撮像素子20cを形成する第3チップ23cを模式的に示す平面図である。
図13Dは、撮像素子20cを形成する第4チップ24cを模式的に示す平面図である。
【0104】
第2チップ22cは、
図13Bに示すように、カラム読み出し部221と、第1タイミング制御部222cと、A/D変換部223と、水平選択部224と、接続部225と、を有する。
【0105】
第3チップ23cは、
図13Cに示すように、演算部232c(演算回路)と、カラム読み出し部221によって読み出された撮像信号を一時的に記録するデジタルメモリ部231c(デジタルメモリ回路)と、接続部233と、を有する。デジタルメモリ部231cは、上述したOddメモリ231aおよびEvenメモリ231bによって構成される。
【0106】
第4チップ24cは、伝送部231と、電源部232と、接続部235と、を有する。
【0107】
〔撮像素子の動作〕
次に、撮像素子20cの動作について説明する。
図14は、撮像素子20cの動作を示すタイミングチャートである。
図14において、横軸が時間を示す。また、
図14の(a)が画素部211における水平ラインの読み出しタイミングを示し、
図14の(b)が第2チップ22cのAD変換タイミングを示し、
図14の(c)がOddカラムから読み出された撮像信号のデジタルメモリ部231cへの書き込みおよび読み出しタイミングを示し、
図14の(d)がEvenカラムから読み出された撮像信号のデジタルメモリ部231cへの書き込みおよび読み出しタイミングを示し、
図14の(e)が伝送部231による伝送タイミングを示す。なお、
図14においては、画素部211におけるNラインとN+1ラインを一例として説明する。
【0108】
図14に示すように、第1タイミング制御部222cは、画素部211におけるNラインの読み出しを開始し(時刻t11)、Oddカラムから読み出されたアナログの撮像信号をA/D変換してデジタルの撮像信号に変換し、このデジタルの撮像信号をデジタルメモリ部231c(Oddメモリ231a)に書き込みを行う(時刻t12〜時刻t13)。
【0109】
続いて、第1タイミング制御部222cは、水平ブランキング期間のタイミング(時刻t13)に応じて、デジタルメモリ部231c(Oddメモリ231a)に書き込まれたOddカラムの撮像信号の読み出しを行い、NラインOddカラムの撮像信号を伝送部231によって伝送ケーブル3へ伝送するNラインOddカラム伝送を開始する(時刻t13)。
【0110】
その後、第1タイミング制御部222cは、水平ブランキング期間の後(時刻t14)、Evenカラムから読み出されたアナログの撮像信号をA/D変換してデジタルの撮像信号に変換し、このデジタルの撮像信号をデジタルメモリ部231c(Evenメモリ231b)に書き込みを行う(時刻t14〜t15)。
【0111】
続いて、NラインOddカラムの撮像信号の伝送後(時刻t15)、第1タイミング制御部222cは、画素部211におけるN+1ラインの読み出しを開始する(時刻t15)。
【0112】
その後、第1タイミング制御部222cは、水平ブランキング期間のタイミング(時刻t15)に応じて、デジタルメモリ部231c(Evenメモリ231b)に書き込まれたEvenカラムの撮像信号の読み出しを行い、NラインEvenカラムの撮像信号を伝送部231によって伝送ケーブル3に伝送するNラインEvenカラム伝送を開始する(時刻t15)。
【0113】
続いて、第1タイミング制御部222cは、水平ブランキング期間の後(時刻t16)、Oddカラムから読み出されたアナログの撮像信号をA/D変換してデジタルの撮像信号に変換し、このデジタルの撮像信号をデジタルメモリ部231c(Oddメモリ231a)に書き込みを行う(時刻t16〜時刻t17)。
【0114】
その後、NラインEvenカラムの撮像信号の伝送後(時刻t17)、水平ブランキング期間のタイミング(時刻t17)に応じて、デジタルメモリ部231c(Oddメモリ231a)に書き込まれたOddカラムの撮像信号の読み出しを行い、N+1ラインOddカラムの撮像信号を伝送部231によって伝送ケーブル3に伝送するN+1ラインOddカラム伝送を開始する(時刻t17)。
【0115】
続いて、水平ブランキング期間の後(時刻t18)、第1タイミング制御部222cは、Evenカラムから読み出されたアナログの撮像信号をA/D変換してデジタルの撮像信号に変換し、このデジタルの撮像信号をデジタルメモリ部231c(Evenメモリ231b)に書き込みを行う(時刻t18〜時刻t19)。
【0116】
その後、水平ブランキング期間のタイミング(時刻t19)に応じて、デジタルメモリ部231cに書き込まれたEvenカラムの撮像信号の読み出しを行い、N+1ラインEvenカラムの撮像信号を伝送部231によって伝送ケーブル3に伝送するN+1ラインEvenカラム伝送を開始する(時刻t19)。
【0117】
以上説明した本発明の実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に小型化を実現することができる。
【0118】
さらに、本発明の実施の形態2によれば、第3チップ23cにOddメモリ231aおよびEvenメモリ231bを設けることによって、A/D変換後の撮像信号を保持させることによって、伝送レートを低減させたり、カラム読み出し部221を構成するカラム回路のばらつきを補正したりすることができる。
【0119】
なお、本発明の実施の形態2では、バイパスコンデンサ241が形成された容量チップを、第1チップ21と第2チップ22cとの間、第2チップ22cと第3チップ23cとの間、および第3チップ23cと第4チップ24cとの間のいずれかに積層して接続してもよい。もちろん、第4チップ24cの裏面に一枚または複数枚の容量チップを積層して接続してもよい。
【0120】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態3は、上述した実施の形態1に係る内視鏡2の構成と異なる。具体的には、上述した実施の形態1に係る内視鏡2は、A/D変換部223から伝送部231にパラレル信号を送信していたが、本実施の形態3では、パラレル信号をシリアル信号に変換して伝送部に送信する。以下においては、本実施の形態3に係る内視鏡の構成を説明する。なお、上述した実施の形態1に係る内視鏡システム1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0121】
図15は、本発明の実施の形態3に係る内視鏡システムの要部の機能を示すブロック図である。
図15に示す内視鏡システム1dは、上述した実施の形態1に係る内視鏡システム1の内視鏡2に換えて、内視鏡2dを備える。
【0122】
内視鏡2dは、上述した実施の形態1に係る撮像素子20およびコネクタ部5に換えて、撮像素子20dとコネクタ部5dと、を備える。
【0123】
撮像素子20dは、上述した実施の形態1に係る第2チップ22および第3チップ23に換えて、第2チップ22dおよび第3チップ23dを備える。
【0124】
第2チップ22dは、カラム読み出し部221と、タイミング制御部222と、A/D変換部223dと、を備える。
【0125】
A/D変換部223dは、アナログの撮像信号をデジタルの撮像信号にA/D変換する変換部226と、変換部226が変換したパラレルの撮像信号をシリアルの撮像信号に変換して第3チップ23dへ伝送するシリアライザ227(Serializer)と、を有する。シリアライザ227は、後述する第3チップ23dの逓倍部237から入力される高速クロック信号に基づいて、パラレルの撮像信号をシリアルの撮像信号に変換して第3チップ23dへ伝送する。
【0126】
第3チップ23dは、電源部232と、伝送部213dと、を有する。伝送部213dは、ケーブルドライバ236と、逓倍部237(逓倍回路)と、を有する。
【0127】
ケーブルドライバ236は、逓倍部237から入力される高速クロック信号に基づいて、シリアライザ227から入力されたシリアルの撮像信号を差動方式(例えばLVDS)によって伝送ケーブル3へ伝送する。
【0128】
逓倍部237は、PLL(Phase Locked Loop)を用いて構成される。逓倍部237は、コネクタ部5dから入力される基準クロック信号の周波数を所定のn倍(例えば2倍、3倍)に変換してケーブルドライバ236およびシリアライザ227へ出力する。具体的には、逓倍部237は、A/D変換部223dのビット数(例えば8ビット)に基づいて、クロック信号を逓倍した高速クロック信号を出力する。
【0129】
以上説明した本発明の実施の形態3によれば、第2チップ22dと第3チップ23dとを接続する配線、例えばTSV32の接続数を少なくすることができるため、撮像素子20dにおける接続部の面積を低減することができる。
【0130】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態4は、上述した実施の形態1に係る撮像素子20と構成が異なる。具体的には、上述した実施の形態1に係る撮像素子20では、デジタルの撮像信号を伝送ケーブル3に伝送していたが、本実施の形態4は、アナログの撮像信号を伝送ケーブル3に伝送する。伝送されたアナログの撮像信号は、受信部51にさらに備えられたアナログ・フロント・エンド部においてデジタル信号に変換して、撮像信号処理部52を介してプロセッサ6へ出力される。以下においては、本実施の形態4に係る撮像素子の構成を説明する。なお、上述した実施の形態1に係る内視鏡システム1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0131】
〔撮像装置の構造〕
図16Aは、本実施の形態4に係る撮像素子の第1チップの平面図である。
図16Bは、本実施の形態4に係る撮像素子の第2チップの平面図である。
図16Cは、本実施の形態4に係る撮像素子の第3チップの平面図である。
【0132】
図16A〜16Cに示すように、撮像素子20eは、第1チップ21と、第2チップ22eと、第3チップ23eと、を備える。撮像素子20eは、第1チップ21における画素部211の面と直交する方向に沿って、第3チップ23e、第2チップ22e、第1チップ21およびカバーガラス30(図示せず)の順に積層されてなる。
【0133】
第2チップ22eは、カラム読み出し部221と、水平選択部224と、タイミング制御部222と、カラム読み出し部221によって読み出されたアナログの撮像信号を伝送ケーブル3に伝送するアナログケーブル伝送部228(アナログケーブル伝送回路)と、を有する。さらに、第2チップ22eは、各層を電気的に接続する接続部225を有する。
【0134】
第3チップ23eは、バイパスコンデンサ241と、接続部233と、を有する。
【0135】
以上説明した本発明の実施の形態4によれば、上述した実施の形態1と同様に、撮像素子20eの小型化を実現することができる。
【0136】
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5について説明する。本実施の形態5は、上述した実施の形態1に係る撮像素子20と構成が異なる。以下においては、本実施の形態5に係る撮像素子の構成について説明する。なお、上述した実施の形態1に係る内視鏡システム1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0137】
〔撮像素子の構成〕
図17は、本実施の形態5に係る撮像素子の上面図である。
図18は、
図17のF−F線断面図である。
図19Aは、本実施の形態5に係る撮像素子の第1チップの平面図である。
図19Bは、本実施の形態5に係る撮像素子の第2チップの平面図である。
図19Cは、本実施の形態5に係る撮像素子の第3チップの平面図である。
【0138】
図17、
図18および
図19A〜
図19Cに示すように、撮像素子20fは、第1チップ21と、第2チップ22と、第3チップ23と、を備える。撮像素子20fは、第1チップ21における画素部211の面と直交する方向に沿って、第3チップ23、第3多層配線層27、第2チップ22、第2多層配線層26、第1多層配線層25、第1チップ21およびカバーガラス30の順に積層されてなる。
【0139】
〔撮像素子の製造方法〕
次に、撮像素子20fの製造方法について説明する。
図20は、撮像素子20fの製造方法の概要を示すフローチャートである。
図21A〜
図21Jは、
図20の各製造工程における撮像素子20fの断面を示す模式図である。なお、以下においては、周知の半導体製造装置を用いて撮像素子20fを製造するため、半導体製造装置の構成については説明を省略する。
【0140】
図20に示すように、まず、半導体製造装置は、公知の半導体製造工程を用いて、Siウエハに半導体集積回路を形成することによって、CISウエハ(第1チップ21)、ADCウエハ(第2チップ22)およびIFウエハ(第3チップ23)それぞれを製造する(ステップS201)。この場合において、半導体製造装置は、各ウエハに絶縁層および導電層からなる多層配線層を形成する。例えば、
図21Aに示すように、半導体製造装置は、第1チップ21に第1多層配線層25を形成する。
【0141】
続いて、半導体製造装置は、CISウエハとADCウエハを積層して接続を行う(ステップS202)。具体的には、
図21Bに示すように、半導体製造装置は、第1チップ21の第1多層配線層25および第2チップ22の第2多層配線層26に対して平坦化を行い、絶縁層の最表面および導電層の最表面それぞれが略同じ高さとなるようにした後に、導電層によって形成された電極31によって第1チップ21の第1多層配線層25および第2チップ22の第2多層配線層26を貼り合わせる。これにより、絶縁層および導電層が一括で接合される(ハイブリッドボンディング)。
【0142】
その後、半導体製造装置は、ADCウエハの薄化を行う(ステップS203)。具体的には、半導体製造装置は、
図21Cに示すように、
図21Bの状態から第2チップ22を3μm〜50μm程度に薄化を行う。この場合、第1チップ21がサポートウエハとして機能するため、第2チップ22を薄化する際のハンドリングのために、別途サポートウエハを用いる必要がない。
【0143】
続いて、半導体製造装置は、ADCウエハにTSVを形成する(ステップS204)。具体的には、
図21Dに示すように、半導体製造装置は、第2チップ22に対して
第2多層配線層26に接続するTSV32を形成する。
【0144】
その後、半導体製造装置は、ADCウエハとIFウエハを積層して接続する(ステップS205)。具体的には、
図21Eに示すように、第3チップ23の第3多層配線層27と第2チップ22の裏面に形成され、TSV32に接続する電極33をハイブリッドボンディングまたはバンプ等によって接続を行う。
【0145】
続いて、半導体製造装置は、CISウエハの薄化を行う(ステップS206)。具体的には、
図21Fに示すように、半導体製造装置は、第1チップ21の薄化を行う。
【0146】
その後、半導体製造装置は、CISウエハへのプロ−ビングパッドを開口する(ステップS207)。
図21Gに示すように、半導体製造装置は、第1チップ21の第1多層配線層25の一部をPADとして露出させるように、第1チップ21の接続部213(接続領域)におけるSi基板および絶縁層に対してエッチング処理を行うことによって、プロ−ビングパッド213aを形成する。
【0147】
続いて、半導体製造装置は、CISウエハにカラーフィルタまたはマイクロレンズ等のオンチップフィルタ(OCF)を形成する(ステップS208)。
【0148】
その後、図示しない検査装置は、積層ウエハを検査する(ステップS209)。具体的には、検査装置は、検査プローブをプロ−ビングパッド213aにプロ−ビングして積層ウエハの画像検査を行う。
【0149】
続いて、半導体製造装置は、CISウエハにカバーガラスを接着する(ステップS210)。具体的には、
図21Hに示すように、半導体製造装置は、第1チップ21にカバーガラス30を接着する。
【0150】
その後、半導体製造装置は、IFウエハの薄化を行う(ステップS211)。具体的には、
図21Iに示すように、半導体製造装置は、第3チップ23の薄化を行う。
【0151】
続いて、半導体製造装置は、IFウエハにTSVを形成し(ステップS212)、IFウエハの裏面に電極を形成する(ステップS213)。具体的には、
図21Jに示すように、半導体製造装置は、第3チップ23にTSV34を形成した後に、第3チップ23の裏面に外部接続用の電極35を形成する。このように半導体製造装置は、本実施の形態5に用いる撮像素子20fを製造し、本処理を終了する。
【0152】
以上説明した本発明の実施の形態5によれば、実施の形態1と同様に、撮像素子20fの小型化を実現することができる。
【0153】
(実施の形態5の係る変形例1)
次に、本発明の実施の形態5の変形例1について説明する。本実施の形態5の変形例1は、上述した実施の形態5に係る撮像素子20fの製造方法が異なる。以下においては、本実施の形態5の変形例1に係る撮像素子20fの製造方法について説明する。なお、上述した実施の形態1に係る内視鏡システム1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0154】
〔撮像素子の製造方法〕
図22は、本実施の形態5の変形例1に係る撮像素子20fの製造方法の概要を示すフローチャートである。
図23A〜
図23Lは、
図22の各製造工程における撮像素子20fの断面を示す模式図である。なお、以下においては、周知の半導体製造装置を用いて撮像素子20fを製造するため、半導体製造装置の構成については説明を省略する。
【0155】
図22において、ステップS301〜ステップS303は、上述した
図20のステップS201〜ステップS203それぞれに対応する。
【0156】
ステップS304において、半導体製造装置は、ADCウエハとIFウエハを積層して接続を行う。具体的には、
図23Dに示すように、半導体製造装置は、第2チップ22の薄化した面に形成された絶縁膜に第3チップ23の第3多層配線層27を積層して接続を行う。
【0157】
続いて、半導体製造装置は、IFウエハの薄化を行う(ステップS305)。具体的には、
図23Eに示すように、半導体製造装置は、第3チップ23の薄化を行う。
【0158】
その後、半導体製造装置は、ADCウエハおよびIFウエハにTSVを形成する(ステップS306)。具体的には、
図23Fに示すように、半導体製造装置は、第2チップ22および第3チップ23それぞれに対してTSV32を形成し、第2チップ22の第2多層配線層26および第3チップ23の第3多層配線層27を接続する。
【0159】
続いて、半導体製造装置は、IFウエハにサポートウエハを接合する(ステップS307)。具体的には、
図23Gに示すように、半導体製造装置は、第3チップ23の裏面にサポートウエハ50を仮接合する。
【0160】
ステップS308〜ステップS312は、上述した
図20のステップS206〜ステップS210それぞれに対応する。
【0161】
ステップS313において、半導体製造装置は、サポートウエハを剥離する。具体的には、
図23Kに示すように、半導体製造装置は、第3チップ23の裏面からサポートウエハ50を剥離する。
【0162】
続いて、半導体製造装置は、IFウエハの裏面に電極を形成する(ステップS314)。具体的には、
図23Lに示すように、半導体製造装置は、第3チップ23の裏面に電極35を形成する。このように半導体製造装置は、本実施の形態5の変形例1に用いる撮像素子20fを製造し、本処理を終了する。
【0163】
ここでは一例として、CISウエハの薄化(ステップS308)の前段階でIFウエハの薄化(ステップS305)およびIFウエハへのTSV形成(ステップS306)を行う方法を説明したが、IFウエハの薄化(ステップS305)およびIFウエハへのTSV形成(ステップS306)の前にADCウエハとIFウエハのTSV32を介した電気的接続を行った後、CISウエハの薄化(ステップS308)、CISウエハへのプロービングパッド開口(ステップS309)、CISウエハへのオンチップフィルタ(OCF)形成(ステップS310)、積層ウエハの検査(ステップS311)およびCISウエハへのカバーガラス接着(ステップS312)を行っても良い。この場合、CISウエハの薄化の際に薄化処理前の容量ウエハがサポートウエハとして機能するため、別途サポートウエハへの仮接合と剥離の工程を必要とせず、工程を簡略化することができる。
【0164】
以上説明した本発明の実施の形態5に係る変形例1によれば、実施の形態1と同様に、撮像素子20fの小型化を行うことができる。
【0165】
(実施の形態5に係る変形例2)
次に、本発明の実施の形態5の変形例2について説明する。本実施の形態5の変形例2は、上述した実施の形態5に係る撮像素子20fと構成が異なる。具体的には、上述した実施の形態5に係る撮像素子20fは、第1チップ21の接続部213にプロ−ビングパッド213aを形成していたが、本実施の形態5の変形例2に係る撮像素子は、第3チップ23の裏面に電極であるプロ−ビングパッドを形成してなる。以下においては、本実施の形態5の変形例2に係る撮像素子の構成を説明後、本実施の形態5の変形例2に係る撮像素子の製造方法について説明する。なお、上述した実施の形態1に係る内視鏡システム1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0166】
〔撮像素子の構成〕
図24は、本実施の形態5の変形例2に係る撮像素子の断面を示す模式図である。
図24に示す撮像素子20gは、第3チップ23の裏面に電極であるプロ−ビングパッド60を形成してなる。
【0167】
〔撮像素子の製造方法〕
次に、本実施の形態5の変形例2に係る撮像素子20gの製造方法について説明する。
図25は、本実施の形態5の変形例2に係る撮像素子20gの製造方法の概要を示すフローチャートである。
図26A〜
図26Iは、
図25の各製造工程における撮像素子20gの断面を示す模式図である。なお、以下においては、周知の半導体製造装置を用いて撮像素子20gを製造するため、半導体製造装置の構成については説明を省略する。
【0168】
図25において、ステップS401〜ステップS403は、上述した
図20のステップS201〜ステップS203それぞれに対応する。
【0169】
ステップS404において、半導体製造装置は、ADCウエハとIFウエハを積層して接続する。具体的には、
図26Dに示すように、第3チップ23の第3多層配線層27と第2チップ22の薄化した面を、絶縁膜を介した直接接合等によって接続を行う。
【0170】
続いて、半導体製造装置は、CISウエハの薄化を行う(ステップS405)。具体的には、
図26Eに示すように、半導体製造装置は、第1チップ21の薄化を行う。
【0171】
その後、半導体製造装置は、CISウエハにカラーフィルタまたはマイクロレンズ等のオンチップフィルタ(OCF)を形成する(ステップS406)。
【0172】
続いて、半導体製造装置は、CISウエハにカバーガラスを接着する(ステップS407)。具体的には、
図26Fに示すように、半導体製造装置は、第1チップ21にカバーガラス30(カーバガラスウエハ)を接着する。
【0173】
その後、半導体製造装置は、IFウエハの薄化を行う(ステップS408)。具体的には、
図26Gに示すように、半導体製造装置は、第3チップ23の薄化を行う。
【0174】
続いて、半導体製造装置は、ADCウエハおよびIFウエハにTSVを形成する(ステップS409)。具体的には、
図26Hに示すように、半導体製造装置は、第2チップ22および第3チップ23それぞれに対してTSV32を形成し、第2チップ22の第2多層配線層26および第3チップ23の第3多層配線層27を接続する。これにより、TSV32に接続した裏面配線がプロ−ビングパッドとして機能する。
【0175】
その後、図示しない検査装置は、積層ウエハを検査する(ステップS410)。具体的には、
図26Hに示すように、検査装置は、TSV32に接続した裏面配線をプロ−ビングパッドとして検査プローブを接触させることによって撮像素子20gを検査する。
【0176】
続いて、半導製造御装置は、IFウエハの裏面に電極を形成する(ステップS411)。具体的には、
図26Iに示すように、半導体製造装置は、第3チップ23のTSV32を形成した位置に電極であるプロ−ビングパッド60を形成する。このように半導体製造装置は、本実施の形態5の変形例2に用いる撮像素子20gを製造し、本処理を終了する。
【0177】
以上説明した本発明の実施の形態5の変形例2によれば、実施の形態1と同様に、撮像素子20gの小型化を実現することができる。
【0178】
(実施の形態5の変形例3)
次に、本発明の実施の形態5の変形例3について説明する。本実施の形態5の変形例3は、上述した実施の形態5の撮像素子20fと構成が異なる。以下においては、本実施の形態5の変形例3に係る撮像素子の構成について説明する。なお、上述した実施の形態1に係る内視鏡システム1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0179】
〔撮像素子の構成〕
図27Aは、本実施の形態5の変形例3に係る撮像素子の第1チップの平面図である。
図27Bは、本実施の形態5の変形例3に係る撮像素子の第2チップの平面図である。
図27Cは、本実施の形態5の変形例3に係る撮像素子の第3チップの平面図である。
【0180】
図27A〜
図27Cに示すように、撮像素子20hは、第1チップ21と、第2チップ22cと、第3チップ23hと、を備える。
【0181】
第3チップ23hは、伝送部231と、電源部232と、垂直選択部212を駆動する制御信号を生成する第2タイミング制御部234(第2タイミング制御回路)と、接続部233cと、を備える。
【0182】
以上説明した本発明の実施の形態5の変形例3によれば、垂直選択部212の駆動信号が基準クロック信号の周期に対して長いパルス幅を有する(例えば、水平走査期間の単位でHighまたはLowを切り替える)低速な信号であるため、第3チップ23hに第2タイミング制御部234を設けることによって、チップ間の信号伝送により生じるタイミングばらつきを調整する回路をさらに備えることなく、撮像素子20hのセンササイズを最適化することができる。
【0183】
なお、本発明の実施の形態5の変形例3では、第1タイミング制御部222cを第2チップ22cに、第2タイミング制御部234を第3チップ23hにそれぞれ設けていたが、第1タイミング制御部222cを第3チップ23hに、第2タイミング制御部234を第2チップ22cに設けてもよい。
【0184】
(その他の実施の形態)
また、本実施の形態では、被検体に挿入される内視鏡であったが、例えばカプセル型の内視鏡または被検体を撮像する撮像装置であっても適用することができる。
【0185】
なお、本明細書におけるタイミングチャートやフローチャートの説明では、「まず」、「その後」、「続いて」等の表現を用いて各間の処理の前後関係を明示していたが、本発明を実施するために必要な処理の順序は、それらの表現によって一意的に定められるわけではない。即ち、本明細書で記載したタイミングチャートやフローチャートにおける処理の順序は、矛盾のない範囲で変更することができる。
【0186】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【0187】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態を含みうるものであり、請求の範囲によって特定される技術的思想の範囲内で種々の設計変更等を行うことが可能である。