特許第6439245号(P6439245)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6439245
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】ラジアルころ軸受
(51)【国際特許分類】
   F16C 33/46 20060101AFI20181210BHJP
   F16C 19/46 20060101ALI20181210BHJP
   F16C 33/56 20060101ALI20181210BHJP
【FI】
   F16C33/46
   F16C19/46
   F16C33/56
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-241279(P2013-241279)
(22)【出願日】2013年11月21日
(65)【公開番号】特開2015-102113(P2015-102113A)
(43)【公開日】2015年6月4日
【審査請求日】2016年11月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100090343
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 百合子
(74)【代理人】
【識別番号】100105474
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 弘徳
(72)【発明者】
【氏名】藤波 誠
【審査官】 中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−283933(JP,A)
【文献】 特開平10−318264(JP,A)
【文献】 特開2003−287033(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 19/00 − 19/56
F16C 33/30 − 33/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに同軸に配置される円環状の一対のフランジと、前記一対のフランジ間に円周方向に略等間隔に配置され、前記一対のフランジを連結する複数の柱部と、を有する保持器と、
前記保持器の円周方向に互いに隣り合う前記柱部間に形成される各ポケット部にそれぞれ保持されるころと、を備えるラジアルころ軸受であって、
前記フランジの外周面及び内周面のそれぞれに肉盗み部を全周に亘って形成することにより、前記フランジを断面略T字状に形成し、前記フランジの肉厚を略均等にすることを特徴とするラジアルころ軸受。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラジアルころ軸受に関し、より詳細には、ラジアルニードル軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のラジアルころ軸受として、保持器のフランジ(リム部)の外周面に、軸方向外端側に向けて縮径する縮小面が形成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−283933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載のラジアルころ軸受では、フランジの外周面に形成される縮小面により潤滑性を向上するものの、フランジの断面肉厚について留意していないため、例えば、ころ径が大きく、保持器の軸方向幅に対してころが短い保持器の場合、図8に示すように、フランジの径方向幅及び軸方向幅が大きくなり、保持器成型時に表面と内部に冷却速度差が生じ、フランジにヒケや変形が起こり、保持器の寸法精度を確保することができないことがあった。なお、図8の符号は、後述するラジアルころ軸受10の符号に準じて付されている。
【0005】
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、保持器のフランジのヒケや変形を防止することができ、保持器の寸法精度を確保することができるラジアルころ軸受を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)互いに同軸に配置される円環状の一対のフランジと、一対のフランジ間に円周方向に略等間隔に配置され、一対のフランジを連結する複数の柱部と、を有する保持器と、保持器の円周方向に互いに隣り合う柱部間に形成される各ポケット部にそれぞれ保持されるころと、を備えるラジアルころ軸受であって、フランジの外周面及び内周面のそれぞれに肉盗み部を全周に亘って形成することにより、フランジを断面略T字状に形成し、フランジの肉厚を略均等にすることを特徴とするラジアルころ軸受。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、フランジの外周面及び内周面のそれぞれに肉盗み部を全周に亘って形成することにより、フランジを断面略T字状に形成し、フランジの肉厚を略均等にするため、保持器成型時における表面と内部の冷却速度差を略均等にすることができ、これにより、保持器のフランジのヒケや変形を防止することができ、保持器の寸法精度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係るラジアルころ軸受の一実施形態を説明する断面図である。
図2図1に示すラジアルころ軸受の拡大断面図である。
図3図2のA−A線断面図である。
図4】本発明に係るラジアルころ軸受の一実施形態の第1変形例を説明する拡大断面図である。
図5】本発明に係るラジアルころ軸受の一実施形態の第2変形例を説明する拡大断面図である。
図6】本発明に係るラジアルころ軸受の一実施形態の第3変形例を説明する拡大断面図である。
図7】本発明に係るラジアルころ軸受の一実施形態の第4変形例を説明する拡大断面図である。
図8】従来のラジアルころ軸受を説明する拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係るラジアルころ軸受の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
本実施形態のラジアルころ軸受10は、例えば、図1図3に示すように、ハウジング11と回転軸12との間に配置されるものであり、互いに同軸に配置される円環状の一対のフランジ21と、一対のフランジ21間に円周方向に略等間隔に配置され、一対のフランジ21を連結する複数の柱部22と、を有する合成樹脂製の保持器20と、保持器20の円周方向に互いに隣り合う柱部22間に形成される各ポケット部23にそれぞれ保持されるころ30と、を備える。
【0011】
フランジ21は、図2及び図3に示すように、その外周面21aの軸方向外側に段部(肉盗み部)24が全周に亘って形成され、断面略L字状に形成されている。そして、この段部24が形成されることにより、フランジ21の表面から内部に向かう最大距離L1が柱部22の表面から内部に向かう最大距離L2以下となるように設定されている。さらに、本実施形態では、フランジ21の断面略L字状の肉厚が略均等になるように段部24が形成されている。また、フランジ21の内周面21bは、フランジ21の軸方向に沿うストレート面に形成されている。
【0012】
以上説明したように、本実施形態のラジアルころ軸受10によれば、フランジ21の外周面21aに段部24を全周に亘って形成することにより、フランジ21の表面から内部に向かう最大距離L1が、柱部22の表面から内部に向かう最大距離L2以下に設定されるため、保持器成型時における表面と内部の冷却速度差を略均等にすることができ、これにより、保持器20のフランジ21のヒケや変形を防止することができ、保持器20の寸法精度を確保することができる。さらに、段部24の分の樹脂材料の使用量を削減することができるので、保持器20を軽量化することができると共に、製造コストを削減することができる。
【0013】
なお、肉盗み部は、ころ30と対向するフランジ21の軸方向内端面以外の面に形成されていればよく、例えば、本実施形態の第1変形例として、図4に示すように、フランジ21の内周面21bの軸方向外側に段部24が形成されていてもよい。この場合、フランジ21は、断面略逆L字状に形成される。なお、本変形例は、保持器20がその内周面21bで案内される場合や保持器20の幅方向の案内がその外周面21aでしかできない場合に採用される。
【0014】
次に、本実施形態の第2変形例として、図5に示すように、フランジ21の外周面21a及び内周面21bの軸方向外側に段部24がそれぞれ形成されていてもよい。この場合、フランジ21は、断面略T字状に形成される。本変形例によれば、軸受10の通油性を向上することができる。
【0015】
次に、本実施形態の第3変形例として、図6に示すように、フランジ21の内周面21bを軸方向外端側に向けて拡径するテーパ面に形成してもよい。この場合、軸受10の通油性を向上することができる。
【0016】
次に、本実施形態の第4変形例として、図7に示すように、上記段部24の代わりに、フランジ21の軸方向外端面21cの径方向中央部に凹溝(肉盗み部)34が全周に亘って形成され、断面略コの字状に形成されていてもよい。
【0017】
なお、本発明は上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、本実施形態のラジアルころ軸受は、保持器と複数のころから構成されているが、外輪、内輪、保持器、及び複数のころから構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0018】
10 ラジアルころ軸受
20 保持器
21 フランジ
21a 外周面
21b 内周面
21c 軸方向外端面
22 柱部
23 ポケット部
24 段部(肉盗み部)
30 ころ
34 凹溝(肉盗み部)
L1 フランジの表面から内部に向かう最大距離
L2 柱部の表面から内部に向かう最大距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8