(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1から請求項5までのいずれかに記載の特典付与サーバと、近距離通信をするためのアンテナを備える携帯端末とが通信ネットワークを介して接続される特典付与システムにおいて、
前記携帯端末は、
前記アンテナと、商品識別情報を含む商品情報を記憶した商品識別媒体とが近づくことで、前記商品識別媒体に記憶された前記商品情報と、その商品識別媒体の位置情報とを取得して前記携帯端末の記憶部に記憶させる商品情報収集手段と、
前記商品情報収集手段により前記記憶部に記憶された前記商品情報が所定の条件を満たした場合に、前記特典付与サーバに対して前記商品情報と、前記位置情報とを送信する情報送信手段と、
を備えること、
を特徴とする特典付与システム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について、図を参照しながら説明する。なお、これは、あくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
(実施形態)
図1は、本実施形態に係る特典付与システム100の全体構成を示す図である。
特典付与システム100は、ユーザが携帯端末1の近距離通信機能を使用して、現実店舗にて気になる商品の商品情報をクリッピング(取得及び記憶)することで、商品購買時に使用可能な特典であるクーポンを、ユーザに付与するシステムである。なお、現実店舗とは、ユーザ自らが足を運んで赴く店舗をいい、インターネット上の店舗(仮想店舗)を除く概念である。
【0011】
特典付与システム100は、携帯端末1と、商品タグ3(商品識別媒体)と、サーバ6(特典付与サーバ)とを備える。
携帯端末1は、サーバ6に対して、例えば、インターネット等の通信ネットワークNを介して、各々通信可能になっている。
携帯端末1は、ユーザが携行する携帯情報端末であり、例えば、スマートフォン等の多機能型携帯電話機である。
携帯端末1は、後述するように、複数のwgt(ウィジェット)23(アプリケーション)を実行させるサービス連携アプリ22b(プログラム)により、様々なサービスと連携した処理を行うことができる。
【0012】
様々なサービスとは、例えば、以下のサービスをいう。
(#1)現実店舗への来店時に、商品購買で使用可能なポイントを付与するポイント付与サービス。
携帯端末1と、ポイント付与端末4と、サーバ6とによる処理である。
(#2)ユーザが現実店舗に陳列された商品のうち気になる商品の商品情報をクリッピングし、さらにその商品の評価を入力できるクリッピングサービス。
携帯端末1と、商品タグ3とによる処理である。
(#3)クリッピングした商品情報の商品数や評価情報量に応じて、商品購買時に使用可能なクーポンを付与するクーポン付与サービス。
携帯端末1と、サーバ6とによる処理である。
(#4)クーポンを商品購買時の決済処理で使用する決済サービス。
携帯端末1と、POS端末5と、サーバ6とによる処理である。
以降においては、特典付与システム100に関する(#2)及び(#3)について、説明する。
【0013】
次に、各装置の構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る特典付与システム100の機能ブロックを示す図である。
図3は、本実施形態に係る携帯端末1の制御部10の機能ブロックを示す図及び記憶部20のソフトウェア構造を説明するための図である。
最初に、携帯端末1の構成について説明する。
図2に示すように、携帯端末1は、制御部10と、記憶部20と、タッチパネルディスプレイ24と、NFC(Near Field Communication)チップ26と、NFC用アンテナ27と、通信I/F(インタフェース)部28とを備える。
制御部10は、携帯端末1の全体を制御する中央処理装置(CPU)である。制御部10は、記憶部20に記憶されているオペレーティングシステム(OS22a、
図3参照)や、各種のアプリケーションプログラム(例えば、サービス連携アプリ22b、
図3参照)を適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、各種機能を実行する。
なお、以下、アプリケーションを、アプリともいう。
【0014】
図3(A)に示すように、制御部10は、ポイントwgt実行部11と、クリッピングwgt実行部12と、クーポンwgt実行部13と、決済wgt実行部14とを備える。
ポイントwgt実行部11は、ポイントwgt23aを実行させる制御部である。
クリッピングwgt実行部12は、クリッピングwgt23bを実行させる制御部である。
クリッピングwgt実行部12は、クリップ情報収集部12a(商品情報収集手段)と、評価画面出力部12bと、記憶制御部12cと、クリップ情報送信部12d(情報送信手段)とを備える。
【0015】
クリップ情報収集部12aは、商品タグ3から商品情報と、店舗コード(位置情報)とを取得して記憶部20に記憶させる。
評価画面出力部12bは、取得した商品情報に関する評価を入力するための評価画面80(
図7(A)参照)を、タッチパネルディスプレイ24に出力させる。
記憶制御部12cは、評価情報を、商品情報に対応付けて記憶させる。
クリップ情報送信部12dは、記憶された商品情報と、店舗コードと、評価情報とを、サーバ6に送信する。
クーポンwgt実行部13は、クーポンwgt23cを実行させる制御部である。
決済wgt実行部14は、決済wgt23dを実行させる制御部である。
クリッピングwgt実行部12及びクーポンwgt実行部13の詳細については、後述する。
【0016】
図2に戻り、記憶部20は、携帯端末1の動作に必要なプログラム、データ等を記憶するための半導体メモリ素子等の記憶装置である。
図3(B)に示すように、携帯端末1は、ハードウェアを直接制御するソフトウェアとしてのOS22aを、記憶部20に搭載している。そして、記憶部20は、サービス連携アプリ22bを記憶しており、土台であるOS22aの上位で実行される。つまり、サービス連携アプリ22bは、OS22aが制御し、OS22aの支配下で実行される。なお、記憶部20は、OS22aの上位で実行されるプログラムとして、サービス連携アプリ22b以外のその他複数のアプリを記憶していてもよい(例えば、「××アプリ」、「△△アプリ」)。OS22aは、サービス連携アプリ22bと、その他のアプリとに共通して利用される基本的な機能を提供するマルチアプリケーションOSである。
【0017】
サービス連携アプリ22bは、このサービス連携アプリ22bの上位で実行される複数のwgt23に共通して利用される基本的な機能を提供する。つまり、複数のwgt23の各々は、サービス連携アプリ22bが制御し、サービス連携アプリ22bの支配下で実行される。一例として、サービス連携アプリ22bは、複数のwgt23を連携させるために使用する。
記憶部20は、サービス連携アプリ22bの上位で実行される複数のwgt23を備える。
ポイントwgt23aは、ポイント付与アプリケーションである。
クリッピングwgt23bは、クリッピングアプリケーションである。
クーポンwgt23cは、クーポン付与アプリケーションである。
また、決済wgt23dは、決済アプリケーションである。
なお、記憶部20は、複数のwgt23として、その他のサービスを提供するためのwgt23を、サービス連携アプリ22bの上位に有していてもよい。
【0018】
図2に戻り、タッチパネルディスプレイ24は、液晶パネル等で構成される表示部としての機能と、ユーザからの指等によるタッチ入力を検出する入力部としての機能とを有する。
NFCチップ26は、NFCの規格により作成されたIC(Integrated Circuit)チップである。NFCの規格(ISO/IEC18092(NFC IP−1)、ISO/IEC21481(NFC IP−2))では、13.56MHzの電磁波を使い、100mm程度の至近距離でデータ通信を行う近距離無線通信が可能である。NFCチップ26は、NFC用アンテナ27により、商品タグ3との間でNFC規格に準じて近距離無線通信を行う。
【0019】
また、NFCチップ26は、セキュアな記憶領域を有する。セキュアな記憶領域には、例えば、クレジット情報等を記憶することができるので、携帯端末1を決済処理で使用できる。
NFC用アンテナ27は、ループアンテナである。
通信I/F部28は、通信ネットワークNを介した通信を行うためのインタフェース部である。通信I/F部28は、サーバ6にアクセスする際に用いられる。
【0020】
次に、商品タグ3について説明する。
商品タグ3は、現実店舗にある商品の陳列棚や、商品自体の値札等(
図1参照)に付されたタグであり、例えば、NFCタグである。
商品タグ3は、NFCチップ36と、NFC用アンテナ37とを備える。
NFCチップ36は、NFCの規格により作成されたICチップである。
NFCチップ36は、制御部36aと、記憶部36bとを備える。
制御部36aは、NFC用アンテナ37により、携帯端末1との間でNFC規格に準じて近距離無線通信を行う。
記憶部36bは、商品情報及び店舗コードを記憶する。商品情報は、商品名、商品コード、カテゴリ等の商品を特定するための情報を有する。また、店舗コードは、店舗位置を特定可能な識別情報である。
NFC用アンテナ37は、ループアンテナである。
【0021】
次に、サーバ6について説明する。
サーバ6は、携帯端末1から受信したクリップ情報21(後述する)を記憶する。また、サーバ6は、クーポンを管理する。
サーバ6は、制御部60と、記憶部70と、通信I/F部78とを備える。
制御部60は、サーバ6の全体を制御するCPUである。制御部60は、記憶部70に記憶されているOSや、各種のアプリケーションプログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、各種機能を実行する。
【0022】
制御部60は、クリップ情報受信部61と、クーポン特定部62と、クーポン送信部63とを備える。
クリップ情報受信部61は、携帯端末1からクリップ情報21を受信する。
クーポン特定部62は、受信したクリップ情報基づいてクーポンを特定する。
クーポン送信部63は、特定したクーポンを、クリップ情報21を送信した携帯端末1に対して送信する。
【0023】
記憶部70は、制御部60を実行するために必要なプログラム、データ等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。
記憶部70は、クリップ情報DB(データベース)71と、クーポンDB72と、店舗クーポンテーブル73と、クーポンランクテーブル74とを備える。
クリップ情報DB71は、携帯端末1がクリッピングした商品情報等を記憶する。
クーポンDB72は、クーポンを記憶する。
店舗クーポンテーブル73は、店舗コードごとに、クーポンを特定するためのクーポン種別が対応付けられている。
クーポンランクテーブル74は、店舗位置ごとに、クーポンのランクが設定されている。
なお、クーポンDB72と、店舗クーポンテーブル73と、クーポンランクテーブル74との詳細については、後述する。
通信I/F部78は、通信ネットワークNを介した通信を行うためのインタフェース部である。
【0024】
次に、特典付与システム100の処理について説明する。
ここで説明する特典付与システム100の処理とは、クリッピングサービス及びクーポン付与サービスに関する処理(
図1の(#2)及び(#3)参照)である。
図4は、本実施形態に係る携帯端末1でのサービス連携アプリ処理を示すフローチャートである。
図5は、本実施形態に係る携帯端末1及び商品タグ3でのクリッピング処理を示すフローチャートである。
図6は、本実施形態に係る携帯端末1での評価入力処理を示すフローチャートである。
図7は、本実施形態に係る携帯端末1のタッチパネルディスプレイ24での表示例を示す図である。
図8は、本実施形態に係る携帯端末1の記憶部20に記憶されたクリップ情報21の例を示す図である。
図9は、本実施形態に係る携帯端末1及びサーバ6でのクーポン処理を示すフローチャートである。
【0025】
図4のステップS(以下、単に「S」という。)10において、起動アイコンをユーザが操作することで、携帯端末1の制御部10は、サービス連携アプリ22bを起動する。起動アイコンは、例えば、タッチパネルディスプレイ24に表示されているサービス連携アプリ22bを起動させるアイコンである。
なお、ユーザがポイント付与端末4にて、携帯端末1に来店ポイントを付与する処理を行った場合(
図1の(#1))には、既にサービス連携アプリ22bが起動されているので、本処理は不要である。
S11において、携帯端末1の制御部10は、商品タグ3に近づいたか否かを判断する。ユーザが気になった商品の商品タグ3に、携帯端末1のNFC用アンテナ27を近づけることで、制御部10は、商品タグ3に近づいたことを判断できる。商品タグ3に近づいた場合(S11:YES)には、制御部10は、処理をS12に移す。他方、商品タグ3に近づいていない場合(S11:NO)には、制御部10は、商品タグ3に近づくまで待機する。
S12において、制御部10は、クリッピング処理を行う。
【0026】
ここで、クリッピング処理について、
図5に基づき説明する。
図5のS20及びS20aにおいて、携帯端末1の制御部10と、商品タグ3のNFCチップ36に含む制御部36aとは、近距離無線通信を確立させる。商品タグ3と携帯端末1との間での近距離無線通信は、NFCのピアツーピア(P2P)の機能を利用する。
NFCチップ36に含む制御部36aは、携帯端末1との通信が確立したことに応じて、クリッピングwgt23bの実行命令を送出する(S20b)。そこで、S21において、携帯端末1の制御部10(クリッピングwgt実行部12)は、クリッピングwgt23bの実行命令を受信して、クリッピングwgt23bを実行する。
【0027】
S22において、携帯端末1の制御部10(クリッピングwgt実行部12)は、NFCチップ36の記憶部36bに対する情報の送信要求を送出する。
NFCチップ36に含む制御部36aは、携帯端末1から記憶部36bに対する情報の送信要求を受信する(S22a)。
そして、制御部36aは、NFCチップ36の記憶部36bに記憶されている商品情報及び店舗コードを送出する(S22b)。
それを受けて、S23において、携帯端末1の制御部10(クリップ情報収集部12a,記憶制御部12c)は、商品情報及び店舗コードを受信して、記憶部20のクリップ情報21に記憶させる。このような、商品情報を受信(取得)して記憶部20に記憶(収集)させることを、クリッピングという。その後、制御部10は、処理を
図4に移す。
図4に戻り、S13において、制御部10は、評価入力処理を行う。
【0028】
ここで、評価入力処理について、
図6に基づき説明する。
図6のS30において、携帯端末1の制御部10(評価画面出力部12b)は、評価画面80をタッチパネルディスプレイ24に出力する。
評価画面80は、
図7(A)に示すように、クリッピングした商品に関する評価をユーザに入力させるための画面である。
評価画面80は、商品情報部80aと、入力部80bと、ボタン80c,80dとを備える。
商品情報部80aは、クリッピングした商品がユーザにわかるように、例えば、商品名を出力する。
入力部80bは、ユーザのこの商品に関する購買意欲を、ユーザがスライドバーを左右方向に操作することで入力可能になっている。また、入力部80bは、ユーザがこの商品をクリッピングした理由を、ユーザの選択操作によって入力可能になっている。
ユーザは、入力部80bのスライドバーを、購買意欲の度合いに応じて左右方向に操作し、また、クリッピングした理由を、選択肢から1又は複数選択するという簡単な操作で、その商品に対する評価を入力できる。
【0029】
図6に戻り、S31において、携帯端末1の制御部10(クリッピングwgt実行部12)は、評価が入力されたか否かを判断する。評価が入力されたか否かは、ユーザが評価画面80に入力後にボタン80cを選択したか否かにより判断できる。評価が入力された場合(S31:YES)には、制御部10は、処理をS32に移す。他方、評価が入力されていない場合(S31:NO)には、制御部10は、処理をS33に移す。なお、評価が入力されていない場合とは、ユーザがボタン80dを選択した場合である。
S32において、携帯端末1の制御部10(記憶制御部12c)は、商品情報に評価情報を対応付けてクリップ情報21に記憶させる。
【0030】
ここで、クリップ情報21について説明する。
図8は、記憶部20に記憶されているクリップ情報21を示す。
クリップ情報21は、日時情報21aと、店舗コード21bと、商品情報21cと、評価情報21dとを含む。日時情報21aは、クリッピングした日時を記憶する。店舗コード21b及び商品情報21cは、商品タグ3から取得した情報を記憶する。評価情報21dは、ユーザによって入力された評価情報を、数値化及びフラグの有無で表して記憶する。
この
図8の例では、
図7(A)の画面により評価を入力したもの(最上段)以外に、他の2つの商品についてもクリッピング及び評価入力を行ったものである。
【0031】
図6に戻り、S33において、携帯端末1の制御部10は、クリッピング一覧画面81をタッチパネルディスプレイ24に出力する。
図7(B)に示すクリッピング一覧画面81は、クリッピングした商品の一覧を表示する画面である。
クリッピング一覧画面81は、一覧表示部81aと、ボタン81b,81cとを備える。
一覧表示部81aは、クリッピングした商品の商品名及び評価したか否かの情報を表示する。
ボタン81bは、クリップ情報21を、サーバ6に送信する送信ボタンである。
ボタン81cは、クリッピングするのみで、クリップ情報21をサーバ6へ送信せずに終了する終了ボタンである。
その後、制御部10は、処理を
図4に移す。
【0032】
図4に戻り、S14において、携帯端末1の制御部10は、クリップ情報21を送信するか否かを判断する。上述のクリッピング一覧画面81でボタン81bが選択された場合には、クリップ情報21を送信する。クリップ情報21を送信する場合(S14:YES)には、制御部10は、処理をS15に移す。他方、クリップ情報21を送信しない場合(S14:NO)には、制御部10は、処理をS16に移す。
S15において、クーポン処理を行う。
【0033】
ここで、クーポン処理について、
図9に基づき説明する。
図9のS40aにおいて、携帯端末1の制御部10(クリップ情報送信部12d)は、記憶部20に記憶されているクリップ情報21を、サーバ6に対して送信する。
その後、S40bにおいて、携帯端末1の制御部10(クーポンwgt実行部13)は、クーポンwgt23cを実行する。
他方、S41において、サーバ6の制御部60(クリップ情報受信部61)は、携帯端末1から送信されたクリップ情報21を受信する。
S42において、制御部60は、受信したクリップ情報21を、クリップ情報DB71に記憶させる。
【0034】
S43において、制御部60(クーポン特定部62)は、後述するクーポン特定処理を行う。
S44において、制御部60(クーポン送信部63)は、特定したクーポンのクーポンID(IDentifier)を、携帯端末1に送信する。
S45において、携帯端末1の制御部10(クーポンwgt実行部13)は、サーバ6からクーポンIDを受信する。
S46において、制御部10(クーポンwgt実行部13)は、クーポンIDを記憶部20に記憶させる。
【0035】
S47において、制御部10は、(クーポンwgt実行部13)は、取得したクーポンIDの内容を表示するためのクーポン画面90を、タッチパネルディスプレイ24に表示させる。
図7(C)は、タッチパネルディスプレイ24に表示されたクーポン画面90の一例である。
クーポンを商品購買時に使用する場合には、ユーザが事前にクーポン画面90を開いてクーポンを使用する旨のボタン90aを選択しておく。
図9に戻り、その後、制御部10は、処理を
図4に移す。
【0036】
図4に戻り、S16において、携帯端末1の制御部10(クーポンwgt実行部13)は、クーポンの使用を受け付けたか否かを判断する。クーポンの使用を受け付けた場合(S16:YES)には、制御部10は、処理をS17に移す。クーポンの使用を受け付けた場合とは、
図7(C)でユーザによりボタン90aが選択された場合である。他方、クーポンの使用を受け付けていない場合(S16:NO)には、制御部10は、処理をS18に移す。
S17において、携帯端末1の制御部10(クーポンwgt実行部13)は、使用する旨の情報を該当のクーポンIDに対応付けて記憶部20に記憶する。
【0037】
S18において、携帯端末1の制御部10は、例えば、ユーザによる確認完了の操作を受け付けたことに応じて、クーポンwgt23cの実行を終了する。
なお、クーポンを使用したい場合には、ユーザは、決済時までに使用のための操作を行えばよい。クーポン使用のための操作は、ユーザがタッチパネルディスプレイ24に表示されたアイコンを選択することで、クーポンwgt23cを起動させ、
図7(C)に示すクーポン画面90を表示させる。そして、ユーザは、使用する旨のボタン90aを選択すればよい。
【0038】
S19において、制御部10は、サービス連携アプリ22bを終了するか否かを判断する。ユーザによるサービス連携アプリ22bの終了操作を受け付けた場合には、サービス連携アプリ22bを終了する。サービス連携アプリ22bを終了する場合(S19:YES)には、制御部10は、処理をS20に移す。他方、サービス連携アプリ22bを終了しない場合(S19:NO)には、制御部10は、処理をS11に移す。
S20において、携帯端末1の制御部10は、クリッピングwgt23bの実行を終了後に、サービス連携アプリ22bの実行を終了する。
その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0039】
次に、サーバ6のクーポン特定処理について説明する。
図10は、本実施形態に係るサーバ6でのクーポン特定処理を示すフローチャートである。
図11は、本実施形態に係るサーバ6の記憶部70に記憶された各テーブル等の例を示す図である。
図10のS60において、サーバ6の制御部60(クーポン特定部62)は、携帯端末1から受信して記憶したクリップ情報に含まれる商品数nと、クリップした商品情報に対する評価数mとを算出する。商品数nと評価数mとは、「n≧m」の関係にある。
S61において、制御部60(クーポン特定部62)は、携帯端末1から受信して記憶したクリップ情報に含まれる店舗コードから、店舗位置(位置情報)を取得する。
S62において、制御部60(クーポン特定部62)は、商品数nと、評価数mと、店舗位置と、クリッピングした日時とに基づき、クーポンDB72を参照してクーポンを特定する。
【0040】
ここで、クーポンの特定について、具体的に説明する。
図11(A)に示す店舗クーポンテーブル73は、店舗コードと、店舗位置と、クーポン種別とが対応付けられたテーブルである。クーポン種別は、クリッピングをした日が平日か、それ以外(土日祝)かにより異なり、店舗位置とクリッピングした日の曜日とを識別するためのコードである。
制御部60(クーポン特定部62)は、受信したクリップ情報21に含まれる店舗コードから、店舗位置を取得できる。そして、クーポン種別は、店舗位置に対応付けられているので、店舗位置を反映したものにできる。また、クーポン種別は、クリッピングした日の曜日により異なるので、クリッピングした日時に対応したものにできる。
【0041】
図11(B)に示すクーポンランクテーブル74は、店舗位置と、商品数nと、評価数mとに対してクーポンのランクが対応付けられたテーブルである。クーポンランクテーブル74は、商品数nが多く、評価数mが多いほど、ランクが高く設定されており、価値の高い(例えば、割引率が高い)クーポンに関連付けられている。
図11(C)に示すクーポンDB72は、クーポン種別と、ランクとに対応付けて、クーポンIDと、そのクーポンの内容とを記憶したテーブルである。クーポン種別は、店舗クーポンテーブル73により特定できる。また、ランクは、クーポンランクテーブル74により特定できる。クーポンIDは、クーポンを特定する識別情報である。よって、クーポンDB72に記憶されているクーポンは、クリッピングした日時とその店舗によって、また、クリッピングした商品数nと評価数mとによって特定されるものである。
【0042】
制御部60(クーポン特定部62)は、S61で取得した店舗位置と、クリップ情報に含まれる日時情報とから、店舗クーポンテーブル73を参照してクーポン種別を特定する。また、制御部60(クーポン特定部62)は、S61で取得した店舗位置と、S60で算出した商品数n及び評価数mとから、クーポンランクテーブル74を参照して、ランクを特定する。そして、制御部60(クーポン特定部62)は、特定したクーポン種別と、ランクとに基づき、クーポンDB72を参照してクーポンIDを決定する。
【0043】
図10に戻り、その後、制御部60(クーポン特定部62)は、本処理を終了し、処理を
図9に移す。
【0044】
このように、本実施形態によれば、サーバ6は、以下のような効果がある。
(1)携帯端末1に送信するクーポンが、店舗位置に対応しているので、店舗ごとに取扱うクーポンを異なるものにできる。例えば、北海道にある店舗と、東京にある店舗とでは、取り扱う商品も異なる。よって、クーポン種別を異なるようにすることで、クーポンも異なるものにでき、よりユーザニーズに合致したクーポンを提供できる。
(2)ユーザがクリッピングをすればするほど、クーポンをより有利なものにできる。つまり、ユーザによるクリッピングの手間に応じた価値のクーポンを付与できる。これにより、ユーザが数多くクリッピングをするインセンティブを与えることができる。
(3)ユーザが評価を入力した場合には、クーポンをより有利なものにできる。つまり、ユーザによる評価入力の手間に応じた価値のクーポンを付与できる。これにより、ユーザが評価をするインセンティブを与えることができる。
【0045】
(4)クリッピングした商品情報に関する評価画面80を、クリッピングした際に出力するので、携帯端末1のユーザに対して商品情報に関する評価を入力しやすくできる。
また、評価項目を最小限にし、選択式の評価項目にすることで、ユーザに入力を促しやすくできる。
(5)クリッピングをしてサーバ6に送信したクリッピングの日時によって、クーポンを変化させることができる。よって、来店するユーザに提供するクーポンを、曜日等の日時によってより有利なものにできる。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0047】
(変形形態)
(1)本実施形態では、携帯端末がNFCチップを有するものとして説明した。しかし、NFCチップ以外のICチップであってもよい。例えば、携帯端末は、UIM(User Identity Module)を備えてもよいし、マイクロSDカード等であってもよい。また、取り外し可能な記憶媒体であってもよいし、取り外しができないタイプのモジュールであってもよい。
(2)本実施形態では、携帯端末でクリップ情報を送信するか否かをユーザが自発的に行うことで、サーバはクリップ情報を収集するものを説明した。しかし、クリッピングされた商品数が所定数になった場合に、携帯端末から自動的にサーバにクリップ情報が送信され、クーポンを提供するようにしてもよい。また、クリッピングした商品情報が予め決められた特定の商品に対するものである場合に、携帯端末から自動的にサーバにクリップ情報が送信され、クーポンを提供するようにしてもよい。さらに、商品購買時に携帯端末からPOS端末を経由してクリップ情報を取得するようにしてもよい。
【0048】
(3)本実施形態では、曜日によってクーポンを異なるものにするものを説明した。しかし、曜日に限らず、日時情報として得られる時間帯や、月、季節等によって異なるものにするようにしてもよい。このようにすることで、クーポンをユーザが来店した時間帯や季節に合ったものにできる。
(4)本実施形態では、商品タグに予め記憶されている店舗コードによりクリッピングした位置を取得できるものを説明した。しかし、商品タグには、商品情報のみが記憶されているものであってもよい。その場合には、携帯端末には、例えば、GPS等により位置情報を取得できる位置取得部を備えて、携帯端末は、クリッピングした際に位置情報を取得して、商品情報と、取得した位置情報とを記憶すればよい。
【0049】
(5)本実施形態では、携帯端末のユーザがクリッピングした情報をサーバに提供することでクーポンを付与するものとして説明した。しかし、クーポンは一例であり、ユーザにクリッピングを促すことができるものであれば、他のものでもよく、例えば、ポイント等であってもよい。
(6)本実施形態では、ユーザがクリッピングした店舗位置に基づいて、クーポンを決定するものであった。しかし、さらにユーザの個人情報を加えてクーポンを決定してもよい。その場合には、例えば、サービス連携アプリをインストールする際に、個人情報として、性別や生年月日等をユーザに登録させることで、サーバにユーザIDと共に個人情報を登録しておく。そして、携帯端末がクリップ情報を送信時に、ユーザIDを送信することで、サーバでは、その個人が特定できるので、ニーズにより合致したクーポンを提供できる。
【0050】
(7)本実施形態では、店舗コードに対応付けたクーポン種別が予め設定されているものとして説明した。しかし、記憶されたクリップ情報を店舗ごとに解析し、クリッピングされた度合いに応じてクーポン種別に都度変更するようにしてもよい。そのようにすることで、よりニーズに合致したクーポンを提供できる。